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明細書 :トリ(ヘテロ)アリールアセトニトリル化合物の製造方法

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 再公表特許(A1)
発行日 平成29年9月14日(2017.9.14)
発明の名称または考案の名称 トリ(ヘテロ)アリールアセトニトリル化合物の製造方法
国際特許分類 C07C 253/30        (2006.01)
C07C 255/37        (2006.01)
C07C 255/32        (2006.01)
C07C 255/41        (2006.01)
C07C 255/40        (2006.01)
C07C 255/35        (2006.01)
C07C 255/42        (2006.01)
C07C  47/277       (2006.01)
C07C 233/17        (2006.01)
C07C 235/32        (2006.01)
C07C  45/44        (2006.01)
C07C 231/06        (2006.01)
C07D 333/24        (2006.01)
C07D 209/24        (2006.01)
C07D 213/57        (2006.01)
C07B  61/00        (2006.01)
FI C07C 253/30 CSP
C07C 255/37
C07C 255/32
C07C 255/41
C07C 255/40
C07C 255/35
C07C 255/42
C07C 47/277
C07C 233/17
C07C 235/32
C07C 45/44
C07C 231/06
C07D 333/24
C07D 209/24
C07D 213/57
C07B 61/00 300
国際予備審査の請求
全頁数 78
出願番号 特願2016-563658 (P2016-563658)
国際出願番号 PCT/JP2015/084181
国際公開番号 WO2016/093175
国際出願日 平成27年12月4日(2015.12.4)
国際公開日 平成28年6月16日(2016.6.16)
優先権出願番号 2014252389
優先日 平成26年12月12日(2014.12.12)
優先権主張国 日本国(JP)
指定国 AP(BW , GH , GM , KE , LR , LS , MW , MZ , NA , RW , SD , SL , ST , SZ , TZ , UG , ZM , ZW) , EA(AM , AZ , BY , KG , KZ , RU , TJ , TM) , EP(AL , AT , BE , BG , CH , CY , CZ , DE , DK , EE , ES , FI , FR , GB , GR , HR , HU , IE , IS , IT , LT , LU , LV , MC , MK , MT , NL , NO , PL , PT , RO , RS , SE , SI , SK , SM , TR) , OA(BF , BJ , CF , CG , CI , CM , GA , GN , GQ , GW , KM , ML , MR , NE , SN , TD , TG) , AE , AG , AL , AM , AO , AT , AU , AZ , BA , BB , BG , BH , BN , BR , BW , BY , BZ , CA , CH , CL , CN , CO , CR , CU , CZ , DE , DK , DM , DO , DZ , EC , EE , EG , ES , FI , GB , GD , GE , GH , GM , GT , HN , HR , HU , ID , IL , IN , IR , IS , JP , KE , KG , KN , KP , KR , KZ , LA , LC , LK , LR , LS , LU , LY , MA , MD , ME , MG , MK , MN , MW , MX , MY , MZ , NA , NG , NI , NO , NZ , OM , PA , PE , PG , PH , PL , PT , QA , RO , RS , RU , RW , SA , SC , SD , SE , SG , SK , SL , SM , ST , SV , SY , TH , TJ , TM , TN , TR , TT , TZ , UA , UG , US
発明者または考案者 【氏名】南保 正和
【氏名】ムハンマド ヤ—
【氏名】クラッデン キャサリン
出願人 【識別番号】504139662
【氏名又は名称】国立大学法人名古屋大学
個別代理人の代理人 【識別番号】110000796、【氏名又は名称】特許業務法人三枝国際特許事務所
審査請求 未請求
テーマコード 4C023
4C055
4C204
4H006
4H039
Fターム 4C023EA04
4C055AA01
4C055BA01
4C055CA01
4C055DA32
4C055DB19
4C055FA03
4C055FA31
4C204AB20
4C204BB04
4C204CB03
4C204DB40
4C204EB02
4C204FB03
4C204GB16
4H006AA01
4H006AA02
4H006AB28
4H006AB29
4H006AB92
4H006AC24
4H006AC45
4H006AC53
4H006BA25
4H006BA48
4H006BA69
4H006BB25
4H006BJ50
4H006BM10
4H006BM71
4H006BP30
4H006BQ10
4H006BT32
4H006BV72
4H039CA41
4H039CD20
要約 式:CHArArCN(Ar及びArは置換又は無置換の芳香族基を示す。)で表されるジ(ヘテロ)アリールアセトニトリル化合物と、式:Ar(Arは置換又は無置換の芳香族基を示す。Xはハロゲン原子を示す。)で表されるハロゲン化芳香族化合物とを、パラジウム触媒の存在下に反応させることで、種々のトリ(ヘテロ)アリールアセトニトリル化合物を合成する。基質として使用するジ(ヘテロ)アリールアセトニトリル化合物は、ハロゲン化アセトニトリル化合物を出発物質として、2段階の反応で合成することができる。このため、種々のトリ(ヘテロ)アリールアセトニトリル化合物を少ない工程で、簡便に合成することができる。
特許請求の範囲 【請求項1】
一般式(1):
【化1】
JP2016093175A1_000046t.gif
[式中、Ar、Ar及びArは同一又は異なって、置換又は無置換の芳香族基を示す。]
で表されるトリ(ヘテロ)アリールアセトニトリル化合物の製造方法であって、
(III)一般式(2):
【化2】
JP2016093175A1_000047t.gif
[式中、Ar及びArは前記に同じである。]
で表されるジ(ヘテロ)アリールアセトニトリル化合物と、
一般式(3):
Ar (3)
[式中、Arは前記に同じである。Xはハロゲン原子を示す。]
で表されるハロゲン化芳香族化合物とを、
パラジウム触媒の存在下に反応させる工程
を備える、製造方法。
【請求項2】
前記工程(III)が、トリアルキルホスフィン配位子の存在下で行われる、請求項1に記載の製造方法。
【請求項3】
前記トリアルキルホスフィン配位子が、トリ(t-ブチル)ホスフィン又はその塩である、請求項2に記載の製造方法。
【請求項4】
前記工程(III)が、塩基の存在下で行われる、請求項1~3のいずれかに記載の製造方法。
【請求項5】
前記塩基が、炭酸セシウム、ハロゲン化セシウム、及びリン酸アルカリ金属塩よりなる群から選ばれる少なくとも1種である、請求項4に記載の製造方法。
【請求項6】
前記工程(III)の前に、
(II)一般式(4):
Ar-CH-CN (4)
[式中、Arは前記に同じである。]
で表される(ヘテロ)アリールアセトニトリル化合物と、
一般式(5):
Ar (5)
[式中、Arは前記に同じである。Xはハロゲン原子を示す。]
で表されるハロゲン化芳香族化合物とを、パラジウム触媒の存在下で反応させる工程
を備える、請求項1~5のいずれかに記載の製造方法。
【請求項7】
前記工程(II)が、ホスフィン配位子の存在下で行われる、請求項6に記載の製造方法。
【請求項8】
前記ホスフィン配位子が、トリ(シクロアルキル)ホスフィン、アルキルジ(シクロアルキルホスフィン)、ジ(アルキル)シクロアルキルホスフィン、トリ(アルキル)ホスフィン、トリ(アルコキシ)ホスフィン、アルキルジアダマンチルホスフィン、又は一般式(6):
【化3】
JP2016093175A1_000048t.gif
[式中、R及びRは同一又は異なって、置換若しくは無置換のアルキル基、又は置換若しくは無置換のシクロアルキル基を示す。Rは置換若しくは無置換のアルキル基、置換若しくは無置換のアルコキシ基、又は-PR(R及びRは同一又は異なって、置換若しくは無置換のアルキル基、又は置換若しくは無置換のシクロアルキル基を示す)で示される基を示す。nは0~3の整数を示す。]
で表される配位子である、請求項7に記載の製造方法。
【請求項9】
前記工程(II)の前に、
(I)一般式(7):
X-CH-CN (7)
[式中、Xはハロゲン原子を示す。]
で表されるハロゲン化アセトニトリル化合物と、
一般式(8A):
【化4】
JP2016093175A1_000049t.gif
[式中、Arは前記に同じである。R及びRは同一又は異なって、水素原子、アルキル基又はシクロアルキル基を示す。RとRとは互いに結合し、隣接する-O-B-O-とともに環を形成してもよい。]
で表される芳香族基含有ボロン酸若しくはそのエステル化合物、又は
一般式(8B):
ArBFK (8B)
[式中、Arは前記に同じである。]
で表される芳香族基含有カリウムトリフルオロボレート
とを、パラジウム触媒の存在下で反応させる工程
を備える、請求項6~8のいずれかに記載の製造方法。
【請求項10】
一般式(9):
【化5】
JP2016093175A1_000050t.gif
[式中、Ar、Ar及びArは同一又は異なって、置換又は無置換の芳香族基を示す。Rは置換基を示す。]
で表される化合物の製造方法であって、
請求項1~9のいずれかに記載の製造方法の前記工程(III)の後、前記トリ(ヘテロ)アリールアセトニトリル化合物のシアノ基を置換する工程を備える、製造方法。
【請求項11】
式:
【化6】
JP2016093175A1_000051t.gif
[式中、Meはメチル基を示す。Phはフェニル基を示す。]
のいずれか、又は、一般式(2a):
【化7】
JP2016093175A1_000052t.gif
[式中、R10はアルキル基又はアルコキシカルボニル基を示す。R11は置換若しくは無置換のアルキル基、又はアルコキシ基を示す。]
で表される化合物。
【請求項12】
一般式(6a):
【化8】
JP2016093175A1_000053t.gif
[式中、R1b、R1c、R2b及びR2cは同一又は異なって、アルキル基又はシクロアルキル基を示す。]
で表される化合物の製造方法であって、
一般式(10):
【化9】
JP2016093175A1_000054t.gif
[式中、X及びXは同一又は異なって、ハロゲン原子を示す。]
で表される化合物と、
一般式(11):
Y-PR1b2b
[式中、R1b及びR2bは前記に同じである。Yは脱離基を示す。]
で表される化合物とを、塩基の存在下に反応させる工程
を備える、製造方法。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、トリ(ヘテロ)アリールアセトニトリル化合物の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
トリ(ヘテロ)アリールアセトニトリル化合物及びその誘導体は、有機色素、バイオイメージング用蛍光プローブ、金属イオンのセンサー等、種々様々な分野で使用されている。さらに、これらトリ(ヘテロ)アリールアセトニトリル化合物及びその誘導体は、抗結核剤、抗癌剤等の医薬用途への適用も検討されている。
【0003】
このため、トリ(ヘテロ)アリールアセトニトリル化合物をより簡便に合成することが重要である。
【0004】
このようなトリ(ヘテロ)アリールアセトニトリル化合物の合成方法としては、例えば、ルイス酸触媒の存在下、トリ(ヘテロ)アリールアルコール化合物からニトリル変換反応によりトリ(ヘテロ)アリールアセトニトリル化合物を得る方法が知られている。また、トリ(ヘテロ)アリールハロゲン化物に対してシアニドアニオンの求核置換反応によりトリ(ヘテロ)アリールアセトニトリル化合物を得る方法も知られている。これらの合成方法は、例えば、非特許文献1~2等に記載されている。
【0005】
しかしながら、これらの合成方法はいずれも、基質であるトリ(ヘテロ)アリールアルコール化合物又はトリ(ヘテロ)アリールハロゲン化物を得るためには多段階の合成が必要であり、合成経路が複雑にならざるを得ない(少なくとも4工程以上が必要である)ため、とても簡便な方法とは言えない。また、トリ(ヘテロ)アリールアセトニトリル化合物の合成の際に、空気や湿気に対して不安定な金属反応剤を使用する必要があるうえに、極めて毒性の高いシアン化物イオンを取り扱うために系中においてシアン酸等が発生することから、雰囲気制御が必要となり、装置が大掛かりにならざるを得ない。
【先行技術文献】
【0006】

【非特許文献1】McClelland, R. A.; Kanagasabapathy, V. M.; Banait, N. S.; Steenken, S. J. Am. Chem. Soc. 1989, 111, 3966.
【非特許文献2】Kimura, K.; Mizutani, R.; Yokoyama, M.; Arakawa, R.; Sakurai, Y. J. Am. Chem. Soc. 2000, 122, 5448.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上記のような課題を解決しようとするものであり、主な目的は、種々のトリ(ヘテロ)アリールアセトニトリル化合物を少ない工程で、簡便に合成できる方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、上記課題に鑑み、鋭意研究を重ねた。その結果、ハロゲン化アセトニトリル化合物を使用して、パラジウム触媒の存在下に、特定の芳香族化合物を用いて、芳香族基を導入する反応を順次3回行うことにより、トリ(ヘテロ)アリールアセトニトリル化合物を簡便に合成することができることを見出した。この方法は、どのような芳香族基であっても導入することができるとともに、用いる原料及び触媒がいずれも大気中で取扱い容易であり、4工程以上要していた従来の方法よりも工程数を減らすことができる簡便な方法である。また、トリ(ヘテロ)アリールアセトニトリル化合物中のシアノ基は、様々な官能基に容易に置換することができ、様々な機能性分子の簡便な合成につなげることも可能である。本発明は、このような知見に基づき、さらに研究を重ね、完成したものである。すなわち、本発明は、以下の構成を包含する。
【0009】
項1.一般式(1):
【0010】
【化1】
JP2016093175A1_000002t.gif

【0011】
[式中、Ar、Ar及びArは同一又は異なって、置換又は無置換の芳香族基を示す。]
で表されるトリ(ヘテロ)アリールアセトニトリル化合物の製造方法であって、
(III)一般式(2):
【0012】
【化2】
JP2016093175A1_000003t.gif

【0013】
[式中、Ar及びArは前記に同じである。]
で表されるジ(ヘテロ)アリールアセトニトリル化合物と、
一般式(3):
Ar (3)
[式中、Arは前記に同じである。Xはハロゲン原子を示す。]
で表されるハロゲン化芳香族化合物とを、
パラジウム触媒の存在下に反応させる工程
を備える、製造方法。
【0014】
項2.前記工程(III)が、トリアルキルホスフィン配位子の存在下で行われる、項1に記載の製造方法。
【0015】
項3.前記トリアルキルホスフィン配位子が、トリ(t-ブチル)ホスフィン又はその塩である、項2に記載の製造方法。
【0016】
項4.前記工程(III)が、塩基の存在下で行われる、項1~3のいずれかに記載の製造方法。
【0017】
項5.前記塩基が、炭酸セシウム、ハロゲン化セシウム、及びリン酸アルカリ金属塩よりなる群から選ばれる少なくとも1種である、項4に記載の製造方法。
【0018】
項6.前記工程(III)の前に、
(II)一般式(4):
Ar-CH-CN (4)
[式中、Arは前記に同じである。]
で示される(ヘテロ)アリールアセトニトリル化合物と、
一般式(5):
Ar (5)
[式中、Arは前記に同じである。Xはハロゲン原子を示す。]
で表されるハロゲン化芳香族化合物とを、パラジウム触媒の存在下で反応させる工程
を備える、項1~5のいずれかに記載の製造方法。
【0019】
項7.前記工程(II)が、ホスフィン配位子の存在下で行われる、項6に記載の製造方法。
【0020】
項8.前記ホスフィン配位子が、トリ(シクロアルキル)ホスフィン、アルキルジ(シクロアルキルホスフィン)、ジ(アルキル)シクロアルキルホスフィン、トリ(アルキル)ホスフィン、トリ(アルコキシ)ホスフィン、アルキルジアダマンチルホスフィン、又は一般式(6):
【0021】
【化3】
JP2016093175A1_000004t.gif

【0022】
[式中、R及びRは同一又は異なって、置換若しくは無置換のアルキル基、又は置換若しくは無置換のシクロアルキル基を示す。Rは置換若しくは無置換のアルキル基、置換若しくは無置換のアルコキシ基、又は-PR(R及びRは同一又は異なって、置換若しくは無置換のアルキル基、又は置換若しくは無置換のシクロアルキル基を示す)で示される基を示す。nは0~3の整数を示す。]
で表される配位子である、項7に記載の製造方法。
【0023】
項9.前記工程(II)の前に、
(I)一般式(7):
X-CH-CN (7)
[式中、Xはハロゲン原子を示す。]
で表されるハロゲン化アセトニトリル化合物と、
一般式(8A):
【0024】
【化4】
JP2016093175A1_000005t.gif

【0025】
[式中、Arは前記に同じである。R及びRは同一又は異なって、水素原子、アルキル基又はシクロアルキル基を示す。RとRとは互いに結合し、隣接する-O-B-O-とともに環を形成してもよい。]
で表される芳香族基含有ボロン酸若しくはそのエステル化合物、又は
一般式(8B):
ArBFK (8B)
[式中、Arは前記に同じである。]
で表される芳香族基含有カリウムトリフルオロボレート
とを、パラジウム触媒の存在下で反応させる工程
を備える、項6~8のいずれかに記載の製造方法。
【0026】
項10.一般式(9):
【0027】
【化5】
JP2016093175A1_000006t.gif

【0028】
[式中、Ar、Ar及びArは同一又は異なって、置換又は無置換の芳香族基を示す。Rは置換基を示す。]
で表される化合物の製造方法であって、
項1~9のいずれかに記載の製造方法の前記工程(III)の後、前記トリ(ヘテロ)アリールアセトニトリル化合物のシアノ基を置換する工程を備える、製造方法。
【0029】
項11.式:
【0030】
【化6】
JP2016093175A1_000007t.gif

【0031】
[式中、Meはメチル基を示す。Phはフェニル基を示す。]
のいずれか、又は、一般式(2a):
【0032】
【化7】
JP2016093175A1_000008t.gif

【0033】
[式中、R10はアルキル基又はアルコキシカルボニル基を示す。R11は置換若しくは無置換のアルキル基、又はアルコキシ基を示す。]
で表される化合物。
【0034】
項12.一般式(6a):
【0035】
【化8】
JP2016093175A1_000009t.gif

【0036】
[式中、R1b、R1c、R2b及びR2cは同一又は異なって、アルキル基又はシクロアルキル基を示す。]
で表される化合物の製造方法であって、
一般式(10):
【0037】
【化9】
JP2016093175A1_000010t.gif

【0038】
[式中、X及びXは同一又は異なって、ハロゲン原子を示す。]
で表される化合物と、
一般式(11):
Y-PR1b2b
[式中、R1b及びR2bは前記に同じである。Yは脱離基を示す。]
で表される化合物とを、塩基の存在下に反応させる工程
を備える、製造方法。
【発明の効果】
【0039】
本発明によれば、ジ(ヘテロ)アリールアセトニトリル化合物を使用して、パラジウム触媒の存在下に、特定の芳香族化合物を用いて、芳香族基を導入する反応を行うことにより、トリ(ヘテロ)アリールアセトニトリル化合物を高収率且つ簡便に合成することができる。本発明では、従来は合成できなかった様々なトリ(ヘテロ)アリールアセトニトリル化合物を合成することができる。特に、合成が困難とされている、3個の芳香族基がいずれも異なるトリ(ヘテロ)アリールアセトニトリル化合物を合成することも可能である。また、本発明の好適な態様においては、高収率且つ簡便にトリ(ヘテロ)アリールアセトニトリル化合物を合成することも可能である。
【発明を実施するための形態】
【0040】
本発明の製造方法においては、特定のジ(ヘテロ)アリールアセトニトリル化合物と、特定のハロゲン化芳香族化合物とを反応させることにより、トリ(ヘテロ)アリールアセトニトリル化合物を合成する(工程(III))。

