TOP > 国内特許検索 > 廃水処理装置及び気体式液体仕切弁 > 明細書

明細書 :廃水処理装置及び気体式液体仕切弁

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B1)
特許番号 特許第6029081号 (P6029081)
登録日 平成28年10月28日(2016.10.28)
発行日 平成28年11月24日(2016.11.24)
発明の名称または考案の名称 廃水処理装置及び気体式液体仕切弁
国際特許分類 C02F   3/28        (2006.01)
FI C02F 3/28 A
請求項の数または発明の数 3
全頁数 16
出願番号 特願2016-009983 (P2016-009983)
出願日 平成28年1月21日(2016.1.21)
審査請求日 平成28年4月7日(2016.4.7)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】501273886
【氏名又は名称】国立研究開発法人国立環境研究所
発明者または考案者 【氏名】小野寺 崇
【氏名】珠坪 一晃
【氏名】水落 元之
早期審査対象出願または早期審理対象出願 早期審査対象出願
個別代理人の代理人 【識別番号】100088155、【弁理士】、【氏名又は名称】長谷川 芳樹
【識別番号】100113435、【弁理士】、【氏名又は名称】黒木 義樹
【識別番号】100161425、【弁理士】、【氏名又は名称】大森 鉄平
審査官 【審査官】池田 周士郎
参考文献・文献 特開昭56-168892(JP,A)
特開昭57-171492(JP,A)
特開2002-292393(JP,A)
実開昭58-091500(JP,U)
特開平11-033584(JP,A)
特開昭63-123496(JP,A)
特開昭57-026590(JP,A)
調査した分野 C02F 3/28-3/34
C02F 11/04
要約 【課題】電力を必要とせず、かつ簡易な構成でバイオガスを酸発酵槽へ供給することができる廃水処理装置及び気体式液体仕切弁を提供する。
【解決手段】廃水処理装置は、酸発酵槽と、酸発酵槽の下方に位置し、バイオガスを生成するとともに、その上部に酸発酵槽に連通された開口部を有するメタン発酵槽と、開口部に設けられ、所定量のバイオガスを貯留するとともに所定量を超えたバイオガスを酸発酵槽に排出する空気溜り部を有し、空気溜り部に貯留しているバイオガスで開口部を塞ぐ気体式液体仕切弁と、を備える。
【選択図】図3
特許請求の範囲 【請求項1】
原水を酸生成菌で処理することで酸発酵処理水を生成する酸発酵槽と、
前記酸発酵槽に接続され前記酸発酵処理水を送水する第1流路と、
前記酸発酵槽の下方に位置し且つ前記第1流路に接続され、前記第1流路により送水された前記酸発酵処理水をメタン生成菌で処理することでバイオガス及びメタン発酵処理水を生成するとともに、その上部に前記酸発酵槽に連通された開口部を有するメタン発酵槽と、
前記メタン発酵槽に接続され前記メタン発酵処理水を送水する第2流路と、
前記開口部に設けられ、所定量の前記バイオガスを貯留するとともに前記所定量を超えた前記バイオガスを前記酸発酵槽に排出する空気溜り部を有し、前記空気溜り部に貯留している前記バイオガスで前記開口部を塞ぐ気体式液体仕切弁と、
を備える廃水処理装置。
【請求項2】
前記気体式液体仕切弁は、
前記開口部の上方に前記開口部と対向して配置され、底部が開口され、その内部に前記空気溜り部を画成するケース部材と、
その内部に前記バイオガスを流通させる流路を画成し、下端部が前記開口部に接続され、少なくとも上端部が前記ケース部材の内部に収容された案内部材と、
を有する請求項1に記載の廃水処理装置。
【請求項3】
前記酸発酵槽は、上下段に区画された内部空間を有する単一の槽における上段部分であり、
前記メタン発酵槽は、前記単一の槽における下段部分である、請求項1又は2に記載の廃水処理装置。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、廃水処理装置及び気体式液体仕切弁に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、嫌気性処理によって有機性の廃水を処理する廃水処理装置が記載されている。この装置は、原水を酸発酵処理する酸生成槽(酸発酵槽)と、酸発酵処理された廃水を中和剤によりPH調整した上で嫌気性処理する反応槽(メタン発酵槽)とを備えている。メタン発酵槽で生成されたバイオガスが酸発酵槽に供給されることで、バイオガスのストリッピング効果により酸発酵槽中のアンモニア、硫化水素及び水素の濃度を低下させることができる。
【先行技術文献】
【0003】

