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明細書 :検出システム及び磁気シート

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2017-159035 (P2017-159035A)
公開日 平成29年9月14日(2017.9.14)
発明の名称または考案の名称 検出システム及び磁気シート
国際特許分類 A61M   5/172       (2006.01)
A61M   1/36        (2006.01)
FI A61M 5/172
A61M 1/36 145
請求項の数または発明の数 14
出願形態 OL
全頁数 12
出願番号 特願2017-037578 (P2017-037578)
出願日 平成29年2月28日(2017.2.28)
優先権出願番号 2016040540
優先日 平成28年3月2日(2016.3.2)
優先権主張国 日本国(JP)
発明者または考案者 【氏名】村田 嘉利
出願人 【識別番号】507234427
【氏名又は名称】公立大学法人岩手県立大学
個別代理人の代理人 【識別番号】100082876、【弁理士】、【氏名又は名称】平山 一幸
【識別番号】100086807、【弁理士】、【氏名又は名称】柿本 恭成
審査請求 未請求
テーマコード 4C066
4C077
Fターム 4C066AA07
4C066BB01
4C066CC01
4C066DD11
4C066FF04
4C066GG20
4C066LL16
4C066QQ41
4C066QQ54
4C066QQ77
4C066QQ82
4C066QQ84
4C066QQ92
4C077AA05
4C077BB01
4C077CC09
4C077DD20
4C077DD22
4C077EE01
4C077HH10
4C077HH20
4C077KK25
要約 【課題】出来るだけ簡単な構造で、医療器具のコード及びチューブの何れか又は双方が体表から外れそうになるか又は外れたかを検出する検出ユニットを提供する。
【解決手段】検出システム10は、医療器具のコード及びチューブ3の何れか又は双方を装着する装着手段11と、装着手段11を有するセンサユニット12と、を備え、センサユニット12は、人物及び動物の何れかの体表4に取り付けられた磁気シート20からの磁界を検出する磁気センサ13と、磁気センサ13からの検出信号の変化が所定の条件を満たすと又は所定の条件から外れると外部に信号を出力する通信手段14と、を備える。
【選択図】図2
特許請求の範囲 【請求項1】
医療機器のコード及びチューブの何れか又は双方を装着する装着手段と、
人物及び動物の何れかの体表に取り付けられた磁気シートから生じる磁界を検出する磁気センサと、
前記磁気センサからの検出信号の変化が所定の条件を満たすと又は所定の条件から外れると外部に信号を出力する通信手段と、
を備える、検出システム。
【請求項2】
粘着シートをさらに備え、
前記磁気センサ及び前記通信手段がセンサユニットに設けられ、
前記粘着シートが、前記磁気シートの上又は上方に配置された前記センサユニットをカバーする、請求項1に記載の検出システム。
【請求項3】
前記センサユニットが前記装着手段を備え、
前記粘着シートが、前記医療機器のコード及びチューブの何れか又は双方を前記装着手段によって装着した前記センサユニットをカバーする、請求項2に記載の検出システム。
【請求項4】
前記磁気シートの上面に、前記粘着シートの前記体表からの剥がれに伴って前記体表から離脱するのを防止する防止手段を備える、請求項2又は3に記載の検出システム。
【請求項5】
前記磁気シートが、前記センサユニットに接触しかつ粘着しない表面層を備える、請求項2乃至4の何れかに記載の検出システム。
【請求項6】
前記磁気シートが、前記センサユニットにより覆われる面積を有する、請求項2乃至5の何れかに記載の検出システム。
【請求項7】
前記磁気センサが、前記磁気シートの上面に交差する方向の磁界を検出する素子を備える、請求項1乃至6の何れかに記載の検出システム。
【請求項8】
前記磁気センサが、前記磁気シートの上面に平行な方向の磁界を検出する素子を備える、請求項1乃至6の何れかに記載の検出システム。
【請求項9】
前記チューブが点滴チューブである、請求項1乃至8の何れかに記載の検出システム。
【請求項10】
粘着層と、前記粘着層に設けられる永久磁石と、を備え、
前記永久磁石が、前記粘着層に交差する方向に磁界を発生させるか、又は前記粘着層に平行な方向に磁界を発生させ、
前記粘着層が、人物又は動物の体表に接する、磁気シート。
【請求項11】
前記永久磁石は、一つ又は複数個配設される、請求項10に記載の磁気シート。
【請求項12】
粘着層と、前記粘着層に分散された磁性粉末と、を備え、
前記磁性粉末が、前記粘着層に交差する方向に磁界を発生させるか、又は前記粘着層に平行な方向に磁界を発生させ、
前記粘着層が、人物又は動物の体表に接する、磁気シート。
【請求項13】
前記粘着層のうち人物又は動物の体表に接しない側には、他の物体に付着してもその物体と共に剥がれないよう防止手段を備える、請求項10乃至12に記載の磁気シート。
【請求項14】
請求項1乃至9の何れかに記載の検出システムにおける前記磁気シートが、請求項10乃至13の何れかに記載の磁気シートである、検出システム。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、医療器具のコード及びチューブの何れか又は双方が体表から外されたか否かを検出する検出システムとそれに用いられる磁気シートに関する。
【背景技術】
【0002】
医療器具として例えば透析治療等のために注射針を用いるが、人体の腕、脚の血管に刺した注射針の脱落を検知するために磁石と磁気センサを用いて、固定具の腕からの剥がれを検出することが考えられている(例えば、特許文献1)。
【0003】
特許文献1では、先端に注射針を取り付けたチューブを保持する変位磁石支持ユニットが開示されており、その変位磁石支持ユニットは、チューブに沿った方向に長手方向を合わせた箱型形状のケーシングを備え、そのケーシングは長手方向に開放スリットを有する天井部を備え、ケーシング内には、底面より順に、鉄板と、露出回路接点の検知部を設けた検出回路基板と、複数の微小磁石要素を垂直方向に摺動自在に保持した磁石要素保持体、開放スリットに沿って摺動自在に設けられた変位磁石ユニットが備えられている。ケーシングの上部にはチューブを支持するための支持部を備え、チューブが変位すると、磁石保持体と変位磁石ユニットとの位置がずれ、検知部によりそのずれが検知される。
【先行技術文献】
【0004】