【0041】
また、本発明において、原料として使用するジ(ヘテロ)アリールアセトニトリル化合物は、特に制限はなく、例えば、特定の(ヘテロ)アリールアセトニトリル化合物と、特定のハロゲン化芳香族化合物とを反応させることにより合成することができる(工程(II))。さらに、上記特定の(ヘテロ)アリールアセトニトリル化合物は、特に制限はなく、例えば、特定のハロゲン化アセトニトリル化合物と、特定の芳香族基含有化合物(芳香族基含有ボロン酸又はそのエステル化合物、芳香族基含有カリウムトリフルオロボレート、ハロゲン化芳香族化合物等)とを反応させることにより合成することができる(工程(I))。

【0042】
このように、容易に入手可能なハロゲン化アセトニトリル化合物を原料として、後述の工程(I)~(II)を経てジ(ヘテロ)アリールアセトニトリル化合物を合成することにより、置換基Ar及びArの導入の選択性及び収率をより向上させることができることから、本発明で原料として使用するジ(ヘテロ)アリールアセトニトリル化合物は、ハロゲン化アセトニトリル化合物を原料として、後述の工程(I)~(II)を経て合成することが好ましい。

【0043】
このように、本発明においては、従来の製造方法では不可能であった最短の3段階のみでトリ(ヘテロ)アリールアセトニトリル化合物を合成することができる。この際、全ての反応において、導入される芳香族基の数及び位置を制御することが可能である。

【0044】
本発明において採用される上記3段階の反応は、いずれも入手及び調製が容易で、大気下で取扱い容易な原料のみを用いて行うことも可能である。また、この3段階の反応は、いずれも、大気下で安定に取り扱えるパラジウム触媒を使用して反応を進行させることもできる。この観点からも、本発明の製造方法は、簡便に、トリ(ヘテロ)アリールアセトニトリル化合物を得る方法である。

【0045】
本発明の製造方法において合成されるトリ(ヘテロ)アリールアセトニトリル化合物が有する芳香族基は、種々様々なものを採用することができる。例えば、エステル基、ホルミル基、ヘテロ芳香環等のように、官能基を有する芳香族基であっても、その構造を損なうことなく容易に導入することが可能である。上記3段階の全てにおいて、このような官能基を有する芳香族基を導入することも可能である。

【0046】
さらに、本発明の製造方法で得られるトリ(ヘテロ)アリールアセトニトリル化合物中のシアノ基は、様々な官能基に容易に置換することができ、様々な機能性分子の簡便な合成につなげることも可能である。

【0047】
なお、本明細書において、「(ヘテロ)アリール」とは、アリール又はヘテロアリールを意味する。

【0048】
1.工程(I):ハロゲン化アセトニトリル化合物の(ヘテロ)アリール化
本工程では、
(I)一般式(7):
X-CH-CN (7)
[式中、Xはハロゲン原子を示す。]
で表されるハロゲン化アセトニトリル化合物(以下、「化合物(7)」と言うこともある)と、
一般式(8A):

【0049】
【化10】
JP2016093175A1_000011t.gif

【0050】
[式中、Arは前記に同じである。R及びRは同一又は異なって、水素原子、アルキル基又はシクロアルキル基を示す。RとRとは互いに結合し、隣接する-O-B-O-とともに環を形成してもよい。]
で表される芳香族基含有ボロン酸若しくはそのエステル化合物(以下、「化合物(8A)と言うこともある」)、又は
一般式(8B):
ArBFK (8B)
[式中、Arは前記に同じである。]
で表される芳香族基含有カリウムトリフルオロボレート(以下、「化合物(8B)」と言うこともある)
とを、パラジウム触媒の存在下で反応させる工程
により、(ヘテロ)アリールアセトニトリル化合物を合成する。

【0051】
一般式(7)において、Xで示されるハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子が挙げられる。これらのなかでも、本工程における選択性及び収率の観点から、塩素原子が好ましい。

【0052】
一般式(8A)において、置換基Arで示される置換又は無置換の芳香族基における芳香族基は、最終生成物であるトリ(ヘテロ)アリールアセトニトリル化合物が有する(ヘテロ)アリール基(芳香族基)のうち1つを構成しており、種々様々な芳香族基を採用することができる。例えば、フェニル基等の単環芳香族炭化水素基(特に六員単環芳香族炭化水素基);ナフチル基(1-ナフチル基、2-ナフチル基等)、アントリル基(1-アントリル基、2-アントリル基、9-アントリル基等)、フルオレニル基(1-フルオレニル基、2-フルオレニル基、9-フルオレニル基等)、フェナントリル基、ピレニル基(1-ピレニル基、2-ピレニル基、4-ピレニル基等)、クリセニル基、ペリレニル基、ピセニル基等の縮合環芳香族炭化水素基(特に二環芳香族炭化水素基);フリル基(2-フリル基、3-フリル基等)、チエニル基(2-チエニル基、3-チエニル基等)、ピロリル基(2-ピロリル基、3-ピロリル基等)、オキサゾリル基、イソオキサゾリル基、チアゾリル基、イソチアゾリル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、トリアゾリル基(1,2,3-トリアゾリル基、1,2,4-トリアゾリル基等)等の五員単環芳香族複素環式基;ピリジル基(2-ピリジル基、3-ピリジル基、4-ピリジル基等)、ピリミジニル基、ピリダジニル基、ピラジニル基等の六員単環芳香族複素環式基;キノリル基、イソキノリル基、インドリル基、ピリドチエノピリミジン環基等の縮合環芳香族複素環式基(特に二環芳香族複素環式基)等が挙げられる。これらのなかでも、置換又は無置換の単環芳香族炭化水素基、置換又は無置換の縮合環芳香族炭化水素基、五員単環芳香族複素環式基、六員単環芳香族複素環式基等が好ましく、六員単環芳香族炭化水素基、二環芳香族炭化水素基、五員単環芳香族複素環式基、六員単環芳香族複素環式基等、二環芳香族複素環式基等がより好ましく、フェニル基、ナフチル基(1-ナフチル基、2-ナフチル基等)、チエニル基(2-チエニル基、3-チエニル基等)等がさらに好ましい。

【0053】
置換基Arにおいて、芳香族基における置換基としては、例えば、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、t-ブチル基、n-ペンチル基、イソペンチル基、n-ヘキシル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等のC1-6-アルキル基又はC3-8-シクロアルキル基;メトキシ基、エトキシ基、n-プロポキシ基、イソプロポキシ基、n-ブトキシ基、イソブトキシ基、sec-ブトキシ基、t-ブトキシ基、n-ペンチルオキシ基、イソペンチルオキシ基、n-ヘキシルオキシ基、シクロプロピルオキシ基、シクロブチルオキシ基、シクロペンチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基等のC1-6-アルコキシ基又はC3-8-シクロアルコキシ基;メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、n-プロポキシカルボニル基、イソプロポキシカルボニル基、n-ブトキシカルボニル基、イソブトキシカルボニル基、sec-ブトキシカルボニル基、t-ブトキシカルボニル基、n-ペンチルオキシカルボニル基、イソペンチルオキシカルボニル基、シクロプロピルオキシカルボニル基、シクロブチルオキシカルボニル基、シクロペンチルオキシカルボニル基等のアルコキシカルボニル基又はシクロアルキルカルボニル基(特にC1-6-アルコキシカルボニル基又はC3-8-シクロアルコキシカルボニル基);水酸基;フェニル基、トリル基、ナフチル基等の芳香族炭化水素基;フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子;トリフルオロメチル基等のC1-6-ハロゲン化アルキル基;ベンジル基、フェネチル基等のアラルキル基;ホルミル基、アセチル基、n-プロピオニル基(n-プロパノイル基)、n-ブチリル基(n-ブタノイル基)、n-バレリル基(n-ペンタノイル基)、n-ヘキサノイル基等のC1-6-脂肪族アシル基;ベンゾイル基、トルオイル基等の芳香族アシル基(アロイル基);アラルキルオキシ基(ベンジルオキシ基、フェネチルオキシ基等);カルボキシ基;C1-6-アルキルアミノ基(メチルアミノ基、エチルアミノ基等);ジC1-6-アルキルアミノ基(ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基等);アルコキシカルボニルアミノ基(メトキシカルボニルアミノ基、エトキシカルボニルアミノ基、t-ブトキシカルボニルアミノ基等のC1-6-アルコキシカルボニルアミノ基等);トリアルキルシリル基(トリメチルシリル基、トリエチルシリル基等);ニトロ基等の1~6個が挙げられる。これらのなかでも、詳細には、C1-6-アルキル基、C3-8-シクロアルキル基、C1-6-アルコキシ基、C3-8-シクロアルコキシ基、C1-6-アルコキシカルボニル基、C3-8-シクロアルコキシカルボニル基、ハロゲン原子、C1-6-ハロゲン化アルキル基、C1-6-脂肪族アシル基、C1-6-アルコキシカルボニルアミノ基、ニトロ基等が好ましく、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、t-ブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、メトキシ基、エトキシ基、n-プロポキシ基、イソプロポキシ基、n-ブトキシ基、イソブトキシ基、sec-ブトキシ基、t-ブトキシ基、シクロペンチルオキシ基、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、n-プロポキシカルボニル基、イソプロポキシカルボニル基、n-ブトキシカルボニル基、イソブトキシカルボニル基、sec-ブトキシカルボニル基、t-ブトキシカルボニル基、シクロペンチルオキシカルボニル基、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、トリフルオロメチル基、ホルミル基、アセチル基、n-プロピオニル基(n-プロパノイル基)、n-ブチリル基(n-ブタノイル基)、n-バレリル基(n-ペンタノイル基)、n-ヘキサノイル基、メトキシカルボニルアミノ基、エトキシカルボニルアミノ基、t-ブトキシカルボニルアミノ基、ニトロ基等がより好ましく、メチル基、メトキシ基、メトキシカルボニル基、フッ素原子、トリフルオロメチル基、ホルミル基、t-ブトキシカルボニルアミノ基、ニトロ基等がさらに好ましい。

【0054】
このような条件を満たす置換基Arで示される置換された芳香族基としては、例えば、トリル基(o-トリル基、m-トリル基、p-トリル基等)、エチルフェニル基(4-エチルフェニル基、3-エチルフェニル基、2-エチルフェニル基等)、4-n-プロピルフェニル基、イソプロピルフェニル基(4-イソプロピルフェニル基、2-イソプロピルフェニル基等)、4-n-ブチルフェニル基、4-イソブチルフェニル基、sec-ブチルフェニル基(4-sec-ブチルフェニル基、2-sec-ブチルフェニル基等)、t-ブチルフェニル基(4-t-ブチルフェニル基、3-t-ブチルフェニル基、2-t-ブチルフェニル基等)、4-n-ペンチルフェニル基、4-イソペンチルフェニル基、2-ネオペンチルフェニル基、4-t-ペンチルフェニル基、4-n-ヘキシルフェニル基、4-(2-エチルブチル)フェニル基、4-n-ヘプチルフェニル基、4-n-オクチルフェニル基、4-(2-エチルヘキシル)フェニル基、4-t-オクチルフェニル基、4-n-デシルフェニル基、4-n-ドデシルフェニル基、4-n-テトラデシルフェニル基、4-シクロペンチルフェニル基、シクロヘキシルフェニル基(4-シクロヘキシルフェニル基、3-シクロヘキシルフェニル基、2-シクロヘキシルフェニル基等)、4-(4-メチルシクロヘキシル)フェニル基、4-(4-t-ブチルシクロヘキシル)フェニル基、4-エチル-1-ナフチル基、6-n-ブチル-2-ナフチル基、ジメチルフェニル基(2,4-ジメチルフェニル基、2,5-ジメチルフェニル基、3,4-ジメチルフェニル基、3,5-ジメチルフェニル基、2,6-ジメチルフェニル基等)、トリメチルフェニル基(2,3,5-トリメチルフェニル基、2,3,6-トリメチルフェニル基、3,4,5-トリメチルフェニル基等)、ジエチルフェニル基(2,4-ジエチルフェニル基、2,6-ジエチルフェニル基等)、2,5-ジイソプロピルフェニル基、2,6-ジイソブチルフェニル基、ジ-t-ブチルフェニル基(2,4-ジ-t-ブチルフェニル基、2,5-ジ-t-ブチルフェニル基等)、4,6-ジ-t-ブチル-2-メチルフェニル基、5-t-ブチル-2-メチルフェニル基、4-t-ブチル-2,6-ジメチルフェニル基、9-メチル-2-フルオレニル基、9-エチル-2-フルオレニル基、9-n-ヘキシル-2-フルオレニル基、9,9-ジメチル-2-フルオレニル基、9,9-ジエチル-2-フルオレニル基、9,9-ジ-n-プロピル-2-フルオレニル基、メトキシフェニル基(4-メトキシフェニル基、3-メトキシフェニル基、2-メトキシフェニル基等)、エトキシフェニル基(4-エトキシフェニル基、3-エトキシフェニル基、2-エトキシフェニル基等)、n-プロポキシフェニル基(4-n-プロポキシフェニル基、3-n-プロポキシフェニル基等)、イソプロポキシフェニル基(4-イソプロポキシフェニル基、2-イソプロポキシフェニル基等)、4-n-ブトキシフェニル基、4-イソブトキシフェニル基、2-sec-ブトキシフェニル基、4-n-ペンチルオキシフェニル基、イソペンチルオキシフェニル基(4-イソペンチルオキシフェニル基、2-イソペンチルオキシフェニル基等)、ネオペンチルオキシフェニル基(4-ネオペンチルオキシフェニル基、2-ネオペンチルオキシフェニル基等)、4-n-ヘキシルオキシフェニル基、2-(2-エチルブチル)オキシフェニル基、4-n-オクチルオキシフェニル基、4-n-デシルオキシフェニル基、4-n-ドデシルオキシフェニル基、4-n-テトラデシルオキシフェニル基、シクロヘキシルオキシフェニル基(4-シクロヘキシルオキシフェニル基、2-シクロヘキシルオキシフェニル基等)、メトキシナフチル基(2-メトキシ-1-ナフチル基、4-メトキシ-1-ナフチル基、6-メトキシ-2-ナフチル基、7-メトキシ-2-ナフチル基等)、エトキシナフチル基(5-エトキシ-1-ナフチル基、6-エトキシ-2-ナフチル基等)、n-ブトキシナフチル基(4-n-ブトキシ-1-ナフチル基、6-n-ブトキシ-2-ナフチル基、7-n-ブトキシ-2-ナフチル基等)、6-n-ヘキシルオキシ-2-ナフチル基、メチルメトキシフェニル基(2-メチル-4-メトキシフェニル基、2-メチル-5-メトキシフェニル基、3-メチル-4-メトキシフェニル基、3-メチル-5-メトキシフェニル基、2-メトキシ-4-メチルフェニル基、3-メトキシ-4-メチルフェニル基等)、3-エチル-5-メトキシフェニル基、ジメトキシフェニル基(2,4-ジメトキシフェニル基、2,5-ジメトキシフェニル基、2,6-ジメトキシフェニル基、3,4-ジメトキシフェニル基、3,5-ジメトキシフェニル基等)、3,5-ジエトキシフェニル基、3,5-ジ-n-ブトキシフェニル基、メトキシエトキシフェニル基(2-メトキシ-4-エトキシフェニル基、2-メトキシ-6-エトキシフェニル基等)、3,4,5-トリメトキシフェニル基、ヒドロキシフェニル基(4-ヒドロキシフェニル基、3-ヒドロキシフェニル基、2-ヒドロキシフェニル基等)、ホルミルフェニル基(4-ホルミルフェニル基、3-ホルミルフェニル基、2-ホルミルフェニル基等)、メトキシカルボニルフェニル基(4-メトキシカルボニルフェニル基、3-メトキシカルボニルフェニル基、2-メトキシカルボニルフェニル基等)、ビフェニリル基(4-ビフェニリル基、3-ビフェニリル基、2-ビフェニリル基等)、トリルフェニル基(4-(p-トリル)フェニル基、4-(m-トリル)フェニル基、4-(p-トリル)フェニル基、2-(o-トリル)フェニル基等)、4-(4-n-ブトキシフェニル)フェニル基、4-(4-クロロフェニル)フェニル基、3-メチル-4-フェニルフェニル基、3-メトキシ-4-フェニルフェニル基、ターフェニル基、3,5-ジフェニルフェニル基、10-フェニル-9-アントリル基、10-(3,5-ジフェニルフェニル)-9-アントリル基、9-フェニル-2-フルオレニル基、フルオロフェニル基(4-フルオロフェニル基、3-フルオロフェニル基、2-フルオロフェニル基等)、クロロフェニル基(4-クロロフェニル基、3-クロロフェニル基、2-クロロフェニル基等)、ブロモフェニル基(4-ブロモフェニル基、2-ブロモフェニル基等)、クロロナフチル基(4-クロロ-1-ナフチル基、4-クロロ-2-ナフチル基等)、6-ブロモ-2-ナフチル基、ジクロロフェニル基(2,3-ジクロロフェニル基、2,4-ジクロロフェニル基、2,5-ジクロロフェニル基、3,4-ジクロロフェニル基、3,5-ジクロロフェニル基等)、2,5-ジブロモフェニル基、2,4,6-トリクロロフェニル基、ジクロロナフチル基(2,4-ジクロロ-1-ナフチル基、1,6-ジクロロ-2-ナフチル基等)、クロロメチルフェニル基(2-クロロ-4-メチルフェニル基、2-クロロ-5-メチルフェニル基、2-クロロ-6-メチルフェニル基、3-クロロ-4-メチルフェニル基、2-メチル-3-クロロフェニル基、2-メチル-4-クロロフェニル基、3-メチル-4-クロロフェニル基等)、2-クロロ-4,6-ジメチルフェニル基、フルオロメトキシフェニル基(2-フルオロ-4-メトキシフェニル基、2-フルオロ-6-メトキシフェニル基、2-メトキシ-4-フルオロフェニル基等)、フルオロエトキシ基(2-フルオロ-4-エトキシフェニル基、3-フルオロ-4-エトキシフェニル基等)、クロロメトキシ基(3-クロロ-4-メトキシフェニル基、2-メトキシ-5-クロロフェニル基、3-メトキシ-6-クロロフェニル基等)、クロロジメトキシ基(5-クロロ-2,4-ジメトキシフェニル基等)、アセチルフェニル基(4-アセチルフェニル基等)、トリフルオロメチルフェニル基(4-トリフルオロメチルフェニル基等)、ジメチルアミノフェニル基(4-ジメチルアミノフェニル基等)、t-ブトキシアミノフェニル基(4-(t-ブトキシカルボニルアミノ)フェニル基等)、トリメチルシリルフェニル基(4-トリメチルシリルフェニル基等)、ベンジルオキシフェニル基(4-ベンジルオキシフェニル基等)、ニトロフェニル基(4-ニトロフェニル基等)等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。

【0055】
本発明において、置換基Arの種類は特に制限はなく、前記の置換又は無置換の芳香族基のいずれでもよく、置換若しくは無置換の単環芳香族炭化水素基、置換若しくは無置換の縮合環芳香族炭化水素基、置換若しくは無置換の五員単環芳香族複素環式基等が好ましく、置換若しくは無置換の六員単環芳香族炭化水素基、置換若しくは無置換の二環芳香族炭化水素基、置換若しくは無置換の五員単環芳香族複素環式基等がより好ましく、フェニル基、トリル基(o-トリル基、m-トリル基、p-トリル基等)、メトキシフェニル基(2-メトキシフェニル基、3-メトキシフェニル基、4-メトキシフェニル基等)、メトキシカルボニルフェニル基(4-メトキシカルボニルフェニル基、3-メトキシカルボニルフェニル基、2-メトキシカルボニルフェニル基等)、フルオロフェニル基(4-フルオロフェニル基、3-フルオロフェニル基、2-フルオロフェニル基等)、トリフルオロメチルフェニル基(4-トリフルオロメチルフェニル基等)、t-ブトキシアミノフェニル基(4-(t-ブトキシカルボニルアミノ)フェニル基等)、ニトロフェニル基(4-ニトロフェニル基等)、ナフチル基(1-ナフチル基、2-ナフチル基等)、チエニル基(2-チエニル基、3-チエニル基等)等がさらに好ましい。

