TOP > 国内特許検索 > バイオマス処理用触媒、バイオマス処理用触媒の製造方法、バイオマス処理装置、及びバイオマス処理方法 > 明細書

明細書 :バイオマス処理用触媒、バイオマス処理用触媒の製造方法、バイオマス処理装置、及びバイオマス処理方法

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2017-113659 (P2017-113659A)
公開日 平成29年6月29日(2017.6.29)
発明の名称または考案の名称 バイオマス処理用触媒、バイオマス処理用触媒の製造方法、バイオマス処理装置、及びバイオマス処理方法
国際特許分類 B01J  23/78        (2006.01)
C10K   3/02        (2006.01)
C10J   3/02        (2006.01)
B01J  37/02        (2006.01)
B09B   3/00        (2006.01)
C02F  11/10        (2006.01)
FI B01J 23/78 ZABM
C10K 3/02
C10J 3/02 J
B01J 37/02 101C
B09B 3/00 303Z
C02F 11/10 Z
B09B 3/00 302Z
請求項の数または発明の数 7
出願形態 OL
全頁数 20
出願番号 特願2015-248669 (P2015-248669)
出願日 平成27年12月21日(2015.12.21)
発明者または考案者 【氏名】宝田 恭之
【氏名】神成 尚克
出願人 【識別番号】504145364
【氏名又は名称】国立大学法人群馬大学
個別代理人の代理人 【識別番号】100079049、【弁理士】、【氏名又は名称】中島 淳
【識別番号】100084995、【弁理士】、【氏名又は名称】加藤 和詳
【識別番号】100099025、【弁理士】、【氏名又は名称】福田 浩志
審査請求 未請求
テーマコード 4D004
4D059
4G169
4H060
Fターム 4D004AA02
4D004AA04
4D004BA03
4D004CA04
4D004CA24
4D004CB31
4D059AA03
4D059AA07
4D059AA08
4D059BB03
4D059BK11
4D059CA14
4D059CC03
4G169AA03
4G169AA08
4G169BA31A
4G169BC09B
4G169BC68A
4G169BC68B
4G169CC31
4G169EA02Y
4G169EB18Y
4G169FA02
4G169FB14
4H060AA01
4H060AA02
4H060AA04
4H060BB02
4H060BB11
4H060DD23
4H060FF02
要約 【課題】本発明の課題は、バイオマスの熱分解によって生じる熱分解ガス中に含まれるタールを分解し、低温(例えば400℃以上500℃未満)で、効率的に熱分解ガスを改質することが可能となるバイオマス処理用触媒、バイオマス処理用触媒の製造方法、バイオマス処理装置、及びバイオマス処理方法を提供することである。
【解決手段】ニッケル、コバルト、及び鉄からなる群から選ばれる少なくとも一つの遷移金属が担持された鶏糞を含むバイオマス処理用触媒。
【選択図】なし
特許請求の範囲 【請求項1】
ニッケル、コバルト、及び鉄からなる群から選ばれる少なくとも一つの遷移金属が担持された鶏糞を含むバイオマス処理用触媒。
【請求項2】
前記遷移金属が、ニッケルである請求項1に記載のバイオマス処理用触媒。
【請求項3】
前記遷移金属の担持量が、前記遷移金属を担持した前記鶏糞の100質量%に対して3質量%以上である請求項1又は請求項2に記載のバイオマス処理用触媒。
【請求項4】
ニッケル、コバルト、及び鉄からなる群から選ばれる少なくとも一つの遷移金属を含む溶液と、鶏糞とを接触させる接触工程を有するバイオマス処理用触媒の製造方法。
【請求項5】
バイオマス原料を熱分解して、熱分解ガスを生成する熱分解手段と、
前記熱分解ガス、及び請求項1~請求項3のいずれか1項に記載のバイオマス処理用触媒を接触させて、前記熱分解ガスを改質して改質ガスを生成する改質ガス生成手段と、
を備えるバイオマス処理装置。
【請求項6】
バイオマス原料を熱分解して、熱分解ガスを生成する熱分解工程と、
前記熱分解ガス、及び請求項1~請求項3のいずれか1項に記載のバイオマス処理用触媒を接触させて、前記熱分解ガスを改質して改質ガスを生成する改質ガス生成工程と、
を有するバイオマス処理方法。
【請求項7】
前記改質ガス生成工程は、前記熱分解ガスを、水蒸気の存在下、400℃以上500℃未満の改質温度で、前記バイオマス処理用触媒と接触させる請求項6に記載のバイオマス処理方法。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、バイオマス処理用触媒、バイオマス処理用触媒の製造方法、バイオマス処理装置、及びバイオマス処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
有機物をガス化プロセスによりエネルギー利用するためには、できる限り低温でガス化することが求められている。そのために触媒が利用されるが、従来の触媒は性能が不十分で価格も高いという欠点があった。有機物として、例えば、木質廃棄物、食品廃棄物、及び畜産廃棄物等の有機廃棄物である、いわゆるバイオマスは、CO放出量の削減やエネルギー資源の拡大の観点から、再生可能なエネルギーの一つとして注目されている。特に低品位バイオマス(例えば、畜産廃棄物や、下水汚泥等)のエネルギー利用を促進するためには、供給エネルギーをできる限り抑えた低温(例えば、500℃未満)でのガス化プロセスが求められている。
【0003】
しかしながら、低温で低品位バイオマスをガス化すると、タールが多量に発生する。タールが多量に発生すると、バイオマスを処理する設備の操作性の低下を招くだけでなく、設備損傷が生じ易い。また、設備からタールを除去する必要性が発生するため、設備の維持管理費が増大するという問題が生じる。
【0004】
バイオマスのガス化プロセスに利用される触媒としては、金属を担持した担体等(例えば、ニッケル等の遷移金属を担持した担体)を含む種々の触媒が知られている(例えば、特許文献1~4)。
【先行技術文献】
【0005】