【特許文献1】特開2010-63655号公報(段落0030,0031)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に開示されている変位磁石支持ユニットのように、磁石と磁気センサとが一つのケーシング内に設けられている場合には、磁石と磁気センサとが同時に外れた場合には、注射針の脱落を検知することが難しい。また、変位磁石支持ユニットは構造的にも複雑であり、忙しい看護師が対応することも難しい。
【0006】
そこで、本発明は、出来るだけ簡単な構造で、医療器具のコード及びチューブの何れか又は双方が体表から外れそうになるか又は外れたかを検出することができる検出システムとそれに用いられる磁気シートを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のコンセプトは以下のとおりである。
[1] 医療機器のコード及びチューブの何れか又は双方を装着する装着手段と、
人物及び動物の何れかの体表に取り付けられた磁気シートから生じる磁界を検出する磁気センサと、
前記磁気センサからの検出信号の変化が所定の条件を満たすと又は所定の条件から外れると外部に信号を出力する通信手段と、
を備える、検出システム。
[2] 粘着シートをさらに備え、
前記磁気センサ及び前記通信手段がセンサユニットに設けられ、
前記粘着シートが、前記磁気シートの上又は上方に配置された前記センサユニットをカバーする、前記[1]に記載の検出システム。
[3] 前記センサユニットが前記装着手段を備え、
前記粘着シートが、前記医療機器のコード及びチューブの何れか又は双方を前記装着手段によって装着した前記センサユニットをカバーする、前記[2]に記載の検出システム。
[4] 前記磁気シートの上面に、前記粘着シートの前記体表からの剥がれに伴って前記体表から離脱するのを防止する防止手段を備える、前記[2]又は[3]に記載の検出システム。
[5] 前記磁気シートが、前記センサユニットに接触しかつ粘着しない表面層を備える、前記[2]乃至[4]の何れかに記載の検出システム。
[6] 前記磁気シートが、前記センサユニットにより覆われる面積を有する、前記[2]乃至[5]の何れかに記載の検出システム。
[7] 前記磁気センサが、前記磁気シートの上面に交差する方向の磁界を検出する素子を備える、前記[1]乃至[6]の何れかに記載の検出システム。
[8] 前記磁気センサが、前記磁気シートの上面に平行な方向の磁界を検出する素子を備える、前記[1]乃至[6]の何れかに記載の検出システム。
[9] 前記チューブが点滴チューブである、前記[1]乃至[8]の何れかに記載の検出システム。
[10] 粘着層と、前記粘着層に設けられる永久磁石と、を備え、
前記永久磁石が、前記粘着層に交差する方向に磁界を発生させるか、又は前記粘着層に平行な方向に磁界を発生させ、
前記粘着層が、人物又は動物の体表に接する、磁気シート。
[11] 前記永久磁石を、一つ又は複数個備える、前記[10]に記載の磁気シート。
[12] 粘着層と、前記粘着層に分散された磁性粉末と、を備え、
前記磁性粉末が、前記粘着層に交差する方向に磁界を発生させるか、又は前記粘着層に平行な方向に磁界を発生させ、
前記粘着層が、人物又は動物の体表に接する、磁気シート。
[13] 前記粘着層のうち人物又は動物の体表に接しない側には、他の物体に付着してもその物体と共に剥がれないよう防止手段を備える、前記[10]乃至[12]の何れかに記載の磁気シート。
[14] 前記[1]乃至[9]の何れかに記載の検出システムにおける前記磁気シートが、前記[10]乃至[13]に記載の磁気シートである、検出システム。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、検出システムが磁気センサと通信手段とを備え、磁気センサが人物及び動物の何れかの体表に取り付けられた磁気シートからの磁界を検出する。医療器具のコード又はチューブの何れか又は双方を装着したセンサユニットや粘着シートが外れそうになる又は外されると、磁気シートからの磁界を磁気センサが検知し難くなる。よって、医療器具のコード又はチューブの何れか又は双方が外れそうになる又は外れたかを検知することができる。従って、出来るだけ簡単な構造で、磁気シート上に磁気センサを正確に位置決めする必要がなく、医療器具のコード又はチューブの何れか又は双方が体表から外れそうになるか又は外れたかを検出することができる検出システムが提供される。また、磁気シートについては、複数の永久磁石を粘着層に配置するか、又は磁性粉末を粘着層に設けて磁界の向きを調整するという単純な構成で、検出システムと共に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の実施形態に係る検出システムを示す図である。
【図2】図1のII線-II線に沿う断面図である。
【図3】図1のIII線-III線に沿う断面図である。
【図4】図1に示す装着手段及びハウジングを示す斜視図である。
【図5】図1に示す検出システムにおける磁気シートを示し、(A)は断面図、(B)は平面図である。
【図6】図5とは異なる構造の磁気シートを示し、(A)は断面図、(B)は平面図である。
【図7】図5及び図6とは異なる構造の磁気シートを示し、(A)は断面図、(B)は平面図である。
【図8】本発明の実施形態に係る検出方法を説明するための模式図である。
【図9】図8とは異なる検出方法を説明するための模式図であり、(A)はずれる前の状態を、(B)はずれた後の状態を示している。
【図10】実施例の検出システムのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明を実施するための形態について詳細に説明するが、本発明の実施形態に係る検出システムは、図面を参照して説明するものに限られることなく、ICT(Information Communication Technology)に関する技術進歩や、適用される社会や制度に応じて適宜変更されるものも含まれる。