【0056】
一般式(8A)において、R及びRで示されるアルキル基及びシクロアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、t-ブチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基等のC1-8-アルキル基又はC3-8-シクロアルキル基等が採用できる。このアルキル基に置換し得る置換基としては、上記説明したArに置換し得る置換基が挙げられる。置換基の数についても同様である。

【0057】
また、一般式(8A)において、R及びRがともにアルキル基及び/又はシクロアルキル基である場合、互いに結合して、隣接する-O-B-O-とともに環を形成してもよい。この場合、上記芳香族基含有ボロン酸又はそのエステル化合物は、例えば、

【0058】
【化11】
JP2016093175A1_000012t.gif

【0059】
[式中、Arは前記に同じである。]
等が挙げられる。

【0060】
なお、一般式(8A)において、R及びRは、ともに水素原子であることが、生成物の収率及び経済的な観点から好ましい。

【0061】
化合物(8A)を使用する場合、その具体例としては、例えば、ジメチルエステル、ジエチルエステル、ジプロピルエステル、ジイソプロピルエステル、ジブチルエステル、ジヘキシルエステル、ジシクロヘキシルエステル、エチレングリコールエステル、プロピレングリコール(1,2-プロパンジオールエステル、1,3-プロパンジオールエステル)、トリメチレングリコールエステル、ネオペンチルグリコールエステル、ピナコールエステル、カテコールエステル、グリセリンエステル、トリメチロールエタンエステル、N-メチルイミノ二酢酸エステル等を挙げることができる。

【0062】
芳香族基含有ボロン酸又はそのエステル化合物のなかでも、収率の観点から、芳香族基含有ボロン酸を使用することが好ましい。

【0063】
一般式(8B)において、置換基Arは、置換又は無置換の芳香族基であり、上記一般式(8A)と同様のものを採用できる。置換基Arにおける芳香族基、Arが置換されている場合の置換基の種類及び数、Arが置換されている場合の置換された芳香族基、それぞれの好ましい具体例等については、上記一般式(8A)において詳述したものと同様のものを採用することができる。

【0064】
以上の化合物(8A)及び化合物(8B)は、1種単独で用いることができ、2種以上を組合せて用いることもできる。これらの化合物を2種以上使用する場合、例えば、化合物(8A)のなかから2種を用いることもできるし、化合物(8B)のなかから2種を用いることもできるし、化合物(8A)と化合物(8B)とを使用することもできる。ただし、工程をより簡便にする観点から、1種のみを使用することが好ましい。

【0065】
本工程において、化合物(8A)及び化合物(8B)の使用量は、選択率及び収率の観点から、前記化合物(7)1モルに対して、通常、0.2~3モルが好ましく、0.3~2.5モルがより好ましい。なお、化合物(8A)及び化合物(8B)のうち2種以上を使用する場合は、その合計量が上記範囲内となるように調整することが好ましい。

【0066】
本工程で使用するパラジウム触媒としては、特に限定されるものではなく、例えば、酢酸パラジウム(Pd(OCOCH;Pd(OAc))、トリフルオロ酢酸パラジウム(Pd(OCOCF)、p-アリルパラジウム(II)クロリドダイマー([PdCl(allyl)])、p-シンナミルパラジウム(II)クロリドダイマー、ジ-μ-クロロビス(2’-アミノ-1,1’-ビフェニル-2-C,N)ジパラジウム(II)、塩化パラジウム(PdCl)、臭化パラジウム(PdBr)、ヨウ化パラジウム(PdI)、Pd(CHCOCHCOCH、KPdCl、KPdCl、KPd(NO、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)、ビス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム(0)、ジクロロビス(エチレン)パラジウム(PdCl(C)、ジクロロ(1,5-シクロオクタジエン)パラジウム(II)、2,5-ノルボルナジエンパラジウムジクロリド、ビス(アセトニトリル)パラジウムジクロリド、ビス(ベンゾニトリル)パラジウムジクロリド、Pd(π-C等の有機配位子錯体;PdCl(NH、PdCl[N(C、Pd(NO(NH等のN-配位錯体等を挙げることができる。これらは単独で使用することができ、2種以上を組合せて用いることもできる。なかでも、本工程では、選択率、収率及び安全性の観点から、有機配位子錯体が好ましく、酢酸パラジウム(Pd(OCOCH)、p-アリルパラジウム(II)クロリドダイマー、トリフロオロ酢酸パラジウム、ビス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム(0)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)等がより好ましく、酢酸パラジウム(Pd(OCOCH)がさらに好ましい。

【0067】
本工程において、パラジウム触媒の使用量は、選択率及び収率の観点から、前記化合物(7)1モルに対して、通常、0.001~1モルが好ましく、0.01~0.25モルがより好ましい。

【0068】
本工程においては、選択率及び収率をより向上させる観点から、配位子を使用することが好ましい。この配位子は、あらかじめ上記パラジウム触媒に導入することもできるし、上記パラジウム触媒とともに系中に投入することもできる。

【0069】
本工程で使用し得る配位子としては、選択率及び収率の観点から、ホスフィン配位子が好ましい。本工程で使用できるホスフィン配位子としては、特に限定されるものではなく、例えば、次式:PRで表されるホスフィン配位子(R、R及びRは同一又は異なって、C1-8アルキル基(メチル基、エチル基、t-ブチル基等)、C1-4アルコキシ基(メトキシ基、エトキシ基等)、C3-8シクロアルキル基(シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等)、フェニル基、ビフェニル基、フェノキシ基、又はフリル基を示す。前記C3-8シクロアルキル基は更にC1-4アルキル基(メチル基、エチル基等)で置換されていてもよい。前記フェニル基は更にメチル基、スルホン酸又はその塩で置換されていてもよい。前記ビフェニル基は更にそれぞれ独立して、C1-4アルキル基(メチル基、エチル基、イソプロピル基等)、C1-4アルコキシ基(メトキシ基、エトキシ基等)、ジアルキルアミノ基(ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基等)で置換されてもよい。)、ビス(ジフェニルホスフィノ)アルカン、ビス(ジアルキルホスフィノ)アルカン、ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン等が挙げられる。

【0070】
前記PRで示されるホスフィン配位子としては、例えば、t-ブチルジシクロヘキシルホスフィン、イソブチルジシクロヘキシルホスフィン、(n-ブチル)ジシクロヘキシルホスフィン、イソプロピルジシクロヘキシルホスフィン、(n-プロピル)ジシクロヘキシルホスフィン、エチルジシクロヘキシルホスフィン、メチルジシクロへキシルホスフィン、シクロプロピルジシクロヘキシルホスフィン、シクロブチルジシクロヘキシルホスフィン、t-ブチルジシクロオクチルホスフィン、t-ブチルジシクロヘプチルホスフィン、t-ブチルジシクロペンチルホスフィン、t-ブチルジシクロブチルホスフィン、t-ブチルジシクロプロピルホスフィン、トリエチルホスフィン、トリ(n-プロピル)ホスフィン、トリ(イソプロピル)ホスフィン、トリ(t-ブチル)ホスフィン、トリ(n-ブチル)ホスフィン、トリ(n-オクチル)ホスフィン、トリ(シクロオクチル)ホスフィン、トリ(シクロヘプチル)ホスフィン、トリ(シクロヘキシル)ホスフィン、トリ(シクロペンチル)ホスフィン、トリ(シクロブチル)ホスフィン、トリ(シクロプロピル)ホスフィン、ジ(t-ブチル)メチルホスフィン、ジ(t-ブチル)エチルホスフィン、ジ(t-ブチル)n-プロピルホスフィン、ジ(t-ブチル)イソプロピルホスフィン、ジ(t-ブチル)n-ブチルホスフィン、ジ(t-ブチル)イソブチルホスフィン、ジ(t-ブチル)ネオペンチルホスフィン、トリフェニルホスフィン、トリ(o-トリル)ホスフィン、トリ-m-トリルホスフィン、トリ-p-トリルホスフィン、トリ(メシチル)ホスフィン、トリ(フェノキシ)ホスフイン、トリ-(2-フリル)ホスフィン、トリメトキシホスフィン、トリエトキシホスフィン、トリ(n-プロピルオキシ)ホスフィン、トリ(イソプロピルオキシ)ホスフィン、トリ(n-ブチルオキシ)ホスフィン、トリ(イソブチルオキシ)ホスフィン、トリ(t-ブチルオキシ)ホスフィン、ジ(t-ブチル)シクロヘキシルホスフィン、ジ(イソブチル)シクロヘキシルホスフィン、ジ(n-ブチル)シクロヘキシルホスフィン、ジ(イソプロピル)シクロヘキシルホスフィン、ジ(n-プロピル)シクロヘキシルホスフィン、ジエチルシクロヘキシルホスフィン、ジメチルシクロヘキシルホスフィン、ジ(t-ブチル)シクロペンチルホスフィン、ジ(イソブチル)シクロペンチルホスフィン、ジ(n-ブチル)シクロペンチルホスフィン、ジ(イソプロピル)シクロペンチルホスフィン、ジ(n-プロピル)シクロペンチルホスフィン、ジエチルシクロペンチルホスフィン、ジメチルシクロペンチルホスフィン、ジ(t-ブチル)シクロオクチルホスフィン、ジ(t-ブチル)シクロヘプチルホスフィン、ジ(t-ブチル)シクロペンチルホスフィン、ジ(t-ブチル)シクロブチルホスフィン、ジ(t-ブチル)シクロプロピルホスフィン、ジメチルフェニルホスフィン、ジエチルフェニルホスフィン、ジ(n-プロピル)フェニルホスフィン、ジ(イソプロピル)フェニルホスフィン、ジ(n-ブチル)フェニルホスフィン、ジ(イソブチル)フェニルホスフィン、ジ(t-ブチル)フェニルホスフィン、ジシクロオクチルフェニルホスフィン、ジシクロヘプチルフェニルホスフィン、ジシクロヘキシルフェニルホスフィン、ジシクロペンチルフェニルホスフィン、ジシクロブチルフェニルホスフィン、ジシクロプロピルフェニルホスフィン、ジシクロヘキシル-(p-トリル)-ホスフィン、ジシクロヘキシル-(o-トリル)ホスフィン、ジシクロヘキシル-(p-トリル)ホスフィン、ジシクロヘキシル-(2,4,6-トリメチルフェニル)ホスフィン、メチルジフェニルホスフィン、エチルジフェニルホスフィン、(n-プロピル)ジフェニルホスフィン、イソプロピルジフェニルホスフィン、(n-ブチル)ジフェニルホスフィン、イソブチルジフェニルホスフィン、(t-ブチル)ジフェニルホスフィン、シクロオクチルジフェニルホスフィン、シクロヘプチルジフェニルホスフィン、シクロヘキシルジフェニルホスフィン、シクロペンチルジフェニルホスフィン、シクロブチルジフェニルホスフィン、シクロプロピルジフェニルホスフィン、ビス(p-スルホナートフェニル)フェニルホスフィンカリウム、cBRIDP、BippyPhos、TrippyPhos、XPhos(2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’,4’,6’-トリイソプロピル-1,1’-ビフェニル;後述の実施例のL4)、t-Bu-XPhos(2-ジ-t-ブチルホスフィノ-2’,4’,6’-トリイソプロピル-1,1’-ビフェニル;後述の実施例のL3)、JohnPhos(2-(ジ-t-ブチルホスフィノ)ビフェニル;後述の実施例のL1)、Cy-JohnPhos(2-(ジシクロヘキシルホスフィノ)ビフェニル;後述の実施例のL2)、MePhos、t-Bu-MePhos、DavePhos、t-Bu-DavePhos、SPhos(2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’,6’-ジメトキシ-1,1’-ビフェニル;後述の実施例のL5)、RuPhos(2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’,6’-ジイソプロポキシ-1,1’-ビフェニル)、CataCXium A、cataCXium ABn、cataCXium PtB、cataCXium PCy、cataCXium POMetB、cataCXium POMeCy、cataCXium PIntB、cataCXium PInCy、cataCXium PICy、Q-Phos、JOSIPHOS等が挙げられる。

【0071】
また、ビス(ジフェニルホスフィノ)アルカンとしては、例えば、ビス(ジフェニルホスフィノ)メタン、1,2-ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン(dppe)、1,3-ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン、1,4-ビス(ジフェニルホスフィノ)ブタン、1,5-ビス(ジフェニルホスフィノ)ペンタン、1,6-ビス(ジフェニルホスフィノ)ヘキサン等が挙げられ、ビス(ジアルキルホスフィノ)アルカンとしては、例えば、1,2-ビス(ジメチルホスフィノ)エタン等が挙げられ、ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセンとしては、例えば、1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン(dppf)等が挙げられる。

【0072】
さらに、これらのホスフィン配位子は、ハロゲン原子(塩素原子等)、HCl、HF、HBr、HI、HBF等との塩である配位子前駆体として用いることもできる。これらは単独で使用することもでき、また、複数併用することもできる。

【0073】
なかでも、本工程では、選択率、収率及び安全性の観点から、XPhos(2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’,4’,6’-トリイソプロピル-1,1’-ビフェニル;後述の実施例のL4)、JohnPhos(2-(ジ-t-ブチルホスフィノ)ビフェニル;後述の実施例のL1)、Cy-JohnPhos(2-(ジシクロヘキシルホスフィノ)ビフェニル;後述の実施例のL2)、SPhos(2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’,6’-ジメトキシ-1,1’-ビフェニル;後述の実施例のL5)等が好ましく、JohnPhos(2-(ジ-t-ブチルホスフィノ)ビフェニル;後述の実施例のL1)、SPhos(2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’,6’-ジメトキシ-1,1’-ビフェニル;後述の実施例のL5)等がより好ましく、SPhos(2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’,6’-ジメトキシ-1,1’-ビフェニル;後述の実施例のL5)等がさらに好ましい。

【0074】
本工程において、配位子の使用量は、選択率及び収率の観点から、前記パラジウム触媒1モルに対して、通常、0.2~3モルが好ましく、0.3~2.5モルがより好ましい。

【0075】
本工程では、塩基を使用することが好ましい。つまり、工程(I)は、塩基の存在下で行われることが好ましい。本工程で使用できる塩基としては、例えば、カリウムt-ブトキシド、ナトリウムt-ブトキシド、リチウムt-ブトキシド等の金属アルコキシド;リン酸リチウム、リン酸ナトリウム、リン酸カリウム等のリン酸アルカリ金属塩;水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化セシウム等のアルカリ金属水酸化物;炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム等の炭酸アルカリ金属塩;リチウムジイソプロピルアミド、リチウムビス(トリメチルシリル)アミド、ナトリウムビス(トリメチルシリル)アミド、カリウムビス(トリメチルシリル)アミド等の金属アミド;トリエチルアミン、ジアザビシクロウンデセン、1,4-ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン等のアミン等が挙げられる。これらは単独で使用することもできるし、2種以上を組合せて使用することもできる。なかでも、本工程では、選択率、収率及び安全性の観点から、炭酸アルカリ金属塩が好ましく、炭酸ナトリウムがより好ましい。

【0076】
本工程において、塩基を使用する場合、塩基の使用量は、選択率及び収率の観点から、前記化合物(7)1モルに対して、通常、0.5~4モルが好ましく、1~3モルがより好ましい。

【0077】
本工程は、通常、反応溶媒下で行われる。使用できる反応溶媒としては、例えば、1,4-ジオキサン、テトラヒドロフラン、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジイソブチルエーテル、シクロペンチルメチルエーテル(CPME)等のエーテル溶媒;ベンゼン、トルエン、o-キシレン、m-キシレン、p-キシレン、混合キシレン、メシチレン等の芳香族炭化水素溶媒等の有機溶媒を用いることが好ましい。これらは単独で使用することもでき、また、複数併用することもできる。また、これらの有機溶媒と、水との混合溶媒(混合比は有機溶媒:水=1:99~99:1が好ましい)を用いることもできる。なかでも、選択率、収率及び安全性の観点から、エーテル溶媒と水との混合溶媒が好ましく、1,4-ジオキサンと水との混合溶媒がより好ましい。

【0078】
これらの反応溶媒(有機溶媒)の使用量は、反応が進行する限り特に限定されるものではない。

【0079】
本工程の反応温度は、使用する反応溶媒の沸点等によっても異なる。通常室温(25℃)~300℃程度、特に30~150℃程度、さらに40~100℃程度の反応温度で実施することが好ましい。また、本工程は通常、不活性ガス(例えば、窒素、アルゴン、ヘリウム等)気流下で実施することが好ましい。また、反応は、常圧で実施することもでき、また、必要に応じて、減圧又は加圧条件下で実施することも可能であり、なかでも、常圧下で実施することが好ましい。反応時間は、特に制限はなく、反応が十分に進行する時間とすることができる。

【0080】
反応の進行は、クロマトグラフィーのような通常の方法で追跡することができる。反応終了後、溶媒を留去し、生成物はクロマトグラフィー法、再結晶法等の通常の方法で生成物である(ヘテロ)アリールアセトニトリル化合物を単離精製することができる。また、生成物の構造は、元素分析、MS(FD-MS)分析、IR分析、H-NMR、13C-NMR等により同定することができる。

【0081】
また、本工程で合成される(ヘテロ)アリールアセトニトリル化合物は、精製処理を施さずに次の工程(工程(II))に用いることもでき、必要に応じて、活性炭処理、再結晶、カラムクロマトグラフィー等の通常の精製方法により精製することも可能である。

【0082】
このようにして得られる(ヘテロ)アリールアセトニトリル化合物は、一般式(4):
Ar-CH-CN (4)
[式中、Arは前記に同じである。]
で表される化合物である。

【0083】
2.工程(II):(ヘテロ)アリールアセトニトリル化合物の(ヘテロ)アリール化
本工程では、
(II)一般式(4):
Ar-CH-CN (4)
[式中、Arは前記に同じである。]
で表される(ヘテロ)アリールアセトニトリル化合物(以下、「化合物(4)」と言うこともある)と、
一般式(5):
Ar (5)
[式中、Arは置換又は無置換の芳香族基を示す。Xはハロゲン原子を示す。]
で表されるハロゲン化芳香族化合物(以下、「化合物(5)」と言うこともある)とを、パラジウム触媒の存在下で反応させる工程
により、ジ(ヘテロ)アリールアセトニトリル化合物を合成することができる。

【0084】
化合物(4)は、前記工程(I)で合成することができる化合物であり、種々様々な化合物を採用することができる。また、一般式(4)におけるArは、置換又は無置換の芳香族基であり、上記一般式(8A)と同様のものを採用できる。置換基Arにおける芳香族基、Arが置換されている場合の置換基の種類及び数、Arが置換されている場合の置換された芳香族基、それぞれの好ましい具体例等については、上記一般式(8A)において詳述したものと同様のものを採用することができる。

【0085】
一般式(5)において、置換基Arは、置換又は無置換の芳香族基である。一般式(5)において、置換基Arにおける芳香族基、Arが置換されている場合の置換基の種類及び数、Arが置換されている場合の置換された芳香族基としては、上記Arについて詳述したものと同様のものを採用することができる。