【特許文献1】特開2006-328168号公報
【特許文献2】特開2008-248363号公報
【特許文献3】特開2009-138107号公報
【特許文献4】特開2012-092270号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
遷移金属(例えば、ニッケル)を担持した担体を含む触媒は、バイオマスの熱分解により発生する熱分解ガスに含有されているタールを分解して、熱分解ガスを改質する性能を有する。しかしながら、従来の遷移金属を担持した担体を含む触媒は、熱分解ガスを改質する性能が十分ではなく、改質性能がさらに向上した触媒が求められていた。
また、遷移金属を担持した担体を含む触媒として、例えば、ニッケルを担持した褐炭を用いることが提案されている。ニッケル担持褐炭は、熱分解ガスを改質する性能に優れているが、褐炭は、日本での産出利用が困難であり、原料調達に大きな課題がある。
【0007】
そのため、バイオマスの熱分解によって生じる熱分解ガス中に含まれるタールを分解し、熱分解ガスを改質するための触媒として、安価であり、かつ高性能の触媒の開発が待望されていた。
【0008】
そこで、本発明者らは、上記事情に鑑みて鋭意検討した結果、バイオマスを熱分解した際に発生する熱分解ガスを改質するための触媒として、ニッケル、コバルト、及び鉄からなる群から選ばれる少なくとも一つの遷移金属を担持させた鶏糞を含むことによって、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
【0009】
すなわち、本発明の課題は、バイオマスの熱分解によって生じる熱分解ガス中に含まれるタールを分解し、低温(例えば400℃以上500℃未満)で、効率的に熱分解ガスを改質することが可能となるバイオマス処理用触媒、バイオマス処理用触媒の製造方法、バイオマス処理装置、及びバイオマス処理方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題は、以下の手段により解決される。
【0011】
<1> ニッケル、コバルト、及び鉄からなる群から選ばれる少なくとも一つの遷移金属が担持された鶏糞を含むバイオマス処理用触媒。
【0012】
<2> 前記遷移金属が、ニッケルである<1>に記載のバイオマス処理用触媒。
【0013】
<3> 前記遷移金属の担持量が、前記遷移金属を担持した前記鶏糞の100質量%に対して3質量%以上である<1>又は<2>に記載のバイオマス処理用触媒。
【0014】
<4> ニッケル、コバルト、及び鉄からなる群から選ばれる少なくとも一つの遷移金属を含む溶液と、鶏糞とを接触させる接触工程を有するバイオマス処理用触媒の製造方法。
【0015】
<5> バイオマス原料を熱分解して、熱分解ガスを生成する熱分解手段と、
前記熱分解ガス、及び<1>~<3>のいずれか1項に記載のバイオマス処理用触媒を接触させて、前記熱分解ガスを改質して改質ガスを生成する改質ガス生成手段と、
を備えるバイオマス処理装置。
【0016】
<6> バイオマス原料を熱分解して、熱分解ガスを生成する熱分解工程と、
前記熱分解ガス、及び<1>~<3>のいずれか1項に記載のバイオマス処理用触媒を接触させて、前記熱分解ガスを改質して改質ガスを生成する改質ガス生成工程と、
を有するバイオマス処理方法。
【0017】
<7> 前記改質ガス生成工程は、前記熱分解ガスを、水蒸気の存在下、400℃以上500℃未満の改質温度で、前記バイオマス処理用触媒と接触させる<6>に記載のバイオマス処理方法。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、バイオマスの熱分解によって生じる熱分解ガス中に含まれるタールを分解し、低温(例えば400℃以上500℃未満)で、効率的に熱分解ガスを改質することが可能となるバイオマス処理用触媒、バイオマス処理用触媒の製造方法、バイオマス処理装置、及びバイオマス処理方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本実施形態のバイオマス処理装置を示す概略図である。
【図2】実施例における評価Aの結果を示すグラフである。
【図3】実施例における評価Bの結果を示すグラフである。
【図4】実施例における評価Cの結果を示すグラフである。
【図5】実施例における評価Cの結果を示すグラフである。
【図6】実施例における評価Dの結果を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の一実施形態について、詳細に説明する。
なお、本明細書中において、「~」を用いて表される数値範囲は、特に断りの無い限り、「~」の前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む範囲を意味する。

【0021】
本明細書中において、「バイオマス処理」は、バイオマスの熱分解によって生じる熱分解ガスを改質し、改質ガスを生成する、というバイオマスのガス化における一連の処理を示す。また、「バイオマス処理用触媒」は、バイオマス処理に用いられる触媒のことを示す。

【0022】
<バイオマス処理用触媒>
本実施形態に係るバイオマス処理用触媒は、ニッケル、コバルト、及び鉄からなる群から選ばれる少なくとも一つの遷移金属が鶏糞に担持されている遷移金属担持鶏糞を含む触媒である。

【0023】
本実施形態のバイオマス処理用触媒によれば、バイオマスの熱分解によって生じる熱分解ガス中に含まれるタールを分解し、熱分解ガスを低温(例えば400℃以上500℃未満)で、効率的に改質することが可能となる。この理由は定かではないが、例えば、次のように推測される。

【0024】
鶏糞は、その成分中にカルシウムを多く含んでおり、カルシウムが鶏糞中に高度に分散している。そのため、カルシウムを含んでいる鶏糞に、上記の遷移金属(例えば、ニッケル)を担持させることで、カルシウムと遷移金属との2元系触媒となると考えられる。
鶏糞以外の動物糞(例えば、豚糞、牛糞など)は、鶏糞に比べ、カルシウムの含有量が極めて少ない。そのため、上記の遷移金属を鶏糞以外の動物糞に担持させたとしても、2元系触媒になり難い。また、鶏糞以外の動物糞の場合、成分中にリンの含有量が多いために、リンを安定化させるための処理が必要になる場合がある。さらに、触媒として機能する有用な金属成分の含有量が少ない。そのため、本実施形態のバイオマス処理用触媒は、鶏糞に上記の遷移金属を担持させることで、高効率で熱分解ガスを改質するという優れた効果を発揮すると考えられる。

【0025】
また、バイオマス処理用触媒は、バイオマス原料から発生する熱分解ガスを改質する際に加熱される。遷移金属が担持された鶏糞は、改質時の加熱によって、鶏糞の一部に高比表面積の鶏糞炭化物が生じる。そして、本実施形態のバイオマス処理用触媒は、遷移金属と、カルシウムとの2元系触媒による相互作用に加えて、さらに、高比表面積の鶏糞炭化物中の炭素分との相互作用も生じると考えられる。
ただし、鶏糞中に含まれる固定炭素分は少ない。そのため、本実施形態のバイオマス処理用触媒によって得られる効果は、遷移金属とカルシウムの2元系触媒による効果のほうが支配的であると推測される。

【0026】
以上から、本実施形態のバイオマス処理用触媒は、上記の遷移金属を鶏糞に担持させた触媒とすることで、低温(例えば400℃以上500℃未満)で熱分解ガスを効率的に改質することが可能となると考えられる。
なお、上記の遷移金属を担持させる担体として、鶏糞を使用することで、材料入手性、及び材料として安価である点で有利、環境負荷の低減が可能、という利点も得られる。

【0027】
〔遷移金属〕
鶏糞に担持している遷移金属は、ニッケル、コバルト、及び鉄からなる群から選ばれる一つの遷移金属である。これらの遷移金属は1種単独で使用してもよく、2種以上を用いてもよい。これらは、第4周期第8族(第4周期第8,9,10族とも称する)に属するいわゆる鉄族金属であり、類似の性質を有する。そのため、いずれの遷移金属でも、同様の効果が得られる。これらの遷移金属のいずれを用いても、同様の効果が得られることから、鶏糞中のカルシウムとの相互作用による2元系触媒として機能すると考えられる。
ただし、上記の遷移金属のうち、鉄は、酸化雰囲気下で酸化され易い。鉄が酸化されると触媒活性が低下しやすくなる。そのため、鉄を用いる場合には、還元雰囲気下で使用することが望ましい。遷移金属は、これらの中でもニッケル、コバルトが好ましく、特にニッケルが好ましい。

【0028】
上記の遷移金属は、遷移金属単体由来でもよく、遷移金属を含む化合物由来のいずれでもよい。遷移金属が、遷移金属を含む化合物由来である場合、硝酸塩、塩基性炭酸塩、塩化物、シュウ酸塩、有機金属化合物などが用いられる。

