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明細書 :再生研磨材の製造方法、及び再生研磨材の製造装置

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2017-109291 (P2017-109291A)
公開日 平成29年6月22日(2017.6.22)
発明の名称または考案の名称 再生研磨材の製造方法、及び再生研磨材の製造装置
国際特許分類 B24B  57/02        (2006.01)
FI B24B 57/02
請求項の数または発明の数 10
出願形態 OL
全頁数 18
出願番号 特願2015-247512 (P2015-247512)
出願日 平成27年12月18日(2015.12.18)
発明者または考案者 【氏名】佐藤 理夫
【氏名】阿部 和三
出願人 【識別番号】505089614
【氏名又は名称】国立大学法人福島大学
個別代理人の代理人 【識別番号】100087767、【弁理士】、【氏名又は名称】西川 惠清
【識別番号】100155745、【弁理士】、【氏名又は名称】水尻 勝久
【識別番号】100143465、【弁理士】、【氏名又は名称】竹尾 由重
【識別番号】100155756、【弁理士】、【氏名又は名称】坂口 武
【識別番号】100161883、【弁理士】、【氏名又は名称】北出 英敏
【識別番号】100167830、【弁理士】、【氏名又は名称】仲石 晴樹
【識別番号】100162248、【弁理士】、【氏名又は名称】木村 豊
審査請求 未請求
テーマコード 3C047
Fターム 3C047FF08
3C047GG14
3C047GG17
要約 【課題】研磨材として使用しやすい再生研磨材を形成することができる再生研磨材の製造方法を提供する。
【解決手段】本発明の再生研磨材の製造方法は、使用済み研磨材の水分散液にガスを溶解させる工程と、この水分散液を凍結させて凝固体を作製する工程と、この凝固体を融解させる工程とを含む。
【選択図】図1
特許請求の範囲 【請求項1】
使用済み研磨材の水分散液にガスを溶解させる工程と、
前記水分散液を凍結させて凝固体を作製する工程と、
前記凝固体を融解させる工程とを含む、
再生研磨材の製造方法。
【請求項2】
前記使用済み研磨材が希土類元素の酸化物を含む、
請求項1に記載の再生研磨材の製造方法。
【請求項3】
前記希土類元素の酸化物が酸化セリウムを含む、
請求項2に記載の再生研磨材の製造方法。
【請求項4】
前記ガスが酸性ガスを含む、
請求項1乃至3のいずれか一項に記載の再生研磨材の製造方法。
【請求項5】
前記酸性ガスが二酸化炭素を含む、
請求項4に記載の再生研磨材の製造方法。
【請求項6】
前記水分散液を冷媒に滴下することにより、前記水分散液を凍結させて前記凝固体を作製する、
請求項1乃至5のいずれか一項に記載の再生研磨材の製造方法。
【請求項7】
前記冷媒に前記ガスを導入し、この冷媒に前記水分散液を滴下して、前記水分散液に前記ガスを溶解させる、
請求項6に記載の再生研磨材の製造方法。
【請求項8】
前記冷媒に前記ガスをバブリングすることにより、前記冷媒に前記ガスを導入する、
請求項7に記載再生研磨材の製造方法。
【請求項9】
前記水分散液に前記ガスをバブリングすることにより、前記水分散液に前記ガスを溶解させる、
請求項1乃至8のいずれか一項に記載の再生研磨材の製造方法。
【請求項10】
使用済み研磨材の水分散液に、ガスを導入するガス導入部と、
前記水分散液を凍結させて凝固体を作製する凍結部と、
前記凝固体を融解させる融解部とを含む、
再生研磨材の製造装置。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、一般には、再生研磨材の製造方法及びその製造装置に関し、詳細には、使用済み研磨材から再生研磨材を製造する方法及びその製造装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、光学レンズ、ガラス基板等のガラス製品、シリコンウェハ等の電子部品等を研磨するために、セリウム、ランタン等の希土類を含む研磨材が用いられる。この研磨材を用いてガラス製品等を研磨する場合、研磨材の水分散液を含浸させた研磨パッドをガラス製品等に当てて擦ることにより、ガラス製品等を研磨することができる。未使用の研磨材は、適度な粒径を有する二次粒子が含まれ、そのために研磨能力を備えているが、研磨材を使用する過程で二次粒子が砕けることにより、径の小さな一次粒子が形成され、研磨能力が低下する。一般的に、研磨能力が低下した使用済み研磨材は廃棄されるが、近年の希土類の価格の高騰から、使用済み研磨材を再利用する方法が求められている。
【0003】
例えば、特許文献1には、使用済みのガラス研磨材の水分散液を回収した後、この水分散液を凍結させて、氷の結晶の間にガラス研磨材の二次粒子を形成し、この氷を融解させて、ガラス研磨材の二次粒子を含む水分散液を形成し、更にこの水分散液から水を除去することにより、再使用可能なガラス研磨材(再生研磨材)を得ることが開示されている。
【0004】
特許文献2には、ガラス研磨材の使用済みスラリーを冷媒中に滴下して凍結させた後、この凍結したスラリーと冷媒とを静置し融解させて、冷媒、水、ガラス研磨材がそれぞれ含まれる三層に分離し、更にガラス研磨材の層から冷媒及び水を除去することにより、再生研磨材を得ることが開示されている。
【0005】
特許文献1、2の方法では、使用済み研磨材の水分散液を凍結する過程で、研磨材粒子の二次粒子が形成される。この二次粒子は、使用済み研磨材中の一次粒子よりも径が大きい。再生研磨材にこの二次粒子が含まれることにより、再生研磨材をガラス製品の研磨に使用することができる。
【先行技術文献】
【0006】

