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明細書 :姿勢角処理装置および姿勢角処理方法

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第3837533号 (P3837533)
公開番号 特開2004-264028 (P2004-264028A)
登録日 平成18年8月11日(2006.8.11)
発行日 平成18年10月25日(2006.10.25)
公開日 平成16年9月24日(2004.9.24)
発明の名称または考案の名称 姿勢角処理装置および姿勢角処理方法
国際特許分類 G01C  15/00        (2006.01)
G01B  21/22        (2006.01)
G01P  13/00        (2006.01)
FI G01C 15/00 101
G01C 15/00 104C
G01B 21/22
G01P 13/00 A
請求項の数または発明の数 16
全頁数 30
出願番号 特願2003-007660 (P2003-007660)
出願日 平成15年1月15日(2003.1.15)
審査請求日 平成16年8月18日(2004.8.18)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】301021533
【氏名又は名称】独立行政法人産業技術総合研究所
発明者または考案者 【氏名】興梠 正克
【氏名】蔵田 武志
【氏名】加藤 丈和
【氏名】大隈 隆史
【氏名】酒田 信親
審査官 【審査官】小野寺 麻美子
参考文献・文献 特開平11-211474(JP,A)
特開平11-23298(JP,A)
特開昭63-150622(JP,A)
調査した分野 G01C 15/00
G01B 21/22
G01P 13/00
特許請求の範囲 【請求項1】
磁気ベクトルを検出する磁気センサと、
重力加速度ベクトルを検出する重力加速度センサと、
現在地の絶対位置を取得する位置情報取得装置と、
絶対位置とその地点における地磁気伏角の対応を記憶している伏角データベース装置と、
前記位置情報取得装置により取得した現在地の絶対位置に基づき、前記伏角データベース装置から現在地の地磁気伏角を読み出し、前記磁気センサによって検出した磁気ベクトルと前記重力加速度センサにより検出した重力加速度ベクトルとにより、水平面と磁気ベクトルとの成す角を求め、前記磁気ベクトルと水平面の成す角と前記現在地の地磁気伏角とを比較して、その誤差が一定範囲内であれば、磁気センサにより検出した磁気ベクトルを地磁気ベクトルとして信頼できることをあらわすツルー信号を出力し、それ以外の場合は現在の磁気ベクトルは信頼できないことをあらわすフォールス信号を出力する伏角推定検証装置と
を備えることを特徴とする姿勢角処理装置。
【請求項2】
請求項1に記載の姿勢角処理装置において、さらに、
移動状態の有無を検出する移動検出装置と、
前記移動検出装置が既定の移動距離もしくは移動時間を越えて移動状態を検出しており、前記伏角推定検証装置が連続的にツルー信号を出力しているとき、磁気センサにより検出した現在の磁気ベクトルを地磁気ベクトルとして信頼できることをあらわすツルー信号を出力し、それ以外の場合は現在の磁気ベクトルは信頼できないことをあらわすフォールス信号を出力する信号出力装置と
を備えることを特徴とする姿勢角処理装置。
【請求項3】
請求項1に記載の姿勢角処理装置において、さらに、
前記伏角推定検証装置がツルー信号を出力しているとき、前記磁気センサによって検出した磁気ベクトルと前記重力加速度センサにより検出した重力加速度ベクトルとに基づいて絶対姿勢角を推定し出力する絶対姿勢角推定装置
を備えることを特徴とする姿勢角処理装置。
【請求項4】
請求項2に記載の姿勢角処理装置において、
前記移動検出装置は、人の歩行動作を検出して、移動状態の有無を検出する歩行動作検出装置
を備えることを特徴とする姿勢角処理装置。
【請求項5】
請求項2に記載の姿勢角処理装置において、さらに、
前記伏角推定検証装置がツルー信号を出力しているとき、前記磁気センサによって検出した磁気ベクトルと前記重力加速度センサにより検出した重力加速度ベクトルとに基づいて絶対姿勢角を算出し出力する絶対姿勢角推定装置
を備えることを特徴とする姿勢角処理装置。
【請求項6】
請求項4に記載の姿勢角処理装置において、
前記歩行動作検出装置は、人の歩行動作を検出するための加速度センサを備えており、
前記歩行動作検出装置が、前記重力加速度センサにより検出した重力加速度ベクトルから鉛直方向を検出し、前記加速度センサにより検出した加速度ベクトルの前記鉛直方向の成分により、人の歩行動作が作り出す典型的なパターンを検出すると共に、前記加速度ベクトルの前記鉛直方向に対して直交する平面への成分により、人の歩行動作が作り出す典型的なパターンを検出し、これらのパターンの検出結果を組み合わせることで、人の歩行動作を検出する
ことを特徴とする姿勢角処理装置。
【請求項7】
請求項3に記載の姿勢角処理装置において、さらに、
角速度センサを備え、
当該絶対姿勢角推定装置は、前記伏角推定検証装置がツルー信号を出力しているときは、前記絶対姿勢角推定装置から出力される絶対姿勢角を現在の絶対姿勢角として出力し、前記伏角推定検証装置がフォールス信号を出力しているときには、当該絶対姿勢角推定装置から最後に出力された絶対姿勢角を基準として、前記角速度センサが計測する角速度ベクトルを積算して現在の絶対姿勢角を推定して出力する
ことを特徴とする姿勢角処理装置。
【請求項8】
請求項5に記載の姿勢角処理装置において、さらに、
角速度センサを備え、
前記絶対姿勢角推定装置は、前記伏角推定検証装置がツルー信号を出力しているときは、前記絶対姿勢角推定装置から出力される絶対姿勢角を現在の絶対姿勢角として出力し、前記伏角推定検証装置がフォールス信号を出力しているときには、当該絶対姿勢角推定装置から最後に出力された絶対姿勢角を基準として、角速度センサが計測する角速度ベクトルを積算して現在の絶対姿勢角を推定して出力する
ことを特徴とする姿勢角処理装置。
【請求項9】
磁気ベクトルを検出する磁気センサと、重力加速度ベクトルを検出する重力加速度センサと、現在地の絶対位置を取得する位置情報取得装置と、絶対位置とその地点における地磁気伏角の対応を記憶している伏角データベース装置と、データ処理装置とを備えた姿勢角処理装置において、姿勢角処理を行う姿勢角処理方法であって、
現在地の絶対位置を取得する位置情報取得装置により取得した現在地の絶対位置に基づき、絶対位置とその地点における地磁気伏角の対応を記憶している伏角データベース装置から現在地の地磁気伏角を読み出し、
磁気センサによって検出した磁気ベクトルと重力加速度センサにより検出した重力加速度ベクトルとにより、水平面と磁気ベクトルとの成す角を求め、
前記磁気ベクトルと水平面の成す角と前記現在地の地磁気伏角とを比較して、
その誤差が一定範囲内であれば、磁気センサにより検出した磁気ベクトルを地磁気ベクトルとして信頼できることをあらわすツルー信号を出力し、それ以外の場合は現在の磁気ベクトルは信頼できないことをあらわすフォールス信号を出力することを特徴とする姿勢角処理方法。
【請求項10】
請求項9に記載の姿勢角処理方法において、さらに、
移動状態の有無を検出する移動検出装置が既定の移動距離もしくは移動時間を越えて移動状態を検出しており、
前記磁気ベクトルと水平面の成す角と前記現在地の地磁気伏角とを比較して、その誤差が一定範囲内であれば、磁気センサにより検出した磁気ベクトルを地磁気ベクトルとして信頼できることをあらわすツルー信号を連続的に出力しているとき、磁気センサにより検出した現在の磁気ベクトルを地磁気ベクトルとして信頼できることをあらわすツルー信号を出力し、それ以外の場合は現在の磁気ベクトルは信頼できないことをあらわすフォールス信号を出力する
ことを特徴とする姿勢角処理方法。
【請求項11】
請求項9に記載の姿勢角処理方法において、さらに、
前記磁気ベクトルと水平面の成す角と前記現在地の地磁気伏角とを比較して、その誤差が一定範囲内であれば、磁気センサにより検出した磁気ベクトルを地磁気ベクトルとして信頼できることをあらわすツルー信号を出力しているとき、前記磁気センサによって検出した磁気ベクトルと前記重力加速度センサにより検出した重力加速度ベクトルとに基づいて絶対姿勢角を推定し出力する
ことを特徴とする姿勢角処理方法。
【請求項12】
請求項10に記載の姿勢角処理方法において、
前記移動検出装置は人の歩行動作を検出して、移動状態の有無を検出する
ことを特徴とする姿勢角処理方法。
【請求項13】
請求項10に記載の姿勢角処理方法において、さらに、
前記磁気ベクトルと水平面の成す角と前記現在地の地磁気伏角とを比較して、その誤差が一定範囲内であれば、磁気センサにより検出した磁気ベクトルを地磁気ベクトルとして信頼できることをあらわすツルー信号を出力しているとき、前記磁気センサによって検出した磁気ベクトルと前記重力加速度センサにより検出した重力加速度ベクトルとに基づいて絶対姿勢角を算出し出力する