【0086】
置換基Arは、最終生成物であるトリ(ヘテロ)アリールアセトニトリル化合物が有する(ヘテロ)アリール基(芳香族基)のうち1つを構成しており、種々様々な芳香族基を採用することができる。本反応の選択率及び収率の観点から、置換若しくは無置換の単環芳香族炭化水素基、又は置換若しくは無置換の単環芳香族複素環式基が好ましく、置換若しくは無置換の六員単環芳香族炭化水素基、又は置換若しくは無置換の五員単環芳香族複素環式基がより好ましく、フェニル基、トリル基(o-トリル基、m-トリル基、p-トリル基等)、メトキシフェニル基(2-メトキシフェニル基、3-メトキシフェニル基、4-メトキシフェニル基等)、フルオロフェニル基(2-フルオロフェニル基、3-フルオロフェニル基、4-フルオロフェニル基等)、トリフロオロメチルフェニル基(2-トリフロオロメチルフェニル基、3-トリフロオロメチルフェニル基、4-トリフロオロメチルフェニル基等)、チエニル基(2-チエニル基、3-チエニル基等)等がさらに好ましい。

【0087】
一般式(5)において、Xはハロゲン原子であり、フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子が挙げられる。これらのなかでも、本工程における選択性及び収率の観点から、臭素原子及びヨウ素原子が好ましく、特に臭素原子が好ましい。

【0088】
本工程において、化合物(5)の使用量は、選択率及び収率の観点から、化合物(4)1モルに対して、通常、0.2~3モルが好ましく、1~2.5モルがより好ましい。

【0089】
本工程で使用するパラジウム触媒としては、特に限定されるものではなく、例えば、酢酸パラジウム(Pd(OCOCH;Pd(OAc))、トリフルオロ酢酸パラジウム(Pd(OCOCF)、p-アリルパラジウム(II)クロリドダイマー([PdCl(allyl)])、p-シンナミルパラジウム(II)クロリドダイマー、ジ-μ-クロロビス(2’-アミノ-1,1’-ビフェニル-2-C,N)ジパラジウム(II)、塩化パラジウム(PdCl)、臭化パラジウム(PdBr)、ヨウ化パラジウム(PdI)、Pd(CHCOCHCOCH、KPdCl、KPdCl、KPd(NO、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)、ビス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム(0)、ジクロロビス(エチレン)パラジウム(PdCl(C)、ジクロロ(1,5-シクロオクタジエン)パラジウム(II)、2,5-ノルボルナジエンパラジウムジクロリド、ビス(アセトニトリル)パラジウムジクロリド、ビス(ベンゾニトリル)パラジウムジクロリド、Pd(π-C等の有機配位子錯体;PdCl(NH、PdCl[N(C、Pd(NO(NH等のN-配位錯体等を挙げることができる。これらは単独で使用することもでき、2種以上を組合せて用いることもできる。

【0090】
なかでも、本工程では、選択率、収率及び安全性の観点から、有機配位子錯体が好ましく、酢酸パラジウム(Pd(OCOCH)、p-アリルパラジウム(II)クロリドダイマー、トリフルオロ酢酸パラジウム、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)、ビス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム(0)等がより好ましく、酢酸パラジウム(Pd(OCOCH)がさらに好ましい。

【0091】
本工程において、パラジウム触媒の使用量は、選択率及び収率の観点から、前記化合物(4)1モルに対して、通常、0.02~1モルが好ましく、0.03~0.25モルがより好ましい。

【0092】
本工程においては、選択率及び収率をより向上させる観点から、配位子を使用することが好ましい。この配位子は、あらかじめ上記パラジウム触媒に導入することもできるし、上記パラジウム触媒とともに系中に投入することもできる。

【0093】
本工程で使用し得る配位子としては、選択率及び収率の観点から、ホスフィン配位子が好ましい。本工程で使用できるホスフィン配位子としては、特に限定されるものではなく、例えば、トリ(シクロアルキル)ホスフィン、アルキルジ(シクロアルキルホスフィン)、ジ(アルキル)シクロアルキルホスフィン、トリ(アルキル)ホスフィン、トリ(アルコキシ)ホスフィン、アルキルジアダマンチルホスフィン、一般式(6):

【0094】
【化12】
JP2016093175A1_000013t.gif

【0095】
[式中、R及びRは同一又は異なって、置換若しくは無置換のアルキル基、又は置換若しくは無置換のシクロアルキル基を示す。Rは置換若しくは無置換のアルキル基、置換若しくは無置換のアルコキシ基、又は-PR(R及びRは同一又は異なって、置換若しくは無置換のアルキル基、又は置換若しくは無置換のシクロアルキル基を示す)で示される基を示す。nは0~3の整数を示す。]
で表される配位子等が挙げられる。なお、ビフェニル基又はその誘導体基を有する配位子を使用すると、選択率及び収率に優れるが、フェニル基又はその誘導体基を有する配位子は選択率及び収率に劣るため使用しないことが好ましい。

【0096】
トリ(シクロアルキル)ホスフィンとしては、例えば、シクロプロピルジシクロヘキシルホスフィン、シクロブチルジシクロヘキシルホスフィン、トリ(シクロオクチル)ホスフィン、トリ(シクロヘプチル)ホスフィン、トリ(シクロヘキシル)ホスフィン、トリ(シクロペンチル)ホスフィン、トリ(シクロブチル)ホスフィン、トリ(シクロプロピル)ホスフィン等が挙げられる。

【0097】
アルキルジ(シクロアルキルホスフィン)としては、例えば、t-ブチルジシクロヘキシルホスフィン、イソブチルジシクロヘキシルホスフィン、(n-ブチル)ジシクロヘキシルホスフィン、イソプロピルジシクロヘキシルホスフィン、(n-プロピル)ジシクロヘキシルホスフィン、エチルジシクロヘキシルホスフィン、メチルジシクロへキシルホスフィン、t-ブチルジシクロオクチルホスフィン、t-ブチルジシクロヘプチルホスフィン、t-ブチルジシクロペンチルホスフィン、t-ブチルジシクロブチルホスフィン、t-ブチルジシクロプロピルホスフィン等が挙げられる。

【0098】
ジ(アルキル)シクロアルキルホスフィンとしては、例えば、ジ(t-ブチル)シクロヘキシルホスフィン、ジ(イソブチル)シクロヘキシルホスフィン、ジ(n-ブチル)シクロヘキシルホスフィン、ジ(イソプロピル)シクロヘキシルホスフィン、ジ(n-プロピル)シクロヘキシルホスフィン、ジエチルシクロヘキシルホスフィン、ジメチルシクロヘキシルホスフィン、ジ(t-ブチル)シクロペンチルホスフィン、ジ(イソブチル)シクロペンチルホスフィン、ジ(n-ブチル)シクロペンチルホスフィン、ジ(イソプロピル)シクロペンチルホスフィン、ジ(n-プロピル)シクロペンチルホスフィン、ジエチルシクロペンチルホスフィン、ジメチルシクロペンチルホスフィン、ジ(t-ブチル)シクロオクチルホスフィン、ジ(t-ブチル)シクロヘプチルホスフィン、ジ(t-ブチル)シクロペンチルホスフィン、ジ(t-ブチル)シクロブチルホスフィン、ジ(t-ブチル)シクロプロピルホスフィン等が挙げられる。

【0099】
トリ(アルキル)ホスフィンとしては、例えば、トリエチルホスフィン、トリ(n-プロピル)ホスフィン、トリ(イソプロピル)ホスフィン、トリ(n-ブチル)ホスフィン、トリ(n-オクチル)ホスフィン、ジ(t-ブチル)メチルホスフィン、ジ(t-ブチル)メチルホスフィン、ジ(t-ブチル)エチルホスフィン、ジ(t-ブチル)n-プロピルホスフィン、ジ(t-ブチル)イソプロピルホスフィン、ジ(t-ブチル)n-ブチルホスフィン、ジ(t-ブチル)イソブチルホスフィン、ジ(t-ブチル)ネオペンチルホスフィン等が挙げられる。ただし、トリ(t-ブチル)ホスフィンを使用した場合、副生成物としてトリ(ヘテロ)アリールアセトニトリル化合物も、ジ(ヘテロ)アリールアセトニトリル化合物と同程度得られやすい。このため、導入する芳香族基の制御をより容易にする観点からは、トリ(t-ブチル)ホスフィン以外のホスフィン配位子が好ましい。

【0100】
トリ(アルコキシ)ホスフィンとしては、例えば、トリメトキシホスフィン、トリエトキシホスフィン、トリ(n-プロピルオキシ)ホスフィン、トリ(イソプロピルオキシ)ホスフィン、トリ(n-ブチルオキシ)ホスフィン、トリ(イソブチルオキシ)ホスフィン、トリ(t-ブチルオキシ)ホスフィン等が挙げられる。

【0101】
アルキルジアダマンチルホスフィンとしては、例えば、n-ブチルジアダマンチルホスフィン等が挙げられる。

【0102】
なお、配位子として、ビナフチル骨格を有する配位子を使用した場合には、本工程でフェニル基を導入しようとする場合には副生成物は生成しないが、フェニル基以外の芳香族基を導入しようとする場合には、目的の芳香族基が導入された化合物と、フェニル基が導入された副生成物とが生成されやすい。このため、ビナフチル骨格を有する配位子は使用しないことが好ましい。

【0103】
一般式(6)において、R及びRで示されるアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、t-ブチル基、ヘキシル基等のC1-8-アルキル基等が採用できる。このアルキル基に置換し得る置換基としては、上記説明したArに置換し得る置換基が挙げられる。置換基の数についても同様である。

【0104】
一般式(6)において、R及びRで示されるシクロアルキル基としては、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等のC3-8-シクロアルキル基等が採用できる。このシクロアルキル基に置換し得る置換基としては、上記説明したArに置換し得る置換基が挙げられる。置換基の数についても同様である。

【0105】
なかでも、R及びRとしては、選択率及び収率の観点から、置換又は無置換のシクロアルキル基が好ましく、無置換のシクロアルキル基がより好ましく、シクロヘキシル基がさらに好ましい。

【0106】
一般式(6)において、Rで示されるアルキル基としては、上記R及びRと同様の基を採用し得る。このアルキル基に置換し得る置換基としては、上記説明したArに置換し得る置換基が挙げられる。置換基の数についても同様である。

【0107】
一般式(6)において、Rで示されるアルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、n-プロポキシ基、イソプロポキシ基、n-ブトキシ基、イソブトキシ基、sec-ブトキシ基、t-ブトキシ基、ヘキトキシ基等のC1-8-アルコキシ基等が採用できる。このアルコキシ基に置換し得る置換基としては、上記説明したArに置換し得る置換基が挙げられる。置換基の数についても同様である。

【0108】
一般式(6)の-PRで表される基において、R及びRで示されるアルキル基及びシクロアルキル基としては、上記R及びRと同様の基を採用し得る。このアルキル基及びシクロアルキル基に置換し得る置換基としては、上記説明したArに置換し得る置換基が挙げられる。置換基の数についても同様である。

【0109】
なかでも、Rとしては、選択率及び収率の観点から、-PRで表される基が好ましく、-PR(R及びRは同一又は異なって、それぞれ置換又は無置換のシクロアルキル基)で表される基がより好ましく、-PR(R及びRは同一又は異なって、それぞれ無置換のシクロアルキル基)で表される基がさらに好ましく、-PCy(Cyはシクロヘキシル基を示す。以下同様である)が特に好ましい。

【0110】
一般式(6)において、nはRの数であり、0~3の整数のいずれも採用し得る。なかでも、選択率及び収率の観点から、1又は2が好ましく、1がより好ましい。

【0111】
このような一般式(6)で表される配位子としては、例えば、XPhos(2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’,4’,6’-トリイソプロピル-1,1’-ビフェニル)、t-Bu-XPhos(2-ジ-t-ブチルホスフィノ-2’,4’,6’-トリイソプロピル-1,1’-ビフェニル;後述の実施例のL3)、JohnPhos(2-(ジ-t-ブチルホスフィノ)ビフェニル;後述の実施例のL1)、Cy-JohnPhos(2-(ジシクロヘキシルホスフィノ)ビフェニル;後述の実施例のL2)、MePhos(2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’-メチルビフェニル)、t-Bu-MePhos、SPhos(2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’,6’-ジメトキシ-1,1’-ビフェニル;後述の実施例のL4)、RuPhos(2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’,6’-ジイソプロポキシ-1,1’-ビフェニル)等が挙げられる。

【0112】
また、一般式(6)で表される配位子としては、一般式(6a):

【0113】
【化13】
JP2016093175A1_000014t.gif

【0114】
[式中、R1b、R1c、R2b及びR2cは同一又は異なって、アルキル基又はシクロアルキル基(特にシクロアルキル基)を示す。]
で表される配位子(以下、「配位子(6a)」と言うこともある)を使用することもできる。この配位子(6a)の合成方法は後述する。

【0115】
これらの配位子のなかでも、選択性及び収率の観点から、トリ(シクロアルキル)ホスフィン、トリ(アルキル)ホスフィン(ただし、トリ(t-ブチル)ホスフィンは除く)、アルキルジアダマンチルホスフィン、一般式(6)で表される配位子等が好ましく、トリシクロアルキルホスフィン、ジ(t-ブチル)メチルホスフィン、n-ブチルジアダマンチルホスフィン、一般式(6)で示される配位子等がより好ましく、トリシクロヘキシルホスフィン、ジ(t-ブチル)メチルホスフィン、t-Bu-XPhos(2-ジ-t-ブチルホスフィノ-2’,4’,6’-トリイソプロピル-1,1’-ビフェニル;後述の実施例のL3)、JohnPhos(2-(ジ-t-ブチルホスフィノ)ビフェニル;後述の実施例のL1)、Cy-JohnPhos(2-(ジシクロヘキシルホスフィノ)ビフェニル;後述の実施例のL2)、SPhos(2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’,6’-ジメトキシ-1,1’-ビフェニル;後述の実施例のL4)、配位子(6a)がさらに好ましく、トリシクロヘキシルホスフィン、ジ(t-ブチル)メチルホスフィン、Cy-JohnPhos(2-(ジシクロヘキシルホスフィノ)ビフェニル;後述の実施例のL2)、SPhos(2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’,6’-ジメトキシ-1,1’-ビフェニル;後述の実施例のL4)、等配位子(6a)が特に好ましい。前記特に好ましい配位子のなかでも、ジ(t-ブチル)メチルホスフィン、SPhos(2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’,6’-ジメトキシ-1,1’-ビフェニル;後述の実施例のL4)、配位子(6a)等が好ましく、配位子(6a)が最も好ましい。

【0116】
本工程において、配位子の使用量は、選択率及び収率の観点から、前記パラジウム触媒1モルに対して、通常、0.01~3モルが好ましく、0.1~2.5モルがより好ましい。

【0117】
本工程では、塩基を使用することが好ましい。つまり、工程(II)は、塩基の存在下で行われることが好ましい。本工程で使用できる塩基としては、例えば、カリウムt-ブトキシド、ナトリウムt-ブトキシド、リチウムt-ブトキシド等の金属アルコキシド;リン酸リチウム、リン酸ナトリウム、リン酸カリウム等のリン酸アルカリ金属塩;水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化セシウム等のアルカリ金属水酸化物;炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム等の炭酸アルカリ金属塩;リチウムジイソプロピルアミド、リチウムビス(トリメチルシリル)アミド、ナトリウムビス(トリメチルシリル)アミド、カリウムビス(トリメチルシリル)アミド等の金属アミド;トリエチルアミン、ジアザビシクロウンデセン、1,4-ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン等のアミン等が挙げられる。これらは単独で使用することもできるし、2種以上を組合せて使用することもできる。なかでも、本工程では、選択率、収率及び安全性の観点から、リン酸アルカリ金属塩が好ましく、リン酸カリウムがより好ましい。

【0118】
本工程において、塩基を使用する場合、塩基の使用量は、選択率及び収率の観点から、前記化合物(4)1モルに対して、通常、0.5~10モルが好ましく、1~5モルがより好ましい。

【0119】
本工程は、通常、反応溶媒下で行われる。使用できる反応溶媒としては、例えば、1,4-ジオキサン、テトラヒドロフラン、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジイソブチルエーテル、シクロペンチルメチルエーテル(CPME)等のエーテル溶媒;ベンゼン、トルエン、o-キシレン、m-キシレン、p-キシレン、混合キシレン、メシチレン等の芳香族炭化水素溶媒等の有機溶媒を用いることが好ましい。これらは単独で使用することもでき、また、複数併用することもできる。なかでも、選択率、収率及び安全性の観点から、エーテル溶媒が好ましく、1,4-ジオキサンがより好ましい。

【0120】
これらの反応溶媒(有機溶媒)の使用量は、反応が進行する限り特に限定されるものではない。

【0121】
本工程の反応温度は、使用する反応溶媒の沸点等によっても異なる。通常室温(25℃)~300℃程度、特に40~150℃程度、さらに60~120℃程度の反応温度で実施することが好ましい。また、本工程は通常、不活性ガス(例えば、窒素、アルゴン、ヘリウム等)気流下で実施することが好ましい。また、反応は、常圧で実施することもでき、また、必要に応じて、減圧又は加圧条件下で実施することも可能であり、なかでも、常圧下で実施することが好ましい。反応時間は、特に制限はなく、反応が十分に進行する時間とすることができる。

【0122】
反応の進行は、クロマトグラフィーのような通常の方法で追跡することができる。反応終了後、溶媒を留去し、生成物はクロマトグラフィー法、再結晶法等の通常の方法で生成物であるジ(ヘテロ)アリールアセトニトリル化合物を単離精製することができる。また、生成物の構造は、元素分析、MS(FD-MS)分析、IR分析、H-NMR、13C-NMR等により同定することができる。

【0123】
また、本工程で合成されるジ(ヘテロ)アリールアセトニトリル化合物は、精製処理を施さずに次の工程(工程(III))に用いることもでき、必要に応じて、活性炭処理、再結晶、カラムクロマトグラフィー等の通常の精製方法により精製することも可能である。

【0124】
このようにして得られる(ヘテロ)アリールアセトニトリル化合物は、一般式(2):

【0125】
【化14】
JP2016093175A1_000015t.gif

【0126】
[式中、Ar及びArは前記に同じである。]
で表される化合物である。

【0127】
3.工程(III):ジ(ヘテロ)アリールアセトニトリル化合物の(ヘテロ)アリール化
本工程では、
(III)一般式(2):

【0128】
【化15】
JP2016093175A1_000016t.gif

【0129】
[式中、Ar及びArは前記に同じである。]
で示されるジ(ヘテロ)アリールアセトニトリル化合物(以下、「化合物(2)」と言うこともある)と、
一般式(3):
Ar (3)
[式中、Arは置換又は無置換の芳香族基を示す。Xはハロゲン原子を示す。]
で表されるハロゲン化芳香族化合物(以下、「化合物(3)」と言うこともある)とを、
パラジウム触媒の存在下に反応させる工程
により、目的化合物であるトリ(ヘテロ)アリールアセトニトリル化合物を合成する。

【0130】
化合物(2)は、前記工程(II)で合成することができる化合物であり、種々様々な化合物を採用することができる。また、一般式(2)におけるAr及びArは、前記説明したものを挙げることができる。好ましい具体例も同様である。

【0131】
一般式(3)において、置換基Arは、置換又は無置換の芳香族基である。一般式(3)において、置換基Arにおける芳香族基、Arが置換されている場合の置換基の種類及び数、並びにArが置換されている場合の置換された芳香族基としては、上記Arについて詳述したものと同様のものを採用することができる。