【特許文献1】特開2010-214515号公報
【特許文献2】特開2015-150658号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、特許文献1に開示の方法では、二次粒子が凝集して、径が大きすぎる凝集体が形成されることがある。このような凝集体は、水に分散させてもすぐに沈殿してしまう、研磨パッドの異物除去フィルターによって捕捉されてしまう、凝集体を粉砕する工程が必要となってしまう等の理由により、研磨材として使用しにくい。
【0008】
また、特許文献2に開示の方法では、特許文献1の方法よりも、使用済み研磨材の水分散液を早く凍結させられるため、径が大きすぎる凝集体の形成が抑制されるが、このような凝集体の形成を更に抑制することが求められている。
【0009】
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、研磨材として使用しやすい再生研磨材の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係る再生研磨材の製造方法は、
使用済み研磨材の水分散液にガスを溶解させる工程と、
前記水分散液を凍結させて凝固体を作製する工程と、
前記凝固体を融解させる工程とを含むことを特徴とする。
【0011】
本発明に係る再生研磨材の製造装置は、
使用済み研磨材の水分散液に、ガスを導入するガス導入部と、
前記水分散液を凍結させて凝固体を作製する凍結部と、
前記凝固体を融解させる融解部とを含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明の再生研磨材の製造方法は、研磨材として使用しやすい再生研磨材を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】再生研磨材の製造装置の一例である第一製造装置の概略図である。
【図2】再生研磨材の製造装置の一例である第二製造装置の概略図である。
【図3】再生研磨材の製造装置の一例である第三製造装置の概略図である。
【図4】凝集体の粒度分布を測定した結果を示すグラフである。
【図5】凝集体に超音波振動を加える前後の、凝集体の粒度分布を測定した結果を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明を実施するための形態を説明する。

【0015】
本実施形態に係る再生研磨材の製造方法は、使用済み研磨材の水分散液にガスを溶解させる工程と、この水分散液を凍結させて凝固体を作製する工程と、この凝固体を融解させる工程とを含む。

【0016】
本実施形態の再生研磨材の製造方法では、ガスが溶解した使用済み研磨材の水分散液を凍結させて凝固体を作製すると、凝固体中に使用済み研磨材の粒子が凝集した凝集体が形成される。この凝集体中にはガスの気泡の痕跡が形成される。凝固体を融解させると凝集体が沈殿する。凝集体はガスの気泡の痕跡のため脆くなっている。この凝集体を回収して研磨に使用すると、凝集体は研磨の圧力によって容易に砕け、研磨に適した二次粒子が形成される。このため、凝集体をそのまま再生研磨材として使用することができる。また凝集体は、撹拌振動、超音波処理等で容易に粉砕することができるため、研磨に適した二次粒子を容易に形成することができる。このため、凝集体を粉砕することで再生研磨材を得ることもできる。

【0017】
本実施形態に係る再生研磨材の製造方法について、各工程ごとに説明する。

【0018】
(使用済み研磨材の水分散液を用意する工程)
この工程では、使用済み研磨材の水分散液(以下、単に「水分散液」ともいう)を用意する。使用済み研磨材とは、被研磨物の研磨に使用した後の研磨材である。被研磨物として、例えば、光学レンズ、プリズム、ミラーなどの光学部品、ハードディスクや液晶パネルなどのガラス基板等のガラス製品が挙げられる。使用済み研磨材の水分散液とは、使用済み研磨材が水中に分散したスラリーである。

【0019】
本実施形態では、研磨材が希土類元素の酸化物を含むことが好ましい。すなわち、使用済み研磨材が希土類元素の酸化物を含むことが好ましく、これにより、再生研磨材も希土類元素の酸化物を含むことが好ましい。この場合、研磨材及び再生研磨材を用いて、特にケイ素を含む被研磨物を化学研磨によって研磨することができる。希土類元素として、例えば、セリウム、ランタン、ネオジム等が挙げられる。

【0020】
本実施形態では、特に希土類元素の酸化物が酸化セリウムを含むことが好ましい。以下、研磨材を用いた研磨のメカニズムを、特に、酸化セリウムを含有する研磨材でガラス製品を研磨する場合を例に挙げて説明する。酸化セリウムを含む研磨材を用いてガラス製品を研磨する際、ガラスの主成分である酸化珪素(SiO)においてSi-O結合を形成しているSiの一部が、研磨材に含まれる酸化セリウム(CeO)中のCeと置換され、研磨材とガラスとの間にCe-O結合が形成される。このCe-O結合は、Si-O結合よりも弱いため、乖離しやすい。それゆえ、Ce-O結合周辺のガラス組織はガラス製品表面から剥離しやすい。酸化セリウムを含む研磨材を用いてガラス製品を研磨する場合、上記の酸化セリウムの特性によって、ガラス製品表面に存在する歪み、突起等が剥離されるため、ガラス製品の表面を平滑にすることができる。また酸化セリウムはガラスよりも硬度が低いため、ガラス製品である被研磨物を研磨する場合に、被研磨物に傷が付くことを抑制することができる。

