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明細書 :立体物製造システム、立体物製造装置、積層用部材、立体物、立体物製造方法及びプログラム

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 再公表特許(A1)
発行日 平成29年8月31日(2017.8.31)
発明の名称または考案の名称 立体物製造システム、立体物製造装置、積層用部材、立体物、立体物製造方法及びプログラム
国際特許分類 B29C  64/386       (2017.01)
B33Y  30/00        (2015.01)
B33Y  70/00        (2015.01)
B33Y  10/00        (2015.01)
B33Y  50/00        (2015.01)
FI B29C 64/386 ZJC
B33Y 30/00
B33Y 70/00
B33Y 10/00
B33Y 50/00
国際予備審査の請求 未請求
全頁数 19
出願番号 特願2016-557737 (P2016-557737)
国際出願番号 PCT/JP2015/080607
国際公開番号 WO2016/072352
国際出願日 平成27年10月29日(2015.10.29)
国際公開日 平成28年5月12日(2016.5.12)
優先権出願番号 2014224351
優先日 平成26年11月4日(2014.11.4)
優先権主張国 日本国(JP)
指定国 AP(BW , GH , GM , KE , LR , LS , MW , MZ , NA , RW , SD , SL , ST , SZ , TZ , UG , ZM , ZW) , EA(AM , AZ , BY , KG , KZ , RU , TJ , TM) , EP(AL , AT , BE , BG , CH , CY , CZ , DE , DK , EE , ES , FI , FR , GB , GR , HR , HU , IE , IS , IT , LT , LU , LV , MC , MK , MT , NL , NO , PL , PT , RO , RS , SE , SI , SK , SM , TR) , OA(BF , BJ , CF , CG , CI , CM , GA , GN , GQ , GW , KM , ML , MR , NE , SN , TD , TG) , AE , AG , AL , AM , AO , AT , AU , AZ , BA , BB , BG , BH , BN , BR , BW , BY , BZ , CA , CH , CL , CN , CO , CR , CU , CZ , DE , DK , DM , DO , DZ , EC , EE , EG , ES , FI , GB , GD , GE , GH , GM , GT , HN , HR , HU , ID , IL , IN , IR , IS , JP , KE , KG , KN , KP , KR , KZ , LA , LC , LK , LR , LS , LU , LY , MA , MD , ME , MG , MK , MN , MW , MX , MY , MZ , NA , NG , NI , NO , NZ , OM , PA , PE , PG , PH , PL , PT , QA , RO , RS , RU , RW , SA , SC , SD , SE , SG , SK , SL , SM , ST , SV , SY , TH , TJ , TM , TN , TR , TT , TZ , UA , UG , US
発明者または考案者 【氏名】田中 浩也
【氏名】増田 恒夫
出願人 【識別番号】899000079
【氏名又は名称】学校法人慶應義塾
個別代理人の代理人 【識別番号】100106002、【弁理士】、【氏名又は名称】正林 真之
【識別番号】100120891、【弁理士】、【氏名又は名称】林 一好
審査請求 未請求
テーマコード 4F213
Fターム 4F213WA25
4F213WB01
4F213WL02
4F213WL85
要約 立体物製造装置において、立体物の造形に用いられるデータの利用性を高めること。
立体物製造システム1は、積層シート10または参照用の立体造形物Rと、立体物製造装置20とを備える。積層シート10は、立体物に関する情報を備え、当該立体物を積層するための部材を構成する。また、参照用の立体造形物Rは、立体物に関する情報を備えた参照用立体物を構成する。立体物製造装置20は、積層シート10または参照用の立体造形物Rから立体物に関する情報を読み取り、読み取った立体物に関する情報に基づいて、立体物を積層造形する。
特許請求の範囲 【請求項1】
立体物に関する情報を備え、当該立体物を積層するための積層用部材、及び、当該立体物に関する情報を備えた参照用立体物の少なくともいずれかと、
前記積層用部材または前記参照用立体物から前記立体物に関する情報を読み取り、読み取った前記立体物に関する情報に基づいて、前記立体物を積層造形する立体物製造装置と、
を含むことを特徴とする立体物製造システム。
【請求項2】
前記立体物を造形するための造形用データを提供するサーバをさらに含み、
前記積層用部材または前記参照用立体物は、前記立体物に関する情報として、前記造形用データの取得先を示す識別情報を備え、
前記立体物製造装置は、前記読み取り手段によって読み取られた前記立体物に関する情報に基づいて、前記サーバから前記造形用データを取得することを特徴とする請求項1に記載の立体物製造システム。
【請求項3】
前記サーバは、予め設定された条件に応じて、前記立体物に関する情報に対応して提供する前記造形用データを変化させることを特徴とする請求項2に記載の立体物製造システム。
【請求項4】
前記サーバは、前記造形用データを、前記立体物を造形可能な異なる形式のデータに加工して提供することを特徴とする請求項2または3に記載の立体物製造システム。
【請求項5】
前記立体物に関する情報に基づいて前記立体物を製造する回数を制限することを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の立体物製造システム。
【請求項6】
前記積層用部材または前記参照用立体物は、前記立体物に関する情報として、前記立体物を造形するための造形用データを備えることを特徴とする請求項1に記載の立体物製造システム。
【請求項7】
立体物に関する情報を備えた当該立体物を積層するための積層用部材、及び、当該立体物に関する情報を備えた参照用立体物の少なくともいずれかから、前記立体物に関する情報を読み取る読み取り手段と、
前記読み取り手段によって読み取られた前記立体物に関する情報に基づいて、前記立体物を積層造形する造形手段と、
を備えることを特徴とする立体物製造装置。
【請求項8】
立体物製造装置によって立体物を積層するための積層用部材であって、
前記立体物に関する情報を前記立体物製造装置によって読み取り可能に備えたことを特徴とする積層用部材。
【請求項9】
立体物製造装置によって立体物を積層するために参照される立体物であって、
当該立体物に関する情報を前記立体物製造装置によって読み取り可能に備えたことを特徴とする立体物。
【請求項10】
立体物製造装置が、
立体物に関する情報を備えた当該立体物を積層するための積層用部材、及び、当該立体物に関する情報を備えた参照用立体物の少なくともいずれかから、前記立体物に関する情報を読み取る読み取りステップと、
読み取った前記立体物に関する情報に基づいて、前記立体物を積層造形する造形ステップと、
を含むことを特徴とする立体物製造方法。
【請求項11】
立体物製造装置を制御するコンピュータに、
立体物に関する情報を備えた当該立体物を積層するための積層用部材、及び、当該立体物に関する情報を備えた参照用立体物の少なくともいずれかから、前記立体物に関する情報を読み取る読み取り機能と、
前記読み取り機能によって読み取られた前記立体物に関する情報に基づいて、前記立体物を積層造形させる造形機能と、
を実現させることを特徴とするプログラム。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、立体物を造形するための立体物製造システム、立体物製造装置、積層用部材、立体物、立体物製造方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
立体物を製造する装置として、いわゆる3Dプリンターが知られている。このような装置において3次元の立体物を造形する方法の1つとしては、積層造形法が知られている。例えば、特許文献1には、積層造形技術を用いて、建築構造を表現する方法が記載されている。
このような3Dプリンターにおいて立体物を造形する場合、目的とする立体物の造形用のデータを入力することで、目的とする造形物を簡単に、繰り返し製造することができる。
【先行技術文献】
【0003】

