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明細書 :リパーゼ、ポリヌクレオチド、組換えベクター、形質転換体、リパーゼの製造法、グリセロ脂質を加水分解する方法及びグリセロ脂質の加水分解物を製造する方法

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2017-060424 (P2017-060424A)
公開日 平成29年3月30日(2017.3.30)
発明の名称または考案の名称 リパーゼ、ポリヌクレオチド、組換えベクター、形質転換体、リパーゼの製造法、グリセロ脂質を加水分解する方法及びグリセロ脂質の加水分解物を製造する方法
国際特許分類 C12N   9/16        (2006.01)
C12N  15/09        (2006.01)
C12N   1/15        (2006.01)
C12N   1/21        (2006.01)
C12N   1/19        (2006.01)
C12N   5/10        (2006.01)
C12P   7/64        (2006.01)
FI C12N 9/16 ZNAD
C12N 15/00 A
C12N 1/15
C12N 1/21
C12N 1/19
C12N 5/10
C12P 7/64
請求項の数または発明の数 10
出願形態 OL
全頁数 25
出願番号 特願2015-187519 (P2015-187519)
出願日 平成27年9月24日(2015.9.24)
発明者または考案者 【氏名】大田 淳平
【氏名】杉森 大助
出願人 【識別番号】505089614
【氏名又は名称】国立大学法人福島大学
個別代理人の代理人 【識別番号】100087767、【弁理士】、【氏名又は名称】西川 惠清
【識別番号】100155745、【弁理士】、【氏名又は名称】水尻 勝久
【識別番号】100143465、【弁理士】、【氏名又は名称】竹尾 由重
【識別番号】100155756、【弁理士】、【氏名又は名称】坂口 武
【識別番号】100161883、【弁理士】、【氏名又は名称】北出 英敏
【識別番号】100167830、【弁理士】、【氏名又は名称】仲石 晴樹
【識別番号】100162248、【弁理士】、【氏名又は名称】木村 豊
審査請求 未請求
テーマコード 4B024
4B050
4B064
4B065
Fターム 4B024AA03
4B024BA11
4B024CA04
4B024CA20
4B024DA05
4B024GA11
4B050CC01
4B050CC03
4B050DD02
4B050FF09E
4B050FF11E
4B050FF12E
4B050LL05
4B064AD85
4B064BD01
4B064CA04
4B064CA19
4B064CB01
4B064CC24
4B064DA16
4B065AA50X
4B065AA50Y
4B065AB01
4B065AC04
4B065BA01
4B065CA31
要約 【課題】pH4からpH11という広い範囲で活性を発揮し、pH10付近のアルカリ性でも十分に活性を示すリパーゼ、同リパーゼをコードするポリヌクレオチド、同ポリヌクレオチドを含む組換えベクター、同組換えベクターが導入された形質転換体、同リパーゼの製造法、グリセロ脂質を加水分解する方法及びグリセロ脂質の加水分解物を製造する方法を提供する。
【解決手段】以下の(1)~(3)の性質を有するリパーゼ:
(1)ガラクトリパーゼ活性及びホスホリパーゼB活性を有する;
(2)分子量が20,000から50,000である;
(3)ストレプトマイセス(Streptomyces)属に属する微生物に由来する。
【選択図】なし
特許請求の範囲 【請求項1】
以下の(1)~(3)の性質を有するリパーゼ:
(1)ガラクトリパーゼ活性及びホスホリパーゼB活性を有する;
(2)分子量が20,000から50,000である;
(3)ストレプトマイセス(Streptomyces)属に属する微生物に由来する。
【請求項2】
前記ストレプトマイセス(Streptomyces)属が、ストレプトマイセス・サングリエリ(Streptomyces sanglieri)である、請求項1に記載のリパーゼ。
【請求項3】
下記(a)又は(b)に記載のタンパク質である、リパーゼ:
(a)配列番号7に示すアミノ酸配列を含むタンパク質;
(b)配列番号7に示すアミノ酸配列において、1~50個のアミノ酸残基の置換、欠失、挿入、または付加を含むアミノ酸配列を含み、且つ、ガラクトリパーゼ活性及びホスホリパーゼB活性を有するタンパク質。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか1項に記載のリパーゼをコードするポリヌクレオチド。
【請求項5】
下記(A)又は(B)に記載のポリヌクレオチド:
(A)配列番号4に示す塩基配列を含むポリヌクレオチド;
(B)配列番号4に示す塩基配列と80%以上の同一性を有する塩基配列を含み、且つ、
ガラクトリパーゼ活性及びホスホリパーゼB活性を有するタンパク質をコードするポリヌクレオチド。
【請求項6】
請求項4または5に記載のポリヌクレオチドを含む組換えベクター。
【請求項7】
請求項6に記載の組換えベクターを導入した形質転換体。
【請求項8】
請求項7に記載の形質転換体を培地で培養し、請求項1~3のいずれか1項に記載のリパーゼを生成させること、および培養物より前記リパーゼを採取すること、を含む、リパーゼの製造法。
【請求項9】
請求項1~3のいずれか1項に記載のリパーゼをグリセロ糖脂質及び/又はグリセロリン脂質に作用させることを含む、グリセロ脂質を加水分解する方法。
【請求項10】
請求項1~3のいずれか1項に記載のリパーゼをグリセロ糖脂質及び/又はグリセロリン脂質に作用させることを含む、糖グリセロール、リゾ型糖グリセロール、1-アシルリゾグリセロリン脂質、2-アシルリゾグリセロリン脂質、グリセロール-3-リン酸からなる群より選ばれる1種以上からなるグリセロ脂質の加水分解物を製造する方法。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、リパーゼ、同リパーゼをコードするポリヌクレオチド、同ポリヌクレオチドを含む組換えベクター、同組換えベクターが導入された形質転換体、同リパーゼの製造法、グリセロ脂質を加水分解する方法及びグリセロ脂質の加水分解物を製造する方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
「リパーゼ」とは、グリセロ脂質を加水分解する酵素の総称である。
【0003】
「グリセロ脂質」とは、グリセロール骨格を有する脂質をいう。グリセロ脂質としては、グリセロ糖脂質、グリセロリン脂質、中性脂肪が挙げられる。
【0004】
「グリセロ糖脂質」とは、ジアシルグリセロールのフリーの水酸基に糖鎖が共有結合した化合物をいう。グリセロ糖脂質としては、モノガラクトシルジアシルグリセロール(MGDG)やジガラクトシルジアシルグリセロール(DGDG)等のガラクト脂質が挙げられる。
【0005】
「グリセロリン脂質」とは、ジアシルグリセロールのフリーの水酸基にリン酸基を介してセリン、コリン、エタノールアミン、イノシトール等が結合している化合物をいう。
【0006】
グリセロ糖脂質に対してリパーゼ活性を示す酵素を、特に、ガラクトリパーゼともいい、その活性をガラクトリパーゼ活性という。ガラクトリパーゼは、例えば、葉緑体を有するホウレンソウ等の高等植物においてその存在が知られている(非特許文献1)。また、ガラクトリパーゼとしては、アスペルギルス・ジャポニクス(Aspergillus japonicus)由来のガラクトリパーゼ(特許文献1)やクラミドモナス・レインハルティ(Chlamydomonas reinhardtii)由来のガラクトリパーゼ(非特許文献2)、ストレプトマイセス・エスピー(Streptomyces sp.)由来のガラクトリパーゼ(特許文献2)も知られている。
【0007】
グリセロリン脂質に対してリパーゼ活性を示す酵素を、特にホスホリパーゼともいう。さらに、グリセロリン脂質におけるグリセロール基のsn-1位の脂肪酸エステル結合を加水分解する酵素をホスホリパーゼA1と称し(その活性をホスホリパーゼA1活性という)、グリセロール基のsn-2位の脂肪酸エステル結合を加水分解する酵素をホスホリパーゼA2と称する(その活性をホスホリパーゼA2活性という)。また、ホスホリパーゼA1活性とホスホリパーゼA2活性を併有する酵素をホスホリパーゼBと称する(その活性をホスホリパーゼB活性という)。
【0008】
しかしながら、公知のガラクトリパーゼには、例えば、その生産量が低く、産業応用するのが困難であるという問題があった。また、公知の酵素はpH 5の弱酸性からpH 9の弱アルカリ性で活性を示すが、pH 9以上では活性が著しく低下する。このため製麺工程(pH 10)などへの応用は期待できない。さらに、特許文献1に記載のガラクトリパーゼはカビ由来であることから、食品分野で利用するためには抗生物質やアレルゲンなどの除去が必要になるため、食品素材の加工に適するとはいえない。また、特許文献1に記載のガラクトリパーゼには、遺伝子組換え法による発現法が確立されていないため、大量製造法がないという欠点もある。さらに、トリグリセリドなどの中性脂質にも作用するため、これがデメリットとなる場合もある。
【先行技術文献】
【0009】