【0011】
(検出システム)
図1は本発明の実施形態に係る検出システムを示す図である。図1では、患者の腕1に注射針2が刺された場合を想定して示している。図2は図1のII線-II線に沿う断面図であり、図3は図1のIII線-III線に沿う断面図である。

【0012】
実施形態に係る検出システム10は、医療器具のコード及びチューブ3の何れか又は双方を装着する装着手段11と、磁界を検出する磁気センサ13と、通信手段14と、を備える。図1に示す形態では、検出システム10はセンサユニット12を備え、センサユニット12が磁気センサ13と通信手段14とハウジング15を備える。

【0013】
図4は、図1に示す装着手段11及びハウジング15を模式的に示す斜視図である。図4では、図1とは異なり上下逆に示している。ハウジング15は、その底部15aに装着手段11を備える。ハウジング15の底部15aは磁気シート20の表面に接触し得る。ハウジング15の底部15aが長手方向に沿って溝11aを備えることによって、装着手段11としての溝11aが設けられている。図4に示すように、溝11aの側部は、溝幅が広い幅広部11bと、溝幅が狭い幅狭部11cと、溝幅が広い幅広部11dとを、高さ方向に順に設けている。幅広部11bが挿入口及び取出口となり、幅広部11dがチューブ又はコードの収容部となり、幅狭部11cが幅広部11dからのチューブ又はコードの取り外れを防止している。なお、コード又はチューブ3の本数に応じて溝11aの本数が設定され、コード又はチューブ3の種類に応じて溝11aの形状や寸法が設定される。