【特許文献1】特表2013-507679号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の3Dプリンターにおいて製造される立体物は、造形用のデータに基づいて具現化されるものの、その造形用のデータは、ユーザ自らが作成しない場合は、作成者より記憶メディアまたは通信メディアを介して入手するか、インターネット等からダウンロードして入手する必要がある。したがって、ユーザが、立体物やその一部分を見て製造したいと考えた場合、あるいは製造する必要が生じた場合に、その造形用のデータを直ちに入手する簡便な手段がないのが現状である。
即ち、従来の立体物製造装置においては、立体物の造形に用いられるデータの利用性が高いものではなかった。
【0005】
本発明は、このような従来の実情に鑑みてなされたものであり、立体物製造装置において、立体物の造形に用いられるデータの利用性を高めることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明の一態様の立体物製造システムは、
立体物に関する情報を備え、当該立体物を積層するための積層用部材、及び、当該立体物に関する情報を備えた参照用立体物の少なくともいずれかと、
前記積層用部材または前記参照用立体物から前記立体物に関する情報を読み取り、読み取った前記立体物に関する情報に基づいて、前記立体物を積層造形する立体物製造装置と、
を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、立体物製造装置において、立体物の造形に用いられるデータの利用性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の一実施形態に係る立体物製造システムのシステム構成を示す模式図である。
【図2】図2(A)は、積層シートの構成例を示す模式図である。図2(B)は、識別情報の媒体を埋め込んだ参照用の立体造形物の構成例を示す模式図である。
【図3】立体物製造装置の外観構成例を示す模式図である。
【図4】3Dプリンタヘッドの構成例を模式的に示す断面図である。
【図5】立体物製造装置が実行する立体物製造処理の流れを説明するフローチャートである。
【図6】サーバが実行する造形用データ提供処理の流れを説明するフローチャートである。
【図7】立体物製造システムによって積層シート上に立体物が造形された状態を示す模式図である。
【図8】3軸型3Dプリンターによって立体物製造装置を構成した例を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態について、図面を用いて説明する。
[構成]
図1は、本発明の一実施形態に係る立体物製造システム1のシステム構成を示す模式図である。
図1に示すように、立体物製造システム1は、積層シート10(または参照用の立体造形物R)と、立体物製造装置20と、サーバ30とを含み、立体物製造装置20とサーバ30とは、ネットワーク40を介して通信可能に構成されている。