【0029】
〔鶏糞〕
遷移金属を担持させる鶏糞としては、例えば、養鶏場から入手できる。鶏糞は、養鶏場から搬送された鶏糞(生鶏糞)であってもよく、乾燥させた鶏糞であってもよい。また、鶏糞はコンポスト化されていてもよい。鶏糞は、取扱い上の点、及び鶏糞の臭気の点から、少なくとも乾燥されていることが好ましい。コンポスト化されていることがより好ましい。

【0030】
〔触媒中の組成〕
本実施形態のバイオマス処理用触媒において、鶏糞に担持している遷移金属の担持量としては、特に限定されない。例えば、鶏糞に担持している遷移金属の担持量は、3質量%以上であることがよい。好ましくは3質量%~40質量%の範囲であり、より好ましくは5質量%~30質量%の範囲であり、さらに好ましくは10質量%~30質量%の範囲であり、特に好ましくは15質量%~28質量%の範囲である。この範囲であると、バイオマス原料の熱分解ガスに含まれるタールが分解されやすい。

【0031】
本明細書中において、遷移金属の担持量とは、遷移金属を担持した鶏糞100質量%に対する遷移金属の合計の割合(質量%)である。つまり、遷移金属と鶏糞の両方を含んだ重量を100%質量としたときの遷移金属の担持量である。
なお、本実施形態のバイオマス処理用触媒に担持している遷移金属の担持量の具体的な測定方法としては、以下のとおりである。
遷移金属の担持されたバイオマス処理用触媒を1mol/L硝酸中で撹拌し、その後、ろ過することで、金属が抽出された酸溶液を得る。続いて、この溶液を原子吸光装置により分析することで、遷移金属の担持量を決定する。

【0032】
バイオマス処理用触媒において、遷移金属を担持した鶏糞中のカルシウムの含有量は、バイオマス処理用触媒としての触媒活性の点から、10質量%~30質量%であることがよい。好ましくは12質量%~20質量%である。
本明細書中において、遷移金属を担持した鶏糞に含有しているカルシウムの含有量の具体的な測定方法としては、以下のとおりである。
遷移金属の担持されたバイオマス処理用触媒を1mol/L硝酸中で撹拌し、その後、ろ過することで、金属が抽出された酸溶液を得る。続いて、この溶液を原子吸光装置により分析することで、カルシウムの含有量を決定する。

【0033】
本実施形態のバイオマス処理用触媒において、遷移金属とカルシウムとの含有比(カルシウム/遷移金属)は、特に限定されるものではない。バイオマス処理用触媒としての触媒活性の点から、例えば、下記に示す割合であることが好ましい。
遷移金属とカルシウムとの含有比(カルシウム/遷移金属)は、質量基準で30/3~10/30であることがよい。好ましくは、20/15~12/28である。

【0034】
なお、鶏糞を炭化して鶏糞炭化物とし、酸処理することで、鶏糞由来の活性炭が得られる。この鶏糞由来の活性炭を担体として、遷移金属(例えば、ニッケル)を担持させることも考えられるが、鶏糞由来の活性炭は、もはや鶏糞ではない。また、鶏糞中に含まれる固定炭素分は少ない。そのため、鶏糞由来の活性炭に遷移金属を担持した場合の遷移金属の炭素に対する比(遷移金属/炭素)と、本実施形態のバイオマス処理用触媒における遷移金属の炭素に対する比とは異なる。

【0035】
本実施形態のバイオマス処理用触媒は、必要に応じて、ニッケル担持鶏糞に加えて、遷移金属を鶏糞以外の担体に担持した他の触媒(例えば、ニッケル担持アルミナ、ニッケル担持活性炭、ニッケル担持ゼオライト、コバルト担持シリカなど)を混合させてもよい。これらの他の触媒は、例えば、ニッケル担持鶏糞100質量%に対して0質量%~10質量%であることがよい。

【0036】
<バイオマス処理用触媒の製造方法>
本実施形態のバイオマス処理用触媒の製造方法としては、特に限定されず、例えば、ニッケル、コバルト、及び鉄からなる群から選ばれる一つの遷移金属を含む溶液と、鶏糞とを接触させる接触工程を有する。

【0037】
(接触工程)
接触工程は、上記の遷移金属を含む溶液と、鶏糞とを接触させて、遷移金属担持鶏糞を得る工程である。
接触工程では、まず、上記の遷移金属を含む化合物を準備し、上記の遷移金属を含む化合物を含む溶液(以下、「遷移金属担持液」とも称する)を準備する。

【0038】
遷移金属担持液を準備するに当たり、溶液に含有させる遷移金属は、上記遷移金属が含有されている限り、その形態は特に限定されない。例えば、上記の遷移金属の硝酸塩、酢酸塩、塩基性炭酸塩、塩化物、シュウ酸塩、有機金属化合物などの遷移金属を含む化合物が挙げられる。

【0039】
上記の遷移金属を含む化合物を含む溶液の溶媒は、化合物の種類に応じて、適切な溶媒を選択すればよい。取扱い上の点から、溶媒は水を含む溶媒を用いることがよく、水であることが好ましい。つまり、遷移金属担持液は、水溶液であることが好適である。遷移金属担持液は、酸性でもアルカリ性でもよいが、鶏糞中に含まれるカルシウムを溶解させないことが望ましく、中性~アルカリ性に調製されていることがよく、アルカリ性に調整されていることが好ましい。このような遷移金属担持液としては、例えば、ヘキサアンミン炭酸ニッケル水溶液、ヘキサアンミン炭酸コバルト水溶液等が挙げられる。鉄の場合はアルカリ性で沈殿を生じるため、例えば硝酸鉄水溶液等が挙げられる。これらの1種又は2種以上を使用してもよい。

【0040】
次に、鶏糞を準備する。鶏糞は、コンポスト化されていることがよい。コンポスト化された鶏糞(以下、「鶏糞コンポスト」とも称する)は、養鶏場等から排出される鶏糞を養鶏場内でコンポスト化されたものでもよく、鶏糞処理業者によってコンポスト化されたものでもよい。鶏糞がコンポスト化されている場合、鶏糞コンポストは、予め定められた粒度(例えば、0.5mm~1.0mm)に揃えられていることが望ましい。鶏糞コンポストは、予め定められた粒度に揃えられていると、鶏糞コンポストに遷移金属担持液が浸透しやすくなり、遷移金属の担持量を高めやすくなる点で好ましい。

【0041】
次に、上記で準備した遷移金属担持液と、上記で準備した鶏糞とを接触させる。これにより、鶏糞に遷移金属が担持された遷移金属担持鶏糞が得られる。
遷移金属担持液と鶏糞とを接触させる方法としては、特に限定されず、例えば、含浸法、及びイオン交換法が挙げられる。これらの中でも、遷移金属の担持量を高めやすい点で、含浸法を採用することがよい。
含浸法を採用する場合、含浸する方法としては、例えば、撹拌機で含浸させてもよく、混合機等の混合機により、湿潤状態で混練してもよい。遷移金属担持液と鶏糞とを接触させるに当たり、撹拌可能な浸漬状態とし、鶏糞コンポストが遷移金属担持液中で良好な接触環境を保てると、遷移金属を担持させる時間の短縮につながり生産性の向上に寄与する。

