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明細書 :神経再生用移植材料、神経再生用移植材料の製造方法、及び神経再生用移植材料製造用キット

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 再公表特許(A1)
発行日 平成29年9月21日(2017.9.21)
発明の名称または考案の名称 神経再生用移植材料、神経再生用移植材料の製造方法、及び神経再生用移植材料製造用キット
国際特許分類 A61L  27/24        (2006.01)
A61L  27/54        (2006.01)
FI A61L 27/24
A61L 27/54 ZNA
国際予備審査の請求
全頁数 24
出願番号 特願2016-554137 (P2016-554137)
国際出願番号 PCT/JP2015/079334
国際公開番号 WO2016/060252
国際出願日 平成27年10月16日(2015.10.16)
国際公開日 平成28年4月21日(2016.4.21)
優先権出願番号 2014212085
優先日 平成26年10月16日(2014.10.16)
優先権主張国 日本国(JP)
指定国 AP(BW , GH , GM , KE , LR , LS , MW , MZ , NA , RW , SD , SL , ST , SZ , TZ , UG , ZM , ZW) , EA(AM , AZ , BY , KG , KZ , RU , TJ , TM) , EP(AL , AT , BE , BG , CH , CY , CZ , DE , DK , EE , ES , FI , FR , GB , GR , HR , HU , IE , IS , IT , LT , LU , LV , MC , MK , MT , NL , NO , PL , PT , RO , RS , SE , SI , SK , SM , TR) , OA(BF , BJ , CF , CG , CI , CM , GA , GN , GQ , GW , KM , ML , MR , NE , SN , TD , TG) , AE , AG , AL , AM , AO , AT , AU , AZ , BA , BB , BG , BH , BN , BR , BW , BY , BZ , CA , CH , CL , CN , CO , CR , CU , CZ , DE , DK , DM , DO , DZ , EC , EE , EG , ES , FI , GB , GD , GE , GH , GM , GT , HN , HR , HU , ID , IL , IN , IR , IS , JP , KE , KG , KN , KP , KR , KZ , LA , LC , LK , LR , LS , LU , LY , MA , MD , ME , MG , MK , MN , MW , MX , MY , MZ , NA , NG , NI , NO , NZ , OM , PA , PE , PG , PH , PL , PT , QA , RO , RS , RU , RW , SA , SC , SD , SE , SG , SK , SL , SM , ST , SV , SY , TH , TJ , TM , TN , TR , TT , TZ , UA , UG , US
発明者または考案者 【氏名】内田 健太郎
【氏名】井上 玄
【氏名】藤巻 寿子
【氏名】高相 晶士
【氏名】佐久 太郎
【氏名】礒部 仁博
【氏名】松下 治
【氏名】美間 健彦
【氏名】西 望
【氏名】服部 俊治
【氏名】田中 啓友
【氏名】小倉 孝之
出願人 【識別番号】598041566
【氏名又は名称】学校法人北里研究所
【識別番号】399072222
【氏名又は名称】株式会社アトリー
【識別番号】504147243
【氏名又は名称】国立大学法人 岡山大学
【識別番号】304028346
【氏名又は名称】国立大学法人 香川大学
【識別番号】000135151
【氏名又は名称】株式会社ニッピ
個別代理人の代理人 【識別番号】100106909、【弁理士】、【氏名又は名称】棚井 澄雄
【識別番号】100188558、【弁理士】、【氏名又は名称】飯田 雅人
審査請求 未請求
テーマコード 4C081
Fターム 4C081AB18
4C081BA12
4C081CD121
4C081CE02
4C081DA03
要約 1)配向性を有するコラーゲンを含むコラーゲン基材を具備することを特徴とする神経再生用移植材料。2)配向性を有するコラーゲンを含むコラーゲン基材を、受容体アゴニストペプチド部とコラーゲン結合性ペプチド部とを含むコラーゲン結合部位含有成長因子を含有する溶液に浸漬させて、前記コラーゲンに前記コラーゲン結合部位含有成長因子を結合させる工程を有する神経再生用移植材料の製造方法。3)配向性を有するコラーゲンを含むコラーゲン基材、及び受容体アゴニストペプチド部とコラーゲン結合性ペプチド部とを含むコラーゲン結合部位含有成長因子、を備えたことを特徴とする神経再生用移植材料製造用キット。
特許請求の範囲 【請求項1】
配向性を有するコラーゲンを含むコラーゲン基材を具備する神経再生用移植材料。
【請求項2】
前記コラーゲンに、受容体アゴニストペプチド部とコラーゲン結合性ペプチド部とを含むコラーゲン結合部位含有成長因子が結合してなる請求項1に記載の神経再生用移植材料。
【請求項3】
中空の筒体形状を有し、該筒体の内面の少なくとも一部が前記コラーゲン基材により構成された請求項1又は2に記載の神経再生用移植材料。
【請求項4】
前記コラーゲンが、前記筒体の両端の開口部を結ぶ方向に配向性を有する請求項3に記載の神経再生用移植材料。
【請求項5】
前記コラーゲン結合部位含有成長因子は、前記成長因子受容体アゴニストペプチド部とコラーゲン結合性ペプチド部とがリンカー部を介して結合されたものであり、
前記リンカー部が、コラゲナーゼの多発性嚢胞腎Iドメインである請求項2~4のいずれか一項に記載の神経再生用移植材料。
【請求項6】
前記成長因子受容体アゴニストペプチド部は、塩基性線維芽細胞増殖因子である、請求項2~5のいずれか一項に記載の神経再生用移植材料。
【請求項7】
前記コラーゲン基材は、複数のコラーゲン基材層からなる請求項1~6のいずれか一項に記載の神経再生用移植材料。
【請求項8】
前記コラーゲン基材の厚みが、50μm以上、200μm以下である請求項1~7のいずれか一項に記載の神経再生用移植材料。
【請求項9】
配向性を有するコラーゲンを含むコラーゲン基材を、受容体アゴニストペプチド部とコラーゲン結合性ペプチド部とを含むコラーゲン結合部位含有成長因子を含有する溶液に浸漬させて、前記コラーゲンに前記コラーゲン結合部位含有成長因子を結合させる工程を有する神経再生用移植材料の製造方法。
【請求項10】
配向性を有するコラーゲンを含むコラーゲン基材、
及び受容体アゴニストペプチド部とコラーゲン結合性ペプチド部とを含むコラーゲン結合部位含有成長因子、
を備えた神経再生用移植材料製造用キット。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、神経再生用移植材料、神経再生用移植材料の製造方法、及び神経再生用移植材料製造用キットに関する。
本願は、2014年10月16日に、日本に出願された特願2014-212085号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
【背景技術】
【0002】
交通外傷や腫瘍切除に伴う神経損傷に対し、健常な神経組織を移植する自家神経移植術が行われている。しかし、ドナーとして用いることのできる神経組織の長さや径に限度があることやドナー採取部位の損傷が問題となっている。近年、生体材料からなる人工神経が開発されているが、十分な成績は得られていない。
一方、神経損傷の自己修復を促進させる試みも従来行われてきた。特許文献1には、コラーゲンを神経再生の足場として使用する神経再生誘導管が開示されている。特許文献2及び3には生分解性ポリマー繊維から編成された管状体にコラーゲンが塗布、充填等されてなる神経再生誘導管が開示されている。
【0003】
また近年、生体移植材料として利用可能な、配向性を有するコラーゲンの開発が行われてきた(特許文献4及び特許文献5)。特許文献5においては、配向性を有するコラーゲンの生体適合材料への利用として、骨芽細胞又は間葉系幹細胞を播種することにより、コラーゲンの配向性の方向と略一致した配向性を有するアパタイトを、前記コラーゲンの表面及び/又は内部に生成・固定させたコラーゲン/アパタイト配向性材料の製造方法が開示されている。これは、骨組織に類似した特徴を有する生体適合性材料を提供するものである。
神経欠損は時間経過とともに重度の機能障害をもたらし、患者の生活の質を著しく低下させることに加え、長期にわたる治療は患者の社会復帰遅延、医療費増加に直結する。したがって、例えば、より早期に神経損傷を回復させることのできる技術の開発が求められている。
【先行技術文献】
【0004】