【0010】
積層シート10は、立体物の造形用データの取得先であるURL(Uniform Resource Locator)を識別情報として記憶した読み書き可能なRFID(Radio Frequency IDentification)12を備えている。
図2(A)は、積層シート10の構成例を示す模式図である。
図2(A)に示すように、積層シート10は、2枚のシート11a,11bが貼り合わされて構成されており、これら2枚のシート11a,11bの間にRFID12が挟み込まれている。また、積層シート10のシート11aは、立体物が造形される面(表面)を有し、この表面は粗面とされていると共に、シート11aは粘着性を有する材料で構成される。
なお、RFID12に代えて、1次元バーコードや2次元バーコード等のリードオンリー型の識別情報を積層シート10に備えることとしてもよい。また、RFID12等の識別情報の媒体は、積層シート10と一体に構成することや、積層シート10と分離可能に構成することができる。例えば、立体造形物の底面に、その造形物自体の識別情報の媒体を埋め込み、参照用の立体造形物Rとすることが考えられる。
図2(B)は、識別情報の媒体を埋め込んだ参照用の立体造形物Rの構成例を示す模式図である。

【0011】
積層シート10の表面の材料としては、例えば、室温硬化性液状シリコーン組成物、熱硬化性液状シリコーン組成物等の液状シリコーン組成物;石膏スラリー;フェノール樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、ポリウレタン等の硬化性樹脂を含む液状組成物(例えば、硬化性樹脂と溶剤とを含む組成物);ポリオレフィン(ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ環状オレフィン等)、ポリスチレン、AS樹脂、ABS樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリアクリロニトリル、(メタ)アクリル樹脂、セルロース系樹脂、エラストマー、脂肪族ポリアミド(ナイロン6、ナイロン6,6、ナイロン12、ナイロン6,12等)、芳香族ポリアミド(MXDナイロン等)、芳香族ポリエステル樹脂(ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンナフタレート樹脂等)、ポリカーボネート、ポリアセタール、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリアリーレンサルファイド(ポリフェニレンサルファイド樹脂等)、ポリスルフォン、ポリイミド、液晶性ポリマー(液晶ポリエステル、液晶ポリエステルアミド、液晶ポリアミド等)等の熱可塑性樹脂の融解物、熱可塑性樹脂を含む固体状組成物の溶融物、熱可塑性樹脂を含む液状組成物(例えば、熱可塑性樹脂と溶剤とを含む組成物)等が挙げられ、シリコーン系組成物、石膏スラリーが好ましく、シリコーン系組成物が好ましい。シリコーン系組成物の市販品としては、例えば、シロプレンRTV-2K 1406(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製)等が挙げられる。石膏スラリーの市販品としては、例えば、SLプラスター(吉野石膏(株)製)等が挙げられる。また、積層シート10の表面の材料として、紙を用いること(紙テープを積層シート10の表面に貼付する等)も可能である。

【0012】
このような材料とすることで、立体物製造装置20によって吐出される造形材料の第1層を積層シート10の表面に容易に定着させることができる。また、積層シート10の表面に耐熱性を持たせることができ、さらに、立体物を剥離する場合には、容易に剥離することが可能な特性とすることができる。なお、上記材料を用いることで、積層シート10の表面の定着性を確保できれば、積層シート10の表面を粗面としなくてもよい。