【0042】
接触工程での接触温度の管理は特に必要ではないが、遷移金属を担持させる時間を短縮する点で、加温しながら接触してもよい。接触時間は特に限定されないが、十分な遷移金属担持量が確保し得る点で、例えば、1時間以上とすることがよい。
この接触工程によって得られた遷移金属担持鶏糞を本実施形態のバイオマス処理用触媒として用いてもよい。

【0043】
(脱溶媒工程)
また、バイオマス処理用触媒の製造方法は、接触工程で得られた遷移金属担持鶏糞に含まれる遷移金属担持液由来の液体分を低減する脱溶媒工程を有していてもよい。脱溶媒工程は、例えば、自然濾過、あるいは遠心濾過などを施すことにより、遷移金属担持鶏糞から、上記の液体分を低減することができる。そして、脱溶媒工程によって、液体分が低減された遷移金属担持鶏糞が得られる。
この脱溶媒工程によって得られた遷移金属担持鶏糞を本実施形態のバイオマス処理用触媒として用いてもよい。

【0044】
(乾燥工程)
さらに、バイオマス処理用触媒の製造方法は、遷移金属担持鶏糞の液体分を除去するための乾燥工程を有していてもよい。乾燥工程は、溶媒除去工程を経た後、液体分が低減された遷移金属担持鶏糞を乾燥する乾燥工程としてもよい。又は、溶媒除去工程を経ずに、接触工程後の遷移金属担持鶏糞を乾燥する乾燥工程としてもよい。
乾燥工程で用いる乾燥手段としては特に限定されないが、乾燥雰囲気下の酸素濃度が高いと、得られたバイオマス処理用触媒は、熱分解ガスを改質する性能が低下する場合がある。そのため、不活性ガス(例えば、窒素、アルゴンなど)雰囲気下での乾燥が好ましい。乾燥温度としては、遷移金属担持液中の溶媒の沸点を超える温度で行うことがよい。乾燥時間は、目的とする乾燥度合いに応じて、設定することができる。
この乾燥工程によって得られた遷移金属担持鶏糞を本実施形態のバイオマス処理用触媒として用いてもよい。
なお、脱溶媒工程、及び、乾燥工程は、バイオマス処理用触媒を用いるバイオマス処理装置の形態等により、必要に応じて行う工程である。

【0045】
以下、本実施形態のバイオマス処理用触媒の製造方法として、ニッケルを担持した鶏糞を含む触媒(以下、「ニッケル担持鶏糞」とも称する)を例に挙げて説明するが、これに限定されるものではない。

【0046】
まず、ニッケルを含有する溶液(以下、「ニッケル担持液」とも称する)を準備する。ニッケル担持液はニッケルが含まれている溶液であれば特に限定されない。具体的には、例えば、硝酸ニッケル、炭酸ニッケル、ヘキサアンミン炭酸ニッケル、ヘキサアンミン硝酸ニッケル、塩化ニッケル、シュウ酸ニッケル、酢酸ニッケル、ニッケルアセチルアセトナート、ニッケルカルボニル、シクロペンタジエニルニッケルなどのニッケルを含む化合物を含有している溶液(例えば、水溶液)が挙げられる。ニッケル担持液は酸性でも、アルカリ性でも構わないが、鶏糞中のカルシウムを溶解させ難い点で、アルカリ性に調製されていることが好ましい。このようなニッケル担持液の中でも、ヘキサアンミン炭酸ニッケル水溶液が好適に使用できる。ヘキサアンミン炭酸ニッケル水溶液は、アルカリ性に調整されており、例えば、炭酸アンモニウムと塩基性炭酸ニッケルとアンモニア水と蒸留水とを混合して撹拌することで得られる。

【0047】
次に、養鶏コンポストを準備し、予め定められた粒度(例えば、0.5mm~1.0mm)に揃える。粒度が揃えられた鶏糞コンポストは、次工程で行うニッケル担持液と接触させる。

【0048】
次に、上記で準備したニッケル担持液と、上記で準備した鶏糞コンポストとを接触させる(接触工程)。両者を接触させる方法としては、触媒中のニッケルの担持量を高める点で、含浸法を採用することが好ましい。

【0049】
ニッケル担持液と鶏糞コンポストとを含浸法で接触する場合、ニッケル担持液と鶏糞コンポストとを混合し、撹拌機で撹拌する。撹拌条件は、ニッケル担持液全体に鶏糞コンポストを含浸する点で、例えば、室温(例えば、25℃)で、1時間撹拌することがよい。

【0050】
鶏糞コンポストに対するニッケル担持液の量は特に限定されない。鶏糞コンポストに対するニッケル担持液の量は、ニッケルを担持した鶏糞コンポストに対するニッケル担持量として、例えば、3質量%以上となる量であることがよく、3質量%~40質量%の範囲が好ましい(より好ましくは5質量%~30質量%、さらに好ましくは10質量%~30質量%、特に好ましくは15質量%~28質量%)。なお、ニッケルの担持量とは、ニッケルを担持した鶏糞100質量%(ニッケルと鶏糞の両方を含んだ重量を100%質量)に対するニッケルの割合である。
接触工程において得られたニッケル担持鶏糞をバイオマス処理用触媒として使用してもよい。

【0051】
ニッケル担持液が水溶液(例えば、ヘキサアンミン炭酸ニッケル水溶液)である場合、ニッケル担持液と鶏糞コンポストとを接触させて、ニッケル担持鶏糞を得た後、ニッケル担持鶏糞中の水分を低減する脱水を行う(脱溶媒工程)。脱水は、例えば、自然濾過、遠心濾過等の方法により行い、水分が低減されたニッケル担持鶏糞が得られる。この水分が低減されたニッケル担持鶏糞をバイオマス処理用触媒として使用してもよい。

【0052】
ニッケル担持鶏糞は、脱水した後、乾燥を経て(乾燥工程)、バイオマス処理用触媒としてもよい。又は、脱水せずに、ニッケル担持鶏糞に対して乾燥を施してバイオマス処理用触媒としてもよい。

【0053】
ニッケル担持鶏糞は、窒素等の不活性ガス雰囲気下での乾燥が好ましい。乾燥温度はニッケル担持鶏糞に含まれる溶媒(例えば、水)が揮散すればよく、温度は特に限定されない。例えば、ニッケル担持液が水溶液であれば、100℃を超える温度(例えば、105℃以上)で乾燥すればよい。乾燥時間は、目的とする乾燥度合いに応じて設定すればよく、例えば、12時間以上であることがよく、24時間であることが好ましい。
そして、乾燥工程において得られたニッケル担持鶏糞をバイオマス処理用触媒として使用してもよい。

【0054】
以上の工程により、本実施形態のバイオマス処理用触媒として、ニッケルが鶏糞に担持された、ニッケル担持鶏糞が得られる。なお、遷移金属としてニッケルを例に挙げたが、コバルト、又は鉄を用いた場合も同様の工程によって得られる。

【0055】
<バイオマス処理装置/バイオマス処理方法>
本実施形態のバイオマス処理装置、及びバイオマス処理方法について説明する。
本実施形態のバイオマス処理装置は、バイオマス原料を熱分解して、熱分解ガスを生成する熱分解手段と、前記熱分解ガス、及び本実施形態に係るバイオマス処理用触媒を接触させて、前記熱分解ガスを改質して改質ガスを生成する改質ガス生成手段と、を備える。
また、本実施形態のバイオマス処理装置では、バイオマス原料を熱分解して、熱分解ガスを生成する熱分解工程と、前記熱分解ガス、及び本実施形態に係るバイオマス処理用触媒を接触させて、前記熱分解ガスを改質して改質ガスを生成する改質ガス生成工程と、を有するバイオマス処理方法が実施される。

