TOP > 国内特許検索 > コンテンツ配信システム及び方法 > 明細書

明細書 :コンテンツ配信システム及び方法

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2017-117253 (P2017-117253A)
公開日 平成29年6月29日(2017.6.29)
発明の名称または考案の名称 コンテンツ配信システム及び方法
国際特許分類 G06F  13/00        (2006.01)
H04N  21/462       (2011.01)
H04N  21/436       (2011.01)
FI G06F 13/00 510G
H04N 21/462
H04N 21/436
請求項の数または発明の数 14
出願形態 OL
全頁数 36
出願番号 特願2015-252931 (P2015-252931)
出願日 平成27年12月25日(2015.12.25)
発明者または考案者 【氏名】朴 容震
【氏名】佐藤 拓朗
【氏名】津田 通隆
【氏名】甲藤 二郎
【氏名】金子 大希
【氏名】亀山 渉
出願人 【識別番号】899000068
【氏名又は名称】学校法人早稲田大学
個別代理人の代理人 【識別番号】100073184、【弁理士】、【氏名又は名称】柳田 征史
【識別番号】100090468、【弁理士】、【氏名又は名称】佐久間 剛
審査請求 未請求
テーマコード 5B084
5C164
Fターム 5B084AA02
5B084AA12
5B084AA29
5B084AB40
5B084BB12
5B084CD26
5B084CE05
5B084CE12
5B084DA13
5B084DB02
5B084DC02
5B084DC06
5C164FA08
5C164FA16
5C164GA02
5C164TA07S
5C164UA52S
5C164UB36S
5C164UB41S
5C164UB71P
5C164UC21P
5C164UC31S
5C164YA30
要約 【課題】コンテンツ配信システム及び方法において、特定のサーバに負荷を集中させることなく、中継点設置装置にコンテンツを取得させる。
【解決手段】コンテンツ先行取得要求発生手段155は、所定の制御用識別子を含む第1のコンテンツ取得要求を発生する。コンテンツ取得要求転送手段157は、転送情報ベース158を参照して、第1のコンテンツ取得要求を中継点設置装置16に転送する。中継点設置装置16は、第1のコンテンツ取得要求に対応するコンテンツデータを取得する。ユーザ端末装置14は、所定の制御用識別子を含まない第2のコンテンツ取得要求を送信する。コンテンツ取得要求転送手段157は、転送情報ベース158を参照して第2のコンテンツ取得要求を中継点設置装置16に送信する。中継点設置装置16は、移動体搭載装置15にコンテンツデータを送信し、コンテンツ配信手段161は、コンテンツデータをユーザ端末装置14に配信する。
【選択図】図2
特許請求の範囲 【請求項1】
複数の中継点の間を移動する移動体に搭載された移動体搭載装置と、前記複数の中継点のうちの少なくとも一部に設置された中継点設置装置とを備え、移動体内のユーザのユーザ端末装置にコンテンツを配信するコンテンツ配信システムであって、
前記移動体搭載装置が、
前記中継点設置装置との間で通信を行うための第1の通信手段に接続された第1の通信インタフェースと、
前記中継点設置装置との間で通信を行うための、前記第1の通信手段とは異なる第2の通信手段に接続された第2の通信インタフェースと、
ユーザがコンテンツを指定すると、前記移動体の移動スケジュールに関するスケジュール情報を記憶するスケジュール情報記憶部を参照して、前記移動体の現在位置よりも先に存在する前記コンテンツデータの受け取りが可能な中継点を割り出し、該割り出した中継点に設置された中継点設置装置を、前記ユーザにより指定されたコンテンツのコンテンツデータを取得させる前記中継点設置装置として決定するスケジューリング手段と、
前記移動体が前記コンテンツデータを取得させる中継点設置装置が設置された中継点に到達する時刻よりも前に、前記指定されたコンテンツのコンテンツデータを要求する第1のコンテンツ取得要求であって、前記中継点設置装置にコンテンツデータを取得させることを示す制御用識別子を含む第1のコンテンツ取得要求を発生するコンテンツ先行取得要求発生手段と、
前記移動体が前記コンテンツデータを取得させる中継点設置装置が設置された中継点に到達する時刻に合わせて前記指定されたコンテンツのコンテンツデータを要求する第2のコンテンツ取得要求であって、前記制御用識別子を含まない第2のコンテンツ取得要求の発生を前記ユーザ端末装置に指示するコンテンツ取得指示手段と、
前記第1のコンテンツ取得要求及び前記第2のコンテンツ取得要求を含むコンテンツ取得要求を受信するコンテンツ取得要求受信手段と、
コンテンツ取得要求の送出先を定義する転送情報ベースであって、前記制御用識別子を含むコンテンツ取得要求の送出先が前記第1の通信インタフェースを含むことを定義し、かつ前記制御用識別子を含まないコンテンツ取得要求の送出先が前記第2の通信インタフェースを含むことを定義する転送情報ベースと、
前記コンテンツ取得要求受信手段が受信したコンテンツ取得要求を前記転送情報ベースを参照して転送するコンテンツ取得要求転送手段であって、前記コンテンツ取得要求受信手段が受信したコンテンツ取得要求が前記第1のコンテンツ取得要求である場合は、該第1のコンテンツ取得要求を前記第1の通信インタフェースを通じて前記中継点設置装置に転送し、前記コンテンツ取得要求受信手段が受信したコンテンツ取得要求が前記第2のコンテンツ取得要求である場合は、該第2のコンテンツ取得要求を前記第2の通信インタフェースを通じて前記中継点設置装置に転送するコンテンツ取得要求転送手段と、
前記コンテンツ取得要求転送手段により転送された前記第2のコンテンツ取得要求に対する応答としてコンテンツデータを受信するコンテンツ取得手段と、
前記コンテンツ取得手段が受信したコンテンツデータを前記ユーザ端末装置に送信するコンテンツ配信手段とを備え、
前記中継点設置装置が、
要求に応答して要求されたコンテンツのコンテンツデータを返送するネットワークに接続されており、
前記移動体搭載装置から前記第1の通信インタフェースを通じて転送された前記第1のコンテンツ取得要求を受信すると、前記移動体が前記中継点に到達する時刻よりも前に、前記第1のコンテンツ取得要求に対応するコンテンツデータの取得を前記ネットワークに要求し、該ネットワークから前記コンテンツデータを取得するコンテンツ先行取得手段と、
前記移動体搭載装置から前記第2の通信インタフェースを通じて転送された前記第2のコンテンツ取得要求を受信すると、前記コンテンツ先行取得手段が取得したコンテンツデータを、前記受信した第2のコンテンツ取得要求に対する応答として前記第2の通信手段により送信するコンテンツ転送手段とを備える
ことを特徴とするコンテンツ配信システム。
【請求項2】
前記移動体搭載装置が、前記ネットワークとの間で通信を行うための第3の通信手段に接続された第3の通信インタフェースを更に備え、かつ前記転送情報ベースが、前記制御用識別子を含まないコンテンツ取得要求の送出先が前記第3の通信インタフェースを更に含むことを定義し、
前記スケジューリング手段は、更に、前記移動体が前記中継点設置装置が設置された中継点に到達するまでに前記ネットワークから取得するコンテンツデータの部分と前記中継点設置装置に取得させるコンテンツデータの部分とを決定し、
前記コンテンツ取得指示手段は、前記移動体が前記コンテンツデータを取得させる中継点設置装置が設置された中継点に到達する時刻よりも前に、前記指定されたコンテンツのコンテンツデータを要求する第3のコンテンツ取得要求であって、前記決定された前記ネットワークから取得するコンテンツデータの部分を示す情報を含みかつ前記制御用識別子を含まない第3のコンテンツ取得要求の発生を前記ユーザ端末装置に指示し、
コンテンツ取得要求受信手段が受信するコンテンツ取得要求は前記第3のコンテンツ取得要求を更に含み、
前記コンテンツ取得要求転送手段は、前記コンテンツ取得要求受信手段が受信したコンテンツ取得要求が前記第3のコンテンツ取得要求である場合は、該第3のコンテンツ取得要求を前記第3の通信インタフェースを通じて前記ネットワークに転送し、
前記コンテンツ取得手段は、前記第3の通信インタフェースを通じて転送された第3のコンテンツ取得要求に対する応答として前記第3通信インタフェースを通じて前記ネットワークからコンテンツデータを更に受信する請求項1に記載のコンテンツ配信システム。
【請求項3】
前記スケジューリング手段は、前記コンテンツ取得指示手段が前記ユーザ端末装置に前記第3のコンテンツ取得要求の発生を指示する場合は、前記ユーザ端末装置が前記第3のコンテンツ取得要求を発生する旨の予告を前記コンテンツ取得要求転送手段に通知し、
前記コンテンツ取得要求転送手段は、前記スケジューリング手段から前記予告を通知された時刻から所定時間以内に前記コンテンツ取得要求受信手段がコンテンツ取得要求を受信した場合は、前記コンテンツ取得要求受信手段が受信したコンテンツ取得要求が前記第3のコンテンツ取得要求であると判断する請求項2に記載のコンテンツ配信システム。
【請求項4】
前記コンテンツ取得要求転送手段は、前記コンテンツ取得要求受信手段がコンテンツ取得要求を受信すると、前記第2の通信手段が利用可能であるか否かを判断し、前記第2の通信手段が利用可能ではないと判断した場合は、前記コンテンツ取得要求受信手段が受信した受信したコンテンツ取得要求が前記第3のコンテンツ取得要求であると判断する請求項2に記載のコンテンツ配信システム。
【請求項5】
前記スケジューリング手段は、前記決定された前記ネットワークから取得するコンテンツデータの部分を示す情報を前記コンテンツ取得要求転送手段に通知し、
前記コンテンツ取得要求転送手段は、前記コンテンツ取得要求受信手段が受信したコンテンツ取得要求に含まれるコンテンツデータの部分を示す情報が、前記スケジューリング手段から通知された情報に含まれる場合、又は該情報と一致する場合は、前記コンテンツ取得要求受信手段が受信したコンテンツ取得要求が前記第3のコンテンツ取得要求であると判断する請求項2に記載のコンテンツ配信システム。
【請求項6】
前記コンテンツ先行取得要求発生手段は、前記中継点設置装置から取得するコンテンツデータの部分を示す情報を前記第1のコンテンツ取得要求に含め、前記コンテンツ取得指示手段は、前記中継点設置装置から取得するコンテンツデータの部分を示す情報を前記第2のコンテンツ取得要求に含めさせる請求項2から5何れか1項に記載のコンテンツ配信システム。
【請求項7】
前記移動体搭載装置はコンテンツデータを記憶するコンテンツ蓄積部を更に備え、前記コンテンツ取得手段は受信したコンテンツデータを前記コンテンツ蓄積部に記憶し、前記コンテンツ配信手段は前記コンテンツ蓄積部からコンテンツデータを読み出してユーザ端末装置に送信する請求項1から6何れか1項に記載のコンテンツ配信システム。
【請求項8】
前記第1の通信手段は、少なくとも前記移動体が移動している間、前記移動体搭載装置と前記中継点設置装置との間の通信を可能とし、前記第2の通信手段は、前記移動体が前記中継点に到達した場合に前記移動体搭載装置と前記中継点設置装置との間の通信を可能とする請求項1から7何れか1項に記載のコンテンツ配信システム。
【請求項9】
前記第2の通信手段の通信速度は前記第1の通信手段の通信速度よりも速い請求項1から8何れか1項に記載のコンテンツ配信システム。
【請求項10】
前記コンテンツ先行取得手段は、前記第1のコンテンツ取得要求から前記制御用識別子を取り除いたコンテンツ取得要求を前記ネットワークに送信し、該送信したコンテンツ取得要求に対する応答として前記ネットワークから前記コンテンツデータを取得する請求項1から9何れか1項に記載のコンテンツ配信システム。
【請求項11】
前記中継点設置装置は、前記コンテンツ先行取得手段が取得したコンテンツデータを、少なくとも前記移動体が前記中継点に到達するまでの間記憶するコンテンツ記憶手段を更に備え、前記コンテンツ転送手段は、前記コンテンツデータを前記コンテンツ記憶手段から読み出して送信する請求項1から10何れか1項に記載のコンテンツ配信システム。
【請求項12】
前記移動体搭載装置及び前記中継点設置装置は前記ネットワークのノードを構成する請求項1から11何れか1項に記載のコンテンツ配信システム。
【請求項13】
前記ネットワークがインフォメーションセントリックネットワーキングによるネットワークである請求項1から12何れか1項に記載のコンテンツ配信システム。
【請求項14】
複数の中継点の間を移動する移動体に搭載された移動体搭載装置と、前記複数の中継点のうちの少なくとも一部に設置された中継点設置装置とを用い、移動体内のユーザのユーザ端末装置にコンテンツを配信するコンテンツ配信方法であって、
前記移動体搭載装置が、前記移動体の移動スケジュールに関するスケジュール情報を記憶するスケジュール情報記憶部を参照して、ユーザにより指定されたコンテンツのコンテンツデータを取得させる前記中継点設置装置を決定するステップと、
前記移動体搭載装置が、前記移動体が前記中継点に到達する時刻よりも前に、前記指定されたコンテンツのコンテンツデータを要求する第1のコンテンツ取得要求であって、前記中継点設置装置にコンテンツデータを取得させることを示す制御用識別子を含む第1のコンテンツ取得要求を発生するステップと、
前記移動体搭載装置が、コンテンツ取得要求の送出先を定義する転送情報ベースであって、前記制御用識別子を含むコンテンツ取得要求の送出先が、前記中継点設置装置との間で通信を行うための第1の通信手段に接続された第1の通信インタフェースを含むことを定義し、かつ、前記制御用識別子を含まないコンテンツ取得要求の送出先が、前記中継点設置装置との間で通信を行うための、前記第1の通信手段とは異なる第2の通信手段に接続された第2の通信インタフェースを含むことを定義する転送情報ベースを参照して、前記第1のコンテンツ取得要求を前記第1の通信インタフェースを通じて前記中継点設置装置に送信するステップと、
前記中継点設置装置が、前記第1のコンテンツ取得要求を受信し、前記移動体が前記中継点に到達する時刻よりも前に、要求に応答して要求されたコンテンツのコンテンツデータを返送するネットワークから前記受信した第1のコンテンツ取得要求に対応するコンテンツデータを取得するステップと、
前記移動体搭載装置が、前記移動体が前記中継点に到達する時刻に合わせて前記ユーザ端末装置に、前記指定されたコンテンツのコンテンツデータを要求する第2のコンテンツ取得要求であって、前記制御用識別子を含まない第2のコンテンツ取得要求を発生させるステップと、
前記移動体搭載装置が、前記ユーザ端末装置から前記第2のコンテンツ取得要求を受信するステップと、
前記移動体搭載装置が、前記転送情報ベースを参照して、前記第2のコンテンツ取得要求を前記第2の通信インタフェースを通じて前記中継点設置装置に送信するステップと、
前記中継点設置装置が、前記第2のコンテンツ取得要求を受信し、前記取得したコンテンツデータを前記第2のコンテンツ取得要求に対する応答として前記移動体搭載装置に前記第2の通信インタフェースを通じて送信するステップと、
前記移動体搭載装置が、前記コンテンツデータを受信し、前記ユーザ端末装置に前記受信したコンテンツデータを送信するステップとを有することを特徴とするコンテンツ配信方法。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、コンテンツ配信システム及び方法に関し、更に詳しくは、経路に沿って複数の中継点間を移動する移動体内のユーザにコンテンツを配信するコンテンツ配信システム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
列車等の移動体において、コンテンツを提供するサービスを実施することが考えられている。例えば、コンテンツは列車内のコンテンツ蓄積装置に記憶される。コンテンツ配信では、列車内の配信装置がコンテンツ蓄積装置からコンテンツデータを読み出し、ユーザの端末装置などに配信する。しかしながら、この場合は、事前にコンテンツ蓄積装置に記憶しておいたコンテンツしかユーザに提供することができず、必ずしもユーザに所望のコンテンツを提供することができるわけではない。
【0003】
上記の問題点を解消できるシステムとして、特許文献1に記載のシステムが知られている。特許文献1に記載のシステムは、列車内に設置された配信サーバ装置、サービスセンタに設置されたサーバシステム、及び駅に設置された配信サーバ装置を有する。ユーザは、例えば座席に備え付けられた端末装置を用いて、列車内の配信サーバ装置に対して画像コンテンツの視聴を申し込む。ユーザが希望するコンテンツが列車内の配信サーバ装置に蓄積されていないとき、配信サーバ装置はサービスセンタのサーバシステムに画像コンテンツの配信を要求する。
【0004】
サービスセンタのサーバシステムは、ネットワークを介してコンテンツ提供会社の画像データ配信装置に接続されており、画像データ配信装置から画像コンテンツを取得する。サービスセンタのサーバシステムは、画像コンテンツの配信要求と共に列車内の配信サーバ装置から送信された列車の番号や走行区間に関する情報から、次の停車駅及びその停車時間を算出する。サービスセンタのサーバシステムは、次の停車駅において画像コンテンツの供給を行うことが可能である場合には、ネットワークを介して、次の停車駅に設置された配信サーバ装置に画像コンテンツを転送する。
【0005】
駅の配信サーバ装置は、列車が駅に到着すると、サービスセンタのサーバシステムから転送された画像コンテンツを、ミリ波伝送手段を介して列車内の配信サーバ装置に送信する。この画像コンテンツの送信は、列車の停車時間内に実施される。列車内の配信サーバ装置は、画像コンテンツを受信すると受信した画像コンテンツをコンテンツ蓄積部に蓄積する。その後、コンテンツ蓄積部から画像コンテンツを読み出し、列車内のユーザにコンテンツ配信を行う。
【先行技術文献】
【0006】