【特許文献1】特開2008-206515号公報
【特許文献2】国際公開第2006/008653号
【0010】

【非特許文献1】Sakaki T, et al.,Plant Physiol. 1990 Oct;94(2):773-80.
【非特許文献2】Li X, et al., Plant Cell 11,4670 (2012)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は、pH4からpH11という広い範囲で活性を発揮し、pH10付近のアルカリ性でも十分に活性を示すリパーゼ、同リパーゼをコードするポリヌクレオチド、同ポリヌクレオチドを含む組換えベクター、同組換えベクターが導入された形質転換体、同リパーゼの製造法、グリセロ脂質を加水分解する方法及びグリセロ脂質の加水分解物を製造する方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意研究を重ねた結果、新規リパーゼをストレプトマイセス(Streptomyces)属に属する微生物から見出し、本発明を完成させた。本リパーゼと既知のリパーゼとのアミノ酸配列の相同性は極めて低く、本リパーゼは既知のリパーゼとは全く異なる新規なリパーゼであった。
【0013】
すなわち、本発明は以下のとおりである。
[1]
以下の(1)~(3)の性質を有するリパーゼ:
(1)ガラクトリパーゼ活性及びホスホリパーゼB活性を有する;
(2)分子量が20,000から50,000である;
(3)ストレプトマイセス(Streptomyces)属に属する微生物に由来する。
[2]
前記ストレプトマイセス(Streptomyces)属が、ストレプトマイセス・サングリエリ(Streptomyces sanglieri)である、前記リパーゼ。
[3]
下記(a)又は(b)に記載のタンパク質である、リパーゼ:
(a)配列番号7に示すアミノ酸配列を含むタンパク質;
(b)配列番号7に示すアミノ酸配列において、1~50個のアミノ酸残基の置換、欠失、挿入、または付加を含むアミノ酸配列を含み、且つ、ガラクトリパーゼ活性及びホスホリパーゼB活性を有するタンパク質。
[4]
前記リパーゼをコードするポリヌクレオチド。
[5]
下記(A)又は(B)に記載のポリヌクレオチド:
(A)配列番号4に示す塩基配列を含むポリヌクレオチド;
(B)配列番号4に示す塩基配列と80%以上の同一性を有する塩基配列を含み、且つ、ガラクトリパーゼ活性及びホスホリパーゼB活性を有するタンパク質をコードするポリヌクレオチド。
[6]
前記ポリヌクレオチドを含む組換えベクター。
[7]
前記組換えベクターを導入した形質転換体。
[8]
前記形質転換体を培地で培養し、前記リパーゼを生成させること、および培養物より前記リパーゼを採取すること、を含む、リパーゼの製造法。
[9]
前記リパーゼをグリセロ糖脂質及び/又はグリセロリン脂質に作用させることを含む、グリセロ脂質を加水分解する方法。
[10]
前記リパーゼをグリセロ脂質及び/又はグリセロリン脂質に作用させることを含む、糖グリセロール、リゾ型糖グリセロール、1-アシルリゾグリセロリン脂質、2-アシルリゾグリセロリン脂質、グリセロール-3-リン酸からなる群より選ばれる1種以上からなるグリセロ脂質の加水分解物を製造する方法。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、pH4からpH11という広い範囲で活性を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】Streptomyces sanglirei A14株由来リパーゼ(GL)のSDS-PAGEによる解析結果を示す写真である。
【図2】pH7.2条件下、種々の温度でのGLの相対活性を示すグラフである。
【図3】37℃条件下、種々のpHでのGLの相対活性を示すグラフである。
【図4】pH 10.5、45℃におけるGLの基質特異性(加水分解活性の相対比較)を示すグラフである。
【図5】pH8.0条件下、30分間の条件で種々の温度で処理した後のGLについての残存活性を相対活性として示すグラフである。
【図6】温度4℃において2時間の条件で種々のpHで処理した後のGLについての残存活性を相対活性として示すグラフである。
【図7】金属イオン又はEDTAを添加したときのGLについての相対活性を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
<1>本発明のリパーゼ
本発明は、新規リパーゼを提供する。本発明において提供されるリパーゼを「本発明のリパーゼ」ともいう。

【0017】
本発明において、「リパーゼ」とは、グリセロ脂質のエステル結合(カルボキシルエステル結合)を加水分解する反応を触媒する活性を有するタンパク質をいう。

【0018】
本発明において、リパーゼとは、精製されたものに限定されず、粗精製物、固定化物なども含む。リパーゼの精製は、当業者に周知の方法を用いて行われ、種々の精製度のリパーゼ(ほぼ単一までに精製されたリパーゼを含む)が得られ得る。

【0019】
微生物由来のリパーゼの場合、例えば、その微生物の培養液を、硫安沈澱、イオン交換クロマトグラフィー、疎水クロマトグラフィーなどの方法で精製することができる。

【0020】
「グリセロ糖脂質」とは、ジアシルグリセロールのフリーの水酸基に糖鎖が共有結合した化合物をいう。「フリーの水酸基」とは、脂肪酸とエステル結合していない水酸基をいう。例えば、ジアシルグリセロールが1,2-ジアシルグリセロールである場合、グリセロール骨格の3位の水酸基がフリーの水酸基である。糖鎖の種類や長さは特に制限されない。グリセロ糖脂質としては、ガラクト脂質が挙げられる。「ガラクト脂質」とは、ジアシルグリセロールのフリーの水酸基にガラクトース鎖(例えば、ガラクトースの1分子や2分子)が共有結合した化合物をいう。ガラクト脂質としては、モノガラクトシルジアシルグリセロール(MGDG)やジガラクトシルジアシルグリセロール(DGDG)が挙げられる。また、その他のグリセロ糖脂質としては、スルホキノボシルジアシルグリセロール(SQDG)が挙げられる。モノガラクトシルジアシルグリセロール(MGDG)、ジガラクトシルジアシルグリセロール(DGDG)、およびスルホキノボシルジアシルグリセロール(SQDG)は、それぞれ、糖鎖が1分子のガラクトース、2分子のガラクトース、および1分子のスルホキノボースである場合のグリセロ糖脂質である。

【0021】
「グリセロリン脂質」とは、ジアシルグリセロールのフリーの水酸基にホスホリル塩基が共有結合した化合物をいう。塩基としては、コリン、エタノールアミン、イノシトール、セリン、グリセロールが挙げられる。

【0022】
すなわち、グリセロールのα位及びβ位のヒドロキシル基に脂肪酸がエステル結合しており、他方のα位のヒドロキシル基にリン酸基を介してコリン、エタノールアミン、イノシトール、セリン、グリセロール等が結合している化合物である。グリセロリン脂質としては、例えば、レシチンの他、1-パルミトイル-2-オレオイルフォスファチジルセリン(POPS)、1-パルミトイル-2-オレオイルフォスファチジルグリセロール(POPG)、ホスファチジルイノシトール(PI)、1,2-ジミリストイルホスファチジン酸(DMPA)、ジオレオイルホスファチジルエタノールアミン(DOPE)、1,2-ジパルミトイルホスファチジルエタノールアミン(DPPE)、1-パルミトイル-2-オレオイルホスファチジルエタノールアミン(POPE)、リゾホスファチジルエタノールアミン(LPE)、1-パルミトイル-2-オレオイルホスファチジルコリン(POPC)等が挙げられる。

【0023】
「中性脂質」とは、モノアシルグリセロール(MAG)、ジアシルグリセロール(DAG)、トリアシルグリセロール(TAG)の総称である。「モノアシルグリセロール(MAG)」とは、グリセロールの3つの水酸基の内、1つの水酸基に脂肪酸がエステル結合した化合物をいう。「ジアシルグリセロール(DAG)」とは、グリセロールの3つの水酸基の内、2つの水酸基に脂肪酸がエステル結合した化合物をいう。「トリアシルグリセロール(TAG)」とは、グリセロールの3つの水酸基全てに脂肪酸がエステル結合した化合物をいう。

【0024】
グリセロ糖脂質に対するリパーゼ活性を「ガラクトリパーゼ活性」、同活性を有するリパーゼを「ガラクトリパーゼ」ともいい、グリセロリン脂質に対するリパーゼ活性を「ホスホリパーゼ活性」、同活性を有するリパーゼを「ホスホリパーゼ」という。

【0025】
ガラクトリパーゼ活性とは、より具体的には、グリセロ脂質を構成するグリセロール骨格の水酸基と脂肪酸との間のエステル結合の加水分解反応を触媒する活性のことをいう。このエステル結合の加水分解により、カルボン酸(脂肪酸)が遊離する。

【0026】
ホスホリパーゼについて、さらに、グリセロリン脂質におけるグリセロール基のsn-1位の脂肪酸エステル結合を加水分解する酵素をホスホリパーゼA1と称し(その活性をホスホリパーゼA1活性という)、グリセロール基本のsn-2位の脂肪酸エステル結合を加水分解する酵素をホスホリパーゼA2と称する(その活性をホスホリパーゼA2活性という)。また、ホスホリパーゼA1活性とホスホリパーゼA2活性を併有する酵素をホスホリパーゼBと称する(その活性をホスホリパーゼB活性という)。なお、リン脂質中のsn-1位又はsn-2位の脂肪酸アシル基の内一方のみが除去されたグリセロールリン脂質をリゾグリセロールリン脂質と称するが、リゾグリセロールリン脂質に作用して残っている脂肪酸エステル結合を加水分解反応を触媒する活性(リゾホスホリパーゼ活性)のことも、ここではホスホリパーゼB活性に含まれる。

【0027】
加水分解されるエステル結合の位置および数は特に制限されない。グリセロ糖脂質、グリセロリン脂質の、2つのエステル結合のいずれか一方または両方が加水分解されてよい。

【0028】
リパーゼは、SDS-PAGEで測定される分子量が、20,000~50,000であってよい。

【0029】
本発明のリパーゼの供給源等は特に限定されないが、微生物などの生体細胞から得ることができる。そのような微生物としては、ストレプトマイセス(Streptomyces)属に属する微生物が挙げられる。好ましくはストレプトマイセス・サングリエリ(Streptomyces sanglieri)(受託番号:NITE BP-1392))が挙げられるが、これに限られるものではなく、本発明のリパーゼを生産し得る微生物であればよい。