【0013】
上述のように、積層シート10に立体物の造形用データの取得先である識別情報を備えることにより、造形された立体物とその造形用データとを併せて利用することができる。そのため、立体物製造装置20による製造物を、造形用データを備える立体造形物として流通させること等が可能となる。即ち、立体物の造形用データの利用性を高めることができる。また、立体物が造形されていない状態で、積層シート10に化体して具現化された造形用データを提供することにより、造形用データが表す立体物を実質的に提供することが可能となる。そのため、造形用データの利用形態を従来に比べて拡大することが可能となる。さらに立体造形物に、それ自身の造形用データを格納して提供することにより、立体物の複製の製造が容易になり、造形用データの利用形態を拡大することが可能となる。

【0014】
立体物製造装置20は、積層造形法によって立体物を製造可能ないわゆる3Dプリンターである。立体物製造装置20は、例えば、デルタ型(パラレルリンク)3Dプリンターによって構成することができる。
図3は、立体物製造装置20の外観構成例を示す模式図である。
図3に示すように、立体物製造装置20は、積層シート10が設置されるステージに設定されたX-Y平面及びX-Y平面と垂直なZ軸に沿って3Dプリンタヘッド22bが移動可能に構成されている。
なお、3Dプリンタヘッド22bには、造形材料を供給する供給部(不図示)から造形材料が順次供給される。

【0015】
立体物製造装置20は、積層シート10または参照用の立体造形物RのRFID12からURLを読み取り、ネットワーク40を介してサーバ30からダウンロードした造形用データによって、積層シート10または参照用の立体造形物Rに対応する立体物を製造する。
なお、立体物製造装置20のステージに設置された積層シート10は、表面が水平の状態となっている。また、積層シート10は、裏面からの吸引や固定部材等によって、積層造形中に位置ずれが生じないようステージに固定される。また、積層シート10をステージ上の定められた位置に設置したり、カメラによって撮像された積層シート10の画像を基に位置を検出したりすることにより、立体物製造装置20において、積層シート10のX-Y方向の位置合わせが行われる。

【0016】
図1に示すように、立体物製造装置20は、ID読み取り装置21と、立体物造形部22とを備えている。なお、ID読み取り装置21は、USB(Universal Serial Bus)ケーブルを介して立体物造形部22と接続されている。ただし、ID読み取り装置21を立体物製造装置20に内蔵する構成としてもよい。
ID読み取り装置21は、読み取り部21aと、通信部21bとを備えている。
読み取り部21aは、積層シート10または参照用の立体造形物Rに備えられたRFID12に記憶されているURLを読み取り、通信部21bに出力する。
通信部21bは、読み取り部21aから入力されたURLを指定して、ネットワーク40を介してサーバ30に造形用データの送信を要求する。また、通信部21bは、ネットワーク40を介してサーバ30から受信した立体物の造形用データを立体物造形部22に出力する。

【0017】
立体物造形部22は、ヘッド制御データ算出部22aと、3Dプリンタヘッド22bとを備えている。
ヘッド制御データ算出部22aは、通信部21bから入力された立体物の造形用データに基づいて、3Dプリンタヘッド22bを制御するためのヘッド制御データを生成する。具体的には、ヘッド制御データ算出部22aは、立体物の造形用データを複数の層に分割して2次元の形状の集合とし、各層において、2次元の形状のデータを積層造形するための3Dプリンタヘッド22bの制御データを生成する。これにより、各層において3Dプリンタヘッド22bを移動させる軌跡と、造形材料を吐出させる位置及び量とを表すヘッド制御データが生成される。
3Dプリンタヘッド22bは、ヘッド制御データに従って、各層の平面内を移動されると共に、造形材料を加熱して吐出することにより、各層における2次元の形状を順次形成する。

【0018】
図4は、3Dプリンタヘッド22bの構成例を模式的に示す断面図である。
図4に示すように、3Dプリンタヘッド22bは、溶融部221bと、ファン222bと、ノズル223bとを備えている。
溶融部221bは、供給された造形材料を加熱し、ノズル223bから吐出可能な状態に溶融する。造形材料としては、例えば、PLA(ポリ乳酸)樹脂、ABS樹脂等の熱可塑性樹脂を用いることができる。
ファン222bは、溶融部221bが発生した熱を冷却し、他の部分に熱が伝導することを抑制する。
ノズル223bは、溶融部221bによって溶融された造形材料を吐出し、積層シート10上に積層する。

