TOP > 国内特許検索 > 表示装置 > 明細書

明細書 :表示装置

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 再公表特許(A1)
発行日 平成29年6月29日(2017.6.29)
発明の名称または考案の名称 表示装置
国際特許分類 G02B  27/22        (2006.01)
G03B  35/24        (2006.01)
H04N  13/04        (2006.01)
FI G02B 27/22
G03B 35/24
H04N 13/04 060
国際予備審査の請求
全頁数 19
出願番号 特願2016-540161 (P2016-540161)
国際出願番号 PCT/JP2015/071343
国際公開番号 WO2016/021442
国際出願日 平成27年7月28日(2015.7.28)
国際公開日 平成28年2月11日(2016.2.11)
優先権出願番号 2014160446
優先日 平成26年8月6日(2014.8.6)
優先権主張国 日本国(JP)
指定国 AP(BW , GH , GM , KE , LR , LS , MW , MZ , NA , RW , SD , SL , ST , SZ , TZ , UG , ZM , ZW) , EA(AM , AZ , BY , KG , KZ , RU , TJ , TM) , EP(AL , AT , BE , BG , CH , CY , CZ , DE , DK , EE , ES , FI , FR , GB , GR , HR , HU , IE , IS , IT , LT , LU , LV , MC , MK , MT , NL , NO , PL , PT , RO , RS , SE , SI , SK , SM , TR) , OA(BF , BJ , CF , CG , CI , CM , GA , GN , GQ , GW , KM , ML , MR , NE , SN , TD , TG) , AE , AG , AL , AM , AO , AT , AU , AZ , BA , BB , BG , BH , BN , BR , BW , BY , BZ , CA , CH , CL , CN , CO , CR , CU , CZ , DE , DK , DM , DO , DZ , EC , EE , EG , ES , FI , GB , GD , GE , GH , GM , GT , HN , HR , HU , ID , IL , IN , IR , IS , JP , KE , KG , KN , KP , KR , KZ , LA , LC , LK , LR , LS , LU , LY , MA , MD , ME , MG , MK , MN , MW , MX , MY , MZ , NA , NG , NI , NO , NZ , OM , PA , PE , PG , PH , PL , PT , QA , RO , RS , RU , RW , SA , SC , SD , SE , SG , SK , SL , SM , ST , SV , SY , TH , TJ , TM , TN , TR , TT , TZ , UA , UG , US
発明者または考案者 【氏名】高木 康博
出願人 【識別番号】504132881
【氏名又は名称】国立大学法人東京農工大学
個別代理人の代理人 【識別番号】110000877、【氏名又は名称】龍華国際特許業務法人
審査請求 未請求
テーマコード 2H059
2H199
5C061
Fターム 2H059AB01
2H059AB13
2H199BA08
2H199BA19
2H199BA42
2H199BA44
2H199BB03
2H199BB04
2H199BB25
2H199BB43
2H199BB52
5C061AA06
5C061AA07
5C061AB14
5C061AB18
要約 本発明は、レンズアレイを用いた場合でも、ユーザが背景を視認できる状態で当該背景に画像を重畳して表示することができる表示装置を提供することを目的とする。
本発明の表示装置(100)は、複数のレンズが配されたレンズアレイ(110,120,130)を3つ以上有し、3つ以上のレンズアレイ(110,120,130)により正立等倍結像系をなすべく配された光学系と、3つ以上のレンズアレイのいずれか2つの間であって、少なくともいずれかのレンズアレイの焦点面近傍に配された透明表示部(140,180)とを備え、透明表示部(140,180)は、可視光に対して透明な二次元的に配された複数の画素を有し、複数の画素のそれぞれについて、透過率および画像光の発光量の少なくとも一方を制御することにより画像を表示する。
特許請求の範囲 【請求項1】
複数のレンズが配されたレンズアレイを3つ以上有し、前記3つ以上のレンズアレイにより正立等倍結像系をなすべく配された光学系と、
前記3つ以上のレンズアレイのいずれか2つの間であって、少なくともいずれかのレンズアレイの焦点面近傍に配された透明表示部と
を備え、
前記透明表示部は、可視光に対して透明な二次元的に配された複数の画素を有し、前記複数の画素のそれぞれについて、透過率および画像光の発光量の少なくとも一方を制御することにより画像を表示する表示装置。
【請求項2】
前記透明表示部は、可視光に対して透明なバックライトと、前記複数の画素に対応した透過率変調素子と、を有する請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記透過率変調素子は、液晶シャッタである請求項2に記載の表示装置。
【請求項4】
前記透明表示部は、前記複数の画素のそれぞれに対応する自発光素子を有する請求項1に記載の表示装置。
【請求項5】
前記自発光素子は、有機ELである請求項4に記載の表示装置。
【請求項6】
前記複数のレンズの一つづつに対して、前記透明表示部の前記複数の画素のうちの複数個づつが対応した位置に配され、
前記複数個の画素に、前記複数のレンズのそれぞれの位置に対応した画像を表示することにより、インテグラルイメージングによる立体画像を表示する請求項1から5のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項7】
前記光学系について前記透明表示部と共役な位置に配された、他の透明表示部をさらに備え、
前記他の透明表示部は、可視光に対して透明な二次元的に配された複数の画素を有し、
前記複数のレンズの一つづつに対して、前記他の透明表示部の前記複数の画素のうちの複数個つづが対応した位置に配され、
前記他の透明表示部の前記複数の画素のそれぞれについて、透過率および画像光の発光量の少なくとも一方を制御することにより画像を表示する請求項1から6のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項8】