【特許文献1】特開2003-150681号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
一般的に、コンテンツ配信は、クライアント-サーバ間の通信モデルに基づいている。特許文献1においては、サービスセンタのサーバシステムが中央サーバとして働き、各駅の配信サーバ装置に画像コンテンツを配信している。この場合、多数のコンテンツ要求がサービスセンタのサーバシステムに集中すると、サーバシステムの負荷が増大すると共にネットワークの負荷も増大し、スムースなサービス提供ができないという問題が生じる。
【0008】
ここで、特定のサーバに負荷を集中させずにコンテンツを配信することが可能なネットワーク技術としてICN(Information Centric Networking)が知られている。ICNは、コンテンツ要求をコンテンツ名で行えること、ルーティングをコンテンツ名で行うこと、ネットワークにおいてルーティング機能を持つ各ノードがダイナミックなキャッシュ機能をも持ち、ノードを通過したコンテンツがノードにキャッシュされることといった特徴がある。コンテンツ要求を受けたノードは、要求されたコンテンツがキャッシュにあるときは、キャッシュからコンテンツを読み出しユーザに提供する。キャッシュされていなければ、近くのノードにユーザからの要求を転送し、転送先のノードにおいて要求されたコンテンツがキャッシュされていれば、そのノードからコンテンツの提供を行う。転送先のノードにおいてもコンテンツがキャッシュされていなければ、コンテンツをキャッシュしているノードまで、或いはコンテンツサーバまで、要求の転送を繰り返し実施する。ICNでは、ユーザは、近いノードからコンテンツの提供を受けることができ、特定のサーバに負荷をかけることなく、また多くのネットワーク資源を使うこと無くコンテンツ配信が可能となる。
【0009】
なお、以下、特に記載のない限り、ICNというネットワーク技術を用いたネットワークをICNと略称することとする。また、特に記載のない限り、ICN中のノード又はICNに接続されたコンテンツサーバからコンテンツを取得することを「ICNからコンテンツを取得する」ということとする。
【0010】
特許文献1に示された従来型のクライアントーサーバ方式に変えて、駅の配信サーバ装置がICNからコンテンツを取得することができれば、サービスセンタのサーバシステムに負荷が集中することを回避できる。しかしながら、ICNにおける通信は、コンテンツ要求元からコンテンツ名を付けたコンテンツ要求をネットワークに送信し、コンテンツ要求が転送されたルートを逆向きに辿って、ネットワークが要求されたコンテンツをデータとして返送するシンプルなやり方で実施される。このため、ICNを利用しつつ、ユーザが乗車している列車が駅に到着するより前にその駅の配信サーバ装置にコンテンツを配信しておくには、ユーザが走行中の列車において発したコンテンツ要求を基にして列車内の配信サーバ装置が駅の配信サーバ装置に指示して、駅サーバ装置がネットワークに対して目的のコンテンツの要求を出せるようにする、追加の仕組みが必要である。
【0011】
本発明は、上記に鑑み、特定のサーバに負荷を集中させることなく、経路に沿って中継点間を移動する移動体が経由する中継点に設置された装置にコンテンツを取得させることができるコンテンツ配信システム及び方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的を達成するため、本発明は、複数の中継点の間を移動する移動体に搭載された移動体搭載装置と、前記複数の中継点のうちの少なくとも一部に設置された中継点設置装置とを備え、移動体内のユーザのユーザ端末装置にコンテンツを配信するコンテンツ配信システムであって、前記移動体搭載装置が、前記中継点設置装置との間で通信を行うための第1の通信手段に接続された第1の通信インタフェースと、前記中継点設置装置との間で通信を行うための、前記第1の通信手段とは異なる第2の通信手段に接続された第2の通信インタフェースと、ユーザがコンテンツを指定すると、前記移動体の移動スケジュールに関するスケジュール情報を記憶するスケジュール情報記憶部を参照して、前記移動体の現在位置よりも先に存在する前記コンテンツデータの受け取りが可能な中継点を割り出し、該割り出した中継点に設置された中継点設置装置を、前記ユーザにより指定されたコンテンツのコンテンツデータを取得させる前記中継点設置装置として決定するスケジューリング手段と、前記移動体が前記コンテンツデータを取得させる中継点設置装置が設置された中継点に到達する時刻よりも前に、前記指定されたコンテンツのコンテンツデータを要求する第1のコンテンツ取得要求であって、前記中継点設置装置にコンテンツデータを取得させることを示す制御用識別子を含む第1のコンテンツ取得要求を発生するコンテンツ先行取得要求発生手段と、前記移動体が前記コンテンツデータを取得させる中継点設置装置が設置された中継点に到達する時刻に合わせて前記指定されたコンテンツのコンテンツデータを要求する第2のコンテンツ取得要求であって、前記制御用識別子を含まない第2のコンテンツ取得要求の発生を前記ユーザ端末装置に指示するコンテンツ取得指示手段と、前記コンテンツ先行取得要求発生手段から送られる第1のコンテンツ取得要求及び前記ユーザ端末装置から送られる第2のコンテンツ取得要求を受信するコンテンツ取得要求受信手段と、コンテンツ取得要求の送出先を定義する転送情報ベースであって、前記制御用識別子を含むコンテンツ取得要求の送出先が前記第1の通信インタフェースを含むことを定義し、かつ前記制御用識別子を含まないコンテンツ取得要求の送出先が前記第2の通信インタフェースを含むことを定義する転送情報ベースと、前記コンテンツ取得要求受信手段が受信した第1のコンテンツ取得要求及び第2のコンテンツ取得要求を、前記転送情報ベースを参照して転送するコンテンツ取得要求転送手段であって、前記コンテンツ取得要求受信手段が受信したコンテンツ取得要求が前記第1のコンテンツ取得要求である場合は、該第1のコンテンツ取得要求を前記第1の通信インタフェースを通じて前記中継点設置装置に転送し、前記コンテンツ取得要求受信手段が受信したコンテンツ取得要求が前記第2のコンテンツ取得要求である場合は、該第2のコンテンツ取得要求を前記第2の通信インタフェースを通じて前記中継点設置装置に転送するコンテンツ取得要求転送手段と、前記コンテンツ取得要求転送手段により転送された前記第2のコンテンツ取得要求に対する応答としてコンテンツデータを受信するコンテンツ取得手段と、前記コンテンツ取得手段が受信したコンテンツデータを前記ユーザ端末装置に送信するコンテンツ配信手段とを備え、前記中継点設置装置が、要求に応答して要求されたコンテンツのコンテンツデータを返送するネットワークに接続されており、前記移動体搭載装置から前記第1の通信インタフェースを通じて転送された前記第1のコンテンツ取得要求を受信すると、前記移動体が前記中継点に到達する時刻よりも前に、前記第1のコンテンツ取得要求に対応するコンテンツデータの取得を前記ネットワークに要求し、該ネットワークから前記コンテンツデータを取得するコンテンツ先行取得手段と、前記移動体搭載装置から前記第2の通信インタフェースを通じて転送された前記第2のコンテンツ取得要求を受信すると、前記コンテンツ先行取得手段が取得したコンテンツデータを、前記受信した第2のコンテンツ取得要求に対する応答として前記第2の通信手段によりを通じて送信するコンテンツ転送手段とを備えることを特徴とするコンテンツ配信システムを提供する。
【0013】
本発明の一実施形態のコンテンツ配信システムにおいて、前記移動体搭載装置は、前記ネットワークとの間で通信を行うための第3の通信手段に接続された第3の通信インタフェースを更に備え、かつ前記転送情報ベースは、前記制御用識別子を含まないコンテンツ取得要求の送出先が前記第3の通信インタフェースを更に含むことを定義する。その場合において、前記スケジューリング手段は、更に、前記移動体が前記中継点設置装置が設置された中継点に到達するまでに前記ネットワークから取得するコンテンツデータの部分と前記中継点設置装置に取得させるコンテンツデータの部分とを決定し、前記コンテンツ取得指示手段は、前記移動体が前記コンテンツデータを取得させる中継点設置装置が設置された中継点に到達する時刻よりも前に、前記指定されたコンテンツのコンテンツデータを要求する第3のコンテンツ取得要求であって、前記決定された前記ネットワークから取得するコンテンツデータの部分を示す情報を含みかつ前記制御用識別子を含まない第3のコンテンツ取得要求の発生を前記ユーザ端末装置に指示する。また、コンテンツ取得要求受信手段が受信するコンテンツ取得要求は前記第3のコンテンツ取得要求を更に含み、前記コンテンツ取得要求転送手段は、前記コンテンツ取得要求受信手段が受信したコンテンツ取得要求が前記第3のコンテンツ取得要求である場合は、該第3のコンテンツ取得要求を前記第3の通信インタフェースを通じて前記ネットワークに転送し、前記コンテンツ取得手段は、前記コンテンツ取得要求転送手段により前記第3の通信インタフェースを通じて転送された第3のコンテンツ取得要求に対する応答として前記第3の通信インタフェースを通じて前記ネットワークからコンテンツデータを更に受信する。
【0014】
上記本発明の一実施形態のコンテンツ配信システムにおいて、前記スケジューリング手段は、前記コンテンツ取得指示手段が前記ユーザ端末装置に前記第3のコンテンツ取得要求の発生を指示する場合は、前記ユーザ端末装置が前記第3のコンテンツ取得要求を発生する旨の予告を前記コンテンツ取得要求転送手段に通知し、前記コンテンツ取得要求転送手段は、前記スケジューリング手段から前記予告を通知された時刻から所定時間以内に前記コンテンツ取得要求受信手段がコンテンツ取得要求を受信した場合は、前記コンテンツ取得要求受信手段が受信したコンテンツ取得要求が前記第3のコンテンツ取得要求であると判断する。
【0015】
あるいは、上記本発明の一実施形態のコンテンツ配信システムにおいて、前記コンテンツ取得要求転送手段は、前記コンテンツ取得要求受信手段がコンテンツ取得要求を受信すると、前記第2の通信手段が利用可能であるか否かを判断し、前記第2の通信手段が利用可能ではないと判断した場合は、前記コンテンツ取得要求受信手段が受信した受信したコンテンツ取得要求が前記第3のコンテンツ取得要求であると判断する。
【0016】
上記に代えて、上記本発明の一実施形態のコンテンツ配信システムにおいて、前記スケジューリング手段は、前記決定された前記ネットワークから取得するコンテンツデータの部分を示す情報を前記コンテンツ取得要求転送手段に通知し、前記コンテンツ取得要求転送手段は、前記コンテンツ取得要求受信手段が受信したコンテンツ取得要求に含まれるコンテンツデータの部分を示す情報が、前記スケジューリング手段から通知された情報に含まれる場合、又は該情報と一致する場合は、前記コンテンツ取得要求受信手段が受信したコンテンツ取得要求が前記第3のコンテンツ取得要求であると判断する。
【0017】
本発明の別の実施形態のコンテンツ配信システムにおいて、前記コンテンツ先行取得要求発生手段は、前記中継点設置装置から取得するコンテンツデータの部分を示す情報を前記第1のコンテンツ取得要求に含め、前記コンテンツ取得指示手段は、前記中継点設置装置から取得するコンテンツデータの部分を示す情報を前記第2のコンテンツ取得要求に含めさせる。
【0018】
本発明の更に別の実施のコンテンツ配信システムにおいて、前記移動体搭載装置はコンテンツデータを記憶するコンテンツ蓄積部を更に備える。その場合、前記コンテンツ取得手段は受信したコンテンツデータを前記コンテンツ蓄積部に記憶し、前記コンテンツ配信手段は前記コンテンツ蓄積部からコンテンツデータを読み出してユーザ端末装置に送信する。
【0019】
本発明の更に別の実施形態のコンテンツ配信システムにおいて、前記第1の通信手段は、少なくとも前記移動体が移動している間、前記移動体搭載装置と前記中継点設置装置との間の通信を可能とするものである。また、前記第2の通信手段は、前記移動体が前記中継点に到達した場合に前記移動体搭載装置と前記中継点設置装置との間の通信を可能とするものである。
【0020】
本発明の更に別の実施形態のコンテンツ配信システムにおいて、前記第2の通信手段の通信速度は前記第1の通信手段の通信速度よりも速い。
【0021】
本発明の更に別の実施形態のコンテンツ配信システムにおいて、前記コンテンツ先行取得手段は、前記第1のコンテンツ取得要求から前記制御用識別子を取り除いたコンテンツ取得要求を前記ネットワークに送信し、該送信したコンテンツ取得要求に対する応答として前記ネットワークから前記コンテンツデータを取得する。
【0022】
本発明の更に別の実施形態のコンテンツ配信システムにおいて、前記中継点設置装置は、前記コンテンツ先行取得手段が取得したコンテンツデータを、少なくとも前記移動体が前記中継点に到達するまでの間記憶するコンテンツ記憶手段を更に備え、前記コンテンツ転送手段は、前記コンテンツデータを前記コンテンツ記憶手段から読み出して送信する。
【0023】
本発明の更に別の実施形態のコンテンツ配信システムにおいて、前記移動体搭載装置及び前記中継点設置装置は前記ネットワークのノードを構成する。
【0024】
本発明の更に別の実施形態のコンテンツ配信システムにおいて、前記ネットワークとして、例えばインフォメーションセントリックネットワーキングによるネットワークが用いられてもよい。
【0025】
本発明は、また、複数の中継点の間を移動する移動体に搭載された移動体搭載装置と、前記複数の中継点のうちの少なくとも一部に設置された中継点設置装置とを用い、移動体内のユーザのユーザ端末装置にコンテンツを配信するコンテンツ配信方法であって、前記移動体搭載装置が、前記移動体の移動スケジュールに関するスケジュール情報を記憶するスケジュール情報記憶部を参照して、ユーザにより指定されたコンテンツのコンテンツデータを取得させる前記中継点設置装置を決定するステップと、前記移動体搭載装置が、前記移動体が前記中継点に到達する時刻よりも前に、前記指定されたコンテンツのコンテンツデータを要求する第1のコンテンツ取得要求であって、前記中継点設置装置にコンテンツデータを取得させることを示す制御用識別子を含む第1のコンテンツ取得要求を発生するステップと、前記移動体搭載装置が、コンテンツ取得要求の送出先を定義する転送情報ベースであって、前記制御用識別子を含むコンテンツ取得要求の送出先が、前記中継点設置装置との間で通信を行うための第1の通信手段に接続された第1の通信インタフェースを含むことを定義し、かつ前記制御用識別子を含まないコンテンツ取得要求の送出先が、前記中継点設置装置との間で通信を行うための、前記第1の通信手段とは異なる第2の通信手段に接続された第2の通信インタフェースを含むことを定義する転送情報ベースを参照して、前記第1のコンテンツ取得要求を前記第1の通信インタフェースを通じて前記中継点設置装置に送信するステップと、前記中継点設置装置が、前記第1のコンテンツ取得要求を受信し、前記移動体が前記中継点に到達する時刻よりも前に、要求に応答して要求されたコンテンツのコンテンツデータを返送するネットワークから前記受信した第1のコンテンツ取得要求に対応するコンテンツデータを取得するステップと、前記移動体搭載装置が、前記移動体が前記中継点に到達する時刻に合わせて前記ユーザ端末装置に、前記指定されたコンテンツのコンテンツデータを要求する第2のコンテンツ取得要求であって、前記制御用識別子を含まない第2のコンテンツ取得要求を発生させるステップと、前記移動体搭載装置が、前記ユーザ端末装置から前記第2のコンテンツ取得要求を受信するステップと、前記移動体搭載装置が、前記転送情報ベースを参照して、前記第2のコンテンツ取得要求を前記第2の通信インタフェースを通じて前記中継点設置装置に送信するステップと、前記中継点設置装置が、前記第2のコンテンツ取得要求を受信し、前記取得したコンテンツデータを前記第2のコンテンツ取得要求に対する応答として前記移動体搭載装置に前記第2の通信インタフェースを通じて送信するステップと、前記移動体搭載装置が、前記コンテンツデータを受信し、前記ユーザ端末装置に前記受信したコンテンツデータを送信するステップとを有することを特徴とするコンテンツ配信方法を提供する。
【発明の効果】
【0026】
本発明のコンテンツ提供システム及び方法では、経路に沿って中継点を移動する移動体に搭載された移動体搭載装置は、所定の制御用識別子を含む第1のコンテンツ取得要求を、移動体が経由する中継点に設置された中継点設置装置に送信する。第1のコンテンツ取得要求を受信した中継点設置装置は、ネットワークに対してコンテンツを要求し、ネットワークからコンテンツデータを取得する。制御用識別子を含むコンテンツ取得要求を、通常のコンテンツ取得要求とは異なり、ネットワークからコンテンツデータを取得させるための指示として用いることで、要求に応答してコンテンツデータを返送するネットワークの仕組みを用いつつ、中継点設置装置にネットワークからコンテンツデータを取得させることが可能となる。本発明では、特定のサーバが中継点設置装置にコンテンツデータを送信する必要がないため、特定のサーバに負荷を集中させることなく、中継点設置装置にコンテンツを取得させることができる。
【0027】
また、本発明のコンテンツ提供システム及び方法では、所定の制御用識別子を含まない第2のコンテンツ取得要求をユーザ端末装置から送信させ、その第2のコンテンツ取得要求を中継点設置装置に転送する。中継点設置装置は、転送された第2のコンテンツ取得要求に対する応答として、移動体搭載装置にコンテンツデータを送信する。移動体搭載装置は、中継点設置装置からコンテンツデータを受信した後は、中継点設置装置から受信したコンテンツデータを、ユーザ端末装置に対して配信することができる。
【0028】
更に、本発明のコンテンツ提供システム及び方法では、所定の制御用識別子を含むコンテンツ取得要求に対し、その送出先が第1の通信インタフェースを含むことを定義し、かつ所定の制御用識別子を含まないコンテンツ取得要求に対し、その送出先が第2の通信インタフェースを含むことを定義する転送情報ベースを用いる。このような転送情報ベースを用いることで、通常のICNなどにおけるコンテンツ取得要求の転送の仕組みを用いつつ、先行取得を示す制御用識別子を含むコンテンツ取得要求と先行取得を示す制御用識別子を含まないコンテンツ取得要求とで、送出先となる通信インタフェースを異なる通信インタフェースにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明の第1実施形態に係るコンテンツ配信システムを示すブロック図。
【図2】移動体搭載装置を示すブロック図。
【図3】転送情報ベースの具体例を示す図。
【図4】中継点設置装置を示すブロック図。
【図5】ネットワーク中継装置を示すブロック図。
【図6】列車が駅に到達するまでの間のコンテンツ配信の流れを示すシーケンス図。
【図7】列車が駅に到達したときのコンテンツ配信の流れを示すシーケンス図。
【図8】本発明の第2実施形態に係るコンテンツ配信システムに用いられる移動体搭載装置を示すブロック図。
【図9】転送情報ベースの具体例を示す図。
【図10】第2実施形態において列車が駅に到達するまでの間のコンテンツ配信の流れを示すシーケンス図。
【図11】コンテンツデータの分割を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、図面を参照し、本発明の実施の形態を詳細に説明する。図1は、本発明の第1実施形態に係るコンテンツ配信システムを示すブロック図である。コンテンツ配信システム10は、ICN11と、コンテンツサーバ13と、移動体搭載装置15と、中継点設置装置16とを備える。移動体搭載装置15は、複数の中継点の間を移動する移動体、例えば列車やバスなどの車体(車両)、或いは航空機などに搭載される。中継点設置装置16は、移動体の経路に沿った複数の中継点のうちの少なくとも一部に設置される。以下では、主に移動体として鉄道の列車を考え、中継点として列車の停車駅を考える。その場合、移動体搭載装置は列車に搭載された装置(列車搭載装置)、中継点設置装置は列車の停車駅に設置された装置(駅設置装置)と読み替えることとする。

