TOP > 国内特許検索 > 足部アライメント計測装置、足部アライメント計測システム、および足部アライメント計測装置用筐体 > 明細書

明細書 :足部アライメント計測装置、足部アライメント計測システム、および足部アライメント計測装置用筐体

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2017-148161 (P2017-148161A)
公開日 平成29年8月31日(2017.8.31)
発明の名称または考案の名称 足部アライメント計測装置、足部アライメント計測システム、および足部アライメント計測装置用筐体
国際特許分類 A43D   1/02        (2006.01)
FI A43D 1/02
請求項の数または発明の数 7
出願形態 OL
全頁数 15
出願番号 特願2016-031837 (P2016-031837)
出願日 平成28年2月23日(2016.2.23)
発明者または考案者 【氏名】青山 朋樹
【氏名】松原 慶昌
出願人 【識別番号】504132272
【氏名又は名称】国立大学法人京都大学
個別代理人の代理人 【識別番号】110001900、【氏名又は名称】特許業務法人 ナカジマ知的財産綜合事務所
審査請求 未請求
テーマコード 4F050
Fターム 4F050NA88
要約 【課題】負荷荷重条件可変下におけるアライメント計測を、非侵襲で低コスト且つ簡易に行うことができる足部アライメント計測装置、足部アライメント計測システム、および足部アライメント計測装置用筐体を提供する。
【解決手段】足部アライメント計測装置は、筐体100、超音波計測部12、荷重計測部11を備える。筐体100は、被検者の右足および左足の両足部を載置可能な面部(天板100uの上面部)を有し、被検者の一方の足部の下の一部に対応する部分に平面視長尺状の窓部100aが開設されてなる。超音波計測部12は、筐体100の内方における窓部100aを通して被検者における一方の足部の足裏を臨む箇所に設けられてなる超音波探触子120を有する。荷重計測部11は、筐体100の面部における被検者の他方の足部に対応する領域に取り付けられ、他方の足部からの荷重を計測する荷重計測機110を有する。
【選択図】図3
特許請求の範囲 【請求項1】
被検者の右足および左足の両足部を載置可能な面部を有し、前記被検者の一方の足部の下の一部に対応する部分に平面視長尺状の窓部が開設されてなる筐体と、
前記筐体の内方における前記窓部を通して前記被検者における前記一方の足部の足裏を臨む箇所に設けられてなる超音波探触子を有する超音波計測部と、
前記筐体の前記面部における前記被検者の他方の足部に対応する領域に取り付けられ、前記他方の足部からの荷重を計測する荷重計測部と、
を備える
足部アライメント計測装置。
【請求項2】
前記筐体は、前記面部の一部を構成するとともに、前記荷重計測部が取り付けられてなる領域に対して、平面方向に回動自在のサブ筐体を有し、
前記窓部は、前記サブ筐体に開設されており、
前記超音波探触子は、前記サブ筐体に設けられている
請求項1記載の足部アライメント計測装置。
【請求項3】
前記超音波探触子は、前記筐体に対し、前記窓部の長手方向に平行な仮想軸周りに角度調整自在の状態で設けられている
請求項1または請求項2記載の足部アライメント計測装置。
【請求項4】
請求項1から請求項3の何れか記載の足部アライメント計測装置と、
前記超音波計測部からの足部アライメントデータ、および前記荷重計測部からの荷重データを取得し、前記足部アライメントデータを取得したタイミングでの前記荷重データから前記一方の足部に負荷されている荷重値を算出し、前記足部アライメントデータを前記算出した前記荷重値に対応付けた状態で格納する制御部と、
前記算出した前記荷重値に対応付けられた前記足部アライメントデータを出力する出力部と、
を備える
足部アライメント計測システム。
【請求項5】
前記制御部は、計時部を有し、前記足部アライメントデータおよび前記荷重データを、前記計時部で計時されるタイミングデータに対応付け、当該タイミングデータを基準として前記足部アライメントデータと前記算出した荷重値とを対応付けて格納する
請求項4記載の足部アライメント計測システム。
【請求項6】
被検者の右足および左足の両足部を載置可能な面部を有し、前記被検者の一方の足部の下の一部に対応する部分に平面視長尺状の窓部が開設されてなり台形状を有し、
台の内方における前記窓部を通して前記被検者における前記一方の足部の足裏を臨む箇所に、超音波探触子の取り付け領域を備え、
前記面部における前記被検者の他方の足部に対応する領域に、前記他方の足部からの荷重を計測する荷重計測部の取り付け領域を備える
足部アライメント計測装置用筐体。
【請求項7】
前記面部は、少なくとも前記窓部が開設されてなる部分およびその周辺領域で厚みを有する板材から構成されてなり、
前記窓部は、前記面部の平面方向に対して直交する方向に貫通している
請求項6記載の足部アライメント計測装置用筐体。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、足部アライメント計測装置、足部アライメント計測システム、および足部アライメント計測装置用筐体に関し、特に、負荷荷重条件可変下における足部横アーチの計測技術に関する。
【背景技術】
【0002】
外反母趾をはじめとする足部の障害は、広い世代において大きな問題となっている。このような足部の障害に対するアプローチとしては、先ずは足部のアライメントを評価することが重要となってくる。具体的な評価指標には、偏平足等の原因となる縦アーチ、開帳足の原因となる横アーチがある。
従来の足部アライメント評価の代表例としては、イメージスキャナを用いた足型計測での評価(特許文献2)や、フットプリント(足底の圧力分布)による評価などがある(特許文献3)。ただし、このような評価は、定性的・感覚的な評価しかできず、定量的な評価を行うことができない。また、足部のアライメントを構成する硬性組織(中足骨や足根骨など)と軟性組織(筋肉や靭帯など)とを分けて評価することができない。
【0003】
そこで、足部のアライメントについて、X線やCT、MRIなどでの計測結果を用いて評価を行おうとする研究もなされている(非特許文献2,3)。このような方法を用いれば、硬性組織と軟性組織とを分けて定量的な評価が可能になる。
【先行技術文献】
【0004】