【特許文献1】特開2002-292393号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1記載の廃水処理装置は、バイオガスを供給するブロワと散気管とが必要となるため、ブロワを運転するために電力を消費するとともに、システム全体が複雑である。
【0005】
そこで、本発明は、電力を必要とせず、かつ簡易な構成でバイオガスを酸発酵槽へ供給することができる廃水処理装置及び気体式液体仕切弁を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る廃水処理装置は、原水を酸生成菌で処理することで酸発酵処理水を生成する酸発酵槽と、酸発酵槽に接続され酸発酵処理水を送水する第1流路と、第1流路に接続され、第1流路により送水された酸発酵処理水をメタン生成菌で処理することでバイオガス及びメタン発酵処理水を生成するとともに、その上部に酸発酵槽に連通された開口部を有するメタン発酵槽と、メタン発酵槽に接続されメタン発酵処理水を送水する第2流路と、開口部に設けられ、所定量のバイオガスを貯留するとともに所定量を超えたバイオガスを酸発酵槽に排出する空気溜り部を有し、空気溜り部に貯留しているバイオガスで開口部を塞ぐ気体式液体仕切弁と、を備える。
【0007】
この廃水処理装置は、メタン発酵槽及び酸発酵槽を備える。そして、メタン発酵槽で生成されたバイオガスは、メタン発酵槽の上部に向けて上昇して酸発酵槽に連通された開口部を通過した後、所定量のバイオガスを貯留することができる空気溜り部に貯留される。空気溜り部に貯留されたバイオガスは、メタン発酵槽の開口部を塞ぎ、酸発酵槽内の原水又は酸発酵処理水が開口部を通過してメタン発酵槽に流入することを防ぐことができる。そして、空気溜り部において所定量を超えたバイオガスは酸発酵槽に排出される。すなわち、メタン発酵槽で生成されたバイオガスは、外部の駆動及び配管を必要とせず、メタン発酵槽の上部にある開口部及び気体式液体仕切弁を通して酸発酵槽へ供給される。このため、この廃水処理装置では、バイオガスを供給するためのブロワ及び配管が不要となり、電力を必要とせず、かつ簡易な構成でバイオガスを酸発酵槽へ供給することができる。また、酸発酵槽へ供給されたバイオガスは、酸発酵槽の上部に向けて上昇する。従って、酸発酵槽内の原水又は酸発酵処理水はこの上昇するバイオガスによって撹拌される。このため、この廃水処理装置では、酸発酵槽の原水又は酸発酵処理水を撹拌するための撹拌部材が不要となり、撹拌部材を駆動するための電力を必要とせず、無動力で酸発酵槽内の原水又は酸発酵処理水を撹拌することができる。
【0008】
気体式液体仕切弁は、開口部の上方に開口部と対向して配置され、底部が開口され、その内部に空気溜り部を画成するケース部材と、その内部にバイオガスを流通させる流路を画成し、下端部が開口部に接続され、少なくとも上端部がケース部材の内部に収容された案内部材と、を有してもよい。
【0009】
酸発酵槽は、上下段に区画された内部空間を有する単一の槽における上段部分であり、メタン発酵槽は、単一の槽における下段部分であってもよい。これにより、この廃水処理装置は、一つの槽の内部に酸発酵槽及びメタン発酵槽が形成されるため、より簡易な構成となる。
【0010】
本発明に係る気体式液体仕切弁は、液体を貯留する第1空間と第1空間の下方に位置する第2空間とを連通する開口部に設けられ、第1空間に貯留された液体が第2空間に流入することを防ぐとともに、第2空間から第1空間へ気体を通過させる気体式液体仕切弁であって、所定量の気体を貯留するとともに所定量を超えた気体を第1空間に排出する空気溜り部を備え、空気溜り部に貯留している気体で開口部を塞ぐ。
【0011】
この気体式液体仕切弁では、第2空間の気体は、開口部を通過して所定量の気体を貯留することができる空気溜り部に貯留される。空気溜り部に貯留された気体は、開口部を塞ぎ、第1空間に貯留された液体が開口部を通過して第1空間の下方に位置する第2空間に流入することを防ぐことができる。そして、空気溜り部において所定量を超えた気体は第1空間に排出される。すなわち、第2空間の気体は、外部の駆動及び配管を必要とせず、第1空間の下部にある開口部及び気体式液体仕切弁を通して第1空間へ供給される。このため、この気体式液体仕切弁では、気体を供給するためのブロワ及び配管が不要となり、電力を必要とせず、かつ簡易な構成で気体を第1空間へ供給することができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、電力を必要とせず、かつ簡易な構成でバイオガスを酸発酵槽へ供給することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】嫌気性処理の原理を説明する図である。
【図2】本実施形態に係る廃水処理装置の基本構成を説明する斜視図である。
【図3】図2のIII-III線に沿った廃水処理装置の断面図である。
【図4】第1実施形態に係る廃水処理装置の断面図である。
【図5】図4に示されたケース部材の斜視図である。
【図6】図4に示された案内部材の斜視図である。
【図7】第2実施形態に係る廃水処理装置の概略図である。
【図8】図7に示す相分離構造の部分拡大図である。
【図9】第3実施形態に係る廃水処理装置の概略図である。
【図10】廃水処理装置の変形例を示す図である。
【図11】廃水処理装置の変形例を示す図である。
【図12】廃水処理装置の変形例を示す図である。
【図13】廃水処理装置の変形例を示す図である。
【図14】実施例及び比較例の測定結果を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、各図においては同一又は相当部分には同一符号を付し、重複する説明を省略する。