【特許文献1】特許第4572996号公報
【特許文献2】特許第4596335号公報
【特許文献3】特許第4640533号公報
【特許文献4】国際公開第2012/114707号
【特許文献5】特開2012-65742号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、効率的に神経再生を可能にする神経再生用移植材料の提供を課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究した結果、従来神経再生用として用いられることの無かった配向性を有するコラーゲン線維を含むコラーゲン基材を、神経再生用移植材料に備えることで、効率的な神経損傷部位の再生を実現可能であることを見出し、本発明を完成させた。すなわち本発明は以下の通りである。
【0007】
(1)配向性を有するコラーゲンを含むコラーゲン基材を具備する神経再生用移植材料。
(2)前記コラーゲンに、受容体アゴニストペプチド部とコラーゲン結合性ペプチド部とを含むコラーゲン結合部位含有成長因子が結合してなる前記(1)に記載の神経再生用移植材料。
(3)中空の筒体形状を有し、該筒体の内面の少なくとも一部が前記コラーゲン基材により構成された前記(1)又は(2)に記載の神経再生用移植材料。
(4)前記コラーゲンが、前記筒体の両端の開口部を結ぶ方向に配向性を有する前記(3)に記載の神経再生用移植材料。
(5)前記コラーゲン結合部位含有成長因子は、前記成長因子受容体アゴニストペプチド部とコラーゲン結合性ペプチド部とがリンカー部を介して結合されたものであり、
前記リンカー部が、コラゲナーゼの多発性嚢胞腎Iドメインである前記(2)~(4)のいずれか一つに記載の神経再生用移植材料。
(6)前記成長因子受容体アゴニストペプチド部は、塩基性線維芽細胞増殖因子である、前記(2)~(5)のいずれか一つに記載の神経再生用移植材料。
(7)前記コラーゲン基材は、複数のコラーゲン基材層からなる前記(1)~(6)のいずれか一つに記載の神経再生用移植材料。
(8)前記コラーゲン基材の厚みが、50μm以上、200μm以下である前記(1)~(7)のいずれか一つに記載の神経再生用移植材料。
(9)配向性を有するコラーゲンを含むコラーゲン基材を、受容体アゴニストペプチド部とコラーゲン結合性ペプチド部とを含むコラーゲン結合部位含有成長因子を含有する溶液に浸漬させて、前記コラーゲンに前記コラーゲン結合部位含有成長因子を結合させる工程を有する神経再生用移植材料の製造方法。
(10)配向性を有するコラーゲンを含むコラーゲン基材、
及び受容体アゴニストペプチド部とコラーゲン結合性ペプチド部とを含むコラーゲン結合部位含有成長因子、
を備えた神経再生用移植材料製造用キット。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、神経再生効率に優れた神経再生用移植材料を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】実施例において作製した配向性コラーゲンチューブAの外観を写した写真である。
【図2】(a)移植から12週経過後の配向性コラーゲンチューブ移植部分の肉眼所見(写真)である。(b)移植から12週経過後の配向性コラーゲンチューブ移植部分のHE染色像である。(c)図2(b)に示すHE染色像枠内の拡大画像である。
【図3】神経節細胞のFAST Blue標識像である。
【図4】配向性コラーゲンチューブ移植後のラットに対する運動機能の評価結果を示すグラフである。
【図5】溶液中に添加したbFGF-PKD-CBD融合タンパク質量と、配向性コラーゲンチューブへ結合したbFGF-PKD-CBD融合タンパク質量の関係を示すグラフである。
【図6】配向性コラーゲンチューブ移植後のラットに対するvon Frey filamentによる行動学的評価結果を示すグラフである。
【図7】コラーゲンチューブ移植部分に再生した神経のトルイジンブルー染色像である。
【図8】CBDを有する細菌性コラゲナーゼの分子系統樹、及びそれらのドメインを示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
≪神経再生用移植材料≫
<コラーゲン基材>
本発明の神経再生用移植材料は、配向性を有するコラーゲンを含むコラーゲン基材を具備するものである。

【0011】
配向性を有するコラーゲンとは、単体のコラーゲンゲル、乾燥コラーゲンゲルなどの線維状コラーゲンの走行方向がある方位に揃っているコラーゲンを意味する。配向性を有するコラーゲンが、金属、セラミックス、高分子材料、又は生体材料からなる基板にコートされている場合(コラーゲン基板ともいう。)には、配向性を有するコラーゲンとは、各種形状に加工された金属、セラミックス、高分子材料、又は生体材料等の基板にコートされたコラーゲンゲル、乾燥コラーゲンゲルなどにおける線維状コラーゲンの走行方向がある方位に揃っているコラーゲンを意味する。
線維状コラーゲンの走行方向がある方位に揃っているとは、コラーゲン基材において、ある方位へ走行する線維状コラーゲンの割合が、別の方位へ走行する線維状コラーゲンの割合よりも高い状態をいう。
なお、線維状コラーゲンの「走行方向」と、配向性の方向、方位、配向、配向性、配向性の向きとは、同じ意味で用いている。

【0012】
配向性を有するコラーゲンゲルを準備する方法は、常法により特に限定されない。例えば、ミリメーターオーダー以上のコラーゲンゲルに配向性を与えるには、コラーゲン溶液をゲル化する過程でコラーゲン溶液に一定方向の流れを与える方法が提案されているが、他の方法としてもよい。他の方法としては、コラーゲン線維が形成される過程において強力な磁場を印加する方法、コラーゲンゲルをスピンコートする方法、コラーゲンゲルを一定方向にメカニカルに(物理的に)延伸する方法などを挙げることができる。

【0013】
コラーゲン線維が形成される過程において強力な磁場を印加する方法により、配向性を有するコラーゲンゲル断片を準備する場合、磁場に対してコラーゲン線維は垂直に配列するので、磁場を同じ方向からかけ続けると2次元の配列になり、回転磁場を与えると1軸配向となる。このような配向を有するコラーゲンゲルを、出発材料として用いたい場合に磁場を用いた方法を使用可能である。但し、磁場であれば、基本的には均一な配列をもったもののみ作製が可能で、マクロ形状も限定される傾向にある。これに対して、コラーゲン溶液をゲル化する過程でコラーゲン溶液に一定方向の流れを与える方法によって、配向性を有するコラーゲンゲルを準備する場合には、液体の流れを利用するためシート状の形状を含む様々な形状やそれを積層させることで、3次元的に配向性の異なるコラーゲンを作製可能である。