【0031】
ICN11は、複数のネットワーク中継装置(ルータ)12を含む。ICN11は、要求に応答して要求されたコンテンツのコンテンツデータを返送するネットワークである。コンテンツサーバ13は、ICN11にコンテンツデータを提供する。コンテンツサーバ13が提供するコンテンツデータは、複数のセグメントに分割されていてもよい。分割された各セグメントのコンテンツデータ(分割データ)のそれぞれには固有のコンテンツ名が付与される。コンテンツは個々の分割データの単位で要求され、コンテンツ取得要求のそれぞれには、各分割データに付与された固有のコンテンツ名が含まれる。個々の分割データを要求するのに代えて、又は加えて、コンテンツにおいて取得を希望する分割データの範囲を指定できるようにしてもよい。

【0032】
コンテンツサーバ13は、パブリックなネットワーク上に配置されていてもよいし、本システム専用のネットワーク上に配置されていてもよい。ICN11と中継点設置装置16とは、広帯域ネットワークで相互に接続される。移動体搭載装置15及び中継点設置装置16は、ICNルータの機能を有していてもよい。別の言い方をすれば、移動体搭載装置15及び中継点設置装置16は、ICN11のネットワークノードを構成してもよい。

【0033】
移動体搭載装置15内の各部の機能の少なくとも一部は、プロセッサが所定のアプリケーションプログラムに従って動作することで実現可能である。中継点設置装置16についても、同様に、内部の各部の機能の少なくとも一部は、プロセッサが所定のアプリケーションプログラムに従って動作することで実現可能である。

【0034】
本実施形態に係るコンテンツ配信システム10の動作の概略を説明する。移動体搭載装置15は、列車に乗車しているユーザにコンテンツ配信を行う。移動体搭載装置15は、ユーザがコンテンツを選択すると、中継点設置装置16にコンテンツデータの取得を指示する。中継点設置装置16は、指示に従ってICN11にコンテンツを要求し、ICN11からコンテンツデータを取得する。中継点設置装置16は、列車が駅に到達したときに、取得したコンテンツデータを移動体搭載装置15に送信する。移動体搭載装置15は、中継点設置装置16から受信(取得)したコンテンツデータをユーザに配信する。

【0035】
図2は、移動体搭載装置15を示すブロック図である。移動体搭載装置15は、コンテンツ選択手段151、スケジューリング手段152、スケジュール情報記憶部153、コンテンツ取得指示手段154、コンテンツ先行取得要求発生手段155、コンテンツ取得要求受信手段156、コンテンツ取得要求転送手段157、転送情報ベース158、コンテンツ取得手段159、コンテンツ蓄積部160、及びコンテンツ配信手段161を有する。移動体搭載装置15は、更に、中継点設置装置16との間で通信を行うための第1の通信インタフェース51及び第2の通信インタフェース52と、ユーザ端末装置14との間で通信を行うための通信インタフェース54とを有する。

【0036】
ここで、コンテンツ取得要求受信手段156、コンテンツ取得要求転送手段157、転送情報ベース158、コンテンツ取得手段159、コンテンツ蓄積部160、及びコンテンツ配信手段161は、移動体搭載装置15においてルータ部15aを構成する。ルータ部15aの動作は、通常のICNにおけるルータ(ネットワーク中継装置12)における動作と同様でよい。移動体搭載装置15において、コンテンツ選択手段151、スケジューリング手段152、コンテンツ取得指示手段154、及びコンテンツ先行取得要求発生手段155は、ユーザに対するコンテンツ配信を提供するアプリケーションプログラムによりそれらの機能が実現されるアプリケーション部15bを構成する。

【0037】
第1の通信インタフェース51は、移動体に搭載された移動体搭載装置15と中継点に設置された中継点設置装置16との間の通信に用いられる第1の通信手段55に接続される。第2の通信インタフェース52は、移動体搭載装置15と中継点設置装置16との間の通信に用いられる第2の通信手段56に接続される。第1の通信手段55は、例えば、少なくとも移動体が移動している間、移動体搭載装置15と中継点設置装置16との間の通信を可能とする。第2の通信手段56は、例えば、移動体が中継点に到達した場合に移動体搭載装置15と中継点設置装置と16の間の通信を可能とする。

【0038】
ここで、第1の通信手段55と第2の通信手段56とは、共に移動体搭載装置15と中継点設置装置との間の通信に用いられるものであるが、通信手段を介して送受信されるデータの種類が異なる。後述するように、第1の通信手段55は、主に移動体搭載装置15から中継点設置装置16にコンテンツ取得要求を送信するために用いられる。一方、第2の通信手段56は、主に、移動体搭載装置15から中継点設置装置16へのコンテンツ取得要求の送信と、中継点設置装置16から移動体搭載装置15へのコンテンツデータの送信とに用いられる。

【0039】
本実施形態において、中継点設置装置16から移動体搭載装置15へのコンテンツデータの送信は、移動体が中継点に停止している間に行われる。一般に、コンテンツデータは、コンテンツ取得要求に比べてデータ量が大きい。移動体が中継点に停止している限られた時間に大容量のコンテンツデータを中継点設置装置16から移動体搭載装置15へ送信するために、第2の通信手段56の通信速度(特に中継点設置装置16から移動体搭載装置15に向かう方向のリンクの通信速度)は高速であることが望ましい。第2の通信手段56は、例えばミリ波通信手段などの高速な近距離通信手段を含む。

【0040】
一方、第1の通信手段55については、主にデータ量が小さいコンテンツ取得要求の送信に用いられるため、通信速度が高速であることは要求されない。第1の通信手段55の通信速度は、第2の通信手段56の通信速度よりも低速でよい。第1の通信手段55は、例えば携帯電話網などの無線WAN(Wide Area Network)や漏洩同軸ケーブルなどによる無線通信手段であってもよく、更には、例えば、列車などの移動体の運営会社により構築された、移動体と中継点や中央監視センターなどとの間の通信に用いられる専用のネットワークであってもよい。

【0041】
なお、第1の通信手段55及び第2の通信手段56は、必ずしも単一の物理的な通信手段によって構成されている必要はない。例えば、第2の通信手段56において、移動体搭載装置15から中継点設置装置16に向かう方向と、中継点設置装置16から移動体搭載装置15に向かう方向とで、物理的に異なる通信手段が用いられていてもよい。第1の通信手段55及び第2の通信手段56以外の通信手段についても同様に、単一の物理的な通信手段によって構成されている必要はない。

【0042】
通信インタフェース54は、移動体搭載装置15と移動体に乗車しているユーザ端末装置14との間の通信に用いられる通信手段58に接続される。通信手段58は、例えばWiFiなどの無線LAN(Local Area Network)など無線通信手段を含む。通信手段58は、移動体の移動中も含めて、移動体搭載装置15とユーザ端末装置14との間の通信を可能とする。

【0043】
コンテンツ選択手段151は、ユーザによるコンテンツ選択を受け付ける。ユーザは、例えば映画、音楽、電子書籍などのコンテンツから、所望のコンテンツを選択する。コンテンツの種類は特に限定されず、ユーザがその他のコンテンツを指定してもよい。コンテンツ選択手段151は、例えばユーザ端末装置14にコンテンツリストなどを表示させ、ユーザにコンテンツの選択を促してもよい。ユーザ端末装置14は、移動体搭載装置15が搭載された列車に乗車しているユーザが使用する端末装置である。ユーザ端末装置14には、例えば携帯電話機やタブレット端末装置などが用いられる。ユーザ端末装置14は、列車に備え付けの装置であってもよい。

