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明細書 :二層構造融雪剤

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第4146631号 (P4146631)
公開番号 特開2003-119745 (P2003-119745A)
登録日 平成20年6月27日(2008.6.27)
発行日 平成20年9月10日(2008.9.10)
公開日 平成15年4月23日(2003.4.23)
発明の名称または考案の名称 二層構造融雪剤
国際特許分類 E01H  10/00        (2006.01)
C09K   3/18        (2006.01)
C09K   5/06        (2006.01)
FI E01H 10/00 Z
C09K 3/18
C09K 5/06 A
請求項の数または発明の数 6
全頁数 9
出願番号 特願2001-311668 (P2001-311668)
出願日 平成13年10月9日(2001.10.9)
審判番号 不服 2006-014964(P2006-014964/J1)
審査請求日 平成15年10月20日(2003.10.20)
審判請求日 平成18年7月12日(2006.7.12)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】503360115
【氏名又は名称】独立行政法人科学技術振興機構
発明者または考案者 【氏名】青木 秀敏
個別代理人の代理人 【識別番号】100093230、【弁理士】、【氏名又は名称】西澤 利夫
参考文献・文献 特開平6-313165(JP,A)
特開昭62-174401(JP,A)
特開昭60-120782(JP,A)
特開平11-100570(JP,A)
特開平10-102044(JP,A)
登録実用新案第3003668(JP,U)
特開昭63-314292(JP,A)
調査した分野 E01H 10/00
C09K 3/18
C09K 5/06
特許請求の範囲 【請求項1】
融点を低下させることで積雪や氷を融解する融雪材料と、蓄熱した太陽光の照射熱により積雪や氷を融解する蓄熱材料とからなる二層構造を備え、蓄熱材料を二層構造の内層とし、また、融雪材料をその溶液からの晶析によって前記内層の蓄熱材料表面に付着担持させて二層構造の外層とすることを特徴とするアイスバーンによるスリップを防止する二層構造融雪剤。
【請求項2】
外形が粒状または粉状であることを特徴とする請求項1の二層構造融雪剤。
【請求項3】
融雪材料が、無機塩化物、炭酸塩、重炭酸塩、金属有機酸塩および水酸化物のうち1種以上であることを特徴とする請求項1または2の二層構造融雪剤。
【請求項4】
融雪材料が、塩化カルシウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、酢酸カルシウム、酢酸ナトリウム、酢酸カルシウム、水酸化カルシウム、水酸化ナトリウムおよび水酸化カリウムのうちの1種以上であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかの二層構造融雪剤。
【請求項5】
蓄熱材料が、無機質剤および有機質材のうちの1種以上であることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかの二層構造融雪剤。
【請求項6】
蓄熱材料が、石、砕石、砂利、石炭灰、木炭、粘土、くるみ殻および貝殻のうちの1種以上であることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかの二層構造融雪剤。
発明の詳細な説明 【0001】
【発明の属する技術分野】
この出願の発明は、融雪剤に関するものである。さらに詳しくは、この出願の発明は、環境に対する負荷が少なく、また、長い時間に渡り融雪や融氷作用が持続するとともに車両や歩行者に対して滑り止めとして作用する、新しい融雪剤に関するものである。
【0002】
【従来の技術と発明の課題】
