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明細書 :積層型濾過装置

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2017-113695 (P2017-113695A)
公開日 平成29年6月29日(2017.6.29)
発明の名称または考案の名称 積層型濾過装置
国際特許分類 B01D  29/01        (2006.01)
G21F   9/06        (2006.01)
B01D  29/90        (2006.01)
B01D  24/42        (2006.01)
B01D  29/92        (2006.01)
FI B01D 29/04 510A
G21F 9/06 521E
B01D 29/42 501A
B01D 29/42 510
B01D 29/04 530A
請求項の数または発明の数 5
出願形態 OL
全頁数 17
出願番号 特願2015-251561 (P2015-251561)
出願日 平成27年12月24日(2015.12.24)
発明者または考案者 【氏名】高橋 隆行
【氏名】難波 謙二
出願人 【識別番号】505089614
【氏名又は名称】国立大学法人福島大学
個別代理人の代理人 【識別番号】100087767、【弁理士】、【氏名又は名称】西川 惠清
【識別番号】100155745、【弁理士】、【氏名又は名称】水尻 勝久
【識別番号】100143465、【弁理士】、【氏名又は名称】竹尾 由重
【識別番号】100155756、【弁理士】、【氏名又は名称】坂口 武
【識別番号】100161883、【弁理士】、【氏名又は名称】北出 英敏
【識別番号】100167830、【弁理士】、【氏名又は名称】仲石 晴樹
【識別番号】100162248、【弁理士】、【氏名又は名称】木村 豊
審査請求 未請求
要約 【課題】屋外の多様な箇所に持ち運ぶことができ、その箇所で大量の水を長時間に亘って濾過することのできる積層型濾過装置を提供する。
【解決手段】積層型濾過装置は、給水路12を有する上板1と、上板1の下方に配置される底部ユニット2と、上板1と底部ユニット2の間に配置される少なくとも一つの中間ユニット3を具備する。底部ユニット2は、排水路212を有する底板21と、底板21の上方に配置される底部フィルタ22を含む。中間ユニット3は、給水路312、排水路313および突起体314を有する中間板31と、中間板31の上方に配置される中間フィルタ32を含む。中間フィルタ32の中央部分が、突起体314に支持される。
【選択図】図6
特許請求の範囲 【請求項1】
給水路を有する上板と、
前記上板の下方に配置される底部ユニットと、
前記上板と前記底部ユニットの間に配置される少なくとも一つの中間ユニットと、を具備し、
前記底部ユニットは、
排水路を有する底板と、
前記底板の上方に配置される底部フィルタとを含み、
前記少なくとも一つの中間ユニットは、
給水路、排水路および突起体を有する中間板と、
前記中間板の上方に配置される中間フィルタとを含み、
前記中間フィルタの中央部分が、前記突起体に支持される
ことを特徴とする積層型濾過装置。
【請求項2】
前記突起体は、
前記中間板の中央部に設けられた中央突起部と、
前記中央突起部から放射状に延びる複数の延長突起部とを含み、
前記中央突起部と前記複数の延長突起部が、前記中間フィルタに当接する
ことを特徴とする請求項1に記載の積層型濾過装置。
【請求項3】
前記複数の延長突起部は、
その一部分に、他の部分よりも下方に凹んだ段部を有する
ことを特徴とする請求項2に記載の積層型濾過装置。
【請求項4】
前記底板が、底部突起体をさらに有し、
前記底部フィルタの中央部分が、前記底部突起体に支持される
ことを特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載の積層型濾過装置。
【請求項5】
前記上板、前記底板および前記中間板は、透明または半透明である
ことを特徴とする請求項1~4のいずれか一項に記載の積層型濾過装置。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、積層型濾過装置に関し、詳しくは、河川等の水中から微粒子を採取することのできる積層型濾過装置に関する。
【背景技術】
【0002】
河川、海等の水中に含まれる放射性物質等の微粒子の量を測定するためには、長時間をかけて大量の水を濾過することのできる濾過装置が求められる。
【0003】
特許文献1には、被処理水から放射性物質を採取することのできる装置が、記載されている。この装置では、圧力を高めた被処理水を膜濾過部に導入し、膜濾過部を通じて放射性物質を採取する。
【先行技術文献】
【0004】