【0014】
このような方法においては、配向性コラーゲン(コラーゲン単体)は、コラーゲン溶液の流れを利用してコラーゲンゲルとして固めるプロセスで配向性を与えることによって得ることができる。これにより、ストリング形状、幅の広いリボン形状等、各種形状(線、面、立体)の配向性コラーゲンゲル又はコラーゲンゲル断片の作製が可能である。また、その際に、流れの速度を制御することで、配向性の程度を制御することも可能である。そのため、同一コラーゲンゲル内においても、配向性の方向、配向性の程度を制御して分布をもたせることは可能である。

【0015】
例えば、コラーゲン溶液をゲル化する過程でコラーゲン溶液に一定方向の流れを与える方法において説明すると、コラーゲン溶液の濃度は、得られるコラーゲン又はコラーゲン基板が十分な機械的強度を有するためには10mg/ml以上が好ましいが、3mg/ml程度以上のものであってもよい。コラーゲンの由来は問わない。また、由来する動物の種、組織部位、年齢等は特に限定されない。例えば、ラット尾、豚皮、牛皮、ダチョウ、魚などの動物等から抽出したものを使用できる。すなわち、哺乳動物(例えばウシ、ブタ、ウマ、ウサギ、ネズミ等)や鳥類(例えばニワトリ等)の皮膚、骨、軟骨、腱、臓器等から得られるコラーゲンを使用できる。また魚類(例えばタラ、ヒラメ、カレイ、サケ、マス、マグロ、サバ、タイ、イワシ、サメ等)の皮、骨、軟骨、ひれ、うろこ、臓器等から得られるコラーゲン様蛋白を使用してもよい。なおコラーゲンの抽出方法は特に限定されず、一般的な抽出方法を使用することができる。また動物組織からの抽出ではなく、遺伝子組み替え技術によって得られたコラーゲンを使用してもよい。また、抗原性を抑えるために酵素処理したアテロコラーゲンを用いることができる。また、コラーゲンとしては酸可溶性コラーゲン、中性塩可溶性コラーゲン、酵素可溶化コラーゲン(アテロコラーゲン)等の未修飾可溶性コラーゲン、サクシニル化、フタル化等のアシル化、メチル化等のエステル化、アルカリ可溶化の脱アミド化等の化学修飾コラーゲン、さらにテンドンコラーゲン等不溶性のコラーゲンを用いることが出来る。さらにコラーゲン溶液に化学架橋剤、薬剤、酸素等の気泡を導入することもできる。導入方法は常法により特に限定されない。

【0016】
得られたコラーゲンの配向性の方位、配向性の程度は、例えば、ラマン分光顕微鏡によって定量的に評価が可能である。ラマン分光とは、分子に当たって散乱される光が分子の振動によって周波数変調を受けた成分を含むことを分光器によって調べることであり、分析対象の組成や結晶構造の情報を得ることができ、コラーゲンの配向性についても分析が可能となる。

【0017】
本発明の神経再生用移植材料は、配向性を有するコラーゲンを含むコラーゲン基材を具備しているため、コラーゲンの配向性に沿った神経細胞及び神経組織の再生を促すことができる。このときコラーゲン基材は、神経細胞の足場としての役割を果たすことができると考えられる。神経再生では空間的な配置の再生も重要となるため、配向性を有するコラーゲンを含むコラーゲン基材の利用は、大変有用である。神経損傷の修復を行う場合、例えば、神経の切断部位に神経再生用移植材料を配置し、本来の神経が通っていた方向とコラーゲンの配向とを合わせることで、より効率的に神経の再生を実現できる。

【0018】
(形状)
本発明の神経再生用移植材料の形状は特に制限されず、リボン、シート、チューブ、スポンジ、グレイン(粒)、ロッド、リング、スパイラル、スプリング(バネ)、ディスク、ドーム又はブロック等の形状を有し得る。

【0019】
上記に挙げた形状の作製にあたっては、例えば、まずストリング形状のものからシート状のコラーゲン材料(断片)を作製し、当該コラーゲン材料をさらに加工して種々の最終形状の3次元コラーゲン材料を作製することができる。3次元コラーゲン材料の作製は、国際公開第2012/114707号に挙げられた方法を採択するこができる。

【0020】
本発明の神経再生用移植材料は、上記に例示した形状のなかでも、中空の筒体形状(チューブ形状)を有することが好ましい。さらには、該筒体の内面の少なくとも一部又は全部が前記コラーゲン基材により構成されたものであることが好ましい。また、該筒体の内表面の少なくとも一部又は全部が前記コラーゲン基材により構成されたものであることが好ましい。筒体形状を有する神経再生用移植材料では、その筒体内部に神経再生させることができる。筒体は周囲の組織が筒体内部へと侵入することを防ぎ、同時に筒体内部では神経を保持できるので、より効率的に神経を再生させることができる。

【0021】
神経再生用移植材料が中空の筒体形状を有している場合、前記コラーゲンが、前記筒体の両端の開口部を結ぶ方向に配向性を有することが好ましい。筒体の両端の開口部を結ぶ方向は、例えば神経の欠損部分に筒体の神経再生用移植材料を挿入したときに、欠損した神経の末端同士を結ぶ方向となるため、より効率的に神経の再生を実現することができる。

【0022】
神経再生用移植材料が中空の筒体形状を有している場合とは、コラーゲン基材自体が筒体形状を有している場合が挙げられる。この場合、該コラーゲン基材は継ぎ目のないシームレスチューブであることが好ましい。継ぎ目とは、板状のコラーゲン基材の端を接続して筒体形状とする際に形成される、端同士の結合部である。シームレスチューブでは、チューブ内面で細胞成長がよりスムースとなるため好ましい。

【0023】
本発明の神経再生用移植材料は、生分解性材料からなり、配向性を有するコラーゲンを含むコラーゲン基材を具備するものであることがより好ましい。生分解性材料からなる神経再生用移植材料は、神経の再生が達成された後に、移植先の生体内で分解されるので、移植後の被移植者の負担を軽減できる。

【0024】
また、本発明の神経再生用移植材料が備える前記コラーゲン基材は、複数のコラーゲン基材層からなるものであってもよい。コラーゲン基材の重層化により、コラーゲン基材の厚み、強度等の物性を、容易に調整可能である。したがって、他の支持体を用いることなく、生分解性であるコラーゲン基材の調整のみで神経再生用移植材料の物性を調整可能である。