国内の豪雪地帯においては、冬季、道路の積雪を除去することを目的として融雪剤の散布が盛んに行われている。従来の融雪剤としては、主に、塩化カルシウムまたは塩化ナトリウムが利用されてきたが、塩化イオンによる塩害、すなわち、錆等の腐食の発生、コンクリートの劣化、および、周辺の植物の生育に対する悪影響が問題となっている。1990年代に入り、スパイクタイヤが禁止されて以来、融雪剤が頻繁に散布されるようになったが、それ以来、冬季における自動車の腐食の進行が速くなったことが報告されている。
【0003】
このような塩化物融雪剤による環境破壊や自動車などの腐食の問題は、スパイクタイヤによる粉塵公害に匹敵する社会問題として捉えられるようになってきており、環境調和社会の実現を目指すうえで早急に解決すべき課題である。
【0004】
融雪剤を利用せずに融雪を実現する方法としては、ロードヒーティングや凍結抑制舗装等が実施されているが、道路に対して新たな施工を行う必要があり、また、運用コストも高価であることから、適用される地域が市街地などに限定されている。このような事情から、散布という簡便な作業で行われる融雪剤に関して、その有効性は特に高いものと考えられており、従来技術の問題点である環境に対する負荷が改善された融雪剤の開発が求められている。
【0005】
一方、スパイクタイヤが禁止された後、代替品としてスタッドレスタイヤが広く使用されている。スタッドレスタイヤの特長としては、路面が圧雪状態にある場合において、高い滑り止め作用が発揮される点が挙げられる。しかし、路面が凍結しアイスバーン状態となった状況においては、滑り止めの効果はほとんど期待できないといった欠点もある。
【0006】
冬季、東北地方、北海道地方、中部内陸地方では、スパイクタイヤが禁止されて以来、スリップによる交通事故が多発している。路面のアイスバーンは、国内北部の太平洋岸の地域で多発する傾向にある。太平洋岸の地域は日本海岸と比して積雪が少なく日照時間が長いため、日中日差しにより路面の積雪が融解しやすく、昼間、路面にたまった水分が完全に乾ききらず、日が落ちた後に凍結してアイスバーンとなる。
【0007】
また、融雪剤の使用に関しては、水はけの悪い道路においては、多くの水分を路面に蓄積させることになり、日没後にアイスバーンの発生を促進するという問題があり、解決が求められていた。
【0008】
そこで、この出願の発明は、以上の通りの事情に鑑みてなされたものであり、環境に対する負荷が少なく、高い融雪や融氷の作用を示すとともに、アイスバーンによる車両や歩行者のスリップを防止する働きを備える融雪剤を提供することを課題としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
この出願の発明は、上記の課題を解決するものとして、第1には融点を低下させることで積雪や氷を融解する融雪材料と、蓄熱した太陽光の照射熱により積雪や氷を融解する蓄熱材料とからなる二層構造を備え、蓄熱材料を二層構造の内層とし、また、融雪材料をその溶液からの晶析によって前記内層の蓄熱材料表面に付着担持させて二層構造の外層とすることを特徴とするアイスバーンによるスリップを防止する二層構造融雪剤を提供する。
【0010】
また、この出願の発明は、第2には、外形が粒状または粉状であることを特徴とする二層構造融雪材を提供し、第3には、融雪材料が、無機塩化物、炭酸塩、重炭酸塩、金属有機酸塩および水酸化物のうち1種以上であることを特徴とする二層構造融雪材を、第4には、融雪材料が、塩化カルシウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、酢酸カルシウム、酢酸ナトリウム、酢酸カルシウム、水酸化カルシウム、水酸化ナトリウムおよび水酸化カリウムのうちの1種以上である上記の二層構造融雪剤を提供する。
【0011】
そして、この出願の発明は、第5には、蓄熱材料が無機質材および有機質材のうちの1種以上であることを特徴とする二層構造融雪材を提供し、第6には、蓄熱材が、石、砕石、砂利、石炭灰、木炭、粘土、くるみ殻および貝殻のうちの1種以上である上記の二層構造融雪剤を提供するものである。
【0012】
【発明の実施の形態】
この出願の発明は、上記のとおりの特徴をもつものであるが、以下に、その実施の形態について説明する。
【0013】