ことを特徴とする姿勢角処理方法。
【請求項14】
請求項12に記載の姿勢角処理方法において、
前記重力加速度センサにより検出した重力加速度ベクトルから鉛直方向を検出し、人の歩行動作を検出する加速度センサにより検出した加速度ベクトルの前記鉛直方向の成分により、人の歩行動作が作り出す典型的なパターンを検出すると共に、前記加速度ベクトルの前記鉛直方向に対して直交する平面への成分により、人の歩行動作が作り出す典型的なパターンを検出し、これらのパターンの検出結果を組み合わせることで、人の歩行動作を検出する
ことを特徴とする姿勢角処理方法。
【請求項15】
請求項11に記載の姿勢角処理方法において、さらに、
前記磁気ベクトルと水平面の成す角と前記現在地の地磁気伏角とを比較して、その誤差が一定範囲内であれば、磁気センサにより検出した磁気ベクトルを地磁気ベクトルとして信頼できることをあらわすツルー信号を出力しているときは、前記磁気センサによって検出した磁気ベクトルと前記重力加速度センサにより検出した重力加速度ベクトルとに基づいて絶対姿勢角を現在の絶対姿勢角として出力し、
前記ツルー信号を出力していないときには、最後に出力された絶対姿勢角を基準として、前記角速度センサが計測する角速度ベクトルを積算して現在の絶対姿勢角を推定して出力する
ことを特徴とする姿勢角処理方法。
【請求項16】
請求項13に記載の姿勢角処理方法において、さらに、
前記磁気ベクトルと水平面の成す角と前記現在地の地磁気伏角とを比較して、その誤差が一定範囲内であれば、磁気センサにより検出した磁気ベクトルを地磁気ベクトルとして信頼できることをあらわすツルー信号を出力しているときは、前記磁気センサによって検出した磁気ベクトルと前記重力加速度センサにより検出した重力加速度ベクトルとに基づいて絶対姿勢角を現在の絶対姿勢角として出力し、
前記ツルー信号を出力していないときには、最後に出力された絶対姿勢角を基準として、前記角速度センサが計測する角速度ベクトルを積算して現在の絶対姿勢角を推定して出力する
ことを特徴とする姿勢角処理方法。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、人が携帯することでその人の姿勢角の情報を正確に得ることのできる姿勢角処理装置および姿勢角処理方法に関するものであり、特に、被計測対象(携帯電話やPDAなどの小型デバイス、人体など)の絶対姿勢角を装着可能な小型・軽量かつ、安価なセンサ群によって取得することのできる姿勢角処理装置および姿勢角処理方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、磁気センサと傾斜角センサ、あるいは重力加速度センサを用いて絶対姿勢角を取得する技術は知られている。また、角速度センサを用いて、ある絶対基準姿勢角からの相対的な姿勢変化を計測する技術は知られている。これらのセンサを組み合わせて、より正確に、ロバストに計測対象の絶対姿勢角を計測する試みがなされている。
【特許文献1】
特許第3038452号公報
【特許文献2】
特開平11-211479号公報
【0003】
【解決しようとする課題】
しかしながら、磁気センサを用いて推定される地磁気ベクトルに基づいて現在の絶対姿勢角を計測する方法は、特に、屋内環境においては、さまざまな電子機器や建築構造物などによる磁場の乱れが存在するため、信頼できる地磁気を計測することが難しく、広範囲な環境下では、安定して正しく動作しない問題点があった。
【0004】
また、ジャイロセンサと加速度センサを用いた相対姿勢角を計測する方法においては、基準となる絶対姿勢角から、ジャイロセンサが計測する角速度ベクトルと加速度センサが計測する加速度ベクトルを積算することによって、逐一絶対姿勢角を更新して相対姿勢角を推定するが、ジャイロセンサの出力に含まれるドリフト成分等の問題により、長期間継続して絶対姿勢角を取得し続けることは難しいという問題点があった。
【0005】
航空機等に搭載される慣性航行装置(IMU)に用いられるジャイロセンサ・加速度センサは非常に高い精度で、基準となる絶対姿勢角からの相対的な姿勢角変化を計測することが可能であるが、サイズ・重量と経済性の問題から、小型デバイスや人体への装着が困難であるという問題点があった。
【0006】
本発明は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、本発明の目的は、磁場の乱れなどによって安定して信頼できる地磁気ベクトルを取得することが難しい環境下においても、例えば、人が携帯することでその人の姿勢角の情報を正確に得ることのできる姿勢角処理装置および姿勢角処理方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上述した問題点を解決するために、本発明による姿勢角処理装置および姿勢角処理方法においては、次のような基本原理を用いて姿勢角処理装置および姿勢角処理方法が構成されることを特徴とするものである。
【0008】
磁気センサが計測する磁気ベクトルと、重力加速度センサ(または傾斜角センサ)が計測する重力加速度ベクトルの成す角から、水平面と磁気ベクトルの成す角を算出することができるので、この成す角を現在地の位置情報(例えば、緯度・経度)に基づいて事前に用意されているデータベースから取り出される伏角(地磁気ベクトルと水平面の成す角)と比較する。伏角は、経度・緯度によって一意に定まる。例えば、国土地理院が発行している地磁気マップを用いることで伏角のデータベースを構築できる。磁気センサが地磁気ベクトルを正しく計測することができていれば、この二つは一致するはずである。この二つが一致しないとき、磁場の乱れが存在すると予想されるため、磁気センサの出力が信頼できないものと見なす。
【0009】
そこで、本発明の基本原理においては、測定した伏角とデータベースの伏角と二つが一致するとき、磁気センサの出力が信頼できることを指示するツルー信号を出力し、それ以外の場合、信頼できないことを指示するフォールス信号を出力するように構成する。
【0010】
計測した水平面と磁気ベクトルの成す角と、実際の伏角を定点においてのみ比較した場合には、偶然によって、この二つが一致することにより、信頼できない磁気ベクトルを信頼できるとする信号を出力してしまうこと(誤検出)がありうるので、本発明の基本原理においては、計測対象の連続的な移動を検出する装置を備えることにより、異なる地点における水平面と磁気ベクトルの成す角と実際の伏角との比較を連続的に行い、前述のような誤検出の可能性を小さくする。このような移動状態を検出する装置としては、計測対象が人である場合は、人の基本的な移動手段である歩行動作を検出する装置を用いる。歩行動作を検出するセンサとして、加速度センサを用いる。
【0011】
このため、本発明の第1の態様においては、互いに直交する3軸の磁気ベクトルを計測する磁気センサと、互いに直交する3軸の重力加速度ベクトルを計測する重力加速度センサ、現在の絶対位置を取得する位置情報取得装置、絶対位置と地磁気伏角の対応を記憶している伏角データベース装置、前記磁気センサが計測した磁気ベクトルと前記重力加速度センサが計測した重力加速度ベクトルの成す角を算出して水平面と磁気ベクトルの成す角を算出し、前記位置情報取得装置により取得される現在位置に基づいて前記伏角データベース装置から取得される伏角を、前記水平面と磁気ベクトルの成す角と比較し、その誤差が一定範囲以内であれば、ツルー信号を出力し、それ以外の場合はフォールス信号を出力する伏角推定検証装置を備える。
【0012】
本発明の第2の態様においては、第1の態様に加えて、計測対象の移動状態を検出する装置と、前記移動検出装置が既定の移動距離もしくは移動時間を越えて移動状態を検出していて、かつ、第1の態様の伏角推定検証装置がツルー信号を連続して出力しているときに、ツルー信号を出力し、それ以外の場合は、フォールス信号を出力する信号出力装置を備える。
【0013】
本発明の第3の態様においては、第1の態様において、伏角推定検証装置がツルー信号を出力しているとき、前記磁気センサによって計測された磁気ベクトルを地磁気ベクトルと見なし、前記重力加速度センサによって計測された重力加速度ベクトルと前記磁気ベクトルから絶対姿勢角を推定して出力するように構成された絶対姿勢角推定装置を備える。地磁気ベクトルと重力加速度ベクトル(すなわち鉛直方向)が与えられていれば、センサの絶対姿勢角は原理的に一意に定まる。
【0014】
本発明の第4の態様においては、第2の態様において、人を計測対象として念頭に置き、移動状態を検出する装置としては、人の歩行動作を検出する歩行動作検出装置を用いる。
【0015】
本発明の第5の態様においては、第2の態様において、伏角推定検証装置がツルー信号を出力しているとき、磁気センサによって計測された磁気ベクトルを地磁気ベクトルと見なし、重力加速度センサによって計測された重力加速度ベクトルと磁気ベクトルから絶対姿勢角を算出する絶対姿勢角推定装置を備える。地磁気ベクトルと重力加速度ベクトル(すなわち鉛直方向)が与えられれば、センサの絶対姿勢角は原理的に一意に定まる。