【0025】
例えば、神経再生用移植材料の一実施形態として、中空の筒体形状を有し、該筒体の内面の少なくとも一部が前記コラーゲン基材により構成され、前記コラーゲンが前記筒体の両端の開口部を結ぶ方向に配向性を有し、前記コラーゲン基材が複数のコラーゲン基材層からなるものを例示できる。このとき、筒体の最内面のコラーゲン基材層のコラーゲンは、筒体の両端の開口部を結ぶ方向に配向性を有していることが好ましい。最内面のコラーゲン基材層以外の層のコラーゲンは、配向性を有していてもよいし、有していなくてもよい。最内面のコラーゲン基材層以外の層のコラーゲンが配向性を有している場合、最内面のコラーゲン基材層以外の層のコラーゲンの配向性の向きは特に制限されない。しかし、最内面の層が生分解され、最内面のコラーゲン基材層以外の層が筒体の内面に露出することを考慮した場合には、最内面のコラーゲン基材層以外の層のコラーゲンも、前記筒体の両端の開口部を結ぶ方向に配向性を有していることが好ましい。一方、縫合性など強度を高めることを考慮した場合、最内面のコラーゲン基材層以外の層のコラーゲンは、前記筒体の両端の開口部を結ぶ方向以外の方向に配向性を有していることが好ましい。

【0026】
このように、コラーゲン基材を重層化させることで、神経再生用移植材料の機能性をより高めることができる。

【0027】
コラーゲン基材の厚みは、50μm以上であることが好ましく、70μm以上であることがより好ましい。
コラーゲン基材の厚みは、200μm以下であることが好ましく、170μm以下であることがより好ましく、130μm以下であることがさらに好ましい。
コラーゲン基材の厚みは、50μm以上200μm以下であることが好ましく、70μm以上170μm以下であることがより好ましく、70μm以上130μm以下であることがさらに好ましい。通常、50μm以上の厚みであると、移植操作が容易となり好都合である。また、通常200μm以下の厚みであると、生分解に要する時間が長すぎることなく生体への負担が軽減されるため好ましい。
コラーゲン基材の厚みは、乾燥状態コラーゲン基材の無作為に選択した10か所程度の厚みを測定し、その平均値として求めることができる。
コラーゲン基材が重層化している場合、コラーゲン基材の厚みとは、重層化した層全体の厚みを指す。コラーゲン基材が重層化している場合、単層の厚みを、目安として10~15 μm程度とすることを例示できる。

【0028】
本発明においては、コラーゲン基材は、乾燥状態での提供を基本とするが、乾燥状態にあるコラーゲン基材をPBS等に浸漬することによりゲル状の状態でも提供可能である。
本明細書中、乾燥状態のコラーゲン基材とは、水分含量が0~30質量%のコラーゲン基材をいう。水分含量は、常圧加熱乾燥法により求めることができる。
通常、乾燥するとコラーゲン基材の組織が一部破壊除去される可能性はあるが、保存性(形状維持が容易、またゲルのままでは水分を含んでいるので腐敗しやすい)、輸送性(ゲルだと水分を含んでいるので壊れやすい、容器にひっついて剥がす時に変形する等)の観点から乾燥材料のほうが扱いやすいといえる。
本発明において、乾燥状態のコラーゲン基材は、実際に使用する時にPBS、培養液でゲルに戻して使用することが可能である。本発明において、乾燥状態のコラーゲン基材は、乾燥させることにより、ゲルの水分が抜けて、コラーゲン線維組織が緻密になり、再度PBS、培養液でゲルに戻しても、元の体積よりも小さく、結果として組織の緻密さが残され、強度において、そして配向性において、製作時のゲルより優れることが多いといえる。
このように本発明においては、特徴として、乾燥状態でコラーゲン基材を提供することも可能である一方、PBS、培養液でゲルに戻してから提供することも可能である。

【0029】
<コラーゲン結合部位含有成長因子>
本発明の神経再生用移植材料は、配向性を有するコラーゲンを含むコラーゲン基材を具備し、前記コラーゲンに、受容体アゴニストペプチド部とコラーゲン結合性ペプチド部とを含むコラーゲン結合部位含有成長因子(Collagen-binding Growth factor;以下「CB-GF」とも称する。)が結合してなる「成長因子アンカーリング型神経再生用移植材料」であってもよい。
成長因子アンカーリング型神経再生用移植材料は、前記コラーゲン基材の有する神経再生作用に加え成長因子による相乗的な神経再生作用を期待することができる。しかも、成長因子は、コラーゲン基材のコラーゲン線維に結合しているため移植部に長く留まり、継続的な神経再生を促すことができる。

【0030】
ここで、コラーゲン基材に結合させるCB-GFの量に限定はないが、コラーゲン基材1mg(乾燥重量)にCB-GFを0.01~1ナノモル、好ましくは0.1~1ナノモル、より好ましくは0.5~1ナノモル結合したものであることが好ましい。1ナノモル以下で前記CB-GFが結合すると、神経再生の増加率が好ましく、一方、0.01ナノモル以上で前記CB-GFが結合すると、より効果的に神経再生効果が発揮される。

【0031】
(CB-GF)
CB-GFは、成長因子受容体のアゴニストペプチド部(以下、「GF部」とも称する。)とコラーゲン結合性ペプチド部(以下、「CB部」とも称する。)とを含むものであればその構造や製造方法に特に制限はなく、両ペプチド部が化学的に結合されたものであってもよく、GF部とCB部とを含む融合タンパクであってもよい。この際、たとえば、CB部が、直接またはポリペプチド断片からなるリンカー部を介して、GF部に連結されるものであってもよい。更に、GF部とCB部という二つのポリペプチドを、アミノ基を介してジスクシンイミドイルグルタレートやグルタルアルデヒドを含む試薬により架橋結合するものであってもよい。また、一つのポリペプチドをスクシンイミドイル-4-ヒドラジノニコチネート アセトンヒドラゾンにより、もう一方のポリペプチドをスクシンイミドイル-4-フォルミル ベンゾエートにより誘導化した後に、二つの誘導化されたポリペプチドを混合し、アミノ基を介して架橋結合してもよい。なお、上記以外にGF部とCB部とを結合するために、ポリペプチド以外の架橋剤その他の化合物でこれらを連結してもよい。

【0032】
(コラーゲン結合性ペプチド部)
CB-GFを構成する「コラーゲン結合性ペプチド部」は、コラーゲン基材のコラーゲン線維に成長因子受容体アゴニストペプチド部を結合させるための結合部として機能する部位である。前記したように、成長因子は神経再生作用を示すが、静脈注射などによって全身投与すると局所残存率が低く、持続的な神経再生作用を期待することができない場合がある。
しかしながら、CB-GFを使用すれば、CB-GFに含まれるCB部を介して架橋剤その他の化学的成分を使用せずにコラーゲン基材のコラーゲン線維にGF部を結合させることができる。成長因子アンカーリング型神経再生用移植材料は後述のように製造が容易であり、かつ架橋剤を使用しないため安全性に優れる。