【0021】
使用済み研磨材の粒子(以下、研磨材粒子ともいう)の多くは、粒径の小さい一次粒子である。これは、未使用の研磨材中の粒子が研磨の過程で砕けて粒径が小さくなり、一次粒子が形成されるからである。また、使用済み研磨材の水分散液には、被研磨物由来の成分が混入する。特に、被研磨物がガラス製品であると、水分散液には、ナトリウム等のガラス製品由来のアルカリ成分が混入する。この場合、水分散液はアルカリ性である。

【0022】
被研磨物由来の成分には、研磨前の荒削り等で形成された粗大なガラス組織、研磨によって形成された粗大なガラス組織等の粗大な異物が含まれ得る。これらの粗大な異物は、使用済み研磨材の水分散液を用意する工程において、水分散液から取り除くことが好ましい。

【0023】
(水分散液にガスを溶解させる工程)
この工程では、水分散液にガスを溶解させる。ガスは、水分散液に溶解することができるガスである。

【0024】
特に本実施形態では、ガスが酸性ガスを含むことが好ましい。水分散液がアルカリ性である場合に、ガスが酸性ガスを含むことにより、ガスを水分散液に容易に溶解させることができる。例えば、酸性ガスには、二酸化炭素(CO)、窒素酸化物(NO)、及び二酸化硫黄(SO)からなる群から選択される一種以上が含まれ得る。本実施形態では、特に酸性ガスが二酸化炭素を含むことが好ましい。二酸化炭素は毒性がなく、水に対する溶解性が高く、シリコーンオイル等の冷媒に対する溶解性も有するためである。

【0025】
水分散液にガスを溶解させる方法として、例えば、水分散液に対して直接ガスを溶解させる方法、及び冷媒を使用する場合に、冷媒から水分散液にガスを移動させる方法が挙げられる。

【0026】
水分散液に対して直接ガスを溶解させる方法は、水分散液にガスが溶解すれば特に限定されない。この方法として、例えば、水分散液にガスをバブリングすること、水分散液を収容する密閉容器中にガスを充満させて水分散液にガスを溶解させること、ドライアイス等のガスを発生する固体を水分散液に投入すること、及びガスが充満した容器中に水分散液を噴霧すること等が挙げられる。特に本実施形態では、水分散液にガスをバブリングすることにより、水分散液にガスを溶解させることが好ましい。この場合、水分散液に対するガスの溶解量を容易に調整することができる。

【0027】
冷媒から水分散液にガスを移動させる方法は、水分散液と、ガスを導入した冷媒とを接触させることで、この冷媒から水分散液にガスを移動させる方法である。冷媒と水分散液とを接触させる方法としては、例えば、冷媒に水分散液を滴下すること、及び冷媒と水分散液とを混合することが挙げられる。このことについては後述する。

【0028】
(水分散液を凍結させて凝固体を作製する工程)
この工程では、ガスが溶解された水分散液を冷却して凝固させることにより、水分散液の凝固体を作製する。この工程では、水が凍結して結晶を形成する際に、結晶から使用済み研磨材粒子及びガスが排除される。このため、凝固体中には、研磨材粒子が凝集した凝集体が形成される。この凝固体にはガスの気泡が形成される。

【0029】
水分散液を凍結させる方法として、例えば、水分散液が入った容器を冷却する方法、及び冷媒と水分散液とを接触させる方法が挙げられる。

【0030】
水分散液が入った容器を冷却する方法では、ガスが溶解された水分散液を容器にいれ、この容器ごと水分散液を冷却することにより、水分散液を凝固させ、凝固体を作製する。冷却温度及び冷却時間は、水分散液の組成、水分散液の量によって適宜設定される。冷媒と水分散液とを接触させる方法では、冷却した冷媒に水分散液を接触させることにより水分散液を凝固させ、凝固体を作製する。特に本実施形態では、水分散液を冷媒に滴下することにより、水分散液を凍結させて前記凝固体を作製することが好ましい。この場合、凝固時の水分散液の比表面積を大きくすることができるため、水分散液を早く凝固させることができる。

【0031】
この冷媒は、水よりも融点が低ければ特に限定されないが、水と比重が異なることが好ましく、例えば、冷媒が油脂であることが好ましい。また、冷媒がシリコーンオイルであることも好ましい。冷媒の温度は、例えば、-5℃~-30℃の範囲内であることが好ましい。この場合、適度な粒径を有する凝集体を効率良く形成することができる。

【0032】
冷媒で水分散液を凝固させる場合、上述の通り、冷媒にガスを導入し、この冷媒に水分散液を滴下して、冷媒から水分散液にガスを移動させることにより、水分散液にガスを溶解させてもよい。この場合、水分散液に対するガスの導入と、水分散液を凍結させることによる凝固体の作製とを、一度にすることができる。また、ガスを導入・溶解した冷媒に水分散液を滴下すると、冷媒中のガスが水分散液に移動すると共に、水分散液の液滴付近の冷媒の温度が上昇し、ガスの冷媒への飽和溶解度が下がる。このため、冷媒に溶解しているガスの一部が気化し、冷媒から気化熱が奪われるため、液滴の周囲で冷媒の温度が低下する。ガスを導入した冷媒に水分散液を滴下して水分散液を凝固させる場合には、冷媒にガスを導入していない場合よりも、早く水分散液を凝固させることができる。なお、ガスを導入した冷媒には、ガスが溶解させていない水分散液だけでなく、ガスが溶解させた水分散液を導入してもよい。冷媒にガスを導入・溶解させる方法は特に限定されないが、特に本実施形態では、冷媒にガスをバブリングすることにより、冷媒にガスを導入・溶解させることが好ましい。この場合、冷媒に対するガスの溶解量を容易に調整することができる。