【特許文献1】特開2013-7634号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記した従来の装置は、施設等に設置される大型の装置である。そのため、屋外の多様な箇所に持ち込んで放射性物質等の微粒子を採取するには、不向きである。
【0006】
本発明は、屋外の多様な箇所に持ち運ぶことができ、その箇所で大量の水を長時間に亘って濾過することのできる積層型濾過装置を提供することを、目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る形態の積層型濾過装置は、給水路を有する上板と、前記上板の下方に配置される底部ユニットと、前記上板と前記底部ユニットの間に配置される少なくとも一つの中間ユニットとを具備する。
【0008】
前記底部ユニットは、排水路を有する底板と、前記底板の上方に配置される底部フィルタとを含む。
【0009】
前記少なくとも一つの中間ユニットは、給水路、排水路および突起体を有する中間板と、前記中間板の上方に配置される中間フィルタとを含む。
【0010】
前記中間フィルタの中央部分が、前記突起体に支持される。
【発明の効果】
【0011】
本発明の積層型濾過装置は、屋外の多様な箇所に持ち運ぶことができ、その箇所で大量の水を長時間に亘って濾過することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】一実施形態の積層型濾過装置を示す斜視図である。
【図2】図1のA-A線で切断された一実施形態の積層型濾過装置を示す斜視図である。
【図3】図1のB-B線で切断された一実施形態の積層型濾過装置を示す斜視図である。
【図4】図3の要部拡大図である。
【図5】図1のC-C線で切断された一実施形態の積層型濾過装置を示す斜視図である。
【図6】一実施形態の積層型濾過装置を分解して示す斜視図である。
【図7】一実施形態の積層型濾過装置の底部ユニットを分解して示す斜視図である。
【図8】一実施形態の積層型濾過装置の変形例を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図1~図7には、一実施形態の積層型濾過装置を示している。

【0014】
本実施形態の積層型濾過装置は、上板1と、上板1と平行に位置する板状の底部ユニット2と、上板1と底部ユニット2の間に配置される複数の板状の中間ユニット3と、を具備する。中間ユニット3は、上板1と底部ユニット2の間に少なくとも一つ配置されていればよく、本実施形態では二つの中間ユニット3が配置されている。

【0015】
上板1と底部ユニット2と各中間ユニット3は、互いに平行である。本文中で用いる平行の文言は、略平行な場合を含む。

【0016】
本文中で用いる上下方向は、上板1と底部ユニット2の相対的な位置関係を基準とし、上板1に対して底部ユニット2が位置する方向を下方向、底部ユニット2に対して上板1が位置する方向を上方向として定めているが、必ずしも実際の上下方向を意味しない。

【0017】
まず、上板1の構造について説明する。

【0018】
上板1は、上下方向を厚み方向とした板状の樹脂成形品である。上板1の下面(中間ユニット3に対向する面)の中央部分には、凹部11が形成されている。

【0019】
上板1には、給水路12が形成されている。

【0020】
給水路12は、上板1の周縁部分をその厚み方向(上下方向)に貫通する第一給水路121と、第一給水路121の途中から分岐し、上板1の中心方向にむけて延びる第二給水路122とを含む(図3参照)。

【0021】
第一給水路121の上流端は、上板1の周縁部分の上面に開口する。第一給水路121の下流端は、上板1の周縁部分の下面に開口する。第二給水路122の下流端は、上板1の凹部11に開口する。

【0022】
第一給水路121の上流端には、給水金具18が接続される。給水金具18は、上板1の上面から上方に突出し、この突出部分に図示略の給水ホースが接続される。上板1には、さらに空気弁19が装着されている。空気弁19は、給水金具18と隣接する位置で、上板1の上面から上方に突出する。

【0023】
上板1の周縁部分には、複数(四つ)の接続孔13がさらに形成されている(図6参照)。複数の接続孔13は、それぞれ上板1を厚み方向に貫通する。

【0024】
上板1の下面には、散水板15が装着される。散水板15の上面には、多数の突起151が形成されている。

【0025】
上板1の凹部11の周壁には、散水板15を装着するための溝115が形成されている(図4参照)。溝115に散水板15の周縁部が係止することで、上板1に対して散水板15が装着される。

【0026】
散水板15は、上板1に装着された状態で、上板1と平行な姿勢で凹部11内に位置する。第二給水路122の下流端は、散水板15の上面に向けて開口する。

【0027】
次に、底部ユニット2について説明する。

【0028】
底部ユニット2は、底板21と、底板21の上方に配置される底部フィルタ22とを含む(図6、図7参照)。

【0029】
底板21は、上下方向を厚み方向とした板状の樹脂成形品である。底板21の上面(中間ユニット3に対向する面)の中央部分には、凹部211が形成されている。凹部211は、中央部分2111と、これよりも一段高く形成された周縁部分2112とを含む。

【0030】
中央部分2111は、平面視(即ち上方から視たときに)円形状の底面を有し、該底面から十字状の底部突起体214が突出する。周縁部分2112は、中央部分2111の底面を囲んで位置する平面視リング状の底面を有する。周縁部分2112の底面の高さは、底部突起体214の高さと同一である。本文中で用いる同一の文言は、略同一な場合を含む。