【0016】
本発明の第6の態様においては、第4の態様に加えて、互いに直交する3軸の加速度ベクトルを計測する加速度センサを備え、重力加速度センサにより検出した重力加速度ベクトルから鉛直方向を検出し、前記加速度センサにより検出した加速度ベクトルの前記鉛直方向への成分により、人の歩行動作が作り出す典型的なパターンを検出すると共に、前記加速度ベクトルの前記鉛直方向に対して直交する平面への成分により人の歩行動作が作り出す典型的なパターンを検出し、これらのパターン検出結果を組み合わせることで、人の歩行動作を検出する歩行動作検出装置を備える。
【0017】
本発明の第7の態様においては、第3の態様に加えて、互いに直交する3軸周りの角速度ベクトルを検出する角速度センサを備え、伏角推定検証装置がツルー信号を出力しているとき、絶対姿勢角推定装置が出力する絶対姿勢角を現在の絶対姿勢角として出力し、伏角推定検証装置がフォールス信号を出力しているときには、現在の絶対姿勢角として最後に出力された絶対姿勢角を基準として、前記角速度センサが計測する角速度ベクトルを積算して現在の絶対姿勢角を推定し出力する装置を備える。
【0018】
また、本発明の第8の態様においては、第5の態様に加えて、互いに直交する3軸周りの角速度ベクトルを検出する角速度センサを備え、伏角推定検証装置がツルー信号を出力しているとき、絶対姿勢角推定装置が出力する絶対姿勢角を現在の絶対姿勢角として出力し、前記伏角推定検証装置がフォールス信号を出力しているとき、現在の絶対姿勢角として最後に出力された絶対姿勢角を基準として、前記角速度センサが計測する角速度ベクトルを積算して現在の絶対姿勢角を推定して出力する装置を備える。
【0019】
本発明の第9の態様においては、まず、磁気ベクトルを計測して得られる互いに直交する3軸の磁気ベクトルと、重力加速度を計測して得られる互いに直交する3軸の重力加速度ベクトルから、前記磁気ベクトルと前記重力加速度ベクトルの成す角、すなわち、水平面と磁気ベクトルの成す角を、磁気ベクトルの俯角算出手段を用いて算出し、この算出演算と並行して、位置情報取得して得られる現在地の絶対位置を検索キーとして、伏角データベースが格納されたデータベースを参照して、現在位置における地磁気の伏角を取得する。水平面と磁気ベクトルの成す角と、取得した伏角とを比較処理手段によって比較し、この比較した誤差が一定範囲以内であれば、前記磁気ベクトルを信頼できることをあらわすツルー信号を出力し、それ以外の場合は、前記磁気ベクトルは信頼できないことをあらわすフォールス信号を出力する。
【0020】
本発明の第10の態様は、第9の態様においては、水平面と磁気ベクトルの成す角と実際の伏角を定点においてのみ比較しているため、偶然によって、この二つが一致することにより、信頼できない磁気ベクトルを信頼できることをあらわすツルー信号を出力してしまう(誤検出)ことがありえることに対するために構成なされたものであり、この第10の態様では、第9の態様に加えて、計測対象の連続的な移動を検出する移動検出手段を用いて、前記移動検出手段が連続的な移動を検出し、かつ、ツルー信号を連続して出力しているときに、ツルー信号を出力し、それ以外のときはフォールス信号を出力するように構成する。これにより、異なる地点における水平面と磁気ベクトルの成す角と実際の伏角との比較を連続的に行うことで、誤検出の可能性を小さくすることができる。
【0021】
本発明の第11の態様においては、第9の態様に加えて、磁気センサから得られる磁気ベクトルを地磁気ベクトルとみなし、前記地磁気ベクトルと、前記重力加速度センサから得られる重力加速度ベクトルを組み合わせることで、現在の絶対姿勢角を推定して出力し、現在の磁気センサの出力が信頼できることをあらわすツルー信号を出力しているときに、前記絶対姿勢角の出力が信頼できることをあらわすツルー信号を出力し、それ以外の場合、前記絶対姿勢角の出力が信頼できないことをあらわすフォールス信号を出力する。
【0022】
本発明の第12の態様においては、第10の態様において、計測対象として、人もしくは人に装着された装置を想定して、連続的な移動を検出する移動検出手段として、人の歩行動作を検出する歩行動作検出手段を用いる。
【0023】
本発明の第13の態様においては、第10の態様に加えて、磁気センサから得られる磁気ベクトルを地磁気ベクトルとみなし、前記地磁気ベクトルと、重力加速度センサから得られる重力加速度ベクトルを組み合わせることで、前記絶対姿勢角推定手段を用いて現在の絶対姿勢角を推定して出力する。現在の磁気センサの出力が信頼できることをあらわすツルー信号を出力しているときに、前記絶対姿勢角の出力を信頼できることをあらわすツルー信号を出力し、それ以外の場合、前記絶対姿勢角の出力を信頼できないことをあらわすフォールス信号を出力する。
【0024】
本発明の第14の態様においては、第12の態様において、加速度ベクトルを計測し、人の歩行動作が作り出す典型的な加速度パターンを検出することで、歩行動作の有無を検出する。人の歩行動作は、鉛直方向と進行方向への加速度成分に特徴的なパターンを示すので、これを判定する。このため、鉛直方向を検出する目的で、重力加速度センサ(または傾斜角センサ)が用いられる。前記加速度センサの出力のうち、鉛直方向に直交する平面(すなわち水平面)上への投影成分であって、時系列上で振幅が最大となる方向を進行方向とみなし、この方向への加速度成分に現れるパターンを検出することで、鉛直方向への加速度成分を単独で観察するよりも精度良く人の歩行動作を検出することが可能となる。
【0025】
本発明の第15の態様においては、第11の態様に加えて、互いに直交する3軸周りの角速度ベクトルを計測する角速度ベクトル計測手段を備え、現在の絶対姿勢角の出力が信頼できることをあらわすツルー信号を出力しているとき、前記絶対姿勢角を基準絶対姿勢角として取得し、現在の絶対姿勢角として出力し、それ以外の場合は、前記基準絶対姿勢角と角速度ベクトル計測手段より得られる角速度ベクトルを積算することで、前記基準絶対姿勢角を更新し、出力する。
【0026】
本発明の第16の態様においては、第13の態様に加えて、角速度ベクトルを計測する手段を備え、現在の絶対姿勢角の出力が信頼できることをあらわすツルー信号を出力しているとき、前記絶対姿勢角を基準絶対姿勢角として取得し、現在の絶対姿勢角として出力し、それ以外の場合は、前記基準絶対姿勢角と角速度ベクトルを計測する手段より得られる角速度ベクトルを積算することで、前記基準絶対姿勢角を更新し出力する。
【0027】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の第1の実施例を示すブロック図である。図1に示す実施例において、磁気センサ101は、計測対象における3軸の磁気ベクトルを計測する装置である。例えば、Honeywell社から販売されている磁気センサのHMC1052とHMC1051Zなどを組み合わせて構成する。重力加速度センサ102は、計測対象における互いに直交する3軸の重力加速度ベクトルを計測する装置である。これは、例えば、Analog Devices社から販売されている加速度センサであるADXL202Eとディジタルフィルタなどを用いて構成する。あるいは、MicroStrain社が製造販売しているセンサモジュール3DM-Gを用いる。
【0028】
位置情報取得装置103は、計測対象の絶対位置を取得する装置であり、これは、例えば、GPS衛星からの信号を受信する装置が用いられる。または、携帯電話やPHSなどの基地局情報を取得する装置が用いられる。別の例として、ビーコンとなる電波信号や赤外線信号の受信装置を用いるか、CCDカメラなどによって撮影された画像と、事前に撮影位置情報が登録された画像データベースの画像群とを照合することによって現在位置を取得する装置などを用いる。このような装置を用いることにより、現在地の絶対位置を正規化された表現(例えば、経度・緯度表記)で取得することができる。
【0029】
磁気ベクトルの俯角算出装置104は、磁気センサ101から得られた3軸の磁気ベクトルと重力加速度センサ102から得られた3軸の重力加速度ベクトルから、磁気ベクトルと重力加速度ベクトルの成す角を算出し、その結果から水平面と前記磁気ベクトルを算出する装置である。専用の演算回路ないしは、マイクロプロセッサ(CPU)と汎用計算機のプログラムの組み合わせ等によって実現される。地磁気ベクトルと重力加速度ベクトルと水平方向との関係は、図34に示すような関係となっており、これらの関係から、地磁気ベクトルと重力加速度ベクトルから、伏角、水平方向などを判定する。
【0030】
現在地伏角取得装置106は、位置情報取得装置103から得られた絶対位置を、位置の汎用的な表記方式(例えば、経度・緯度表現)に変換し、この表記方式をキーとして、伏角データベース装置107に問い合わせを発行し、リプライとして、現在地における地磁気伏角を取得する専用の演算回路ないしはマイクロプロセッサ(CPU)と汎用計算機のプログラムの組み合わせ等によって実現される。
【0031】