【0014】
装着手段11としての溝11aは、その側面の上下中間部分を狭くすることにより、コード又はチューブ3を装着し易くすると共に抜け難くする。装着手段11は、溝11aの幅を調節したり、または溝11aの表面をゴム等の摩擦係数の大きい素材で構成したりすることにより、コード又はチューブ3が溝11aに沿って動くことを防ぐことができる。コード又はチューブ3が溝11aの長手方向に沿って押し込まれることにより、コード又はチューブ3が溝11aに装着される。

【0015】
磁気センサ13は、人物及び動物の何れかの体表に取り付けられた磁気シート20からの磁界を検出する。磁気センサ13は、ホール素子、磁気抵抗効果素子などを備える。磁気シート20には、シート面に平行な方向に磁界が生じるように又はシート面に交差する、好ましくは略直交する方向に磁界が生じるように、磁石などが配置されている。磁気センサ13は、磁気シート20の上方に配置されることから、磁気シート20からの磁界を精度よく受ける。磁気シート20の上方に磁気センサ13を配置するという極めて単純な手法により、磁石と磁気センサ13との位置関係を厳密に設定する必要なくセッティングができる。

【0016】
ここで、磁気センサ13は、磁気シート20の上面に交差する方向、好ましくはほぼ直交する方向の磁界を検出する素子、磁気シート20の上面に平行な方向の磁界を検出する素子の何れか又は双方を備えることが好ましい。これにより、磁気センサ13が磁気シート20からの磁界の大きさ及び向きの少なくとも何れか一方を検出し、検出信号として通信手段14に出力することができる。

【0017】
通信手段14は、磁気センサ13からの検出信号の変化を求め、その変化が所定の条件を満たすと又は所定の条件から外れると、外部に信号を出力する。ここで、「所定の条件を満たす」とは、磁気センサ13の下に磁気シート20が存在する場合に磁気センサ13が受ける磁界の向きと比べて磁界の向きが一定以上変化、例えばS極からN極への変化を2回繰り返したり、磁気センサ13の下に磁気シート20が存在する場合において磁気センサ13が受ける磁界の大きさと比べて磁界の大きさが一定の範囲よりも大きく減少、例えば30%減少したりすることである。「所定の条件から外れる」とは、「所定の条件を満たす」こととは逆である。ここでいう磁界の向きの変化や磁界の大きさの変化は、磁気センサ13の下側に磁気シート20が存在する場合に、磁気センサ13が受ける磁界の大きさ又は向き(角度)に対する差分、比の何れか又は双方で求めてもよい。磁気シート20による磁界の向き又は大きさの差分や比に基いて磁気センサ13の感度を調整しておけばよく、また通信手段14において、検出信号の大きさと標準値との差分又は比を求め、差分が閾値を超えていれば、外部に検出したことを信号として出力してもよい。

【0018】
このような検出システム10においては、一人の患者にコード又はチューブ3を装着したセンサユニット12が複数装着されることから、また病室や治療室等では複数の患者がいることから、通信手段14は、センサユニット12の識別番号としてID(identification)番号を付加し、外部に信号を出力することが好ましい。

【0019】
本発明の実施形態では、センサユニット12が磁気センサ13と通信手段14とを備え、磁気センサ13が人物及び動物の何れかの体表に取り付けられた磁気シート20からの磁界を検出するため、磁気シート20上にセンサユニット12を設置すればよく、コード又はチューブ3を装着したセンサユニット12が外されると磁気シート20からの磁界を磁気センサ13が検知し難くなるため、コード又はチューブ3が外されたことを検知することができる。従って、出来るだけ簡単な構造で、医療器具のコード又はチューブ3が体表から外されたか否かを検出することができる。なお、磁気センサ13と通信手段14とは図示しない基板に装着され、バッテリー等を内蔵した磁気リーダタグとして構成されてもよい。