【0044】
スケジュール情報記憶部153は、列車の移動スケジュールを管理する情報を記憶する。スケジュール情報記憶部153は、例えば列車ごとに、停車駅、到着時刻、及び出発時刻などの情報を記憶する。スケジュール情報記憶部153には、不揮発性半導体記憶装置や磁気記憶装置などの種々の記憶装置を用いることができる。スケジューリング手段152は、スケジュール情報記憶部153を参照し、ユーザにより指定されたコンテンツのコンテンツデータを取得させる中継点設置装置16を決定する。

【0045】
スケジューリング手段152は、例えば、スケジュール情報に基づいて、列車の現在位置(ユーザによりコンテンツが指定された時点での列車の位置)よりも先に存在するコンテンツデータの受け取りが可能な中継点を割り出し、その中継点に設置された中継点設置装置16を、コンテンツデータを取得させる中継点設置装置として決定する。スケジューリング手段152は、コンテンツを取得させる中継点設置装置16の決定では、ユーザが乗車している列車の列車番号などの列車識別情報や列車の現在位置情報なども用いる。スケジューリング手段152は、複数の中継点設置装置16を、コンテンツデータを取得させる中継点設置装置として決定してもよい。その場合は、どの中継点の中継点設置装置16に、コンテンツデータのどの部分を取得させるかを決定する。移動体に運行遅延などが発生した場合は最新の運行情報を取得し、遅延が生じた状態の運行情報に基づいて、ユーザにより指定されたコンテンツのコンテンツデータを取得させる中継点設置装置16の決定をやり直してもよい。

【0046】
コンテンツ先行取得要求発生手段155は、列車がコンテンツデータを取得させる中継点設置装置16が設置された駅に到達する時刻よりも前に第1のコンテンツ取得要求を発生する。第1のコンテンツ取得要求は、ユーザにより指定されたコンテンツのコンテンツデータの取得を要求するものであり、かつ中継点設置装置16にコンテンツデータを先行取得させることを示す制御用識別子を含む。この制御用識別子は、例えばコンテンツを識別するコンテンツ名に付加される。第1のコンテンツ取得要求は、中継点設置装置16に対するコンテンツデータの先行取得指示に相当する。第1のコンテンツ取得要求には、中継点設置装置16に取得させるコンテンツデータの部分を指定する情報が含まれていてもよい。

【0047】
コンテンツ取得指示手段154は、列車がコンテンツデータを取得させる中継点設置装置16が設置された駅に到達する時刻に合わせて、通信インタフェース54を通じて、ユーザ端末装置14に第2のコンテンツ取得要求の発生を指示する。第2のコンテンツ取得要求は、第1のコンテンツ取得要求と同じコンテンツデータを要求するものであるが、上記の制御用識別子を含まない点で、第1のコンテンツ取得要求と異なる。ユーザ端末装置14内のアプリケーションプログラムは、コンテンツ取得指示手段154からの指示に基づいて、第2のコンテンツ取得要求を移動体搭載装置15に送信する。

【0048】
コンテンツ取得要求受信手段156はコンテンツ取得要求を受信する。コンテンツ取得要求受信手段156が受信するコンテンツ取得要求には、コンテンツ先行取得要求発生手段155において発生された第1のコンテンツ取得要求と、ユーザ端末装置14から送信された第2のコンテンツ取得要求とが含まれる。コンテンツ取得要求受信手段156は、コンテンツ取得要求を受信すると、コンテンツ取得要求転送手段157に、受信したコンテンツ取得要求の転送を依頼する。

【0049】
コンテンツ取得要求転送手段157は、転送情報ベース(FIB:Forward Information Base)158を参照して、コンテンツ取得要求受信手段156が受信したコンテンツ取得要求を転送する。転送情報ベース158は、コンテンツ取得要求の転送先を定義するためのものである。転送情報ベース158は、前述の制御用識別子を含むコンテンツ取得要求に対し、その送出先が第1の通信インタフェース51を含むことを定義する。また、転送情報ベース158は、制御用識別子を含まないコンテンツ取得要求に対し、その送出先が第2の通信インタフェース52を含むことを定義する。

【0050】
図3は、転送情報ベース158の具体例を示す。転送情報ベース158は、例えばコンテンツ取得要求に含まれるコンテンツ名のプリフィックスと、送出先の通信インタフェース(単にフェースとも呼ぶ)とを対応付けて記憶する。図3では、先行取得を示す制御用識別子として、「/proactive」が用いられている。転送情報ベース158では、制御用識別子「/proactive」が含まれるプリフィックスとフェース番号1とが対応付けられており、制御用識別子「/proactive」が含まれないプリフィックスとフェース番号2とが対応付けられている。フェース番号1のフェースは、図2の第1の通信インタフェース51に対応し、フェース番号2のフェースは第2の通信インタフェース52に対応する。

【0051】
コンテンツ取得要求転送手段157は、図3に示す転送情報ベース158に従って、コンテンツ取得要求に含まれるコンテンツ名のプリフィックスが「/proactive」を含まない場合は、そのコンテンツ取得要求をフェース番号2のフェースを通じて外部の装置(中継点設置装置16)に転送する。また、コンテンツ取得要求転送手段157は、転送情報ベース158に従って、コンテンツ取得要求に含まれるコンテンツ名のプリフィックスが「/proactive」を含む場合は、そのコンテンツ取得要求をフェース番号1のフェースを通じて外部の装置(中継点設置装置16)に転送する。

【0052】
図2に戻り、コンテンツ取得要求転送手段157は、上記したような転送情報ベース158を参照し、先行取得を示す制御用識別子を含む第1のコンテンツ取得要求を、第1の通信インタフェース51を通じて中継点設置装置16に転送する。また、コンテンツ取得要求転送手段157は、先行取得を示す制御用識別子を含まない第2のコンテンツ取得要求を、第2の通信インタフェース52を通じて中継点設置装置16に転送する。

【0053】
コンテンツ取得手段159は、コンテンツ取得要求転送手段157により転送された第2のコンテンツ取得要求に対する応答として、中継点設置装置16からコンテンツデータを受信する。コンテンツ取得手段159は、第2の通信インタフェース52及び第2の通信手段56を通じて、中継点設置装置16からコンテンツデータを受信する。コンテンツ配信手段161は、コンテンツ取得手段159が受信したコンテンツデータを、ユーザ端末装置14から送信されたコンテンツ取得要求に対する応答としてユーザ端末装置14に送信する。

【0054】
コンテンツ取得手段159が受信したコンテンツデータは、コンテンツ蓄積部160に一時的に記憶される。コンテンツ蓄積部160に記憶されるコンテンツデータは、コンテンツ名で識別される。コンテンツ配信手段161は、コンテンツ蓄積部160からコンテンツデータを読み出して、ユーザ端末装置14に送信してもよい。コンテンツ蓄積部160には、コンテンツ取得手段159が受信したものとは異なるコンテンツデータがあらかじめ記憶されていてもよい。コンテンツ取得要求受信手段156が受信したコンテンツ取得要求で要求されたコンテンツのコンテンツデータがコンテンツ蓄積部160に記憶されている場合、移動体搭載装置15は、コンテンツ取得要求の転送を行わずに、コンテンツ蓄積部160に記憶されたコンテンツデータをユーザ端末装置14に送信してもよい。

【0055】
図4は、中継点設置装置16を示すブロック図である。中継点設置装置16は、コンテンツ取得要求受信手段61、コンテンツ取得要求転送手段62、転送情報ベース63、コンテンツ取得手段64、コンテンツ記憶手段65、コンテンツ転送手段66、及びコンテンツ取得要求発生手段67を有する。中継点設置装置16は、更に、移動体搭載装置15との間で通信を行うための通信インタフェース68及び通信インタフェース69と、ICN11との間で通信を行うための通信インタフェース70とを有する。

【0056】
ここで、コンテンツ取得要求受信手段61、コンテンツ取得要求転送手段62、転送情報ベース63、コンテンツ取得手段64、コンテンツ記憶手段65、コンテンツ転送手段66は、中継点設置装置16においてルータ部16aを構成する。ルータ部16aの動作は、通常のICNにおけるルータ(ネットワーク中継装置12)における動作と同様でよい。中継点設置装置16において、コンテンツ取得要求発生手段67は、アプリケーションプログラムによりその機能が実現される。

【0057】
通信インタフェース68は、第1の通信手段55に接続される。通信インタフェース69は、第2の通信手段56に接続される。コンテンツ取得要求受信手段61は、通信インタフェース68又は通信インタフェース69を通じてコンテンツ取得要求を受信する。コンテンツ取得要求受信手段61が受信するコンテンツ取得要求には、先行取得を示す制御用識別子を含む第1のコンテンツ取得要求と、制御用識別子を含まない第2のコンテンツ取得要求とが含まれる。コンテンツ取得要求受信手段61は、第1の通信手段55及び通信インタフェース68を通じて第1のコンテンツ取得要求を受信し、第2の通信手段56及び通信インタフェース69を通じて第2のコンテンツ取得要求を受信する。

【0058】
コンテンツ取得要求受信手段61は、コンテンツ取得要求を受信すると、コンテンツ記憶手段65にアクセスし、受信したコンテンツ取得要求で要求されるコンテンツのコンテンツデータが記憶されているか否かを調べる。コンテンツ取得要求受信手段61は、コンテンツデータが記憶されていなければ、受信したコンテンツ取得要求をコンテンツ取得要求転送手段62に渡す。

【0059】
通常、先行取得を示す制御用識別子を含む第1のコンテンツ取得要求が受信された時点では、コンテンツ記憶手段65にはそのコンテンツ取得要求で要求されるコンテンツのコンテンツデータは記憶されていない。コンテンツ取得要求受信手段61は、第1のコンテンツ取得要求を受信した場合は、その第1のコンテンツ取得要求をコンテンツ取得要求転送手段62に渡す。受信されたコンテンツ取得要求が第2のコンテンツ取得要求であった場合は、後述する動作によりコンテンツ記憶手段65にコンテンツデータが記憶されているため、第2のコンテンツ取得要求の転送は行われない。

【0060】
コンテンツ取得要求転送手段62は、転送情報ベース63を参照して、コンテンツ取得要求の送出先(転送先)を決定する。転送情報ベース63は、中継点設置装置16においてコンテンツ取得要求の転送先を定義するためのものである。転送情報ベース63は、先行取得を示す制御用識別子を含むコンテンツ取得要求に対して、その送出先がコンテンツ取得要求発生手段67であることを定義する。また、転送情報ベース158は、制御用識別子を含まないコンテンツ取得要求に対して、その送出先がICN11に接続された通信インタフェース70を含むことを定義する。

【0061】
コンテンツ取得要求転送手段62は、転送情報ベース63に従って、制御用識別子を含む第1のコンテンツ取得要求をコンテンツ取得要求発生手段67に送信する。コンテンツ取得要求発生手段67は、第1のコンテンツ取得要求を受信すると、第1のコンテンツ取得要求から先行取得を示す制御用識別子を取り除いたコンテンツ取得要求(先行)を発生する。このコンテンツ取得要求は、コンテンツ取得要求受信手段61により受信される。

【0062】
コンテンツ取得要求受信手段61は、コンテンツ取得要求発生手段67から受信した、制御用識別子を含まないコンテンツ取得要求(先行)をコンテンツ取得要求転送手段62に渡す。コンテンツ取得要求転送手段62は、転送情報ベース63に従って、通信インタフェース70を通じてICN11にコンテンツ取得要求(先行)を転送する。

【0063】
コンテンツ取得手段64は、コンテンツ取得要求転送手段62により転送されたコンテンツ取得要求に対する応答として、通信インタフェース70を通じ、ICN11からコンテンツデータを受信する。コンテンツ取得手段64は、受信したコンテンツデータを、コンテンツ記憶手段65に記憶する。コンテンツ記憶手段65は、コンテンツ取得手段64により取得されたコンテンツデータを、少なくとも列車が駅に到達するまでの間記憶する。第1のコンテンツ取得要求の受信時点において、コンテンツ記憶手段65に、既に第1のコンテンツ取得要求が要求するコンテンツのコンテンツデータが記憶されているときは、ICN11から新たにコンテンツデータを取得する必要はないため、コンテンツ取得要求転送手段62がコンテンツ取得要求をICN11に転送する必要はない。

【0064】
コンテンツ取得要求受信手段61は、第1のコンテンツ取得要求に後続して(移動体が中継点に到着するときに)、通信インタフェース69を通じて第2のコンテンツ取得要求を受信する。コンテンツ取得要求受信手段61は、第2のコンテンツ取得要求を受信した場合は、コンテンツ記憶手段65にアクセスし第2のコンテンツ取得要求が要求するコンテンツのコンテンツデータが記憶されているか否かを確認する。第2のコンテンツ取得要求の受信時点において、コンテンツ記憶手段65には、第2のコンテンツ取得要求が要求するコンテンツのコンテンツデータが記憶されているはずである。コンテンツ取得要求受信手段61は、コンテンツデータがコンテンツ記憶手段65に記憶されている場合は、コンテンツ転送手段66にコンテンツデータの転送を依頼する。

【0065】
コンテンツ転送手段66は、コンテンツデータの転送の依頼を受けると、コンテンツ記憶手段65から第2のコンテンツ取得要求で要求されたコンテンツのコンテンツデータを読み出す。コンテンツ転送手段66は、コンテンツ記憶手段65から読み出したコンテンツデータを、コンテンツ取得要求受信手段61が受信した第2のコンテンツ取得要求に対する応答として移動体搭載装置15に送信する。このとき、コンテンツ転送手段66は、第2のコンテンツ取得要求が受信された通信インタフェース69を通じて、コンテンツデータを送信する。通信インタフェース69は第2の通信手段56に接続されており、コンテンツ転送手段66が送信するコンテンツデータは、第2の通信手段56により、移動体搭載装置15へ送信される。

【0066】
図5は、ネットワーク中継装置12を示すブロック図である。ネットワーク中継装置12は、コンテンツ取得要求受信手段21、コンテンツ取得要求転送手段22、転送情報ベース23、コンテンツ取得手段24、コンテンツ記憶手段25、及びコンテンツ転送手段26を有する。ネットワーク中継装置12は、更に、中継点設置装置16又は他のネットワーク中継装置12との間で通信を行うための通信インタフェース27と、他のネットワーク中継装置12又はコンテンツサーバ13との間で通信を行うための通信インタフェース70とを有する。なお、図5には2つの通信インタフェースのみが図示されているが、ネットワーク中継装置12は、通信インタフェースを多数有していてもよい。

