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明細書 :人体検知システム及び人体検知方法

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2017-190967 (P2017-190967A)
公開日 平成29年10月19日(2017.10.19)
発明の名称または考案の名称 人体検知システム及び人体検知方法
国際特許分類 G01V   8/20        (2006.01)
G01J   1/02        (2006.01)
G01J   1/42        (2006.01)
G01J   1/06        (2006.01)
G01J   5/48        (2006.01)
FI G01V 9/04 P
G01J 1/02 W
G01J 1/42 B
G01J 1/02 Q
G01J 1/06 B
G01J 5/48 D
請求項の数または発明の数 9
出願形態 OL
全頁数 14
出願番号 特願2016-079323 (P2016-079323)
出願日 平成28年4月12日(2016.4.12)
発明者または考案者 【氏名】嵯峨山 亨
【氏名】熊本 敏夫
出願人 【識別番号】507207214
【氏名又は名称】REVSONIC株式会社
【識別番号】591141784
【氏名又は名称】学校法人大阪産業大学
個別代理人の代理人 【識別番号】110001427、【氏名又は名称】特許業務法人前田特許事務所
審査請求 未請求
テーマコード 2G065
2G066
2G105
Fターム 2G065AA11
2G065AB02
2G065BA03
2G065BA13
2G065BA14
2G065BA34
2G065BB48
2G065BC14
2G065BC35
2G066AC13
2G066BA04
2G066BC15
2G066CA02
2G066CA08
2G105AA01
2G105BB16
2G105CC04
2G105EE06
2G105GG01
2G105GG09
2G105HH01
2G105KK05
要約 【課題】プライバシーを保護しつつ、簡単な構成で、居室内における人体の位置や姿勢等を立体的に検知することができる人体検知システムを提供する。
【解決手段】本発明の人体検知システムは、温度検知素子Dijがマトリックス状に配列されたアレイセンサ10と、アレイセンサの検出範囲内の人体を検知する検知手段20とを備え、温度検知素子は、検出範囲内において、互いに分割された検出領域Aijを検知するように、検知方向を異ならせて配列されており、行毎に温度検知素子で検出された信号を論理和した第1の論理和信号と、列毎に温度検知素子で検出された信号を論理和した第2の論理和信号とに基づいて、人体を検知した温度検知素子の配列位置を特定する特定部21を備えている。
【選択図】図3
特許請求の範囲 【請求項1】
個別の温度検知素子が複数個マトリックス状に配列されたアレイセンサと、
前記アレイセンサの出力に基づいて、前記アレイセンサの検出範囲内の人体を検知する検知手段と、を備えた人体検知システムであって、
前記温度検知素子は、それぞれ、前記検出範囲内において、互いに分割された検出領域を検知するように、検知方向を異ならせて配列されており、
前記アレイセンサの出力は、行毎に前記温度検知素子で検出された信号を論理和した第1の論理和信号と、列毎に前記温度検知素子で検出された信号を論理和した第2の論理和信号とを有し、
前記検知手段は、前記第1の論理和信号と、前記第2の論理和信号とに基づいて、前記マトリックス状に配列された前記温度検知素子のうち、人体を検知した前記温度検知素子の配列位置を特定する特定部を備えている、人体検知システム。
【請求項2】