この出願の発明である二層構造融雪剤は、積雪や氷を融解しやすくするための融雪材料と太陽光の照射による熱を蓄熱するための蓄熱材料とからなる二層構造を備えている。具体的には、たとえば図1の粒状体の断面図に示すように、蓄熱材料(1)の周囲が融雪材料(2)にてコーティングされているような二層構造を備えている。
【0014】
この出願の発明である二層構造融雪剤を構成する融雪材料は、従来公知のものをはじめとして、積雪や氷の融点低下の作用のある各種の物質であってよく、たとえば好適なものとしては、アルカリ金属、あるいはアルカリ土類金属の塩化物、炭酸塩、重炭酸塩、有機酸塩、水酸化物のうち1種以上のものを使用することが考慮される。たとえば具体例としては、塩化カルシウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、酢酸カルシウム、酢酸ナトリウム、酢酸カルシウム、水酸化カルシウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどから、適宜に選択される。
【0015】
また、この出願の発明である二層構造融雪剤を構成する蓄熱材料は、太陽光による蓄積効果のある各種の無機質材や有機質材から選択されてよく、たとえば、具体的には、石、砕石、砂利、粘土、くるみ殻などから適宜に選択される。もちろん、蓄熱材料は以上に限定されるものではなく、石炭灰、木炭、貝殻、骨などの産業廃棄物を利用してもよい。一般的には、吸熱性の高い黒色に近く、また、密度の大きいものが好適である。
【0016】
たとえば以上のような融雪材料や蓄熱材料により構成されるこの出願の発明の二層構造融雪剤は、その外形については、粒状、粉状、円筒状、ペレット状、棒状、板状等の各種のものが考慮されるが、道路面への散布使用の場合には、粒状や粉状のものが好適である。
【0017】
粒状または粉状の場合には、二層構造の内層として硬質な蓄熱材料については、その粒径は、大きすぎると車両や歩行者の進行の妨げとなり、また、小さすぎると蓄熱量が小さくなることから、直径1mm~4mm程度とすることが好ましい。
【0018】
外層の融雪材料と内層の蓄熱材料との二層構造につては各種の方法によって形成することができる。内層の蓄熱材料の表面に外層を構成する融雪材料を付着ないし担持させればよい。このような付着や担持は、蓄熱材料表面への融雪材料の晶析によって実現することができる。融雪材料の溶液からの晶析によって蓄熱材料表面に付着担持させる方法が示される。
【0019】
この出願の発明である二層構造融雪剤は、従来の融雪剤と同様、積雪や氷結面の上に散布する等の方法で使用される。積雪や氷結面上に散布された融雪剤は、融雪材料(塩化カルシウムなど)と蓄熱材料のそれぞれの作用により、融雪や融氷を行う。
【0020】
まず、散布された直後においては、融雪剤外層の融雪材料の作用により積雪を融解し、さらに場合によってはアイスバーン等の氷をも融解する。融雪剤散布後、しばらく時間が経過すると、太陽光の照射熱が内層の蓄熱材料中に蓄熱し、この熱の放射により更に積雪や氷が融解する。このように、この出願の発明である二層構造融雪剤は、融雪材料および蓄熱材料の2種類の作用により、従来技術である塩化カリウム等の融雪剤と比して、格段に高い融雪や融氷の作用を発揮するものである。したがって、融雪材料として利用される化合物融雪剤(塩化カルシウムなど)の量を、従来技術と比して少量に抑えることができ、環境に対する負荷の軽減に繋がるものと考えられる。
【0021】
蓄熱材料によるヒーティングは、太陽光が照射されている限り継続的に行われることから、長時間の融雪や融氷が可能となるばかりか、融雪や融氷により発生した水の蒸発をも効率的に実現するものである。すなわち、蓄熱材料の発熱により路面の水分の乾燥が促進され、日没後におけるアイスバーンの発生を抑制することが可能となるのである。
【0022】
もちろん、この出願の発明においては融雪と融氷は同時に行われることに限らない。融雪だけであってもよいことは当然のことである。
【0023】
さらには、この出願の発明によれば、蓄熱材料は、車両や歩行者がスリップするのを防止する働きをも備えている。すなわち、蓄熱材料として、石、砕石、砂利、くるみ殻、貝殻などの硬質な材料を利用した場合には、これらが路面の摩擦係数を増加させる働きを持つことから、車両のスリップを防止する滑り止めとしても作用する。また、蓄熱材料として、石炭灰、木炭、粘土などの比較的柔らかい材料を利用した場合には、歩行者が蓄熱材料を踏んだときにつぶれることで、歩行者用の滑り止めとして作用する。