前記他の透明表示部は、可視光に対して透明なバックライトと、前記複数の画素に対応した透過率変調素子と、を有する請求項7に記載の表示装置。
【請求項9】
前記他の透明表示部の前記透過率変調素子は、液晶シャッタである請求項8に記載の表示装置。
【請求項10】
前記他の透明表示部は、前記複数の画素のそれぞに対応する自発光素子を有する請求項7に記載の表示装置。
【請求項11】
前記他の透明表示部の前記自発光素子は、有機ELである請求項10に記載の表示装置。
【請求項12】
前記透明表示部および前記他の透明表示部のそれぞれの、前記複数の画素の透過率および画像光の発光量の少なくとも一方を制御する制御部をさらに備え、
前記制御部は、前記透明表示部の前記複数の画素の透過率および画像光の発光量の少なくとも一方を制御して、前記画像を表示するとともに、前記他の透明表示部における、前記透明表示部の前記複数の画素と共役な前記複数の画素の透過率を制御して、前記他の透明表示部の画像として、前記透明表示部の画像と重なる背景光を遮断するマスク画像を表示する請求項7から11のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項13】
前記透明表示部および前記他の透明表示部のそれぞれの、前記複数の画素の透過率および画像光の発光量の少なくとも一方を制御する制御部をさらに備え、
前記制御部は、
前記透明表示部の前記複数の画素の透過率および画像光の発光量の少なくとも一方を制御して、前記画像を表示するとともに、前記他の透明表示部における、前記透明表示部の前記複数の画素と共役な前記複数の画素の透過率を制御して、前記他の透明表示部の画像として、前記透明表示部の画像をマスクするマスク画像を表示する第一の状態と、
前記他の透明表示部の前記複数の画素の透過率および画像光の発光量の少なくとも一方をを制御して、前記画像を表示するとともに、前記透明表示部における、前記他の透明表示部の前記複数の画素と共役な前記複数の画素の透過率を制御して、前記透明表示部の画像として、前記他の透明表示部の画像をマスクするマスク画像を表示する第二の状態と
を時分割で切り替える請求項7から11のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項14】
前記他の透明表示部の、前記複数個の画素に、前記複数のレンズのそれぞれの位置に対応した画像を表示することにより、インテグラルイメージによる立体画像を表示する請求項13に記載の表示装置。
【請求項15】
前記3つ以上のレンズアレイのそれぞれにおける前記複数のレンズを通る光線は、面方向の外側ほど面中心方向に傾けられた請求項1から14のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項16】
前記複数のレンズのレンズピッチは、前記3つ以上のレンズアレイのうちユーザに近いほど狭い請求項15に記載の表示装置。
【請求項17】
前記光学系は、前記3つ以上のレンズアレイよりもユーザに近い側に設けた凸レンズと、前記ユーザから遠い側に設けた凹レンズとをさらに有する請求項15に記載の表示装置。
【請求項18】
前記透明表示部がユーザの目の側のレンズアレイにおける焦点面よりも当該レンズ側に配されることにより、前記目に前記透明表示部の虚像を結像させる請求項1から14のいずれか1項に記載の表示装置。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶パネルの前面にレンズアレイを配することにより、インテグラルイメージングにより裸眼で立体を表示する立体画像表示装置がある(例えば、非特許文献1を参照)。
[非特許文献1]J.-H. Park, et al., "Recent progress in three-dimensional information processing based on integral imaging," Appl. Opt., vol. 48 no. 34, H77-H94
(2009).
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記立体画像表示装置においては、液晶パネルの前面にレンズアレイが配されているので、液晶パネルを透明にしたとしても、背景光が当該レンズアレイで拡散される。よって、ユーザが背景を視認できる状態で当該背景に画像を重畳して表示することができなかった。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の第1の態様においては、表示装置であって、複数のレンズが配されたレンズアレイを3つ以上有し、3つ以上のレンズアレイにより正立等倍結像系をなすべく配された光学系と、3つ以上のレンズアレイのいずれか2つの間であって、少なくともいずれかのレンズアレイの焦点面近傍に配された透明表示部とを備え、透明表示部は、可視光に対して透明な二次元的に配された複数の画素を有し、複数の画素のそれぞれについて、透過率および画像光の発光量の少なくとも一方を制御することにより画像を表示する。
【0005】
本発明の第2の態様においては、上記表示装置であって、3つ以上のレンズアレイのそれぞれにおける複数のレンズを通る光線は、面方向の外側ほど面中心方向に傾けられる。
【0006】
本発明の第3の態様においては、上記表示装置であって、透明表示部がユーザの目の側のレンズアレイにおける焦点面よりも当該レンズ側に配されることにより、目に透明表示部の虚像を結像させる。
【0007】
なお、上記の発明の概要は、本発明の特徴の全てを列挙したものではない。また、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となりうる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本実施形態の表示装置100が用いられる状況を示す概念図である。
【図2】表示装置100の断面を概略的に示す。
【図3】液晶パネル150等の画素配列を概念的に示す分解斜視図である。
【図4】表示装置100における表示動作を説明するための概略断面図である。
【図5】表示装置100により画像21が背景に重畳された状態をユーザ側から見た概念図である。
【図6】他の表示装置102の構成および動作を説明する概略断面図である。
【図7】他の表示装置102の構成および動作を説明する概略断面図である。
【図8】表示装置102の他の動作を説明する概略断面図である。
【図9】本実施形態にかかるメガネ200の概略を示す斜視図である。
【図10】右目レンズ210の断面を概略的に示す。
【図11】他の右目レンズ212の断面を概略的に示す。
【図12】本実施形態にかかるコンタクトレンズ300の断面を概略に示す。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。