伏角データベース装置107は、絶対位置とその位置における伏角が結び付けられたデータベースと、そのデータ照合・取り出し機構を備える装置である。これらのデータベースのデータを格納した磁気ディスクあるいは光ディスク等の記憶媒体と、絶対位置をキーとして地磁気伏角を取得する専用の演算回路ないしはマイクロプロセッサ(CPU)と汎用計算機のプログラムの組み合わせ等によって実現される。伏角データベース装置107に格納されるデータベースのデータ形式としては、例えば、図35に示すように、絶対位置と伏角が対応付けられたテーブル形式が用いられる。
【0032】
比較処理および信号出力装置105は、現在地伏角取得装置106から入力される伏角と、磁気ベクトルの俯角算出装置104から入力される俯角を比較し、その誤差が一定範囲内であれば、ツルー信号を出力し、それ以外であれば、フォールス信号を出力する装置である。比較・条件分岐演算と出力の機能を備えた専用の演算回路ないしはマイクロプロセッサ(CPU)と汎用計算機のプログラムの組み合わせ等によって実現される。装置110は、処理モジュールとして構成され、磁気ベクトルの俯角算出装置104と、比較処理および信号出力装置105と、現在地伏角取得装置106と、伏角データベース装置107とから構成され、本発明の一実施例の姿勢角処理装置を構成する。
【0033】
図2は、本発明の第2の実施例を示すブロック図である。図2に示す実施例において、参照符号は第1の実施例と同じものは同じ符号を付けて示している。移動検出装置201は、計測対象が移動しているかどうかを検出する装置である。計測対象が自動車であれば、例えば車速計を用いることができる。計測対象が航空機であれば、例えばGPS衛星から得られる絶対位置情報の時系列変化(前時刻における位置と現在時刻における位置の間の移動ベクトル)を求める装置あるいは対気速度計を用いることができる。計測対象が人間であれば、歩数計を用いることができる。装置110は、図1において説明された処理モジュールである。具体的には、前述したように、磁気ベクトルの俯角算出装置104と、比較処理および信号出力装置105と、現在地伏角取得装置106と、伏角データベース装置107とから構成されている。
【0034】
信号出力装置202は、移動検出装置201が計測対象の連続的な移動を検出しており、それと同時に、前述の処理モジュールの装置110が連続してツルー信号を出力しているときのみ、ツルー信号を出力し、それ以外の場合、フォールス信号を出力する装置である。信号出力装置202は、比較・条件分岐演算と一時記憶装置を備えた専用の演算回路ないしはマイクロプロセッサ(CPU)と汎用計算機のプログラムの組み合わせ等によって実現される。
【0035】
図3は、本発明の第3の実施例を示すブロック図である。図3に示す実施例においては、重力加速度センサ102から得られる3軸の重力加速度ベクトルにより水平面が得られ、磁気センサ101から得られる3軸の磁気ベクトルを地磁気ベクトルと見なすことによって、水平面と地磁気ベクトルから現在の絶対姿勢角が算出される。絶対姿勢角推定装置301は、この絶対姿勢角の算出のための演算および出力を行う装置であり、マイクロプロセッサ(CPU)と汎用計算機のプログラムの組み合わせ等によって実現される。絶対姿勢角推定装置301と装置110を組み合わせた装置310は、処理モジュールとして構成され、装置310は、装置110の出力信号が、絶対姿勢角推定装置301が算出・出力する絶対姿勢角が信頼できるかどうかをあらわす信号として用いられる。
【0036】
図4は、本発明の第4の実施例を示すブロック図である。図4に示す実施例においては、重力加速度センサ102から得られる3軸の重力加速度ベクトルにより水平面が得られ、磁気センサ101から得られる3軸の磁気ベクトルを地磁気ベクトルと見なし、位置情報取得装置103から得られる現在位置に基づいて現在地偏角取得装置303から地磁気ベクトルの偏角を取得し、この偏角と前記地磁気ベクトル、前記水平面に基づいて、偏角補正および絶対姿勢角推定装置302により、絶対姿勢角が取得される。現在地偏角取得装置303は、絶対位置から偏角を得るための偏角データベース装置304を備える。この偏角は地球上の絶対位置によって一意に定まるものであり、例えば、国土地理院が発行している地磁気マップなどを参照することで、各地点(絶対位置)における偏角を求めるための偏角データベースを構成する。
【0037】
偏角データベース装置304には、絶対位置(例えば、経度・緯度)とその地点における偏角を対応付けるデータが格納されている。現在地偏角取得装置303は、位置情報取得装置103から得られる絶対位置に基づいて、前記絶対位置に対応する偏角を、偏角データベース装置304から取得する。現在地偏角取得装置303は、位置情報取得装置103から得られた絶対位置を、位置の汎用的な表記方式(例えば、経度・緯度表現)に変換し、この表記方式をキーとして、偏角データベース装置304に問い合わせを発行し、リプライとして、現在地における偏角を取得する。演算回路ないしはマイクロプロセッサ(CPU)と汎用計算機のプログラムの組み合わせ等によって実現される。偏角データベース装置304は、絶対位置とその位置における偏角が結び付けられたデータベースとそのデータ照合・取り出し機構を備える装置であり、これらの偏角データベースのデータを格納した磁気ディスクあるいは光ディスク等の記憶媒体と、絶対位置をキーとして地磁気伏角を取得するための演算回路ないしはマイクロプロセッサ(CPU)と汎用計算機のプログラムの組み合わせ等によって実現される。格納されるデータの形式としては、例えば、図36に示すように、絶対位置と偏角が対応付けられたテーブル形式が用いられる。
【0038】
偏角補正および絶対姿勢角推定装置302は、マイクロプロセッサ(CPU)と汎用計算機のプログラムの組み合わせ等によって実現される。本実施例における装置320は、処理モジュールとして構成され、装置110,現在地偏角取得装置303、および偏角補正および絶対姿勢角推定装置302の組み合わせから構成される。装置320は、装置110から出力される信号を、絶対姿勢角推定装置301が算出し出力する絶対姿勢角が信頼できるかどうかをあらわす信号として用いられる。
【0039】
図5は、本発明の第5の実施例を示すブロック図である。図5に示す実施例においては、図2に示した第2の実施例における移動検出装置201が、歩行動作検出装置401に置き換わったものである。歩行動作検出装置401は、歩行者の腰部などに装着された加速度センサを用いて鉛直もしくは進行方向への加速度変化を計測することで歩行動作を検出する。別の構成では、歩行動作検出装置401は、歩行者の腰部などに装着された角速度センサを用いて、ピッチもしくはヨー方向への角速度変化を計測することで、歩行動作を検出する構成とする。
【0040】
図6は、本発明の第6の実施例を示すブロック図である。図6に示す実施例においては、重力加速度センサ102から得られる3軸の重力加速度ベクトルにより水平面が得られ、磁気センサ101から得られる3軸の磁気ベクトルを地磁気ベクトルと見なすことによって、水平面と地磁気ベクトルから現在の絶対姿勢角が算出される。絶対姿勢角推定装置501は、この絶対姿勢角を算出するための演算および出力を行う装置であり、演算回路ないしはマイクロプロセッサ(CPU)と汎用計算機のプログラムの組み合わせ等によって実現される。本実施例における装置510は、処理モジュールとして構成され、装置210および絶対姿勢角推定装置501の組み合わせから構成される。装置210から出力される信号は、絶対姿勢角推定装置501が算出して出力する絶対姿勢角が信頼できるかどうかをあらわす信号として用いられる。
【0041】
図7は、本発明の第7の実施例を示すブロック図である。図7に示す実施例においては、重力加速度センサ102から得られる3軸の重力加速度ベクトルにより水平面が得られ、磁気センサ101から得られる磁気ベクトルを3軸の地磁気ベクトルと見なし、位置情報取得装置103から得られる現在位置に基づいて現在地偏角取得装置503から地磁気ベクトルの偏角を取得し、この偏角と前記地磁気ベクトル、前記水平面に基づいて、偏角補正および絶対姿勢角推定装置502により、絶対姿勢角が取得される。現在地偏角取得装置503には、偏角データベース装置504が備えられる。偏角データベース装置504には、絶対位置(例えば、経度・緯度)とその地点における偏角を対応付けるデータが格納されている。現在地偏角取得装置503は、位置情報取得装置103から得られる絶対位置に基づいて、前記絶対位置に対応する偏角を、偏角データベース装置504から取得する。偏角補正および絶対姿勢角推定装置502は、マイクロプロセッサ(CPU)と汎用計算機のプログラムの組み合わせ等によって実現される。本実施例における装置520は、処理モジュールとして構成され、装置210,現在地偏角取得装置503、および偏角補正および絶対姿勢角推定装置502の組み合わせから構成される。装置210から出力される信号は、絶対姿勢角推定装置502が算出して出力する絶対姿勢角が信頼できるかどうかをあらわす信号として用いられる。