【0031】
底板21には、排水路212が形成されている(図5参照)。

【0032】
排水路212は、底板21の周縁部分に貫通形成された第一排水路2121と、第一排水路2121の途中から分岐し、底板21の中心方向にむけて延びる第二排水路2122とを含む。

【0033】
第一排水路2121の上流端は、底板21の周縁部分の上面に開口する。第一排水路2121の上流端には、Oリング27が嵌め込まれる。第一排水路2121の下流端は、底板21の外側面に開口する。第二排水路2122の上流端は、底板21の凹部211に開口する。

【0034】
第一排水路2121の下流端には、排水金具28が接続される。排水金具28は、底板21の外側面から側方に突出し、この突出部分に図示略の排水ホースが接続される。

【0035】
底板21の周縁部分には、複数(四つ)の接続孔213がさらに形成されている(図7参照)。複数の接続孔213は、それぞれ底板21を厚み方向に貫通する。

【0036】
底部フィルタ22は、放射性物質等の微粒子を採取可能な濾紙からなるフィルタ221と、フィルタ221を保持する保持部材222とを含む。保持部材222は、多数の通水孔を有する円板状の部材である。薄膜状であるフィルタ221は、保持部材222の上面に支持される。

【0037】
底部フィルタ22は、底板21の凹部211内に配置される。保持部材222の周縁部は、凹部211の周縁部分2112に載置され、周縁部分2112によって下方から支持される。保持部材222の中央部分は、底部突起体214に載置され、底部突起体214によって下方から支持される。

【0038】
平面視十字状である底部突起体214は、凹部211の中央部分に設けられた中央突起部2141と、中央突起部2141から延びる四つの延長突起部2142を含む。

【0039】
四つの延長突起部2142は、平面視において、周方向に等間隔を隔てて放射状に延びる。中央突起部2141と四つの延長突起部2142の各々が、底部フィルタ22の保持部材222に当接し、保持部材222を下方から支持する。

【0040】
延長突起部2142は、その一部分に、下方に凹んだ段部2143を有する。段部2143は、延長突起部2142の他の部分よりも低く(中央部分2111の底面に近く)、且つ、中央部分2111の底面よりも高く位置する。

【0041】
延長突起部2142の段部2143を除いた他の部分は、中央突起部2141と同一の高さを有する。そのため、十字状の底部突起体214では、中央突起部2141と、各延長突起部2142のうち段部2143を除く部分が保持部材222に当接し、保持部材222を下方から支持する。各延長突起部2142の段部2143は、保持部材222との間にスペースを開けて位置する。このスペースが通水孔として機能する。

【0042】
本実施形態では延長突起部2142が四つであるが、延長突起部2142は複数であればよい。また、本実施形態では各延長突起部2142に段部2143が一つ形成されているが、段部2143が複数形成されてもよい。

【0043】
次に、中間ユニット3について説明する。

【0044】
本実施形態では二つの中間ユニット3を備えているが、二つの中間ユニット3は互いに同一の構成を有するので、ここでは中間ユニット3の構成を一括的に説明する。

【0045】
中間ユニット3は、中間板31と、中間板31の上方に配置される中間フィルタ32とを含む(図6参照)。

【0046】
中間板31は、上下方向を厚み方向とした板状の樹脂成形品である。中間板31の上面の中央部分には、凹部311が形成されている。凹部311は、底部ユニット2が備える底板21の凹部211と同様の構成を備える。

【0047】
つまり、凹部311は、中央部分3111と、これよりも一段高く形成された周縁部分3112とを含む。中央部分3111は、平面視円形状の底面を有し、該底面から十字状の突起体314が突出する。周縁部分3112は、中央部分3111の底面を囲んで位置する平面視リング状の底面を有する。周縁部分3112の底面の高さは、突起体314の高さと同一である。

【0048】
中間板31には、給水路312と排水路313が形成されている。

【0049】
給水路312は、上板1の給水路12と同様に、中間板31の周縁部分をその厚み方向(上下方向)に貫通する第一給水路3121と、第一給水路3121の途中から分岐し、中間板31の中心方向にむけて延びる第二給水路3122とを含む(図3参照)。

【0050】
第一給水路3121の上流端は、中間板31の周縁部分の上面に開口する。第一給水路3121の上流端には、Oリング38が嵌め込まれる。第一給水路3121の下流端は、中間板31の周縁部分の下面に開口する。第二給水路3122の下流端は、中間板31の下面の凹部316に開口する。