【0010】
図1は、本実施形態の表示装置100が用いられる状況を示す概念図である。表示装置100は、背景の例としての窓10およびテーブル12よりもユーザ40の手前側に配される。表示装置100は、スタンド等を用いて下方から支えられてもよいし、壁や天井に吊るされてもよいし、ユーザ40が手で持ってもよい。表示装置100は、これに代えてタブレットや携帯電話等の携帯端末であってもよい。

【0011】
表示装置100は、背景からの光線群をユーザ40の側に再現しつつ、当該背景からの光線群に重畳して画像20を表示する。画像20は、インテグラルイメージングによる立体表示画像であることが好ましいが、これに限られず、二次元画像であってもよい。

【0012】
図2は、表示装置100の断面を概略的に示す。図2を用いて、背景の光線群がユーザ40の側に再現される原理を説明する。

【0013】
表示装置100は、背景側からユーザ40の側に向かって、レンズアレイ110、透明表示部180、レンズアレイ120、透明表示部140およびレンズアレイ130を備える。上記レンズアレイ110、120、130が結像系を構成する。

【0014】
レンズアレイ110は、複数のレンズ112、113、114等が2次元的に配される。同様に、レンズアレイ120、130のそれぞれには、複数のレンズ122、123、124、132、133、134等が2次元的に配される。レンズアレイ110、120、130の複数のレンズ112、122、132等は互いに対応した位置に配されている。なお、レンズは説明の都合上で3つづと少ない数で描かれているが、数に関する限定はない。