【0019】
サーバ30は、データベース31と、データベース管理部32とを備えている。
データベース31には、立体物を造形するための造形用データが格納されている。造形用データは、例えば、STL形式やAMF形式のデータ及びCADデータ等の設計データとすることができる。ただし、立体物製造装置20において立体物の造形に使用可能な形式であれば、造形用データは、プリンタヘッドの動きを表すG-code形式のデータ等のヘッド制御データ、あるいは、他の形式のデータとすることも可能である。なお、サーバ30と立体物製造装置20との間で、造形用データを暗号化して送受信することとしてもよい。
データベース管理部32は、立体物製造装置20からURLを指定して造形用データの送信が要求されると、そのURLに対応する造形用データをデータベース31から読み出し、ネットワーク40を介して立体物製造装置20に送信する。
このように、サーバ30が造形用データをデータベース31によって管理することで、データベース31に記憶されている造形用データを適宜更新することにより、積層シート10の識別情報に変更を加えることなく、立体物の造形用データをバージョンアップすること等が可能となる。

【0020】
[動作]
次に、立体物製造システム1の動作を説明する。
[立体物製造処理]
初めに、図5を参照して、立体物製造装置20の動作を説明する。
図5は、立体物製造装置20が実行する立体物製造処理の流れを説明するフローチャートである。
立体物製造処理は、立体物製造装置20において、立体物の製造を指示する操作が行われることに対応して開始される。

【0021】
ステップS1において、読み取り部21aは、積層シート10または参照用の立体造形物RのRFID12に記憶されているURLを読み取ったか否かの判定を行う。
積層シート10または参照用の立体造形物RのRFID12に記憶されているURLを読み取っていない場合、ステップS1においてNOと判定されて、ステップS1の処理が繰り返される。
一方、積層シート10または参照用の立体造形物RのRFID12に記憶されているURLを読み取った場合、ステップS1においてYESと判定されて、処理はステップS2に移行する。
ステップS2において、通信部21bは、読み取り部21aによって読み取られたURLを指定して、サーバ30に造形用データの送信を要求する。
ステップS3において、通信部21bは、サーバ30から造形用データを受信する。

【0022】
ステップS4において、ヘッド制御データ算出部22aは、通信部21bによって受信された造形用データに基づいて、ヘッド制御データを生成する。
ステップS5において、ヘッド制御データ算出部22aは、3Dプリンタヘッド22bを移動させる軌跡と、造形材料を吐出させる位置及び量とを表すヘッド制御データを3Dプリンタヘッド22bに送出する。
ステップS6において、3Dプリンタヘッド22bは、ヘッド制御データに従って3次元の形状を積層状に造形する。このとき、造形用データが積層シート10から読み取られている場合、積層シート10上に立体物を造形することが可能であり、造形用データが参照用の立体造形物Rから読み取られている場合、参照用の立体造形物Rをステージから取り去った後、所定の台座あるいはシートに立体物を造形することが可能である。
ステップS6の後、立体物製造処理は終了となる。

【0023】
[造形用データ提供処理]
次に、図6を参照して、サーバ30の動作を説明する。
図6は、サーバ30が実行する造形用データ提供処理の流れを説明するフローチャートである。
造形用データ提供処理は、サーバ30において造形用データ提供処理の実行を指示する操作が行われることに対応して開始される。
ステップS11において、データベース管理部32は、立体物製造装置20からURLを指定して造形用データの送信が要求されたか否かの判定を行う。
立体物製造装置20からURLを指定して造形用データの送信が要求されていない場合、ステップS11においてNOと判定されて、ステップS11の処理が繰り返される。
立体物製造装置20からURLを指定して造形用データの送信が要求された場合、ステップS11においてYESと判定されて、処理はステップS12に移行する。

【0024】
ステップS12において、データベース管理部32は、指定されたURLに対応する造形用データをデータベース31から読み出す。
ステップS13において、データベース管理部32は、造形用データの要求元である立体物製造装置20に読み出した造形用データを送信する。
ステップS13の後、造形用データ提供処理が繰り返される。