【0051】
中間板31の周縁部分には、複数(四つ)の接続孔315がさらに形成されている。複数の接続孔315は、それぞれ中間板31を厚み方向に貫通する。

【0052】
中間板31の下面には、散水板35が装着される。散水板35は、上板1が備える散水板15と同様の構成を備える部材であり、散水板35の上面には、多数の突起351が形成されている。

【0053】
中間板31の下面の凹部316は、上板1の凹部11と同様の構成を備える。凹部316の周壁に散水板35の周縁部が係止することで、中間板31に対して散水板35が装着される。

【0054】
排水路313は、中間板31の周縁部分に貫通形成された第一排水路3131と、第一排水路3131の途中から分岐し、中間板31の中心方向にむけて延びる第二排水路3132とを含む(図5参照)。

【0055】
第一排水路3131の上流端は、中間板31の周縁部分の上面に開口する。第一排水路3131の上流端には、Oリング39が嵌め込まれる。第一排水路3131の下流端は、中間板31の下面に開口する。第二排水路3132の上流端は、中間板31の凹部311に開口する。

【0056】
中間フィルタ32は、底部フィルタ22と同様の構成を備える(図6参照)。

【0057】
つまり、中間フィルタ32は、放射性物質等の微粒子を採取可能な濾紙からなるフィルタ321と、フィルタ321を保持する保持部材322とを含む。保持部材322は、多数の通水孔を有する円板状の部材である。薄膜状であるフィルタ321は、保持部材322の上面に支持される。

【0058】
中間フィルタ32は、中間板31の凹部311内に配置される。保持部材322の周縁部は、凹部311の周縁部分3112に載置され、周縁部分3112によって下方から支持される。保持部材322の中央部分は、突起体314に載置され、突起体314によって下方から支持される。

【0059】
突起体314は、底部突起体214と同一の寸法形状を有する。

【0060】
つまり、突起体314は、凹部311の中央部に設けられた中央突起部3141と、中央突起部3141から延びる四つの延長突起部3142を含む。

【0061】
四つの延長突起部3142は、平面視において、周方向に等間隔を隔てて放射状に延びる。中央突起部3141と四つの延長突起部3142の各々が、中間フィルタ32の保持部材322に当接し、保持部材322を下方から支持する。

【0062】
延長突起部3142は、その一部分に、下方に凹んだ段部3143を有する。段部3143は、延長突起部3142の他の部分よりも低く、且つ、中央部分3111の底面よりも高く位置する。

【0063】
延長突起部3142の段部3143を除いた他の部分は、中央突起部3141と同一の高さを有する。突起体314は、中央突起部3141と、各延長突起部3142のうち段部3143を除いた部分で保持部材322に当接する。各延長突起部3142の段部3143は、保持部材322との間にスペースを開けて位置し、このスペースが通水孔として機能する。

【0064】
突起体314においても延長突起部3142は四つであるが、延長突起部3142は複数であればよい。また、延長突起部3142に段部3143が複数形成されてもよい。

【0065】
以上、上板1、底部ユニット2および二つの中間ユニット3の各構成について説明した。

【0066】
次に、これらを組み立てて構成された本実施形態の積層型濾過装置について、さらに詳しく説明する。

【0067】
本実施形態の積層型濾過装置は、上板1、底部ユニット2および二つの中間ユニット3を、複数の連結部材4とこれらに結合される複数の結合部材5とを用いて、一体に組み立てた装置である。

【0068】
複数の連結部材4は、四本の金属製のボルトである。複数の連結部材4のそれぞれにおいて、少なくとも端部の外周面には雄ネジが形成されている。

【0069】
複数の結合部材5は、複数の連結部材4のそれぞれの端部に結合される合計4個の金属製のナットである。各結合部材5の内周面には、連結部材4の雌ネジに螺合する寸法形状の雌ネジが形成されている。

【0070】
連結部材4は、上板1、底板21および二つの中間板31に対して、一直線状に挿通される。具体的には、複数の連結部材4の一つが、上板1が有する複数の接続孔13の一つと、底板21が有する複数の接続孔213の一つと、各中間板31が有する複数の接続孔315の一つに対して、一直線状に挿通される。

【0071】
挿通された連結部材4には、結合部材5が結合される。具体的には、連結部材4のうち上板1から突出する一端部に、一つの結合部材5が螺合される。

【0072】
上記のように組み立てられた本実施形態の積層型濾過装置では、上板1の下方に中間ユニット3が積層され、この中間ユニット3の下方に別の中間ユニット3が積層され、この中間ユニット3の下方に底板ユニット2が積層される。

【0073】
以下においては、区別のため、二つの中間ユニット3のうち上方に位置する中間ユニット3を「上側中間ユニット」と称して符号3aを付す。上側中間ユニット3aが備える各構成の符号には、末尾にaを付加する。同様に、二つの中間ユニット3のうち下方に位置する中間ユニット3を「下側中間ユニット」と称して符号3bを付す。下側中間ユニット3bが備える各構成の符号には、末尾にbを付加する。