【0067】
ネットワーク中継装置12における各部の動作は、コンテンツ取得要求受信手段21が先行取得を示す制御用識別子を含むコンテンツ取得要求(第1のコンテンツ取得要求)を取り扱わない点を除けば、移動体搭載装置15におけるルータ部15a、又は中継点設置装置16におけるルータ部16aの動作とほぼ同様である。コンテンツ取得要求受信手段21は、通信インタフェース27を通じてコンテンツ取得要求を受信する。コンテンツ取得要求受信手段21は、コンテンツ記憶手段65にアクセスし、コンテンツ取得要求で要求されるコンテンツのコンテンツデータが記憶されているか否かを調べる。

【0068】
コンテンツ取得要求受信手段21は、コンテンツデータがコンテンツ記憶手段25に記憶されていなければ、受信したコンテンツ取得要求をコンテンツ取得要求転送手段22に渡す。コンテンツ取得要求転送手段22は、転送情報ベース23を参照して、コンテンツ取得要求の送出先(転送先)を決定する。転送情報ベース23は、ネットワーク中継装置12においてコンテンツ取得要求の転送先を定義するためのものである。転送情報ベース23は、例えば各ネットワーク中継装置12がカバーするコンテンツ名をプレフィックス広告するnaming-basedルーティングプロトコルにより作成される。コンテンツ取得要求転送手段22は、転送情報ベース23に従って、通信インタフェース28を通じて他のネットワーク中継装置12又はコンテンツサーバ13にコンテンツ取得要求を転送する。

【0069】
コンテンツ取得手段24は、コンテンツ取得要求転送手段22により転送されたコンテンツ取得要求に対する応答として、通信インタフェース28を通じ、他のネットワーク中継装置12又はコンテンツサーバ13からコンテンツデータを受信する。コンテンツ取得手段24は、受信したコンテンツデータを、コンテンツ記憶手段25に記憶する(キャッシュする)。コンテンツ転送手段26は、コンテンツ取得手段24が受信したコンテンツデータを、コンテンツ取得要求受信手段21が受信したコンテンツ取得要求に対する応答として、コンテンツ取得要求の送信元である中継点設置装置16又は他のネットワーク装置に送信する。このときコンテンツ転送手段26は、コンテンツ取得要求の受信に用いられた通信インタフェース27を通じて、コンテンツデータを中継点設置装置16又は他のネットワーク装置に送信する。

【0070】
コンテンツ取得要求受信手段21は、コンテンツデータがコンテンツ記憶手段25に記憶されている場合は、コンテンツ転送手段26にコンテンツデータの転送を依頼する。コンテンツ転送手段26は、コンテンツデータの転送の依頼を受けると、コンテンツ記憶手段25からコンテンツ取得要求で要求されたコンテンツのコンテンツデータを読み出す。コンテンツ転送手段26は、コンテンツ記憶手段25から読み出したコンテンツデータを、コンテンツ取得要求受信手段21が受信したコンテンツ取得要求に対する応答として、コンテンツ取得要求の受信に用いられた通信インタフェース27を通じて中継点設置装置16又は他のネットワーク中継装置12に送信する。

【0071】
ここで、一般的なクライアント・サーバモデルに基づくコンテンツ配信と、ICNによるコンテンツ配信とを比較する。縦列接続されたノードがN個、各ノードで同じコンテンツを要求するユーザがそれぞれM人いた場合、通常のシステムでは、サーバ負荷はN×M、ネットワーク負荷はM×N×(N+1)/2、各ノードのサービス負荷はMとなる。一方、ICNでは、サーバ負荷は“1”、ネットワーク負荷はNとなり、各ノードのサービス負荷はMとなる。従って、ICNを用いたコンテンツ配信では、サーバ負荷を1/(N×M)に軽減でき、ネットワーク負荷を2/(M×(N+1))に軽減できる。このように、コンテンツ配信にICN11を用いることで、通常のクライアント・サーバモデルに基づくコンテンツ配信に比べて、サーバ負荷やネットワーク負荷を大幅に軽減できる。通常、ユーザの数Mは大きく、ICNの利用によりサーバ負荷及びネットワーク負荷を大幅に軽減できる。

【0072】
以下、動作手順について説明する。図6は、移動体が中継点に到達するまでのコンテンツ配信の流れを示すシーケンス図である。ユーザ端末装置14は、ユーザが乗車している列車に搭載された移動体搭載装置15と通信を行う。ユーザが視聴を希望するコンテンツを指定すると、ユーザ端末装置14は、移動体搭載装置15のコンテンツ選択手段151(図2を参照)に対して指定されたコンテンツの識別情報を送信する(ステップS1)。

【0073】
移動体搭載装置15のスケジューリング手段152は、ユーザがコンテンツを指定すると、スケジュール情報記憶部153を参照し、列車の移動スケジュールに基づいて、ユーザにより指定されたコンテンツのコンテンツデータを取得させる中継点(中継点設置装置16)を決定する(ステップS2)。スケジューリング手段152は、停車駅での列車の停車時間や、第2の通信手段56の通信速度などを勘案し、1つの停車駅においてコンテンツデータの全てを中継点設置装置16から移動体搭載装置15に送信しきれない場合には、コンテンツデータを複数のブロックに分割し、複数の停車駅の中継点設置装置16に各ブロックのコンテンツデータを取得させることを決定してもよい。

【0074】
なお、ユーザが指定したコンテンツのコンテンツデータがコンテンツ蓄積部160に既に記憶されている場合は、中継点設置装置16にコンテンツデータを取得させる必要がない。そのような場合、移動体搭載装置15のコンテンツ取得指示手段154は、ユーザ端末装置14に通常のコンテンツ取得要求の発生を指示してもよい。その場合、移動体搭載装置15は、通常のICNの動作に従ってコンテンツデータをユーザ端末装置14に配信すればよい。

【0075】
移動体搭載装置15のコンテンツ先行取得要求発生手段155は、先行取得を示す制御用識別子を含むコンテンツ取得要求(第1のコンテンツ取得要求)を発生する(ステップS3)。ステップS3は、列車がコンテンツデータを取得させる中継点設置装置16が設置された駅に到達する時刻よりも前に実施される。コンテンツ先行取得要求発生手段155は、ステップS7では、例えば制御用識別子「/proactive」を含むコンテンツ取得要求Interest(ndn:/waseda.jp/proactive/videoA.mp4)を発生する。

【0076】
コンテンツ先行取得要求発生手段155は、発生したコンテンツ取得要求(第1のコンテンツ取得要求)を、移動体搭載装置15のルータ部15a、より詳細にはコンテンツ取得要求受信手段156に送信する。コンテンツ取得要求受信手段156は、コンテンツ蓄積部160に第1のコンテンツ取得要求で要求されるコンテンツデータが記憶されていないことを確認し、コンテンツ取得要求転送手段157に第1のコンテンツ取得要求の転送を依頼する。

【0077】
コンテンツ取得要求転送手段157は、転送情報ベース158を参照して、第1のコンテンツ取得要求の送出先となる通信インタフェースを決定する。図3に示す転送情報ベース158を参照すると、プリフィックス「ndn:/waseda.jp/proactive」のコンテンツ取得要求の送出先は、第1の通信インタフェース51である。コンテンツ取得要求転送手段157は、第1の通信インタフェース51を通じて、第1の通信手段55により、ステップS2で決定された中継点の中継点設置装置16に、制御用識別子「/proactive」を含む第1のコンテンツ取得要求を転送する(ステップS4)。

【0078】
コンテンツ取得要求転送手段157により転送された第1のコンテンツ取得要求は、中継点設置装置16のルータ部16a(図4を参照)により受信される。ルータ部16aのコンテンツ取得要求受信手段61は、第1の通信手段55に接続された通信インタフェース68を通じて、移動体搭載装置15から転送された制御用識別子「/proactive」を含む第1のコンテンツ取得要求を受信する。コンテンツ取得要求受信手段61は、第1のコンテンツ取得要求を受信すると、コンテンツ記憶手段65にアクセスし、第1のコンテンツ取得要求で要求されるコンテンツのコンテンツデータがコンテンツ記憶手段65に存在しないことを確認する。コンテンツ取得要求受信手段61は、受信した第1のコンテンツ取得要求の転送を、コンテンツ取得要求転送手段62に依頼する。

【0079】
コンテンツ取得要求転送手段62は、転送情報ベース63を参照して、第1のコンテンツ取得要求の送出先を決定する。転送情報ベース63は、プリフィックスが「ndn:/waseda.jp/proactive」であるコンテンツ取得要求に対し、その送出先がコンテンツ取得要求発生手段67であることを定義している。コンテンツ取得要求転送手段62は、そのような転送情報ベース63を参照して、第1のコンテンツ取得要求Interest(ndn:/waseda.jp/proactive/videoA.mp4)をコンテンツ取得要求発生手段67に転送する。

【0080】
コンテンツ取得要求発生手段67は、コンテンツ取得要求転送手段62から第1のコンテンツ取得要求を受信すると、コンテンツ転送手段66に対して、空の応答を送信するように指示する。コンテンツ転送手段66は、コンテンツ取得要求受信手段61が受信した制御用識別子「/proactive」を含む第1のコンテンツ取得要求に対する応答として、コンテンツデータの先行取得を受け付けた旨を示す空の応答を、移動体搭載装置15に送信する(ステップS5)。この応答には、コンテンツデータ(ペイロード)は含まれない。コンテンツ転送手段66は、ステップS5では、例えばペイロードが含まれないData(ndn:/waseda.jp/proactive/videoA.mp4, empty payload) <ACK>を、移動体搭載装置15に送信する。コンテンツ転送手段66が送信する空の応答は、第1のコンテンツ取得要求の受信に用いられた通信インタフェース68を通じて、第1の通信手段55により、移動体搭載装置15に送信される。

【0081】
コンテンツ取得要求発生手段67は、コンテンツ取得要求転送手段62から受信した第1のコンテンツ取得要求に基づいて、ICN11に対して第1のコンテンツ取得要求で要求されるコンテンツのコンテンツデータの取得を要求するコンテンツ取得要求を発生する(ステップS6)。コンテンツ取得要求発生手段67は、ステップS6では、例えば受信した第1のコンテンツ取得要求から制御用識別子「/proactive」を取り除いたコンテンツ取得要求Interest(ndn:/waseda.jp/videoA.mp4/)を発生する。コンテンツ取得要求発生手段67により発生されたコンテンツ取得要求は、中継点設置装置16のルータ部16aにより受信される。

【0082】
コンテンツ取得要求受信手段61は、ステップS6で発生されたコンテンツ取得要求を受信すると、コンテンツ記憶手段65にアクセスし、そのコンテンツ取得要求で要求されるコンテンツのコンテンツデータがコンテンツ記憶手段65に存在しないことを確認する。コンテンツ取得要求受信手段61は、コンテンツ取得要求発生手段67から受信したコンテンツ取得要求の転送を、コンテンツ取得要求転送手段62に依頼する。

【0083】
コンテンツ取得要求転送手段62は、転送情報ベース63を参照して、コンテンツ取得要求の送出先を決定する。転送情報ベース63は、プリフィックスが「ndn:/waseda.jp/」であるコンテンツ取得要求の送出先がICN11に接続された通信インタフェース70を含むことを定義している。コンテンツ取得要求転送手段62は、そのような転送情報ベース63を参照して、コンテンツ取得要求発生手段67において発生したコンテンツ取得要求を、通信インタフェース70を通じてICN11に送信する(ステップS7)。

【0084】
ICN11は、コンテンツ取得要求を受信すると、通常のICNの動作により、中継点設置装置16にコンテンツデータを送信する(ステップS8)。ICN11は、ステップS8では、Data(ndn:/waseda.jp/videoA.mp4を中継点設置装置16に送信する。中継点設置装置16のコンテンツ取得手段64は、通信インタフェース70を通じて、ICN11が送信したコンテンツデータを受信する。コンテンツ取得手段64は、受信したコンテンツデータを、コンテンツ記憶手段65に記憶する(ステップS9)。ここまでの動作により、移動体が中継点に到達する前に、中継点設置装置16にコンテンツデータを取得させることができる。

【0085】
図7は、移動体が中継点に到達したときのコンテンツ配信の流れを示すシーケンス図である。移動体搭載装置15のコンテンツ取得指示手段154(図2を参照)は、ユーザが乗車する移動体(列車)がコンテンツデータを取得させた中継点設置装置16が設置された中継点(停車駅)に到達するタイミングに合わせて、ユーザ端末装置14に先行取得を示す制御用識別子を含まないコンテンツ取得要求(第2のコンテンツ取得要求)の発生を指示する(ステップS21)。第2のコンテンツ取得要求は、先行取得を示す制御用識別子が含まれない点で、図6のステップS3でコンテンツ先行取得要求発生手段155において発生された第1のコンテンツ取得要求と異なる。

【0086】
ユーザ端末装置14は、コンテンツ取得指示手段154の指示に従い、制御用識別子を含まない第2のコンテンツ取得要求を移動体搭載装置15に送信する(ステップS22)。ユーザ端末装置14は、ステップS22では、第2のコンテンツ取得要求Interest(ndn:/waseda.jp/videoA.mp4)を移動体搭載装置15に送信する。送信された第2のコンテンツ取得要求は、移動体搭載装置15のルータ部15aにより受信される。

【0087】
移動体搭載装置15のコンテンツ取得要求受信手段156は、通信インタフェース54を通じて、ユーザ端末装置14が送信した第2のコンテンツ取得要求を受信する。コンテンツ取得要求受信手段156は、コンテンツ蓄積部160にアクセスして第2のコンテンツ取得要求で要求されるコンテンツのコンテンツデータがコンテンツ蓄積部160に記憶されていないことを確認する。コンテンツ取得要求受信手段156は、コンテンツ取得要求転送手段157に、第2のコンテンツ取得要求の転送を依頼する。

【0088】
コンテンツ取得要求転送手段157は、転送情報ベース158を参照して第2のコンテンツ取得要求の転送先を決定する。図3に示す転送情報ベース158を参照すると、プリフィックス「ndn:/waseda.jp/」のコンテンツ取得要求の送出先は、第2の通信インタフェース52である。第2の通信インタフェース52に接続される第2の通信手段56は、移動体が中継点に到達した場合に利用可能となる。コンテンツ取得要求転送手段157は、第2の通信インタフェース52を通じて、第2の通信手段56により、中継点設置装置16に制御用識別子「/proactive」を含まない第2のコンテンツ取得要求を転送する(ステップS23)。

【0089】
コンテンツ取得要求転送手段157により転送された第2のコンテンツ取得要求は、中継点設置装置16のルータ部16a(図4を参照)により受信される。ルータ部16aのコンテンツ取得要求受信手段61は、第2の通信手段56に接続された通信インタフェース69を通じて、移動体搭載装置15から転送された制御用識別子「/proactive」を含まない第2のコンテンツ取得要求を受信する。