【0033】
冷媒と水分散液とを接触させる方法として、冷媒と水分散液とを混合する方法を採用してもよい。この方法では、冷却された冷媒と、水分散液とを混合することにより、水分散液のみを凝固させて凝固体を作製する。この場合、冷媒と水分散液との混合という容易な方法により、凝固体を作製することができる。冷媒と水分散液とを混合する方法では、水分散液にガスが導入されていてもよく、冷媒にガスが導入されていてもよく、水分散液と冷媒の両方にガスが導入されていてもよい。特に冷媒から水分散液へガスを移動させる場合には、ガスが二酸化炭素であると共に、冷媒がシリコーンオイルであることが好ましい。この二酸化炭素は、冷媒及び水に溶解しやすく、且つ冷媒よりも水に溶解しやすいことから、冷媒から水分散液に二酸化炭素は容易に移動する。

【0034】
(凝固体を融解させる工程)
凝固体を融解させる工程では、水分散液を凍結させて作製した凝固体を融解させる。凝固体を融解させる方法は特に限定されない。例えば、凝固体を室温に静置することで、凝固体を融解させることができる。もちろん、凝固体を加温することで、凝固体を融解させてもよい。

【0035】
水分散液が入った容器を冷却することにより凝固体を作製した場合には、凝固体が融解すると、主に凝集体が含まれる層(再生研磨材層)と、主に水が含まれる層(水層)との二層が形成される。凝集体は、水中で沈殿しやすいため、再生研磨材層が下層となり、水層が上層となる。この再生研磨材層から、凝集体を回収する。

【0036】
冷媒と水分散液と接触させることにより凝固体を作製し、冷媒と凝固体とが混在した状態で凝固体が融解される場合、凝固体が融解すると、主に冷媒が含まれる層(冷媒層)、主に凝集体が含まれる層(再生研磨材層)と、主に水が含まれる層(水層)との三層が形成される。冷媒が水よりも比重が小さい場合には、再生研磨材層の上に水層が配置され、この水層の上に冷媒層が配置される。この再生研磨材層から、凝集体を回収する。尚、冷媒層から冷媒を回収し、再利用してもよい。

【0037】
凝固体が融解すると、研磨材粒子の凝集体が沈殿する。この凝集体からガスが抜けるが、ガスの気泡の痕跡が形成されるため、脆くなっている。

【0038】
この脆い凝集体を研磨に使用すると、研磨の圧力によって凝集体が粉砕されて、研磨に適した二次粒子が容易に形成される。このため、回収した凝集体を再生研磨材として用いることができる。また凝集体は、撹拌振動等の操作によって容易に粉砕することができるため、研磨に適した二次粒子を容易に形成することができる。このため、回収した凝集体を撹拌振動等で粉砕することで、再生研磨材を得てもよい。

【0039】
再生研磨材を水で洗浄してもよい。この場合、再生研磨材に含まれる被研磨物に由来する成分を少なくすることができ、再生研磨材の純度を高めることができる。

【0040】
上記で説明した再生研磨材の製造方法の例(製造方法例1~製造方法例3)を以下に示す。再生研磨材の製造方法は、これらの例に限定されない。

【0041】
(製造方法例1)
製造方法例1では、まず、酸化セリウムを含む使用済み研磨材の水分散液を用意する。

【0042】
次に、水分散液にガスを溶解させる。ガスは例えば二酸化炭素である。水分散液にガスをバブリングすることにより、水分散液にガスを溶解させる。製造方法例1では、特にガスが二酸化炭素である場合、バブリングで水分散液に供給される二酸化炭素の量は、水分散液1Lに対して、標準状態で0.5~5Lの範囲内であることが好ましい。この場合、凝集体中に十分な二酸化炭素の気泡の痕跡を形成することができる。

【0043】
次に、水分散液を凍結させて、凝固体を作製する。製造方法例1では、水分散液を凍結させる方法として、水分散液が入った容器を冷却する方法を採用することができる。冷却時の温度は、例えば、-10℃~-25℃の範囲内が好ましく、-15℃~-20℃の範囲内がより好ましい。この場合、凝集体が大きくなり過ぎることを抑制することができる。冷却時間は、1時間以上であることが好ましく、2時間以上であることがより好ましい。

【0044】
次に凝固体を融解させる。製造方法例1では、容器に入った水分散液の凝固体を室温で静置することにより、凝固体を融解させることができる。凝固体が融解されると、凝固体が、主に研磨材粒子の凝集体が含まれる再生研磨材層と、主に水が含まれる水層との二層が形成される。この再生研磨材層から、凝集体を回収する。

【0045】
(製造方法例2)
製造方法例2では、製造方法例1と同様に、使用済み研磨材の水分散液を用意した後、水分散液に二酸化炭素を溶解させる。

【0046】
次に、水分散液を冷媒に滴下する。冷媒に水分散液を滴下すると、冷媒中で水分散液が凍結されて、水分散液の凝固体が作製される。製造方法例2では、冷媒としてシリコーンオイルを用いる。冷媒の温度は、例えば、-5℃~-30℃の範囲内であることが好ましく、-10℃~-20℃の範囲内であることがより好ましい。この場合、球状の凝固体を形成することができ、凝集体の大きさを揃えることができる。