【0132】
置換基Arは、最終生成物であるトリ(ヘテロ)アリールアセトニトリル化合物が有する(ヘテロ)アリール基(芳香族基)のうち1つを構成しており、種々様々な芳香族基を採用することができる。本反応の選択率及び収率の観点から、置換若しくは無置換の単環芳香族炭化水素基、置換若しくは無置換の単環芳香族複素環式基、置換若しくは無置換の縮合環芳香族複素環式基等が好ましく、置換若しくは無置換の六員単環芳香族炭化水素基、置換若しくは無置換の五又は六員単環芳香族複素環式基、置換若しくは無置換の二環芳香族複素環式基等がより好ましく、フェニル基、トリル基(o-トリル基、m-トリル基、p-トリル基等)、メトキシフェニル基(2-メトキシフェニル基、3-メトキシフェニル基、4-メトキシフェニル基等)、ホルミルフェニル基(4-ホルミルフェニル基、3-ホルミルフェニル基、2-ホルミルフェニル基等)、メトキシカルボニルフェニル基(4-メトキシカルボニルフェニル基、3-メトキシカルボニルフェニル基、2-メトキシカルボニルフェニル基等)、フルオロフェニル基(2-フルオロフェニル基、3-フルオロフェニル基、4-フルオロフェニル基等)、トリフロオロメチルフェニル基(2-トリフロオロメチルフェニル基、3-トリフロオロメチルフェニル基、4-トリフロオロメチルフェニル基等)、ジメチルアミノフェニル基(4-ジメチルアミノフェニル基等)、チエニル基(2-チエニル基、3-チエニル基等)、ピリジル基(2-ピリジル基、3-ピリジル基、4-ピリジル基等)、インドリル基等がさらに好ましい。

【0133】
一般式(3)において、Xはハロゲン原子であり、フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子が挙げられる。これらのなかでも、本工程における選択性及び収率の観点から、臭素原子及びヨウ素原子が好ましく、特にヨウ素原子が好ましい。

【0134】
本工程において、化合物(3)の使用量は、選択率及び収率の観点から、化合物(2)1モルに対して、通常、0.2~3モルが好ましく、1~2.5モルがより好ましい。

【0135】
本工程で使用するパラジウム触媒としては、特に限定されるものではなく、例えば、酢酸パラジウム(Pd(OCOCH;Pd(OAc))、トリフルオロ酢酸パラジウム(Pd(OCOCF)、p-アリルパラジウム(II)クロリドダイマー([PdCl(allyl)])、p-シンナミルパラジウム(II)クロリドダイマー、ジ-μ-クロロビス(2’-アミノ-1,1’-ビフェニル-2-C,N)ジパラジウム(II)、塩化パラジウム(PdCl)、臭化パラジウム(PdBr)、ヨウ化パラジウム(PdI)、Pd(CHCOCHCOCH、KPdCl、KPdCl、KPd(NO、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)、ビス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム(0)、ジクロロビス(エチレン)パラジウム(PdCl(C)、ジクロロ(1,5-シクロオクタジエン)パラジウム(II)、2,5-ノルボルナジエンパラジウムジクロリド、ビス(アセトニトリル)パラジウムジクロリド、ビス(ベンゾニトリル)パラジウムジクロリド、Pd(π-C等の有機配位子錯体;PdCl(NH、PdCl[N(C、Pd(NO(NH等のN-配位錯体等を挙げることができる。これらは単独で使用することもでき、2種以上を組合せて用いることもできる。なかでも、本工程では、選択率、収率及び安全性の観点から、有機配位子錯体が好ましく、酢酸パラジウム(Pd(OCOCH)、p-アリルパラジウム(II)クロリドダイマー、トリフロオロ酢酸パラジウム、ビス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム(0)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)等がより好ましく、酢酸パラジウム(Pd(OCOCH)がさらに好ましい。

【0136】
本工程において、パラジウム触媒の使用量は、選択率及び収率の観点から、前記化合物(2)1モルに対して、通常、0.02~1モルが好ましく、0.03~0.25モルがより好ましい。

【0137】
本工程においては、選択率及び収率をより向上させる観点から、配位子を使用することが好ましい。この配位子は、あらかじめ上記パラジウム触媒に導入することもできるし、上記パラジウム触媒とともに系中に投入することもできる。

【0138】
本工程で使用し得る配位子としては、選択率及び収率の観点から、トリアルキルホスフィン配位子が好ましい。ただし、ジ(t-ブチル)メチルホスフィンは、反応が進行しにくいため、ジ(t-ブチル)メチルホスフィン以外のトリアルキルホスフィン配位子を使用することが好ましい。本工程で使用できるトリアルキルホスフィン配位子としては、例えば、トリエチルホスフィン、トリ(n-プロピル)ホスフィン、トリ(イソプロピル)ホスフィン、トリ(t-ブチル)ホスフィン、トリ(n-ブチル)ホスフィン、トリ(n-オクチル)ホスフィン、ジ(t-ブチル)エチルホスフィン、ジ(t-ブチル)n-プロピルホスフィン、ジ(t-ブチル)イソプロピルホスフィン、ジ(t-ブチル)n-ブチルホスフィン、ジ(t-ブチル)イソブチルホスフィン、ジ(t-ブチル)ネオペンチルホスフィン等が挙げられる。

【0139】
さらに、これらのホスフィン配位子は、ハロゲン原子(塩素原子等)、HCl、HF、HBr、HI、HBF等との塩である配位子前駆体として用いることもできる。これらは単独で使用することもでき、また、複数併用することもできる。なかでも、本工程では、選択率、収率及び安全性の観点から、トリ(t-ブチル)ホスフィンが好ましい。

【0140】
本工程において、配位子の使用量は、選択率及び収率の観点から、前記パラジウム触媒1モルに対して、通常、0.5~5モルが好ましく、1~4モルがより好ましい。

【0141】
本工程では、塩基を使用することが好ましい。つまり、工程(III)は、塩基の存在下で行われることが好ましい。本工程で使用できる塩基は、選択率及び収率の観点から、炭酸セシウム、ハロゲン化セシウム(フッ化セシウム、塩化セシウム、臭化セシウム、ヨウ化セシウム等)、リン酸アルカリ金属塩(リン酸カリウム、リン酸ナトリウム、リン酸リチウム等)等が好ましく、炭酸セシウム、ハロゲン化セシウム(フッ化セシウム、塩化セシウム、臭化セシウム、ヨウ化セシウム等)等がより好ましく、炭酸セシウム、フッ化セシウム等がさらに好ましく、炭酸セシウムが特に好ましい。特に、炭酸セシウムは、他の塩基と比較しても、選択率及び収率を飛躍的に向上させることができる。

【0142】
本工程において、塩基を使用する場合、塩基の使用量は、選択率及び収率の観点から、前記化合物(2)1モルに対して、通常、0.5~10モルが好ましく、1~5モルがより好ましい。

【0143】
本工程は、通常、反応溶媒下で行われる。使用できる反応溶媒としては、例えば、1,4-ジオキサン、テトラヒドロフラン、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジイソブチルエーテル、シクロペンチルメチルエーテル(CPME)等のエーテル溶媒;ベンゼン、トルエン、o-キシレン、m-キシレン、p-キシレン、混合キシレン、メシチレン等の芳香族炭化水素溶媒等の有機溶媒を用いることが好ましい。これらは単独で使用することもでき、また、複数併用することもできる。なかでも、選択率、収率及び安全性の観点から、エーテル溶媒が好ましく、1,4-ジオキサンがより好ましい。

【0144】
これらの反応溶媒(有機溶媒)の使用量は、反応が進行する限り特に限定されるものではない。

【0145】
本工程の反応温度は、使用する反応溶媒の沸点等によっても異なる。通常室温(25℃)~300℃程度、特に50~150℃程度、さらに80~120℃程度の反応温度で実施することが好ましい。また、本工程は通常、不活性ガス(例えば、窒素、アルゴン、ヘリウム等)気流下で実施することが好ましい。また、反応は、常圧で実施することもでき、また、必要に応じて、減圧又は加圧条件下で実施することも可能であるが、常圧下で実施することが好ましい。反応時間は、特に制限はなく、反応が十分に進行する時間とすることができる。

【0146】
反応の進行は、クロマトグラフィーのような通常の方法で追跡することができる。反応終了後、溶媒を留去し、生成物はクロマトグラフィー法、再結晶法等の通常の方法で生成物であるトリ(ヘテロ)アリールアセトニトリル化合物を単離精製することができる。また、生成物の構造は、元素分析、MS(FD-MS)分析、IR分析、H-NMR、13C-NMR等により同定することができる。

【0147】
このようにして得られるトリ(ヘテロ)アリールアセトニトリル化合物は、一般式(1):

【0148】
【化16】
JP2016093175A1_000017t.gif

【0149】
[式中、Ar、Ar及びArは前記に同じである。]
で表される化合物である。

【0150】
4.トリ(ヘテロ)アリールアセトニトリル化合物及びその誘導体
以上のようにして得られるトリ(ヘテロ)アリールアセトニトリル化合物は、シアノ基を容易に他の官能基に置換することが可能である。このため、未開拓のトリ(ヘテロ)アリール化合物の合成へと容易につなげることが期待される。例えば、後述の実施例のように、本発明のトリ(ヘテロ)アリールアセトニトリル化合物を出発物質として、トリ(ヘテロ)アリールアルデヒド化合物、トリ(ヘテロ)アリールアミン化合物、トリ(ヘテロ)アリールアミド化合物、トリ(ヘテロ)アリールメタン化合物、トリ(ヘテロ)アリールオキサジアゾール化合物、トリ(ヘテロ)アリールトリアジン化合物等を容易に合成することが可能である。

【0151】
また、本発明の製造方法により得られるトリ(ヘテロ)アセトニトリル化合物、及び該トリ(ヘテロ)アセトニトリル化合物を出発物質とする化合物のうち、式:

【0152】
【化17】
JP2016093175A1_000018t.gif

【0153】
[式中、Meはメチル基を示す。Phはフェニル基を示す。以下同様である。]
のいずれか、又は、一般式(2a):

【0154】
【化18】
JP2016093175A1_000019t.gif

【0155】
[式中、R10はアルキル基又はアルコキシカルボニル基を示す。R11は置換若しくは無置換のアルキル基、又はアルコキシ基を示す。]
で表される化合物は、文献未記載の新規化合物である。

【0156】
なお、一般式(2a)において、R10で示されるアルキル基及びアルコキシカルボニル基、R11で示される置換若しくは無置換のアルキル基、及びアルコキシ基としては、上記と同様のものを採用できる。置換基の種類及び数についても同様である。

【0157】
このように、本発明の製造方法を採用すれば、新規化合物も含めて、様々な機能を有する多種多様な化合物を合成することが可能であるため、未開拓の化合物の合成にもつながることが期待される。

【0158】
5.工程(II)で使用できる配位子(6a)の合成方法
本発明において、工程(II)において、特に好ましい配位子として使用できる配位子(6a)は、例えば、
一般式(10):

【0159】
【化19】
JP2016093175A1_000020t.gif

【0160】
[式中、X及びXは同一又は異なって、ハロゲン原子を示す。]
で表される化合物(以下、「化合物(10)」と言うこともある)と、
一般式(11):
Y-PR1b2b
[式中、R1b及びR2bは同一又は異なって、それぞれアルキル基又はシクロアルキル基を示す。Yは脱離基を示す。]
で表される化合物(以下、「化合物(11)」と言うこともある)とを、塩基の存在下に反応させる工程
により合成することができる。

【0161】
一般式(10)において、X及びXはハロゲン原子であり、フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子が挙げられる。これらのなかでも、本工程における選択性及び収率の観点から、臭素原子、ヨウ素原子等が好ましく、臭素原子がより好ましい。

【0162】
この化合物(10)は、市販品を使用してもよいし、既報の方法にしたがって合成してもよい。

【0163】
一般式(11)において、Yで示される脱離基としては、例えば、ハロゲン原子(塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等)、アルキルスルホネート(メタンスルホネート等)、ハロアルキルスルホネート(トリフルオロメタンスルホネート等)、アリールスルホネート(p-トルエンスルホネート等)等が挙げられる。本反応の収率の観点から、ハロゲン原子(特に塩素原子)が好ましい。

【0164】
一般式(11)において、R1b及びR2bで示されるアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、t-ブチル基、n-ヘキシル基等のC1-8-アルキル基等が採用できる。このアルキル基に置換し得る置換基としては、上記説明したArに置換し得る置換基が挙げられる。置換基の数についても同様である。

【0165】
一般式(11)において、R1b及びR2bで示されるシクロアルキル基としては、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等のC3-8-シクロアルキル基等が採用できる。このシクロアルキル基に置換し得る置換基としては、上記説明したArに置換し得る置換基が挙げられる。置換基の数についても同様である。

【0166】
本反応において、化合物(11)の使用量は、収率の観点から、化合物(10)1モルに対して、通常、0.5~5モルが好ましく、1~4モルがより好ましい。

【0167】
塩基としては、例えば、リチウムジイソプロピルアミド(LDA)、リチウムビストリメチルシリルアミド、ナトリウムビストリメチルシリルアミド、カリウムビストリメチルシリルアミド等の金属アミド(特にアルカリ金属アミド);メチルリチウム、エチルリチウム、n-ブチルリチウム、s-ブチルリチウム、t-ブチルリチウム等のアルキルリチウム;フェニルリチウム等のアリールリチウム;グリニヤール反応剤等が挙げられ、収率の観点から、アルキルリチウムが好ましく、n-ブチルリチウムがより好ましい。

【0168】
本反応は、通常溶媒中で実施することができる。溶媒としては、例えば、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン(1,4-ジオキサン)、t-ブチルメチルエーテル、シクロペンチルメチルエーテル、1,2-ジメトキシエタン、ジグライム等のエーテル溶媒;ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン等の芳香族炭化水素溶媒;ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素溶媒等が挙げられる。これらの溶媒は単独で又は2種以上を組み合わせて使用できる。なかでも、収率の観点から、エーテル溶媒が好ましく、テトラヒドロフランがより好ましい。

【0169】
これらの溶媒の使用量は、反応が進行する限り特に限定されるものではない。

【0170】
本反応の反応温度は、使用する反応溶媒の沸点等によっても異なる。通常、-150~0℃、特に-100~-50℃において、化合物(10)に対して前記溶媒中で前記塩基を添加し、その後、前記化合物化合物(11)を添加することが好ましい。また、本反応は通常、不活性ガス(例えば、窒素、アルゴン、ヘリウム等)気流下で実施することが好ましい。また、反応は、常圧で実施することもでき、また、必要に応じて、減圧又は加圧条件下で実施することも可能であるが、常圧下で実施することが好ましい。反応時間は、特に制限はなく、反応が十分に進行する時間とすることができる。