【0024】
以上の融雪剤の構成は一例であり、以上で示した構成に限定されることはなく、その細部について、様々な形態をとりうることが考慮されるべきであることは言うまでもない。
【0025】
この出願の発明は、以上の特徴を持つものであるが、以下に実施例を示し、さらに具体的に説明する。
【0026】
【実施例】
この出願の発明である二層構造融雪剤による融雪効果を検討するための実験を行った。
【0027】
図2は、実験装置の構成を示す概念図である。直径9cm、高さ12cmのポリプロピレン容器中に氷供試体(21)を生成し、周囲を断熱材(22)により包囲した。氷供試体(21)の直上150mmの位置に陽光ランプ(23)を設置した。陽光ランプ(23)から発せられる光は、太陽光とほぼ等しい光波長を持つ。出力を150Wとし、氷供試体(21)表面での光量が、快晴時の日射量とほぼ等しくなるように設定した。氷供試体(21)周囲の気温は、-5℃となるように設定した。
【0028】
まず、予備実験として、6種類の融雪材料(塩化カリウム、炭酸カリウム、酢酸カリウム、酢酸ナトリウム、塩化カルシウム、および、水酸化カリウム)について、それぞれの融氷効果の比較を各々同量の散布によって行った。図3は、融雪材料ごとに融解量の経時変化について調べた結果である。最も、融解量が多かったのは、水酸化カリウムであるが、強アルカリ性を示すことから、環境に対する負荷は最も大きい。このため、2番目に融解量が多かった塩化カルシウムを融雪材料として選択し、この出願の発明である二層構造融雪剤を作成することにした。
【0029】
図4には、この出願の発明である二層構造融雪剤の作成手順について例示した。篩いにかけて粒径を1.88~2.41mmに揃えた石粒と、粒径が3.81mmである石粒とを、蓄熱材料として用意した。そして、ウォーターホッターを用い蒸留水を60℃まで加熱し、この中に塩化カルシウムを投入し、溶解させる。そして、柱状結晶が現れ6水和物となったことが確認されたら、冷却する。冷却後、塩化カルシウム溶液中に、ネットにより包まれた石粒を浸し放置する。しばらくすると、石粒表面が塩化カルシウムによりコーティングされる。塩化カルシウムによりコーティングされた石粒を目の細かい金網上に設置し、約75℃の乾燥機中にて11時間程度乾燥し2水和物とする。
【0030】
作成された蓄熱剤において、石粒と塩化カルシウムの体積比は、石粒:塩化カルシウム=8.2:1.8であった。この出願の発明においては、体積比は、融雪材料と蓄熱材料の組み合わせにより、適宜設定されるものとする。
【0031】
氷供試体上に、作成した二層構造融雪剤を散布し、融氷効果の検証を行った。散布量は、以下に示すすべての実験において10gとした。
【0032】
図5は、この出願の発明である二層構造融雪剤、従来の塩化カルシウム融雪剤および単なる石粒を同量散布し、融氷効果の違いについて調べた結果である。
【0033】
塩化カルシウムは、初期において融氷量が多いが、時間経過とともに濃度が希釈され融氷量の伸びが鈍化する傾向にある。一方、単なる石粒は、陽光ランプからの熱エネルギーが蓄熱するまで時間がかかるため初期の融氷量は少ないが、50分を過ぎるあたりから融氷量が急激に伸び始める。しかしながら、120分間の融氷量の総量は、塩化カルシウムに及ばない。この出願の発明である二層構造融雪剤においては、体積比にして80%が石粒であることから、石粒と同様、50分を過ぎるあたりから融氷量が急激に伸び始める。しかし、初期段階においては、塩化カルシウムの融氷効果により、単なる石粒と比して格段に高い融氷量を示す。そして、80分を過ぎた時点で、塩化カルシウムが剥離し、石粒表面が露出し、蓄熱された陽光ランプの照射熱の放射がなされ、融氷量の総量が塩化カルシウムのそれを超えることとなる。
【0034】
2時間経過した時点での融氷量の総量は、この出願の発明である二層構造融雪剤が最も多かった。単に同量の塩化カルシウムを散布した場合には、時間経過とともに融氷量の伸びが鈍化するのに対し、この出願の発明である二層構造融雪剤においてはそれが見られず、熱エネルギーが照射されている限り長時間の融氷が可能であることが示された。また、単なる石粒と比しても、早期から高い融氷効果を持つことが示された。