【0033】
なお、「CB部」とは、コラーゲン線維の少なくとも一部と結合するものを広く対象とすることができる。コラーゲン線維と結合するポリペプチドとしては、例えば、コラゲナーゼ由来のコラーゲン結合部位などを例示することができる。コラゲナーゼ由来のコラーゲン結合部位の構造遺伝子の例としては、配列番号1に示すClostridium histolyticumコラゲナーゼ(以下、「ColH」と称する場合がある。)遺伝子(GenBankアクセッション番号D29981)の3001番目~3366番目の塩基配列を含むDNA断片がある。このDNA断片は、GenBankのアクセッション番号BAA06251で特定されるアミノ酸配列をコードするものであり、図8に示すように、CDで示される触媒部位と、CBDで示されるコラーゲン結合部位とを含む。配列番号1の塩基配列に併記するアミノ酸配列の901番目~1021番目のアミノ酸配列がCBDに該当する。同様に、GenBankのアクセッション番号BAA77453で特定されるClostridium histolyticumコラゲナーゼ(以下、「ColG」と称する場合がある。)、同アクセッション番号BAC57532で特定されるClostridium limosumコラゲナーゼ,同BAC57535で特定されるClostridium septicumコラゲナーゼ,同A36866で特定されるClostridium perfringensコラゲナーゼ,同BAC57545で特定されるClostridium novyiコラゲナーゼ,同BAC57541で特定されるClostridium bifermentansコラゲナーゼ,同BAC57550で特定されるClostridium sordelliiコラゲナーゼ、同AAO37456で特定されるClostridium tetaniコラゲナーゼ,同YP_001254122で特定されるClostridium botulinumコラゲナーゼ,同BAC57538で特定されるClostridium sporogenesコラゲナーゼ,同NP_833262で特定されるBacillus cereusコラゲナーゼ,同NP_979836で特定されるBacillus cereusコラゲナーゼ,同NP_833262で特定されるBacillus cereusコラゲナーゼ,同NP_979836で特定されるBacillus cereusコラゲナーゼ,同NP_845854で特定されるBacillus anthracisコラゲナーゼ,同YP_037608で特定されるBacillus thuringiensisコラゲナーゼ,同NP_832902で特定されるBacillus cereusコラゲナーゼ,同NP_845590で特定されるBacillus anthracisコラゲナーゼ,同NP_830373で特定されるBacillus cereusコラゲナーゼ,同YP_034814で特定されるBacillus thuringiensisコラゲナーゼ,同NP_843090で特定されるBacillus anthracisコラゲナーゼ、同NP_976942で特定されるBacillus cereusコラゲナーゼ、その他の細菌性コラゲナーゼに由来するコラーゲン結合性ペプチド部も同様に使用することができる。なお、「CB部」は、コラーゲン基材のコラーゲン線維に成長因子を保持しうる程度に結合できればよく、従って、コラゲナーゼ由来のコラーゲン結合部位の全てのアミノ酸配列を含む必要はない。例えば、前記コラーゲン結合性ペプチド部は、上記構造遺伝子のコードするアミノ酸配列におけるCBDを構成する塩基配列と80%以上、90%以上、95%以上、又は98%以上の相同性を有し、且つコラーゲン基材のコラーゲン線維に成長因子を保持しうる程度に結合できるものを好適に使用することができる。また例えば、前記コラーゲン結合性ペプチド部は、上記構造遺伝子のコードするアミノ酸配列におけるCBDを構成するアミノ酸配列と80%以上、90%以上、95%以上、又は98%以上の相同性を有し、且つコラーゲン基材のコラーゲン線維に成長因子を保持しうる程度に結合できるものを好適に使用することができる。結合方法は問わず、例えば、コラーゲン基材の表面から露出するコラーゲン線維の一部と親和性を有して結合するものであってもよい。配列同士の相同性は、公知のシーケンスアライメントのアルゴリズムであるBLAST (Basic Local Alignment Search Tool)を用いて算出可能である。

【0034】
(成長因子受容体アゴニストペプチド部)
CB-GFを構成するGF部は、コラーゲン基材のコラーゲン線維に結合して成長因子などの機能を発揮する部位である。成長因子としては、上皮成長因子(EGF)、神経成長因子(NGF)、グリア細胞株由来神経栄養因子(GDNF)、線維芽細胞成長因子(FGF)、血小板由来成長因子(PDGF)、トランスフォーミング増殖因子ベータ(TGF-β)、インスリン様成長因子1(IGF-1)、骨形成タンパク質(BMP)などがあり、このような作用を発揮しうる成長因子受容体アゴニストを広く使用することができる。その他、脳由来神経栄養因子(BDNF)、血管内皮成長因子(VEGF)などの因子は、神経修復作用を示し、欠損部に適用すると神経再生を促進する。

【0035】
このような成長因子受容体アゴニストの構造遺伝子として、特に、塩基性線維芽細胞増殖因子(bFGF)を使用することが好ましい。このような塩基性線維芽細胞増殖因子としては、配列番号2に示すHomo sapiens fibroblast growth factor 2(basic)遺伝子(NCBI Reference Sequenceアクセッション番号NM_002006.4)の468番目~935番目の塩基配列からなるDNA断片がある。また、上皮成長因子の構造遺伝子として、Rattus norvegicus のpreproEGF(GenBankアクセス番号U04842)のcDNAもある。

【0036】
本発明では、GF部として、塩基性線維芽細胞増殖因子(bFGF)を好適に使用することができる。塩基性線維芽細胞増殖因子は神経再生能に優れており、CB-GFを構成する成長因子として塩基性線維芽細胞増殖因子が結合したもの(以下、「CB-bFGF」と称する。)をコラーゲン基材に結合すると、早期に神経を修復できるからである。なお、塩基性線維芽細胞増殖因子に代えて上皮成長因子(EGF)を結合したCB-GFをCB-EGFと称する。

【0037】
上記のCB-bFGFの一実施形態としては、前記CBが以下の(a)~(c)からなる群から選ばれるポリペプチドであり、前記bGFGが以下の(d)~(f)からなる群から選ばれるポリペプチドであるものが例示できる。
(a)配列番号5で表されるアミノ酸配列の255番目~375番目のアミノ酸配列からなるポリペプチド
(b)配列番号5で表されるアミノ酸配列の255番目~375番目のアミノ酸配列において、1~数個のアミノ酸が置換、欠失、挿入、又は付加されたアミノ酸配列からなり、コラーゲン基材のコラーゲン線維に成長因子を保持しうる程度の結合性を有するポリペプチド
(c)配列番号5で表されるアミノ酸配列の255番目~375番目のアミノ酸配列との配列同一性が80%以上であるアミノ酸配列を有し、コラーゲン基材のコラーゲン線維に成長因子を保持しうる程度の結合性を有するポリペプチド
(d)配列番号5で表されるアミノ酸配列の3番目~157番目のアミノ酸配列からなるポリペプチド
(e)配列番号5で表されるアミノ酸配列の3番目~157のアミノ酸配列において、1~数個のアミノ酸が置換、欠失、挿入、又は付加されたアミノ酸配列からなり、神経修復作用を有するポリペプチド
(f)配列番号5で表されるアミノ酸配列の3番目~157のアミノ酸配列との配列同一性が80%以上であるアミノ酸配列を有し、神経修復作用を有するポリペプチド

【0038】
(b)、(e)のアミノ酸配列において、「1~数個」の塩基とは、例えば、1~30個、1~20個、1~10個、1~5個、又は1~3個であってもよい。
(c)、(f)のアミノ酸配列において、アミノ酸配列との配列同一性は、80%以上100%未満であり、例えば、85%以上、90%以上、95%以上、又は98%以上であってもよい。
アミノ酸配列同士の配列同一性は、公知のシーケンスアライメントのアルゴリズムであるBLAST (Basic Local Alignment Search Tool)を用いて算出可能である。