【0025】
図7は、立体物製造システム1によって積層シート10上に立体物が造形された状態を示す模式図である。
図7においては、RFID12に記憶された識別情報によって造形用データと対応付けられた積層シート10上に、その造形用データが表す立体物が造形されている。
このように積層シート10と一体となった立体物によって、実体としての価値を有する立体物と、立体物に内在する情報としての価値を有する造形用データとを組み合わせて流通させることが可能となる。
これにより、造形物と造形用データとをパッケージとした種々の付加価値を生み出すことができる。
積層シートではなく、立体造形物(参照用の立体造形物R)にそれ自身の造形用データが埋め込まれている場合には、複製物の製造が容易になり、当該立体造形物の一部が欠けた場合に欠けた部分のデータを用いて、その一部を造形したり、造形用データを加工することで、用途にあわせて一部を変形させた派生物を作成したりすること等が可能になる。

【0026】
以上のように、本実施形態に係る立体物製造システム1によれば、RFIDを備える積層シート10または参照用の立体造形物Rが立体物製造装置20にセットされると、立体物製造装置20がRFIDに記憶されたURLを読み取り、そのURLに対応するサーバ30にアクセスして、造形用データを取得する。そして、取得した造形用データに基づいて、立体物製造装置20がヘッド制御データを生成し、そのヘッド制御データに従って、各層の2次元の形状を順次形成して積層させることで、積層シート10上に立体物が造形される。
これにより、立体物製造装置20によって、造形用データと対応付けられた積層シート10上に、その造形用データが表す立体物を簡単に造形することができる。即ち、積層シート10には、造形用データの取得先である識別情報が備えられ、造形された立体物とその造形用データとを併せて利用することができる。
そのため、立体物製造装置20による製造物を、造形用データを備える立体造形物として流通させること等が可能となる。
あるいは、立体物製造装置20によって、参照用の立体造形物Rに備えられた識別情報を参照して、造形用データを基に立体造形物を複製することができる。
したがって、立体物製造装置20において、立体物の造形に用いられるデータの利用性を高めることが可能となる。

【0027】
また、本実施形態に係る積層シート10は、造形用データの取得先である識別情報を備えている。
そのため、立体物が造形されていない状態で、積層シート10に化体して具現化された造形用データを提供することにより、造形用データが表す立体物を実質的に提供することが可能となる。
例えば、富士山の模型を立体物として造形するための造形用データを用意し、その取得先を表す識別情報を、積層シート10としての富士山の絵葉書に貼り付けて販売することができる。そして、絵葉書の購入者が、この絵葉書を立体物製造装置20にセットして造形を行うことで、立体物としての富士山の模型を絵葉書の購入者に提供することができる。
したがって、造形用データの利用形態を従来に比べて拡大することが可能となる。

【0028】
また、本実施形態に係る参照用の立体造形物Rは、それ自身の造形用データを備えている。
そのため、立体物の複製の製造が容易になり、造形用データの利用形態を拡大することが可能となる。

【0029】
また、造形用データは、サーバ30のデータベース31によって管理される。
そのため、データベース31に記憶されている造形用データを適宜更新することにより、積層シート10の識別情報に変更を加えることなく、立体物の造形用データを変更(バージョンアップ等)することが可能となる。

【0030】
[変形例1]
上述の実施形態において、立体物製造装置20をデルタ型3Dプリンターによって構成する場合について説明したが、立体物製造装置20の構成としては、デルタ型3Dプリンターに特に限定されず、3軸型3Dプリンター等の他の形式のものとすることも可能である。
図8は、3軸型3Dプリンターによって立体物製造装置20を構成した例を示す模式図である。なお、図8においては、ID読み取り装置21として、無線通信により立体物製造装置20と接続されたバーコードリーダを備えた例を示している。
図8のような構成例とした場合にも、積層シート10または参照用の立体造形物RのバーコードにURLを格納しておき、ID読み取り装置21がバーコードから読み取ったURLに立体物製造装置20がアクセスすることで、造形用データを取得することができる。

【0031】
[変形例2]
上述の実施形態において、RFID12に識別情報を記憶する場合について説明したが、RFID12に造形用データ自体を記憶することとしてもよい。
この場合、立体物製造装置20がサーバ30にアクセスする必要がなくなり、より簡単に立体物を造形することが可能となる。