【0035】
図6は、この出願の発明である二層構造融雪剤において、内層の蓄熱材料である石粒の粒径による融氷効果の違いについて調べた結果である。
【0036】
石粒の粒径が小さい場合(直径1.88~2.41mm)は、単位重量あたりの表面積が大きくなるため、陽光ランプの照射熱を吸熱しやすく、石粒の温度が上昇しやすく、また、放熱もしやすい。したがって、石粒の粒径が小さい場合の方が石粒の粒径が大きい場合(直径3.81mm)より初期における融氷量が多い。石粒の粒径が大きい場合には、質量が大きいため蓄熱に時間が掛かるが、一度温まると蓄熱量が多いため、120分を経過した後には、融氷量の総量が石粒の粒径が小さい場合を超えることとなる。
【0037】
図7は、蓄熱材料による融氷効果の違いについて調べた結果である。
【0038】
蓄熱材料として、石炭灰および石粒を利用した。それぞれの色は、石炭灰が灰色、石粒が黒色であった。石粒と比して石炭灰の表面は凹凸が多く、表面積が大きい。このため、前記の通りの作成手順により二層構造を形成した際に、塩化カルシウムのコーティング量が、石粒よりも多くなる。体積比は、石粒:塩化カルシウム=8.2:1.8に対して、石炭灰:塩化カルシウム=6.6:3.4であった。一方、石粒は黒色であることから、灰色である石炭灰と比べて吸熱性が高く、また、重量も大きい。
【0039】
したがって、図7に示したとおり、初期においては、石炭灰による融雪剤の融氷量が多く、ある程度時間が経過した後(60分経過後)、石粒による融雪剤の融氷量が逆転するという結果となる。
【0040】
以上より、この出願の発明である二層構造融雪剤による融雪や融氷の有効性が示された。この出願の発明である二層構造融雪剤は極めて高い融雪、融氷効果を長時間にわたって実現する。従来技術である塩化カルシウム単体での使用と比べて、融氷の持続時間および融氷量総量に関して優位性を示した。塩化カルシウムの含有量は、体積にして全体の20%であり、上記の結果は、この出願の発明である二層構造融雪剤が、従来の1/5という非常に少ない塩化カルシウムの使用量で、従来技術より高い融雪、融氷効果を実現することを示している。すなわち、これまでより環境に対する負荷の低い融雪、融氷の実現性を示唆するものである。
【0041】
【発明の効果】
この出願の発明によって、環境に対する負荷が少なく、高い融雪や融氷作用を示すとともに、アイスバーンによる車両や歩行者のスリップを防止する働きを備える融雪剤が提供される。
【0042】
この出願の発明である二層構造融雪剤は、散布という簡便な作業により、高い融雪効果を発揮するものであり、原材料も非常に安価である。積雪が直接的または間接的に原因となっている交通事故が多く発生していること、また、このような事故に悩まされている地域が国内ばかりではなく世界中に存在することから、人々の安全を守る手段として、この出願の発明である二層構造融雪剤の実用化が期待される。
【図面の簡単な説明】
【図1】この出願の発明である二層構造融雪剤の構成について例示した概要断面図である。
【図2】この出願の発明である二層構造融雪剤の実施例において、実験装置の構成について例示した概念図である。
【図3】この出願の発明である二層構造融雪剤の実施例において、6種類の融雪材料ごとに融解量の経時変化について調べた結果を例示した図である。
【図4】この出願の発明である二層構造融雪剤の作成手順について例示した概要図である。
【図5】この出願の発明である二層構造融雪剤の実施例において、この出願の発明である二層構造融雪剤、従来の塩化カルシウム融雪剤および単なる石粒を同量散布し、融氷効果の違いについて調べた結果を例示した図である。
【図6】この出願の発明である二層構造融雪剤の実施例において、内層の蓄熱材料である石粒の粒径による融氷効果の違いについて調べた結果を例示した図である。
【図7】この出願の発明である二層構造融雪剤の実施例において、蓄熱材料による融氷効果の違いについて調べた結果を例示した図である。
【符号の説明】
1 蓄熱材料
2 融雪材料
21 氷供試体
22 断熱材
23 陽光ランプ
24 変圧器
25 電源
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4
【図6】
5
【図7】
6