【0042】
図8は、本発明の第8の実施例を示すブロック図である。図8に示す実施例においては、図5に示した第5の実施例における歩行動作検出装置401が、重力加速度センサ102から得られる重力加速度ベクトルと、加速度センサ601から得られる加速度ベクトルにより歩行動作を検出する歩行動作検出装置602に置き換えられたものである。このため、装置の構成としては、加速度センサ601と歩行動作検出装置602とが設けられている。歩行動作検出装置602は、マイクロプロセッサ(CPU)と歩行動作検出のための処理プログラムの組み合わせによって実現される。
【0043】
図9は、本発明の第9の実施例を示すブロック図である。図9に示す実施例においては、第3の実施例の構成(図3)または第4の実施例の構成(図4)に加えて、角速度センサ701と角速度積算および絶対姿勢角推定装置702とが備えられた構成となっている。角速度センサ701は、計測対象の3軸周りの角速度ベクトルを計測するものであり、例えば、(株)村田製作所から販売されているジャイロセンサENC-03Jを3個組み合わせることによって構成する。角速度積算および絶対姿勢角推定装置702は、装置310または装置320から出力される、基準となる絶対姿勢角(出力1)と、この絶対姿勢角が信頼できるかどうかをあらわす信号(出力2:ツルー信号またはフォールス信号)の2つを入力とし、現在の絶対姿勢角を出力とする。角速度積算および絶対姿勢角推定装置702は、出力2の信号がツルー信号であるとき、出力1から得られる絶対姿勢角を基準用の絶対姿勢角としてセットし、現在の絶対姿勢角として出力する。出力2の信号がフォールス信号であるとき、出力1として最後に出力された(出力2がツルー信号を出力している出力1として出力された)基準用の絶対姿勢角を角速度センサ701によって計測される角速度ベクトルに基づいて更新し、その更新結果を現在の絶対姿勢角として出力する。
【0044】
図10は、本発明の第10の実施例を示すブロック図である。図10に示す実施例においては、第6の実施例(図6)または第7の実施例(図7)に示した実施例の構成に加えて、角速度センサ801と、角速度積算および絶対姿勢角推定装置802を備えた構成の装置となっている。角速度センサ801は計測対象の3軸周りの角速度ベクトルを計測するものである。角速度積算および絶対姿勢角推定装置802は、装置510または装置520から出力される基準となる絶対姿勢角(出力1)と、この絶対姿勢角(出力1)が信頼できるかどうかをあらわす信号(出力2:ツルー信号またはフォールス信号)の2つを入力とし、現在の絶対姿勢角を出力とする。角速度積算および絶対姿勢角推定装置702は、出力2の信号がツルー信号であるとき、出力1から得られる絶対姿勢角を基準絶対姿勢角としてセットし、現在の絶対姿勢角として出力する。出力2の信号がフォールス信号であるとき、出力1として最後に出力された(出力2がツルー信号を出力している出力1として出力された)基準用の絶対姿勢角を角速度センサ801によって計測される角速度ベクトルに基づいて更新し、その更新結果を現在の絶対姿勢角として出力する。
【0045】
図11は、本発明の第11の実施例を示すブロック図である。図11に示す実施例において、磁気ベクトル計測手段901は、計測対象における3軸の磁気ベクトルを計測する手段であり、これは、例えば、Honeywell社が販売している磁気センサであるHMC1052とHMC1051Zなどと、そのセンサデータを読み込むA/D変換ポートを備えたマイコンなどを用いて構成する。重力加速度ベクトル計測手段902は、計測対象における3軸の重力加速度ベクトルを計測する装置であり、これは、例えば、Analog Devices社から販売されている加速度センサであるADXL202Eなどと、そのセンサデータを読み込むA/D変換ポートを備えたマイクロプロセッサ(CPU)およびそのディジタルデータに対するフィルタプログラムを組み合わせて構成する。位置情報取得手段903は、計測対象の絶対位置を取得する手段であり、これは、例えば、GPS衛星からの信号を受信する装置を用いて現在地の経度・緯度を取得することで構成する。磁気ベクトルの俯角算出装置904は、磁気ベクトル計測手段901から得られた3軸の磁気ベクトルと重力加速度ベクトル計測手段902から得られた3軸の重力加速度ベクトルから、磁気ベクトルと重力加速度ベクトルの成す角を算出し、その結果から水平面と前記磁気ベクトルを算出する。これらは演算回路ないしはマイクロプロセッサ(CPU)と汎用計算機のプログラムの組み合わせ等によって実現される。現在地伏角取得手段906は、位置情報取得手段903から得られた絶対位置を、位置データを表現する汎用的な表記方式(例えば、経度・緯度表現)に変換し、この表記方式をキーとして、伏角データベース格納・参照手段907に問い合わせを発行し、リプライとして、現在地における地磁気伏角を取得する演算回路ないしはマイクロプロセッサ(CPU)と汎用計算機のプログラムの組み合わせ等によって実現される。伏角データベース格納・参照手段907は、絶対位置とその位置における伏角が結び付けられたデータベースとそのデータ照合・取り出し機構を備える装置であり、これらのデータを格納した磁気ディスクあるいは光ディスク等の記憶媒体と、絶対位置をキーとして地磁気伏角を取得する演算回路ないしはマイクロプロセッサ(CPU)と汎用計算機のプログラムの組み合わせ等によって実現される。格納されるデータの形式としては、前述したように、例えば、図36に示すようなテーブル形式を用いる。比較処理手段905は、現在地伏角取得手段906から入力される伏角と、磁気ベクトルの俯角算出手段904から入力される俯角を比較する手段であり、出力手段908は、比較処理手段905による比較の誤差が一定範囲内であれば、ツルー信号を出力し、それ以外であれば、フォールス信号を出力する処理手段であり、これらは、比較・条件分岐演算と出力を備えた演算回路ないしはマイクロプロセッサ(CPU)と汎用計算機のプログラムの組み合わせ等によって実現される。
【0046】
上記の実施例における各手段による処理は、汎用計算機のプログラム処理によっても実現される。次に、このようなプログラム処理による処理の流れについて説明する。
【0047】
図12に示すフローチャートは、第11の実施例に対応する処理の流れを示すフローチャートである。ここで処理では、まず、ステップS101において3軸の磁気ベクトルを取得し、ステップS102において3軸の重力加速度ベクトルを取得し、次に、ステップS103において磁気ベクトルと重力加速度ベクトルとの成す角を算出する。この磁気ベクトルと重力加速度ベクトルとの成す角は水平面に対する前記磁気ベクトルの俯角である。このため、ステップS104において、現在地の絶対位置を取得し、次のステップS105において、取得した絶対位置に基づいて現在地の地磁気伏角を取得し、ステップS106において、俯角と地磁気伏角を比較する。この誤差が一定範囲内の場合には、ステップS107に遷移し、それ以外の場合、ステップS108に遷移する。
【0048】
そして、ステップS107に遷移した場合は、このモジュールM110の出力として、ツルー(ツルー信号)を出力する。ステップS108に遷移した場合には、このモジュールM110の出力として、フォールス(フォールス信号)を出力する。
【0049】
図13は、本発明の第12の実施例を示すブロック図である。図13に示す実施例において、移動検出手段1001は、計測対象が移動しているかどうかを検出する手段であり、計測対象が自動車であれば車速計を用いることで、計測対象が航空機であればGPS衛星から得られる絶対位置情報の時系列変化(前時刻における位置と現在時刻における位置の間の移動ベクトル)を求めることで、計測対象が航空機の場合には対気速度計を用いることで、あるいは計測対象が人間であれば歩数計などを用いて、計測対象が移動しているかどうかを検出する。出力手段1002は、移動検出手段1001が計測対象の連続的な移動を検出しており、それと同時に処理手段910も連続してツルー信号を出力している場合、ツルー信号を出力し、それ以外の場合、フォールス信号を出力する。出力手段202は、比較・条件分岐演算と一時記憶装置を備えた演算回路ないしはマイクロプロセッサ(CPU)と汎用計算機のプログラムの組み合わせ等によって実現される。
【0050】
上記の実施例における各手段による処理は、汎用計算機のプログラム処理によっても実現される。次に、このようなプログラム処理による処理の流れについて説明する。
【0051】