【特許文献1】特開2006-6394号公報
【特許文献2】特開2001-207号公報
【特許文献3】特開2013-17822号公報
【0005】

【非特許文献1】鈴木 良平, “足のバイオメカニクスと歩行解析”, 日整会誌, 65:75-85, 1987
【非特許文献2】Collan L et.al., “Foot and Ankle Surg 19”, 155-61, 2013
【非特許文献3】Komeda T. et.al., “J Orthop Sci 6”, 110-8, 2001
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記の非特許文献2,3を含む従来技術では、足部に荷重がかかった状態でのアライメント計測を定量的に行うことはできず、足部のアライメント評価を正確に行うことはできない。即ち、非特許文献1に記載されているように、足部の縦アーチおよび横アーチは、足部への負荷荷重条件により変化する。これに対して、非特許文献2,3などで提案の従来技術では、非荷重下での測定、あるいは疑似荷重下での計測しかできず、正確な足部のアライメント評価を行うことはできない。
【0007】
また、X線やCT、MRIなどを用いた評価では、侵襲性の問題や、医療機関などの管理施設でしか計測を行うことができないという問題、さらにはコスト面での問題がある。
本発明は、上記のような問題の解決を図ろうとなされたものであって、負荷荷重条件可変下におけるアライメント計測を、非侵襲で低コスト且つ簡易に行うことができる足部アライメント計測装置、足部アライメント計測システム、および足部アライメント計測装置用筐体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一態様に係る足部アライメント計測装置は、(i)筐体と、(ii)超音波計測部と、(iii)荷重計測部と、を少なくとも備える。
(i)筐体は、被検者の右足および左足の両足部を載置可能な面部を有し、被検者の一方の足部の下の一部に対応する部分に平面視長尺状の窓部が開設されてなる。
(ii)超音波計測部は、筐体の内方における窓部を通して被検者における上記一方の足部の足裏を臨む箇所に設けられてなる超音波探触子を有する。
【0009】
(iii)荷重計測部は、筐体の上記面部における被検者の他方の足部に対応する領域に取り付けられ、他方の足部からの荷重を計測する。
【発明の効果】
【0010】
上記一態様に係る足部アライメント計測装置では、負荷荷重条件可変下におけるアライメント計測を、非侵襲で低コスト且つ簡易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】実施の形態に係る足部アライメント計測システム1の構成を示す模式ブロック図である。
【図2】実施の形態に係る足部アライメント計測システム1の構成を示す模式斜視図である。
【図3】(a)は、足部アライメント計測装置10の一部構成を模式的に示すX-Z断面図であり、(b)は、足部アライメント計測装置10の一部構成を模式的に示すY-Z断面である。
【図4】(a)は、足部アライメント計測装置10に対し、被検者が右足500Rを超音波計測部12上に、左足500Lを荷重計測部11上に載せた状態を示す模式平面図であり、(b)は、足部アライメント計測装置10に対し、被検者が右足500Rを荷重計測部11上に、左足500Lを超音波計測部12上に載せた状態を示す模式平面図である。
【図5】(a)は、被検者の右足500Rと超音波計測部12との位置関係を示す模式平面図であり、(b)は、被検者500Rの足裏500Rbと超音波探触子120の探触側表面120uとの間に超音波ゲル40が介挿された状態を示す模式断面図である。
【図6】超音波計測により得られた画像の一例である。
【図7】足部アライメント測定システム1における演算処理部21が実行するフローチャートである。
【図8】入出力デバイス30のタッチパネルモニタ300に表示される画像3000の一例である。
【図9】(a)は、変形例1に係る足部アライメント計測装置60の構成を示す模式平面図であり、(b)は、変形例2に係る足部アライメント計測装置65の構成を示す模式平面図である。
【図10】変形例3に係る足部アライメント計測装置70の構成を示す模式平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
[本発明の各態様]
本発明の一態様に係る足部アライメント計測装置は、(i)筐体と、(ii)超音波計測部と、(iii)荷重計測部と、を少なくとも備える。
(i)筐体は、被検者の右足および左足の両足部を載置可能な面部を有し、被検者の一方の足部の下の一部に対応する部分に平面視長尺状の窓部が開設されてなる。