【0039】
(リンカー部)
CB-GFは、CB部とGF部とをリンカー部によって連結するものであってもよい。
リンカー部を挿入することでCB部とGF部とを所定間隔に隔離することにより、各部位の機能を独立して十分に発揮させることができる。この結果、リンカー部を挿入することでリンカー部を有しないCB-GFを使用する場合よりも強くコラーゲン線維に結合させることができる。
このようなリンカー部としては、セリン、スレオニン、プロリン、アスパラギン酸、グルタミン酸、リジン等のアミノ酸からなる特定の三次元構造を持たないペプチド断片が例示できる。また、このようなリンカー部として、前記ColHに由来するアミノ酸配列を好適に使用することができる。より具体的には、ColHの多発性嚢胞腎I(Polycystic kidney disease I;以下、「PKD」と称する。)ドメインを好適に使用することができる。その他、他の細菌コラゲナーゼに由来するPKDもリンカー部として好適に使用することができる。PKDの共存によりCBDのコラーゲン結合性が強化されるからである。このような細菌コラゲナーゼに由来するリンカー部は、図8のPKDとして記載されている。なお、このようなリンカー部は、生体循環液に含まれるペプチド水解酵素などに対する抵抗性を有することが好ましく、これによってGF部の局所残存性を高め、継続的な神経再生を可能とすることができる。

【0040】
≪神経再生用移植材料の製造方法≫
本発明の神経再生用移植材料の製造方法は、配向性を有するコラーゲンを含むコラーゲン基材を、受容体アゴニストペプチド部とコラーゲン結合性ペプチド部とを含むコラーゲン結合部位含有成長因子(CB-GF)を含有する溶液に浸漬させて、前記コラーゲンに前記コラーゲン結合部位含有成長因子を結合させる工程を有する。
例えば、リン酸緩衝液に配向性を有するコラーゲンを含むコラーゲン基材とCB-GFとを所定量添加し、温度0~10℃で60秒から60分、好ましくは5から30分、より好ましくは15から30分撹拌し、または静置することでコラーゲン基材にCB-GFを結合することができる。

【0041】
本発明で使用され得るCB-GFを構成するGF部とCB部とは、共にペプチドであるため融合タンパクとして調製することができる。CB-GFとして、成長因子受容体アゴニストが塩基性線維芽細胞増殖因子(bFGF)であり、リンカー部およびCB部がColHに由来するPKD-CBDである場合のCB-GFをbFGF-PKD-CBDと称すれば、bFGF-PKD-CBDの製造方法は、文献(Nishi N. et al.: Proc Natl Acad Sci USA vol. 95, pages 7018 - 7023, 1998)に開示されている。これにより、bFGF-PKD-CBDを製造することができる。また、GF部として塩基性線維芽細胞増殖因子(bFGF)を使用し、CB部としてColGに由来するCBDを使用することで、これらが融合したbFGF-CBDを製造することもできる。また、bFGFの遺伝子配列に代えて上皮細胞成長因子(EGF)の遺伝子配列を使用することで、上記と同様にしてCB-EGFを製造することができる。更に、他の成長因子受容体アゴニストをコードする遺伝子配列を使用することで、CBに他の成長因子受容体アゴニストが結合したCB-GFを製造することができる。なお、前記したように架橋剤によってCB部とGF部とを架橋結合させてもよい。

【0042】
≪神経再生用移植材料製造用キット≫
本発明の神経再生用移植材料製造用キットは、配向性を有するコラーゲンを含むコラーゲン基材、及び受容体アゴニストペプチド部とコラーゲン結合性ペプチド部とを含むコラーゲン結合部位含有成長因子(CB-GF)を備える。

【0043】
神経再生用移植材料としては、上述の≪神経再生用移植材料≫において説明したものが例示できる。前記CB-GFは、CB-GFを含むCB-GF溶液の形態であってもよい。CB-GF溶液としては、CB-GFを緩衝液中に0.5~2.0mg/mlの範囲で溶解した溶液を例示できる。
緩衝液としては、pH7.0~8.0のリン酸緩衝液や、トリス緩衝液、生理食塩液を例示することができる。本発明のキットでは、成長因子アンカーリング型神経再生用移植材料の製造に必要なものがセットされているため、移植時にコラーゲン基材にCB-GF溶液を加えるだけで簡便に成長因子アンカーリング型神経再生用移植材料を調製することができる。

【0044】
≪神経再生方法など≫
上述の≪神経再生用移植材料≫において説明した本発明の神経再生用移植材料は、神経再生のために使用可能である。また、当該神経再生用移植材料を治療対象部位に移植することは、神経再生方法として実施することができる。

【0045】
一実施形態において本発明は、神経再生のための、配向性を有するコラーゲンを含むコラーゲン基材を具備する移植材料を提供する。
一実施形態において本発明は、神経再生のための、配向性を有するコラーゲンを含むコラーゲン基材を具備する移植材料の使用を提供する。
一実施形態において本発明は、治療を必要とする患者又は畜患に、配向性を有するコラーゲンを含むコラーゲン基材を具備する移植材料を移植することを含む、神経再生方法を提供する。

【0046】
移植の例としては、神経欠損部位を補填する、神経欠損部位を架橋する、神経欠損部位を被覆する、神経損傷部位を補填する、神経損傷部位を架橋する、神経損傷部位を被覆する等の方法が挙げられる。例えば、神経欠損領域長とほぼ等しい長さを有する神経再生用移植材料を、患者又は畜患の神経欠損部位へ移植することが挙げられる。
適用される神経の種類は特に制限されず、中枢神経、末梢神経、運動神経、知覚神経等のいずれに対しても適用可能である。

【0047】
神経再生とは、細胞の増加、分化、成熟等の神経の修復又は神経の発生過程で生じる様々な現象のうち少なくとも一つを示していればよい。また、その結果として、神経再生とは、本来の神経の機能が完全又は部分的に回復する現象を含むことが好ましい。
効率的な神経再生が達成されたかどうかは、公知の方法により確認可能である。例えば、神経損傷があり移植材料が移植された患者又は畜患と、神経損傷があり移植材料が移植されていない患者又は畜患とを比較して、移植材料が移植された患者又は畜患のほうで、損傷した神経の機能の回復の程度が高い場合、効率的な神経再生が達成されたと判断できる。神経の機能の回復は、後述の実施例に示すように、刺激への反応や運動機能の回復を指標に評価できる。