前記検知手段は、前記特定部で特定した前記温度検知素子の配列位置に基づいて、前記検出範囲内における人体の位置及び/又は姿勢を判別する判別部をさらに備えている、請求項1に記載の人体検知システム。
【請求項3】
前記アレイセンサの検出範囲は、水平方向の領域及び鉛直方向の領域を含み、
前記互いに分割された検出領域は、前記水平方向の領域又は前記鉛直方向の領域の何れかに属する、請求項1または2に記載の人体検知システム。
【請求項4】
前記温度検知素子は、それぞれ、独立して検知方向が変更可能に前記アレイセンサに設置されている、請求項1~3の何れかに記載の人体検知システム。
【請求項5】
前記温度検知素子は、デュアル素子からなる焦電素子で構成されており、
前記温度検知素子は、前記デュアル素子の一対の受光部の配置方向が、前記水平方向の領域又は鉛直方向の領域に対して、45度の方向になるように、前記アレイセンサに設置されている、請求項3または4に記載の人体検知システム。
【請求項6】
前記温度検知素子は、デュアル素子からなる焦電素子で構成されており、
前記温度検知素子は、それぞれ、独立して、前記デュアル素子の一対の受光部の配置方向が、前記水平方向の領域又は鉛直方向の領域に対して変更可能になるよう、前記アレイセンサに設置されている、請求項3または4に記載の人体検知システム。
【請求項7】
前記温度検知素子は、それぞれ、独立して、検知感度を調整できる増幅・比較回路に接続されている、請求項1~6の何れかに記載の人体検知システム。
【請求項8】
個別の温度検知素子が複数個マトリックス状に配列されたアレイセンサの出力に基づいて、前記アレイセンサの検出範囲内の人体を検知する人体検知方法であって、
前記温度検知素子は、それぞれ、前記検出範囲内において、互いに分割された検出領域を検知するように、検知方向を異ならせて配列されており、
行毎に前記温度検知素子で検出された信号を論理和して、第1の論理和信号を出力する工程(a)と、
列毎に前記温度検知素子で検出された信号を論理和して、第2の論理和信号を出力する工程(b)と、
前記第1の論理和信号と、前記第2の論理和信号とに基づいて、前記マトリックス状に配列された温度検知素子のうち、人体を検知した温度検知素子の配列位置を特定する工程(c)と
を含む、人体検知方法。
【請求項9】
前記工程(c)で特定した前記温度検知素子の配列位置に基づいて、前記検出範囲内における人体の位置及び/又は姿勢を判別する工程をさらに含む、請求項8に記載の人体検知方法。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、温度検知素子がマトリックス状に配列されたアレイセンサを用いて、検出範囲内にいる人体の位置や姿勢等を検知する人体検知システム、及び人体検知方法に関する。
【背景技術】
【0002】
人体の動静を検知するデバイスとして、CCDやCMOS等の撮像素子(画素)をアレイ状に配列したイメージセンサがある。このイメージセンサを用いて、人体の動静を検知するためには、全ての画素の画像データを、走査回路を用いて行毎及び列毎にスキャンして、画像プレーンを生成し、各時点の画像プレーンを比較して、その差分から人体の動静を検知する必要がある。そのため、走査回路や、高度な画像処理を行うLSIが必要となり、システムが複雑化して、高コストになる。また、解像度の高いイメージセンサでは、人体の顔までも認識されるため、プライバシー保護の面でも問題になる。
【0003】
特許文献1には、赤外線アレイセンサの出力から、フレーム毎に各画素の時間軸方向の温度分散を算出して、所定値を超える温度分散値の画素を含むフレームの連続数を抽出し、この抽出したフレーム連続数に基づいて、人体の行動を特定する方法が開示されている。これにより、プライバシーを保護しつつ、人体の行動を検知することができる。
【先行技術文献】
【0004】