【0074】
本実施形態の積層型濾過装置には、上側濾過室C1、下側濾過室C2および中間濾過室C3が、上下に並んだ位置で形成される。

【0075】
まず、上側濾過室C1について説明する。

【0076】
上側濾過室C1は、上板1と上側中間ユニット3aが積層されることで、形成される。

【0077】
上側濾過室C1は、上板1が下面に有する凹部11と、中間板31aが上面に有する凹部311aとの間に、形成される。上側濾過室C1内に、散水板15と中間フィルタ32aが配置される。散水板15と中間フィルタ32aは上下に対向し、互いに平行に位置する。

【0078】
給水路12は、散水板15よりも上方のスペースに連通し、第二給水路122の下流端から散水板15の上面に向けて水を供給する(図3の矢印参照)。供給された水は、散水板15の多数の突起151によって散水される。排水路313aは、中間フィルタ32aよりも下方のスペースに連通し、第二排水路3132aを通じて排水を行う(図5の矢印参照)。

【0079】
中間フィルタ32aは、凹部311aの周縁部分3112aと、環状の周縁部分3112aに囲まれて位置する中央の突起体314aとで、下方から支持される。上側濾過室C1には、上板1の給水路12を通じて水が高圧で供給され、中間フィルタ32aを経て濾過された水は、中間板31aの排水路313aを通じて排水される。

【0080】
次に、下側濾過室C2について説明する。

【0081】
下側濾過室C2は、下側中間ユニット3bと底部ユニット2が積層されることで、形成される。

【0082】
下側濾過室C2は、下側中間ユニット3bの中間板31bが下面に有する凹部316bと、底板21が上面に有する凹部211との間に、形成される。下側濾過室C2内に、散水板35bと底部フィルタ22が配置される。散水板35bと底部フィルタ22は上下に対向し、互いに平行に位置する。

【0083】
給水路312bは、散水板35bよりも上方のスペースに連通し、第二給水路3122bの下流端から散水板35bの上面に向けて水を供給する(図3の矢印参照)。供給された水は、散水板35bの多数の突起351bによって散水される。排水路212は、底部フィルタ22よりも下方のスペースに連通し、第二排水路2122を通じて排水を行う(図5の矢印参照)。

【0084】
底部フィルタ22は、凹部211の周縁部分2112と、環状の周縁部分2112に囲まれて位置する中央の底部突起体214とで、下方から支持される。下側濾過室C2には、中間板31bの給水路312bを通じて水が高圧で供給され、底部フィルタ22を経て濾過された水は、底板21の排水路212を通じて排水される。

【0085】
次に、中間濾過室C3について説明する。

【0086】
中間濾過室C3は、上側中間ユニット3aと下側中間ユニット3bが積層されることで、形成される。

【0087】
中間濾過室C3は、上側中間ユニット3aの中間板31aが下面に有する凹部316aと、下側中間ユニット3bの中間板31bが上面に有する凹部311bとの間に、形成される。中間濾過室C3内に、散水板35aと中間フィルタ32bが配置される。散水板35aと中間フィルタ32bは上下に対向し、互いに平行に位置する。

【0088】
給水路312aは、散水板35aよりも上方のスペースに連通し、第二給水路3122aの下流端から散水板35aの上面に向けて水を供給する(図3の矢印参照)。供給された水は、散水板35aの多数の突起351aによって散水される。排水路313bは、中間フィルタ32bよりも下方のスペースに連通し、第二排水路3132bを通じて排水を行う(図5の矢印参照)。

【0089】
中間フィルタ32bは、凹部311bの周縁部分3112bと、環状の周縁部分3112bに囲まれて位置する中央の突起体314bとで、下方から支持される。中間濾過室C3には、中間板31aの給水路312aを通じて水が高圧で供給され、中間フィルタ32bを経て濾過された水は、中間板31bの排水路313bを通じて排水される。

【0090】
本実施形態の積層型濾過装置では、図3に示すように、上板1が有する給水路12の第一給水路121と、上側中間ユニット3aが有する給水路312aの第一給水路3121aと、下側中間ユニット3bが有する給水路312bの第一給水路3121bとが、この順で上から下に一直線状に連通する。

【0091】
第一給水路121と第一給水路3121aの間には、Oリング38aが介在する。第一給水路3121aと第一給水路3121bの間には、Oリング38bが介在する。