【0090】
コンテンツ取得要求受信手段61は、第2のコンテンツ取得要求を受信すると、コンテンツ記憶手段65にアクセスし、第2のコンテンツ取得要求で要求されるコンテンツのコンテンツデータがコンテンツ記憶手段65に存在するか否かを調べる。第2のコンテンツ取得要求は、制御用識別子「/proactive」を含まない点で第1のコンテンツ取得要求と相違するものであり、第2のコンテンツ取得要求で要求されるコンテンツのコンテンツデータは、図6に示す一連の動作により、コンテンツ記憶手段65に記憶されている。この場合、コンテンツ取得要求受信手段61は、コンテンツ転送手段66に、コンテンツデータの送信を指示する。

【0091】
コンテンツ転送手段66は、コンテンツ記憶手段65からコンテンツデータを読み出し、読み出したコンテンツデータを、第2のコンテンツ取得要求に対する応答として移動体搭載装置15に送信する(ステップS24)。コンテンツ転送手段66は、ステップS24では、Data(ndn:/waseda.jp/videoA.mp4, video data)を移動体搭載装置15に送信する。コンテンツデータは、第2のコンテンツ取得要求の受信に用いられた通信インタフェース69を通じて、第2の通信手段56により、移動体搭載装置15に送信される。第2の通信手段56に高速な通信手段を用いた場合、限られた停車時間の間に、大量のデータ送信を実施することが可能である。

【0092】
移動体搭載装置15のコンテンツ取得手段159は、第2の通信手段56に接続された第2の通信インタフェース52を通じて、中継点設置装置16から送信されたコンテンツデータを受信する。コンテンツ取得手段159は、コンテンツデータを受信すると、コンテンツ配信手段161に対し、コンテンツデータを第2のコンテンツ取得要求の送信元であるユーザ端末装置14に送信するように指示する。コンテンツ配信手段161は、通信インタフェース54を通じて、ユーザ端末装置14にコンテンツデータを送信する(ステップS25)。

【0093】
本実施形態では、スケジューリング手段152は、スケジュール情報記憶部153を参照して、コンテンツデータを取得させる先の停車駅を決定し、コンテンツ先行取得要求発生手段155は、先行取得を示す制御用識別子を含む第1のコンテンツ取得要求を発生する。この第1のコンテンツ取得要求は、転送情報ベース158に従って、第1の通信インタフェース51を通じて、コンテンツデータを取得させる駅に設置された中継点設置装置16に転送される。中継点設置装置16は、受信したコンテンツ取得要求に先行取得を示す制御用識別子が含まれている場合は、そのコンテンツ取得要求により要求されるコンテンツのコンテンツデータを、ICN11から取得する。

【0094】
本実施形態では、先行取得を示す制御用識別子を含む第1のコンテンツ取得要求を中継点設置装置16に送信することにより、中継点設置装置16にICN11からコンテンツデータを取得させることができる。第1のコンテンツ取得要求を受信した中継点設置装置16は、ICN11に対してコンテンツを要求し、ICN11からコンテンツデータを取得するため、特定のサーバから中継点設置装置16にコンテンツデータを送信する必要はなく、特定のサーバに負荷を集中させることなく、中継点設置装置16にコンテンツを取得させることができる。特に、中継点設置装置16がコンテンツデータを取得する仕組みにICNを用いることで、サーバ負荷やネットワーク負荷をより低減することができる。

【0095】
また、本実施形態では、制御用識別子を含まない第2のコンテンツ取得要求の送信をユーザ端末装置14に指示し、ユーザ端末装置14がその指示に従って移動体搭載装置15に第2のコンテンツ取得要求を送信する。移動体搭載装置15は、第2のコンテンツ取得要求を転送情報ベース158に従って、第2の通信インタフェース52を通じて、中継点設置装置16に転送する。移動体搭載装置15は、転送された第2のコンテンツ取得要求に対する応答としてコンテンツデータを受信し、受信したコンテンツデータをユーザ端末装置に送信する。ICNでは、通常、コンテンツ取得要求の送信元にコンテンツデータが送信されるため、ユーザ端末装置14に第2のコンテンツ取得要求の送信させることで、ユーザ端末装置14にコンテンツデータを配信することができる。

【0096】
本実施形態では、先行取得を示す制御用識別子を含むコンテンツ取得要求の送出先が第1の通信インタフェース51を含むことを定義し、かつ先行取得を示す制御用識別子を含まないコンテンツ取得要求の送出先が第2の通信インタフェース52を含むことを定義する転送情報ベース158を用いる。そのような転送情報ベース158を用いることで、通常のICNにおけるコンテンツ取得要求の転送の仕組みを用いて、制御用識別子を含むコンテンツ取得要求を、第1の通信インタフェース51に接続された第1の通信手段55により、中継点設置装置16に送信できる。また、先行取得を示す制御用識別子を含むコンテンツ取得要求と先行取得を示す制御用識別子を含まないコンテンツ取得要求とを、異なる通信手段を用いて転送することができる。

【0097】
ICNでは、通常、コンテンツ取得要求が転送された経路を逆向きにたどることでコンテンツデータが送信される。制御用識別子を含まない第2のコンテンツ取得要求は第2の通信手段56により移動体搭載装置15から中継点設置装置16へ送信されるため、中継点設置装置16から移動体搭載装置15へのコンテンツデータの送信には第2の通信手段56が用いられることになる。第2の通信手段56に高速な通信手段を用いれば、停車駅において大量のデータを移動体搭載装置15に転送することができる。このため、例えばストリーミング配信で映画などを視聴する場合、ユーザは、停車駅にてコンテンツデータが移動体搭載装置15に転送された後、高品位なコンテンツを視聴することが可能である。

【0098】
次いで、本発明の第2実施形態を説明する。第1実施形態では、ユーザは、移動体がコンテンツを取得させた中継点に到達した後に、コンテンツの視聴などをすることができた。本実施形態では、移動体が中継点に到達する前の時点においても、コンテンツの視聴などを可能とする。

【0099】
図8は、本発明の第2実施形態に係るコンテンツ配信システムに用いられる移動体搭載装置を示す。本実施形態で用いられる移動体搭載装置15は、図2に示す第1実施形態で用いられた移動体搭載装置の構成に加えて第3の通信インタフェース53を有する。第3の通信インタフェース53は、移動体搭載装置15とICN11との間の通信に用いられる第3の通信手段57に接続される。第3の通信手段57は、例えば携帯電話網や無線WANなどの無線通信手段を含む。第3の通信手段57は、移動体の移動中も含めて、移動体搭載装置15とICN11との間の通信を可能とする。

【0100】
本実施形態では、移動体搭載装置15のスケジューリング手段152は、コンテンツデータを取得させる中継点(中継点設置装置16)を決定することに加えて、移動体(列車)がその中継点(駅)に到達するまでに、中継点設置装置16を介さずにICN11から取得するコンテンツデータの部分を決定する。別の言い方をすれば、スケジューリング手段152は、ユーザにより指定されたコンテンツのコンテンツデータのうち、どの部分を中継点設置装置16を介さずにICN11から取得し、どの部分を中継点設置装置16から取得するかを決定する。スケジューリング手段152は、例えば列車が次の中継点設置装置16が設置された駅に到達するまでに要する時間分のコンテンツデータを、中継点設置装置16を介さずにICN11から取得する部分として決定する。

【0101】
本実施形態では、コンテンツ取得指示手段154は、列車がコンテンツデータを取得させた中継点設置装置16が設置された駅に到着するタイミングに合わせてユーザ端末装置14に対してコンテンツ取得要求(第2のコンテンツ取得要求)の発生を指示することに加えて、列車がコンテンツデータを取得させる中継点設置装置16が設置された駅に到達する時刻よりも前に、ユーザ端末装置14にコンテンツ取得要求(第3のコンテンツ取得要求)の発生を指示する。第3のコンテンツ取得要求は、ユーザにより指定されたコンテンツのコンテンツデータを要求するものであり、ICN11から取得するコンテンツデータの部分を示す情報を含む。第3のコンテンツ取得要求も、第2のコンテンツ取得要求と同様に、先行取得を示す制御用識別子を含まない。

【0102】
本実施形態では、転送情報ベース158は、先行取得を示す制御用識別子を含まないコンテンツ取得要求に対し、その送出先が第2の通信インタフェース52を含むことを定義することに加えて、先行取得を示す制御用識別子を含まないコンテンツ取得要求に対し、その送出先が第3の通信インタフェースを更に含むことを定義する。図9は、本実施形態において用いられる転送情報ベース158の具体例を示す。この転送情報ベース158では、制御用識別子「/proactive」が含まれないプリフィックスとフェース番号2及びフェース番号3とが対応付けられている。フェース番号3のフェースは第3の通信インタフェース53に対応する。

【0103】
コンテンツ取得要求転送手段157は、図9に示す転送情報ベース158に従って、コンテンツ取得要求に含まれるコンテンツ名のプリフィックスが「/proactive」を含まない場合は、そのコンテンツ取得要求をフェース番号2のフェース(第2の通信インタフェース52)又はフェース番号3のフェース(第3の通信インタフェース53)を通じて外部の装置(中継点設置装置16又はICN11)に転送する。コンテンツ取得要求に含まれるコンテンツ名のプリフィックスが「/proactive」を含む場合に、そのコンテンツ取得要求をフェース番号1のフェースを通じて外部の装置(中継点設置装置16)に転送する点は、第1実施形態と同様である。

【0104】
ここで、第2の通信インタフェース52と第3の通信インタフェース53の選択について説明する。本実施形態において、先行取得を示す制御用識別子を含まないコンテンツ取得要求には、第2のコンテンツ取得要求と、第3のコンテンツ取得要求とが含まれる。第2の通信インタフェース52と第3の通信インタフェースの選択は、例えばスケジューリング手段152から通知される情報に基づいて実施される。スケジューリング手段152は、コンテンツ取得指示手段154がユーザ端末装置14に対して第3のコンテンツ取得要求の発生を指示する場合は、コンテンツ取得要求転送手段157に、ユーザ端末装置14が第3のコンテンツ取得要求を発生する旨の予告を通知する。コンテンツ取得要求転送手段157は、スケジューリング手段152から通知される予告に基づいて、コンテンツ取得要求受信手段156によって受信された制御用識別子を含まないコンテンツ取得要求が第2のコンテンツ取得要求であるか、又は第3のコンテンツ取得であるかを判断する。コンテンツ取得要求転送手段157は、その判断結果に従って、第2の通信インタフェース52又は第3の通信インタフェース53を選択する。

【0105】
コンテンツ取得要求転送手段157は、スケジューリング手段152から上記予告が通知された場合は、コンテンツ取得要求受信手段156によって受信された制御用識別子を含まないコンテンツ取得要求が第3のコンテンツ取得要求であると判断する。コンテンツ取得要求転送手段157は、例えば、予告の通知があった時刻から所定時間内にコンテンツ取得要求受信手段156が制御用識別子を含まないコンテンツ取得要求を受信した場合、そのコンテンツ取得要求は第3のコンテンツ取得要求であると判断する。コンテンツ取得要求転送手段157は、受信されたコンテンツ取得要求が第3のコンテンツ取得要求であると判断した場合、第3のコンテンツ取得要求の送出先として第3の通信インタフェース53を選択し、第3のコンテンツ取得要求を、第3の通信手段57によりICN11に転送する。ICN11は、第3のコンテンツ取得要求に対する応答として、コンテンツデータを、第3の通信手段57により移動体搭載装置15に送信する。

【0106】
一方、コンテンツ取得要求転送手段157は、スケジューリング手段152から予告を受けていなかった場合は、コンテンツ取得要求受信手段156によって受信されたコンテンツ取得要求が第2のコンテンツ取得要求であると判断する。その場合、コンテンツ取得要求転送手段157は、第2のコンテンツ取得要求の送出先として第2の通信インタフェース52を選択し、第2のコンテンツ取得要求を、第2の通信手段56により中継点設置装置16に転送する。中継点設置装置16は、第2のコンテンツ取得要求に対する応答として、コンテンツデータを、第2の通信手段56により移動体搭載装置15に送信する。

【0107】
なお、上記では、スケジューリング手段152が第3のコンテンツ取得要求が発生の予告をコンテンツ取得要求転送手段157に通知することとしたが、この通知はスケジューリング手段152が実施することには限定されず、他の手段、例えばコンテンツ取得指示手段154が実施してもよい。第3のコンテンツ取得要求の発生の予告に代えて、又はこれに加えて、第2のコンテンツ取得要求の発生の予告を通知してもよい。第2のコンテンツ取得要求の発生の予告、及び第3のコンテンツ取得要求の発生の予告の少なくとも一方がコンテンツ転送要求手段158に通知されることで、コンテンツ取得要求転送手段157において、制御用識別子を含まないコンテンツ取得要求が第2のコンテンツ取得要求であるか、又は第3のコンテンツ取得要求であるかの判断が可能である。

【0108】
図10は、本実施形態における移動体が中継点に到達するまでのコンテンツ配信の流れを示すシーケンス図である。ユーザ端末装置14は、ユーザが乗車している列車に搭載された移動体搭載装置15と通信を行う。ユーザが視聴を希望するコンテンツを指定すると、ユーザ端末装置14は、移動体搭載装置15のコンテンツ選択手段151(図8を参照)に対して指定されたコンテンツの識別情報を送信する(ステップS31)。

【0109】
移動体搭載装置15のスケジューリング手段152は、ユーザがコンテンツを指定すると、列車の移動スケジュールに合わせて、ユーザにより指定されたコンテンツのコンテンツデータを取得させる中継点(中継点設置装置16)を決定する。また、スケジューリング手段152は、中継点設置装置16を介さずにコンテンツデータを取得する部分と、中継点設置装置16からコンテンツデータを取得する部分とを決定する(ステップS32)。スケジューリング手段152は、中継点設置装置16を介さずに取得するコンテンツデータの部分を示す情報をコンテンツ取得指示手段154に通知し、中継点設置装置16から取得するコンテンツデータの部分を示す情報をコンテンツ取得要求発生手段155に通知する。

【0110】
図11は、コンテンツデータの分割を示す図である。コンテンツCは、例えば映画のコンテンツである。スケジューリング手段152は、ある停車駅においてコンテンツデータを中継点設置装置16から移動体搭載装置15に送信させることを決定する。その場合、スケジューリング手段152は、コンテンツCのコンテンツデータのうち、列車がその停車駅に到達するまでに要する時間分の部分データC0を、移動体搭載装置が中継点設置装置16を介さずにICN11から取得する部分として決定する。また、残りの部分データC1を、その停車駅の中継点設置装置16に取得させる部分として決定する。

【0111】
コンテンツCのコンテンツデータは、例えば250個の分割データにより構成されている。部分データC0は、例えばセグメント番号#1~#50の分割データから成り、部分データC1は例えばセグメント番号#51~#250の分割データから成る。上記停車駅での列車の停車時間や、第2の通信手段56(図8を参照)の通信速度などを勘案し、上記停車駅において部分データC1の全てを中継点設置装置16から移動体搭載装置15に送信しきれない場合には、コンテンツデータを取得させる中継点設置装置16の数を増やし、部分データC1を、コンテンツデータを取得させる中継点設置装置16の数で分割すればよい。