【0020】
さらに好ましい形態について説明する。磁気シート20は、その上面に、粘着シート16の体表4からの剥がれに伴って、体表4から離脱しないようこの剥がれを防止する防止手段を備える。防止手段として、磁気シート20が、センサユニット12に接触しかつ粘着しない表面層を備える。表面層は、磁気シート20のセンサユニット12側の面を接着し難い材料でコーティングすることで形成される。例えば、フッ素によるコーティング加工が挙げられる。そのほか、磁気シート20のセンサユニット12側の面にエンボス加工して凹凸を付け、磁気シート20のセンサユニット12側の接触面積を小さくしてもよい。磁気シート20は、センサユニット12により覆われる底面積を有してもよい。図1に示すように、センサユニット12は、x方向にもy方向にも磁気シート20を覆う底面積を有することが好ましい。患者等が医療器具のコード又はチューブ3を無意識のうちに外そうとする場合があるが、磁気シート20がセンサユニット12によって覆われている場合には、センサユニット12だけを外すことになる。この場合、後述するように磁気シート20とセンサユニット12との間には何ら存在しないので、磁気シート20は体表4に貼り付けられたままである。

【0021】
前述では、磁気シート20は、その上面に、粘着シート16の体表4からの剥がれに伴って、体表4から離脱しないよう防止手段を備えるようにしたが、別に、センサユニット12の底面に磁気シート20に接触しかつ粘着しない表面層を備える。その表面層は、センサユニット12の磁気シート20側の面を接着し難い材料でコーティングすることで形成される。例えば、フッ素によるコーティング加工が挙げられる。そのほか、センサユニット12の磁気シート20側の面にエンボス加工して凹凸を付け、センサユニット12の磁気シート20側の接触面積を小さくしてもよい。

【0022】
検出システム10は粘着シート16を備える。粘着シート16は、磁気シート20の上又は上方に配置されたセンサユニット12をカバーする。このとき、センサユニット12は、医療器具のコード及びチューブ3の何れか又は双方を装着している。この粘着シート16によって、センサユニット12を体表4に固定することができる。

【0023】
(磁気シート)
次に、磁気シート20について説明する。図5は磁気シートを示し、(A)は断面図、(B)は平面図である。磁気シート20は、面状のベース21と、ベース21上に複数の永久磁石22と、粘着層23とを備える。ベース21の一方の面21aには粘着層23が設けられ、他方の面21bには何も設けられない。なお、前述のように、一方の面21bには、接着し難い材料でコーティングされることが好ましい。例えば、フッ素によるコーティング加工が挙げられる。そのほか、一方の面21bには図示しない凹凸を付け、接触面積を小さくしてもよい。これらの何れかを採用することにより、他方のベース21bにはセンサユニット12が接触し、センサユニット12が磁気シート20から離脱自在とする。また、粘着層23の体表に接する面が粘着層23となるように、粘着層23の厚みが設定される。こうして、永久磁石22が体表に直接触れることがないようにできる。

【0024】
複数の永久磁石22は、粘着層23に平行な方向に磁界を発生させるように、一方の面21a上に配置される。その際、隣り合う永久磁石22同士の磁界の向きが逆向きとなるように配置する。例えば、列方向に沿った複数の永久磁石で構成する或る行において、一方の面21a側の極が、S極、N極、S極となるように配置する。その隣の行において、一方の面21a側の極が、N極、S極、N極となるように配置する。永久磁石22の列数、行数は任意に設定される。図5(B)において黒丸が例えばN極を示し、白丸がS極を示す。

【0025】
粘着層23は、複数の永久磁石22同士の間に配置されて複数の永久磁石22による凹凸を吸収すると共に、体表4への磁気シート20を粘着するために設けられる。

【0026】
このような磁気シート20であれば、隣り合う永久磁石同士での磁界の向きが設定され、磁気センサ13にて磁界の強度の変化だけでなく向きの変化を容易に精度良く検出することができ、センサユニット12の外れだけでなくずれを容易に検出できる。例えば、前述したように、S極からN極への変化を二回繰り返す又は磁界の強度が30%減少するという条件を満たせば、通信手段14から外部に信号を出力することができる。

【0027】
図6は、図5とは異なる構造の磁気シートを示しており、(A)は断面図、(B)は平面図である。
図6に示す磁気シート20Aが、図5に示す磁気シート20と異なるのは、永久磁石22の数を一つとした点であり、他の構成は、磁気シート20と同様である。

【0028】
永久磁石22の磁力は、センサユニット12が永久磁石22から一定の距離離れても磁気センサ13が所定以上の磁力を検知できる値とすればよい。距離としては、0.5~10cm程度とすればよい。さらに好ましくは、1~数cm程度の距離とし得る。数cmとは、例えば3~7cmである。