【0047】
次に、凝固体を冷媒の一部と共に回収し、冷媒と凝固体とが混在した状態で凝固体を融解させる。製造方法例2では、凝固体が融解されると、主に研磨材粒子の凝集体が含まれる再生研磨材層と、主に水が含まれる水層と、主に冷媒が含まれる冷媒層との三層が形成される。この再生研磨材層から、凝集体を回収する。

【0048】
製造方法例2では、冷媒に水分散液を滴下して凝固体を作製し、冷媒と混在した凝固体を回収した後、凝固体を融解させるため、凝固体の作製及び凝固体の融解を連続的に行うことができる。

【0049】
(製造方法例3)
製造方法例3では、まず、製造方法例2と同様に、使用済み研磨材の水分散液を用意する。

【0050】
次に、冷媒を用意して、この冷媒に二酸化炭素を溶解させる。製造方法例3では、冷媒としてシリコーンオイルを用い、シリコーンオイルにガスとして二酸化炭素をバブリングすることにより、冷媒に二酸化炭素を溶解させる。製造方法例3では、冷媒の温度が、例えば、-5℃~-30℃の範囲内であることが好ましく、-10℃~-20℃の範囲内であることがより好ましい。この場合、球状の凝固体を形成することができ、凝集体の大きさを揃えることができる。また、ガスが二酸化炭素である場合、少なくとも冷媒の温度における飽和溶解量まで、冷媒にバブリングし続けることが好ましい。この場合、研磨材粒子の凝集体に十分な二酸化炭素の気泡の痕跡を形成することができる。

【0051】
次に、冷媒に水分散液を滴下する。冷媒に水分散液が滴下されると、冷媒から水分散液にガスが移動して水分散液にガスが溶解すると共に、水分散液が凍結されて、凝固体が作製される。

【0052】
次に、凝固体を冷媒の一部と共に回収し、冷媒と凝固体とが混在した状態で凝固体を融解させる。製造方法例3では、凝固体が融解されると、主に研磨材粒子の凝集体が含まれる再生研磨材層と、主に水が含まれる水層と、主に冷媒が含まれる冷媒層との三層が形成される。この再生研磨材層から、凝集体を回収する。

【0053】
製造方法例3では、ガスを導入した冷媒に水分散液を滴下することで、水分散液にガスを溶解させる共に凝固体を作製し、冷媒と混在した凝固体を回収した後、凝固体を融解させるため、水分散液へのガスの溶解、凝固体の作製、及び凝固体の融解を連続的に行うことができる。

【0054】
以下、本実施形態に係る再生研磨材の製造装置について説明する。

【0055】
本実施形態に係る再生研磨材の製造装置は、使用済み研磨材の水分散液に、ガスを導入するガス導入部と、水分散液を凍結させて凝固体を作製する凍結部と、凝固体を融解させる融解部とを含む。

【0056】
以下、本実施形態に係る再生研磨材の製造装置の一例である第一製造装置、第二製造装置、及び第三製造装置について、それぞれ図1~図3を用いて説明する。尚、再生研磨材の製造装置は、第一製造装置、第二製造装置、及び第三製造装置の構成に限定されない。

【0057】
(第一製造装置)
図1に示すように、第一製造装置は、貯蔵槽11と、ガス導入装置12と、凍結槽13と、融解槽15とを備える。

【0058】
貯蔵槽11は、水分散液を貯めるための槽である。貯蔵槽は、水分散液を貯めることができれば特に限定されない。

【0059】
ガス導入装置12は、貯蔵槽11に貯められた水分散液にガスを導入する装置である。ガス導入装置12は、ガスボンベ等のガス供給源120と、このガス供給源120と貯蔵槽11とをつなぐ供給路121とを備える。ガス供給源120中のガスが供給路121を通って貯蔵槽11に貯められた水分散液に導入されることにより、水分散液に対するガスのバブリングが行われる。ガス導入装置12は、貯蔵槽11中の水分散液にガスを導入することができれば限定されない。

【0060】
凍結槽13は、貯蔵槽11中の水分散液を貯めると共に、この水分散液を凍結させて凝固体を作製するための槽である。凍結槽13は、水分散液を貯めることができ、水分散液を凍結させることができれば、特に限定されない。凍結槽13は、貯蔵槽11中の水分散液を凍結槽13に移送させるための移送路を介して、貯蔵槽11と接続されていてもよい。この移送路は、例えば、貯蔵槽11中の水分散液を吸い上げるポンプを備えていてもよく、貯蔵槽11と凍結槽13との高低差を利用して水分散液を移送する移送手段を備えていてもよい。

【0061】
また、凍結槽13には冷却装置14が設けられている。冷却装置14は、凍結槽13に貯められた水分散液を冷却して凍結させることができる装置である。冷却装置14の冷却形式は、気化圧縮型、気化吸収型、ペルチェ効果型、或いはケミカルヒートポンプ型であってもよい。冷却装置14は、水分散液を少なくとも-10~-25℃に冷却することができる。