【0015】
(第1実施形態)
本実施形態に係る廃水処理装置は、嫌気性処理によって有機性の廃水を処理する装置である。嫌気性処理とは、酸素の存在しない嫌気性環境下で生育する嫌気性菌の代謝作用により、有機物をメタンガスや炭酸ガスなどに分解する生物処理方法である。

【0016】
図1は、嫌気性処理の原理を説明する図である。図1に示されるように、嫌気性処理では、第1段階として加水分解による可溶化及び低分子化、第2段階として酸発酵による揮発性脂肪酸又はアルコール類の生成、及び、第3段階としてメタンガスの生成といった3段階の分解経路で進行する。

【0017】
第1段階では、原水に含まれる炭水化物、タンパク質又は脂質などの高分子有機物が加水分解され、糖、アミノ酸又はペプチドなどの低分子有機物に分解される。第2段階では、酸生成菌の作用により、低分子有機物から乳酸、酪酸又はプロピオン酸などの酸が生成されるとともに、水素、二酸化炭素及びアンモニアなどが生成される。さらに、乳酸、酪酸、プロピオン酸などが、酢酸に分解されるとともに、水素及び二酸化炭素などが生成される。また、硫酸還元菌の作用により、硫化水素(硫化物)が生成される。第1段階及び第2段階は、少なくとも酸生成菌が収容された酸発酵槽で行われる。酸生成菌とは、酸を生成することで生育エネルギーを得る嫌気性細菌である。酸発酵槽は、原水を酸生成菌で処理することで、水素、二酸化炭素及び酢酸を含む酸発酵処理水を生成する。酸発酵処理水とは、酸生成菌で処理された液体である。なお、酸発酵槽には、酸発酵環境に適したPHとなるようにPH調整剤が混入されてもよい。

【0018】
第3段階では、メタン生成菌の作用により、酸発酵処理水に含まれる水素、二酸化炭素及び酢酸などからバイオガスが生成される。バイオガスとは、有機性の気体であり、例えばメタン又は二酸化炭素を含む気体である。第3段階は、メタン生成菌が収容されたメタン発酵槽で行われる。メタン生成菌とは、メタンを生成することで生育エネルギーを得る嫌気性細菌である。メタン発酵槽は、酸発酵処理水をメタン生成菌で処理することで、バイオガス及びメタン発酵処理水を生成する。メタン発酵処理水とは、メタン生成菌で処理された液体である。なお、メタン生成槽内の微生物を保持するため、メタン発酵槽内にグラニュール汚泥、分散状汚泥、流動床、固定床などが設けられてもよい。また、メタン発酵槽としては、低温メタン発酵、中温メタン発酵、高温メタン発酵を問わず、いずれの方法によるものでもよい。また、メタン発酵環境に適したPHとなるようにメタン発酵槽にPH調整剤が混入されてもよい。

【0019】
上述した第1段階~第3段階が一連の処理として行われるために、酸発酵槽とメタン発酵槽とは、酸発酵槽からメタン発酵槽へ酸発酵処理水が流入されるように接続されている。また、上述の酸発酵槽で生成される硫化水素、アンモニア及び水素は、メタン生成菌の作用を阻害する阻害物質である。このような阻害物質は、メタン発酵槽で生成されたバイオガスを用いて酸発酵槽の酸発酵処理水を曝気させることにより除去される(ガスストリッピング効果)。つまり、酸発酵槽とメタン発酵槽とは、メタン発酵槽から酸発酵槽へバイオガスが供給されるように接続されている。

【0020】
本実施形態に係る廃水処理装置では、メタン発酵槽が酸発酵槽の下方に位置し、メタン発酵槽の上部に気体式液体仕切弁が配置されている。この気体式液体仕切弁は、メタン発酵槽で生成されたバイオガスをその上方にある酸発酵槽に通過させるとともに、酸発酵槽の原水又は酸発酵処理水をその下方に位置するメタン発酵槽に通過させないように作用する。

【0021】
上述した気体式液体仕切弁の原理について説明する。図2は本実施形態に係る廃水処理装置1の基本構成を説明する斜視図、図3は図2のIII-III線に沿った廃水処理装置1の断面図である。なお、視認性を確保するため、図2では後述の本体上部16は外されている。図2及び図3に示されるように、廃水処理装置1の本体10は、上下段に区画された内部空間を有する単一の槽である。酸発酵槽2は本体内部の上段部分であり、メタン発酵槽3は本体内部の下段部分である。

【0022】
廃水処理装置1の本体10は、箱状を呈し、前壁11、後壁12、右側壁13、左側壁14、本体底部15及び本体上部16によって内部空間が画成されている。本体10の内部空間は、右仕切壁21、左仕切壁22及び横仕切壁23によって、上段部分の酸発酵槽2、下段部分のメタン発酵槽3、酸発酵槽2及びメタン発酵槽3の左右に位置する中間流路(第1流路)5及び排出流路(第2流路)6にそれぞれ区画されている。