【0029】
図7は、図5及び図6とは異なる磁気シートを示し、(A)は断面図、(B)は平面図である。磁気シート20Bは、粘着層25と、粘着層25に分散された磁性粉末26と、を備え、粘着層25の面に対して交差する方向に磁界を発生させている。平面視において、磁気シート20Bを、縦横の格子状に区分けした際、隣り合う領域同士の磁界Hの向きが逆向きとなるように配置する。例えば、列方向に沿った複数の領域を構成する或る行において、一方の面側の極が、S極、N極、S極となるようにする。その隣の行において、一方の面側の極が、N極、S極、N極となるようにする。

【0030】
粘着層25は、磁性粉末26を保持すると共に、体表4への磁気シート20Bを粘着するために設けられる。

【0031】
このような磁気シート20,20A,20Bであれば、隣り合う領域同士での磁界の向きが設定され、磁気センサ13にて磁界の強度の変化だけでなく向きの変化を容易に精度良く検出することができ、センサユニット12の外れだけでなくずれを容易に検出できる。例えば、前述したように、S極からN極への変化を二回繰り返す又は磁界の強度が30%減少するという条件を満たせば、通信手段14から外部に信号を出力することができる。

【0032】
なお、磁気シート20,20A,20Bは、磁気シート20,20A,20Bに対して平行な磁界を生じるようにする形態のみならず、磁気シート20,20A,20Bに対して垂直に磁界を生じるようにする形態であってもよい。この形態では、隣り合う永久磁石22がベース側で同極となるように永久磁石22を配置する。又は、隣り合う領域が何れかの面側で同極となるように磁化させればよい。

【0033】
磁気シート20,20A,20Bにおいて、粘着層25のうち人物又は動物の体表に接しない側には、他の物体に付着してもその物体と共に剥がれないよう防止手段を備えるとよい。ここで、他の物体としては、センサユニット12が挙げられる。防止手段には、前述したように、磁気シート20,20A,20Bのセンサユニット12側の面を接着し難い材料でコーティングすることで形成される。例えば、フッ素によるコーティング加工が挙げられる。そのほか、磁気シート20,20A,20Bのセンサユニット12側の面にエンボス加工して凹凸を付け、磁気シート20,20A,20Bのセンサユニット12側の接触面積を小さくしてもよい。磁気シート20,20A,20Bが、センサユニット12により覆われる底面積を有してもよい。

【0034】
(検出方法)
次に、検出ユニット10を用いて医療器具のコード及びチューブ2の何れか又は双方が体表4側から外れたことを検出する方法について説明する。

【0035】
図8は、検出方法の一例を模式的に示す図である。体表4上に永久磁石22が並んで配置されており、体表4側、センサユニット12側でそれぞれ隣り合う永久磁石22が同極となる場合を示している。

【0036】
図8に示す形態では、センサユニット12が何らかの原因で体表4側から外れ、実線から一点鎖線に示すようになる場合、縦方向に延びる磁界が減ることから、磁気センサ13が縦方向の磁力を検知するように設定しておけばよい。

【0037】
図9は、検出方法の別の例を模式的に示す図であり、(A)はセンサユニット12がずれる前の状態を、(B)はずれた後の状態を示している。体表4上に永久磁石22が並んで配置されており、体表4側、センサユニット12側でそれぞれ隣り合う永久磁石22が異極となる場合を示している。

【0038】
図9に示す形態では、センサユニット12が何らかの原因で、実線の状態から体表4に沿ってΔxだけずれて一点鎖線の状態になると、センサユニット12の各位置での体表4に沿った磁界の向きが変わることから、磁気センサ13が横方向の磁界を検知するように設定しておけばよい。磁気センサ13が、例えば図9に示すように横向きでも特に右向きの方向の磁界を検知するように設定されている場合、図9(A)のずれる前では時計回りに90度回転するが、図9(B)のずれた後ではさらに180度回転する。よって、磁気センサ13の検出量が異なり、ずれを検知することができる。

【0039】
特に、図9に示す形態では、単にセンサユニット12に装着した医療器具のコード又はチューブ3が体表4に沿ってずれてしまう場合に、効率的にそのずれを検知することができる。