【0013】
(ii)超音波計測部は、筐体の内方における窓部を通して被検者における上記一方の足部の足裏を臨む箇所に設けられてなる超音波探触子を有する。
(iii)荷重計測部は、筐体の上記面部における被検者の他方の足部に対応する領域に取り付けられ、他方の足部からの荷重を計測する。
本態様に係る足部アライメント計測装置では、被検者の両足部を載置可能な面部を有する筐体を有し、他方の足部に対応する領域に荷重計測部が設けられている。このため、足部アライメントの計測に際して、被検者に左足部と右足部との荷重バランスを可変してもらうだけで、超音波計測における負荷荷重の可変が可能である。

【0014】
また、本態様に係る足部アライメント計測装置では、被検者の足裏から超音波によるアライメント計測を行うことができるため、非侵襲で正確なアライメント計測が可能である。具体的には、超音波計測の対象である足部の種子骨、第2趾、第3趾、第4趾、および第5趾の各先端部分を計測することができ、これより負荷荷重ごとの被検者における横アーチを正確に計測することができる。

【0015】
また、本態様に係る足部アライメント計測装置では、超音波による計測を行うため、X線やCT、あるいはMRIなどを用いる従来技術に比べ、特別な管理施設での使用に限定されず、簡易な計測が可能である。また、X線やCT、あるいはMRIなどを採用する場合に比べて装置コストおよびランニングコストの観点から優位である。
従って、本態様に係る足部アライメント計測装置では、負荷荷重条件可変下におけるアライメント計測を、非侵襲で低コスト且つ簡易に行うことができる。

【0016】
なお、本態様に係る足部アライメント計測装置では、面部に開設された窓部に超音波ゲルを充填することができる。これにより、被検者が足部に荷重を負荷しても、窓部を臨む側壁で拘束された超音波ゲルが外れてしまうような事態を防止することができる。
また、本発明の別態様に係る足部アライメント計測装置は、上記構成において、筐体が、面部の一部を構成するとともに、荷重計測部が取り付けられてなる領域に対して、平面方向(面部に沿った方向)に回動自在のサブ筐体を有し、窓部がサブ筐体に開設されており、超音波探触子がサブ筐体に設けられている、という構成としてもよい。

【0017】
このように、超音波探触子を、平面方向に回動自在のサブ筐体に設ける構成とすれば、超音波探触子における送受面を、被検者の対象足部における種子骨から第5趾までの各先端部分を結ぶ仮想ラインに正確に合わせることができ、被検者の足部形状に合わせた、さらに正確なアライメント計測が可能となる。
また、本発明の別態様に係る足部アライメント計測装置は、上記構成において、超音波探触子が、筐体に対し、窓部の長手方向に平行な仮想軸周りに角度調整自在の状態で設けられている、という構成としてもよい。

【0018】
このように、超音波探触子を、窓部の長手(長軸)方向に平行な仮想軸周りに角度調整自在の状態とすることにより、被検者における対象足部の足裏形状(具体的には、足裏の縦アーチ形状)に合わせて調整することができ、さらに正確なアライメント計測が可能となる。
本発明の一態様に係る足部アライメント計測システムは、上記の何れかの態様に係る足部アライメント計測装置と、(iv)制御部と、(v)出力部とを備える。