【0030】
また、それらの生物種の天然または人為的変異株や、本発明のリパーゼ活性の発現に必要な遺伝子断片を人為的に取り出し、それを組み入れた他の生物種であっても本発明に用いることができる。

【0031】
例えば、ストレプトマイセス・サングリエリ(Streptomyces sanglieri)A14株(NITE BP-1392)は適当な栄養培地で培養することによりリパーゼを菌体外に分泌するので、その培養上清を凍結乾燥、塩析、有機溶媒などにより処理したものをリパーゼ製剤として製造することができる。

【0032】
本発明において、微生物とは、野性株、変異株(例えば、紫外線照射などにより誘導される)、あるいは細胞融合もしくは遺伝子組換え法などの遺伝子工学的手法により誘導される組換え体などのいずれの株であってもよい。組換え体などの遺伝子操作された微生物は、例えば、Molecular Cloning A Laboratory Manual,第2版(Sambrook,J.ら編、Cold Spring Harbor Laboratory Press,1989)に記載されるような、当業者に公知な技術を用いて容易に作成され得る。微生物の培養液とは、微生物菌体を含む培養液、および遠心分離などにより微生物菌体を除いた培養液の両方を意味する。

【0033】
ストレプトマイセス・サングリエリ(Streptomyces sanglieri)A14株(NITE BP-1392)に由来する本発明のリパーゼのアミノ酸配列、およびそれをコードする遺伝子の塩基配列を、それぞれ、配列番号5、4に示す。すなわち、本発明のリパーゼは、例えば、配列番号5に示すアミノ酸配列を有するタンパク質であってよい。また、本発明のリパーゼは、例えば、配列番号4に示す塩基配列を有する遺伝子にコードされるタンパク質であってよい。なお、「(アミノ酸または塩基)配列を有する」という表現は、当該「(アミノ酸または塩基)配列を含む」場合および当該「(アミノ酸または塩基)配列からなる」場合を包含する。

【0034】
また、配列番号5に示すアミノ酸配列はシグナル配列を含む。本発明のリパーゼは、例えば、配列番号5に示すアミノ酸配列の内、シグナル配列を除いた部分のアミノ酸配列(すなわち成熟タンパク質のアミノ酸配列、配列番号7)を有するタンパク質であってもよい。また、本発明のリパーゼは、例えば、配列番号4に示す塩基配列の内、成熟タンパク質のアミノ酸配列をコードする塩基配列を有する遺伝子にコードされるタンパク質であってもよい。

【0035】
本発明のリパーゼは、元の機能が維持されている限り、上記例示したリパーゼ(例えば、配列番号5または7に示すアミノ酸配列を有するタンパク質)のバリアントであってもよい。同様に、本発明のリパーゼをコードする遺伝子(「リパーゼ遺伝子」ともいう)は、元の機能が維持されている限り、すなわち元の機能が維持されたタンパク質をコードする限り、上記例示したリパーゼ遺伝子(例えば、配列番号4に示す塩基配列を有する遺伝子)のバリアントであってもよい。なお、このような元の機能が維持されたバリアントを「保存的バリアント」という場合がある。保存的バリアントとしては、例えば、上記例示したリパーゼやそれをコードする遺伝子のホモログや人為的な改変体が挙げられる。

【0036】
「元の機能が維持されている」とは、タンパク質のバリアントが、元のタンパク質の活性(または性質)に対応する活性(または性質)を有することをいう。すなわち、「元の機能が維持されている」とは、リパーゼにあっては、タンパク質のバリアントが、リパーゼ活性を有することをいう。

【0037】
リパーゼのホモログとしては、例えば、上記アミノ酸配列を問い合わせ配列として用いたUniprotKBやSwissProtなどで提供されているBLAST検索によって公開データベースから取得されるタンパク質が挙げられる。また、上記リパーゼ遺伝子のホモログは、例えば、各種微生物(原核生物)の染色体を鋳型にして、これら公知の遺伝子配列に基づいて作製したオリゴヌクレオチドをプライマーとして用いたPCRにより取得することができる。一方、真核微生物の場合は、cDNAライブラリーを鋳型として、同様にPCRにより上記リパーゼ遺伝子のホモログを取得することができる。

【0038】
本発明のリパーゼは、元の機能が維持されている限り、上記アミノ酸配列(例えば、配列番号7に示すアミノ酸配列)において、1若しくは数個の位置での1若しくは数個のアミノ酸が置換、欠失、挿入または付加されたアミノ酸配列を有するタンパク質であってもよい。なお上記「1若しくは数個」とは、アミノ酸残基のタンパク質の立体構造における位置や種類によっても異なるが、具体的には、例えば、1~50個、1~40個、1~30個、好ましくは1~20個、より好ましくは1~10個、さらに好ましくは1~5個、特に好ましくは1~3個を意味する。

【0039】
上記の1若しくは数個のアミノ酸の置換、欠失、挿入、または付加は、タンパク質の機能が正常に維持される保存的変異である。保存的変異の代表的なものは、保存的置換である。保存的置換とは、置換部位が芳香族アミノ酸である場合には、Phe、Trp、Tyr間で、置換部位が疎水性アミノ酸である場合には、Leu、Ile、Val間で、極性アミノ酸である場合には、Gln、Asn間で、塩基性アミノ酸である場合には、Lys、Arg、His間で、酸性アミノ酸である場合には、Asp、Glu間で、ヒドロキシル基を持つアミノ酸である場合には、Ser、Thr間でお互いに置換する変異である。保存的置換とみなされる置換としては、具体的には、AlaからSer又はThrへの置換、ArgからGln、His又はLysへの置換、AsnからGlu、Gln、Lys、His又はAspへの置換、AspからAsn、Glu又はGlnへの置換、CysからSer又はAlaへの置換、GlnからAsn、Glu、Lys、His、Asp又はArgへの置換、GluからGly、Asn、Gln、Lys又はAspへの置換、GlyからProへの置換、HisからAsn、Lys、Gln、Arg又はTyrへの置換、IleからLeu、Met、Val又はPheへの置換、LeuからIle、Met、Val又はPheへの置換、LysからAsn、Glu、Gln、His又はArgへの置換、MetからIle、Leu、Val又はPheへの置換、PheからTrp、Tyr、Met、Ile又はLeuへの置換、SerからThr又はAlaへの置換、ThrからSer又はAlaへの置換、TrpからPhe又はTyrへの置換、TyrからHis、Phe又はTrpへの置換、及び、ValからMet、Ile又はLeuへの置換が挙げられる。また、上記のようなアミノ酸の置換、欠失、挿入、付加、または逆位等には、タンパク質が由来する生物の個体差、種の違いに基づく場合などの天然に生じる変異(mutant又はvariant)によって生じるものも含まれる。

【0040】
また、リパーゼは、元の機能が維持されている限り、上記アミノ酸配列全体に対して、80%以上、好ましくは90%以上、より好ましくは95%以上、さらに好ましくは97%以上、特に好ましくは99%以上の相同性を有するタンパク質であってもよい。尚、本明細書において、「相同性」(homology)は、「同一性」(identity)を指すことがある。

【0041】
また、リパーゼは、元の機能が維持されている限り、上記塩基配列(例えば、配列番号4に示す塩基配列)から調製され得るプローブ、例えば上記塩基配列の全体または一部に対する相補配列、とストリンジェントな条件下でハイブリダイズするDNAにコードされるタンパク質であってもよい。そのようなプローブは、例えば、上記塩基配列に基づいて作製したオリゴヌクレオチドをプライマーとし、上記塩基配列を含むDNA断片を鋳型とするPCRによって作製することができる。「ストリンジェントな条件」とは、いわゆる特異的なハイブリッドが形成され、非特異的なハイブリッドが形成されない条件をいう。一例を示せば、相同性が高いDNA同士、例えば80%以上、好ましくは90%以上、より好ましくは95%以上、さらに好ましくは97%以上、特に好ましくは99%以上の相同性を有するDNA同士がハイブリダイズし、それより相同性が低いDNA同士がハイブリダイズしない条件、あるいは通常のサザンハイブリダイゼーションの洗いの条件である60℃、1×SSC、0.1% SDS、好ましくは60℃、0.1×SSC、0.1% SDS、より好ましくは68℃、0.1×SSC、0.1% SDSに相当する塩濃度および温度で、1回、好ましくは2~3回洗浄する条件を挙げることができる。また、例えば、プローブとして、300 bp程度の長さのDNA断片を用いる場合には、ハイブリダイゼーションの洗いの条件としては、50℃、2×SSC、0.1% SDSが挙げられる。

【0042】
リパーゼ遺伝子は、元の機能が維持されている限り、任意のコドンをそれと等価のコドンに置換したものであってもよい。例えば、リパーゼ遺伝子は、使用する宿主のコドン使用頻度に応じて最適なコドンを有するように改変されてよい。