【特許文献1】特開2015-222191号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に開示された方法では、プライバシーを保護しつつ、転倒等の人体の動作を精度よく検知することはできるが、複雑な画像処理を行う必要があるため、コスト低減には至らない。
【0006】
本発明は、上記課題に鑑みなされたもので、その主な目的は、プライバシーを保護しつつ、簡単な構成で、居室内における人体の位置や姿勢等を立体的に検知することができる人体検知システム、及び人体検知方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る人体検知システムは、アレイセンサの出力に基づいて人体を検知するシステムにおいて、温度検知素子で検出された信号の行毎及び列毎に求めた論理和信号に基づいて、人体の位置や姿勢等を立体的に検知する構成を採用する。
【0008】
すなわち、本発明に係る人体検知システムは、 個別の温度検知素子が複数個マトリックス状に配列されたアレイセンサと、アレイセンサの出力に基づいて、アレイセンサの検出範囲内の人体を検知する検知手段とを備え、温度検知素子は、それぞれ、検出範囲内において、互いに分割された検出領域を検知するように、検知方向を異ならせて配列されており、アレイセンサの出力は、行毎に温度検知素子で検出された信号を論理和した第1の論理和信号と、列毎に温度検知素子で検出された信号を論理和した第2の論理和信号とを有し、検知手段は、第1の論理和信号と、第2の論理和信号とに基づいて、マトリックス状に配列された温度検知素子のうち、人体を検知した温度検知素子の配列位置を特定する特定部を備えていることを特徴とする。
【0009】
ある好適な実施形態において、上記検知手段は、特定部で特定した温度検知素子の配列位置に基づいて、検出範囲内における人体の位置及び/又は姿勢を判別する判別部をさらに備えている。
【0010】
ある好適な実施形態において、上記アレイセンサの検出範囲は、水平方向の領域及び鉛直方向の領域を含み、互いに分割された検出領域は、水平方向の領域又は鉛直方向の領域の何れかに属する。
【0011】
ある好適な実施形態において、上記温度検知素子は、それぞれ、独立して、検知方向が変更可能であるようにアレイセンサに設置されている。
【0012】
ある好適な実施形態において、上記温度検知素子は、デュアル素子からなる焦電素子で構成されており、温度検知素子は、デュアル素子の一対の受光部の配置方向が、水平方向の領域又は鉛直方向の領域に対して、45度の方向になるように、アレイセンサに設置されている。
【0013】
ある好適な実施形態において、上記温度検知素子は、デュアル素子からなる焦電素子で構成されており、温度検知素子は、それぞれ、独立して、デュアル素子の一対の受光部の配置方向が、水平方向の領域又は鉛直方向の領域に対して変更可能に、アレイセンサに設置されている。
【0014】
ある好適な実施形態において、上記温度検知素子は、それぞれ、独立して、検知感度を調整できる増幅・比較回路に接続されている。
【0015】
本発明に係る人体検知方法は、個別の温度検知素子が複数個マトリックス状に配列されたアレイセンサの出力に基づいて、アレイセンサの検出範囲内の人体を検知する人体検知方法であって、温度検知素子は、それぞれ、検出範囲内において、互いに分割された検出領域を検知するように、検知方向を異ならせて配列されており、行毎に温度検知素子で検出された信号を論理和して、第1の論理和信号を出力する工程(a)と、列毎に温度検知素子で検出された信号を論理和して、第2の論理和信号を出力する工程(b)と、第1の論理和信号と、第2の論理和信号とに基づいて、マトリックス状に配列された温度検知素子のうち、人体を検知した温度検知素子の配列位置を特定する工程(c)とを含むことを特徴とする。
【0016】
ある好適な実施形態において、上記工程(c)で特定した温度検知素子の配列位置に基づいて、検出範囲内における人体の位置及び/又は姿勢を判別する工程をさらに含む。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、プライバシーを保護しつつ、簡単な構成で、居室内における人体の位置や姿勢等を立体的に検知することができる人体検知システム、及び人体検知方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の一実施形態における人体検知システムに使用する赤外線アレイセンサの構成を模式的に示した斜視図である。
【図2】赤外線アレイセンサを、居室の天井近くの壁に取り付けたときの赤外線アレイセンサの検出範囲の一例を示した図である。
【図3】本発明の一実施形態における人体検知システムの構成を模式的に示した構成図である。
【図4】赤外線アレイセンサを構成する3×3のマトリックス状に配列された赤外線検出素子を示した図である。
【図5】一番上の行の赤外線検出素子、及びの一番左の列の赤外線検出素子の出力が、論理和回路に入力された状態を示した図である。
【図6】各入力ポートに入力された信号から、人体を検知した赤外線検出素子の配列位置を特定する方法を示した図である。
【図7】赤外線アレイセンサを、居室の天井近くの壁に取り付けたときの赤外線アレイセンサの検出範囲の一例を示した図である。
【図8】赤外線アレイセンサを構成する3×3のマトリックス状に配列された赤外線検出素子を示した図である。
【図9】各入力ポートに入力された信号から、人体を検知した赤外線検出素子の配列位置を特定する方法を示した図である。
【図10】居室の天井近くの壁に取り付けた赤外線アレイセンサの検出範囲を示した図である。
【図11】赤外線アレイセンサを構成する3×3のマトリックス状に配列された赤外線検出素子を示した図である。
【図12】各入力ポートに入力された信号から、人体を検知した赤外線検出素子の配列位置を特定する方法を示した図である。
【図13】デュアル素子からなる焦電素子の設置例を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、本発明は、以下の実施形態に限定されるものではない。また、本発明の効果を奏する範囲を逸脱しない範囲で、適宜変更は可能である。