【0019】
(iv)制御部は、超音波計測部からの足部アライメントデータ、および荷重計測部からの荷重データを取得し、足部アライメントデータを取得したタイミングでの荷重データから、上記一方の足部(アライメント計測対象の足部)に負荷されている荷重値を算出し、足部アライメントデータを算出した荷重値に対応付けた状態で格納する。
(v)出力部は、算出した荷重値に対応付けられた足部アライメントデータを出力する。

【0020】
本態様に係る足部アライメント計測システムは、上記態様の何れかの足部アライメント計測装置を備えるので、上記同様の効果を奏する。そして、本システムは、足部アライメントデータを、当該足部アライメントデータを取得したタイミングの荷重データに対応付け、これを出力できる。よって、負荷荷重ごとの足部アライメントデータを出力可能である。

【0021】
本発明の別態様に係る足部アライメント計測システムは、上記構成において、制御部が計時部を有し、足部アライメントデータおよび荷重データを、計時部で計時されるタイミングデータに対応付け、当該タイミングデータを基準として足部アライメントデータと算出した荷重値とを対応付けて格納する、という構成としてもよい。
このように計時部を設け、計時部により計時されたタイミングデータに対応付けることにより、荷重値ごとの足部アライメントデータを格納・出力することができる。これにより、被検者が荷重バランスを連続的あるいは段階的に可変するだけで、アライメント計測に係る足部に負荷されている荷重と、その際の足部アライメントデータとを対応付けて格納・出力することもができる。

【0022】
本発明の一態様に係る足部アライメント計測装置用筐体は、被検者の右足および左足の両足部を載置可能な面部を有し、被検者の一方の足部の下の一部に対応する部分に平面視長尺状の窓部が開設されてなり台形状を有する。そして、台の内方における窓部を通して被検者における一方の足部の足裏を臨む箇所に、超音波探触子の取り付け領域、および面部における被検者の他方の足部に対応する領域に、他方の足部からの荷重を計測する荷重計測部の取り付け領域を備える。

【0023】
このような構成の足部アライメント計測装置用筐体を採用することにより、上記のような作用効果を有する足部アライメント計測装置並びに足部アライメント計測システムを容易に構成することができる。
本発明の別態様に係る足部アライメント計測装置用筐体は、上記構成において、面部が少なくとも窓部が開設されてなる部分およびその周辺領域で厚みを有する板材から構成されてなり、窓部が面部の平面方向に対して直交する方向に貫通している、としてもよい。

【0024】
このように、窓部が面部の平面方向に対して直交する方向に貫通している構成とすれば、窓部を臨む側面により、超音波ゲルの保持性能をより高く得ることができる。このため、より正確な足部アライメント計測が可能となる。
[実施の形態]
以下では、本発明を実施するための形態について、図面を参酌しながら説明する。

【0025】
なお、以下の説明に係る実施の形態は、本発明の構成上の特徴および当該構成上の特徴から奏される作用効果を分かりやすく説明するための例として用いるものであって、本発明は、その本質的な特徴部分を除き、以下の形態に何ら限定を受けるものではない。
1.足部アライメント計測システム1の構成
本実施の形態に係る足部アライメント計測システム1の構成について、図1および図2を用い説明する。

【0026】
図1に示すように、足部アライメント計測システム1は、足部アライメント計測装置10と、制御部20と、入出力デバイス30とを主な構成として備える。足部アライメント計測装置10は、荷重計測部11と超音波計測部12を主な機能部として有する。
制御部20は、CPUなどを有し構成された演算処理部21と、HDD(Hard Disc Drive)やSSD(Solid State Drive)などを有し構成された記憶部22と、タイミング計時を実行する計時部23とを有し構成されている。なお、記憶部22の構成としては、上記の他、CD-RWやDVD-RW、さらにはBD-RWなどのディスクを用いることもできる。

【0027】
また、入出力デバイス30は、操作者からの情報入力を受け付ける入力部31と、操作者および被検者に対して情報を出力する出力部32を有し構成されている。
図2に示すように、足部アライメント計測システム1の外観構成は、台形状を有する筐体100に荷重計測部11および超音波計測部12(図2では、窓部のみを図示。)が取り付けられてなる足部アライメント計測装置10、箱型の外観形状を有する制御部20、タッチパネルモニタ300を備える入出力デバイス30とを備える。

【0028】
制御部20からは、信号ラインが延設されており、信号ラインは、足部アライメント計測装置10における荷重計測部11および超音波計測部12の各入出力端子に接続されている(詳細な図示を省略)。
制御部20と入出力デバイス30とは、無線により信号のやり取りが可能な状態となっている。なお、制御部20と入出力デバイス30との接続に関しては、有線方式での接続でもよく、光や電波を用いた方式での接続でもよい。ただし、光や電波を用いた接続方式とすれば、有線方式での接続方式に比べ、操作時における場所的制約を少なくすることができる。