【0015】
レンズアレイ110、130の複数のレンズ112、132等が焦点距離fを有し、レンズアレイ120の複数のレンズ122等が焦点f/2を有する場合に、図2に示すようにレンズアレイ110、120、130が距離2fの間隔で配される。これにより、レンズアレイ110、120、130からなる光学系は、レンズアレイ110から背景側へ距離2fの物体面とレンズアレイ130からユーザ40側へ距離2fの像面に対して正立等倍結像光学系をなし、物体面の背景の光線群が、像面に再現されコピーされる。各レンズ112、122、132等で背景が結像されるので、背景の解像度はレンズの数ではサンプリングされない。

【0016】
透明表示部140は、液晶パネル150とバックライト160とを有する。バックライト160は可視光に対して透明であって、液晶パネル側にのみ例えば白色を発光する。一方、図2における透明表示部180は、液晶パネル185を含むが、バックライトは含まなくてよい。

【0017】
表示装置100はさらに、透明表示部140、180を制御する制御部170を備える。制御部170は、液晶パネル150、185の画素の各々の透過率を制御する。なお、制御部170からの特定の制御状態において、液晶パネル150、185の各画素はいずれも可視光に対して透明である。また、液晶パネル150、185の各画素はいずれも加えられた電圧に応じて、透過率が制御される。

【0018】
透明表示部140と透明表示部180とは、上記光学系に対して共役な位置に配される。図2に示す例において、透明表示部140は、レンズアレイ120とレンズアレイ130との間であって、それらの焦点面またはその近傍に配される。同様に、透明表示部180は、レンズアレイ110とレンズアレイ120との間であって、それらの焦点面またはその近傍に配される。

【0019】
図3は、液晶パネル150の画素配列を概念的に示す。液晶パネル150には、互いに独立してその透過率が制御可能な複数の液晶シャッタ151が二次元的に配されている。液晶シャッタ151のそれぞれが画素に対応する。

【0020】
レンズアレイ110等の複数のレンズの一つづつに対して、液晶シャッタ151の複数個づつが対応した位置に配される。当該複数個の液晶シャッタ151により、液晶シャッタ群152、153、154等が構成される。図3に示す例において、液晶シャッタ群152等には4行4列の計16個の液晶シャッタ151が含まれる。図中、液晶シャッタ群152等の境界が太線で示されている。

【0021】
これら複数の液晶シャッタ群152等における互いに対応した位置の画素Aの集合によって、インテグラルイメージングにおける一つの画像20が形成される。同様に、複数の液晶シャッタ群152等における互いに対応した位置の画素B、C、Dの集合によって、インテグラルイメージングにおける画像21、22、23が形成される。言い換えれば、複数個の画素に、複数のレンズのそれぞれの位置に対応した画像を表示することにより、インテグラルイメージングによる立体画像を表示する。このように、液晶シャッタ群152等はインテグラルイメージングの要素画素を構成する。

【0022】
なお、上記画素AからDは説明のための例示であって、液晶シャッタ群152等に16個の画素が含まれていることに対応して、16個の画像を形成することができる。また、液晶シャッタ群152等に含まれる液晶シャッタ151の数は16個に限られない。また、当該個数は、インテグラルイメージングで用いる画像の数と同じであってもよいし、それよりも多くてもよい。

【0023】
液晶パネル185の液晶シャッタ181は、液晶パネル150の液晶シャッタ151に対応する位置、すなわち光学的に共役な位置に配される。この場合、液晶パネル185の液晶シャッタ群に含まれる液晶シャッタ181の個数は、液晶パネル150の液晶シャッタ群152等に含まれる液晶シャッタ151の個数と同じである。これに変えて、いずれか一方の液晶シャッタがさらに細分化されて互いに異なる個数となってもよい。

【0024】
図4は、表示装置100における表示動作を説明するための概略断面図である。図5は、表示装置100により画像21が背景に重畳された状態をユーザ側から見た概念図である。

【0025】
透明表示部140、180の各画素は二次元的に共役な位置に配されているが、図4では説明の都合上、一次元的に共役な位置で代用して説明する。また、制御部170からの制御によりバックライト160が点灯しているものとする。さらに、図5は、インテグラルイメージングに用いられる複数の画像のうち、画像21を代表して示した。

【0026】
図4に示すように、レンズアレイ110の隣接するレンズ間には遮光壁115が設けられることが好ましい。同様に、レンズアレイ130の隣接するレンズ間には遮光壁135が設けられることが好ましい。レンズアレイ120の隣接するレンズ間にも遮光壁125、126が設けられることが好ましい。