【0043】
なお、本発明において、「遺伝子」という用語は、目的のタンパク質をコードする限り、DNAに限られず、任意のポリヌクレオチドを包含してよい。すなわち、「リパーゼ遺伝子」とは、リパーゼをコードする任意のポリヌクレオチドを意味してよい。リパーゼ遺伝子は、DNAであってもよく、RNAであってもよく、その組み合わせであってもよい。リパーゼ遺伝子は、一本鎖であってもよく、二本鎖であってもよい。リパーゼ遺伝子は、一本鎖DNAであってもよく、一本鎖RNAであってもよい。リパーゼ遺伝子は、二本鎖DNAであってもよく、二本鎖RNAであってもよく、DNA鎖とRNA鎖からなるハイブリッド鎖であってもよい。リパーゼ遺伝子は、単一のポリヌクレオチド鎖中に、DNA残基とRNA残基の両方を含んでいてもよい。リパーゼ遺伝子がRNAを含む場合、上記例示した塩基配列等のDNAに関する記載は、RNAに合わせて適宜読み替えてよい。リパーゼ遺伝子の態様は、その利用態様等の諸条件に応じて適宜選択できる。

【0044】
<2>リパーゼの製造
リパーゼは、リパーゼを生産する能力を有する宿主を利用して製造することができる。すなわち、本発明は、リパーゼを生産する能力を有する宿主を培地で培養し、リパーゼを生成させること、および培養物よりリパーゼを採取すること、を含む、リパーゼの製造法を提供する。なお、リパーゼは、リパーゼ遺伝子を無細胞タンパク質合成系で発現させることによっても製造できる。

【0045】
リパーゼを生産する能力を有する宿主は、本来的にリパーゼを生産する能力を有するものであってもよく、リパーゼを生産する能力を有するように改変されたものであってもよい。

【0046】
リパーゼを生産する能力を有する宿主としては、上記のようなストレプトマイセス(Streptomyces)属に属する微生物、例えばストレプトマイセス・サングリエリ(Streptomycessanglieri)A14株(NITE BP-1392)が挙げられる。

【0047】
リパーゼを生産する能力を有する宿主としては、リパーゼ遺伝子が導入された宿主も挙げられる。

【0048】
リパーゼ遺伝子を導入する宿主は、機能するリパーゼを発現できるものであれば特に制限されない。宿主としては、例えば、細菌、放線菌、酵母、真菌、植物細胞、昆虫細胞、および動物細胞が挙げられる。好ましい宿主としては、細菌や酵母等の微生物が挙げられる。より好ましい宿主としては、細菌が挙げられる。細菌としては、グラム陰性細菌やグラム陽性細菌が挙げられる。グラム陰性細菌としては、例えば、エシェリヒア(Escherichia)属細菌、シュードモナス(Pseudomonas)属細菌、エンテロバクター(Enterobacter)属細菌、パントエア(Pantoea)属細菌等の腸内細菌科(Enterobacteriaceae)に属する細菌が挙げられる。グラム陽性細菌としては、バチルス(Bacillus)属細菌、ブレビバチルス(Brevibacillus)属細菌、コリネバクテリウム(Corynebacterium)属細菌等のコリネ型細菌が挙げられる。また、放線菌としては、ストレプトマイセス(Streptmyces)属細菌などが挙げられる。なお、宿主としては、中でも、ストレプトマイセス・リビダンス(Streptmyces lividans)、エシェリヒア・コリ(Escherichiacoli)を好適に用いることができる。

【0049】
リパーゼ遺伝子は、リパーゼ遺伝子を有する生物からのクローニングにより取得できる。クローニングには、同遺伝子を含むゲノムDNAやcDNA等の核酸を利用できる。また、リパーゼ遺伝子は、化学合成によっても取得できる(Gene, 60(1), 115-127 (1987))。

【0050】
また、取得したリパーゼ遺伝子を適宜改変してそのバリアントを取得することもできる。遺伝子の改変は公知の手法により行うことができる。例えば、部位特異的変異法により、DNAの目的部位に目的の変異を導入することができる。すなわち、例えば、部位特異的変異法により、コードされるタンパク質の特定の部位のアミノ酸残基が置換、欠失、挿入または付加を含むように、遺伝子のコード領域を改変することができる。部位特異的変異法としては、PCRを用いる方法(Higuchi, R., 61, in PCRtechnology, Erlich, H. A. Eds., Stockton press (1989);Carter,P., Meth. in Enzymol., 154, 382 (1987))や、ファージを用いる方法(Kramer,W.and Frits, H. J., Meth. in Enzymol., 154, 350 (1987);Kunkel,T. A. et al., Meth. in Enzymol., 154, 367 (1987))が挙げられる。

【0051】
リパーゼ遺伝子を宿主に導入する手法は特に制限されない。宿主において、リパーゼ遺伝子は、当該宿主で機能するプロモーターの制御下で発現可能に保持されていればよい。宿主において、リパーゼ遺伝子は、プラスミドのように染色体外で自律複製するベクター上に存在していてもよく、染色体上に導入されていてもよい。宿主は、リパーゼ遺伝子を1コピーのみ有していてもよく、2またはそれ以上のコピーで有していてもよい。宿主は、1種類のリパーゼ遺伝子のみを有していてもよく、2またはそれ以上の種類のリパーゼ遺伝子を有していてもよい。

【0052】
リパーゼ遺伝子を発現させるためのプロモーターは、宿主において機能するものであれば特に制限されない。「宿主において機能するプロモーター」とは、宿主においてプロモーター活性を有するプロモーターをいう。プロモーターは、宿主由来のプロモーターであってもよく、異種由来のプロモーターであってもよい。プロモーターは、リパーゼ遺伝子の固有のプロモーターであってもよく、他の遺伝子のプロモーターであってもよい。

【0053】
リパーゼ遺伝子の下流には、転写終結用のターミネーターを配置することができる。ターミネーターは、宿主において機能するものであれば特に制限されない。ターミネーターは、宿主由来のターミネーターであってもよく、異種由来のターミネーターであってもよい。ターミネーターは、リパーゼ遺伝子の固有のターミネーターであってもよく、他の遺伝子のターミネーターであってもよい。

【0054】
リパーゼ遺伝子は、例えば、同遺伝子を含むベクターを用いて宿主に導入することができる。リパーゼ遺伝子を含むベクターを、リパーゼ遺伝子の発現ベクターまたは組換えベクターともいう。リパーゼ遺伝子の発現ベクターは、例えば、リパーゼ遺伝子を含むDNA断片を宿主で機能するベクターと連結することにより、構築することができる。リパーゼ遺伝子の発現ベクターで宿主を形質転換することにより、同ベクターが導入された形質転換体が得られる、すなわち、同遺伝子を宿主に導入することができる。ベクターとしては、宿主の細胞内において自律複製可能なベクターを用いることができる。また、ベクターは、挿入された遺伝子を発現するために好適なプロモーターやターミネーターを備えていてもよい。発現ベクターの構築の際には、例えば、固有のプロモーター領域を含むリパーゼ遺伝子をそのままベクターに組み込んでもよく、リパーゼのコード領域を上記のようなプロモーターの下流に結合してからベクターに組み込んでもよく、ベクター上にもともと備わっているプロモーターの下流にリパーゼのコード領域を組み込んでもよい。

【0055】
各種微生物において利用可能なベクター、プロモーター、ターミネーターなどに関しては、「微生物学基礎講座8 遺伝子工学、共立出版、1987年」などに、特に放線菌において利用可能なものに関しては、「PRACTICALSTREPTOMYCES GENETICS(Kieserら、JohnInnes Foundation、2000年)」などに、詳細に記述されており、それらを利用することが可能である。

【0056】
リパーゼは、他のアミノ酸配列(タンパク質やペプチド)との融合タンパク質として発現することもできる。他のアミノ酸配列の種類は特に制限されない。他のアミノ酸配列は、宿主の種類やリパーゼの使用目的等の諸条件に応じて適宜選択することができる。

【0057】
形質転換法は特に限定されず、従来知られた方法を用いることができる。形質転換法としては、例えば、エシェリヒア・コリ K-12について報告されているような、受容菌細胞を塩化カルシウムで処理してDNAの透過性を増す方法(Mandel, M. and Higa, A.,J. Mol. Biol. 1970, 53, 159-162)、バチルス・ズブチリスについて報告されているような、増殖段階の細胞からコンピテントセルを調製してDNAを導入する方法(Duncan, C. H., Wilson, G. A. andYoung, F. E.., 1997. Gene 1: 153-167)などが挙げられる。また、特に放線菌に関しては、「PRACTICAL STREPTOMYCES GENETICS(Kieserら、John Innes Foundation、2000年)」を参照して形質転換を行うことができる。

【0058】
上記のようなリパーゼを生産する能力を有する宿主を培地で培養することにより、リパーゼを発現させることができる。その際、必要に応じて、遺伝子の発現誘導を行ってよい。宿主の培養条件や遺伝子の発現誘導の条件は、マーカーの種類、プロモーターの種類、および宿主の種類等の諸条件に応じて適宜選択すればよい。培養に用いる培地は、宿主が増殖でき、且つ、リパーゼを発現できるものであれば特に制限されない。培地としては、例えば、炭素源、窒素源、イオウ源、無機イオン、及び必要に応じその他の有機成分を含有する通常の培地を用いることができる。

【0059】
炭素源としては、グルコース、フラクトース、シュクロース、糖蜜、でんぷんの加水分解物等の糖類、グリセロール、エタノール等のアルコール類、フマル酸、クエン酸、コハク酸等の有機酸類が挙げられる。

【0060】
窒素源としては、硫酸アンモニウム、塩化アンモニウム、リン酸アンモニウム等の無機アンモニウム塩、大豆加水分解物などの有機窒素、アンモニアガス、アンモニア水が挙げられる。