【0032】
[変形例3]
上述の実施形態において、RFID12を内蔵する1つの積層シート10または参照用の立体造形物Rを使用して造形可能な立体物の数に制限を設けることが可能である。
具体的には、同一の識別情報に対応してサーバ30が造形用データを提供する回数(ダウンロード回数)に制限を設けることが可能である。この場合、サーバ30が、同一の識別情報に対応して造形用データを提供した回数を記憶しておき、制限回数となった場合に、以降の造形用データの要求を受け付けないこととする。なお、立体物製造装置20によって、制限回数に応じて、サーバ30に対する造形用データの要求回数を制限することとしてもよい。
また、RFID12に造形用データ自体を記憶しておく場合には、立体物製造装置20において、同一のRFID12から読み取った造形用データによる積層造形回数を管理し、積層造形回数が制限回数となった場合に、以降の積層造形指示を受け付けないこととする。
なお、これらの場合において、制限回数を積層シート10または参照用の立体造形物RのRFID12に記憶しておき、RFID12を読み取ることで、残りの回数をユーザが確認できるようにしてもよい。
このような形態により、造形用データを流通させた場合であっても、造形可能な立体物の数を管理することが可能となる。

【0033】
[変形例4]
上述の実施形態において、サーバ30が、URLに対応する造形用データとして、常に同一の造形用データを提供することの他、季節等の予め設定された条件によって異なる造形用データを提供することが可能である。
具体的には、立体物として木の模型が造形される場合、サーバ30が、季節に応じて、春夏秋冬の木の状態を表す造形用データを提供すること等が可能である。
これにより、提供される造形用データをより適切なものとすることができる。

【0034】
[変形例5]
上述の実施形態において、サーバ30から立体物製造装置20に立体物の造形用データ自体を提供する場合について説明したが、造形用データ自体を秘匿しつつ、立体物の造形を可能とするデータを提供することとしてもよい。
具体的には、立体物製造装置20から識別情報に対応する造形用データの送信が要求された場合に、サーバ30が、造形用データを加工し、その立体物製造装置20のヘッド制御データのバイナリコード等の形式でデータを提供することができる。
これにより、立体物製造システム1において、立体物の造形用データが漏えいすることを防止しながら、その造形用データに基づく立体物の製造を実現することが可能となる。

【0035】
[変形例6]
上述の実施形態において、積層シート10または参照用の立体造形物Rを特定の用途のための台座として構成し、RFID12に、その用途に対応した造形用データのURLを記憶することとしてもよい。
例えば、積層シート10または参照用の立体造形物Rを箱庭の台座として構成し、RFID12に、箱庭に形成する木や橋の造形用データのURLを記憶すること等が可能である。
この場合、箱庭の台座として構成した積層シート10または参照用の立体造形物Rに立体物を造形した後、さらにユーザが加工することにより、箱庭を完成させる商品形態等とすることができる。
これにより、積層シート10または参照用の立体造形物Rのデザイン性が高まり、造形物をより引き立てることが可能となる。
また、例えば、積層シート10または参照用の立体造形物Rをトロフィー等の台座(装飾や文字が施された台座)として構成し、RFID12に、トロフィー等の本体の造形用データのURLを記憶すること等が可能である。
この場合、実物のトロフィー等を授与することに代えて、造形用データと対応付けられた台座を授与することができる。
これにより、台座を授与されたユーザに対して、どのような立体物が造形されるかという楽しみを与えることが可能となる。

【0036】
[変形例7]
上述の実施形態において、サーバ30において積層シート10または参照用の立体造形物Rの識別情報に基づくアクセスを認証することとしてもよい。
これにより、識別情報が表すURLが第三者に知得された場合であっても、積層シート10を正当に使用できるユーザ以外が識別情報に対応する立体物を造形することを防ぐことができる。

【0037】
以上のように構成される立体物製造システム1は、積層シート10または参照用の立体造形物Rと、立体物製造装置20とを備える。
積層シート10は、立体物に関する情報を備え、当該立体物を積層するための部材を構成する。また、参照用の立体造形物Rは、立体物に関する情報を備えた参照用立体物を構成する。
立体物製造装置20は、積層シート10または参照用の立体造形物Rから立体物に関する情報を読み取り、読み取った立体物に関する情報に基づいて、立体物を積層造形する。
これにより、積層シート10または参照用の立体造形物Rが立体物製造装置20にセットされると、立体物製造装置20が立体物に関する情報を読み取り、その立体物に関する情報に基づいて、立体物が造形される。
そのため、立体物に関する情報と対応付けられた積層シート10上に、その立体物に関する情報が表す立体物を簡単に造形することができる。
即ち、立体物製造装置20による製造物を、立体物に関する情報を備える立体造形物として流通させること等が可能となる。
あるいは、立体物製造装置20によって、参照用の立体造形物Rに備えられた識別情報を参照して、造形用データを基に立体造形物を複製することができる。
したがって、立体物製造装置20において、立体物に関する情報に対応する造形用データの利用性を高めることが可能となる。