【0171】
反応の進行は、クロマトグラフィーのような通常の方法で追跡することができる。反応終了後、溶媒を留去し、生成物はクロマトグラフィー法、再結晶法等の通常の方法で生成物である配位子(6a)を単離精製することができる。また、生成物の構造は、元素分析、MS(FD-MS)分析、IR分析、H-NMR、13C-NMR等により同定することができる。
【実施例】
【0172】
以下、実施例により本発明を更に具体的に説明するが、本発明の範囲はこれらに限定されるものではない。
【実施例】
【0173】
特に制約しない限り、乾燥溶媒を含む全ての材料は、市販品をそのまま使用した。また、5-ブロモ-N-メチルインドールは、既報(Eur. J. Org. Chem. 2011, 3781.)にしたがって合成した。特に断りのない限り、すべての反応は、標準的な真空ライン技法を用いて乾燥したガラス容器中でアルゴン雰囲気下に乾燥溶媒を用いて行った。すべての処理及び精製は、空気中で試薬グレードの溶媒を用いて行った。
【実施例】
【0174】
分析用薄層クロマトグラフィー(TLC)は、E. Merckシリカゲル60 F254プレコートプレート(0.25 mm)を用いて行った。開発したクロマトグラムは、UVランプ(254 nm)及びリンモリブデン酸エタノール溶液で分析した。分取薄層クロマトグラフィー(PTLC)はあらかじめ準備したワコーゲルB5-Fのシリカ被覆プレート(0.75 mm)を用いて行った。リサイクル分取高速液体クロマトグラフィー(HPLC)は、溶離液としてクロロホルムを用い、JAIGEL-1H/JAIGEL-2Hカラムを備えたJAI LC-9204で行った。ガスクロマトグラフィー(GC)は、HP-5カラム(30 m×0.25 mm、ヒューレット-パッカード社)を備えた島津GC-2010計器で行った。GCMS分析は、HP-5カラム(30 m×0.25 mm、ヒューレット-パッカード社)を備えた島津GCMS-QP2010で行った。
【実施例】
【0175】
高分解能質量スペクトル(HRMS)は、JMS-T100TD計器(DART)及びThermo Fisher Scientific Exactiveから得た。赤外(IR)スペクトルはFT/IR-6100で記録した。核磁気共鳴(NMR)スペクトルは、JEOL ECA-600(1H 600 MHz、13C 150MHz)とJEOL A-100、JEOL ECS-400及びJEOL AL-400(1H 400 MHz、13C 100 MHz、31P 162 MHz)で記録した。1H NMRの化学シフトはテトラメチルシラン(δ0.00 ppm)、DMSO-d6の残留プロトンシグナル(δ2.50 ppm)又はアセトン-d6の残留プロトンシグナル(δ2.05 ppm)の相対的な百万分率(ppm)で表した。13C NMRの化学シフトはCDCl3(δ77.0 ppm)、DMSO-d6(δ39.5 ppm)又はアセトン-d6(δ29.8 ppm)の相対的な百万分率(ppm)で表した。31P NMRの化学シフトはH3PO4(δ0.00 ppm)の相対的な百万分率(ppm)で表した。データは、化学シフト、多重度(s =シングレット、d =ダブレット、dd =ッダブルダブレット、dt =ダブルトリプレット、t =トリプレット、q =カルテット、m=マルチプレット、br =ブロードシグナル)、結合定数(Hz)、及び統合の順に報告する。
【実施例】
【0176】
[実施例1:2,2’-ビス(ジシクロヘキシルホスフィノ)-1,1’-ビピリジル(DCPB)の合成]
【実施例】
【0177】
【化20】
JP2016093175A1_000021t.gif
【実施例】
【0178】
[式中、n-Buはn-ブチル基を示す。THFはテトラヒドロフランを示す。以下同様である。]
内容積100 mLの二口フラスコに、磁気撹拌子を収容し、真空下、ヒートガンで乾燥させた後、室温に冷却し、アルゴンガスを満たした。次いで、前記二口フラスコに、2,2’-ジブロモビフェニル(1,25 g, 4 mmol)及び乾燥THF(15 mL)をアルゴン気流下で添加した。この溶液に、-78℃において、n-ブチルリチウムのn-ヘキサン溶液(1.6 M, 5.5 mL, 8.8 mmol)をゆっくりと添加した。15分後、同じ温度で、精製したクロロジシクロヘキシルホスフィン(1.95 mL, 8.8 mmol)のトルエン(4 mL)溶液を添加し、混合物を室温で2時間攪拌した。混合物をNH4Cl塩(約15 mL)で処理し、CH2Cl2(3回)で抽出した。抽出物をNa2SO4で乾燥し、溶媒を減圧下に蒸発させた。粗生成物にアルゴンを30分間吹き込んだCH2Cl2に溶解させ、シリカゲルのパッドでろ過し、CH2Cl2で繰り返し洗浄した。溶媒を蒸発させたところ、目的物である2,2’-ビス(ジシクロヘキシルホスフィノ)-1,1’-ビピリジル(DCPB)を白色固体として得た(1.48 g, 68%)。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 1.06-1,32 (m, 20H), 1.53-1.91 (m, 24H), 7.11-7.13 (m, 2H), 7.28-7.36 (m, 4H), 7.53 (d, J = 7.2 Hz, 2H). 13C NMR (150 MHz, CDCl3) δ 26.4, 26.7, 27.19, 27.23, 27.27, 27.32, 27.35, 27.53, 27.56, 27.61, 27.63, 29.64, 29.67, 29.70, 30.59, 30.66, 30.72, 30.88, 30.93, 30.98, 34.46, 34.55, 36.70, 36.80, (Observed complexity due to C-P splitting), 126.3, 127.0, 132.1 (virtual t, J = 4.4 Hz), 132.5, 135.0 (d, J = 18.8 Hz), 132.1 (virtual t, J = 18.6 Hz). 31P NMR (162 MHz, CDCl3) δ -12.7. HRMS (ESI) m/z calcd for C36H53P2 [M+H]+: 547.3617, found 547.3618。
【実施例】
【0179】
[実施例2:ハロゲン化アセトニトリル化合物の(ヘテロ)アリール化]
実施例2-1
【実施例】
【0180】
【化21】
JP2016093175A1_000022t.gif
【実施例】
【0181】
[式中、Acはアセチル基を示す。以下同様である。]
内容積10 mLの密閉ガラス容器に、磁気撹拌子を収容し、真空下、ヒートガンで乾燥させた後、室温に冷却し、アルゴンガスを満たした。次いで、前記ガラス容器に、酢酸パラジウム(Pd(OAc)2; 1.7 mg, 7.5μmol)、2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’,6’-ジメトキシ-1,1’-ビフェニル(SPhos; 6.2 mg, 15μmol)、及び乾燥1,4-ジオキサン(450μL)をアルゴン気流下に室温で添加した。同じ温度で30分間攪拌した後、クロロアセトニトリル(19.0μL, 0.3 mmol)、フェニルボロン酸(54.9 mg, 0.45 mmol)、Na2CO3(47.7 mg, 0.45 mmol)、乾燥1,4-ジオキサン(450μL)、及び水(90μL)を添加し、ガラス容器を密封した。混合物を60℃で12時間攪拌した。混合物を室温まで冷却した後、シリカゲルのパッドでろ過し、酢酸エチル(EtOAc; 約15 mL)で繰り返し洗浄した。ろ液を減圧下に濃縮した。粗生成物をPTLC(酢酸エチル/n-ヘキサン=1: 20)により精製し、フェニルアセトニトリル(2a)を無色油として得た(30.0 mg, 85%)。この結果は、後述の表2のentry 1に相当する。
フェニルアセトニトリル(2a)
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 3.76 (s, 2H), 7.32-7.40 (m, 5H). 13C NMR (100 MHz, CDCl3) δ 23.6, 117.8, 127.9, 128.0, 129.1, 129.8. HRMS (DART) m/z calcd for C8H7N [M]+: 117.0579, found 117.0582。
【実施例】
【0182】
実施例2-2
ボロン酸化合物の種類、パラジウム触媒の量、配位子の種類及び量、溶媒の種類、反応温度を種々変更する他は実施例2-1と同様の処理を行った。結果を表1に示す。
【実施例】
【0183】
【表1】
JP2016093175A1_000023t.gif
【実施例】
【0184】
実施例2-3
ボロン酸化合物が有する芳香族基(フェニル基)を種々の基とする他は実施例2-1と同様の処理を行った。結果を表2に示す。
【実施例】
【0185】
【表2】
JP2016093175A1_000024t.gif
【実施例】
【0186】
4-メチルフェニルアセトニトリル(2b)
PTLCによる精製(酢酸エチル/ヘキサン= 1: 20)
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 2.33 (s, 3H), 3.66 (s, 2H), 7.15 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 7.18 (d, J = 8.4 Hz, 2H). 13C NMR (100 MHz, CDCl3) δ 20.9, 23.0, 118.0, 126.7, 127.6, 129.6, 137.6. HRMS (DART) m/z calcd for C9H9N [M]+: 131.0735, found 131.0737。
4-メトキシフェニルアセトニトリル(2c)
PTLCによる精製(酢酸エチル/ヘキサン= 1: 15)
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 3.65 (s, 2H), 3.78 (s, 3H), 6.88 (d, J = 8.8 Hz, 2H), 7.21 (d, J = 8.8 Hz, 2H). 13C NMR (100 MHz, CDCl3) δ 22.8, 55.3, 114.5, 118.2, 121.7, 129.0, 159.3. HRMS (DART) m/z calcd for C9H9NO [M]+: 147.0684, found 147.0689。
4-フルオロフェニルアセトニトリル(2d)
PTLCによる精製(酢酸エチル/ヘキサン= 1: 20)
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 3.73 (s, 2H), 7.04-7.10 (m, 2H), 7.28-7.33 (m, 2H). 13C NMR (100 MHz, CDCl3) δ 22,9, 116.1 (d, J = 22 Hz), 117.7, 125.6, 129.6 (d, J = 8.6 Hz), 162.4 (d, J = 248 Hz). HRMS (DART) m/z calcd for C8H6NF [M]+: 135.0484, found 135.0484。
(4-トリフルオロメチル)フェニルアセトニトリル(2e)
反応温度:100℃、PTLCによる精製(酢酸エチル/ヘキサン= 1: 15)
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 3.83 (s, 2H), 7.47 (d, J = 8.0 Hz, 2H), 7.66 (d, J = 8.0 Hz, 2H). 13C NMR (100 MHz, CDCl3) δ 23.5, 117.0, 123.7 (q, J = 273 Hz), 126.1 (q, J = 3.9 Hz), 128.3, 130.5 (q, J = 33 Hz), 133.9. HRMS (DART) m/z calcd for C9H7NF3 [M+H]+: 186.0525, found 186.0525。
4-メトキシカルボニルフェニルアセトニトリル(2f)
PTLCによる精製(酢酸エチル/ヘキサン= 1: 4)
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 3.82 (s, 2H), 3.93 (s, 3H), 7.42 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 8.05 (d, J = 8.4 Hz, 2H). 13C NMR (100 MHz, CDCl3) δ 23.6, 52.2, 117.1, 127.9, 130.0, 130.3, 134.8, 166.3. IR (Neat) v 684, 833, 921, 959, 1020, 1109, 1189, 1280, 1415, 1429, 1613, 1725, 2248, 3018, 3063 cm-1. HRMS (DART) m/z calcd for C10H10NO2 [M+H]+: 176.0706, found 176.0706。
4-(N-Boc-アミノ)フェニルアセトニトリル(2g)
PTLCによる精製(酢酸エチル/ヘキサン= 1: 10)
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 1.52 (s, 9H), 3.69 (s, 2H), 6.62 (br.s, 1H), 7.23 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 7.38 (d, J = 8.4 Hz, 2H). 13C NMR (100 MHz, CDCl3) δ 22.9, 28.3, 80.7, 118.0, 118.9, 124.0, 128.5, 138.3, 152.6. IR (Neat) v 771, 819, 840, 912, 1018, 1055, 1156, 1234, 1315, 1365, 1416, 1509, 1523, 1596, 1698, 2245, 2986 cm-1. HRMS (DART) m/z calcd for C13H17N2O2 [M+H]+: 233.1285, found 233.1296。
4-ニトロフェニルアセトニトリル(2h)
反応温度:100℃、PTLCによる精製(酢酸エチル/ヘキサン= 1: 10)
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 3.91 (s, 2H), 7.56 (d, J = 8.8 Hz, 2H), 8.26 (d, J = 8.8 Hz, 2H). 13C NMR (100 MHz, CDCl3) δ 23.5, 116.4, 124.3, 128.9, 137.0, 147.7. HRMS (DART) m/z calcd for C8H7N2O2 [M+H]+: 163.0502, found 163.0509。
1-ナフチルアセトニトリル(2i)
PTLCによる精製(酢酸エチル/ヘキサン= 1: 20)
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 4.11 (s, 2H), 7.44-7.48 (m, 1H), 7.53-7.62 (m, 3H), 7.85 (d, J = 8.0 Hz, 2H), 7.91 (dd, J = 8.0, 1.2 Hz, 1H). 13C NMR (100 MHz, CDCl3) δ 21.7, 117.6, 122.4, 125.4, 125.7, 126.3, 126.4, 127.0, 129.0, 129.1, 130.7, 133.7. HRMS (DART) m/z calcd for C12H9N [M]+: 167.0735, found 167.0727。
1-メチルフェニルアセトニトリル(2j)
PTLCによる精製(酢酸エチル/ヘキサン= 1: 20)
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 2.33 (s, 3H), 3.65 (s, 2H), 7.19-7.27 (m, 3H), 7.34 (d, J = 8.0 Hz, 1H). 13C NMR (100 MHz, CDCl3) δ 19.2, 21.8, 117.5, 126.7, 128.3, 128.4, 128.5, 130.6, 136.0. HRMS (DART) m/z calcd for C9H9N [M]+: 131.0735, found 131.0738。
3-チエニルアセトニトリル(2k)
反応温度:100℃、PTLCによる精製(酢酸エチル/ヘキサン= 1: 15)
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 3.74 (d, J = 1.2 Hz, 2H), 7.03 (dd, J = 5.2, 1.2 Hz, 1H), 7.25-7.27 (m, 1H), 7.36 (dd, J = 5.2, 2.8 Hz, 1H). 13C NMR (100 MHz, CDCl3) δ 18.8, 117.6, 123.1, 127.0, 127.2, 129.4. HRMS (DART) m/z calcd for C6H5NS [M]+: 123.0143, found 123.0147。
【実施例】
【0187】
[実施例3:(ヘテロ)アリールアセトニトリル化合物のアリール化]
実施例3-1
【実施例】
【0188】
【化22】
JP2016093175A1_000025t.gif
【実施例】
【0189】
[式中、Binapは2,2’-ビス(ジフェニルホスフィノ)-1,1’-ビナフチルを示す。以下同様である。]
内容積10 mLの密閉ガラス容器に、磁気撹拌子を収容し、真空下、ヒートガンで乾燥させた後、室温に冷却し、アルゴンガスを満たした。次いで、前記ガラス容器に、酢酸パラジウム(Pd(OAc)2; 2.2 mg, 10μmol)、2,2’-ビス(ジフェニルホスフィノ)-1,1’-ビナフチル(rac-BINAP2; 12.4 mg, 20μmol)、及び乾燥1,4-ジオキサン(150μL)をアルゴン気流下に室温で添加した。同じ温度で30分間攪拌した後、p-メチルフェニルアセトニトリル(13.2μL, 0.1 mmol)、p-ブロモアニソール(18.7μL, 0.15 mmol)、K3PO4(63.7 mg, 0.3 mmol)、及び乾燥1,4-ジオキサン(150μL)を添加し、ガラス容器を密封した。混合物を100℃で12時間攪拌した。混合物を室温まで冷却した後、NH4Cl水溶液(100μL)、CH2Cl2(500μL)、及びドデカン(内部標準)を添加し、混合物をシリカゲルのパッドでろ過し、酢酸エチル(EtOAc; 約5 mL)で繰り返し洗浄した。ドデカンを内部標準とする粗生成物のGC分析の結果、(p-メトキシフェニル)(p-メチルフェニル)アセトニトリル(4bc)の収率は34 %、(p-メチルフェニル)フェニルアセトニトリル(4ba)の収率は13 %であった。このように、メトキシフェニル基を導入しようとする場合に、ビナフチル骨格を有する配位子を使用すると、副生成物として、フェニル置換物も生成していた((p-メトキシフェニル)(p-メチルフェニル)アセトニトリル(4bc)及び(p-メチルフェニル)フェニルアセトニトリル(4ba)のスペクトルデータは後述する)。
【実施例】
【0190】
実施例3-2
【実施例】
【0191】
【化23】
JP2016093175A1_000026t.gif
【実施例】
【0192】
内容積10 mLの密閉ガラス容器に、磁気撹拌子を収容し、真空下、ヒートガンで乾燥させた後、室温に冷却し、アルゴンガスを満たした。次いで、前記ガラス容器に、酢酸パラジウム(Pd(OAc)2; 3.3 mg, 15μmol)、実施例1で得た2,2’-ビス(ジシクロヘキシルホスフィノ)-1,1’-ビピリジル(DCPB; 16.5 mg, 30μmol)、及び乾燥1,4-ジオキサン(300μL)をアルゴン気流下に室温で添加した。同じ温度で30分間攪拌した後、実施例2-1で得たフェニルアセトニトリル(34.5μL, 0.3 mmol)、ブロモベンゼン(47.7 mg, 0.45 mmol)、K3PO4(191 mg, 0.9 mmol)、及び乾燥1,4-ジオキサン(300μL)を添加し、ガラス容器を密封した。混合物を80℃で24時間攪拌した。混合物を室温まで冷却した後、シリカゲルのパッドでろ過し、酢酸エチル(EtOAc; 約15 mL)で繰り返し洗浄した。ろ液を減圧下に濃縮した。粗生成物をPTLC(酢酸エチル/n-ヘキサン=1: 20)により精製し、ジフェニルアセトニトリル(4aa)を白色固体として得た(51.6 mg, 89%)。この結果は、後述の表4のentry 1に相当する。
【実施例】
【0193】
なお、ブロモベンゼン(Ph-Br)ではなく、クロロベンゼン(Ph-Cl)を用いた他は上記と同様に実験を行った場合、ジフェニルアセトニトリル(4aa)の収率は11%であった。
ジフェニルアセトニトリル(4aa)
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 5.13 (s, 1H), 7.29-7.39 (m, 10H). 13C NMR (100 MHz, CDCl3) δ 42.5, 119.6, 127.7, 128.2, 129.2, 135.9. HRMS (DART) m/z calcd for C14H11N [M]+: 193.0892, found 193.0898。
【実施例】
【0194】
実施例3-3
パラジウム触媒の量、配位子の種類及び量、反応温度、反応時間を種々変更する他は実施例3-1と同様の処理を行った。結果を表3に示す。
【実施例】
【0195】
【表3】
JP2016093175A1_000027t.gif
【実施例】
【0196】
実施例3-4
基質及びハロゲン化芳香族化合物が有する芳香族基(フェニル基)を種々変更する他は実施例3-2と同様の処理を行った。結果を表4に示す。
【実施例】
【0197】
【表4】
JP2016093175A1_000028t.gif
【実施例】
【0198】
(4-メトキシフェニル)フェニルアセトニトリル(4ac)
分取HPLCによる精製。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 3.80 (s, 3H), 5.10 (s, 1H), 6.89 (dm, J = 8.8 Hz, 2H), 7.23-7.26 (m, 2H), 7.30-7.39 (m, 5H). 13C NMR (100 MHz, CDCl3) δ 41.7, 55.3, 114.5, 119.9, 127.6, 127.9, 128.1, 128.8, 129.1, 136.2, 159.4. HRMS (DART) m/z calcd for C15H13NO [M]+: 223.0997, found 223.1008。
(4-フルオロフェニル)フェニルアセトニトリル(4ad)
分取HPLCによる精製。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 5.13 (s, 1H), 7.03-7.09 (m, 2H), 7.29-7.40 (m, 7H). 13C NMR (100 MHz, CDCl3) δ 41.8, 116.1 (d, J = 22.9 Hz), 119.5, 127.6, 128.4, 129.3, 129.4 (d, J = 8.6 Hz), 131.7 (d, J = 2.8 Hz), 135.6 (d, J = 251 Hz). HRMS (DART) m/z calcd for C14H10NF [M]+: 211.0797, found 211.0802。
(4-メトキシフェニル)フェニルアセトニトリル(4ba)
分取HPLCによる精製。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 2.33 (s, 3H), 5.09 (s, 1H), 7.16 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 7.22 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 7.29-7.30 (m, 5H). 13C NMR (100 MHz, CDCl3) δ 21.0, 42.2, 119.8, 127.5, 127.6, 128.1, 129.1, 129.8, 132.9, 136.1, 138.0. HRMS (FAB) m/z calcd for C15H13N [M]+: 207.1048, found 207.1038。
(4-メトキシフェニル)(4-メトキシフェニル)アセトニトリル(4bc)
PTLCによる精製(酢酸エチル/ヘキサン= 1: 10)。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 2.32 (s, 3H), 3.77 (s, 3H), 5.04 (s, 1H), 6.86 (dm, J = 8.8 Hz, 2H), 7.15 (d, J = 8.0 Hz, 2H), 7.19-7.24 (m, 4H). 13C NMR (100 MHz, CDCl3) δ 21.0, 41.4, 55.2, 114.4, 120.0, 127.4, 128.1, 128.8, 129.7, 133.2, 137.9, 159.3. HRMS (DART) m/z calcd for C16H15NO [M]+: 237.1154, found 237.1150。
(4-メチルフェニル)(4-トリフルオロメチルフェニル)アセトニトリル(4be)