【0112】
図10に戻り、移動体搭載装置15のコンテンツ取得指示手段154は、ユーザ端末装置14に、コンテンツ取得要求(第3のコンテンツ取得要求)の発生を指示する(ステップS33)。コンテンツ取得指示手段154は、ステップS33では、中継点設置装置16を介さずに取得するコンテンツデータの部分を指定する情報を含むコンテンツ取得要求の発生を指示する。ユーザ端末装置14は、通信手段58により、指定されたコンテンツデータの部分の取得を要求するコンテンツ取得要求を移動体搭載装置15に送信する(ステップS34)。ユーザ端末装置14は、ステップS34では、例えばセグメント番号#1から#50の分割データを要求するコンテンツ取得要求Interest(ndn:/waseda.jp/videoA.mp4/_s1-50)を移動体搭載装置15に送信する。

【0113】
スケジューリング手段152は、ステップS32からステップS34までの間に、好ましくはステップS33でユーザ端末装置14に第3のコンテンツ取得要求の発生を指示する時刻の直前に、ユーザ端末装置14が第3のコンテンツ取得要求を発生する旨の予告をコンテンツ取得要求転送手段157に通知する。ユーザ端末装置14から送信されたコンテンツ取得要求は、移動体搭載装置15のルータ部15aにより受信される。ルータ部15aのコンテンツ取得要求受信手段156は、通信インタフェース54を通じ、通信手段58によりユーザ端末装置14から送信されたコンテンツ取得要求(第3のコンテンツ取得要求)を受信する。コンテンツ取得要求受信手段156は、コンテンツ蓄積部160に第3のコンテンツ取得要求で要求されるコンテンツデータが記憶されていないことを確認し、コンテンツ取得要求転送手段157に第3のコンテンツ取得要求の転送を依頼する。

【0114】
コンテンツ取得要求転送手段157は、転送情報ベース158を参照して、第3のコンテンツ取得要求の送出先となる通信インタフェースを決定する。図9に示す転送情報ベース158を参照すると、プリフィックス「ndn:/waseda.jp」のコンテンツ取得要求の送出先は、第2の通信インタフェース52又は第3の通信インタフェース53である。コンテンツ取得要求転送手段157は、スケジューリング手段152から第3のコンテンツ取得要求の発生の予告が通知された時刻から所定時間以内にコンテンツ要求受信手段156が制御用識別子を含まないコンテンツ取得要求を受信した場合は、受信されたコンテンツ取得要求は第3のコンテンツ取得要求であると判断し、その送出先として第3の通信インタフェース53を選択する。コンテンツ取得要求転送手段157は、選択した第3の通信インタフェース53を通じて、第3の通信手段57により、コンテンツソースであるICN11に第3のコンテンツ取得要求を転送する(ステップS35)。

【0115】
ICN11は、コンテンツ取得要求に対する応答として、要求されたコンテンツデータを、第3の通信手段57により移動体搭載装置15に送信する(ステップS36)。ICN11は、ステップS36では、Data(ndn:/waseda.jp/videoA.mp4/_s1, video segment #1)からData(ndn:/waseda.jp/videoA.mp4/_s50, video segment #50)を移動体搭載装置15に送信する。移動体搭載装置15のコンテンツ取得手段159は、第3の通信インタフェース53を通じてコンテンツデータ(各セグメントの分割データ)を受信する。コンテンツ配信手段161は、コンテンツ取得手段159が受信したコンテンツデータを、通信インタフェース54を通じて、ユーザ端末装置14から送信された第3のコンテンツ取得要求に対する応答としてユーザ端末装置14に送信する(ステップS37)。移動体が中継点に到達する前に、先行取得を示す制御用識別子「/proactive」を含まない第3のコンテンツ取得要求をユーザ端末装置14から送信させることで、ユーザは、コンテンツの選択後、列車が次の駅に到達するまでの間にコンテンツ視聴を開始することができる。

【0116】
移動体搭載装置15のコンテンツ先行取得要求発生手段155は、先行取得を示す制御用識別子を含むコンテンツ取得要求(第1のコンテンツ取得要求)を発生する(ステップS38)。ステップS38は、列車がコンテンツデータを取得させる中継点設置装置16が設置された駅に到達する時刻よりも前に実施される。コンテンツ先行取得要求発生手段155は、ステップS38では、例えば制御用識別子「/proactive」を含み、かつセグメント番号#51から#250の分割データの先行取得を指示するコンテンツ取得要求“Interest(ndn:/waseda.jp/proactive/videoA.mp4/_s51-250)”を発生する。なお、ステップS33のコンテンツ取得要求の指示と、ステップS38のコンテンツ先行取得要求の発生とは、どちらを先に実施してもよい。

【0117】
コンテンツ先行取得要求発生手段155は、発生したコンテンツ取得要求(第1のコンテンツ取得要求)を、移動体搭載装置15のルータ部15a、より詳細にはコンテンツ取得要求受信手段156に送信する。コンテンツ取得要求受信手段156は、コンテンツ蓄積部160に第1のコンテンツ取得要求で要求されるコンテンツデータが記憶されていないことを確認し、コンテンツ取得要求転送手段157に第1のコンテンツ取得要求の転送を依頼する。

【0118】
コンテンツ取得要求転送手段157は、転送情報ベース158を参照して、第1のコンテンツ取得要求の送出先となる通信インタフェースを決定する。図9に示す転送情報ベース158を参照すると、プリフィックス「ndn:/waseda.jp/proactive」のコンテンツ取得要求の送出先は、第1の通信インタフェース51である。コンテンツ取得要求転送手段157は、第1の通信インタフェース51を通じて、第1の通信手段55により、ステップS2で決定された中継点の中継点設置装置16に、制御用識別子「/proactive」を含む第1のコンテンツ取得要求を転送する(ステップS39)。

【0119】
コンテンツ取得要求転送手段157により転送された第1のコンテンツ取得要求は、中継点設置装置16のルータ部16a(図4を参照)により受信される。ルータ部16aのコンテンツ取得要求受信手段61は、第1の通信手段55に接続された通信インタフェース68を通じて、移動体搭載装置15から転送された制御用識別子「/proactive」を含む第1のコンテンツ取得要求を受信する。コンテンツ取得要求受信手段61は、第1のコンテンツ取得要求を受信すると、コンテンツ記憶手段65にアクセスし、第1のコンテンツ取得要求で要求されるコンテンツのコンテンツデータがコンテンツ記憶手段65に存在しないことを確認する。コンテンツ取得要求受信手段61は、受信した第1のコンテンツ取得要求の転送を、コンテンツ取得要求転送手段62に依頼する。

【0120】
コンテンツ取得要求転送手段62は、転送情報ベース63を参照して、第1のコンテンツ取得要求の送出先を決定する。転送情報ベース63は、プリフィックスが「ndn:/waseda.jp/proactive」であるコンテンツ取得要求に対し、その送出先がコンテンツ取得要求発生手段67であることを定義している。コンテンツ取得要求転送手段62は、そのような転送情報ベース63を参照して、第1のコンテンツ取得要求“Interest(ndn:/waseda.jp/proactive/videoA.mp4)”をコンテンツ取得要求発生手段67に転送する。

【0121】
コンテンツ取得要求発生手段67は、コンテンツ取得要求転送手段62から第1のコンテンツ取得要求を受信すると、コンテンツ転送手段66に対して、空の応答を送信するように指示する。コンテンツ転送手段66は、コンテンツ取得要求受信手段61が受信した制御用識別子「/proactive」を含む第1のコンテンツ取得要求に対する応答として、コンテンツデータの先行取得を受け付けた旨を示す空の応答を、移動体搭載装置15に送信する(ステップS40)。この応答には、コンテンツデータ(ペイロード)は含まれない。コンテンツ転送手段66は、ステップS40では、例えばペイロードが含まれないData(ndn:/waseda.jp/proactive/videoA.mp4/_s51-250, empty payload) <ACK>を、移動体搭載装置15に送信する。コンテンツ転送手段66が送信する空の応答は、第1のコンテンツ取得要求の受信に用いられた通信インタフェース68を通じて、第1の通信手段55により、移動体搭載装置15に送信される。

【0122】
コンテンツ取得要求発生手段67は、コンテンツ取得要求転送手段62から受信した第1のコンテンツ取得要求に基づいて、ICN11に対して第1のコンテンツ取得要求で要求されるコンテンツのコンテンツデータの取得を要求するコンテンツ取得要求を発生する(ステップS41)。コンテンツ取得要求発生手段67は、ステップS41では、例えば受信した第1のコンテンツ取得要求から制御用識別子「/proactive」を取り除いたコンテンツ取得要求Interest(ndn:/waseda.jp/videoA.mp4/_s51-250)を発生する。コンテンツ取得要求発生手段67により発生されたコンテンツ取得要求は、中継点設置装置16のルータ部16aにより受信される。

【0123】
コンテンツ取得要求受信手段61は、ステップS6で発生されたコンテンツ取得要求を受信すると、コンテンツ記憶手段65にアクセスし、そのコンテンツ取得要求で要求されるコンテンツのコンテンツデータがコンテンツ記憶手段65に存在しないことを確認する。コンテンツ取得要求受信手段61は、コンテンツ取得要求発生手段67から受信したコンテンツ取得要求の転送を、コンテンツ取得要求転送手段62に依頼する。

【0124】
コンテンツ取得要求転送手段62は、転送情報ベース63を参照して、コンテンツ取得要求の送出先を決定する。転送情報ベース63は、プリフィックスが「ndn:/waseda.jp/」であるコンテンツ取得要求に対し、その送出先がICN11に接続された通信インタフェース70を含むことを定義している。コンテンツ取得要求転送手段62は、そのような転送情報ベース63を参照して、コンテンツ取得要求発生手段67において発生したコンテンツ取得要求Interest(ndn:/waseda.jp/videoA.mp4/_s51-250)を、通信インタフェース70を通じてICN11に送信する(ステップS42)。

【0125】
ICN11は、コンテンツ取得要求を受信すると、通常のICNの動作により、中継点設置装置16にコンテンツデータを送信する(ステップS43)。ICN11は、ステップS43では、Data(ndn:/waseda.jp/videoA.mp4/_s51, video segment #51)からData(ndn:/waseda.jp/videoA.mp4/_s250, video segment #250)を中継点設置装置16に送信する。中継点設置装置16のコンテンツ取得手段64は、通信インタフェース70を通じて、ICN11が送信したコンテンツデータを受信する。コンテンツ取得手段64は、受信したコンテンツデータを、コンテンツ記憶手段65に記憶する(ステップS44)。ここまでの動作により、移動体が中継点に到達する前に、中継点設置装置16にコンテンツデータを取得させることができる。なお、ステップS33~S37と、ステップS38~S44とは、必ずしも時間を分けて実施する必要はなく、ステップS33~S37とステップS38~S44とを、並列に実施することも可能である。

【0126】
本実施形態における移動体が中継点に到達したときのコンテンツ配信の流れは、図7に示す第1実施形態において説明したものと同様である。移動体搭載装置15のコンテンツ取得指示手段154(図8を参照)は、ステップS21で、ユーザが乗車する移動体(列車)がコンテンツデータを取得させた中継点設置装置16が設置された中継点(停車駅)に到達するタイミングに合わせて、ユーザ端末装置14に先行取得を示す制御用識別子を含まないコンテンツ取得要求(第2のコンテンツ取得要求)の発生を指示する。第2のコンテンツ取得要求は、先行取得を示す制御用識別子が含まれない点で、図10のステップS38でコンテンツ先行取得要求発生手段155において発生された第1のコンテンツ取得要求と異なる。

【0127】
スケジューリング手段152は、図10のステップS32で中継点設置装置16から取得するコンテンツデータの部分を決定してから、図7のステップS21を実行する時刻までの間に、中継点設置装置16から取得するコンテンツデータの部分をコンテンツ取得要求指示手段154に通知している。また、スケジューリング手段152は、図7のステップS21でユーザ端末装置14にコンテンツ取得要求の発生が指示される時刻、又はその少し前の時刻において、ユーザ端末装置14が第2のコンテンツ取得要求を発生する旨の予告をコンテンツ取得要求転送手段157に通知する。

【0128】
ユーザ端末装置14は、ステップS22で、コンテンツ取得指示手段154の指示に従い、制御用識別子を含まない第2のコンテンツ取得要求を移動体搭載装置15に送信する。ユーザ端末装置14は、ステップS22では、セグメント番号#51から#250の分割データの取得を要求するコンテンツ取得要求Interest(ndn:/waseda.jp/videoA.mp4/_s51-250)を、第2のコンテンツ取得要求として移動体搭載装置15に送信する。送信された第2のコンテンツ取得要求は、移動体搭載装置15のルータ部15aにより受信される。

【0129】
移動体搭載装置15のコンテンツ取得要求受信手段156は、通信インタフェース54を通じて、ユーザ端末装置14が送信した第2のコンテンツ取得要求を受信する。コンテンツ取得要求受信手段156は、コンテンツ蓄積部160にアクセスして第2のコンテンツ取得要求で要求されるコンテンツのコンテンツデータがコンテンツ蓄積部160に記憶されていないことを確認する。コンテンツ取得要求受信手段156は、コンテンツ取得要求転送手段157に、第2のコンテンツ取得要求の転送を依頼する。

【0130】
コンテンツ取得要求転送手段157は、転送情報ベース158を参照して第2のコンテンツ取得要求の転送先を決定する。図9に示す転送情報ベース158を参照すると、プリフィックス「ndn:/waseda.jp/」のコンテンツ取得要求の送出先には、第2の通信インタフェース52と第3の通信インタフェース53とがある。コンテンツ取得要求転送手段157は、スケジューリング手段152から第2のコンテンツ取得要求の発生の予告が通知された時刻から所定時間以内にコンテンツ要求受信手段156が制御用識別子を含まないコンテンツ取得要求を受信した場合は、受信されたコンテンツ取得要求は第2のコンテンツ取得要求であると判断し、第2の通信インタフェース52を、第2のコンテンツ取得要求の送出先として決定する。コンテンツ取得要求転送手段157は、コンテンツ取得要求受信手段156が制御用識別子を含まないコンテンツ取得要求を受信した時点において、スケジューリング手段152から第3のコンテンツ取得要求の発生の予告が通知されていない場合に、第2の通信インタフェース52を、第2のコンテンツ取得要求の送出先として決定してもよい。

【0131】
コンテンツ取得要求転送手段157は、ステップS23で、第2の通信インタフェース52を通じて、第2の通信手段56により、中継点設置装置16に制御用識別子「/proactive」を含まない第2のコンテンツ取得要求を転送する。コンテンツ取得要求転送手段157により転送された第2のコンテンツ取得要求は、中継点設置装置16のルータ部16a(図4を参照)により受信される。ルータ部16aのコンテンツ取得要求受信手段61は、第2の通信手段56に接続された通信インタフェース69を通じて、移動体搭載装置15から転送された制御用識別子「/proactive」を含まない第2のコンテンツ取得要求を受信する。