【0056】
ここで、バイオマス処理装置によって、バイオマス原料を熱分解すると、タールを含む熱分解ガスが生成する。そして、タールを含む熱分解ガスは、本実施形態に係るバイオマス処理用触媒と接触させることで、熱分解ガス中のタールが分解され、改質ガスが生成される。

【0057】
以下、本実施形態のバイオマス処理装置の一例を示すが、これに限定されるものではない。なお、図を参照してバイオマス処理装置の主要部を中心に説明し、その他の説明は省略する。

【0058】
図1は、本実施形態のバイオマス処理装置の一例を示す概略図である。
図1に示すバイオマス処理装置100は、反応器21を備えており、反応器21の内部に、第1の反応室23、及び第2の反応室25が設けられている。そして、第2の反応室25は、第1の反応室23に続いて配置されている。第1の反応室23には、バイオマス原料1を配置するためのバイオマス原料配置部11を備えている。また、第2の反応室25には、バイオマス処理用触媒3を配置するためのバイオマス処理用触媒配置部13を備えている。バイオマス処理用触媒配置部13は、バイオマス原料配置部11を備える第1の反応室23を有する側とは反対側に設けられている。
第2の反応室25には、バイオマス処理用触媒配置部13のバイオマス処理用触媒3を配置する側とは反対側に、必要に応じて、タールを吸着させるタールトラップ(不図示)を備えていてもよい。タールトラップは、例えば石英ウール等により形成される。

【0059】
バイオマス処理装置100は、反応器21の外部に、第1の反応室23、及び第2の反応室25内に不活性ガスを供給するための不活性ガス供給装置31と、第2の反応室25内に水蒸気を供給するための水蒸気供給装置33とを備えている。また、反応器21の外部に、バイオマス原料1を加熱するためのバイオマス原料加熱装置41A及び41Bと、バイオマス処理用触媒3を加熱するためのバイオマス処理用触媒加熱装置43A及び43Bと、ガスを精製するためのトラップ51A及び51Bと、分析装置61とを備えている。

【0060】
バイオマス原料加熱装置41A及び41Bは、第1の反応室23内に配置されているバイオマス原料配置部11に対応する位置に備えられている。また、バイオマス処理用触媒加熱装置43A及び43Bは、第2の反応室25内に配置されているバイオマス処理用触媒配置部13に対応する位置に備えられている。

【0061】
ここで、バイオマス処理装置100の第1の反応室23と、第1の反応室23内に設けられたバイオマス原料配置部11と、反応器21の外部に設けられたバイオマス原料加熱装置41A及び41Bとを有する部分は、熱分解部(熱分解手段の一例)である。また、バイオマス処理装置100の第2の反応室25と、第2の反応室25内に設けられたバイオマス処理用触媒配置部13と、反応器21の外部に設けられたバイオマス処理用触媒加熱装置43A及び43Bを有する部分は、改質ガス生成部(改質ガス生成手段の一例)である。

【0062】
不活性ガス供給装置31は、不活性ガス供給装置31に接続されている不活性ガス供給管313の他端が、反応器21内の第1の反応室23に設けられた不活性ガス供給口311と接続されることによって、第1の反応室23と連通されている。
水蒸気供給装置33は、水蒸気供給装置33に接続されているバルブ333を備えた水蒸気供給管335の他端が、反応器21内の第2の反応室25に設けられた水蒸気供給口331と接続されることによって、第2の反応室25と連通されている。
また、不活性ガス供給装置31に接続されている不活性ガス供給管313は、水蒸気供給管335と連絡する連絡管315によって接続されている。連絡管315は水蒸気供給管335に備えられたバルブ333よりも反応器21側に配置されている。

【0063】
トラップ51A及び51Bは、ガス排出口27を介して、反応器21と接続されており、トラップ51Aは浴槽53A内に配置され、トラップ51Bは浴槽53B内に配置されている。そして、分析装置61は、トラップ51Bと接続されている。

【0064】
以下、バイオマス処理装置100の各構成について説明する。
反応器21の材質は、バイオマス原料1、及びバイオマス処理用触媒3を加熱したときの温度に耐え得る材質であれば特に限定されるものではない。反応器21の材質としては、セラミック、金属等の材料が挙げられ、例えば、耐熱温度が1000℃以上であることが好ましい。ここで、耐熱温度とは、バイオマス原料1、及びバイオマス処理用触媒3を加熱したときに、反応器21を構成する材料が溶融等により劣化しない温度を表す。
反応器21の内壁の材質は、バイオマス原料1を処理した後に残存する固体炭素成分の除去が容易にする点を考慮して選択することが望ましい。
反応器21の大きさは、特に限定されないが、目的とするバイオマス原料の処理量等によって設計すればよい。

【0065】
バイオマス原料配置部11、及びバイオマス処理用触媒配置部13の材質は、バイオマス原料1、及びバイオマス処理用触媒3を加熱したときの温度に耐え得る材質であれば特に限定されず、例えば、上記で例示した反応器21と同様の材質が挙げられる。
また、バイオマス原料配置部11、及びバイオマス処理用触媒配置部13の形状は、バイオマス原料1、及びバイオマス処理用触媒3をそれぞれ固定し得るものであれば特に限定されない。ただし、バイオマス原料1を熱分解して発生したガス、及び、バイオマス処理用触媒3と接触して改質されたガスの流通を妨げるものでなければ、その構造は特に限定されない。バイオマス原料配置部11、及びバイオマス処理用触媒配置部13の材質は、反応器21の内壁の材質と同様に、バイオマス原料1を処理した後に残存する固体炭素成分の除去が容易にする点を考慮して選択することが望ましい。

【0066】
不活性ガス供給装置31は、窒素、アルゴン等のキャリアガスとして機能する不活性ガスを供給する装置である。不活性ガス供給装置31は、例えば、窒素、アルゴン等の不活性ガスが充填されたボンベが用いられて供給される。不活性ガスの供給は、例えばポンプ等の装置を用いてもよい。
不活性ガスは、不活性ガス供給装置31から、不活性ガス供給管313を通じて反応器21内の第1の反応室23に供給される。また、不活性ガスは、不活性ガス供給管313、連絡管315、及び水蒸気供給管335を通じて、第2の反応室25にも供給される。
また、不活性ガスは、連絡管315に備えられたバルブ(不図示)の開閉操作により、不活性ガス供給口311のみから反応器21内に供給されるようにしてもよい。

【0067】
水蒸気供給装置33は、ガス化剤として機能する水蒸気を供給する装置である。水蒸気供給装置33は、水蒸気を供給するものであれば特に限定されない。例えば、ボイラー等が挙げられる。
水蒸気を供給する場合、例えば、水蒸気供給装置33が接続している水蒸気供給管335に備えているバルブ333の開閉操作により、水蒸気を第2の反応室25内に供給することができる。水蒸気は、第1の反応室23及び第2の反応室25に不活性ガスを供給している状態で、不活性ガスとともに、第2の反応室25のみに供給されるようになっている。第1の反応室23に供給される不活性ガスの供給圧力は、反応室25に供給される不活性ガスおよび水蒸気の供給圧力よりも高くなるように調整されているため、水蒸気は、第2の反応室25のみに供給されるように制御されている。
なお、必要に応じて、連絡管315に備えられたバルブ(不図示)を閉め、バルブ333を開けることにより、第1の反応室23に不活性ガスのみ、第2の反応室25に水蒸気のみを供給することも可能である。