分取HPLCによる精製。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 2.34 (s, 3H), 5.15 (s, 1H), 7.18-7.23 (m, 4H), 7.47 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 7.63 (d, J = 8.4 Hz, 2H). 13C NMR (100 MHz, CDCl3) δ 21.0, 42.0, 119.1, 123.7 (q, J = 274 Hz), 126.2 (q, J = 3.8 Hz), 127.6, 128.1, 130.1, 130.5 (q, J = 32.5 Hz), 132.0, 138.6, 140.0. HRMS (DART) m/z calcd for C16H12NF3 [M]+: 275.0922, found 275.0921。
ジ-(4-メトキシフェニル)アセトニトリル(4cc)
分取HPLCによる精製。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 3.79 (s, 6H), 5.05 (s, 1H), 6.88 (d, J = 9.2 Hz, 4H), 7.23 (d, J = 9.2 Hz, 4H). 13C NMR (100 MHz, CDCl3) δ 41.0, 55.3, 114.5, 120.1, 128.3, 128.8, 159.4. HRMS (DART) m/z calcd for C16H15NO2 [M]+: 253.1103, found 253.1101。
(4-フルオロフェニル)(3-チエニル)アセトニトリル(4dk)
PTLCによる精製(酢酸エチル/ヘキサン= 1: 20)。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 5.17 (s, 1H), 6.95 (dd, J = 5.2, 1.6 Hz, 1H), 7.06-7.11 (m, 2H), 7.23-7.25 (m, 1H), 7.31-7.36 (m, 3H). 13C NMR (100 MHz, CDCl3) δ 37.4, 116.2 (d, J = 22.1 Hz), 119.2, 123.2, 126.5, 127.6, 129.4 (d, J = 8.6 Hz), 131.1 (d, J = 2.9 Hz), 135.6, 162.5 (d, J = 243 Hz). HRMS (DART) m/z calcd for C12H8NFS [M]+: 217.0362, found 217.0358。
フェニル(4-トリフルオロメチルフェニル)アセトニトリル(4ea)
分取HPLCによる精製。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 5.20 (s, 1H), 7.33-7.42 (m, 5H), 7.48 (d, J = 8.0 Hz, 2H), 7.64 (d, J = 8.0 Hz, 2H). 13C NMR (100 MHz, CDCl3) δ 42.4, 118.9, 123.7 (q, J = 274 Hz), 126.2 (q, J = 3.8 Hz), 127.7, 128.1, 128.6, 129.4, 130.6 (q, J = 33.4 Hz), 134.9, 139.8. HRMS (DART) m/z calcd for C15H10NF3 [M]+: 261.0765, found 261.0764。
(4-メトキシカルボニルフェニル)(4-メチルフェニル)アセトニトリル(4fb)
分取HPLCによる精製。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 2.34 (s, 3H), 3.91 (s, 3H), 5.15 (s, 1H), 7.18 (d, J = 8.0 Hz, 2H), 7.21 (d, J = 8.0 Hz, 2H), 7.43 (d, J = 8.0 Hz, 2H), 8.03 (d, J = 8.0 Hz, 2H). 13C NMR (100 MHz, CDCl3) δ 21.0, 42.2, 52.2, 119.2, 127.6, 127.7, 130.0, 130.1, 130.4, 132.2, 138.5, 140.9, 166.3. IR (Neat) v 699, 774, 796, 1020, 1045, 1108, 1184, 1246, 1279, 1416, 1434, 1512, 1610, 1720, 2246, 3004, 3025 cm-1. HRMS (DART) m/z calcd for C17H15NO2 [M]+: 265.1103, found 265.1106。
フェニル(3-チエニル)アセトニトリル(4ka)
PTLCによる精製(酢酸エチル/ヘキサン= 1: 20)。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 5.19 (s, 1H), 6.97 (dd, J = 5.6, 1.2 Hz, 1H), 7.24-7.25 (m, 1H), 7.33-7.40 (m, 6H), 13C NMR (100 MHz, CDCl3) δ 38.1, 119.4, 123.2, 126.6, 127.3, 127.6, 128.4, 129.2, 135.2, 135.8. HRMS (DART) m/z calcd for C12H9NS [M]+: 199.0456, found 199.0447。
【実施例】
【0199】
[実施例4:ジ(ヘテロ)アリールアセトニトリル化合物の(ヘテロ)アリール化]
実施例4-1
【実施例】
【0200】
【化24】
JP2016093175A1_000029t.gif
【実施例】
【0201】
内容積10 mLの密閉ガラス容器に、磁気撹拌子を収容し、真空下、ヒートガンで乾燥させた後、室温に冷却し、アルゴンガスを満たした。次いで、前記ガラス容器に、酢酸パラジウム(Pd(OAc)2; 6.7 mg, 30μmol)、P(t-ブチル)3・HBF4(26.1 mg, 90μmol)、Cs2CO3(195 mg, 0.6 mmol)、及び乾燥1,4-ジオキサン(300μL)をアルゴン気流下に室温で添加した。同じ温度で10分間攪拌した後、実施例3-2で得たジフェニルアセトニトリル(58.0 mg, 0.3 mmol)、ヨードベンゼン(50.3μL, 0.45 mmol)、及び乾燥1,4-ジオキサン(300μL)を添加し、ガラス容器を密封した。混合物を105℃で20時間攪拌した。混合物を室温まで冷却した後、混合物をシリカゲルのパッドでろ過し、酢酸エチル(EtOAc; 約30 mL)で繰り返し洗浄した。ろ液を減圧下に濃縮した。粗生成物をPTLC(酢酸エチル/n-ヘキサン=5: 95)により精製し、トリフェニルアセトニトリル(6aaa)を白色固体として得た(76.1 mg, 94%)。この結果は、後述の表6のentry 1に相当する。
トリフェニルアセトニトリル(6aaa)
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.21-7.26 (m, 6H), 7.33-7.36 (m, 9H). 13C NMR (100 MHz, CDCl3) δ 57.4, 123.5, 128.1, 128.7, 128.8, 140.2. HRMS (DART) m/z calcd for C20H15N [M]+: 269.1205, found 269.1217。
【実施例】
【0202】
実施例4-2
ハロゲン化芳香族化合物が有するハロゲン原子、配位子の種類及び量、塩基の種類を種々変更する他は実施例4-1と同様の処理を行った。結果を表5に示す。
【実施例】
【0203】
【表5】
JP2016093175A1_000030t.gif
【実施例】
【0204】
実施例4-3
基質及びハロゲン化芳香族化合物が有する芳香族基(フェニル基)を種々変更する他は実施例4-1と同様の処理を行った。結果を表6に示す。
【実施例】
【0205】
【表6】
JP2016093175A1_000031t.gif
【実施例】
【0206】
【化25】
JP2016093175A1_000032t.gif
【実施例】
【0207】
【化26】
JP2016093175A1_000033t.gif
【実施例】
【0208】
ジフェニル(4-メチルフェニル)アセトニトリル(6aab)
PTLCによる精製(酢酸エチル/ヘキサン= 5: 95)。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 2.35 (s, 3H), 7.09 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 7.15 (d, J = 7.6 Hz, 2H), 7.21-7.23 (m, 4H), 7.31-7.36 (m, 6H). 13C NMR (100 MHz, CDCl3) δ 21.0, 57.1, 123.6, 128.0, 128.6, 128.7, 128.8, 129.3, 137.2, 138.0, 140.3. HRMS (DART) m/z calcd for C21H17N [M]+: 283.1361, found 283.1368。
ジフェニル(4-メトキシフェニル)アセトニトリル(6aac)
PTLCによる精製(酢酸エチル/ヘキサン= 5: 95)。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 3.81 (s, 3H), 6.87 (dm, J = 8.8 Hz, 2H), 7.12 (dm, J = 8.8 Hz, 2H), 7.21-7.23 (m, 4H), 7.31-7.38 (m, 6H). 13C NMR (100 MHz, CDCl3) δ 55.3, 56.7, 113.9, 123.6, 128.0, 128.6, 128.7, 130.0, 132.2, 140.5, 159.2. HRMS (DART) m/z calcd for C21H17NO [M]+: 299.1310, found 299.1310。
[4-(N, N-ジメチルアミノ)フェニル]ジフェニルアセトニトリル(6aao)
PTLCによる精製(酢酸エチル/ヘキサン= 1: 4)。ハロゲン化芳香族化合物として4-ブロモ-N, N-ジメチルアニリンを使用した。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 2.94 (s, 6H), 6.65 (d, J = 8.8 Hz, 2H), 7.03 (d, J = 8.8 Hz, 2H), 7.23-7.25 (m, 4H), 7.30-7.33 (m, 6H). 13C NMR (100 MHz, CDCl3) δ 40.3, 56.6, 111.9, 123.9, 127.3, 127.8, 128.5, 128.7, 129.5, 140.9, 149.9. HRMS (DART) m/z calcd for C22H20N2 [M]+: 312.1627, found 312.1636。
ジフェニル(4-フルオロフェニル)アセトニトリル(6aad)
PTLCによる精製(酢酸エチル/ヘキサン= 5: 95)。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.02-7.06 (m, 2H), 7.17-7.22 (m, 6H), 7.34-7.39 (m, 6H). 13C NMR (100 MHz, CDCl3) δ 56.8, 115.6 (d, J = 21.5 Hz), 123.3, 128.3, 128.7, 128.8, 130.6 (d, J = 8.2 Hz), 136.1 (d, J = 3.3 Hz), 140.0, 162.3 (d, J = 248 Hz). HRMS (DART) m/z calcd for C20H14NF [M]+: 287.1110, found 287.1116。
ジフェニル[4-(トリフルオロメチル)フェニル]アセトニトリル(6aae)
PTLCによる精製(酢酸エチル/ヘキサン= 5: 95)。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.20-7.22 (m, 4H), 7.37-7.40 (m, 8H), 7.63 (d, J = 8.4 Hz, 2H). 13C NMR (100 MHz, CDCl3) δ 57.3, 122.8, 123.7 (q, J = 271 Hz), 125.7 (q, J = 3.3 Hz), 128.5, 128.7, 128.9, 129.3, 130.5 (q, J = 33.0 Hz), 139.3, 144.2. HRMS (DART) m/z calcd for C21H14NF3 [M]+: 337.1078, found 337.1075。
ジフェニル(2-メチルフェニル)アセトニトリル(6aaj)
PTLCによる精製(酢酸エチル/ヘキサン= 5: 95)。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 2.24 (s, 3H), 6.48 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 7.05-7.08 (m, 1H), 7.23-7.26 (m, 6H), 7.34-7.38 (m, 6H). 13C NMR (100 MHz, CDCl3) δ 21.6, 56.3, 122.5, 125.8, 128.1, 128.5, 128.7, 128.8, 129.6, 132.5, 137.9, 138.2, 139.6. HRMS (DART) m/z calcd for C21H17N [M]+: 283.1361, found 283.1374。
ジフェニル(4-メトキシカルボニルフェニル)アセトニトリル(6aaf)
PTLCによる精製(酢酸エチル/ヘキサン= 5: 95)。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 3.92 (s, 3H), 7.20-7.22 (m, 4H), 7.32-7.38 (m, 8H), 8.03 (d, J = 8.0 Hz, 2H). 13C NMR (100 MHz, CDCl3) δ 52.3, 57.4, 122.9, 128.4, 128.7, 128.8, 128.9, 129.9, 130.0, 139.5, 145.0, 166.3. IR (Neat) v 695, 753, 850, 1019, 1109, 1189, 1278, 1409, 1435, 1447, 1492, 1599, 1610, 1721, 2238, 3027, 3062 cm-1. HRMS (DART) m/z calcd for C22H17NO2 [M]+: 327.1259, found 327.1263。
【実施例】
【0209】
ジフェニル(4-ホルムルフェニル)アセトニトリル(6aam)
PTLCによる精製(酢酸エチル/ヘキサン= 5: 95)。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.20-7.23 (m, 4H), 7.37-7.39 (m, 6H), 7.44 (d, J = 8.0 Hz, 2H), 7.88 (d, J = 8.0 Hz, 2H), 10.04 (s, 1H). 13C NMR (100 MHz, CDCl3) δ 57.5, 122.7, 128.5, 128.7, 128.9, 129.6, 130.0, 135.9, 139.3, 146.6, 191.4. IR (Neat) v 689, 724, 755, 822, 1014, 1174, 1187, 1210, 1393, 1446, 1490, 1577, 1596, 1695, 2239, 3033, 3062 cm-1. HRMS (DART) m/z calcd for C21H16NO [M+H]+: 298.1232, found 298.1237。
ジフェニル(3-チエニル)アセトニトリル(6aak)
PTLCによる精製(酢酸エチル/ヘキサン= 5: 95)。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.44 (d, J = 8.0 Hz, 2H), 7.88 (d, J = 8.0 Hz, 2H), 7.25-7.28 (m, 4H), 7.32-7.39 (m, 7H). 13C NMR (100 MHz, CDCl3) δ 53.8, 122.6, 125.0, 126.9, 128.0, 128.19, 128.25, 128.7, 140.1, 140.8. HRMS (DART) m/z calcd for C18H13NS [M]+: 275.0769, found 275.0763。
ジフェニル(N-メチル-5-インドリル)アセトニトリル(6aan)
PTLCによる精製(酢酸エチル/ヘキサン= 10: 90)。
ハロゲン化芳香族化合物として5-ブロモ-N-メチルインドールを使用した。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 3.78 (s, 3H), 6.39-6.40 (m, 1H), 7.06 (d, J = 3.2 Hz, 1H), 7.16 (dd, J = 8.8, 2.0 Hz, 1H), 7.23-7.33 (m, 12H). 13C NMR (100 MHz, CDCl3) δ 32.9, 57.5, 101.5, 109.5, 121.4, 122.6, 124.2, 127.9, 128.1, 128.5, 128.9, 129.8, 131.2, 136.0, 141.0. HRMS (DART) m/z calcd for C23H18N2 [M]+: 322.1470, found 322.1480。
ジフェニル(4-ピリジル)アセトニトリル(6aal)
PTLCによる精製(酢酸エチル/ヘキサン= 1: 4)。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.18-7.22 (m, 6H), 7.37-7.40 (m, 6H), 8.64 (dd, J = 4.4, 2.0 Hz, 2H). 13C NMR (100 MHz, CDCl3) δ 57.0, 122.2, 123.5, 128.6, 128.7, 129.0, 138.5, 149.0, 150.4. HRMS (DART) m/z calcd for C19H15N2 [M+H]+: 271.1235, found 271.1238。
(4-ホルミルフェニル)(4-メトキシフェニル)フェニルアセトニトリル(6acm)
PTLCによる精製(酢酸エチル/ヘキサン= 5: 95)。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 3.82 (s, 3H), 6.89 (d, J = 8.8 Hz, 2H), 7.11 (d, J = 8.8 Hz, 2H), 7.20-7.23 (m, 2H), 7.37-7.38 (m, 3H), 7.43 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 7.88 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 10.04 (s, 1H). 13C NMR (100 MHz, CDCl3) δ 55.4, 56.8, 114.2, 122.9, 128.5, 128.6, 128.9, 129.5, 129.87, 129.92, 131.2, 135.9, 139.6, 147.0, 159.5, 191.4. IR (Neat) v 681, 698, 757, 817, 1030, 1181, 1213, 1253, 1308, 1462, 1492, 1508, 1605, 1701, 2238, 3031, 3055 cm-1. HRMS (DART) m/z calcd for C22H17NO2 [M]+: 327.1259, found 327.1268。
(4-フルオロフェニル)(4-メトキシカルボニルフェニル)フェニルアセトニトリル(6adf)
PTLCによる精製(酢酸エチル/ヘキサン= 5: 95)。
1H NMR (400 MHz, アセトン-d6) δ 3.90 (s, 3H), 7.21-7.30 (m, 6H), 7.38-7.49 (m, 5H), 8.08 (dm, J = 8.8 Hz, 2H). 13C NMR (100 MHz, アセトン-d6) δ 52.5, 57.6, 116.7 (d, J = 22.3 Hz), 123.3, 129.3, 129.5, 129.6, 129.9, 130.7, 131.2, 131.6 (d, J = 8.2 Hz), 136.7 (d, J = 3.3 Hz), 140.4, 145.8, 163.3 (d, J = 246 Hz), 166.5. IR (Neat) v 697, 760, 825, 1018, 1113, 1167, 1187, 1226, 1280, 1411, 1446, 1507, 1603, 1720, 2240, 3027, 3062 cm-1. HRMS (DART) m/z calcd for C22H16NO2F [M]+: 345.1165, found 345.1174。
(4-メトキシフェニル)(4-メチルフェニル)フェニルアセトニトリル(6bac)
PTLCによる精製(酢酸エチル/ヘキサン= 5: 95)。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 2.34 (s, 3H), 3.79 (s, 3H), 6.85 (dm, J = 8.8 Hz, 2H), 7.08-7.15 (m, 6H), 7.21-7.23 (m, 2H), 7.30-7.36 (m, 3H). 13C NMR (100 MHz, CDCl3) δ 21.0, 55.3, 56.4, 113.9, 123.7, 127.9, 128.55, 128.56, 128.66, 129.3, 129.9, 132.4, 137.5, 137.9, 140.7, 159.2. HRMS (DART) m/z calcd for C22H18NO [M]+: 313.1467, found 313.1475。
【実施例】
【0210】
(2-メチルフェニル)(4-メチルフェニル)(4-トリフルオロメチルフェニル)アセトニトリル(6bej)
PTLCによる精製(酢酸エチル/ヘキサン= 4: 96)。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 2.24 (s, 3H), 2.38 (s, 3H), 6.47 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 7.06-7.10 (m, 3H), 7.19 (d, J = 8.8 Hz, 2H), 7.24-7.30 (m, 2H), 7.38 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 7.63 (d, J = 8.4 Hz, 2H). 13C NMR (100 MHz, CDCl3) δ 21.0, 21.6, 55.9, 122.0, 123.8, (q, J = 271 Hz), 125.7, (q, J = 3.3 Hz), 126.0, 128.5, 128.8, 129.1, 129.4, 129.7, 130.3 (q, J = 31.7 Hz), 132.7, 135.8, 137.5, 137.8, 138.4, 144.0. HRMS (DART) m/z calcd for C23H18NF3 [M]+: 365.1391, found 365.1387。
(4-メトキシフェニル)(4-メチルフェニル)(4-トリフルオロメチルフェニル)アセトニトリル(6bce)
分取HPLCによる精製。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 2.36 (s, 3H), 3.81 (s, 3H), 6.88 (d, J = 8.8 Hz, 2H), 7.07-7.11 (m, 4H), 7.17 (d, J = 8.0 Hz, 2H), 7.37 (d, J = 8.8 Hz, 2H), 7.61 (d, J = 8.8 Hz, 2H). 13C NMR (100 MHz, CDCl3) δ 21.0, 55.3, 56.3, 114.1, 123.1, 123.8, (q, J = 274 Hz), 125.6, (q, J = 2.8 Hz), 128.5, 129.2, 129.5, 129.9, 130.3 (q, J = 32.6 Hz), 131.5, 136.7, 138.4, 144.7, 159.5. HRMS (DART) m/z calcd for C23H18NOF3 [M]+: 381.1341, found 381.1356。
トリス(4-メトキシフェニル)アセトニトリル(6ccc)
分取HPLCによる精製。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 3.80 (s, 9H), 6.86 (dm, J = 8.8 Hz, 6H), 7.12 (dm, J = 8.8 Hz, 6H). 13C NMR (100 MHz, CDCl3) δ 55.3, 55.4, 113.8, 123.9, 129.8, 132.8, 159.1. HRMS (DART) m/z calcd for C23H21NO3 [M]+: 359.1521, found 359.1524。
(4-フルオロフェニル)(4-メチルフェニル)(3-チエニル)アセトニトリル(6dkb)
分取HPLCによる精製。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 2.36 (s, 3H), 6.87 (dd, J = 3.2, 1.6 Hz, 1H), 6.98 (dd, J = 5.2, 1.6 Hz, 1H), 7.02-7.07 (m, 2H), 7.11-7.18 (m, 4H), 7.21-7.25 (m, 2H), 7.36 (dd, J = 5.2, 3.2 Hz, 1H). 13C NMR (100 MHz, CDCl3) δ 21.0, 52.9, 115.6 (d, J = 21.9 Hz), 122.5, 124.9, 127.0, 127.8, 127.9, 129.5, 130.0 (d, J = 7.6 Hz), 136.2 (d, J = 2.8 Hz), 137.0, 138.3, 140.9, 162.3 (d, J = 253 Hz). HRMS (DART) m/z calcd for C19H14NFS [M]+: 307.0831, found 307.0841。