【0023】
右仕切壁21及び左仕切壁22のそれぞれは、上下方向(鉛直方向)に延びる仕切壁である。横仕切壁23は、左右方向(水平方向)に延びる仕切壁であり、左右の端部が右仕切壁21及び左仕切壁22のそれぞれに連結されている。本体上部16は本体10の内部空間の上方を覆う板状部材である。本体上部16の右端部は右側壁13に連結されている。一方、本体上部16の左端部は左仕切壁22から本体10内側へ離間して配置され、下方に突出しており、左仕切壁22との間に原水31を流入させる流路を画成する。また、本体上部16には、ガス排出口17が形成されている。酸発酵槽2は、前壁11、後壁12、右仕切壁21の上半部21a、左仕切壁22、横仕切壁23及び本体上部16により構成され、その内部に空間(第1空間)を画成する。酸発酵槽2では、原水31が酸生成菌により処理されることで酸発酵処理水32が生成される。なお、酸発酵槽2で生成されたガスはガス排出口17から排出される。

【0024】
右仕切壁21は、右側壁13から本体10内側へ離間して配置される。右仕切壁21は、その上端部211が左仕切壁22の上端部221よりも低く、その下端部212が左仕切壁22の下端部222よりも低く、さらに下端部212が本体底部15と離間している。これにより、酸発酵槽2に接続されるとともに酸発酵槽2で生成された酸発酵処理水32をメタン発酵槽3に送水する中間流路5が形成される。つまり、中間流路5は、前壁11、後壁12、右仕切壁21及び右側壁13により構成され、その内部に空間を画成する。酸発酵槽2で生成された酸発酵処理水32は、中間流路5を通過してメタン発酵槽3に流入する。

【0025】
メタン発酵槽3は、酸発酵槽2の下方に位置しており、前壁11、後壁12、左側壁14、右仕切壁21の下半部21b、横仕切壁23及び本体底部15により構成され、その内部に空間を画成する。メタン発酵槽3は、中間流路5に接続され、中間流路5により送水された酸発酵処理水32をメタン生成菌で処理することでメタン発酵処理水33及びバイオガス34を生成する。

【0026】
左仕切壁22は、左側壁14から本体10内側へ離間して配置される。左仕切壁22は、その上端部221が右仕切壁21の上端部211よりも高く、その下端部222が右仕切壁21の下端部212よりも高く、さらに下端部222が本体底部15と離間するように配置されている。これにより、メタン発酵槽3に接続されるとともにメタン発酵槽3で生成されたメタン発酵処理水33を送水する排出流路6が形成される。つまり、排出流路6は、前壁11、後壁12、左仕切壁22及び左側壁14により構成され、その内部に空間を画成する。メタン発酵槽3で生成されたメタン発酵処理水33は排出流路6を通過して外部に送水される。

【0027】
そして、メタン発酵槽3の上部である横仕切壁23には、酸発酵槽2に連通された開口部35が形成されている。横仕切壁23は、左右に離間した第1部材23a及び第2部材23bによって構成されており、第1部材23aと第2部材23bとの間の隙間が開口部35となる。開口部35は、メタン発酵槽3で生成されたバイオガス34を酸発酵槽2に向けて通過させる。開口部35の上方には気体式液体仕切弁4が配置される。

【0028】
気体式液体仕切弁4は、ケース部材41及び案内部材42を備える。ケース部材41は、開口部35の上方に開口部35と対向して配置され、底部が開口され、その内部に気体を収容可能な空間である空気溜り部40を画成する。ケース部材41の前後方向の側面は、前壁11及び後壁12で構成されている。案内部材42は、その内部にバイオガス34を流通させる流路を画成し、下端部が開口部35に接続される。案内部材42の前後方向の側面は、前壁11及び後壁12で構成されている。これにより、案内部材42は、バイオガス34を開口部35から上方に誘導する。また、案内部材42は、その外径がケース部材41の内径よりも短く、上端部421がケース部材41の下端部411より高くなるように配置される。つまり、案内部材42は、少なくとも上端部421がケース部材41の内部に収容されるように配置される。

【0029】
開口部35から上方に向けて流入されたバイオガス34は、案内部材42により誘導され、空気溜り部40に貯留される。空気溜り部40の内圧は、酸発酵槽2の原水31又は酸発酵処理水32による水圧と均衡する。これにより、原水31又は酸発酵処理水32が空気溜り部40及び開口部35へ流入することが防止される。すなわち、空気溜り部40に貯留されたバイオガス34は、開口部35を塞いでいる。そして、空気溜り部40に貯留されたバイオガス34が所定量を超えた場合、バイオガス34はケース部材41の内側側面と案内部材42の外側側面との間の隙間412から酸発酵槽2に排出される。このように、気体式液体仕切弁4は、メタン発酵槽3で生成されたバイオガス34をメタン発酵槽3の上方にある酸発酵槽2に通過させるとともに、酸発酵槽2の原水31又は酸発酵処理水32を酸発酵槽2の下方に位置するメタン発酵槽3に通過させないように作用する。