【0020】
図1は、本発明の一実施形態における人体検知システムに使用する赤外線アレイセンサ10の構成を模式的に示した斜視図である。

【0021】
図1に示すように、本実施形態における赤外線アレイセンサ10は、表面が球面状の支持体11の表面に、個別の赤外線検出素子D11、D12、D13、・・・D33が、マトリックス状に配列されて設置されている。図1では、9個の赤外線検出素子Dij(i、j=1、2、3)が、3×3のマトリックス状に配列されている例を示したが、赤外線検出素子Dijの数は、特に限定されない。また、行と列の数は、必ずしも同じでなくてもよい。

【0022】
赤外線検出素子Dijは、それぞれ、赤外線アレイセンサ10の検出範囲内において、互いに分割された検出領域を検知するように、検知方向を異ならせて配列されている。例えば、各赤外線検出素子Dijの検出方向を、球面状になっている支持体11の表面の法線方向に向けて設置することで、検出領域を変えることができる。また、各赤外線検出素子Dijに、角度可変なレンズを設置することによって、検出領域を任意に変えることができる。

【0023】
図2は、赤外線アレイセンサ10を、居室の天井近くの壁に取り付けたときの赤外線アレイセンサ10の検出範囲の一例を示した図である。

【0024】
図2に示した例では、3×3のマトリックス状に配列された赤外線検出素子Dijのうち、真ん中の列の3つの赤外線検出素子D12、D22、D32の各検出領域A12、A22、A32を示している。赤外線検出素子D12の検出領域A12は、鉛直方向の領域(ここでは壁面V)に属し、赤外線検出素子D22、D32の各検出領域A22、A32は、水平方向の領域(ここでは床面H)に属している。なお、各検出領域A12、A22、A32は、互いに分割されていればよく、隣同士の検出領域A12、A22、A32の一部が重なり合っていてもよい。

【0025】
図3は、本発明の一実施形態における人体検知システム1の構成を模式的に示した構成図である。

【0026】
図3に示すように、本実施形態における人体検知システム1は、赤外線検出素子Dijが複数個マトリックス状に配列された赤外線アレイセンサ10と、赤外線アレイセンサ10の出力に基づいて、赤外線アレイセンサ10の検出範囲内の人体を検知する検知手段20とを備えている。

【0027】
図3には、9個の赤外線検出素子Dij(i、j=1、2、3)を、3×3のマトリックス状に配列した赤外線アレイセンサ10を例示している。ここで、各赤外線検出素子Dijには、増幅・比較回路12が接続されており、これにより、各赤外線検出素子Dijからの信号が論理信号に変換され出力される。

【0028】
図3に示すように、行毎に赤外線検出素子Dijで検出された信号は、それぞれ増幅・比較回路12を介して、第1の論理和回路S、S、Sに入力され、それぞれ、第1の論理和信号L、L、Lとして出力される。また、列毎に赤外線検出素子Dijで検出された信号は、それぞれ、第2の論理和回路S、S、Sに入力され、それぞれ、第2の論理和信号L、L、Lとして出力される。

【0029】
検知手段20は、例えば、マイクロコントローラで構成され、第1の論理和信号L、L、L、及び第2の論理和信号L、L、Lは、それぞれ、マイクロコントローラの入力ポートP~Pに入力される。

【0030】
検知手段20は、第1の論理和信号L、L、L、及び第2の論理和信号L、L、Lに基づいて、マトリックス状に配列された赤外線検出素子Dijのうち、人体を検知した赤外線検出素子Dijの配列位置を特定する特定部21を備えている。また、特定部21で特定した赤外線検出素子Dijの配列位置に基づいて、検出範囲内における人体の位置及び/又は姿勢を判別する判別部22を備えている。