図14に示すフローチャートは、第12の実施例に対応する処理の流れを示すフローチャートである。ここで処理では、まず、ステップS201において、図12に示したモジュールM110から出力される出力(ツルー信号またはフォールス信号)を取得し、ステップS202において、移動検出手段から移動状態を取得する。次に、ステップS203において、ステップS201で取得された出力がツルー信号であり、かつ、ステップS202で取得された移動状態が移動中であることを示しているとき、ステップS204へ遷移する。それ以外のとき、ステップS207へ遷移する。ステップS204において、連続してステップS204へ遷移した回数をカウントする変数Nを1だけ増加させる。次のステップS205において、既定の下限回数Mと変数Nを比較し、変数Nの方が大きいとき、ステップS206へ遷移する。それ以外のとき、ステップS208へ遷移する。ステップS207においては、変数Nを0にリセットする。ステップS206において、このモジュールM210の出力として、ツルー信号を出力し、ステップS208においては、このモジュールM210の出力として、フォールス信号を出力する。
【0052】
図15は、本発明の第13の実施例を示すブロック図である。図15に示す実施例において、重力加速度ベクトル計測手段902から得られる3軸の重力加速度ベクトルにより水平面が得られ、磁気ベクトル計測手段901から得られる3軸の磁気ベクトルを地磁気ベクトルと見なすことによって、水平面と地磁気ベクトルから現在の絶対姿勢角を算出する。絶対姿勢角推定手段1101は、この算出演算および出力を行う手段であり、マイクロプロセッサ(CPU)と汎用計算機のプログラムの組み合わせ等によって実現される。この実施例における処理手段1110においては、処理手段910の出力を、絶対姿勢角推定手段1101が算出して出力する絶対姿勢角が信頼できるかどうかをあらわす出力として用いる。
【0053】
上記の実施例における各手段による処理は、汎用計算機のプログラム処理によっても実現される。次に、このようなプログラム処理による処理の流れについて説明する。
【0054】
図16に示すフローチャートは、第13の実施例に対応する処理の流れを示すフローチャートである。この処理では、まず、ステップS301において、3軸の磁気ベクトルを取得し、次のステップS302において、3軸の重力加速度ベクトルを取得する。そして、ステップS303において、ステップS301で取得された磁気ベクトルを地磁気ベクトルであると見なし、ステップS302で取得された重力加速度ベクトルと前記地磁気ベクトル(磁気ベクトル)に基づいて現在の絶対姿勢角を算出する。次に、ステップS304において、モジュールM110から出力(ツルーまたはフォールス)を取得し、ステップS305において、ステップS303の処理により算出された絶対姿勢角を、このモジュールM310の出力1として出力する。そして、次のステップS306では、ステップS304で取得された出力(ツルーまたはフォールス)を、ステップS305で出力された絶対姿勢角ができるかどうかをあらわす信号(ツルー信号またはフォールス信号)とし、このモジュールM310の出力2として、出力する。
【0055】
図17は、本発明の第14の実施例を示すブロック図である。図17に示す実施例においては、重力加速度ベクトル計測手段902から得られる3軸の重力加速度ベクトルにより水平面が得られ、磁気ベクトル計測手段901から得られる3軸の磁気ベクトルを地磁気ベクトルと見なし、位置情報取得手段903から得られる現在位置に基づいて現在地偏角取得手段1103から地磁気ベクトルの偏角を取得して、この偏角と前記地磁気ベクトル、前記水平面に基づいて、偏角補正および絶対姿勢角推定手段1102によって、絶対姿勢角を取得する。このため、現在地偏角取得手段1103は、偏角データベース格納・参照手段1104を備えている。なお、偏角は地球上の絶対位置によって一意に定まる。例えば、国土地理院が発行している地磁気マップなどを参照することで、各地点における偏角を求めることができる。偏角データベース格納・参照手段1104には、絶対位置(例えば、経度・緯度)とその地点における偏角を対応付けるデータが格納されている。現在地偏角取得手段1103は、位置情報取得装置903から得られる絶対位置に基づいて、この絶対位置に対応する偏角を、偏角データベース格納・参照手段1104から取得する。偏角補正および絶対姿勢角推定手段1102は、マイクロプロセッサ(CPU)と汎用計算機のプログラムの組み合わせ等によって実現される。この実施例における処理手段1120では、処理手段910の出力を、偏角補正および絶対姿勢角推定手段1102が算出・出力する絶対姿勢角が信頼できるかどうかをあらわす出力として用いる。処理手段1120は処理モジュールとして構成される。
【0056】
上記の実施例における各手段による処理は、汎用計算機のプログラム処理によっても実現される。次に、このようなプログラム処理による処理の流れについて説明する。
【0057】
図18に示すフローチャートは、第14の実施例に対応する処理の流れを示すフローチャートである。この処理では、まず、ステップS311において3軸の磁気ベクトルを取得し、ステップS312において3軸の重力加速度ベクトルを取得し、ステップS313において現在地の絶対位置を取得する。次に、ステップS314において、ステップS313で取得された絶対位置に基づいて現在地の地磁気の偏角を取得する。そして、次のステップS315において、ステップS311で取得した磁気ベクトルを、ステップS314で取得した偏角を補正した後、ステップS312で取得した重力加速度ベクトルと、補正後の磁気ベクトルを正しく北の方角を指す地磁気ベクトルと見なして、現在の絶対姿勢角を算出する。そして、ステップS316では、モジュールM110(図12)からの出力(ツルー信号またはフォールス信号)を取得し、次のステップS317において、ステップS315において算出された絶対姿勢角を、この処理モジュールM320の出力1として出力する。次のステップS318においては、ステップS316で取得された出力(ツルー信号またはフォールス信号)を、ステップS317において出力した絶対姿勢角が信頼できるかどうかをあらわすものとして用いる。すなわち、処理モジュールM320の出力2として出力する。
【0058】
図19は、本発明の第15の実施例を示すブロック図である。図19に示す実施例は、図13に示した第12の実施例における移動検出手段1001を、歩行動作検出手段1201に置き換えたものである。ここでの歩行動作検出手段1201は、歩行者の腰部などに装着された加速度センサを用いて鉛直方向と進行方向への加速度変化のいずれか、もしくはその両方を計測することにより、もしくは、歩行者の腰部などに装着された角速度センサを用いてピッチもしくはヨー方向への角速度変化を計測して、歩行動作が作り出す典型的な時系列パターンと照合することにより、歩行動作を検出するものとなっている。
【0059】
上記の実施例における各手段による処理は、汎用計算機のプログラム処理によっても実現される。次に、このようなプログラム処理による処理の流れについて説明する。
【0060】
図20に示すフローチャートは、第15の実施例に対応する処理の流れを示すフローチャートである。この処理では、まず、ステップS401において、図12に示したモジュールM110から出力(ツルー信号またはフォールス信号)を取得し、次のステップS402において、歩行動作検出手段から移動状態を取得する。次に、ステップS403において、ステップS401で取得された出力がツルーであり、かつ、ステップS402で取得された移動状態が移動中であることを示しているとき、ステップS404へ遷移する。それ以外のとき、ステップS407へ遷移する。ステップS404では、連続してS404へ遷移した回数をカウントする変数Nを1だけ増加させる。次のステップS405では、既定の下限回数Mと変数Nを比較し、変数Nの方が大きいとき、ステップS406へ遷移する。それ以外のとき、ステップS408へ遷移する。ステップS403から遷移したステップS407では、変数Nを0にリセットする。ステップS406においては、このモジュールM410の出力として、ツルー信号を出力し、ステップS408においては、このモジュールM410の出力として、フォールス信号を出力する。
【0061】
図21は、本発明の第16の実施例を示すブロック図である。図21に示す実施例において、重力加速度ベクトル計測手段902から得られる3軸の重力加速度ベクトルにより水平面が得られ、磁気ベクトル計測手段901から得られる3軸の磁気ベクトルを地磁気ベクトルと見なすことによって、水平面と地磁気ベクトルから現在の絶対姿勢角を算出する。絶対姿勢角推定手段1301は、この算出演算および出力を行う手段であり、マイクロプロセッサ(CPU)と汎用計算機のプログラムの組み合わせ等によって実現される。この本実施例における処理手段1310においては、処理手段1010の出力を、絶対姿勢角推定手段1301が算出・出力する絶対姿勢角が信頼できるかどうかをあらわす出力として用いる。
【0062】
上記の実施例における各手段による処理は、汎用計算機のプログラム処理によっても実現される。次に、このようなプログラム処理による処理の流れについて説明する。
【0063】