【0030】
次に、廃水処理装置1の動作について説明する。ここでは、酸発酵槽2及びメタン発酵槽3が予め水で満たされ、空気溜り部40に所定量の気体が封入されている状態であるとする。最初に、原水31が酸発酵槽2に流入される。このとき、空気溜り部40の内圧は、酸発酵槽2の原水31又は酸発酵処理水32による水圧と均衡するため、原水31は開口部35からその下部に位置するメタン発酵槽3に流入することはない。このように、気体式液体仕切弁4は、気体で液体を仕切る仕切弁として機能する。

【0031】
原水31は、上述した嫌気性処理の第1段階及び第2段階を経て、酸発酵処理水32となる。そして、酸発酵処理水32は中間流路5を通過してメタン発酵槽3に流入する。メタン発酵槽3では、中間流路5から流入された酸発酵処理水32が上述した嫌気性処理の第3段階を経てメタン発酵処理水33となる。メタン発酵処理水33は、排出流路6を通過して外部に流出する。このように、原水31からメタン発酵処理水33が生成され、原水31の浄化が完了する。

【0032】
さらに、メタン発酵槽3では、メタン及び二酸化炭素を含むバイオガス34が生成される。メタン発酵槽3で生成されたバイオガス34は、開口部35に向けて上昇し、空気溜り部40まで到達する。所定量を超えたバイオガス34は、酸発酵槽2に排出され、気泡として液面24に向けて上昇する。このとき、酸発酵槽2内の硫化水素、アンモニア及び水素などの阻害物質は、気体式液体仕切弁4から排出された(曝気された)バイオガス34のストリッピング効果により、気泡として液面24から排出される。このように、気体式液体仕切弁4は、液体を仕切りつつ気体を通過させる弁として機能する。

【0033】
次に、上述した基本構成を備えた廃水処理装置1の具体例を説明する。図4は、第1実施形態に係る廃水処理装置の断面図である。図4に示す廃水処理装置1の本体10は円筒状である。図4に示されるように、廃水処理装置1は、酸発酵槽2、メタン発酵槽3、気体式液体仕切弁4、中間流路5及び排出流路6を備える。

【0034】
酸発酵槽2は、気体式液体仕切弁4を酸発酵槽2内に配置可能とするために、酸発酵槽上部2a及び酸発酵槽下部2bを連結して構成される。酸発酵槽上部2a及び酸発酵槽下部2bは、両端にフランジ部を有し、一端が開口された有底筒状部材である。酸発酵槽上部2aの開口された端部のフランジ部と、酸発酵槽下部2bの開口された端部のフランジ部とがボルトにより連結されることで酸発酵槽2が構成される。酸発酵槽下部2bは、その底部に開口部35を有し、メタン発酵槽3で生成されたバイオガス34を気体式液体仕切弁4に向けて通過させる。酸発酵槽2では、原水31が酸生成菌により処理されることで酸発酵処理水32が生成される。また、酸発酵槽上部2aの上端部には、酸発酵槽2で生成されたガスが排出されるガス排出口17が形成されている。

【0035】
中間流路5は、管状部材であり、酸発酵槽2に接続され、酸発酵槽2で生成された酸発酵処理水32をメタン発酵槽3に送水する。すなわち、酸発酵槽2で生成された酸発酵処理水32は、中間流路5を通過してメタン発酵槽3に流入する。

【0036】
メタン発酵槽3は、両端にフランジ部を有し、一端が開口された有底筒状部材である。メタン発酵槽3は、メタン発酵槽3の開口された端部のフランジ部と、酸発酵槽下部2bの底部のフランジ部とがボルトにより連結されることで構成され、内部に空間を画成する。メタン発酵槽3は、中間流路5に接続され、中間流路5により送水された酸発酵処理水32をメタン生成菌で処理することでバイオガス34及びメタン発酵処理水33を生成する。

【0037】
排出流路6は、メタン発酵槽3に接続され、メタン発酵槽3で生成されたメタン発酵処理水33は、排出流路6を通過して外部に送水される。

【0038】
気体式液体仕切弁4は、酸発酵槽2の底部に配置され、ケース部材41及び案内部材42を備える。ケース部材41は、開口部35の上部に開口部35と対向して配置され、底部が開口され、その内部に気体を収容可能な空間である空気溜り部40を画成する。案内部材42は、ケース部材41内に収容され、下端部が開口部35に接続され、その内部が開口部35に連通している。