【0027】
表示装置100の制御部170は、透明表示部140、180の画素の各々の透過率を制御する。これにより、表示装置100は各画素について、独立に、(1)背景が画像から透けて見える、(2)背景光を遮断して画像光を表示する、(3)背景光も画像光も遮断する、のいずれかを選択することができる。

【0028】
背景が画像から透けて見える場合について説明する。例えば、図4におけるレンズアレイ110のレンズ112に対応する位置に含まれる、液晶パネル185の画素B1の透過率を最大または中間調にする。これにより、当該画素B1に入射した背景光がレンズアレイ120のレンズ122を介して、液晶パネル150における、対応する画素B1に入射する。ここで、透明表示部140の画素B1の透過率を最大または中間調にすれば、当該画素B1を見ることができる位置にいるユーザ40には、背景光と画像光との両方が見える、すなわち、背景が画像から透けて見える。これにより、図5に示すように画素B1の位置に背景であるテーブル12が見える。

【0029】
背景光を遮断して画像光を表示する場合について説明する。例えば、図4におけるレンズアレイ110のレンズ113に対応する位置に含まれる、液晶パネル185の画素B2の透過率を最小にする。これにより、当該画素B2に入射した背景光は遮光されて、液晶パネル150における、対応する画素B2には入射しない。ここで、透明表示部140の画素B2の透過率を最大または中間調にすれば、当該画素B2を見ることができる位置にいるユーザ40には、背景光が遮断され、画像光からなる画像が見える。これにより、図5の画素B2の位置には、背景である窓10が遮光されて、画像21が見える。

【0030】
背景光も画像光も遮断する場合について説明する。この場合、図4におけるレンズアレイ110のレンズ114に対応する位置に含まれる、液晶パネル185の画素B3の透過率はいずれであってもよい。液晶パネル150における、対応する画素B3の透過率を最小にすれば、当該画素B3を見ることができる位置にいるユーザ40には、背景光および画像光が遮断され、黒画像が見える。これにより、図5の画素B3の位置には、画像21の一部としての黒が見える。

【0031】
以上、本実施形態によれば、表示装置100は透明表示部140および透明表示部180の対応する画素同士の透過率を制御することにより、背景からの光線群をユーザ40の側に再現しつつ、当該背景からの光線群に重畳した画像を表示することができる。特に、ユーザ40に対して裸眼の状態で、レンズアレイ130を用いてインテグラルイメージングにより立体表示しつつ、背景を見かけ上そのまま再現することができる。

【0032】
さらに、表示装置100において、図5の画素B2のように、制御部170は、透明表示部140の複数の画素の透過率を制御して、画像を表示するとともに、透明表示部180における複数の画素の透過率を制御して、透明表示部140の画像と重なる背景光を遮断するマスク画像を表示する。これにより、背景光が透けて見える煩わしさが解消できる。

【0033】
図6および図7は、他の表示装置102の構成および動作を説明する概略断面図である。表示装置102において表示装置100と同一の構成には同一の参照番号を付して、説明を省略する。

【0034】
表示装置102においては、表示装置100における透明表示部180に、バックライト186が追加されている。バックライト186は、バックライト160と同一であってよい。

【0035】
図6は、透明表示部140の側に表示画像を生成しつつ、透明表示部180の側にマスク画像を形成する第1の状態を示す。透明表示部180の画素B4の透過率を最小にするとともに、透明表示部140における対応する画素B4の透過率を最大または中間調にする。さらに、バックライト160は点灯させるが、バックライト186は消灯しておく。透明表示部140の画素B4と透明表示部180の画素B4とは光学的に共役な関係にあるので、画素B4の画像光は透明表示部140に近い側のユーザ40に到達するが、透明表示部180に近い側のユーザ41には到達しない。

【0036】
図7は、透明表示部140の側にマスク画像を生成しつつ、透明表示部180の側に表示画像を形成する第2の状態を示す。透明表示部140の画素B5の透過率を最小にするとともに、透明表示部180における対応する画素B5の透過率を最大または中間調にする。さらに、バックライト186は点灯させるが、バックライト160は消灯しておく。これにより、画素B5の画像光は透明表示部180に近い側のユーザ41に到達するが、透明表示部140に近い側のユーザ40には到達しない。