図22に示すフローチャートは、第16の実施例に対応する処理の流れを示すフローチャートである。この処理では、まず、ステップS501において3軸の磁気ベクトルを取得し、ステップS502において3軸の重力加速度ベクトルを取得する。ステップS503においては、ステップS501で取得された磁気ベクトルを地磁気ベクトルとみなし、前記地磁気ベクトル(磁気ベクトル)とステップS502で取得された重力加速度ベクトルに基づいて、現在の絶対姿勢角を算出する。ステップS504において、モジュールM210の出力(ツルーまたはフォールス)を取得する。そして、ステップS505において、ステップS503で算出された絶対姿勢角を、このモジュールM510の出力1として出力する。次のステップS506においては、ステップS504で取得された出力(ツルーまたはフォールス)を、ステップS505において出力された絶対姿勢角が信頼できるかどうかをあらわす信号(ツルー信号またはフォールス信号)とし、この信号を、モジュールM510の出力2として出力する。
【0064】
図23は、本発明の第17の実施例を示すブロック図である。図23に示す実施例においては、重力加速度ベクトル計測手段902から得られる3軸の重力加速度ベクトルにより水平面が得られので、磁気ベクトル計測手段901から得られる3軸の磁気ベクトルを地磁気ベクトルと見なし、位置情報取得手段903から得られる現在位置に基づいて現在地偏角取得手段1303から地磁気ベクトルの偏角を取得し、この偏角と地磁気ベクトル、重力加速度ベクトルにより得られた水平面に基づいて、偏角補正および絶対姿勢角推定手段1302により、絶対姿勢角を算出して出力する。現在地偏角取得手段1303は、偏角データベース格納・参照手段1304を備える。偏角データベース格納・参照手段1304とは、絶対位置(例えば、経度・緯度)とその地点における偏角を対応付けるデータが格納されている。現在地偏角取得手段1303は、位置情報取得手段903から得られる絶対位置に基づいて、前記絶対位置に対応する偏角を、偏角データベース格納・参照手段1304から取得する。偏角補正および絶対姿勢角推定装置1302は、マイクロプロセッサ(CPU)と汎用計算機のプログラムの組み合わせ等によって実現される。この実施例における処理手段1320では、処理手段1010の出力を、偏角補正および絶対姿勢角推定手段1302が算出、出力する絶対姿勢角が信頼できるかどうかをあらわす出力として用いる。
【0065】
上記の実施例における各手段による処理は、汎用計算機のプログラム処理によっても実現される。次に、このようなプログラム処理による処理の流れについて説明する。
【0066】
図24に示すフローチャートは、第17の実施例に対応する処理の流れを示すフローチャートである。この処理では、まず、ステップS511において3軸の磁気ベクトルを取得し、ステップS512において3軸の重力加速度ベクトルを取得し、ステップS513において現在地の絶対位置を取得する。ステップS514において、ステップS513で取得された絶対位置に基づいて現在地の地磁気の偏角を取得する。ステップS515において、S511で取得された磁気ベクトルについて、ステップS514で取得された偏角分を補正し、補正後の磁気ベクトルを偏角補正後の地磁気ベクトルと見なし、前記地磁気ベクトルとステップS512において取得された重力加速度ベクトルに基づいて、現在の絶対姿勢角を算出する。ステップS516において、モジュールM210(ツルーまたはフォールス)の出力を取得する。ステップS517において、ステップS515で算出された現在の絶対姿勢角を、このモジュールM520の出力1として出力する。ステップS518において、ステップS516で取得された出力を、ステップS517で出力された絶対姿勢角が信頼できるかどうかをあらわす信号(ツルー信号またはフォールス信号)とし、このモジュールM520の出力2として出力する。
【0067】
図25は、本発明の第18の実施例を示すブロック図である。図25に示す実施例は、図19に示した第15の実施例における歩行動作検出手段1201を、重力加速度ベクトル計測手段902と加速度ベクトル計測手段1401、歩行動作検出手段1402で置き換えたものである。
【0068】
上記の実施例における各手段による処理は、汎用計算機のプログラム処理によっても実現される。次に、このようなプログラム処理による処理の流れについて説明する。
【0069】
図26,図27,図28に示すフローチャートは、第18の実施例に対応する処理の流れを示すフローチャートである。図28に示す処理モジュールMS630は、サブ処理モジュールMS610(図26)およびサブ処理モジュールMS620(図27)を構成要素として持つ。
【0070】
図26に、サブ処理モジュールMS610の処理手順を示す。この処理においては、ステップSS601において3軸の加速度ベクトルを取得し、ステップSS602において3軸の重力加速度ベクトルを取得する。ステップSS601で取得された加速度ベクトルには重力による重力加速度成分が含まれているので、これを除去する。次に、ステップSS603において、前記加速度ベクトルからステップSS602で取得された重力加速度ベクトルを減じて、動加速度ベクトル(重力加速度成分を含まない加速度ベクトル)を算出する。次のステップSS604において、ステップSS603で算出された動加速度ベクトルを、ステップSS602で重力加速度ベクトルに基づいて、鉛直方向への成分とそれ以外の成分(すなわち水平面方向への成分)へと分解し、それぞれの成分を算出する。ステップSS605において、ステップSS604で算出された鉛直方向への成分を時系列データとして格納する。そして、次のステップSS606において、ステップSS604で算出された水平面方向への成分を時系列データとして格納する。
【0071】
図27に、サブ処理モジュールM620の処理手順を示す。この処理においては、まず、ステップSS611において、サブ処理モジュールMS610によって格納された鉛直方向への成分の時系列データを一定時間分だけ抽出し、抽出した時系列データを、歩行動作が引き起こす動加速度ベクトルの鉛直方向成分の典型的なパターンとおおむね一致するか(所定誤差内で一致するか)照合する。次にステップSS612において、ステップSS611における照合が成功したか否かを判定し、照合が成功したときにはステップSS613へと遷移し、照合が失敗したときにはステップSS616へと遷移する。ステップSS613においては、サブモジュールMS610によって格納された水平面方向への成分の時系列データを一定時間分だけ抽出し、この抽出した時系列データを、歩行動作が引き起こす動加速度ベクトルの水平面方向成分の典型的なパターンとおおむね一致するか(所定誤差内で一致するか)照合する。次に、ステップSS614において、照合が成功したか否かを判定し、照合が成功したときにはステップSS615へと遷移し、照合が失敗したときステップSS616へと遷移する。ステップSS615では、このサブ処理モジュールMS620の出力として、ツルーを出力する。ステップSS616では、このサブ処理モジュールMS620の出力として、フォールスを出力する。これにより、サブ処理モジュールMS620からは、ツルー信号またはフォールス信号が出力される。
【0072】
図28に、処理モジュールMS630の処理手順を示す。この処理モジュールの処理においては、まず、ステップS601においてサブ処理モジュールMS610の処理を実行し、ステップS602においてサブ処理モジュールMS620の処理を実行する。次に、ステップS603において、現在の時刻情報を取得する。そして、次のステップS604において、最後にサブ処理モジュールMS620の出力がツルーになってから経過した時間Tを計測して取得する、次に、ステップS605において、ステップS604において取得された時間Tと事前に既定された値Tmaxを比較し、T<TmaxであるときにはステップS606へと遷移する。それ以外のときステップS607へと遷移する。そして、ステップS606において、この処理モジュールMS630の出力として、「移動状態有り」を示す信号を出力する。ステップS607においては、この処理モジュールMS630の出力として、「移動状態無し」を示す信号を出力する。この処理モジュールMS630は、例えば、図14に示したフローチャートのステップS202における移動検出手段として用いられる。
【0073】
図29は、歩行動作による加速度の変化パターンを説明する図である。図29には、典型的なパターン(グラフ中では、鉛直方向への成分は“vertical”のラベルが、水平面方向への成分は“horizontal”のラベルが振られている)の一例が示されている。歩行動作が引き起こす典型的なパターンにおいては、水平面方向への成分が上昇し、それに続いて鉛直方向への成分が上昇し、水平面方向への成分が先にピークを迎えて、それに続いて鉛直方向への成分がピークを迎え、水平面方向への成分が先に下落し、それに続いて鉛直方向への成分も下落する、という特徴を持っている。このパターンを判別することにより、精度良く歩行動作を検出することができる。
【0074】