【0039】
図5は、図4に示すケース部材41の斜視図である。図5に示されるように、ケース部材41は、底部が開口された筒状部材である。ケース部材41の側面下部には、複数の貫通孔413が周方向に並んで形成されている。図6は、図4に示された案内部材42の斜視図である。図6に示されるように、案内部材42は、上部が開口された筒状部材である。案内部材42の側面上部には、複数の貫通孔422が周方向に並んで形成されている。案内部材42は、その外径がケース部材41の内径よりも短く、高さがケース部材41の内部空間の上下方向の長さと同一である。案内部材42の上端部は、ケース部材41の内部空間の上部内面に連結される。このように、案内部材42は、ケース部材41の内部に完全に収容されるように配置される。

【0040】
気体式液体仕切弁4の原理は、上述した基本構成と同一である。具体的には、開口部35から上方に向けて流入されたバイオガス34は、案内部材42の側面上部の貫通孔422からケース部材41の内部に画成された空気溜り部40へ出力され、貯留される。空気溜り部40の内圧は、酸発酵槽2の原水31又は酸発酵処理水32による水圧と均衡する。これにより、原水31又は酸発酵処理水32が空気溜り部40及び開口部35へ流入することが防止される。すなわち、空気溜り部40に貯留されたバイオガス34は、開口部35を塞いでいる。そして、開口部35から流入され、空気溜り部40に貯留されたバイオガス34が所定量を超えた場合、バイオガス34はケース部材41の側面下部の貫通孔413から酸発酵槽2に排出される。このように、気体式液体仕切弁4は、メタン発酵槽3で生成されたバイオガス34をメタン発酵槽3の上方にある酸発酵槽2に通過させるとともに、酸発酵槽2の原水31又は酸発酵処理水32を酸発酵槽2の下方に位置するメタン発酵槽3に通過させないように作用する。

【0041】
以上、第1実施形態に係る廃水処理装置1では、酸発酵槽2及びメタン発酵槽3が上下方向に並設されている。そして、メタン発酵槽3で生成されたバイオガス34は、メタン発酵槽3の上部に向けて上昇して開口部35を通過した後、空気溜り部40に貯留される。空気溜り部40に貯留された所定量のバイオガス34は、メタン発酵槽3の開口部35を塞ぎ、酸発酵槽2内の原水31又は酸発酵処理水32が開口部35を通過して酸発酵槽2の下方に位置するメタン発酵槽3に流入することを防ぐことができる。

【0042】
そして、空気溜り部40において所定量を超えたバイオガス34は酸発酵槽2に排出される。すなわち、メタン発酵槽3で生成されたバイオガス34は、外部の駆動及び配管を必要とせず、メタン発酵槽3の上部にある開口部35及び気体式液体仕切弁4を通して酸発酵槽2へ供給される。このため、第1実施形態に係る廃水処理装置1では、バイオガス34を供給するためのブロワ及び配管が不要となり、電力を必要とせず、かつ簡易な構成でバイオガス34を酸発酵槽2へ供給することができる。また、構成が簡易となるため、廃水処理装置1全体のコストを削減することができる。また、酸発酵槽2へ供給されたバイオガス34は、酸発酵槽2の上部に向けて上昇する。従って、酸発酵槽2内の原水31又は酸発酵処理水32はこの上昇するバイオガス34によって撹拌される。このため、第1実施形態に係る廃水処理装置1では、酸発酵槽2の原水31又は酸発酵処理水32を撹拌するための撹拌部材が不要となり、撹拌部材を駆動するための電力を必要とせず、無動力で酸発酵槽2内の原水31又は酸発酵処理水32を撹拌することができる。

【0043】
また、第1実施形態に係る廃水処理装置1では、一つの槽の内部に酸発酵槽2及びメタン発酵槽3が形成されるため、簡易な構成となる。

【0044】
また、第1実施形態に係る廃水処理装置1は、酸発酵槽2とメタン発酵槽3とを水平方向に並設する場合と比べて、装置の設置スペースを小さくすることができる。

【0045】
(第2実施形態)
第2実施形態に係る廃水処理装置1Aは、第1実施形態に係る廃水処理装置1と比べて、複数の気体式液体仕切弁4を有する相分離構造を備えている点のみが相違する。第2実施形態では、第1実施形態に係る廃水処理装置1との相違点を中心に説明し、重複する説明は省略する。

【0046】
図7は、第2実施形態に係る廃水処理装置1Aの概略図である。図7に示されるように、本実施形態に係る廃水処理装置1Aは、酸発酵槽2、メタン発酵槽3、及び、複数の気体式液体仕切弁4を有する相分離構造50を備える。図8は、図7の符号Aで示す領域に相当する相分離構造50の部分拡大図である。図8に示されるように、相分離構造50は、複数の開口部35を有する。そして、相分離構造50は、それぞれの開口部35に対応する気体式液体仕切弁4を備えている。なお、開口部35は、一列に並んで形成されていてもよいし、マトリックス状に形成されていてもよい。その他の構成は第1実施形態に係る廃水処理装置1と同一である。