【0031】
図4~図6を参照しながら、図3に示した赤外線アレイセンサ10において、1個の赤外線検出素子Dijだけが、検出領域Aijで人体を検知した場合を例に、特定部21において、人体を検知した赤外線検出素子Dijの配列位置を特定する方法を説明する。

【0032】
図4は、図3に示した赤外線アレイセンサ10を構成する3×3のマトリックス状に配列された赤外線検出素子Dijを示した図で、各赤外線検出素子Dijの増幅・比較回路12からの出力をVij(i、j=1、2、3)としている。

【0033】
図5は、一番上の行の赤外線検出素子D11、D12、D13の出力V11、V12、V13が、第1の論理和回路Sに入力され、また、一番左の列の赤外線検出素子D11、D21、D31の出力V11、V21、V31が、第2の論理和回路S4に入力された状態を示した図である。ここでは、V11だけが、パルス信号を出力している。そして、第1の論理和回路Sからは、第1の論理和信号Lのパルス信号VL1が出力され、第2の論理和回路Sからは、第2の論理和信号Lのパルス信号VL4が出力される。そして、第1の論理和信号Lのパルス信号VL1、及び第2の論理和信号Lのパルス信号VL4が、それぞれ、検知手段20の入力ポートP、Pに入力される。なお、他の入力ポートP、P、P、Pには、パルス信号は入力されない。

【0034】
図6は、各入力ポートP~Pに入力された信号から、特定部21において、人体を検知した赤外線検出素子Dijの配列位置を特定する方法を示した図である。特定部21では、どの行の第1の論理和信号がパルス信号として入力され、また、どの列の第2の論理和信号がパルス信号として入力されたかを判別する。具体的には、例えば、次の様な方法で判別することができる。

【0035】
特定部21には、個々の入力ポートP~Pに対応したフラグビットが配置されており、パルス信号VL1~VL6が入力されれば、当該フラグビットを“1”にセットされる。第1の論理和回路S~Sから少なくとも1つ、第2の論理和回路S~Sから少なくとも1つ、パルス信号VL1~VL6が入力されるので、赤外線検出素子Dijが人体を検出すれば、少なくとも2つのフラグビットが同時にセットされる。特定部21のいずれかのフラグビットが”1“にセットされると、判別部22が起動され、特定部21のどのフラグビットがセットされているかを調べ、人体を検知した赤外線検出素子Dijを判別する。

【0036】
図6に示した例では、一番上の行の第1の論理和信号(入力ポートPに入力された信号)がパルス信号VL1として、また、一番左の第2の論理和信号(入力ポートPに入力された信号)がパルス信号VL4として入力されたことが判別される。そして、この第1の論理和信号Lと、第2の論理和信号Lとの交点に位置する赤外線検出素子Dijが、人体を検知した赤外線検出素子Dijの配列位置(i、j)として特定される。図6に示した例では、入力ポートPを示す横線と、入力ポートPを示す縦線との交点に位置する赤外線検出素子D11が、人体を検知した赤外線検出素子として特定される。これにより、赤外線検出素子D11の検出領域A11に、人体がいることが検出できる。

【0037】
次に、図7~図9を参照しながら、図3に示した赤外線アレイセンサ10を用いて、赤外線アレイセンサ10の検出範囲内で、人体の位置や姿勢を立体的に検出する方法を説明する。

【0038】
図7は、赤外線アレイセンサ10を、居室の天井近くの壁に取り付けたときの赤外線アレイセンサ10の検出範囲の一例を示した図である。図2に示した例と同様に、3×3のマトリックス状に配列された赤外線検出素子Dijのうち、真ん中の列の3つの赤外線検出素子D12、D22、D32は、それぞれ検出領域A12、A22、A32を検知するように、検知方向を変えて赤外線アレイセンサ10に配設されている。ここで、赤外線検出素子D12の検出領域A12は、鉛直方向の領域(ここでは壁面V)に属し、赤外線検出素子D22、D32の各検出領域A22、A32は、水平方向の領域(ここでは床面H)に属している。