【0068】
バイオマス原料加熱装置41A及び41Bと、バイオマス処理用触媒加熱装置43A及び43Bは、それぞれ、バイオマス原料1、及びバイオマス処理用触媒3を加熱するための装置である。バイオマス原料加熱装置41A及び41Bは、バイオマス原料1を熱分解する温度まで加熱可能な装置であれば、特に限定されるものではない。また、バイオマス処理用触媒加熱装置43A及び43Bは、バイオマス原料1を熱分解して発生した熱分解ガスを改質可能な温度に加熱可能な装置であれば特に限定されるものではない。このような装置としては、例えば、電気ヒーターによる加熱装置、火炎による直接加熱装置等の各種ヒーターが挙げられる。

【0069】
なお、図1の示すバイオマス処理装置100において、バイオマス原料加熱装置41A及び41Bと、バイオマス処理用触媒加熱装置43A及び43Bとは、それぞれ反応器21の外部に配置されている。これらバイオマス原料加熱装置41A及び41B、及びバイオマス処理用触媒加熱装置43A及び43Bは、それぞれ、反応器21内の第1の反応室23内、及び反応器21内の第2の反応室25内に配置することも可能である。

【0070】
トラップ51A及び51Bは、バイオマス処理用触媒3と接触した後の改質ガスを冷却し、改質ガスを精製する装置である。トラップ51A及び51Bは、具体的には、タールと水分とが凝集されて気液分離される装置である。トラップ51A及び51Bは、それぞれ冷媒が充填された浴槽53A及び53B内に収容されている。トラップ51A及び51B内には水が充填されている。図1では、トラップ51A及び51Bは、それぞれ冷媒が充填された浴槽53A及び53B内に収容されている。
トラップ51A及び51Bは、改質ガスを冷却し、改質ガスを精製する装置として機能するものであれば、その形態は、特に限定されるものではない。

【0071】
分析装置61は、精製されたガスのガス成分の分析や、ガス成分の監視を行う装置である。精製されたガスのガス成分の分析や、ガス成分の監視を行うために適した装置であれば特に限定されない。このような装置としては、例えば、ガスクロマトグラフ/水素イオン化検出器(GC-FID)、ガスクロマトグラフ/熱伝導度検出器(GC-TCD)等が挙げられる。
なお、分析装置61では、精製されたガスのガス成分を直接分析等してもよい。また、分析装置61で精製されたガスをサンプリングするサンプリング装置(不図示)を設け、サンプリングしたガスのガス成分を分析等するようにしてもよい。

【0072】
上記構成を備えたバイオマス処理装置100により、バイオマス原料1を処理する。
以下、バイオマス処理装置100を用いてバイオマス原料1を処理するバイオマス処理方法について説明する。

【0073】
(バイオマス処理用触媒前処理工程)
本実施形態のバイオマス処理方法は、熱分解工程の前に、バイオマス処理用触媒3の前処理を行うバイオマス処理用触媒前処理工程(以下、「前処理工程」とも称する)を有していてもよい。前処理工程は、例えば、バイオマス処理用触媒3の乾燥、塩の分解を目的として行われる。なお、この前処理工程は、必要に応じて行う工程である。バイオマス処理用触媒3は、前処理工程を経ずに使用してもよい。
前処理工程は、まず、バイオマス処理用触媒配置部13にバイオマス処理用触媒3を配置する。そして、例えば、窒素雰囲気下、大気圧下で、400℃~500℃(例えば、450℃)、30分~120分(例えば、60分)の加熱条件で行うことができる。前処理工程を経ない場合は、バイオマス原料1を処理する際に、バイオマス処理用触媒3が加熱される。

【0074】
バイオマス処理用触媒3の前処理工程の有無にかかわらず、バイオマス処理用触媒3は、バイオマス原料1を熱分解したときに生じる熱分解ガスが通過するように、バイオマス処理用触媒配置部13に配置される。バイオマス処理用触媒3は、熱分解ガスを効率的に接触させる点で、バイオマス処理用触媒配置部13に隙間が生じないように配置される。ただし、バイオマス処理用触媒3は、熱分解ガスの通過を妨げない程度の厚みや、密度を考慮して配置される。

【0075】
(熱分解工程)
次に、バイオマス原料配置部11にバイオマス原料1を配置する。バイオマス原料1としては、例えば、間伐材、及び剪定枝など(例えば、スギ、ヒノキ等)の木質系バイオマス;籾殻、及び稲藁などの農業系バイオマス;牛糞、豚糞、及び鶏糞などの畜産系バイオマス;等が挙げられる。さらに、家庭生ごみや下水汚泥などの生活廃棄物系バイオマス;活性汚泥、製紙スラッジ、及びコーヒー粕などの工業廃棄物系バイオマス:なども挙げられる。バイオマス原料1の形態は特に限定されないが、取扱い上の点から、例えば、乾燥されている状態であることが好ましい。また、同様の点で、取扱い上、支障が生じない範囲で粉砕されていることが好ましい。例えば、バイオマス原料を粉砕するためエネルギー効率や、バイオマス原料を加熱する際の熱伝導性をも考慮すると、粉砕したバイオマス原料1の平均粒径を1mm~5mmとすることが好ましい。

【0076】
バイオマス処理用触媒3を第2の反応室25内のバイオマス処理用触媒配置部13に、バイオマス原料1を第1の反応室23内のバイオマス原料配置部11に、それぞれ配置した後、不活性ガス供給装置31から、不活性ガスを第1の反応室23、及び第2の反応室25に供給する。

【0077】
不活性ガスを各反応室23、25に供給した後、バイオマス原料1の熱分解に先立って、バイオマス処理用触媒加熱装置43A及び43Bによりバイオマス処理用触媒3を加熱し、予め定められた温度に昇温する。次に、バイオマス原料加熱装置41A及び41Bによりバイオマス原料1を加熱し、熱分解を行うために、予め定められた温度に昇温する。

【0078】
バイオマス原料加熱装置41A及び41Bによって、バイオマス原料1の熱分解を行うために加熱する温度は、バイオマス原料1の種類や状態等に応じて決定される。加熱条件としては、例えば、大気圧で、450℃~900℃(好ましくは、450℃~600℃)に加熱されることがよい。この範囲の温度であると、バイオマス原料1が熱分解されて、効率的に熱分解ガスが生成される。なお、この熱分解ガスには、タールが含まれている。