【0061】
イオウ源としては、硫酸塩、亜硫酸塩、硫化物、次亜硫酸塩、チオ硫酸塩等の無機硫黄化合物が挙げられる。

【0062】
無機イオンとしては、カルシウムイオン、マグネシウムイオン、マンガンイオン、カリウムイオン、鉄イオン、リン酸イオンが挙げられる。

【0063】
その他の有機成分としては、有機微量栄養源が挙げられる。有機微量栄養源としては、ビタミンB1などの要求物質や、それらを含む酵母エキス等が挙げられる。

【0064】
培養法は、液体培養であってもよく、固体培養であってもよいが、液体培養が好ましい。培養は、好気的に行うのが好ましい。好気的な培養法としては、振盪培養法や、ジャーファーメンターによる好気的深部培養法が挙げられる。その際の酸素濃度は、例えば、飽和濃度に対して5~50%に、好ましくは10%程度に調節してもよい。培養温度は、例えば、10~50℃、好ましくは20℃~45℃、より好ましくは25℃~40℃であってよい。培地のpHは、例えば、3~9、好ましくは5~8に調整されてもよい。pH調整には無機あるいは有機の酸性あるいはアルカリ性物質、例えば炭酸カルシウム、アンモニアガス、アンモニア水等、を使用することができる。培養期間は、例えば、12時間~20日間、好ましくは1日間~7日間であってよい。

【0065】
上記のような条件下で培養を行うことにより、リパーゼを含む培養物が得られる。リパーゼは、例えば、宿主の菌体内および/または培地中に蓄積する。「菌体」は、宿主の種類に応じて、適宜「細胞」等に読み替えてよい。

【0066】
リパーゼは、菌体等に含まれたまま使用してもよく、適宜、菌体等から分離精製し粗酵素画分又は精製酵素として使用してもよい。

【0067】
すなわち、例えば、宿主の菌体内にリパーゼが蓄積する場合、適宜、菌体を破砕、溶解、または抽出等し、リパーゼを回収することができる。菌体は、遠心分離等により培養物から回収することができる。細胞の破砕、溶解、または抽出等は、公知の方法により行うことができる。そのような方法としては、例えば、超音波破砕法、ダイノミル法、ビーズ破砕、フレンチプレス破砕、リゾチーム処理が挙げられる。これらの方法は、1種を単独で用いてもよく、2種またはそれ以上を適宜組み合わせて用いてもよい。また、例えば、培地にリパーゼが蓄積する場合、遠心分離等により培養上清を取得し、培養上清からリパーゼを回収することができる。

【0068】
リパーゼの精製は、酵素の精製に用いられる公知の方法により行うことができる。そのような方法としては、例えば、硫安分画、イオン交換クロマトグラフィー、疎水クロマトグラフィー、アフィニティークロマトグラフィー、ゲルろ過クロマトグラフィー、等電点沈殿が挙げられる。これらの方法は、1種を単独で用いてもよく、2種またはそれ以上を適宜組み合わせて用いてもよい。リパーゼの精製は、所望の程度に行うことができる。

【0069】
精製されたリパーゼは、「リパーゼ」としてグリセロ脂質の加水分解に利用できる。リパーゼは、遊離の状態で利用されてもよいし、樹脂等の固相に固定化された固定化酵素の状態で利用されてもよい。

【0070】
また、精製されたリパーゼに限られず、リパーゼを含有する任意の画分を「リパーゼ」としてグリセロ脂質の加水分解に利用してもよい。リパーゼを含有する画分は、リパーゼがグリセロ脂質に作用できるように含有される限り特に制限されない。そのような画分としては、例えば、リパーゼを生産する能力を有する宿主の培養物、同培養物から回収した菌体(培養菌体)、同菌体の破砕物、同菌体の溶解物、同菌体の抽出物(無細胞抽出液)、同菌体をアクリルアミド、カラギーナン等で固定化した固定化菌体等の菌体処理物、同培養物から回収した培養上清、それらの部分精製物(粗精製物)、それらの組み合わせが挙げられる。これらの画分は、いずれも、単独で利用されてもよいし、精製されたリパーゼと共に利用されてもよい。

【0071】
回収したリパーゼは、適宜、製剤化してもよい。剤形は特に制限されず、リパーゼの使用用途等の諸条件に応じて適宜設定することができる。剤形としては、例えば、液剤、懸濁剤、散剤、錠剤、丸剤、カプセル剤が挙げられる。製剤化にあたっては、例えば、賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、安定化剤、矯味剤、矯臭剤、香料、希釈剤、界面活性剤等の薬理学的に許容される添加剤を使用することができる。

【0072】
<3>リパーゼの利用
本発明においては、リパーゼを利用して、グリセロ糖脂質および/またはグリセロリン脂質を加水分解することができる。すなわち、本発明は、リパーゼをグリセロ糖脂質および/またはグリセロリン脂質に作用させることを含む、グリセロ糖脂質および/またはグリセロリン脂質を加水分解する方法を提供する。同方法を、「本発明の方法」ともいう。また、同方法の一態様は、リパーゼをグリセロ糖脂質および/またはグリセロリン脂質に作用させることを含む、グリセロ脂質の加水分解物の製造法である。

【0073】
グリセロ糖脂質および/またはグリセロリン脂質の加水分解により、脂肪酸と、脂肪酸が遊離した(すなわちエステル結合が加水分解されて水酸基を生じた)グリセロ脂質が生成する。これらの成分は、まとめてグリセロ脂質の加水分解物として取得し、利用してよい。また、これらの成分の内、所望の成分を分離回収し、利用してもよい。成分の回収は、化合物の分離精製に用いられる公知の手法により行うことができる。そのような手法としては、例えば、イオン交換樹脂法や膜処理法が挙げられる。これらの手法は適宜組み合わせて用いることができる。

【0074】
例えば、グリセロ糖脂質である場合、グリセロ糖脂質の加水分解により、糖グリセロールおよび/またはリゾ型糖グリセロール(1位あるいは2位にアシルエステルをもつ糖グリセロール)が生成し得る。すなわち、本発明の方法の一態様は、リパーゼをグリセロ糖脂質に作用させることを含む、糖グリセロールおよびリゾ型糖グリセロールを製造する方法であってもよい。

【0075】
生成する糖グリセロールの種類は、加水分解されるグリセロ糖脂質の種類に対応する。すなわち、例えば、モノガラクトシルジアシルグリセロール、ジガラクトシルジアシルグリセロール、およびスルホキノボシルジアシルグリセロールの加水分解により、それぞれ、それらに対応する糖グリセロールおよび/またはリゾ型糖グリセロールが生成し得る。また、生成する糖グリセロールおよびリゾ型糖グリセロールにおける糖鎖の位置は、加水分解されるグリセロ糖脂質における糖鎖の位置に対応する。すなわち、例えば、グリセロール骨格の3位に糖鎖が結合したグリセロ糖脂質の加水分解により、グリセロール骨格の3位に糖鎖が結合した糖グリセロールが生成し得る。

【0076】
例えば、グリセロリン脂質である場合、グリセロリン脂質の加水分解により、1-アシルリゾグリセロリン脂質あるいは/および2-アシルリゾグリセロリン脂質、あるいは/およびグリセロール-3-リン酸が生成し得る。すなわち、本発明の方法の一態様は、リパーゼをグリセロリン脂質に作用させることを含む、1-アシルあるいは/および2-アシルリゾグリセロリン脂質、あるいは/およびグリセロール-3-リン酸を製造する方法であってもよい。

【0077】
グリセロ糖脂質及び/又はグリセロリン脂質は、それらそのものであってもよく、それらを含有する素材であってもよい。言い換えると、グリセロ糖脂質及び/又はグリセロリン脂質は、単独で(すなわち単離された状態で)リパーゼによる加水分解に供されてもよく、任意の素材に含有された状態でリパーゼによる加水分解に供されてもよい。例えば、グリセロ糖脂質及び/又はグリセロリン脂質を含有する小麦粉などの農水畜産物、それらの加工品、それらからの分離物、人工的に合成したグリセロ糖脂質及び/又はグリセロリン脂質が挙げられる。上記素材は、1種のグリセロ糖脂質及び/又はグリセロリン脂質を含有していてもよく、2種またはそれ以上のグリセロ糖脂質及び/又はグリセロリン脂質を含有していてもよい。

【0078】
グリセロ糖脂質及び/又はグリセロリン脂質は、例えば、溶液、懸濁液、スラリー、またはペースト等の形態でリパーゼによる加水分解に供することができる。溶媒または分散媒としては、例えば、水や水性緩衝液等の水性媒体を用いることができる。また、グリセロ脂質は、適宜、乳化等の前処理に供してから、リパーゼによる加水分解に供してもよい。反応系におけるグリセロ糖脂質及び/又はグリセロリン脂質の反応条件(酵素量、反応時間、反応温度、反応pH等)は、所望の程度に加水分解が達成される限り、特に制限されない。反応系(反応液等)は、グリセロ糖脂質及び/又はグリセロリン脂質と溶媒からなるものであってもよく、他の成分を含んでいてもよい。

【0079】
加水分解により、グリセロ糖脂質及び/又はグリセロリン脂質の物性や機能を改変することができる。よって、例えば、グリセロ脂質を含有する飲食品またはその原料をリパーゼにより加水分解することにより、飲食品またはその原料の物性や機能を改変することができる。よって、リパーゼは、グリセロ脂質の改質剤(物性改変剤や機能改変剤)として提供されてよく、例えば、飲食品またはその原料の改質剤(物性改変剤や機能改変剤)として、例えば、小麦加工食品用や大豆加工食品用の品質改良剤として提供されてよい。