【0038】
また、立体物製造システム1は、サーバ30を含む。
サーバ30は、立体物を造形するための造形用データを提供する。
積層シート10または参照用の立体造形物Rは、立体物に関する情報として、造形用データの取得先を示す識別情報を備える。
立体物製造装置20は、読み取り装置21によって読み取られた立体物に関する情報に基づいて、サーバ30から造形用データを取得する。
これにより、積層シート10または参照用の立体造形物Rに備えられた識別情報に対応する造形用データをサーバ30によって提供することが可能となる。
即ち、造形用データをサーバ30によって管理することが可能となる。

【0039】
また、サーバ30は、予め設定された条件に応じて、立体物に関する情報に対応して提供する造形用データを変化させる。
これにより、提供される造形用データをより適切なものとすることができる。

【0040】
また、サーバ30は、造形用データを、立体物を造形可能な異なる形式のデータに加工して提供する。
これにより、立体物製造システム1において、立体物の造形用データが漏えいすることを防止しながら、その造形用データに基づく立体物の製造を実現することが可能となる。

【0041】
また、立体物製造システム1は、立体物に関する情報に基づいて立体物を製造する回数を制限する。
これにより、造形用データを流通させた場合であっても、造形可能な立体物の数を管理することが可能となる。

【0042】
また、積層シート10または参照用の立体造形物Rは、立体物に関する情報として、立体物を造形するための造形用データを備える。
これにより、立体物製造装置20において、より簡単に立体物を造形することが可能となる。

【0043】
なお、本発明は、本発明の効果を奏する範囲で変形、改良等を適宜行うことができ、上述の実施形態に限定されない。
例えば、積層シート10は、シート状の部材によって構成されるものとしたが、シート状に限られず、板状の部材やブロック材等で構成することも可能である。
また、参照用の立体造形物Rは、造形データが表す立体物と完全に一致するものでなくてもよく、例えば、造形データが表す立体物を模式的に示す簡単な形状や、造形データが示す立体物に装飾を施した形状とすることが可能である。
また、積層シート10または参照用の立体造形物Rに備えられた識別情報を立体物製造装置20が取得する形態として、USBケーブルを介する場合について説明したが、これに限られない。即ち、積層シート10または参照用の立体造形物Rに備えられた識別情報を立体物製造装置20が取得する形態は、ネットワーク40を介する場合等、種々の形態とすることができる。
また、上記実施形態及び各変形例を適宜組み合わせて、本発明を実施することが可能である。

【0044】
上述の実施形態における処理は、ハードウェア及びソフトウェアのいずれにより実行させることも可能である。
即ち、上述の処理を実行できる機能が立体物製造装置20及びサーバ30に備えられていればよく、この機能を実現するためにどのような機能構成及びハードウェア構成とするかは上述の例に限定されない。
上述の処理をソフトウェアにより実行させる場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、コンピュータにネットワークや記憶媒体からインストールされる。

【0045】
プログラムを記憶する記憶媒体は、装置本体とは別に配布されるリムーバブルメディア、あるいは、装置本体に予め組み込まれた記憶媒体等で構成される。リムーバブルメディアは、例えば、磁気ディスク、光ディスク、または光磁気ディスク等により構成される。光ディスクは、例えば、CD-ROM(Compact Disk-Read Only Memory),DVD(Digital Versatile Disk),Blu-ray Disc(登録商標)等により構成される。光磁気ディスクは、MD(Mini-Disk)等により構成される。また、装置本体に予め組み込まれた記憶媒体は、例えば、プログラムが記憶されているROMやハードディスク等で構成される。
【符号の説明】
【0046】
1 立体物製造システム、10 積層シート、11a,11b シート、12 RFID、20 立体物製造装置、21 ID読み取り装置、21a 読み取り部、21b 通信部、22 立体物造形部、22a ヘッド制御データ算出部、22b 3Dプリンタヘッド、221b 溶融部、222b ファン、223b ノズル、30 サーバ、31 データベース、32 データベース管理部、40 ネットワーク、R 参照用の立体造形物
図面
【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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