【0079】
(改質ガス生成工程)
バイオマス原料1の熱分解により生成したタールを含む熱分解ガスは、不活性ガスと共に、バイオマス処理用触媒3が配置されたバイオマス処理用触媒配置部13に向かって流れる。そして、タールを含む熱分解ガスは、バイオマス処理用触媒加熱装置43A及び43Bにより加熱された状態のバイオマス処理用触媒3と接触し、熱分解ガスに含まれるタールが分解され、改質ガスが生成される。
改質ガス生成工程では、必要に応じて、水蒸気存在下で、タールを含む熱分解ガスと前記バイオマス処理用触媒3とを接触させてもよい。水蒸気は、不活性ガスと共に、水蒸気供給装置33から、改質ガス生成部に対応する第2の反応室25に供給することができる。水蒸気の供給量としては、25℃で、0kPa~35kPa(好ましくは1kPa~35kPa、より好ましくは5kPa~30kPa)であることがよい。

【0080】
改質ガス生成工程において、熱分解ガスが改質される改質温度としては、熱分解ガスに含まれるタールの分解と、加熱による供給エネルギーとのバランスの点から、400℃~600℃であることがよい。好ましくは400℃以上550℃未満、より好ましくは400℃以上500℃未満である。
改質温度が上記温度範囲であると、供給エネルギーを抑制しつつ、バイオマス処理用触媒3と接触した熱分解ガスに含まれるタールが分解され、改質ガスが生成される。

【0081】
改質ガス生成工程において、効率的に熱分解ガスを改質し得る点で、熱分解ガスとバイオマス処理用触媒3とを、水蒸気の存在下、400℃以上500℃未満の改質温度で接触させることが好ましい。本実施形態のバイオマス処理用触媒3を用い、改質ガス生成工程を水蒸気存在下で行うと、従来のバイオマス処理用触媒(例えば、ニッケル担持褐炭など)を用いた場合に比べ、改質温度が特に400℃以上500℃未満であっても、熱分解ガス中に含まれるタールの分解が促進され、改質ガスの生成量(例えば、改質ガス中の水素ガス)が増大しやすい。

【0082】
改質ガス生成工程によって生成された改質ガスは、反応器21のガス排出口27から排出される。ガス排出口27から排出された改質ガスは、トラップ51A、及びトラップ51Aに続くトラップ51Bに導入されて冷却される。トラップ51A、及びトラップ51Bに導入された改質されたガスは、トラップ51A、及びトラップ51Bのそれぞれに充填された水によって、改質ガス生成工程で分解しきれなかったタール分と、水分とが凝集されて気液分離される。そして、気液分離されることで、改質ガスが精製されて精製ガスが得られる。精製ガスは、分析装置61により精製ガスの成分組成が分析・監視される。

【0083】
このようにして得られた精製ガスは、例えば、H、CH、CO、CO等の火力発電、燃料電池、都市ガス、化学原料等に利用可能なエネルギー源として活用され得る。