【0029】
2.足部アライメント計測装置10の構造
足部アライメント計測装置10の構造について、図3を用い説明する。
図3(a)に示すように、荷重計測部11と超音波計測部12とは、筐体100に対してX軸方向に並設されている。そして、荷重計測部11における荷重計測機110は、筐体100における天板100uの窪んだ部分に填まり込んだ状態で設けられている。これより、荷重計測機110の上面は、筐体100における天板100uの他の部分(窪んだ部分以外の部分)の上面と略面一の状態となっている。

【0030】
一方、超音波計測部12は、その超音波探触子120を有する。超音波探触子120は、筐体100の底板100bの上面に植設された2本のアーム121,122に回動自在の状態で取り付けられている。そして、超音波探触子120は、そのZ軸方向上側において、筐体100の天板100uに開設された(板厚方向に貫通する)平面視長尺状の窓部100aを通して、Z軸方向外方を臨む状態となっている。

【0031】
なお、超音波計測部12には、超音波探触子120の他に、超音波送受信・信号処理部を有するが、図示を省略する。超音波送受信・信号処理部については、筐体100の内方に収容された構成とすることもできるし、外部に置かれた状態とすることもできる。
次に、図3(b)に示すように、本実施の形態に係る足部アライメント計測装置10では、超音波探触子120が、そのZ軸方向先端部分を中心に回転可能となっており、角度θだけ調整できる構成となっている。角度調整は、ネジ123を緩めた状態で、超音波探触子120の支軸(図示を省略。)を、アーム121,123に設けられたガイド孔121a(アーム123のガイド孔については、図示を省略。)に沿って移動(矢印)させる。これにより、超音波探触子120を、窓部100aの長軸に平行な仮想軸周りに回動させ、超音波探触子120が所要の向きを向いた状態でネジ123を締めることで実行可能である。

【0032】
このように、超音波探触子120の角度調整機構を備える本実施の形態に係る足部アライメント計測装置10では、小児から大人まで、種々のサイズ・形状の足部や、種々の縦アーチの足部に対応させることができる。
3.被検者の足部位置
次に、本実施の形態に係る足部アライメント計測装置10に対する被検者の足部位置について、図4および図5を用い説明する。

【0033】
(1)被検者の右足500Rのアライメント計測の場合
図4(a)に示すように、被検者の右足500Rのアライメント計測を行う場合には、被検者は、右足500Rが超音波計測部12上に、左足500Lが荷重計測部11上になるよう載る。ここで、図5(a)に示すように、右足500Rのアライメント計測にあたっては、被検者の右足500Rにおける種子骨(第1中足骨)5001から第5趾(第5中足骨)5002までの各先端部分を結ぶ仮想ラインL500Rが、超音波計測部12における超音波探触子120の圧電素子列(図示を省略。)に沿う状態となるようにすることが重要となる。ただし、若干のズレに関しては、画像処理による補正も可能である。

【0034】
また、図5(b)に示すように、右足500Rの足裏500Rbと超音波探触子120の探触側表面120uとの間には、空隙が生じないように超音波ゲル40が挿入される。超音波ゲル40は、筐体100の窓部100a(図3(a)、(b)を参照。)を臨む側壁により確実に保持され、外れてしまうことが防止される。
(2)被検者の左足500Lのアライメント計測の場合
図4(b)に示すように、被検者の左足500Lのアライメント計測を行う場合には、筐体100上で被検者に反対向きに向きを変えてもらい、左足500Lが超音波計測部12上に、右足500Rが荷重計測部11上になる姿勢をとってもらう。種子骨(第1中足骨)から第5趾(第5中足骨)までの各先端部分を結ぶ仮想ラインが、超音波計測部12における超音波探触子120の圧電素子列に沿うようにすること、および超音波ゲル40を挿入することについては、上記同様である。

【0035】
4.計測データ
計測データ(画像データ)の一例について、図6を用い説明する。なお、図6は、右足への荷重値を所定値とした場合の、被検者の右足についての超音波画像である。
図6に示すように、超音波計測を行うことにより、種子骨、第2趾、第3趾、第4趾、第5趾を明確に計測することができ、これよりそれらの下端同士を結ぶライン(横アーチ)、さらには、横アーチ高Hを算出することができる。