【0092】
給水金具18を介して給水路12に高圧で水が供給されると、上側濾過室C1、下側濾過室C2および中間濾過室C3に対して、それぞれ高圧で水が供給される。最初に水を供給する際には、各濾過室内C1,C2,C3に水を満たすために空気弁19を開放する。

【0093】
また、本実施形態の積層型濾過装置では、図5に示すように、上側中間ユニット3aが有する排水路313aの第一排水路3131aと、下側中間ユニット3bが有する排水路313bの第一排水路3131bと、底板21が有する排水路212の第一排水路2121とが、この順で上から下に一直線状に連通する。

【0094】
第一排水路3131aと第一給水路3131bの間には、Oリング39bが介在する。第一給水路3131bと第一給水路2121の間には、Oリング27が介在する。

【0095】
上側濾過室C1、下側濾過室C2および中間濾過室C3で濾過された水は、排水金具28を介して一括的に排出される。

【0096】
上記のように濾過を行うとき、上側濾過室C1は、中間フィルタ32aを挟んで上側のスペースが給水側の高圧室となり、中間フィルタ32aを挟んで下側のスペースが、排水側の低圧室となる。給水側と排水側の差圧により、中間フィルタ32aを介して濾過がなされる。

【0097】
同様に、下側濾過室C2は、底部フィルタ22を挟んで上側のスペースが給水側の高圧室となり、底部フィルタ22を挟んで下側のスペースが排水側の低圧室となり、給水側と排水側の差圧により、底部フィルタ22を介して濾過がなされる。中間濾過室C3は、中間フィルタ32bを挟んで上側のスペースが給水側の高圧室となり、中間フィルタ32bを挟んで下側のスペースが排水側の低圧室となり、給水側と排水側の差圧により、中間フィルタ32bを介して濾過がなされる。

【0098】
上側濾過室C1では、中間フィルタ32aの中央部分が、十字型の突起体314a(中央突起部3141aと複数の延長突起部3142a)によって支持される。同様に、下側濾過室C2では、底部フィルタ22の中央部分が、十字型の底部突起体214(中央突起部2141と複数の延長突起部2142)によって支持される。中間濾過室C3では、中間フィルタ32bの中央部分が、十字型の突起体314b(中央突起部3141bと複数の延長突起部3142b)によって支持される。

【0099】
本実施形態の積層型濾過装置において、上側濾過室C1と中間濾過室C3は、上側中間ユニット3aの中間板31aによって上下に仕切られる。中間板31aを挟んで上側に、上側濾過室C1の排水側の低圧室が位置する。中間板31aを挟んで下側に、中間濾過室C3の給水側の高圧室が位置する。そのため、中間板31aには、高圧室と低圧室の間の差圧が作用する。

【0100】
これに対して、中間板31aの中央部分(突起体314aが位置する部分)においては、突起体314aが中間フィルタ32aを支持することから、高圧室と低圧室の間の差圧が作用しない。中間板31aの中央部分では、上側濾過室C1の給水側の高圧室と、中間濾過室C3の給水側の高圧室が、突起体314aを含む中間板31aとこれに支持される中間フィルタ32aを挟んで、互いに反対側に位置する。

【0101】
したがって、中間板31aのうち突起体314aが形成される部分には、高圧室と低圧室の間の差圧が作用しない。加えて、十字状の突起体314aは、中間板31aの中央部分の強度を向上させ、中間板31a全体を高強度化する。そのため、中間板31aの全体の厚みを抑えても差圧に耐えることが可能となり、中間板31aのコンパクト化および軽量化が実現される。

【0102】
仮に、突起体314aが存在しない場合には、中間板31aの略全域に亘って大きな差圧が作用するので、これに耐えるために中間板31aの全体を肉厚に形成する必要があり、延いては装置全体の大型化および高重量化をまねく。

【0103】
なお、突起体314aは十字状であり、且つ、延長突起部3142aの一部分に段部3143aを有するので、突起体314aによって水の流れが阻害されることは防止される。

【0104】
同様に、中間濾過室C3と下側濾過室C2は、下側中間ユニット3bの中間板31bによって上下に仕切られる。中間板31bを挟んで上側に、中間濾過室C3の排水側の低圧室が位置し、中間板31bを挟んで下側に、下側濾過室C2の給水側の高圧室が位置する。そのため、中間板31bには、高圧室と低圧室の間の差圧が作用する。

【0105】
これに対して、中間板31bの中央部分においても、突起体314bが中間フィルタ32bを支持することから、高圧室と低圧室の間の差圧が作用しない。中間板31bの中央部分では、中間濾過室C3の給水側の高圧室と、下側濾過室C2の給水側の高圧室が、突起体314bを含む中間板31bと中間フィルタ32bを挟んで、互いに反対側に位置する。