(N-メチル-5-インドリル)フェニル(4-トリフルオロメチルフェニル)アセトニトリル(6ean)
PTLCによる精製(酢酸エチル/ヘキサン= 10: 90)。
ハロゲン化芳香族化合物として5-ブロモ-N-メチルインドールを使用した。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 3.79 (s, 3H), 6.42 (d, J = 3.2 Hz, 1H), 7.08 (d, J = 3.2 Hz, 1H), 7.13 (dd, J = 8.8, 1.6 Hz, 1H), 7.23-7.26 (m, 2H), 7.30-7.38 (m, 5H), 7.41 (d, J = 8.8 Hz, 2H), 7.60 (d, J = 8.8 Hz, 2H). 13C NMR (100 MHz, CDCl3) δ 33.0, 57.4, 101.6, 109.7, 121.3, 122.4, 123.5, 123.9, (q, J = 274 Hz), 125.5, (q, J = 3.8 Hz), 128.23, 128.25, 128.7, 128.8, 129.4, 130.1, 130.2 (q, J = 32.5 Hz), 130.4, 136.1, 140.2, 145.1. HRMS (DART) m/z calcd for C24H17N2F3 [M]+: 390.1344, found 390.1341。
[4-(N, N-ジメチルアミノ)フェニル](4-メトキシカルボニルフェニル)(4-メチルフェニル)アセトニトリル(6fbo)
PTLCによる精製(酢酸エチル/ヘキサン= 10: 90)。
ハロゲン化芳香族化合物として4-ブロモ-N, N-ジメチルアニリンを使用した。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 2.35 (s, 3H), 2.96 (s, 6H), 3.91 (s, 3H), 6.65 (d, J = 8.8 Hz, 2H), 7.00 (d, J = 8.8 Hz, 2H), 7.09 (d, J = 8.0 Hz, 2H), 7.15 (d, J = 8.0 Hz, 2H), 7.34 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 8.00 (d, J = 8.4 Hz, 2H). 13C NMR (100 MHz, CDCl3) δ 21.0, 40.2, 52.2, 56.3, 112.0, 123.4, 126.7, 128.5, 128.8, 129.3, 129.4, 129.66, 129.70, 137.3, 138.0, 146.1, 150.0, 166.5. IR (Neat) v 704, 750, 768, 809, 947, 1019, 1109, 1187, 1277, 1358, 1435, 1519, 1609, 1721, 2237, 3025, 3062 cm-1. HRMS (DART) m/z calcd for C25H24N2O2 [M]+: 384.1838, found 384.1834。
フェニル(4-ピリジル)(3-チエニル)アセトニトリル(6kal)
PTLCによる精製(酢酸エチル/ヘキサン= 1: 15)。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 6.92 (dd, J = 3.2, 1.2 Hz, 1H), 6.98 (dd, J = 5.2, 1.2 Hz, 1H), 7.21-7.26 (m, 4H), 7.36-7.43 (m, 4H), 8.64 (dm, J = 6.4 Hz, 2H). 13C NMR (100 MHz, CDCl3) δ 53.3, 121.3, 122.9, 125.4, 127.5, 127.6, 128.0, 128.8, 129.0, 138.5, 139.0, 148.8, 150.4. HRMS (DART) m/z calcd for C17H13N2S [M+H]+: 277.0794, found 277.0794。
【実施例】
【0211】
[実施例5:トリ(ヘテロ)アリールアセトニトリル化合物のアルデヒド化]
実施例5-1
【実施例】
【0212】
【化27】
JP2016093175A1_000034t.gif
【実施例】
【0213】
[式中、DIBAL-Hはジイソブチルアルミニルムハイドライドを示す。以下同様である。]
実施例4-1で得たトリフェニルアセトニトリル(26.9 mg, 0.1 mmol)の乾燥トルエン(0.4 mL)溶液をアルゴン雰囲気下、0℃で攪拌し、ジイソブチルアルミニルムハイドライド(0.4 mL, ヘキサン中1 M)を添加した。この混合物を、高真空下で数秒かけて慎重に蒸発させ、ほとんどのn-ヘキサンを除去した。その後、反応混合物を室温まで昇温した。混合物を24時間攪拌した後、0℃まで冷却し、1 M HCl水溶液(1 mL)で反応をクエンチし、さらに室温下で30分間攪拌した。酢酸エチル(EtOAc; 3回×15 mL)で抽出し、有機層をNa2SO4で乾燥し、減圧下に濃縮した。粗生成物をPTLC(酢酸エチル/n-ヘキサン=10: 90)により精製し、トリフェニルアセトアルデヒド(7aaa)を白色固体として得た(22.5 mg, 83%)。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.06-7.08 (m, 6H), 7.29-7.37 (m, 9H), 10.29 (s, 1H). 13C NMR (100 MHz, CDCl3) δ 69.9, 127.4, 128.4, 130.4, 140.5, 198.2. IR (Neat) v 663, 696, 752, 1013, 1036, 1083, 1443, 1490, 1718, 3048, 3087 cm-1. HRMS (DART) m/z calcd for C20H17O [M+H]+: 273.1274, found 273.1282。
【実施例】
【0214】
実施例5-2
基質を変更する他は実施例5-1と同様の処理を行った。結果を以下に示す。
【実施例】
【0215】
【化28】
JP2016093175A1_000035t.gif
【実施例】
【0216】
(4-メトキシフェニル)(4-メチルフェニル)フェニルアセトアルデヒド(7bac)
25.0 mg, 79%(単離収率);白色固体。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 2.35 (s, 3H), 3.81 (s, 3H), 6.87 (d, J = 8.8 Hz, 2H), 6.94-6.98 (m, 4H), 7.07 (d, J = 6.8 Hz, 2H), 7.15 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 7.30-7.36 (m, 3H), 10.23 (s, 1H). 13C NMR (100 MHz, CDCl3) δ 21.0, 55.2, 69.0, 113.7, 127.2, 128.3, 129.1, 130.2, 130.3, 131.5, 132.4, 137.1, 137.7, 140.9, 158.7, 198.3. IR (Neat) v 662, 700, 722, 813, 829, 1033, 1120, 1183, 1253, 1297, 1445, 1464, 1608, 1726, 2926, 2951 cm-1. HRMS (DART) m/z calcd for C22H21O2 [M+H]+: 317.1536, found 317.1548。
【実施例】
【0217】
[実施例6:トリ(ヘテロ)アリールアセトニトリル化合物のアミン化]
実施例6-1
【実施例】
【0218】
【化29】
JP2016093175A1_000036t.gif
【実施例】
【0219】
フレームドライしたシュレンク管に、磁気撹拌子を収容し、実施例4-1で得たトリフェニルアセトニトリル(26.9 mg, 0.1 mmol)、2-プロパノール(2 mL)、ラネーニッケル触媒(2-プロパノール中に保存されたラネーニッケルから0.2 g取得した)、及びKOH(100 mg)を添加した。シュレンク管上にコンデンサーを設置し、混合物を、100℃で48時間攪拌しながら還流した。室温まで冷却した後、1 M HCl水溶液(2 mL)を添加し、反応混合物を室温で30分間攪拌した。次に、5 M NaOH水溶液(3 mL)及びベンゾイルクロライド(58.6μL, 0.5 mmol)を反応混合物に添加し、得られた混合物を室温下で6時間攪拌した。混合物を水(2 mL)で希釈し、酢酸エチル(3回×15 mL)で抽出した。有機層をNa2SO4で乾燥し、減圧下に濃縮した。粗生成物をPTLC(酢酸エチル/n-ヘキサン=5: 95)により精製し、N-(2,2,2-トリフェニルエチル)ベンズアミド(8aaa)を白色固体として得た(29 mg, 77%)。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 4.64 (d, J = 5.6 Hz, 2H), 5.74 (br.s, 1H), 7.23-7.42 (m, 20H). 13C NMR (100 MHz, CDCl3) δ 48.2, 57.1, 126.6, 126.8, 128.4, 128.5, 129.0, 131.4, 134.4, 145.1, 166.9. IR (Neat) v 671, 698, 714, 751, 759, 801, 1029, 1272, 1444, 1482, 1510, 1659, 3047, 3059 cm-1. HRMS (DART) m/z calcd for C27H24NO [M+H]+: 378.1852, found 378.1850。
【実施例】
【0220】
実施例6-2
基質を変更する他は実施例6-1と同様の処理を行った。結果を以下に示す。
【実施例】
【0221】
【化30】
JP2016093175A1_000037t.gif
【実施例】
【0222】
N-[2-(4-メトキシフェニル)-2-(4-メチルフェニル)-2-フェニルエチル]ベンズアミド(8bac)
PTLCによる精製(酢酸エチル/ヘキサン= 10: 90)。
28.2 mg, 67%(単離収率);白色固体。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 2.32 (s, 3H), 3.79 (s, 3H), 4.58 (d, J = 5.6 Hz, 2H), 5.77 (br.s, 1H), 6.84 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 7.12 (d, J = 8.0 Hz, 2H), 7.17-7.25 (m, 5H), 7.28-7.34 (m, 6H), 7.40-7.43 (m, 3H). 13C NMR (100 MHz, CDCl3) δ 20.9, 48.3, 55.2, 56.0, 113.7, 126.60, 126.65, 128.4, 128.5, 128.8, 128.9, 129.1, 130.1, 131.4, 134.5, 136.3, 137.2, 142.4, 145.6, 158.1, 166.9. IR (Neat) v 660, 670, 716, 767, 783, 794, 808, 841, 1040, 1180, 1252, 1282, 1480, 1508, 1667, 3028, 3055 cm-1. HRMS (DART) m/z calcd for C29H28NO2 [M+H]+: 422.2115, found 422.2121。
【実施例】
【0223】
[実施例7:トリ(ヘテロ)アリールアセトニトリル化合物のアミド化]
実施例7-1
【実施例】
【0224】
【化31】
JP2016093175A1_000038t.gif
【実施例】
【0225】
内容積10 mLの密閉ガラス容器に、磁気撹拌子を収容し、実施例4-1で得たトリフェニルアセトニトリル(50 mg, 0.186 mmol)、酢酸(1.0 mL)、H2SO4(1.5 mL)、及び水(0.5 mL)を添加し、容器を密閉した。混合物を135℃で48時間攪拌した。室温まで冷却した後、ロータリーエバポレーターを用いて真空下に酢酸を除去し、混合物を水(1 mL)で希釈し、酢酸エチル(3回×15 mL)で抽出し、有機層をNa2SO4で乾燥し、減圧下に濃縮した。粗生成物をn-ヘキサン(5 mL)及びジクロロメタン(5 mL)で洗浄することで精製し、トリフェニルアセトアミド(9aaa)を白色固体として得た(46.9 mg, 88%)。
1H NMR (400 MHz, DMSO) δ 6.60 (br.s, 1H), 7.21-7.24 (m, 9H), 7.28-7.32 (m, 6H), 7.51 (br.s, 1H). 13C NMR (100 MHz, DMSO) δ 67.2, 126.4, 127.6, 130.1, 143.9, 174.0. IR (Neat) v 675, 699, 748, 767, 790, 809, 841, 903, 999, 1035, 1086, 1185, 1337, 1441, 1492, 1602, 1678 cm-1. HRMS (DART) m/z calcd for C20H18NO [M+H]+: 288.1383, found 288.1388。
【実施例】
【0226】
実施例7-2
【実施例】
【0227】
【化32】
JP2016093175A1_000039t.gif
【実施例】
【0228】
内容積10 mLの密閉ガラス容器に、磁気撹拌子を収容し、実施例4-3のentry 15で得た(p-メトキシフェニル)(p-メチルフェニル)フェニルアセトニトリル(31.3 mg, 0.1 mmol)、KOH(30.5 mg, 0.54 mmol)、及びt-アミルアルコール(300μL)をアルゴン気流下で添加した。容器を密閉し、混合物を105℃で24時間攪拌した。室温まで冷却した後、シリカゲルのパッドでろ過し、酢酸エチル(約15 mL)で繰り返し洗浄した。ろ液を減圧下に濃縮した。粗生成物をPTLC(酢酸エチル/n-ヘキサン=1: 3)により精製し、(p-メトキシフェニル)(p-メチルフェニル)フェニルアセトアミド(9bac)を白色固体として得た(25.6 mg, 77%)。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 2.33 (s, 3H), 3.79 (s, 3H), 5.78 (br.s, 1H), 6.21 (br.s, 1H), 6.82 (d, J = 9.2 Hz, 2H), 7.10 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 7.15 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 7.19 (d, J = 9.2 Hz, 2H), 7.23-7.29 (m, 5H). 13C NMR (100 MHz, CDCl3) δ 20.9, 55.2, 66.6, 113.2, 126.9, 127.9, 128.6, 130.2, 130.3, 131.5, 135.4, 136.6, 140.5, 143.6, 158.3, 176.3. IR (Neat) v 699, 684, 705, 757, 775, 795, 812, 1035, 1184, 1254, 1292, 1338, 1441, 1459, 1488, 1508, 1602, 1684, 3460 cm-1.HRMS (DART) m/z calcd for C22H22NO2 [M+H]+: 3322.1645, found 3322.1644。
【実施例】
【0229】
[実施例8:トリ(ヘテロ)アリールアセトニトリル化合物を用いたトリ(ヘテロ)アリールメタンの合成]
実施例8-1
【実施例】
【0230】
【化33】
JP2016093175A1_000040t.gif
【実施例】
【0231】
フレームドライした内容積10 mLの密閉ガラス容器に、磁気撹拌子を収容し、アルゴン雰囲気下で、実施例4-1で得たトリフェニルアセトニトリル(26.9 mg, 0.1 mmol)、及び乾燥トルエン(0.5 mL)を添加した。0℃まで冷却し、反応混合物に3 MメチルマグネシウムクロライドのTHF溶液(67μL, 0.2 mmol)を添加し、容器を密閉した。混合物を135℃で24時間攪拌した。次に、反応混合物を0℃まで冷却した後、1 M HCl水溶液(1 mL)でクエンチし、さらに反応混合物を室温下で30分間攪拌した。酢酸エチル(3回×15 mL)で抽出した後、有機層をNa2SO4で乾燥し、減圧下に濃縮した。粗生成物をPTLC(酢酸エチル/n-ヘキサン=3: 97)により精製し、トリフェニルメタン(10aaa)を白色固体として得た(22.9 mg, 94%)。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 5.55 (s, 1H), 7.11-7.13 (m, 6H), 7.19-7.30 (m, 6H). 13C NMR (100 MHz, CDCl3) δ 56.8, 126.3, 128.3, 129.4, 143.9. HRMS (DART) m/z calcd for C19H15 [M-H]+: 243.1174, found 243.1179。
【実施例】
【0232】
実施例8-2
基質を変更する他は実施例8-1と同様の処理を行った。結果を以下に示す。
【実施例】
【0233】
【化34】
JP2016093175A1_000041t.gif
【実施例】
【0234】
(4-メトキシフェニル)(4-メチルフェニル)フェニルメタン(10bac)
PTLCによる精製(酢酸エチル/ヘキサン= 5: 95)。
27.0 mg, 93%(単離収率);白色固体。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 2.31 (s, 3H), 3.77 (s, 3H), 5.46 (s, 1H), 6.81 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 6.99 (d, J = 7.8 Hz, 2H), 7.02 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 7.08-7.11 (m, 4H), 7.17-7.21 (m, 1H), 7.24-7.29 (m, 2H). 13C NMR (100 MHz, CDCl3) δ 21.0, 55.2, 55.6, 113.6, 126.1, 128.2, 129.0, 129.2, 129.3, 130.3, 135.7, 136.3, 141.3, 144.4, 157.9. HRMS (DART) m/z calcd for C21H19O [M-H]+: 289.1436, found 289.1440。
【実施例】
【0235】
[実施例9:トリ(ヘテロ)アリールアセトニトリル化合物のオキサジアゾール化]
実施例9-1
【実施例】
【0236】
【化35】
JP2016093175A1_000042t.gif
【実施例】
【0237】
[式中、Etはエチル基を示す。以下同様である。]
フレームドライした内容積10 mLの密閉ガラス容器に、磁気撹拌子を収容し、アルゴン雰囲気下で、実施例4-1で得たトリフェニルアセトニトリル(26.9 mg, 0.1 mmol)、NH2OH(66μL, 50 %水溶液)、及びエタノール(0.5 mL)を添加し、容器を密封した。混合物を140℃で24時間攪拌した。室温まで冷却した後、反応混合物を水(1 mL)で希釈し、酢酸エチル(3回×15 mL)で抽出した。有機層をNa2SO4で乾燥し、減圧下に濃縮した。粗生成物を酢酸無水物(0.5 mL)で処理し、反応混合物を140℃で24時間攪拌した。室温まで冷却した後、反応混合物を水(5 mL)で希釈し、酢酸エチル(3回×20 mL)で抽出した。有機層をNa2SO4で乾燥し、減圧下に濃縮した。粗生成物をPTLC(酢酸エチル/n-ヘキサン=10: 90)により精製し、5-メチル-3-トリチル-1,2,4-オキサジアゾール(11aaa)を白色固体として得た(17 mg, 52%)。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 2.59 (s, 3H), 7.17-7.21 (m, 6H), 7.26-7.32 (m, 9H). 13C NMR (100 MHz, CDCl3) δ 12.5, 59.8, 127.1, 127.8, 130.4, 143.3, 175.2, 175.7. HRMS (DART) m/z calcd for C22H19N2O [M+H]+: 327.1492, found 327.1489。
【実施例】
【0238】
実施例9-2
基質を変更する他は実施例9-1と同様の処理を行った。結果を以下に示す。
【実施例】
【0239】
【化36】
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【実施例】
【0240】
3-[(4-メトキシフェニル)(4-メチルフェニル)フェニルメチル]-5-メチル-1,2,4-オキサジアゾール(11bac)
PTLCによる精製(酢酸エチル/ヘキサン= 10: 90)。
21.0 mg, 57%(単離収率);白色固体。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 2.33 (s, 3H), 2.59 (s, 3H), 3.79 (s, 3H), 6.81 (dm, J = 8.8 Hz, 2H), 7.04 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 7.08-7.10 (m, 4H), 7.16-7.18 (m, 2H), 7.27-7.30 (m, 3H). 13C NMR (100 MHz, CDCl3) δ 12.5, 21.0, 55.2, 58.8, 113.0, 126.9, 127.7, 128.5, 130.2, 130.3, 131.5, 135.6, 136.6, 140.7, 143.8, 158.3, 175.5, 175.7. HRMS (DART) m/z calcd for C24H23N2O2 [M+H]+: 371.1754, found 371.1754。
【実施例】
【0241】
[実施例10:トリ(ヘテロ)アリールアセトニトリル化合物のトリアジン化]
実施例10-1
【実施例】
【0242】
【化37】
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【実施例】
【0243】
フレームドライした内容積10 mLの密閉ガラス容器に、磁気撹拌子を収容し、アルゴン雰囲気下で、実施例4-1で得たトリフェニルアセトニトリル(26.9 mg, 0.1 mmol)、シアノグアニジン(10.5 mg, 0.125 mmol)、KOH(4 mg, 0.071 mmol)、及びエタノール(0.5 mL)を添加し、容器を密封した。混合物を140℃で24時間攪拌した。室温まで冷却した後、反応混合物を水(1 mL)で希釈し、酢酸エチル(3回×15 mL)で抽出した。有機層をNa2SO4で乾燥し、減圧下に濃縮した。粗生成物をPTLC(酢酸エチル/n-ヘキサン=1: 1)により精製し、2,4-ジアミノ-6-トリチル-1,3,5-トリアジン(12aaa)を白色固体として得た(16 mg, 45%)。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 6.58 (br.s, 4H), 7.12-7.18 (m, 3H), 7.22-7.23 (m, 12H). 13C NMR (100 MHz, DMSO-d6) δ 66.9, 125.6, 127.1, 130.7, 145.8, 166.7, 180.4. HRMS (DART) m/z calcd for C22H20N5 [M+H]+: 354.1713, found 354.1719。
【実施例】
【0244】
実施例10-2
基質を変更する他は実施例10-1と同様の処理を行った。結果を以下に示す。
【実施例】
【0245】
【化38】
JP2016093175A1_000045t.gif
【実施例】
【0246】
2,4-ジアミノ-6-[(4-メトキシフェニル)(4-メチルフェニル)フェニルメチル]-1,3,5-トリアジン(12bac)
PTLCによる精製(エタノール/ヘキサン= 6: 4)。
21.0 mg, 53%(単離収率);白色固体。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 2.24 (s, 3H), 3.71 (s, 3H), 6.56 (br.s, 4H), 6.78 (d, J = 8.8 Hz, 2H), 7.01 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 7.07-7.12 (m, 5H), 7.19-7.21 (m, 4H). 13C NMR (100 MHz, DMSO-d6) δ 20.5, 54.9, 65.9, 112.4, 125.4, 127.0, 127.6, 130.5, 130.6, 131.7, 134.5, 143.2, 146.3, 157.0, 166.7, 180.7. HRMS (DART) m/z calcd for C24H24N5O [M+H]+: 398.1975, found 398.1976。