【0036】
ここで、健常者については、対象となる足部における荷重値がある程度大きくなったとしても、図6に示すように、横アーチが観察でき、横アーチ高Hも高い状態である。
一方、開帳足の場合には、少しの荷重が対象の足部にかかっただけで横アーチが崩れて足幅が広がり、横アーチ高Hが低くなってしまう。これにより、母趾内転筋横頭に引っ張られることで、母趾内旋が生じる。これが外反母趾の発生メカニズムであると考えられる。

【0037】
5.制御部20における演算処理部21が実行する処理
制御部20における演算処理部21が実行する処理について、図7および図8を用い説明する。
先ず、操作者または被検者自身が足部アライメント計測システム1の電源をオンにすることで、計測が開始される。そして、タッチパネルモニタ300には、被検者が新規であるか否かの確認を行う出力がなされる(図7のステップS01)。被検者が過去に足部アライメント計測システム1でアライメント計測をしたことがある場合には(図7のステップS01;No)、操作者または被検者自身は当該被検者の登録番号を入力する。演算処理部21は、入力部31からの入力情報に基づき、記憶部22から該被検者の該当する情報の読出しを実行する(図7のステップS02)。

【0038】
一方、被検者が“新規“である場合には(図7のステップS01;Yes)、操作者または被検者自身により、図8の上部における太枠で囲った部分などの事項を入力する(図7のステップS03)。なお、被検者情報については、図8に示すものに限定されるものではないが、少なくとも体重と、左右両足、あるいは計測対象である足の足長、足幅、および足囲を入力することが望ましい。

【0039】
ただし、体重については、足部アライメント計測装置10の荷重計測部11に両足を載せて計測し、当該計測値をそのまま入力することも可能である。この場合、操作者を含む他人に体重が見ることができないようにすることもでき、特に女性が被検者の場合のプライバシー保護の観点から望ましい。
次に、演算処理部21は、出力部32に対して、被検者の両足の計測を行うか否かの問いを表示させる(図7のステップS04)。これに対して、被検者は、自らの足部の状態を考慮しながら、選択を行い、操作者または被検者自身が入力部31に入力する。両足部の計測を行うことが選択された場合には(図7のステップS04;Yes)、被検者は、右足部横アーチの計測を行うために図4(a)に示すような状態で足部アライメント計測装置10の筐体100上に載る。このとき、操作者は、被検者の右足の横アーチと超音波計測部12の超音波探触子120との位置調整を行う。

【0040】
被検者の立ち位置が決まれば、操作者は、入出力デバイス30に計測開始の旨の信号入力を行い、これに基づき演算処理部21は計時部23での計時を開始するとともに、荷重計測部11および超音波計測部12の計測を開始させる(図7のステップS05)。被検者は、自らの体重を左足から徐々に右足に移して行き、左足の荷重が“0”あるいは極小さくなった時点で右足部の横アーチ計測を終了する。

【0041】
計測された荷重データと横アーチデータ(足部アライメントデータ)とは、計時部23で計時されたタイミングデータにそれぞれ関連付けられて、複数組が抽出されて一時保管される。そして、図8の上側部分に示すように、演算処理部21は、左足荷重W-L1~W-L5から右足荷重W(R1)~W(R5)を算出し、同様に、タイミングデータに関連付けた状態で、横アーチデータData(R1)~Data(R5)との組み合わせを以って一時保管される。なお、演算処理部21は、この時点で計時部23に対して計時を終了させ、リセット指示を出す。

【0042】
次に、右足アライメント計測が終了すると、被検者には、図4(b)に示すような状態に立ち位置を変え、操作者は、再度被検者の左足の横アーチと超音波探触子120との位置調整を行う。
位置調整が完了した場合には、右足部の計測の場合と同様に、操作者は、入出力デバイス30に計測開始の旨の信号入力を行い、これに基づき演算処理部21は計時部23での計時を開始するとともに、荷重計測部11および超音波計測部12の計測を開始させる(図7のステップS06)。被検者の体重移動および計測方法、データの取得・算出方法などについては、上記同様である。左足部の横アーチデータについても、図8の上側部分に示すように、右足荷重データW-R1~W-R5、算出された左足荷重W(L1)~W(L5)と、横アーチデータData(L1)~Data(L5)がタイミングデータを介して関連付けられ、一時保管される。

【0043】
演算処理部21は、足部アライメント計測(足部横アーチ計測)が終了した時点で、計時部23に対して計時を終了させ、リセット指示を出す。
一方、被検者が“両足部計測”を選択しなかった場合には(図7のステップS04;No)、演算処理部21は、出力部32に対し、“左足部のみ計測”を行うか否かの問いを出力させる(図7のステップS08)。被検者が、“左足部のみ計測”を行う旨の選択を行った場合には(図7のステップS08;Yes)、上記ステップS05をスキップして、ステップS06のみを実行することになる。なお、計測方法や一時保管するデータに関しては、上記同様である。