【0106】
加えて、十字状の突起体314bは、中間板31bの強度を高める。そのため、中間板31bの全体の厚みを抑えても差圧に耐えることができ、中間板31bのコンパクト化および軽量化が実現される。突起体314bは十字状であり、延長突起部3142bの一部分に段部3143bを有するので、突起体314bによって水の流れが阻害されることは防止される。

【0107】
また、下側濾過室C2と外部空間は、底部ユニット2の底板21によって上下に仕切られる。底板21には、下側濾過室C2と外部空間の間の差圧が作用する。

【0108】
これに対して、底板21の中央部分に十字状の底部突起体214が位置することで、底部突起体214によって底部フィルタ22の中央部分が支持されるとともに、底板21の強度が高められる。そのため、底板21の厚みを抑えることが可能となり、延いては装置全体のコンパクト化および軽量化が実現される。底部突起体214は十字状であり、その一部分に段部2143を有するので、突起体214によって水の流れが阻害されることは防止される。

【0109】
また、本実施形態の積層型濾過装置では、複数の突起体314a,314b,214同士を、平面視において互いに重なる寸法形状で配置している。

【0110】
これにより、本実施形態の積層型濾過装置のうち複数の突起体314a,314b,214が位置する中央部分では、上板1と底板21の間に排水側の低圧室が介在せず、中間板31a,31bとフィルタ32a,32bを介して、給水側の高圧室同士が上下に積層された構造となっている。

【0111】
なお、これら複数の突起体314a,314b,214の形状や配置は、本実施形態の形状や配置に限定されるものではない。複数の突起体314a,314b,214の一部または全部を、本実施形態とは異なる形状や配置にすることや、複数の突起体314a,314b,214を互いに異なる形状や配置にすることも可能である。

【0112】
ところで、上板1、底板21および中間板31a,31bは、樹脂を用いて透明または半透明に成形されていることが好ましい。各板1,21,31a,31bが透明または半透明であると、各濾過室C1,C2,C3内の状況を外部から容易に視認することができる。

【0113】
特に屋外での調査では、ある地点で濾過を行っている間にその場を離れることが多く、戻ってきた際に各濾過室C1,C2,C3内の状況(異物混入の有無、濾過が正常に進行しているか否か、等)を速やかに確認できるという利点がある。

【0114】
図8には、本実施形態の積層型濾過装置の変形例を示している。

【0115】
この変形例は、上板1と底部ユニット2の間に多数の中間ユニット3を介在させた例であり、図1~図7に示す上側中間ユニット3aや下側中間ユニット3bと同様の構成を備える中間ユニット3を、都合9個上下に積層させている。

【0116】
上板1と、最も上方に位置する中間ユニット3との間には、上側濾過室C1が形成される。底板ユニット2と、最も下方に位置する中間ユニット3との間には、下側濾過室C2が形成される。

【0117】
上下に隣接する中間ユニット3間には、中間濾過室C3が形成される。中間濾過室C3は、上下に積層される中間ユニット3の数よりも一つ少なく形成される。この変形例では、都合9つ積層される中間ユニット3の間に、8つの中間濾過室C3が形成される。

【0118】
この変形例においても、給水金具18を通じて水を供給することで、上側濾過室C1と、下側濾過室C2と、両濾過室C1,C2間に形成される多数の中間濾過室C3のそれぞれにおいて、水の濾過が行われる。

【0119】
中間ユニット3の数は、適宜に選択可能である。中間ユニット3を一つだけ備えた場合には、上側濾過室C1と下側濾過室C2だけが形成される。

【0120】
変形例のように多数の中間ユニット3をセットした場合は、フィルタ交換を要することなく大量の水を長時間に亘って濾過することができる。特に屋外での調査においては、ある地点に装置をセットした後に、そのまま放置して別の箇所の調査を行うことができるという利点がある。

【0121】
また、上板1と底部ユニット2の間に中間ユニット3を介在させずに用いることも可能である。この場合、上板1の凹部11と底板21の凹部211の間に一つの濾過室が形成され、上板1の給水路12を通じて該濾過室に導入された水が底部フィルタ22で濾過され、濾過された水が底板21の排水路212を通じて排水される。

【0122】
その他、第一給水路121や排水路212の構造変更等により、たとえば複数回フィルタを通過させる構造に変更することも可能である。

【0123】
以上、添付図面に基づいて説明したように、本実施形態の積層型濾過装置は第一の特徴として、給水路12を有する上板1と、上板1の下方に配置される底部ユニット2と、上板1と底部ユニット2の間に配置される少なくとも一つの中間ユニット3とを具備する。