【0080】
また、リパーゼは、グリセロ脂質の加水分解用試薬等の、試験研究用試薬として提供されてもよい。
【実施例】
【0081】
以下、本発明を実施例に基づきより具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【実施例】
【0082】
実施例1:ストレプトマイセス・サングリエリ(Streptomyces sanglieri)A14株の培養
ISP2培地(1% マルツエキス(オリエンタル酵母社製)、0.4%酵母エキス(オリエンタル酵母製)、グルコース(和光純薬工業(株)製)、pH7.2)800mLを調製し、500mL容バッフル付き三角フラスコに100mlずつ分注して、121℃で15分間蒸気殺菌を行った。予め平板培地に生育したストレプトマイセス・サングリエリ(Streptomyces sanglieri)A14株(NITE BP-1392)のコロニーを適当量とり、ISP2培地(5mLを入れたφ18試験管(18×180mm)に接種し、28℃で良好な生育が得られるまで振とう培養した。この培養液を先の滅菌した培地100mLに1mlずつ接種し、28℃で3日間振とう培養した。
【実施例】
【0083】
実施例2:ストレプトマイセス・サングリエリ(Streptomyces sanglieri)A14株由来リパーゼの精製
実施例1で得られたストレプトマイセス・サングリエリ(Streptomyces sanglieri)A14株(NITE BP-1392)の培養液を遠心分離機を用いて、この培養液から上清を回収した。
【実施例】
【0084】
(a)硫安分画
実施例1で回収した培養上清に80%(w/v)飽和となるように硫酸アンモニウムを添加し、生じた沈殿を遠心分離(10,000rpm、30分、4℃)により回収した。この沈殿を20mM トリス-塩酸緩衝液(pH9.0)80mlで懸濁し、20mMトリス-塩酸緩衝液(pH9.0)で透析し、粗酵素液を得た。
【実施例】
【0085】
(b)DEAE-Toyopearlカラムクロマトグラフィー
(a)で得られた粗酵素液を、20mM トリス-塩酸緩衝液(pH9.0)で予め平衡化したDEAE-Toyopearl 650Mカラム(内径25mm、高さ38mm、東ソー社製)にアプライした。同緩衝液でカラムを洗浄した後、塩化ナトリウム(0Mから1Mまで)のリニアグラジェントにより、活性画分を溶出させた。
【実施例】
【0086】
(c)TOYOPEARL PPG-600M
(b)で得られた粗酵素液を20mMトリス-塩酸緩衝液(pH8.0)で予め平衡化した「TOYOPEARL PPG-600M」(内径25mm、高さ20mm)カラム(東ソーバイオサイエンス社製)にアプライし、同緩衝液でカラムを洗浄した後、硫酸アンモニウム(1Mから0Mまで)のリニアグラジェントにより、活性画分を溶出させた。
【実施例】
【0087】
(d)HiTrap Qカラムクロマトグラフィー
(c)で得られた活性画分を集め、Vivaspin(ザルトリウス社製)を用い濃縮脱塩した。これに、20mM トリス-塩酸緩衝液(pH8.0)を加えた。これを、20mM トリス-塩酸緩衝液(pH8.0)で予め平衡化したHiTrapQ(5ml)カラム(GEヘルスケアバイオサイエンス社製)にアプライし、同緩衝液でカラムを洗浄した後、塩化ナトリウム(0Mから1Mまで)のリニアグラジェントにより、活性画分を溶出させた。
【実施例】
【0088】
(e)Mono Q カラムクロマトグラフィー
(d)で得られた活性画分をViva spinを用い濃縮脱塩した。これに、20mMトリス-塩酸緩衝液(pH8.0)を加えた。これを、20mM トリス-塩酸緩衝液(pH8.0)で予め平衡化した「Mono Q」(1ml)カラム(GEヘルスケアバイオサイエンス社製)にアプライし、同緩衝液でカラムを洗浄した後、塩化ナトリウム(0Mから1Mまで)のリニアグラジェントにより、活性画分を溶出させた。
【実施例】
【0089】
溶出した活性画分を集めてSDS-PAGE(12%(w/v)ポリアクリルアミドゲル)により解析した。図1は、この溶出画分のSDS-PAGEによる解析の結果を示す電気泳動写真である。レーン1(Marker)は、分子量マーカーであり、レーン2(精製酵素)は、溶出画分のバンドを示す。その結果、単一のバンドが観察された。その結果、およそ29kDaに単一のバンドが観察された。
【実施例】
【0090】
このようにして、ストレプトマイセス・サングリエリ(Streptomyces sanglieri)A14株より、電気泳動的に単一に精製された酵素を得た。
【実施例】
【0091】
表1に、各精製工程における収量、収率等を示す。
【実施例】
【0092】
【表1】
JP2017060424A_000002t.gif
【実施例】
【0093】
実施例3:ストレプトマイセス・サングリエリ(Streptomyces sanglieri)A14株由来酵素(GL)の特性評価
本実施例において、酵素活性の測定は、基本的には、以下のような方法をベースとして行った。この方法を、以下、「酵素活性標準測定方法」という。
【実施例】
【0094】
基質(POPSなど)を含んだ所定の反応液(例えば、1mMPOPS、10mM CaClを含む、0.14M Tris-HCl緩衝液(pH7.2))に、精製酵素(GL)を10%(v/v)となるように加え、合計量25μLとなる反応液を調製した。そして、この反応液を10分間、所定の温度(例えば37℃)の温度条件にて撹拌し、酵素反応を行った。酵素反応における、基質量などの反応溶液の組成、温度、pHは各実験で示すように適宜選択した。
【実施例】
【0095】
酵素反応の後、1Nの塩酸を反応液と等量加えることで反応を停止させた。そして反応液5μL中に含まれる遊離脂肪酸を、遊離脂肪酸測定キット「NEFA C-テストワコー」(和光純薬)を用いて、キットに添付の指示書に記載のとおりに測定した。本条件で、1分間に1μmolの遊離脂肪酸を生成する酵素活性を1単位(U)のガラクトリパーゼ活性とした。
【実施例】
【0096】
(酵素学的性質)
上記の精製酵素(GL)の酵素学的性質について検討した。
【実施例】
【0097】
(1)作用温度
基質(POPS)を1mM、Tris-HCl(pH7.2)を0.14M、CaClを10mM含む溶液に、精製酵素(GL)を10%(v/v)となるように加え、合計量25μLとなる反応液を調製した。この反応液を各温度条件にて、pH7.2で10分間、酵素反応させた。その後に、酵素活性標準測定方法に従ってリパーゼ活性を測定した。
【実施例】
【0098】
図2は、種々の反応温度での酵素活性を、反応温度が45℃である場合の活性を基準(100%)とする相対活性として示したグラフである。図2のグラフに示されるように、この酵素は、少なくとも20~60℃で活性を発揮し、そして反応の至適温度は30~55℃の範囲内であった。
【実施例】
【0099】
(2)作用pH
基質(POPS)を1mM、酢酸-酢酸Na、Bis-Tris、Tris-HCl、又は、Glycine-NaOHから選ばれる緩衝液(各pH)を0.14M、CaClを10mM含む溶液に、精製酵素(GL)を10%(v/v)となるように加え、合計量25μLとなる反応液を調製した。この反応液を各pH条件にて温度37℃、10分間、酵素反応させた。その後に、酵素活性標準測定方法に従ってリパーゼ活性を測定した。
【実施例】
【0100】
各pH条件は次の通りである。
酢酸-酢酸Na緩衝液:pH4、pH4.8、pH5.6
MES緩衝液:pH5.6、pH6、pH6.5、pH7
Tris-HCl緩衝液:pH7.2、pH7.5、pH7.7、pH8、pH9
Glycine-NaOH緩衝液:pH9、pH10、pH10.5
【実施例】
【0101】
図3は、種々の反応pHでの酵素活性を、反応pHが10である場合の酵素活性を基準(100%)とする相対活性として示したグラフである。図3のグラフから分かるように、この酵素は、pH4からpH11という広い範囲で活性を発揮し、そして、反応の至適pHは、10付近(例えば7~10)であった。
【実施例】
【0102】
(3)基質特異性
基質(POPS等)を1mM、Glycine-NaOH(pH10.5)を0.14M、10mMCaCl水溶液を含む溶液に、精製酵素(GL)を10%(v/v)となるように加え、合計量25μLとなる反応液を調製した。この反応液をpH10.5、45℃にて10分間、酵素反応させた。その後に、酵素活性標準測定方法に従ってリパーゼ活性を測定した。
【実施例】
【0103】
図4は、基質として次に示すものを用いたときの酵素活性を示すグラフである。このグラフでは、POPSを100%としたときの相対活性を示している。
【実施例】
【0104】
グラフ中の基質の詳細
TAG:トリアシルグリセロール オリーブ油(和光純薬工業(株)製),品番150-00276)
DAG:ジアシルグリセロール 1,2-DIPALMITIN(ジーエルサイエンス株式会社,品番M338:11)
MAG:モノアシルグリセロール Monopalmitin(ジーエルサイエンス株式会社,品番J364:11)
PlsEtn:1-O-1'-(Z)-octadecenyl-2-arachidonoyl-sn-glycero-3-phosphoethanolamine(Avanti Polar Lipids,品番852758C,純度99%以上)
MGDG:モノガラクトシルジアシルグリセロール(LarodanFine Chemicals,#59-1200)
SQDG:スルホキノボキシルジアシルグリセロール(LarodanFine Chemicals,#59-1230)
DGDG:ジガラクトシルジアシルグリセロ—ル(LarodanFine Chemicals,#59-1210)