【0044】
ステップS08で、被検者が“No”を選択した場合、即ち、被検者が右足部の横アーチ計測のみを希望する場合には(図7のステップS08;No)、上記同様の方法により右足部横アーチ計測を実行し、データの一時保管を行う(図7のステップS09)。
足部横アーチの計測が終了すると、演算処理部21は、一時保管した各データから、図8の下側部分に示すような、足部付加荷重を横軸に、横アーチ高Hを縦軸にとったグラフを作成し、入出力デバイス30の画像として表示させる(図7のステップS07)。

【0045】
最後に、演算処理部21は、図8に示すような情報を、被検者情報と対応付け、さらに計測実施日を付して記憶部22に格納させ(図7のステップS10)、計測を終了する。
以上のように、本実施の形態に係る足部アライメント計測システム1およぶ足部アライメント計測装置10を用いれば、負荷荷重条件可変下におけるアライメント(足部横アーチ)計測を、非侵襲で低コスト且つ簡易に行うことができる。

【0046】
なお、本実施の形態に係る足部アライメント計測システム1では、計測対象の足部にかかっている荷重(算出荷重値)と横アーチデータData(R1)~Data(R5),Data(L1)~Data(L5)とを計時部23で計時されたタイミングデータを介して関連付けることとしたが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、被検者に右足部と左足部との荷重バランスを数秒維持してもらい、その間に操作者が超音波計測を行うようにすれば、タイミングデータを介することは必ずしも必要とはならない。

【0047】
[変形例1]
変形例1に係る足部アライメント計測装置60の構成について、図9(a)を用い説明する。図9(a)は、足部アライメント計測装置60における被検者の両足部を載置する面部を平面視した模式平面図である。
図9(a)に示すように、台形状の筐体600には、X軸方向左側に荷重計測部11が設けられている。これについては、上記実施の形態に係る足部アライメント計測装置10と同様である。本変形例1に係る足部アライメント計測装置60では、筐体600における荷重計測部11が設けられた領域に対し、X-Y面で回動自在のサブ筐体601が筐体600の一部として設けられている。サブ筐体601には、超音波計測部62が設けられており、少なくとも超音波探触子がサブ筐体601とともに回動できるようになっている。

【0048】
このような構成を備える本変形例1に係る足部アライメント計測装置60では、被検者の足部アライメント計測に際しての、被検者の横アーチと超音波計測部の超音波探触子との位置合わせが容易となり、さらに簡易に計測を行うことができる。また、細かな位置調整が可能となるので、計測精度の向上を図ることもできる。
[変形例2]
変形例2に係る足部アライメント計測装置65の構成について、図9(b)を用い説明する。図9(b)も、足部アライメント計測装置65における被検者の両足部を載置する面部を平面視した模式平面図である。

【0049】
図9(b)に示すように、本変形例2に係る足部アライメント計測装置65では、筐体650が、プレート状の本体部分と、その上に取り付けられたサブ筐体651,652とを有している。サブ筐体651については、筐体650のプレート状の本体部分に対して回動しないように固定されており、荷重計測部11が設けられている。
一方、サブ筐体652は、筐体650のプレート状の本体部分に対してX-Y面方向に回動自在となっており、超音波計測部67が設けられている。そして、本変形例2においても、超音波計測部67の構成の内、少なくとも超音波探触子がサブ筐体652とともに回動できるようになっている。なお、図9(b)では、サブ筐体652が平面視円形状である形態を一例としているが、必ずしも円形状である必要はない。例えば、平面視において、楕円形状や長円形状であってもよいし、多角形状であってもよい。また、回転角についても、必ずしも一回転する構成とする必要はなく、角度調整ができればよい。例えば、10°以上の角度調整ができればよい。

【0050】
このような構成を備える本変形例2に係る足部アライメント計測装置65でも、被検者の足部アライメント計測に際しての、被検者の横アーチと超音波計測部の超音波探触子との位置合わせが容易となり、さらに簡易に計測を行うことができる。また、細かな位置調整が可能となるので、計測精度の向上を図ることもできる。
なお、本変形例2に係る足部アライメント計測装置65においては、計測の簡易さなどを考慮して、サブ筐体651に設けられる荷重計測部11の上面と、サブ筐体652の上面とが略面一となるようにしておくことが望ましいが、少しの段差を生じる構成としても構わない。