【0062】
融解槽15は、凍結槽13で作製された凝固体を融解すると共に、この凝固体の融解物を貯めるための槽である。融解槽15では、凝固体を室温で静置して融解させてもよく、凝固体を加熱して融解させてもよい。凝固体を加熱して融解させる場合には、融解槽15がヒーターを備えていてもよい。融解槽15は、水分散液の凝固体及び凝固体の融解物を貯めることができれば特に限定されない。

【0063】
第一製造装置を用いて再生研磨材を製造する過程について、図1を参照しながら説明する。まず、貯蔵槽11中に貯められた使用済み研磨材の水分散液にガス導入装置12によってガスをバブリングして、水分散液にガスを溶解させる。次に、貯蔵槽11から凍結槽13に水分散液を移送した後、凍結槽13中の水分散液を冷却装置14で冷却して凍結させ凝固体を作製する。次に、凍結槽13で作製された凝固体を融解槽15に移し、融解槽15中で凝固体を融解させる。第一製造装置では、融解槽15中で凝固体が融解すると、主に研磨材粒子の凝集体を含む再生研磨材層と、主に水を含む水層との二層とが形成させる(図1参照)。そして、この再生研磨材層から凝集体を回収する。

【0064】
このため、第一製造装置では、貯蔵槽11及びガス導入装置12がガス導入部1に含まれ、凍結槽13及び冷却装置14が凍結部2に含まれ、融解槽15が融解部3に含まれる(図1参照)。

【0065】
尚、第一製造装置では、貯蔵槽11、凍結槽13、及び融解槽15が別々の構成であるが、これに限られない。例えば、貯蔵槽11が凍結槽13を兼ねていてもよく、凍結槽13が融解槽15を兼ねていてもよく、貯蔵槽11が凍結槽13及び融解槽15を兼ねていてもよい。すなわち、貯蔵槽11に貯められた水分散液を冷却して凍結させて凝固体を作製してもよく。凍結槽13で作製された凝固体を凍結槽13中で融解させてもよく、貯蔵槽11中で水分散液の凝固体を作製した後、貯蔵槽11中で凝固体を融解させてもよい。

【0066】
(第二製造装置)
図2に示す第二製造装置は、貯蔵槽21と、ガス導入装置22と、滴下装置23と、冷媒槽24と、融解槽26とを備える。

【0067】
第二製造装置における貯蔵槽21及びガス導入装置22は、それぞれ、第一製造装置の貯蔵槽11及びガス導入装置12と同様でよい。ガス導入装置22は、ガスボンベ等のガス供給源220と、このガス供給源220と貯蔵槽21とをつなぐ供給路221とを備える。

【0068】
滴下装置23は、貯蔵槽21に貯められた水分散液を冷媒槽24に滴下する装置である。滴下装置23は、貯蔵槽21中の水分散液を移送するための移送路を介して、貯蔵槽21と接続されている。滴下装置23は、水分散液を滴下することができれば特に限定されず、例えば、液体定量吐出装置(ディスペンサ)、滴下ロート、ビュレット、スポイトが例示される。

【0069】
冷媒槽24は、冷却された冷媒を貯めることができると共に、滴下装置23から滴下された水分散液が冷却され、凍結して凝固体が作製される槽である。冷媒槽24は、冷媒を貯めることができれば、特に限定されない。

【0070】
また、冷媒槽24には冷却装置25が設けられている。冷却装置25は、冷媒槽24に貯められた冷媒を冷却することができる装置である。冷却装置25の冷却形式は、気化圧縮型、気化吸収型、ペルチェ効果型、或いはケミカルヒートポンプ型であってもよい。冷却装置25は、冷媒を少なくとも-5~-30℃に冷却することができる。

【0071】
融解槽26は、冷媒槽24で作製された凝固体と冷媒とが混在したものを貯めることができると共に、この凝固体の融解物と冷媒とを貯めることができる槽である。このため、融解槽26は、冷媒槽24で作製された凝固体と融解物が混在したものを移送するための移送路を介して、冷媒槽24と接続されていてもよい。この移送路は、例えば、冷媒槽24中の冷媒及び凝固体を吸い上げるためのポンプを備えていてもよい。融解槽26では、凝固体を室温で静置して融解させてもよく、凝固体を加熱して融解させてもよい。凝固体を加熱して融解させる場合には、融解槽26がヒーターを備えていてもよい。融解槽26は、冷媒、凝固体、及び凝固体の融解物を貯めることができれば特に限定されない。

【0072】
第二製造装置を用いて再生研磨材を製造する過程について、図2を参照しながら説明する。まず、貯蔵槽21中に貯められた使用済み研磨材の水分散液にガス導入装置22によってガスをバブリングして、水分散液にガスを溶解させる。次に、貯蔵槽21中の水分散液を滴下装置23によって、冷媒槽24に貯められた冷媒に水分散液を滴下する。水分散液は、冷媒によって冷却されて凍結し、凝固体が作製される。次に、凝固体を、冷媒の一部と混在した状態で、融解槽26に移送する。融解槽26において凝固体は融解する。第二製造装置では、融解槽26中で凝固体が融解すると、主に研磨材粒子の凝集体を含む再生研磨材層と、主に水を含む水層と、主に冷媒を含む冷媒層の三層が形成される。そして、この再生研磨材層から凝集体を回収する。