【0039】
もし、人体Mが、床面Hの中央部付近に立っているとすると、検出領域A12、A22に人体Mがかかっているため、図8に示すように、赤外線検出素子D12、D22から、人体Mの検出を示すパルス信号V12、V22が出力される。

【0040】
一番上と真ん中の行にある赤外線検出素子D12、D22の出力V12、V22は、それぞれ、行方向の第1の論理和回路S、Sに入力され、また、真ん中の列に並ぶ赤外線検出素子D12、D22の出力V12、V22は、列方向の第2の論理和回路Sに入力される。そして、第1の論理和回路S、Sからは、第1の論理和信号L、Lのパルス信号VL1、VL2が出力され、第2の論理和回路Sからは、第2の論理和信号Lのパルス信号VL5が出力され、それぞれ、検知手段20の入力ポートP、P、Pに入力される。なお、他の入力ポートP、P、Pには、パルス信号は入力されない。

【0041】
すなわち、図9に示すように、入力ポートP、Pを示す横線に、パルス信号VL1、VL2が印加され、入力ポートPを示す縦線に、パルス信号VL5が印加される。そして、入力ポートP、Pを示す横線と、入力ポートPを示す縦線との交点C、Cに位置する赤外線検出素子D12、D22が、人体Mを検知した赤外線検出素子として特定される。これにより、検出領域A12、A22に、人体Mが立っている可能性が高いと判別することができる。

【0042】
なお、このような判別は、判別部22において行われるが、具体的には、特定部21のフラグビットがセットされることで起動される割り込み処理プログラムにより行うことができる。

【0043】
次に、図10~図12を参照しながら、人体の位置や姿勢を立体的に検出する他の例として、人体が床面Hに座っている場合を説明する。

【0044】
図10は、図7に示したのと同様に、居室の天井近くの壁に取り付けた赤外線アレイセンサ10の検出範囲を示した図である。すなわち、真ん中の列の3つの赤外線検出素子D12、D22、D32は、それぞれ検出領域A12、A22、A32を検知するように、赤外線アレイセンサ10に配設されている。

【0045】
もし、人体Mが、床面Hの中央部付近に座っているとすると、検出領域A22のみに人体Mがかかっているため、図11に示すように、真ん中の赤外線検出素子D22のみから、人体Mの検出を示すパルス信号V22が出力される。その結果、真ん中にある赤外線検出素子D22の出力V22のみが、それぞれ、行方向の第1の論理和回路S、及び列方向の第2の論理和回路Sに入力される。そして、第1の論理和回路Sからは、第1の論理和信号Lのパルス信号VL2が出力され、第2の論理和回路Sからは、第2の論理和信号Lのパルス信号VL5が出力され、それぞれ、検知手段20の入力ポートP、Pに入力される。なお、他の入力ポートP、P、P、Pには、パルス信号は入力されない。

【0046】
すなわち、図12に示すように、入力ポートPを示す横線に、パルス信号VL2が印加され、入力ポートPを示す縦線に、パルス信号VL5が印加される。そして、入力ポートPを示す横線と、入力ポートPを示す縦線との交点Cに位置する赤外線検出素子D22が、人体Mを検知した赤外線検出素子として特定される。これにより、検出領域A22に、人体Mが座っている、若しくは寝ている可能性が高いと判別することができる。

【0047】
以上、説明したように、本実施形態における人体検知システムでは、マトリックス状の赤外線検出素子Dijを、それぞれ、互いに分割された検出領域Aijを検知するように、検知方向を異ならせて配列させることによって、行毎に赤外線検出素子Dijで検出された信号を論理和した第1の論理和信号と、列毎に赤外線検出素子Dijで検出された信号を論理和した第2の論理和信号とに基づいて、人体を検知した赤外線検出素子Dijの配列位置を特定することができる。これにより、特定された赤外線検出素子Dijの配列位置に基づいて、人体の位置や姿勢等を判別することができる。