【0051】
[変形例3]
変形例3に係る足部アライメント計測装置70の構成について、図10を用い説明する。図10も、足部アライメント計測装置70における被検者の両足部を載置する面部を平面視した模式平面図である。
図10に示すように、本変形例3に係る足部アライメント計測装置70では、筐体700が、上記実施の形態に係る足部アライメント計測装置10の筐体10に比べてX軸方向に長くなっている。即ち、本変形例3に係る足部アライメント計測装置70では、筐体700のX軸方向ほぼ中央領域に荷重計測部11が設けられており、その左右に超音波計測部72,73が設けられている。

【0052】
なお、超音波計測部72,73は、少なくとも超音波探触子をそれぞれが有しているが、超音波送受信・信号処理部については、切り替えにより超音波計測部72,73が共用するものであっても構わない。
このような構成を備える本変形例3に係る足部アライメント計測装置70では、被検者が一方の足部のアライメント計測をした後、他方の足部のアライメント計測をしようとする際、体をX軸方向に移動するだけでよく、非常にスムーズである。

【0053】
また、図10に示すように、超音波計測部72,73の各々の超音波探触子が除く筐体700の窓部について、それぞれ被検者の横アーチのラインの傾きに応じて予め角度をつけた状態で設けられているので、計測する足部を変えた際の角度調整が容易となり、計測精度向上という観点からも優れている。
[その他の変形例]
上記実施の形態および変形例1~3では、一例としてストレインゲージ式ロードセルを用いた荷重計測機110を採用した。しかしながら、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、ゲルと圧力センサとを組み合わせた荷重計測機などを採用することもできる。

【0054】
また、上記実施の形態および変形例1~3では、足部アライメントとして横アーチの計測を行うものとしたが、これ以外のアーチ計測を行うこともできる。例えば、中足足根関節付近の主横アーチや、内側・外側縦アーチなどの計測を行う場合にも、荷重計測部と超音波計測部との位置関係を変更することで、同様に負荷荷重可変下でのアライメント評価が可能となる。

【0055】
また、上記実施の形態に係る足部アライメント計測システムでは、横アーチ高Hを一つの指標としてグラフ化して出力することとしたが、本発明はこれに限定されない。例えば、足幅と横アーチ高Hとの比率を、負荷荷重ごとに対応付けて出力することとしてもよい。
また、上記実施の形態に係る足部アライメント計測システム1では、タブレット型の入出力デバイス30を構成に含むこととしたが、入出力のためのデバイスについては、足部アライメント計測装置に取り付けられた形態や、制御部20に取り付けられた形態など、種々の形態が採用可能である。その際には、制御部と入出力デバイスとの間、および制御部と足部アライメント計測装置との間の信号の伝達経路を、有線・無線のどちらについても適宜に選択可能である。

【0056】
また、上記実施の形態および変形例1~3の各足部アライメント計測装置10,60,65,70には、特にインジケータなどを設けなかったが、被検者に対し計測中である旨や、左右の足部での荷重状態などを表示するインジケータを設けることとしてもよい。
また、上記実施の形態および変形例1~3では、筐体100,600,650,700やサブ筐体601,651,652については特に言及しなかったが、被検者の体重に耐えうる剛性を有する材料であれば用いることができる。例えば、ステンレス鋼などの金属材料や、FRPなどの樹脂材料などを用いることができる。また、枠体のみをステンレス鋼や炭素鋼などを用いて形成し、その他の面部などを樹脂材料を用いて形成することなどもできる。

【0057】
さらに、上記実施の形態に係る足部アライメント計測装置10では、ネジ123を緩めることで超音波探触子120の角度調整が可能となる構成を採用したが、必ずしも必須の構成ではない。また、モータなどを用いて自動で角度調整を行うこととしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0058】
本発明は、負荷荷重条件可変下における足部アライメント計測を、非侵襲で低コスト且つ簡易に行うことができる足部アライメント計測システムを実現するのに有用な技術である。
【符号の説明】
【0059】
1.足部アライメント計測システム
10,60,65,70.足部アライメント計測装置
11.荷重計測部
12,62,67,72,73.超音波計測部
20.制御部
21.演算処理部
22.記憶部
23.計時部
30.入出力デバイス
31.入力部
32.出力部
40.超音波ゲル
100,600,650,700.筐体
110.荷重計測機
120.超音波探触子
121,122.アーム
123.ネジ
300.タッチパネルモニタ
500R.右足
500L.左足
601,651,652.サブ筐体
3000.画像
5001.種子骨(第1中足骨)
5002.第5趾(第5中足骨)
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4
【図6】
5
【図7】
6
【図8】
7
【図9】
8
【図10】
9