【0124】
底部ユニット2は、排水路212を有する底板21と、底板21の上方に配置される底部フィルタ22とを含む。

【0125】
少なくとも一つの中間ユニット3は、給水路312、排水路313および突起体314を有する中間板31と、中間板31の上方に配置される中間フィルタ32とを含む。中間フィルタ32の中央部分が、突起体314に支持される。

【0126】
したがって、本実施形態の積層型濾過装置では、上板1とこれの下方に位置する中間ユニット3の間に、中間フィルタ32の位置する上側濾過室C1が形成される。上側濾過室C1には、上板1の給水路12を通じて給水され、中間フィルタ32で濾過された水は、中間ユニット3の排水路313を通じて排水される。

【0127】
底部ユニット2とこれの上方に位置する中間ユニット3の間には、底部フィルタ22の位置する下側濾過室C2が形成される。下側濾過室C2には、中間ユニット3の給水路312を通じて給水され、底部フィルタ22で濾過された水は、底部ユニット2の排水路212を通じて排水される。

【0128】
中間ユニット3の数が2以上である場合には、上下に隣接する中間ユニット3間に、中間フィルタ32の位置する中間濾過室C3が形成される。中間濾過室C3には、上側の中間ユニット3の給水路312を通じて給水され、中間フィルタ32で濾過された水は、下側の中間ユニット3の排水路313を通じて排水される。

【0129】
そして、本実施形態の積層型濾過装置では、中間ユニット3の中間板31が突起体314を有し、突起体314が中間フィルタ32の中央部分を支持するので、中間板31を挟んで上側の低圧室と下側の高圧室との間の差圧が、中間板31に作用することが抑えられる。加えて、突起体314によって中間板31の強度が高められる。

【0130】
そのため、本実施形態の積層型濾過装置によれば、中間板31の厚みを抑えることができ、装置全体がコンパクト化および軽量化されるので、屋外の多様な箇所に持ち運び、その箇所で大量の水を長時間に亘って濾過することが可能となる。

【0131】
加えて、本実施形態の積層型濾過装置は第二の特徴として、下記の構成を具備する。

【0132】
つまり、本実施形態の積層型濾過装置において、突起体314は、中間板31の中央部に設けられた中央突起部3141と、中央突起部3141から放射状に延びる複数の延長突起部3142とを含む。中央突起部3141と複数の延長突起部3142が、中間フィルタ32に当接する。

【0133】
そのため、本実施形態の積層型濾過装置によれば、中間フィルタ32を通じて濾過された後の水の流路(排水側の低圧室での流路)を確保しながら、突起体314によって中間板31の全体を補強し、中間板31のさらなる薄型化に寄与することができる。

【0134】
加えて、本実施形態の積層型濾過装置は第三の特徴として、下記の構成を具備する。

【0135】
つまり、本実施形態の積層型濾過装置において、複数の延長突起部3142は、その一部分に、他の部分よりも下方に凹んだ段部3143を有する。

【0136】
そのため、本実施形態の積層型濾過装置によれば、段部3143と中間フィルタ32の間に通水孔が形成され、中間フィルタ32を通じて濾過された後の水の流路(排水側の低圧室での流路)が一層確保される。

【0137】
加えて、本実施形態の積層型濾過装置は第四の特徴として、下記の構成を具備する。

【0138】
つまり、本実施形態の積層型濾過装置においては、底板21が、底部突起体214をさらに有する。底部フィルタ22の中央部分が、底部突起体214に支持される。

【0139】
そのため、本実施形態の積層型濾過装置によれば、底部突起体214によって底部フィルタ22の中央部分が支持されるとともに、底板21の強度が高められるので、底板21の厚みを抑えることが可能となり、装置全体の一層のコンパクト化および軽量化が実現される。

【0140】
加えて、本実施形態の積層型濾過装置は第五の特徴として、下記の構成を具備する。

【0141】
つまり、本実施形態の積層型濾過装置において、上板1、底板21および中間板31は、透明または半透明である。

【0142】
そのため、本実施形態の積層型濾過装置によれば、透明または半透明の上板1、底板21および中間板31を通じて、上側濾過室C1,下側濾過室C2等の状況を外部から容易に視認することが可能となる。

【0143】
以上、実施形態について説明したが、積層型濾過装置は上記した実施形態に限定されず、適宜の設計変更を行うことが可能である。
【符号の説明】
【0144】
1 上板
12 給水路
2 底部ユニット
21 底板
212 排水路
214 底部突起体
22 底部フィルタ
3 中間ユニット
31 中間板
312 給水路
313 排水路
314 突起体
3141 中央突起部
3142 延長突起部
3143 段部
32 中間フィルタ
C1 上側濾過室
C2 下側濾過室
C3 中間濾過室
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4
【図6】
5
【図7】
6
【図8】
7