【0040】
なお、磁気シート20,20Aが永久磁石22及び粘着層23を備える場合には、永久磁石22のサイズは直径1~3mm程度、永久磁石22同士の間隔は2~3mm程度がよい。一つ又は複数の永久磁石22を備えることにより、磁気シート22,20Aに対する磁気センサ13の位置を精密にする必要がなく、医療器具のコード又はチューブ3の外れやずれを簡易に検出することができる。以下、実施例を詳細に説明する。
【実施例】
【0041】
実施例の検出システム10Aについて説明する。図10は、実施例の検出システム10Aのブロック図である。
図10に示すように、検出システム10Aは、図1に示す検出システム10と、検出システム10中の通信手段14を介して接続されるセンサ管理ノード32と、監視用端末34とから構成されている。
【実施例】
【0042】
センサ管理ノード32は、有線回線や無線回線を用いた第1の通信回線36を介して通信手段14に接続される。第1の通信回線36としては、近距離用の無線LAN等を使用することができる。これにより、センサユニット12の情報は、センサ管理ノード32に伝送される。センサ管理ノード32としては、パーソナルコンピュータ、タブレット、携帯電話(スマートフォン)等を用いることができる。
【実施例】
【0043】
センサユニット12を管理するセンサ管理ノード32では、センサユニット12の検知する磁力を表示し、センサユニット12を磁気シート20,20A,20B上で動かし、センサ管理ノード32が表示する磁力が所定の値以上になった箇所で、センサユニット12を医療用テープ等の粘着テープ16により患者の腕に固定することができる。これにより、センサユニット12を患者の腕に適切に固定することができる。
【実施例】
【0044】
センサユニット12が検知する磁力が閾値である磁力を下回った場合に、センサ管理ノード34は、患者の腕からコードやチューブが外れた、例えば点滴セットが外れたと判断し、外部に点滴セットが外れたことを、後述する伝送メッセージ32dとして外部の監視用端末34に発報する。
【実施例】
【0045】
図10に示すように、センサ管理ノード32のディスプレイ32aには、センサユニット12の名前又は識別番号(ID)32b、磁気強度32c、閾値の判定値32d、伝送メッセージ32eが表示される。
【実施例】
【0046】
センサ管理ノード32からの伝送メッセージ32eは、有線回線や無線回線を用いた第2の通信回線38を介してインターネット等に接続されて、監視用端末34に送信される。監視用端末34は、例えばインターネットに接続可能な端末であり、例えば患者を担当している看護士が常に携帯している携帯電話、例えばスマートフォンである。これにより、患者を担当している看護士がセンサ管理ノード32から離れた場所にいる場合であっても、直ちに監視用端末34のディスプレイ34aにセンサ管理ノード32からの伝送メッセージ32eが、伝送メッセージ34eとして表示される。
【実施例】
【0047】
これにより、看護士は患者の点滴が外れたことを知り、患者の腕に再び点滴をセットすることが可能となり、患者の点滴の中断を速やかに防止することができる。
【実施例】
【0048】
本発明は上述した実施形態に限定されることなく、適宜変更したものも含まれる。例えば、磁気シートが、縦方向の磁界、横方向の磁界の何れかを主として生じさせるだけではなく、縦方向の磁界を主として生成する領域と横方向の磁界を主として生成する領域とが磁気シートに設定されていてもよい。また、磁気センサの検知する磁界の向きも、縦方向の磁界を検知するセンサと横方向の磁界を検知するセンサとを備えるようにしてもよい。使用に当たっては、磁気シートにより生成される磁界と磁気センサにより検知される磁界とが対応するようにする。これにより、より精度の高い検出システムを提供することができる。
【符号の説明】
【0049】
1:患者の腕
2:注射針
3:医療器具のチューブ
4:体表
10、10A、10B:検出システム
11:装着手段
12:センサユニット
13:磁気センサ
14:通信手段
15:ハウジング
16:粘着シート
20、20A、20B:磁気シート
21:ベース
21a:ベースの一方の面
21b:ベースの他方の面
22:永久磁石
23:粘着層
25:粘着層
26:磁性粉末
32:センサ管理ノード
32a:ディスプレイ
32b:センサユニットの名前
32c:磁気強度
32d:閾値の判定値
32e,34e:伝送メッセージ
34:監視用端末
34a:ディスプレイ
36:第1の通信回線
38:第2の通信回線
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4
【図6】
5
【図7】
6
【図8】
7
【図9】
8
【図10】
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