【0073】
このため、第二製造装置1では、貯蔵槽21及びガス導入装置22がガス導入部1に含まれ、滴下装置23、冷媒槽24及び冷却装置25が凍結部2に含まれ、融解槽26が融解部3に含まれる(図2参照)。

【0074】
(第三製造装置)
図3に示す第三製造装置は、貯蔵槽31と、滴下装置32と、冷媒槽33と、冷媒ガス導入装置34と、融解槽36とを備える。

【0075】
貯蔵槽31は、使用済み水分散液を貯めるための槽である。貯蔵槽31は、水分散液を貯めることができれば特に限定されない。

【0076】
滴下装置32は、貯蔵槽31に貯められた水分散液を冷媒槽33に滴下する装置であり、その構成は、第二製造装置の滴下装置23と同様でよい。滴下装置32は、貯蔵槽31中の水分散液を移送するための移送路を介して、貯蔵槽31と接続されている。

【0077】
冷媒槽33は、冷却された冷媒を貯めることができると共に、滴下装置32から滴下された水分散液が冷却され、凍結して凝固体が作製される槽である。冷媒槽33の構成は、第二製造装置の冷媒槽24と同様でよい。

【0078】
冷媒ガス導入装置34は、冷媒槽33に貯められた冷媒にガスを導入する装置である。冷媒ガス導入装置34は、ガスボンベ等のガス供給源340と、このガス供給源340と冷媒貯蔵槽33とをつなぐ供給路341とを備える。ガス供給源340中のガスが供給路341を通って冷媒槽33に貯められた冷媒に導入されることにより、冷媒に対するガスのバブリングが行われる。冷媒ガス導入装置34は、冷媒槽33中の冷媒にガスをバブリングすることができれば、この構成は限定されない。

【0079】
冷媒槽33には冷却装置35が設けられている。冷却装置35の構成は、第二製造装置の冷却装置25と同様でよい。冷却装置35は、冷媒を少なくとも-5~-30℃に冷却することができる。

【0080】
融解槽36は、冷媒槽33で作製された凝固体と冷媒との混合物を貯めることができると共に、この凝固体の融解物と冷媒とを貯めることができる槽である。このため、融解槽36は、冷媒槽33で作製された凝固体と融解物との混合物を移送するための移送路を介して、冷媒槽33と接続されていてもよい。この移送路は、例えば、冷媒槽33中の冷媒及び凝固体を吸い上げるためのポンプを備えていてもよい。融解槽36では、凝固体を室温で静置して融解させてもよく、凝固体を加熱して融解させてもよい。凝固体を加熱して融解させる場合には、融解槽36がヒーターを備えていてもよい。融解槽36は、冷媒、凝固体、及び凝固体の融解物を貯めることができれば特に限定されない。

【0081】
第三製造装置を用いて再生研磨材を製造する過程について、図3を参照しながら説明する。まず、冷媒槽33に貯められた冷媒に、冷媒ガス導入装置34によってガスをバブリングして、冷媒にガスを溶解させる。次に、貯蔵槽31中に貯められた使用済み研磨材の水分散液を、滴下装置32によって、冷媒槽33に貯められた冷媒に滴下する。この際、冷媒に溶解しているガスが滴下された水分散液に移動すると共に、水分散液が冷媒によって冷却されて凍結し、凝固体が作製される。次に、凝固体を、冷媒の一部と混在した状態で、融解槽36に移送する。融解槽36において凝固体は融解する。第三製造装置では、融解槽36中で凝固体が融解すると、主に研磨材粒子の凝集体を含む再生研磨材層と、主に水を含む水層と、主に冷媒を含む冷媒層の三層が形成される。そして、この再生研磨材層から凝集体を回収する。

【0082】
このため、第三製造装置では、貯蔵槽31、滴下装置32、冷媒槽33、冷媒ガス導入装置34、及び冷却装置35がガス導入部1及び凍結装置2に含まれ、融解槽36が融解部3に含まれる(図3参照)。