【0037】
制御部170は、図6に示す第1の動作と図7に示す第2の動作とを時分割で切り替えることにより、表示装置102に対して互いに反対側に位置するユーザ40、41のそれぞれに、独立した表示画像を表示することができる。

【0038】
図8は、表示装置102の他の動作を説明する概略断面図である。図8においては、図6および図7のように時分割することに変えて、空間分割により両側のユーザ40、41のそれぞれに、画像を表示する。

【0039】
図8の例において、透明表示部140および180の要素画像単位で、表示画像に用いるかマスク画像に用いるかが割り当てられる。例えば、レンズ112に対応する透明表示部180の要素画像はマスク画像に用いられ、これと共役な透明表示部140の要素画像は表示画像に用いられる。一方、レンズ113に対応する透明表示部180の要素画像は表示画像に用いられ、これと共役な透明表示部140の要素画像はマスク画像に用いられる。これにより、図8の画素B6のように、一方の表示画像がユーザ40に到達するがユーザ41には遮光され、画素B7のように他方の表示画像はユーザ41には到達するがユーザ40には到達しない。

【0040】
なお、複数の要素画像からなる画素領域毎にいずれの画像に用いるかが割り当てられることが好ましい。バックライトの発光も画素領域ごとに制御できることが好ましい。さらに、当該割り当てを時間毎に切り替えてもよい。

【0041】
以上、図6から図8の実施形態によれば、インテグラルイメージングが双方向で対称化される。なお、図6から図8の実施形態において、透明表示部140、180の両方にインテグラルイメージングによる立体表示がされてもよいし、一方または両方が二次元画像であってもよい。

【0042】
図9は、本実施形態にかかるメガネ200の概略を示す斜視図である。メガネ200は、右目レンズ210、左目レンズ220およびこれらを保持するフレーム230を有する。メガネ200の右目レンズ210がユーザの右目に対向し、左目レンズ220がユーザの左目に対向するように、ユーザに装着される。

【0043】
図10は、右目レンズ210の断面を概略的に示す。右目レンズ210において、図1から図5の表示装置100と同一の構成には同一の参照番号を付して、説明を省略する。また、左目レンズ220は右目レンズ210と同じ構成を有するので、説明を省略する。

【0044】
右目レンズ210は、ユーザの右目42の近傍に配される。よって、表示装置100を単に小型化して右目レンズ210としただけでは、当該表示装置100の周辺部分からの光線が右目42に入射しないおそれがある。

【0045】
そこで、レンズアレイ110等のそれぞれにおける複数のレンズを通る光線は、面方向の外側ほど面中心方向に傾けられる。図10に示す例においては、レンズアレイ130よりも右目42に近い側に凸レンズ240が配されるとともに、レンズアレイ110よりも右目42から遠い側に凹レンズ250が配される。これにより、図中の斜線の領域において、周辺部分からの光線も右目42に入射させることができる。

【0046】
図11は、他の右目レンズ212の断面を概略的に示す。右目レンズ212において、複数のレンズのレンズピッチは、レンズアレイ260、262、264のうちユーザに近いほど狭い。すなわち、レンズアレイ262のレンズピッチはレンズアレイ260のレンズピッチより狭く、レンズアレイ264のレンズピッチはレンズアレイ262のレンズピッチより狭い。

【0047】
また、透明表示部268の画素ピッチも透明表示部266の画素ピッチよりも狭く設定されている。ここで、ピッチの大きさ以外の点で、レンズアレイ260、262、264は、右目レンズ210のレンズアレイ110、120、130と同一の構成であり、透明表示部266、268は、右目レンズ210の透明表示部266、268と同一の構成である。

【0048】
以上の構成により、レンズアレイ260等のそれぞれにおける複数のレンズを通る光線は、面方向の外側ほど面中心方向に傾けられる。よって、図中の斜線の領域において、周辺部分からの光線も右目42に入射させることができる。なお、当該構成はメガネ200に限られず、スマートフォン等、ユーザに対して近距離で使用される表示装置に適用することができる。

【0049】
図12は、本実施形態にかかるコンタクトレンズ300の断面を概略に示す。コンタクトレンズ300において、図1から図11と同じ構成については同じ参照番号を付して説明を省略する。