POPC:1,2-ジアシル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン(1,2-Diacyl-sn-glycero-3-phosphocholine)(AvantiPolar Lipids,品番850457P,純度99%以上)
LPE:リゾホスファチジルエタノールアミン(L-α-Lysophosphatidylethanolamine、Egg)(DOOSAN Serdary Research Laboratories 品番A340 純度99%以上)
POPE:1-パルミトイル-2-オレイル-sn-グリセロ-3-ホスホエタノールアミン(1-Palmitoyl-2-oleoyl-sn-glycero-3-phosphoethanolamine)(Avanti Polar Lipids,品番850757P,純度99%以上)
DPPE:1,2-ジパルミトイル-sn-グリセロ-3-ホスホエタノールアミン(1,2-Dipalmitoyl-sn-glycero-3-phosphoethanolamine)(Avanti Polar Lipids,品番850705P,純度99%以上)
DOPE:1,2-ジオレオイル-sn-グリセロ-3-ホスホエタノールアミン
(1,2-Dioleoyl-sn-glycero-3-phosphoethanolamine)(Avanti Polar Lipids,品番850725C,純度99%以上)
DMPA:1,2-ジミリストイル-sn-グリセロール-3-ホスフェート(1,2-Dimyristoyl-sn-glycerol-3-phosphate)(AvantiPolar Lipids,品番830845P,純度99%以上)
PI:L-α-ホスファチジルイノシトール(L-α-Phosphatidylinositol)(Enzo Life Science 品番BML-PH100 純度98%)
POPG:1-パルミトイル-2-オレイル-sn-グリセロ-3-ホスホ-(1-rac-グリセロール)(1-Palmitoyl-2-oleoyl-sn-glycero-3-phospho-(1-rac-glycerol))(Avanti Polar Lipids,品番840457C,純度99%以上)
POPS:1-パルミトイル-2-オレイル-sn-グリセロ-3-ホスホセリン
(1-palmitoyl-2-oleoyl-sn-glycero-3-phospho-L-serine)(Avanti Polar Lipids,品番840034C,純度99%以上)
また、DGDG以外の基質として、MGDG(モノガラクトシルジアシルグリセロール)、SQDG(スルホキノボシルジアシルグリセロール)、POPG(1-パルミトイル-2-オレイル-sn-グリセロ-3-ホスホ-rac-(1-グリセロール))、POPC(1-パルミトイル-2-オレイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン)、POPE(1-パルミトイル-2-オレイル-sn-グリセロ-3-ホスホエタノールアミン)、POPS(1-パルミトイル-2-オレイル-sn-グリセロ-3-ホスホセリン)、DMPA(1,2-ジミリストイルホスファチジン酸)、Monopalmitin(モノパルミチン)、1,2-dipalmitin(ジパルミチン)、オリーブ油を用いた。DGDG以外の各基質に対するリパーゼ活性は、DGDGに代えて同量((w/v)%)の各基質を用いたこと以外は、ガラクトリパーゼ活性の標準測定方法に従って測定した。本条件で、1分間に1μmolの遊離脂肪酸を生成する酵素活性を1単位(U)の各基質に対するリパーゼ活性とした。なお、オリーブ油に対するリパーゼ活性は、特許第5179208号に記載の方法に従って測定した。具体的には、オリーブ油(ナカライテスク(株)製)200mgとアラビアガム(和光純薬工業(株)製)100mgに水10mlを加え、超音波発生装置(Fine, Ultra sonic cleaner, 100W)で超音波処理1分、ボルテックスでの攪拌1分を合計2回の条件で乳化させ、これを基質液として用いた。
【実施例】
【0105】
図4のグラフより、上記の精製酵素は、基質特異的に作用し、ガラクトリパーゼ活性及びホスホリパーゼ活性を示すことが確認された。
【実施例】
【0106】
具体的には、GLの加水分解活性は、POPSを基質としたときの活性を100%とすると、PlsEtn,MAG,DAG、TAGに対してほぼ0%であった。また、POPG、PI,DMPAは、70%を超え、ホスファチジルエタノールアミン又はそのホスホリパーゼ加水分解体であるDOPE,DPPE、POPE、LPEは、30%以上であり、POPCは20%を超える活性を示した。
【実施例】
【0107】
そして、グリセロール糖脂質であるDGDG,SQDG、MGDGにはおおよそ20%以上の活性を示した。
【実施例】
【0108】
(4)温度安定性
精製酵素(GL)を各温度で30分間保温した。基質POPSを1mM、Glycine-NaOH(pH10.5)を0.14M、CaCl2を10mM、Triton X-100を0.1%(w/v)含む溶液に、各温度での処理後の酵素を10%(v/v)となるように加え、合計量25μLとなる反応液を調製した。この反応液をpH10.5、温度45℃の条件にて10分間、酵素反応させた。その後に、酵素活性標準測定方法に従ってリパーゼ活性を測定した。
【実施例】
【0109】
図5は、各温度での処理後の酵素の活性を、温度4℃で処理して酵素反応したときの活性を基準(100%)とする相対活性として示したグラフである。図5のグラフに示されるように、この酵素は、4℃から55℃までの温度での処理後では、処理前の80%以上の活性が維持されていた。
【実施例】
【0110】
(5)pH安定性
酢酸-酢酸Na(グラフ中AceTate)、MES,Tris-HCl(グラフ中Tris)、又は、Glycine-NaOH(グラフ中Glycine)から選ばれる緩衝液(各pH)50mMに、精製酵素(GL)を20%(v/v)となるように加え、各pHで4℃条件下、3時間処理した。その後、基質POPSを10mM、Glycine-NaOH(pH10.5)を0.14M、CaCl2を10mM、Triton X-100を0.1%(w/v)含む溶液に、各pHでの処理後の酵素を10%(v/v)となるように加え、合計量25μLとなる反応液を調製した。この反応液をpH10.5、温度45℃の条件にて10分間、酵素反応させた。その後に、酵素活性標準測定方法に従ってリパーゼ活性を測定した。
【実施例】
【0111】
図6は、種々のpHでの処理後の酵素の活性を、Tris-HClによりpH8でpH処理を行って酵素反応したときの活性を基準(100%)とする相対活性として示したグラフである。図6のグラフに示されるように、この酵素は、少なくともpH5.5から8までのpH処理後においても50%以上の活性が確認された。
【実施例】
【0112】
(6)金属イオンおよびEDTAの影響
基質(POPS)を1mM、Glycine-NaOH(pH10.5)を0.14M、Triton X-100を0.1%(w/v)含む溶液に、酵素を10%(v/v)となるように加え、さらに各種金属イオン又はEDTAを10mM添加して、合計量25μLとなる反応液を調製した。ここで、金属イオンとしては金属塩化物(MCln:Mは金属、nは1又は2)を加えるようにした。この反応液をpH10.5、温度45℃の条件にて10分間、酵素反応させた。その後に、酵素活性標準測定方法に従ってリパーゼ活性を測定した。
【実施例】
【0113】
図7は、添加物(金属イオン及びEDTA)を添加していない条件(free)を100%としたときの、各種添加物を添加した相対活性の結果である。上記の酵素は、Na、Al3+、Mg2+、Liの存在下では、添加物を添加していない場合よりも高い活性を示した。Ca2+,Kの存在下では、添加物を添加していない場合とほぼ同等の活性を示した。また、EDTAの存在下では、若干活性が低下する傾向が見られた。また、Zn2+の存在下では活性が大きく低下し、活性阻害が見られた。
【実施例】
【0114】
(7)グリセロールリン脂質のホスホリパーゼB活性の確認
0.1%(w/v)トリトン(Triton)X-100(ナカライテスク株式会社製)1mLにホスホセリン0.1g(Avanti polar lipids社製、1-palmitoyl-2-oleoyl-sn-glycero-3-phospho-L-serine)を溶解し、10%(w/v)ホスホセリンを調製した。この10%(w/v)ホスホセリン2.5μLに、0.2M Glycine-NaOH(pH10.5)17.5μLと、10mMNaCl 2.5μLとを加えた。そして、45℃で5分間予備加温した後、精製酵素(GL)を含む試料2.5μLを添加し、45℃で10分反応させた。その後、この反応液25μLにクロロホルム:メタノール溶液(2:1,v/v)100μLを加え、激しく撹拌後、遠心分離を行った(21600×g、5min、4℃)。遠心分離後、クロロホルム層(下層)のみを採取し、減圧濃縮後に、クロロホルム:メタノール溶液(2:1,v/v)25μLに調整した。
【実施例】
【0115】
その調製溶液をキャピラリーGas chromatography(cGC)分析(島津製作所製ガスクロマトグラフGC-14Bを使用)することにより、遊離脂肪酸の同定および定量を行った。Palmitic acid とoleic acidが、酵素反応により生成しており、その生成量はほぼ同程度であったことから、本発明の酵素(GL)はホスホリパーゼ活性Bを示すことが確認された。
【実施例】
【0116】
実施例4:ストレプトマイセス・サングリエリ(Streptomyces sanglieri)A14株由来リパーゼのアミノ酸配列決定
[精製酵素の内部アミノ酸配列の解析]