図30は、本発明の第19の実施例を示すブロック図である。図30に示す実施例は、図15および図17に示した実施例に加えて、角速度ベクトル計測手段1501と角速度積算および絶対姿勢角推定手段1502を備えた装置である。角速度ベクトル計測手段1501は、計測対象の3軸周りの角速度ベクトルを計測するものであり、例えば、(株)村田製作所から販売されているジャイロセンサENC-03Jを3個組み合わせることで構成される。角速度積算および絶対姿勢角推定手段1502は、処理手段1110または処理手段1120から出力される基準となる絶対姿勢角(出力1)と、前記絶対姿勢角が信頼できるかどうかをあらわす出力(出力2)の2つを入力として、現在の絶対姿勢角を出力とする。角速度積算および絶対姿勢角推定装置1502は、出力2がツルーであるとき、出力1から得られる絶対姿勢角を基準絶対姿勢角としてセットし、現在の絶対姿勢角として出力する。また、出力2がフォールスであるときは、前記基準絶対姿勢角を角速度ベクトル計測手段1501によって計測される角速度ベクトルに基づいて更新し、その更新結果を現在の絶対姿勢角として出力する。
【0075】
上記の実施例における各手段による処理は、汎用計算機のプログラム処理によっても実現される。次に、このようなプログラム処理による処理の流れについて説明する。
【0076】
図31に示すフローチャートは、第19の実施例に対応する処理の流れを示すフローチャートである。この処理においては、ステップS701において、処理手段1110または処理手段1120から、絶対姿勢角(出力1)を取得し、ステップS702において、処理手段1110または処理手段1120からの出力(出力2:ツルーまたはフォールス)を取得する。ステップS703において、ステップS702で取得された出力がツルーであるときステップS704へと遷移し、ステップS703で取得された出力がフォールスであるときステップS705へと遷移する。ステップS704においては、ステップS701で取得された絶対姿勢角を基準となる絶対姿勢角としてセットする。ステップS705においては3軸の角速度ベクトルを取得し、次のステップS706において、基準となる絶対姿勢角をステップS705で取得された角速度ベクトルを積算することで更新する。そして、ステップS707において本処理モジュールM710の出力として、基準となる絶対姿勢角を出力する。
【0077】
図32は、本発明の第20の実施例を示すブロック図である。図32に示す実施例においては、図21および図23に示した実施例に加えて、角速度ベクトル計測手段1501と、角速度積算および絶対姿勢角推定手段1502を備えた構成となっている。角速度ベクトル計測手段1501は、計測対象の3軸周りの角速度ベクトルを計測するものである。角速度積算および絶対姿勢角推定手段1502は、処理手段1310または処理手段1320から出力される基準となる絶対姿勢角(出力1)と、この絶対姿勢角(出力1)が信頼できるかどうかをあらわす出力(出力2)の2つを入力とし、現在の絶対姿勢角を出力とする。角速度積算および絶対姿勢角推定装置1502は、出力2がツルーであるとき、出力1から得られる絶対姿勢角を基準絶対姿勢角としてセットし、現在の絶対姿勢角として出力する。また、出力2がフォールスであるとき、基準絶対姿勢角を角速度ベクトル計測手段1501によって計測される3軸周りの角速度ベクトルに基づいて更新し、その更新結果を現在の絶対姿勢角として出力する。
【0078】
上記の実施例における各手段による処理は、汎用計算機のプログラム処理によっても実現される。次に、このようなプログラム処理による処理の流れについて説明する。
【0079】
図33に示すフローチャートは、第20の実施例に対応する処理の流れを示すフローチャートである。この処理では、ステップS801において、処理手段1310または処理手段1320から絶対姿勢角(出力1)を取得し、ステップS802において、処理手段1310または処理手段1320から出力(出力2)を取得する。次のステップS803において、ステップS802で取得された出力がツルーであるときステップS804へと遷移し、ステップS803で取得された出力がフォールスであるときステップS805へと遷移する。ツルーであるとして遷移したステップS804においては、ステップS801で取得された絶対姿勢角を基準となる絶対姿勢角としてセットする。また、フォールとして遷移したステップS805においては、3軸の角速度ベクトルを取得し、次のステップS806において、基準となる絶対姿勢角を、ステップS805で取得された角速度ベクトルを積算することで更新する。そして、ステップS807においてモジュールM810の出力として、基準となる絶対姿勢角を出力する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施例を示すブロック図である。
【図2】 本発明の第2の実施例を示すブロック図である。
【図3】 本発明の第3の実施例を示すブロック図である。
【図4】 本発明の第4の実施例を示すブロック図である。
【図5】 本発明の第5の実施例を示すブロック図である。
【図6】 本発明の第6の実施例を示すブロック図である。
【図7】 本発明の第7の実施例を示すブロック図である。
【図8】 本発明の第8の実施例を示すブロック図である。
【図9】 本発明の第9の実施例を示すブロック図である。
【図10】 本発明の第10の実施例を示すブロック図である。
【図11】 本発明の第11の実施例を示すブロック図である。
【図12】 第11の実施例に対応する処理の流れを示すフローチャートである。
【図13】 本発明の第12の実施例を示すブロック図である。
【図14】 第12の実施例に対応する処理の流れを示すフローチャートである。
【図15】 本発明の第13の実施例を示すブロック図である。
【図16】 第13の実施例に対応する処理の流れを示すフローチャートである。
【図17】 本発明の第14の実施例を示すブロック図である。
【図18】 第14の実施例に対応する処理の流れを示すフローチャートである。
【図19】 本発明の第15の実施例を示すブロック図である。
【図20】 第15の実施例に対応する処理の流れを示すフローチャートである。
【図21】 本発明の第16の実施例を示すブロック図である。
【図22】 第16の実施例に対応する処理の流れを示すフローチャートである。
【図23】 本発明の第17の実施例を示すブロック図である。
【図24】 第17の実施例に対応する処理の流れを示すフローチャートである。
【図25】 本発明の第18の実施例を示すブロック図である。
【図26】 第18の実施例に対応する処理の流れを示す第1のフローチャートである。
【図27】 第18の実施例に対応する処理の流れを示す第2のフローチャートである。
【図28】 第18の実施例に対応する処理の流れを示す第3のフローチャートである。
【図29】 歩行動作による加速度の変化パターンを説明する図である。
【図30】 本発明の第19の実施例を示すブロック図である。
【図31】 第19の実施例に対応する処理の流れを示すフローチャートである。
【図32】 本発明の第20の実施例を示すブロック図である。
【図33】 第20の実施例に対応する処理の流れを示すフローチャートである。
【図34】 地磁気ベクトルと重力加速度ベクトルと水平方向との関係を説明する図である。
【図35】 伏角データベース装置のデータ構造を説明する図である。
【図36】 偏角データベース装置のデータ構造を説明する図である。
【符号の説明】
101…磁気センサ、
102…重力加速度センサ、
103…位置情報取得装置、
104…磁気ベクトルの俯角算出装置、
105…比較処理および信号出力装置、
106…現在地伏角取得装置
107…伏角データベース装置、
110…データ処理装置、
201…移動検出装置、
202…信号出力装置、
210…データ処理装置、
301…絶対姿勢角推定装置、
302…偏角補正および絶対姿勢角推定装置、
303…現在地偏角取得装置、
304…変換データベース装置、
310…データ処理装置、
320…データ処理装置、
401…歩行動作検出装置、
501…絶対姿勢角推定装置、
502…偏角補正および絶対姿勢角推定装置、
503…現在地偏角取得装置、
504…偏角データベース装置、
510…データ処理装置、
520…データ処理装置、
601…加速度センサ、
602…歩行動作検出装置、
701…角速度センサ、
702…角速度積算および絶対姿勢角推定装置、
801…角速度センサ、
802…角速度積算および絶対姿勢角推定装置、
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4
【図6】
5
【図7】
6
【図8】
7
【図9】
8
【図10】
9
【図11】
10
【図12】
11
【図13】
12
【図14】
13
【図15】
14
【図16】
15
【図17】
16
【図18】
17
【図19】
18
【図20】
19
【図21】
20
【図22】
21
【図23】
22
【図24】
23
【図25】
24
【図26】
25
【図27】
26
【図28】
27
【図29】
28
【図30】
29
【図31】
30
【図32】
31
【図33】
32
【図34】
33
【図35】
34
【図36】
35