【0048】
神経再生は、欠損が生じた神経由来の細胞であって、治療対象部位にもともと存在する細胞(内在性の細胞)によるものであってもよいし、例えば神経再生用移植材料とともに移植された細胞(外来性の細胞)によるものであってもよい。これらの細胞としては、神経細胞、神経前駆細胞、胚性幹細胞、人工多能性幹細胞、間葉系幹細胞、血管内皮細胞、血管内皮前駆細胞、造血幹細胞等を挙げることができる。
【実施例】
【0049】
次に実施例を示して本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
【実施例】
【0050】
[配向性コラーゲンチューブの製造]
先ず、特許文献4に開示の方法に沿って、配向性を有するコラーゲンを含むコラーゲン基材からなり、以下に示す特性を有する配向性コラーゲンチューブAを製造した。
【実施例】
【0051】
原材料コラーゲン: Porcine Skin Collagen type-I (製造元:nippi、仕様:Pepsin solubilized, 10mg/mL, 20mM acetic acid, 0.8μm filtered)
コラーゲン基材形状:筒体形状、7層重ね、筒内シームレス、
コラーゲン基材厚み:約15μm(1層分、乾燥状態)、約105μm(7層分、乾燥状態)
内径:1mm、
コラーゲン配向性:長軸方向(1~7層)、
コラーゲン量(7層分、乾燥状態):約25mg/cm
【実施例】
【0052】
コラーゲンチューブAの具体的な製造方法は以下のとおりである。
まず、ストリング形状の配向性コラーゲンゲルを準備した。コラーゲンゲルは濃度10mg/mLの豚皮由来I型コラーゲン溶液(nippi社製)を、内径0.38mmのノズルを介して38℃、pH7.4、10倍濃度のリン酸緩衝生理食塩液(10×PBS)が入った皿容器に押し出しながら、ノズルをスライドすることにより、直径1mm程度、長さ200mm程度のストリング形状のコラーゲンゲルを得た。
得られたコラーゲンゲルの配向性については、ラマン分光顕微鏡(フォトンデザイン社)により解析した。その際、連続発振アルゴンイオンレーザー Stabilite 2017(スペクトラフィジックス社)により励起波長を514.5nm とし、分光器はHR-320(Jovin Yvon社)、検出器はLN/CCD-1100-PB/UV AR/1 (Roper scientific社)を用いた。解析により、コラーゲンゲル長軸方向にコラーゲン線維が配向していることがわかった。
作製したストリング形状の配向性コラーゲンゲルを、心棒上に軸方向に配列させ、その後乾燥させることによってチューブ形状の乾燥配向性コラーゲン材料を得た。さらに、チューブ形状の乾燥配向性コラーゲン材料上に、作製したストリング形状の配向性コラーゲンゲルを配列させることを繰り返し、7層とした。その後、心棒を取り除き、乾燥状態の配向性コラーゲンチューブAを得た(図1)。
【実施例】
【0053】
上記コラーゲンチューブAは7層のコラーゲン基材を有するものであった。コラーゲン基材を3層とし、それ以外の条件は同様にして、3層のコラーゲン基材を有するコラーゲンチューブA´を製造した。コラーゲンチューブA´は以下に示す特性を有する。
【実施例】
【0054】
コラーゲン基材形状:筒体形状、3層重ね、筒内シームレス、
コラーゲン基材厚み:約15μm(1層分、乾燥状態)、約45μm(3層分、乾燥状態)、
コラーゲン量(3層分、乾燥状態):約11mg/cm
(原材料コラーゲン、内径、コラーゲン配向性(1~3層)は、上記コラーゲンチューブAと同じである。)
【実施例】
【0055】
[bFGF-PKD-CBD融合タンパク質の製造]
国際公開2012/157339号に開示の方法に沿って、bFGF-PKD-CBD融合タンパク質を製造した。
bFGF-PKD-CBD融合タンパク質の具体的な製造方法は以下のとおりである。
【実施例】
【0056】
まず、配列番号1に示すCo1H遺伝子の2719番目~3391番目の塩基配列を含むDNA断片(PKD-CBD遺伝子)を、pGEX-4T-2プラスミド(GEヘルスケア・ジャパン社製)のSmaI部位に、常法を用いて挿入した。他方、配列番号2に示すHomo sapiens fibroblast growth factor 2(basic)遺伝子(NCBI Reference Sequenceアクセッション番号NM_002006.4)の468番目~932番目の塩基配列からなるDNA断片(bFGF遺伝子)を、5´末端側にBglII部位を有し、3´末端側に1ヌクレオチド(塩基G)およびEcoRI部位を有するように、PCR法により増幅した。増幅したDNA断片(bFGF遺伝子)を、前記DNA断片(PKD-CBD遺伝子)を挿入した前記プラスミドのBamHI-EcoRI部位に、常法を用いて挿入し、発現プラスミドを調製した。前記発現プラスミドは、GST-bFGF-PKD-CBD融合タンパク質(配列番号3)をコードするリーディングフレーム(配列番号4)を有している。前記bFGF-PKD-CBD融合タンパク質のアミノ酸配列を配列番号5に示し、前記bFGF-PKD-CBD融合タンパク質をコードする塩基配列を配列番号6に示す。配列番号5に示すアミノ酸配列において、N末端の2つのアミノ酸残基Gly-Serは、GSTタグ切断用酵素(トロンビンプロテアーゼ)の認識部位の一部である。エレクトロポレーション法を用いて、前記発現プラスミドを、大腸菌BL21 Codon Plus
RIL(Stratagene社製)に導入し、形質転換体を作製した。
【実施例】
【0057】
前記形質転換体を、50mLの50μg/mLアンピシリン及び30μg/mLクロラムフェニコール含有2×YT-G培地中で、一晩、前培養した。得られた前培養液10mLを前記培地500mLに加え、この菌液の濁度(O.D.600)が約0.7になるまで、37℃で振とう培養した。得られた菌液に、0.1M イソプロピル-β-D-チオガラクトピラノシド(IPTG)溶液5mLを添加し、25℃で5時間培養した。さらに、0.1M フェニルメチルスルホニルフロリド(PMSF)2-プロパノール溶液5mLを添加後、前記菌液を6000×g、4℃で10分間遠心し、形質転換体を回収した。50mM Tris-HCl(pH7.5)、0.5M NaCl、1mM PMSF 7.5mLに、前記形質転換体を懸濁し、フレンチ・プレスにより細胞を破壊した。この懸濁液19容量に対して、20% Triton(登録商標)X-100 1容量を加え、4℃で30分間撹拌した。得られた菌液を、15,000×g、4℃で30分間遠心し、上清を回収した。この上清を、さらに15,000×g、4℃で30分間遠心し、上清を回収した。この上清を、清澄溶菌液とした。グルタチオン-セファロースビーズ 2mLに前記清澄溶菌液を添加し、4℃で1時間撹拌した。前記ビーズを、50mM Tris-HCl(pH7.5)、0.5M NaCl 12mLを用いて5回洗浄後、少量の50mM Tris-HCl(pH7.5)、0.5M NaClに懸濁してカラムに充填し、溶出液(50mM Tris-HCl(pH8.0)、0.5M NaCl、10mMグルタチオン)を用いて、前記GST-bFGF-PKD-CBD融合タンパク質を溶出した。この融合タンパク質1mgあたり、5unitのトロンビンを添加して、25℃で10時間反応させた。得られた反応液を、ヘパリン-セファロースビーズ 1mLに添加し、4℃で3時間撹拌してbFGF-PKD-CBD融合タンパク質を本ビーズに結合させた。上清を静かに捨て50mM Tris-HCl(pH7.5)、0.5M NaCl 12mLを用いて3回洗浄した。このビーズをカラムに充填し、0.5~2M NaClの塩勾配を含む50mM Tris-HCl(pH7.5)計10mLを用いてタンパク質を溶出し、bFGF-PKD-CBD融合タンパク質(配列番号5)を得た。