上記の精製酵素について、SDS-PAGE後、目的とする酵素を切り出し、トリプシンを用いてゲル内消化を行った。そして、得られたペプチドサンプルについて質量分析計(nanoLC-MS/MS)により内部アミノ酸配列の解析を行った。これにより、内部アミノ酸配列は、配列番号1から3に示すものであることが確認された。
【実施例】
【0117】
ここで、配列番号1は、配列番号5の141位からに示される配列となっている。また、配列番号2は、配列番号5の175位からに示される配列となっている。また、配列番号3は、配列番号5の209位からに示される配列となっている。なお、nanoLC-MS/MSによるデノボアミノ酸配列解析ではLeuとIleとが判別できないため、これらのアミノ酸が一部一致していない箇所がある。
【実施例】
【0118】
実施例5:ストレプトマイセス・サングリエリ(Streptomyces sanglieri)A14株の染色体DNAの分離
ストレプトマイセス・サングリエリ(Streptomyces sanglieri)A14株を、2.5M塩化マグネシウム100μl、20%グリシン1.25mlYEME培地(ペプトン0.5%、酵母エキス0.3%、麦芽エキス0.3%、グルコース1%、スクロース34%)50mlを用いて28℃で3日間培養し、遠心分離により集菌し、滅菌生理食塩水等で洗浄した。
【実施例】
【0119】
次いで、この菌体を、75mM NaCl、25mM EDTA、20mM トリス-塩酸緩衝液(pH7.5)および1mg/mlリゾチームからなる溶液5mlに懸濁し、37℃で1時間処理した。これに、10%(w/v)SDSを750μl、proteinase Kを3.75mg添加し、55℃で2時間処理した。この溶液に5M NaCl2mlとクロロホルム5mlを加えて攪拌し、遠心分離により水相を5ml分取した。
【実施例】
【0120】
この水相に3mlのイソプロパノールを添加混合してDNA画分を回収し、70%エタノール1mlでリンスした後、遠心分離を行った。この沈殿を回収し、減圧乾燥した後、10mM トリス-塩酸緩衝液(pH8.0)および1mM EDTAからなる溶液500μlに溶解し55℃で一晩放置した。これに、RNaseAを0.1mg/mlとなるように加え、37℃で20分間処理した後、0.8MのNaClを含む13%PEG溶液を500μl加え攪拌し、4℃、1時間静置後、遠心分離により沈殿を回収した。この沈殿を1mMEDTAを含む10mM トリス-塩酸緩衝液(pH 7.5)500μlで溶解した。これにフェノール/クロロホルム混合液500μlを加えて攪拌し、遠心分離により、水相を500μl分取した。
【実施例】
【0121】
この水相に3M 酢酸ナトリウム緩衝液(pH5.2)50μLおよび100%エタノール1mlを添加混合し、DNAを回収した。
【実施例】
【0122】
このDNAを70%(v/v)エタノールに10分間浸漬した後、10mMトリス-塩酸緩衝液(pH8.0)および1mM EDTAからなる溶液200μlに溶解した。
【実施例】
【0123】
実施例6:ストレプトマイセス・サングリエリ(Streptomyces sanglieri)A14株のゲノムDNA配列解析
(a)回収したDNAをIon shear plus enzyme mix(ライフテクノロジーズ社)のメーカー推奨プロトコル通りに処理し、200 bp程度に断片化を行った。得られたDNAフラグメントは、E-gel safe imager (Invitrogen)およびSolidlibrary size selection gelsを用いてサイズセレクションを行った。18 min電気泳動を行い、同時に泳動したDNA size markerと比較し、200 bp程度のDNAフラグメントをLBチューブに回収した。
【実施例】
【0124】
得られたDNAフラグメントは、MonoFas DNA精製キットI (GL science)を用いてカラム精製した。カラムからDNAフラグメントを溶出する際、オートクレーブ処理したTris-HCl buffer (pH 8.0) 20 μlで溶出させた。
【実施例】
【0125】
その後、D1k screen tape (アジレント・テクノロジー)を用いて、調製したDNAフラグメントサンプルのサイズ、クオリティおよび濃度を確認した。
【実施例】
【0126】
(b)次いで、調製したDNAフラグメントの両末端に、シーケンシングの際に必要となる2種類のDNA adapter primerをTakara Dice thermalcycler (Takara)を用いてライゲーションさせ、polymeraseを用いたニックトランスレーションを行うことにより、ライブラリを調製し、MonoFas DNA精製キットI (GL science)を用いてカラム精製した。
【実施例】
【0127】
その後、D1k screen tape (アジレント・テクノロジー)を用いて、調製したDNAフラグメントサンプルのサイズ、クオリティおよび濃度を確認した。
【実施例】
【0128】
(c) 調製したDNAライブラリを、IonOneTouch 2 system(ライフテクノロジーズ社)を用いてエマルジョンPCR (以下、ePCRと略記)を行った。ePCRは、油中水滴エマルジョン中において、1分子のDNAライブラリが、5-3-3でDNAフラグメントにライゲーションしたadaptorを介してDNAキャプチャービーズ(Ion sphere particle、以下、ISPビーズと略記)に結合する。その後、水滴中においてPCR反応を行うことにより、ISPビーズに結合したDNAライブラリのみがPCR増幅することになる。これをIon OneTouch ESによりエンリッチメントすることで精製を行い、それを次世代シーケンサーを行う際のテンプレートDNAとして、用いる。
【実施例】
【0129】
(d)上記のように準備した断片化DNAサンプルをION PGM(ライフテクノロジーズ社)を用いてシーケンスし、断片化ゲノムDNAの塩基配列情報を大量に得た。取得した塩基配列をコンピューター上でアッセンブルすることで多数のコンティグ配列を取得した。getorf(フリーソフト)を用いて、取得したコンティグ配列からorf(読み枠)を抽出し、アミノ酸配列に変換した。nanoLC-MS/MS解析により得られた内部アミノ酸配列に対応するorfを検索することで、GLのorf(全アミノ酸配列)とその遺伝子の塩基配列を同定した。
【実施例】
【0130】
実施例7:ストレプトマイセス・サングリエリ(Streptomyces sanglieri)A14株由来GL遺伝子の塩基配列の決定
上記で決定した塩基配列に基づいて、ストレプトマイセス・サングリエリ(Streptomyces sanglieri)A14株由来GL遺伝子を含む領域の塩基配列(882bp)を決定した(配列番号4)。配列番号5は、この塩基配列のコドンに対応するアミノ酸配列である。Signal P(フリーソフト)を用いて、分泌シグナル配列を予測した。その結果、配列番号6に示すシグナル領域を持つことがわかった。したがって、配列番号5から配列番号6の1位~29位を除外したものが、成熟酵素部分であると推定した。成熟酵素部分の等電点(pI)をGenetyxMacで計算させたところpIは7.57であると算出された。これに対して、WO2013/145289に記載されているNA297株ホスホリパーゼA1のpIは6.06、WO2012/104988に記載されているNA684株ホスホリパーゼBのpIは6.44、特許文献2にNo.4配列として記載のガラクトリパーゼのpIは7.19であった。
【実施例】
【0131】
配列解析の結果から、264残基のアミノ酸をコードしていることが明らかとなった。配列番号6のアミノ酸配列が分泌シグナル配列である。
【実施例】
【0132】
上記にて決定したストレプトマイセス・サングリエリ(Streptomyces sanglieri)A14株由来の精製酵素のN末端および内部アミノ酸配列が、上記の推定アミノ酸配列中に存在し、ほぼ完全に一致していた。
【実施例】
【0133】
すなわち、配列番号7のアミノ酸配列は、シグナル部分を除いた成熟酵素部分である。配列番号1のアミノ酸配列は、配列番号7のアミノ酸配列の112位からに示される配列となっている。また、配列番号2のアミノ酸配列は、配列番号7のアミノ酸配列のアミノ酸配列146位からに示される配列となっている。また、配列番号3のアミノ酸配列は、配列番号7のアミノ酸配列の180位からに示される配列となっている。ただし、nanoLC-MS/MSによるデノボアミノ酸配列解析ではLeuとIleとが判別できないため、これらのアミノ酸が一部一致していない箇所がある。
【実施例】
【0134】
また、ストレプトマイセス・サングリエリ(Streptomyces sanglieri)A14株由来の精製酵素(すなわちGL)は、この推定アミノ酸配列のアミノ酸組成に基づいて計算したところ、約30,000の分子量を有することが推定された。
【産業上の利用可能性】
【0135】
本発明によれば、新規なGLが提供される。
【受託番号】
【0136】
受託機関の名称:独立行政法人製品評価技術基盤機構特許微生物寄託センター
寄託機関のあて名:日本国〒292-0818 千葉県木更津市かずさ鎌足2-5-8
受託の日付:2012年7月24日
受託番号:NITE BP-1392
<配列表の説明>
配列番号1:GLの内部配列
配列番号2:GLの内部配列
配列番号3:GLの内部配列
配列番号4:GL遺伝子の塩基配列
配列番号5:GL遺伝子の塩基配列のコドンに対応するアミノ酸配列
配列番号6:GL遺伝子の分泌シグナル配列
配列番号7:GL遺伝子の成熟酵素部分のアミノ酸配列
図面
【図2】
0
【図3】
1
【図4】
2
【図5】
3
【図6】
4
【図7】
5
【図1】
6