【0083】
尚、第二製造装置及び第三製造装置では、融解部において、再生研磨材層と、水層と、冷媒層との三層が形成されているが、この冷媒層から冷媒を回収して、冷媒として再び使用してもよい。
【実施例】
【0084】
以下、本発明を実施例によって具体的に説明する。
【実施例】
【0085】
(実施例1~6、比較例1~3)
酸化セリウムと酸化ランタンとの混合物を含む研磨材1kgを水20kgに分散させて研磨液を調製し、この研磨液を用いてガラス製品を研磨した。続いて、この研磨液を0.045mmの目開きを有する篩にかけることにより、研磨液から粗大なガラス組織を取り除いた。これにより、使用済み研磨材の水分散液を20kgを用意した。この水分散液を少量採取して、水分を蒸発させた後、蛍光エックス線分析装置(株式会社リガク製、商品名:RIX1000)を用いて、使用済み研磨材の組成を分析したところ、酸化セリウムが40質量%、酸化ランタンが16質量%、酸化プラセオジムが3質量%、酸化ネオジムが1質量%、酸化ケイ素が32質量%、酸化アルミニウムが8質量%含まれていた。その他、微量の鉄とナトリウムが検知された。
【実施例】
【0086】
次に、冷媒に二酸化炭素をバブリングして、冷媒に二酸化炭素を溶解させた。この冷媒に水分散液を滴下することにより、水分散液に冷媒中のガスを移動させると共に、水分散液を凍結させて凝固体を作製した。冷媒として、純粋なシリコーンオイルを用いた。二酸化炭素のバブリング量、冷媒の温度、水分散液の冷却時間(滴下工程終了後からの冷却保持時間)は、下記の表1に示す通りである。
【実施例】
【0087】
次に、凝固体を、一部の冷媒と混在した状態で回収した。この凝固体を、一部の冷媒と混在した状態で、室温で2時間静置することにより、融解させた。これにより、主に冷媒が含まれる冷媒層と、主に水が含まれる水層と、主に研磨材粒子の凝集体が含まれる再生研磨材層との三層が形成された。この再生研磨材層から凝集体を回収した。
【実施例】
【0088】
(実施例7~9)
まず実施例1~6及び比較例1~3で用いた使用済み研磨材の水分散液と同様のものを用意した。
【実施例】
【0089】
次に、この水分散液に二酸化炭素をバブリングして、水分散液に二酸化炭素を溶解させた。二酸化炭素のバブリング量は、下記の表1に示す通りである。
【実施例】
【0090】
次に、水分散液を冷媒に滴下して凍結させて凝固体を作製した。冷媒として、純粋なシリコーンオイルを用いた。冷媒の温度及び水分散液の冷却時間(滴下工程終了後からの冷却保持時間)は、下記の表1に示す通りである。
【実施例】
【0091】
次に、凝固体を、一部の冷媒と混在した状態で回収した。この凝固体を、一部の冷媒と混在した状態で、室温で2時間静置することにより、融解させた。これにより、主に冷媒が含まれる冷媒層と、主に水が含まれる水層と、主に研磨材粒子の凝集体が含まれる再生研磨材層との三層が形成された。この再生研磨材層から凝集体を回収した。
【実施例】
【0092】
(実施例10~11、比較例4)
まず実施例1~6及び比較例1~3で用いた使用済み研磨材の水分散液と同様のものを用意した。
【実施例】
【0093】
次に、この水分散液に二酸化炭素をバブリングして、水分散液に二酸化炭素を溶解させた。二酸化炭素のバブリング量は、下記の表1に示す通りである。
【実施例】
【0094】
次に、水分散液をフリーザーで融点以下に冷却して凝固体を作製した。水分散液の冷却温度及び冷却時間は、下記の表1に示す通りである。
【実施例】
【0095】
次に、凝固体を、室温で2時間静置することにより、融解させた。これにより、主に水が含まれる水層と、主に研磨材粒子の凝集体が含まれる再生研磨材層との二層が形成された。この再生研磨材層から凝集体を回収した。
【実施例】
【0096】
【表1】
JP2017109291A_000003t.gif
【実施例】
【0097】
マイクロトラック粒度分布測定装置(日機装株式会社製、型番:MT3300EX)を用いて、実施例1~11及び比較例1~4の凝集体の粒度分布を、レーザー回折・散乱法により、体積基準で測定した。
【実施例】
【0098】
代表として、実施例1~3及び比較例1~3の凝集体の粒度分布の測定結果を図4に示す。図4に示すように、実施例1~3及び比較例1~3のいずれも凝集体が形成されていることが確認できた。そして、冷媒に二酸化炭素を溶解させることにより、冷媒から水分散液に二酸化炭素を溶解させた実施例1~3の凝集体の粒度分布は、二つのピークが現れている。これに対して、水分散液に二酸化炭素を溶解させなかった比較例1~3の凝集体の粒度分布は、図4に示すように、一つのピークのみが現れている。
【実施例】
【0099】
また、冷却温度を変更した実施例4~6、水分散液に二酸化炭素を溶解させた実施例7~9、水分散液に二酸化炭素を溶解させ、冷媒を用いずに冷却した実施例10、11の凝集体の粒度分布は、実施例1~3と同様に、二つのピークが現れた。水分散液に二酸化炭素を溶解させなかった比較例4の凝集体の粒度分布は、比較例1~3と同様に、一つのピークのみが現れた。
【実施例】
【0100】
更に、実施例1~11及び比較例1~4の凝集体10gを水100mLに加えて容器に入れ、超音波出力40Wの超音波振動子を挿入して、超音波振動を加えてから、粒度分布を測定した。
【実施例】
【0101】
代表として、実施例7の凝集体の粒度分布と、複数回超音波振動を加えた後の粒度分布との測定結果を図5に示す。図5に示すように、水分散液に二酸化炭素を溶解させた実施例5の凝集体に、超音波振動を加えることにより、粒径の大きなピークが低くなり、粒径の小さなピークが高くなっている。
【実施例】
【0102】
また、水分散液に二酸化炭素を溶解させた実施例1~6、実施例8~11の凝集体に、超音波振動を加えることにより、粒径の大きなピークが低くなり、粒径の小さなピークが高くなった。これに対して、水分散液に二酸化炭素を溶解させなかった比較例1~4の凝集体に、超音波振動を加えても、粒度分布に大きな変化は見られなかった。
【実施例】
【0103】
このため、水分散液に二酸化炭素を溶解させた実施例1~11の凝集体は、非常に脆く、容易に粉砕することができ、研磨材として使いやすい凝集体を得ることができる。これに対して、水分散液に二酸化炭素を溶解させなった比較例1~4の凝集体は、容易に粉砕することができない。
【符号の説明】
【0104】
1 ガス導入部
2 凍結部
3 融解部
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4