【0048】
また、赤外線アレイセンサ10の検出範囲が、水平方向の領域及び鉛直方向の領域を含み、互いに分割された検出領域Aijが、水平方向の領域又は鉛直方向の領域の何れかに属することによって、人体の位置や姿勢等を立体的に検知することができる。

【0049】
また、各赤外線検出素子Dijは、人体(発熱体)から放射される赤外線を検知するだけなので、赤外線アレイセンサ10の解像度は低く、プライバシーの保護を図ることができる。

【0050】
また、各赤外線検出素子Dijで検出された信号を、行毎及び列毎に論理和をとるだけで、人体の位置や姿勢等を判別することができるため、複雑な画像処理を行う必要がなく、簡単な構成で、コスト低減を図ることができる。

【0051】
以上、本発明を好適な実施形態により説明してきたが、こうした記述は限定事項ではなく、もちろん、種々の改変が可能である。

【0052】
例えば、上記実施形態では、人体(発熱体)を検知する素子として、赤外線検出素子を例に説明したが、これに限定されず、人体(発熱体)から放射される熱を検知する温度検知素子であればよい。例えば、温度検知素子として、焦電素子、サーモパイル等を用いることができる。

【0053】
また、上記実施形態では、赤外線検出素子を、それぞれ、互いに分割された検出領域を検知するように、検知方向を異ならせて配列したが、赤外線検出素子を、それぞれ、独立して検知方向が変更可能に赤外線アレイセンサに設置してもよい。これにより、赤外線アレイセンサを配設する場所に応じて、人感の反応を確認しながら、各赤外線検出素子の検知方向を独立に変更することによって、空間の検知感度を最大にすることができる。

【0054】
また、赤外線検出素子として、1枚の焦電体基板に2個の受光部を形成したデュアル素子からなる焦電素子を用いた場合、焦電素子の検知感度は、デュアル素子の一対の受光部の配置方向に対して、方向性をもつ。すなわち、人体が一対の受光部の配置方向に平行な方向に移動するときの検知感度と、垂直な方向に移動するときの検知感度との間に差が生じる。従って、空間の検知感度をできるだけ均等にするためには、図13に示すように、デュアル素子の一対の受光部30、30の配置方向を、水平方向の領域H又は鉛直方向の領域Vに対して、45度の方向になるように、赤外線アレイセンサ10に設置することが好ましい。

【0055】
また、赤外線検出素子を、それぞれ、独立して、デュアル素子の一対の受光部30、30の配置方向が、水平方向の領域又は鉛直方向の領域に対して変更可能に、赤外線アレイセンサ10に設置してもよい。これにより、各赤外線検出素子の検出領域における人体の動作特性に応じて、デュアル素子の一対の受光部30、30の配置方向を、それぞれ独立に変更することができるため、人体の動作をより精度よく検知することができる。

【0056】
また、赤外線検出素子として、1枚の焦電体基板に4個の受光部を形成したクワッド素子を用いてもよい。

【0057】
また、人体の移動速度によって、赤外線検出素子の出力信号が異なるため、検知感度のバラツキが生じる場合がある。そのため、赤外線検出素子の検知感度を、赤外線アレイセンサの検出範囲内にける人体の動作特性に応じて、調整できる機能を有していることが好ましい。さらに、赤外線検出素子は、それぞれ、独立して、検知感度を調整する機能を備えていることが好ましい。具体的には、赤外線検出素子に接続された各増幅・比較回路12で、検知感度を調整することができる。これにより、人体の空間的な動作をより精度よく検知することができる。
【符号の説明】
【0058】
1 人体検知システム
10 赤外線アレイセンサ(アレイセンサ)
11 支持体
12 増幅・比較回路
20 検知手段
21 特定部
22 判別部
30 受光部
ij 赤外線検出素子(温度検知素子)
ij 検出領域
~S 第1の論理和回路
~S 第2の論理和回路
~L 第1の論理和信号
~L 第2の論理和信号
~P 入力ポート
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4
【図6】
5
【図7】
6
【図8】
7
【図9】
8
【図10】
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【図11】
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【図12】
11
【図13】
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