【0084】
なお、本実施形態のバイオマス処理装置として、図1に示されるバイオマス処理装置100を例に挙げて説明したが、上記装置に限定されるものではない。
【実施例】
【0085】
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に制限されるものではない。
【実施例】
【0086】
〔ヘキサアンミン炭酸ニッケル[(NHNiCO]水溶液の調製〕
NiCO・2Ni(OH)・4HOを95gと、(NHCOを35gとを、25質量%アンモニア水200gと、蒸留水170gとの混合液中に投入して、撹拌機により24時間撹拌した。撹拌後、吸引濾過することで、ヘキサアンミン炭酸ニッケル[(NHNiCO]水溶液(1)を調製した。
そして、それぞれの投入量を調製し、ニッケルの含有量が異なるヘキサアンミン炭酸ニッケル水溶液(2)~(6)を準備した。
なお、ヘキサアンミン炭酸ニッケル水溶液はニッケル担持液である。
【実施例】
【0087】
〔鶏糞コンポストの作製〕
養鶏場から入手したコンポスト化された鶏糞(鶏糞コンポスト)(Caの含有量:16.8質量%)を準備し、粒度が0.5mm~1.0mmの範囲になるように大きさを揃えた。
【実施例】
【0088】
<実施例1>
〔ニッケル担持鶏糞の作製〕
上記で調製したヘキサアンミン炭酸ニッケル水溶液(1)と、上記で作製したコンポスト化された鶏糞とを混合して、撹拌機により3時間撹拌した。撹拌終了後、洗浄濾過を行い、ニッケルが担持された鶏糞コンポストを得た。次に、ニッケルが担持された鶏糞コンポストを窒素雰囲気下で107℃、12時間乾燥し、ニッケル担持鶏糞を得た。このニッケル担持鶏糞をふるい分けによって、0.5mm~1.0mmの範囲になるように粒度を揃えて、実施例1のバイオマス処理用触媒とした。このバイオマス処理用触媒を分析した結果を表1に示す。なお、分析方法は既述のとおりである。
【実施例】
【0089】
<実施例2~6>
上記で調製したニッケルの含有量が異なるヘキサアンミン炭酸ニッケル水溶液(2)~(6)を用い、それぞれのヘキサアンミン炭酸ニッケル水溶液と、上記で作製したコンポスト化された鶏糞とを混合した。1時間撹拌後、洗浄濾過を行わず、ニッケル担持量が異なるニッケルが担持された鶏糞コンポストを得た。次に、ニッケルが担持された鶏糞コンポストを窒素雰囲気下で107℃、24時間乾燥した。このニッケル担持鶏糞をふるい分けによって、0.5mm~1.0mmの範囲になるように粒度を揃えて、実施例2~6のバイオマス処理用触媒とした。これらのバイオマス処理用触媒を分析した結果を表1に示す。なお、分析方法は既述のとおりである。
【実施例】
【0090】
【表1】
JP2017113659A_000002t.gif
【実施例】
【0091】
表1において、「Ni」はニッケルを、「Ca」はカルシウムを、それぞれ表す。
また、「Ni担持液No.」は、ヘキサアンミン炭酸ニッケル水溶液の番号を表す。
【実施例】
【0092】
<評価A>
〔バイオマス処理用触媒のニッケル担持量の影響〕
-バイオマス処理用触媒の前処理-
実施例1~6で作製したバイオマス処理用触媒のそれぞれについて、バイオマス処理用触媒:3.5gを、図1に示すようなバイオマス処理装置のバイオマス処理用触媒配置部に配置した。また、バイオマス処理用触媒配置部とガス排出口との間に石英ウール製のタールトラップを配置した。次に、窒素ガスを120ml/分の流速でバイオマス処理装置に導入した。バイオマス処理用触媒を室温から450℃になるまで20℃/分の昇温速度で加熱し、450℃に達したところで、60分保持して、各例で作製したバイオマス処理用触媒の前処理を行った。
【実施例】
【0093】
-熱分解および改質-
まず、図1に示すようなバイオマス処理装置のバイオマス処理用触媒配置部に、前処理されたバイオマス処理用触媒(前処理前の触媒重量:3.5g)を配置した。バイオマス原料としてヒノキを準備し、ヒノキの1gを、図1に示すようなバイオマス処理装置のバイオマス原料配置部に配置した。
次に、窒素ガスを120ml/分の流速でバイオマス処理装置に導入し、バイオマス処理用触媒を室温から450℃になるまで20℃/分の加熱速度で加熱した。温度が450℃に達したところで、この温度を保持した。その後、バイオマス原料を室温から900℃になるまで、10℃/分の昇温速度で加熱した。そして、線速度を3.6m/分として、評価を行った。
図1に示すようなバイオマス処理装置におけるトラップの後段にガスバックを設置し、ガスバックで収集したガスをガスクロマトグラフ(TCD)により分析した。また、石英ウールにより捕集された重質タール、すす、及びチャーは、実験終了後、乾燥空気流通下で燃焼させ、燃焼ガスをガスクロマトグラフ(FID)により分析した。トラップにより回収された水溶性タールを全有機体炭素計により分析した。投入したバイオマスの炭素量に対する、各成分(ガス、タール、すす、及びチャー)の炭素量を百分率で算出し、炭素収支として定義した。結果を図2に示す。なお、上記のガスバックで収集したガスの分析方法、及び炭素収支の分析方法は、評価A~Dにおいて共通である。
また、バイオマス処理用触媒の比較として、前処理されたバイオマス処理用触媒(前処理前の触媒重量:3.5g)に代えて、前処理されたニッケルが担持されていない鶏糞コンポスト(前処理前の触媒重量:3.5g)をバイオマス処理用触媒配置部に配置して、評価を行った。
【実施例】
【0094】
図2に示すように、ニッケルが担持されない鶏糞コンポストのみを用いた場合は、改質されるガスの生成量が少ない。一方、ニッケルが担持された実施例1~6のニッケル担持鶏糞を用いた場合は、タールが分解されているのが分かる。特にニッケルの担持量が10質量%以上(とりわけ15質量%以上)の範囲では、タールの分解が顕著であることが分かる。また、実施例1~6のニッケル担持鶏糞を用いた場合、生成した改質ガスは、エネルギー源として利用価値の高い水素ガスの生成量が増加することが分かる。
なお、図2に示す炭素収支は、便宜上、すすを除いた炭素収支を示している。
【実施例】
【0095】
<評価B>
〔温度依存性〕
評価Aと同様の方法により、熱分解を行った。ただし、評価Bでは、バイオマス処理用触媒として、実施例4(ニッケル担持量20質量%)のニッケル担持鶏糞を用いた。
また、バイオマス処理用触媒の比較として、ニッケルが担持されていない鶏糞コンポストを用いた。
改質処理の条件は、2種類の実験により、温度依存性の評価を行った。具体的には、以下のとおりである。結果を図3に示す。
(評価B-1)バイオマス処理用触媒を室温から450℃まで20℃/分の加熱速度で加熱し、450℃に達したところで、この温度を保持してガスを改質する評価。
(評価B-2)バイオマス処理用触媒を室温から600℃まで20℃/分の加熱速度で加熱し、600℃に達したところで、この温度を保持してガスを改質する評価。
【実施例】
【0096】
図3に示すように、評価B-1では、ニッケル担持鶏糞を用いた場合、鶏糞コンポストのみ用いた場合に比べ、タールの分解量が多く、改質されるガスの生成量が多い。
一方、評価B-2では、鶏糞コンポストのみ用いた場合でも、タールが分解され、改質ガスの生成量が増加する。このことから、鶏糞中のカルシウムは、触媒として機能する成分であることが分かる。
ニッケル担持鶏糞を用いた場合、評価B-1及び評価B-2のいずれにおいても、鶏糞コンポストのみ用いた場合に比べ、改質ガスの生成量が多く、さらに、エネルギー源として利用価値の高い水素の発生が多いことがわかる。また、ニッケル担持鶏糞を用いた場合、評価B-1でも、改質ガスの生成量は多いことから、ニッケル担持鶏糞は、ニッケルとカルシウムとの相互作用により、2元系触媒として機能していると考えられる。
【実施例】
【0097】
<評価C>
〔触媒比較〕
評価Aと同様の方法により、熱分解を行った。ただし、評価Cでは、バイオマス処理用触媒として、実施例4(ニッケル担持量20質量%)のニッケル担持鶏糞を用いた。
また、バイオマス処理用触媒の比較として、川砂、ニッケル担持褐炭(Niを担持させた豪州褐炭(Loy Yang 炭))、ニッケルが担持されない鶏糞コンポストを用いた。結果を図4および図5に示す。
【実施例】
【0098】
図4に示すように、ニッケル担持鶏糞を用いた場合、川砂、及び鶏糞コンポストを用いた場合に比べて、タールの分解量が多く、改質ガスの生成量が多いことがわかる。また、図5に示すように、ニッケル担持鶏糞を用いた場合、ニッケル担持褐炭を用いた場合と同等のタール分解効果、熱分解ガス改質効果が得られることが分かる。ただし、ニッケル担持鶏糞を用いた場合、ニッケル担持褐炭を用いた場合に比べて、エネルギー源として利用価値の高い水素の生成量が多いことがわかる。
なお、図5において、Ni担持褐炭は、すすを含めた炭素収支を算出することが困難であるため、すすを除いた炭素収支を示している。それに合わせて、Ni担持鶏糞の炭素収支も、すすを除いた炭素収支を示している。
【実施例】
【0099】
<評価D>
〔水蒸気の影響〕
評価Aと同様の方法により、熱分解を行った。ただし、評価Dでは、図1に示すようなバイオマス処理装置のバイオマス処理用触媒配置部の近傍に水蒸気が30kPaとなるように、窒素ガスと共に供給した。また、バイオマス処理用触媒として、実施例4(ニッケル担持量20質量%)のニッケル担持鶏糞を用いた。
また、バイオマス処理用触媒の比較として、川砂、及びニッケル担持褐炭を用いた。結果を図6に示す。
【実施例】
【0100】
図6に示すように、窒素雰囲気下による改質条件において、ニッケル担持鶏糞を用いた場合は、ニッケル担持褐炭を用いた場合と同等の性能が得られることが分かる。窒素雰囲気下、かつ、水蒸気存在下による改質条件においては、ニッケル担持鶏糞を用いた場合は、ニッケル担持褐炭を用いた場合よりも生成ガス量が多くなることがわかる。しかも、ニッケル担持鶏糞を用いた場合ではエネルギー源として利用価値の高い水素が特に多く生成される。
なお、図6において、図5と同様の理由により、すすを除いた炭素収支を示している。
【実施例】
【0101】
以上から、本実施形態のバイオマス処理用触媒によれば、バイオマスのガス化プロセスにおいて、450℃という低温でもタールの発生が抑制されるという利点をもたらす。
また、本実施形態のバイオマス処理用触媒を用いることにより、低品位バイオマス(例えば、家畜排泄物、下水汚泥等)から、エネルギー利用を促進することができる。
さらに、本実施形態のバイオマス処理用触媒は、例えば、ニッケル等の遷移金属を鶏糞に担持させることから、鶏糞の廃棄物利用と環境汚染源の減容という効果が得られる。
【符号の説明】
【0102】
1 バイオマス原料、
3 バイオマス処理用触媒、
11 バイオマス原料配置部、
13 バイオマス処理用触媒配置部、
21 反応器、
23 第1の反応室、
25 第2の反応室
27 ガス排出口、
31 不活性ガス供給装置、
33 水蒸気供給装置、
41A、41B バイオマス原料加熱装置、
43A、43B バイオマス処理用触媒加熱装置、
51A、51B トラップ、
53A、53B 浴槽、
61 分析装置、
100 バイオマス処理装置、
311 不活性ガス導入口、
313 不活性ガス供給管
331 水蒸気供給口、
333 バルブ
335 水蒸気供給管
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4
【図6】
5