【0050】
コンタクトレンズ300は、タブレット等に比べて小さいので、レンズアレイ110等に配されるレンズの数が少なくなる。図1から図11の形態によるインテグラルイメージングでは、一つのレンズを通して一つの画素しか見えないので、その関係を保ったまま上記表示装置100等を小型化してコンタクトレンズ300に適用すると、立体表示の解像度が低くなる。メガネも目の近傍に配されるため、同様に解像度が低くなる。

【0051】
そこで、図12に示すように、透明表示部140がユーザの目43の側のレンズアレイ130における焦点面よりも当該レンズアレイ130の側に配される。これにより、背景側に透明表示部140の要素画像の虚像が結像される。これを、レンズアレイ130を通して目43で見ると、一つのレンズを介して複数の画素が見えることになる。これにより立体表示の解像度を上げることができる。なお、当該構成はコンタクトレンズ300に限られず、メガネ等、ユーザの目に近接して使用される表示装置に適用することができる。

【0052】
図1から図12におけるレンズアレイ110等にはいずれも、複数のレンズが二次元的に配されている。レンズアレイ110の形態はこれに限られず、一方向に延伸した半円柱状のレンズが、延伸方向に直交する方向に並んだレンチキュラレンズシートを、水平および垂直方向に一対配したものであってもよい。また、複数のレンズのそれぞれは物理的に凸状のマイクロレンズであってもよいし、屈折分布型ファイバを用いたGRINレンズであってもよい。また、レンズアレイ110等を4つ以上用いて、正立等倍結像光学系を構成してもよい。また、図6から図8、図10から図12において、複数のレンズ間の遮光壁の図示を省略したが、図4の遮光壁115、125、126、135と同様の遮光壁が設けられることが好ましい。

【0053】
図1から図12における透明表示部140等は液晶シャッタを用いているが、他の透過率変調素子が用いられてもよい。さらに、透過率変調素子に代えて、有機EL等の自発光素子が用いられてもよい。この場合にはバックライト160等を省略することができる。制御部170は自発光素子の発光量を制御することにより、図1から図12と同様の作用および効果を得ることができる。なお、マスク画像を生成せず、両側表示もしない場合には、一対の透明表示部140等のうちのいずれか一方を省略してもよい。

【0054】
透明表示部140等にカラー画像を表示してもよい。この場合に例えば、バックライト160を時分割でRGBの三色に発光させて、それらに応じて液晶シャッタ151等が制御される。これに代えて、液晶シャッタ151がRGBのカラーフィルタが設けられたサブ画素に分割されて独立に透過率が制御されてもよい。また、透明表示部140等に自発光素子が用いられる場合には、当該自発光素子がRGBを発光するサブ画素に分割されていてもよい。

【0055】
なお、一対の透明表示部140、180等の両方に液晶シャッタが用いられる場合には、対向する偏光の透過軸方向が一致していることが好ましい。

【0056】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、請求の範囲の記載から明らかである。

【0057】
請求の範囲、明細書、および図面中において示した装置、システム、プログラム、および方法における動作、手順、ステップ、および段階等の各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」等と明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。請求の範囲、明細書、および図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」等を用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。
【符号の説明】
【0058】
10 窓、12 テーブル、20 画像、21 画像、22 画像、23 画像、40
ユーザ、41 ユーザ、42 右目、43 目、100 表示装置、102 表示装置、110 レンズアレイ、112 レンズ、113 レンズ、114 レンズ、115 遮光壁、120 レンズアレイ、122 レンズ、123 レンズ、124 レンズ、125 遮光壁、126 遮光壁、130 レンズアレイ、132 レンズ、133 レンズ、134 レンズ、135 遮光壁、140 透明表示部、150 液晶パネル、151 液晶シャッタ、152 液晶シャッタ群、153 液晶シャッタ群、154 液晶シャッタ群、160 バックライト、170 制御部、180 透明表示部、181 液晶シャッタ、185 液晶パネル、186 バックライト、200 メガネ、210 右目レンズ、212 右目レンズ、220 左目レンズ、230 フレーム、240 凸レンズ、250 凹レンズ、260 レンズアレイ、262 レンズアレイ、264 レンズアレイ、266 透明表示部、268 透明表示部、300 コンタクトレンズ
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4
【図6】
5
【図7】
6
【図8】
7
【図9】
8
【図10】
9
【図11】
10
【図12】
11