【実施例】
【0058】
[移植試験1-1]
生後7週齡のWistar ラットの坐骨神経を5mm欠損させた。欠損部に長さ5mmの配向性コラーゲンチューブAを移植し、架橋した。移植から12週経過後の移植部位の様子を図2に示す。配向性コラーゲンチューブA内に神経再生が認められた(図2)。
【実施例】
【0059】
ラットに逆行性神経トレーサー(Fast Blue)を投与し、神経再生後のL5後根神経節細胞を観察した。結果を図3に示す。Fast Blueで標識されたL5後根神経節細胞が観察され(図中矢印)、再生後の神経が機能的であることが示された。
【実施例】
【0060】
[移植試験1-2]
コラーゲンチューブAの代わりに上記コラーゲンチューブA´を用いて移植を行った以外は、上記[移植試験1-1]と同様にして、移植試験を行った。
コラーゲンチューブA´を用いた場合、移植作業中にコラーゲンチューブのコラーゲン基材が裂けてしまう場合があった。移植後、コラーゲンチューブA´内での神経再生は認められた。
したがって、コラーゲンチューブAは、移植作業効率及び神経再生の効率化の点で、コラーゲンチューブA´よりも優れていた。
【実施例】
【0061】
[移植試験2]
まず、上述のようにして、前記配向性コラーゲンチューブAを製造した。
生後7週齡のWistarラット16匹を実験に供した。通常自然治癒が認められない程度の欠損である坐骨神経15mm欠損作製した群(欠損群)、配向性コラーゲンチューブAをリン酸緩衝液に浸漬後、坐骨神経15mm欠損部に移植し、欠損部を長さ15mmのコラーゲンチューブで架橋した群(PBS群)(n=8)。移植後、1,4,8週で ラット歩行解析装置(CatWalk)を用いて足底のプリント幅、プリント長を測定した。欠損前の値を1とし、評価結果を図4に示す。
【実施例】
【0062】
図4を参照すると、プリント幅は欠損群に比べ、PBS群では有意にプリント幅が広かった。また、プリント長も欠損群に比べPBS群で有意に高く、欠損前と同等のプリント長を示した。
これらの結果から、PBS群では欠損群に比べて、運動機能の回復の程度が、優れていることが明らかとなった。このことから、配向性コラーゲンチューブAが非常に優れた神経再生効果を有することが明らかとなった。
【実施例】
【0063】
[成長因子アンカーリング型配向性コラーゲンチューブの製造・CB-GF結合試験]
リン酸緩衝液中にbFGF-PKD-CBD融合タンパク質をそれぞれ1.25 mg/ml、2.5 mg/ml、5 mg/ml、10 mg/mlの濃度で溶解した溶液を用意し、上記の配向性コラーゲンチューブを溶液中に添加した。
配向性コラーゲンチューブへのbFGF-PKD-CBD融合タンパク質の結合量は、溶液中上清中のbFGF-PKD-CBD融合タンパク質量から、以下のように求めた。
結合量 = 添加量 - 溶液上清中のbFGF-PKD-CBD融合タンパク質量
【実施例】
【0064】
結合試験の結果を図5に示す。図5のグラフは、bFGF-PKD-CBD融合タンパク質の添加量と、配向性コラーゲンチューブへのbFGF-PKD-CBD融合タンパク質の結合量の関係を示している。10μgのbFGF-PKD-CBD融合タンパク質を添加した場合、そのうちの約9μgが結合していた。図5のグラフから、他の添加量の場合でも約90%のタンパク質結合率を達成できたことが読み取れる。以上のことから、bFGF-PKD-CBD融合タンパク質を配向性コラーゲンチューブにbFGFを高効率でアンカーリングさせ、成長因子アンカーリング型配向性コラーゲンチューブが得られたことが示された。
【実施例】
【0065】
[移植試験3]
まず、上述のようにして、前記配向性コラーゲンチューブAをbFGF-PKD-CBD溶液10mg/mlに浸漬させ、成長因子アンカーリング型配向性コラーゲンチューブ(配向性コラーゲンチューブB)を製造した。
生後7週齡のWistarラット8匹を実験に供した。ラットは、前記配向性コラーゲンチューブAをリン酸緩衝液に浸漬後移植した群(PBS群)、成長因子アンカーリング型の前記配向性コラーゲンチューブBを移植した群(bFGF-PKD-CBD群)の2群に分けた。通常自然治癒が認められない程度の欠損である坐骨神経15mm欠損を各群のラットに対して作製後、欠損部を長さ15mmの上記の各コラーゲンチューブでそれぞれ架橋した。
【実施例】
【0066】
移植から2週間経過後より von Frey filamentによる行動学的評価を行い、感覚神経の回復を評価した。行動学的評価では、0.008~300gの足裏刺激に対して反応したラットの割合と、ラットが反応した閾値の平均値を求めた。評価は移植から2週間経過後、3週間経過後、4週間経過後、5週間経過後、6週間経過後の各時点で行った。評価結果を表1及び図6に示す。
【実施例】
【0067】
【表1】
JP2016060252A1_000003t.gif
【実施例】
【0068】
表1は、ラットの感覚神経の回復率(回復個体数/評価対象個体数)を示す。回復の評価は、300gの足裏刺激への反応の有無で評価した。PBS群及び、bFGF-PKD-CBD群の両群で感覚神経の回復が認められた。したがって、配向性コラーゲンチューブA、配向性コラーゲンチューブBの両チューブで、本来自然治癒が困難な程度の神経欠損を再生可能であることが示された。
【実施例】
【0069】
PBS群では、移植から3週経過時点で全例(4例中4例)感覚神経の回復が認められたのに対して、bFGF-PKD-CBD群では移植から2週経過時点で全例感覚神経の回復を認めた。このことから、bFGF-PKD-CBD群ではPBS群に比べて、早期に感覚神経の再生が認められたことが明らかとなった。
【実施例】
【0070】
図6を参照すると、bFGF-PKD-CBD群はPBS群に比べ低い刺激(圧)で反応していることがわかる。
また、再生した神経の様子を図7に示す。図7は、コラーゲンチューブ移植から8週経過時点での、再生した神経のトルイジンブルー染色像である。bFGF-PKD-CBD群ではPBS群に比べて、より多くの髄鞘が形成されていた。
これらの結果から、bFGF-PKD-CBD群ではPBS群に比べて、再生した神経の回復の質が、機能的にも組織学的にも、より優れていることが明らかとなった。
【実施例】
【0071】
以上で説明した各実施形態における各構成及びそれらの組み合わせ等は一例であり、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、構成の付加、省略、置換、およびその他の変更が可能である。また、本発明は各実施形態によって限定されることはなく、請求項(クレーム)の範囲によってのみ限定される。
【産業上の利用可能性】
【0072】
本発明によれば、効率的な神経再生を可能にする神経再生用移植材料を提供できる。
図面
【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
3
【図5】
4
【図6】
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【図7】
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【図8】
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