【0132】
コンテンツ取得要求受信手段61は、第2のコンテンツ取得要求を受信すると、コンテンツ記憶手段65にアクセスし、第2のコンテンツ取得要求で要求されるコンテンツのコンテンツデータがコンテンツ記憶手段65に存在するか否かを調べる。第2のコンテンツ取得要求は、制御用識別子「/proactive」を含まない点で第1のコンテンツ取得要求と相違するものであり、第2のコンテンツ取得要求で要求されるコンテンツのコンテンツデータは、図10に示す一連の動作により、コンテンツ記憶手段65に記憶されている。この場合、コンテンツ取得要求受信手段61は、コンテンツ転送手段66に、コンテンツデータの送信を指示する。

【0133】
コンテンツ転送手段66は、ステップS24で、コンテンツ記憶手段65からコンテンツデータを読み出し、読み出したコンテンツデータを、第2のコンテンツ取得要求に対する応答として移動体搭載装置15に送信する。コンテンツ転送手段66は、ステップS24では、Data(ndn:/waseda.jp/videoA.mp4/_s51, video segment #51)からData(ndn:/waseda.jp/videoA.mp4/_s250, video segment #250)を移動体搭載装置15に送信する。コンテンツデータは、第2のコンテンツ取得要求の受信に用いられた通信インタフェース69を通じて、第2の通信手段56により、移動体搭載装置15に送信される。第2の通信手段56に高速な通信手段を用いた場合、限られた停車時間の間に、大量のデータ送信を実施することが可能である。

【0134】
移動体搭載装置15のコンテンツ取得手段159は、第2の通信手段56に接続された第2の通信インタフェース52を通じて、中継点設置装置16から送信されたコンテンツデータを受信する。コンテンツ取得手段159は、コンテンツデータを受信すると、コンテンツ配信手段161に対し、コンテンツデータを第2のコンテンツ取得要求の送信元であるユーザ端末装置14に送信するように指示する。コンテンツ配信手段161は、ステップS25で、通信インタフェース54を通じて、ユーザ端末装置14にコンテンツデータを送信する。

【0135】
本実施形態では、移動体搭載装置15は、移動体が中継点に到達する前に第3のコンテンツ取得要求をユーザ端末装置14に発生させ、ユーザ端末装置14から第3のコンテンツ取得要求を受信し、受信した第3のコンテンツ取得要求を第3の通信手段57によりICN11に転送する。移動体搭載装置15は、ICN11から第3のコンテンツ取得要求に対する応答としてコンテンツデータを受信し、受信したコンテンツデータをユーザ端末装置14に送信する。このようにすることで、ユーザは、移動体がコンテンツデータを先行取得させる中継点に到達する前から、コンテンツを視聴することができる。

【0136】
ここで、一般に、第3の通信手段57の帯域はあまり広くなく、従って、第3の通信手段57は大容量のコンテンツデータをストリーミング配信する目的に適しているとは言いにくい。本実施形態において、第2の通信手段56に高速な通信手段を用いれば、停車駅において大量のデータを移動体搭載装置15に転送することができる。このため、例えばストリーミング配信で映画などを視聴する場合、ユーザは、停車駅にてコンテンツデータが移動体搭載装置15に転送された後は、高品位なコンテンツを視聴することが可能である。その他の効果は、第1実施形態と同様である。

【0137】
なお、上記各実施形態では、移動体搭載装置15がスケジューリング手段152及びスケジュール情報記憶部153(図2を参照)を有する例について説明したが、これには限定されない。スケジューリング手段152及びスケジュール情報記憶部153を独立したサーバに設け、移動体搭載装置15がそのサーバにコンテンツデータを取得させる停車駅の決定を依頼することとしてもよい。

【0138】
また、スケジュール情報記憶部153が記憶するスケジュール情報は、実際の列車等の運行状況に応じて随時更新されてもよい。スケジューリング手段152は、スケジュール情報の更新があったときは、更新後のスケジュール情報に基づいて、コンテンツデータを取得させる駅の決定をやり直してもよい。上記実施形態では、コンテンツソースとしてICN11を用いたが、コンテンツソースは、要求に対する応答としてコンテンツデータを送信するネットワークであればよく、ICN11には限定されない。

【0139】
第2実施形態では、コンテンツ取得要求転送手段157が、スケジューリング手段152から通知された予告に基づいて、制御用識別子を含まないコンテンツ取得要求が第2のコンテンツ取得要求であるか又は第3のコンテンツ取得要求であるかを判断する例について説明したが、これには限定されない。コンテンツ取得要求転送手段157は、コンテンツ取得要求の受信時点において、第2の通信手段56が利用可能であるか否かに基づいて、受信されたコンテンツ取得要求が第2のコンテンツ取得要求であるか又は第3のコンテンツ取得要求であるかを判断してもよい。

【0140】
コンテンツ取得要求転送手段157は、第2の通信インタフェース52に接続される第2の通信手段56が利用可能であるか否か、及び第3の通信インタフェース53に接続される第3の通信手段57が利用可能であるか否かを監視する。コンテンツ取得要求転送手段157は、例えば無線通信手段における電界強度、及び/又は接続先の機器との間のリンク確立の可能性の有無などに基づいて、通信手段が利用可能であるか否かを監視する。コンテンツ取得要求転送手段157が第2の通信手段56及び第3の通信手段57を監視するのに代えて、移動体搭載装置15の内部又は外部に監視手段を更に設け、その監視手段が第2の通信手段56及び第3の通信手段57を監視してもよい。

【0141】
第2の通信手段56は、移動体が中継点に到達した場合に移動体搭載装置15と中継点設置装置と16の間の通信を可能とするものであり、移動体が1つ前の中継点とその次の中継点との間に位置する場合は利用できない。第3のコンテンツ取得要求は、移動体が中継点に到達する前に発生されるため、コンテンツ取得要求転送手段157が第3のコンテンツ取得要求を転送するとき、第2の通信手段56と第3の通信手段57のうち、第3の通信手段57のみが利用可能である。コンテンツ取得要求転送手段157は、制御用識別子を含まないコンテンツ取得要求が受信された時点において第2の通信手段156が利用可能でない場合は、受信されたコンテンツ取得要求は第3のコンテンツ取得要求と判断し、第3のコンテンツ取得要求の送出先として第3の通信インタフェース53を選択する。

【0142】
一方、移動体が中継点に停止している場合、第2の通信手段56と第3の通信手段57の双方が利用可能である。第2のコンテンツ取得要求は、移動体が中継点に到達するタイミングに合わせて発生されるため、コンテンツ取得要求転送手段157が第2のコンテンツ取得要求の転送を行うとき、第2の通信手段56と第3の通信手段57とが利用可能である。コンテンツ取得要求転送手段157は、制御用識別子を含まないコンテンツ取得要求が受信された時点において第2の通信手段156が利用可能な場合は、受信されたコンテンツ取得要求は第2のコンテンツ取得要求であると判断し、第2のコンテンツ取得要求の送出先として第2の通信インタフェース52を選択する。

【0143】
ここで、第2の通信手段56と第3の通信手段57との双方が利用可能な場合に第2の通信手段56を選択するのは、通信速度(特に下りリンク(中継点設置装置16から移動体搭載装置15に向かう方向のリンク)における通信速度)が速い方を優先的に選択するためである。第2の通信手段56にミリ波通信手段などの高速な近距離通信手段を用い、第3の通信手段57に携帯電話網などの無線WANを用いた場合、第2の通信手段56の通信速度は第3の通信手段57の通信速度よりも速い。その場合に、第2のコンテンツ取得要求の送出先として第2の通信インタフェース52を選択することで、第2のコンテンツ取得要求に対する応答として、大容量のコンテンツデータをより高速な第2の通信手段56により中継点設置装置16から移動体搭載装置15に転送することができる。

【0144】
なお、上記構成の場合、移動体が中継点に停止している間にユーザがコンテンツの指定(図10のステップS31)を実施すると、第2の通信手段56が利用可能な状態で第3のコンテンツ取得要求の送信(ステップS34)が実施される可能性がある。この場合、コンテンツ取得要求転送手段157において、コンテンツ取得要求受信手段156が受信したコンテンツ取得要求が、第2のコンテンツ取得要求と誤って判断される可能性がある。第3のコンテンツ取得要求が第2のコンテンツ取得要求と誤って判断された場合、第3のコンテンツ取得要求は中継点設置装置16に送信される。しかし、中継点設置装置16にはコンテンツデータが記憶されておらず、移動体搭載装置15は、移動体が中継点に停止されている間に、コンテンツデータを取得できないことが考えられる。コンテンツ取得要求の送信後、所定時間が経過するまでにコンテンツデータが取得できない場合は、コンテンツ取得要求の送出先として第3の通信インタフェース53を選択し、コンテンツ取得要求の再転送を実施するとよい。

【0145】
上記したものに代えて、スケジューリング手段152が、コンテンツデータのうちICN11から直接に取得するコンテンツデータの部分を示す情報をコンテンツ取得要求転送手段157に通知し、コンテンツ取得要求転送手段157が通知の内容に基づいて受信されたコンテンツ取得要求が第2のコンテンツ取得要求であるか又は第3のコンテンツ取得要求であるかを判断してもよい。コンテンツ取得要求転送手段157は、例えば、コンテンツ取得要求受信手段156が受信したコンテンツ取得要求に含まれるコンテンツデータの部分を示す情報が、スケジューリング手段152から通知されたICN11から直接に取得するコンテンツデータの部分を示す情報に含まれるか、又はICN11から直接に取得するコンテンツデータの部分を示す情報に一致する場合は、そのコンテンツ取得要求は第3のコンテンツ取得要求であると判断する。コンテンツ取得要求転送手段157は、情報に含まれない場合、又は情報が一致しない場合は、受信されたコンテンツ取得要求は第2のコンテンツ取得要求であると判断してもよい。これに代えて、又は加えて、スケジューリング手段152が中継点設置16から取得するコンテンツデータの部分を示す情報をコンテンツ取得要求転送手段157に通知し、情報が含まれる場合又は一致する場合に受信されたコンテンツ取得要求が第2のコンテンツ取得要求であると判断し、含まれない場合又は一致しない場合に受信されたコンテンツ取得要求が第3のコンテンツ取得要求であると判断してもよい。

【0146】
例えば、スケジューリング手段152は、図10のステップS32で、コンテンツ名waseda.jp/videoA.mp4のコンテンツデータうち、セグメント番号#1から#50の分割データをICN11から取得する部分として決定し、セグメント番号#51から#250の分割データを中継点設置装置16から取得する部分として決定する。この場合、スケジューリング手段152は、コンテンツ名waseda.jp/videoA.mp4のコンテンツデータのセグメント番号#1から#50の分割データはICN11から取得するコンテンツデータの部分である旨をコンテンツ取得要求転送手段157に通知する。また、コンテンツ名waseda.jp/videoA.mp4のコンテンツデータのセグメント番号#51から#250の分割データは中継点設置装置16から取得するコンテンツデータの部分である旨をコンテンツ取得要求転送手段157に通知する。

【0147】
コンテンツ取得要求転送手段157は、コンテンツ取得要求受信手段156が制御用識別子を含まないコンテンツ取得要求を受信した場合は、そのコンテンツ取得要求が要求するコンテンツデータの部分を指定する情報と、スケジューリング手段152から通知された情報とを照らし合わせる。例えば、図10のステップS34でコンテンツ取得要求Interest(ndn:/ waseda.jp/videoA.mp4/_s1-50)がユーザ端末装置14から移動体搭載装置15に送信された場合、コンテンツ取得要求転送手段157は、このコンテンツ取得要求が要求する分割データの範囲は、ICN11から取得するコンテンツデータの部分の範囲と一致すると判断する。この場合、コンテンツ取得要求転送手段157は、受信されたコンテンツ取得要求は第3のコンテンツ取得要求であると判断し、その送出先として第3の通信インタフェース53を選択する。

【0148】
一方、図7のステップS22でコンテンツ取得要求Interest(ndn:/waseda.jp/videoA.mp4/_s51-250)がユーザ端末装置14から移動体搭載装置15に送信された場合、コンテンツ取得要求転送手段157は、このコンテンツ取得要求が要求する分割データの範囲は、中継点設置装置16から取得するコンテンツデータの部分の範囲と一致すると判断する。この場合、コンテンツ取得要求転送手段157は、受信されたコンテンツ取得要求は第2のコンテンツ取得要求であると判断し、その送出先として第2の通信インタフェース52を選択する。

【0149】
上記したものに代えて、コンテンツ取得要求転送手段157は、制御用識別子を含むコンテンツ取得要求の転送時に、その制御用識別子を含むコンテンツ取得要求、特にそのコンテンツ取得要求が要求するコンテンツデータの範囲を記憶してもよい。コンテンツ取得要求転送手段157は、コンテンツ取得要求受信手段156が制御用識別子を含まないコンテンツ取得要求を受信した場合、その制御用識別子を含まないコンテンツ取得要求が要求するコンテンツデータの範囲と記憶しておいた範囲とを比較する。コンテンツ取得要求転送手段157は、両者が一致する場合、受信されたコンテンツ取得要求は第2のコンテンツ取得要求であると判断してもよい。コンテンツ取得要求転送手段157は、両者が一致しない場合は、受信されたコンテンツ取得要求は第3のコンテンツ取得要求であると判断してもよい。

【0150】
以上、本発明をその好適な実施形態に基づいて説明したが、本発明のコンテンツ配信システム及び方法は、上記実施形態にのみ限定されるものではなく、上記実施形態の構成から種々の修正及び変更を施したものも、本発明の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0151】
10:コンテンツ配信システム
11:ICN
12:ネットワーク中継装置
13:コンテンツサーバ
14:ユーザ端末装置
15:移動体搭載装置
16:中継点設置装置
21:コンテンツ取得要求受信手段
22:コンテンツ取得要求転送手段
23:転送情報ベース
24:コンテンツ取得手段
25:コンテンツ記憶手段
26:コンテンツ転送手段
27、28:通信インタフェース
51:第1の通信インタフェース
52:第2の通信インタフェース
53:第3の通信インタフェース
54:通信インタフェース
55:第1の通信手段
56:第2の通信手段
57:第3の通信手段
58:通信手段
61:コンテンツ取得要求受信手段
62:コンテンツ取得要求転送手段
63:転送情報ベース
64:コンテンツ取得手段
65:コンテンツ記憶手段
66:コンテンツ転送手段
67:コンテンツ取得要求発生手段
68-70:通信インタフェース
151:コンテンツ選択手段
152:スケジューリング手段
153:スケジュール情報記憶部
154:コンテンツ取得指示手段
155:コンテンツ先行取得要求発生手段
156:コンテンツ取得要求受信手段
157:コンテンツ取得要求転送手段
158:転送情報ベース
159:コンテンツ取得手段
160:コンテンツ蓄積部
161:コンテンツ配信手段
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4
【図6】
5
【図7】
6
【図8】
7
【図9】
8
【図10】
9
【図11】
10