【0047】
第2実施形態に係る廃水処理装置1Aは、メタン発酵槽3の上部に複数の開口部35および複数の気体式液体仕切弁4を備えるため、第1実施形態に係る廃水処理装置1と同一の効果を奏するとともに、第1実施形態に係る廃水処理装置1と比べて、メタン発酵槽3で生成されたバイオガス34をより効率良く酸発酵槽2へ供給することができる。

【0048】
(第3実施形態)
第3実施形態に係る廃水処理装置1Bは、第1実施形態に係る廃水処理装置1と比べて、メタン発酵槽3が酸発酵槽2の直下に配置されていない点のみが相違する。第3実施形態では、第1実施形態に係る廃水処理装置1との相違点を中心に説明し、重複する説明は省略する。

【0049】
図9は、第3実施形態に係る廃水処理装置1Bの概略図である。図9に示されるように、本実施形態に係る廃水処理装置1Bは、酸発酵槽2、メタン発酵槽3及び気体式液体仕切弁4を備える。メタン発酵槽3は、酸発酵槽2の直下に配置されるのではなく、メタン発酵槽3の上部と酸発酵槽2の下部とが一部だけが重なるように配置される。この重なる部分に開口部35及び気体式液体仕切弁4が配置される。

【0050】
第3実施形態に係る廃水処理装置1Bは、メタン発酵槽3は酸発酵槽2の直下に配置されなくてもよいため、種々の装置レイアウトに適応することができる。

【0051】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、上述した各実施形態に限定されるものではない。

【0052】
例えば、図10に示されるように、廃水処理装置1Cでは、メタン発酵槽3は酸発酵槽2の直下に配置されるのではなく、メタン発酵槽3の上部と酸発酵槽2の下部とが重ならないように配置されてもよい。なお、この際は図10のBに示されるように、ケース部材41と案内部材42とは一部が共通化されてもよい。

【0053】
また、上述した実施形態において、酸発酵槽2の底部がメタン発酵槽3の上部と共通化している例(つまり単一槽を区画した廃水処理装置)を説明したが、酸発酵槽2及びメタン発酵槽3を別体として形成してもよい。この場合であっても、上述した気体式液体仕切弁4を機能させることができる。例えば、図11に示されるように、廃水処理装置1Dでは、酸発酵槽2及びメタン発酵槽3は別体として形成されており、気体式液体仕切弁4により接続されている。なお、この際は図11のBに示されるように、ケース部材41と案内部材42とは一部が共通化されてもよい。

【0054】
また、上述した実施形態においては、メタン発酵槽3は酸発酵槽2の下方に配置される例、又はメタン発酵槽3と酸発酵槽2とが別体として形成される例を説明したが、例えば、図12に示されるように、廃水処理装置1Eでは、酸発酵槽2はメタン発酵槽の内部に配置されてもよい。

【0055】
また、上述した実施形態において、酸発酵槽2及びメタン発酵槽3の二つの槽を備える例を説明したが、図13に示されるように、廃水処理装置1Fは、酸発酵槽2の上方に更に例えばガス吸収槽2cが配置され、三つの槽を備えてもよい。この際、ガス吸収槽2cと酸発酵槽2との間にも相分離構造50が配置される。ガス吸収槽2cには、例えば硫化水素を溶解する溶液が貯留されてもよい。相分離構造50は、酸発酵槽2でバイオガス34のストリッピング効果により除去された硫化水素を含むバイオガス36をガス吸収槽2cに通過させる。そして、バイオガス36に含まれる硫化水素及び二酸化炭素は溶液に溶解され、メタンガスだけがガス吸収槽2cから排出され再利用される。なお、廃水処理装置1Fは、三つ以上の槽を備えてもよい。

【0056】
また、気体式液体仕切弁4の構造は上述した第1実施形態で説明した構成に限定されない。案内部材42から空気溜り部40へ出力される出口の方が、ケース部材41から酸発酵槽2へ出力される出口よりも高い位置に設けられていれば、第1実施形態に係る気体式液体仕切弁4の機能を発揮することができる。

【0057】
また、上述した第1実施形態において、気体式液体仕切弁4のケース部材41が箱状もしくは円筒状を呈する例を示したが、ケース部材41は、多角形筒状を呈してもよく、開口部35の上部に空気溜り部40を画成することができれば形状には限定されない。同様に、気体式液体仕切弁4の案内部材42の形状は、箱状もしくは円筒状に限定されるものではなく、開口部35から出力されるバイオガス34を流通可能な流路が内部に形成されていればよい。

【0058】
また、上述した第1実施形態において、酸発酵槽2が、気体式液体仕切弁4を酸発酵槽2内に配置可能とするために、酸発酵槽上部2a及び酸発酵槽下部2bを連結して構成される例を説明したが、酸発酵槽2は分割構造でなくてもよい。例えば、気体式液体仕切弁4を酸発酵槽2に収容した上で酸発酵槽2を封止する場合には、分割構造は不要である。

【0059】
また、酸発酵槽2及びメタン発酵槽3の周囲に、それぞれ温度調整装置(例えばウォータージャケット)を設けることにより、酸生成菌及びメタン生成菌にとって最適な温度条件を保つことができるようにしてもよい。

【0060】
また、上述した実施形態に係る気体式液体仕切弁4は、廃水処理装置以外の用途でも適用することができる。例えば、水を貯留する貯留空間(第1空間)と、貯留空間の下方に位置する下方空間(第2空間)とが存在する場合であって、下方空間の気体を貯留空間に逃がしつつ、貯留空間からの水の浸入を塞ぐことを要求される装置又は環境下で利用することができる。より具体的には、水中住居の天井部などに採用することができる。また、下方空間の排ガスを貯留空間に通過させることにより排ガスを浄化した後、外気に排出する排ガス浄化装置として利用することもできる。
【実施例】
【0061】
以下、上述した廃水処理装置1の気体式液体仕切弁4の効果を説明すべく本発明者が実施した実施例及び比較例について述べる。
【実施例】
【0062】
(実施例)
図4に示す廃水処理装置1を用いた。原水31として一定量の塩分が混入された塩水を用いた。最初に、酸発酵槽2及びメタン発酵槽3を水で満たし、気体式液体仕切弁4の空気溜り部40に空気を封入した。その後、塩水を酸発酵槽2に供給し、排出流路6において排出された排出水の塩分含有量を測定した。塩分含有量は、塩分含有量に比例する電気伝導率を測定することで測定した。
【実施例】
【0063】
(比較例)
図4に示す廃水処理装置1の気体式液体仕切弁4を取り除いた。その他の条件は実施例と同一とした。
【実施例】
【0064】
図14は、実施例及び比較例の測定結果を示すグラフである。図14の上のグラフは比較例のグラフ、図14の下のグラフは実施例のグラフであり、横軸は塩水の供給タイミングからの経過時間[min]、縦軸は排出流路6の下流において測定した排出水の電気伝導率[ms/s]である。図14に示されるように、比較例では、塩水の供給タイミング直後から排出水の電気伝導率が増加し、約3分後にはピークに達した。これは、気体式液体仕切弁4が配置されていないため、酸発酵槽2に供給された塩水が、開口部35を通過し、メタン発酵槽3に流入して、排出流路6から排出されたためである。
【実施例】
【0065】
これに対して、図14の下のグラフに示されるように、実施例では、塩水の供給タイミング直後において排出水の電気伝導率の増加は確認されず、塩水の供給タイミングから約10分後に排出水の電気伝導率がピークに達した。これは、酸発酵槽2に供給された塩水が、酸発酵槽2、中間流路5及びメタン発酵槽3を順に通過した後、排出流路6から排出されたためである。このように、気体式液体仕切弁4によって、酸発酵槽2からメタン発酵槽3への液体の流入が防止されていることが確認された。
【産業上の利用可能性】
【0066】
廃水処理装置1は、嫌気性処理を行う廃水処理に幅広く利用することができる。具体的には、廃水処理装置1は、硫酸塩又はアンモニア(タンパク質)などを含む廃水を対象とする廃水処理に用いることができる。硫酸塩を含む廃水のより具体的な一例としては、紙パルプ廃水、廃糖蜜廃水、クエン酸工業廃水、発酵工業廃水(アルコール蒸留廃水等)、食用油製造廃水などである。また、アンモニア(タンパク質)を含む廃水のより具体的な一例としては、家畜糞尿(養豚廃水等)、メタン発酵消化液、ポテトスターチ廃水などである。また、廃水処理装置1は、廃水処理だけではなく、余剰汚泥や生ゴミなどの液状廃棄物のメタン発酵処理にも利用することができる。また、廃水処理装置1は、メタン発酵処理だけではなく、好気性処理と嫌気性処理を組合わせた廃水処理にも利用することができる。例えば、好気槽の下方に嫌気槽が配置され、上方の好気槽では藻類の光合成又は人為的に酸素を供給し好気性微生物による処理を行い、下部の嫌気槽では嫌気性処理を行う廃水処理装置として利用することもできる。さらに、廃水処理装置1は、ガスストリッピングだけではなく、ガス吸収によるバイオガスの精製等(硫化水素、炭酸ガス、アンモニアガスなどの除去)にも利用することができる。また、廃水処理装置1は、廃水が貯留されている池や、自然環境中の湖沼、河川、海洋などの水系から発生するガス成分の吸収に利用することができる。そして、吸収したガスを薬品や微生物などを用いて吸収又は分解することが可能である。
【符号の説明】
【0067】
1,1A,1B…廃水処理装置、2…酸発酵槽、3…メタン発酵槽、4…気体式液体仕切弁、5…中間流路(第1流路)、6…排出流路(第2流路)、35…開口部、40…空気溜り部、41…ケース部材、42…案内部材。
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4
【図6】
5
【図7】
6
【図8】
7
【図9】
8
【図10】
9
【図11】
10
【図12】
11
【図13】
12
【図14】
13