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明細書 :換気応答測定システム

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2017-159039 (P2017-159039A)
公開日 平成29年9月14日(2017.9.14)
発明の名称または考案の名称 換気応答測定システム
国際特許分類 A61B   5/087       (2006.01)
A61B   5/1455      (2006.01)
A61B   5/083       (2006.01)
FI A61B 5/08 200
A61B 5/14 322
A61B 5/08 100
請求項の数または発明の数 2
出願形態 OL
全頁数 16
出願番号 特願2017-041152 (P2017-041152)
出願日 平成29年3月3日(2017.3.3)
優先権出願番号 2016042821
優先日 平成28年3月4日(2016.3.4)
優先権主張国 日本国(JP)
発明者または考案者 【氏名】水上 勝義
【氏名】本間 敏明
【氏名】小泉 充弘
出願人 【識別番号】504171134
【氏名又は名称】国立大学法人 筑波大学
【識別番号】399086263
【氏名又は名称】学校法人帝京大学
【識別番号】597129229
【氏名又は名称】チェスト株式会社
個別代理人の代理人 【識別番号】110002147、【氏名又は名称】特許業務法人酒井国際特許事務所
審査請求 未請求
テーマコード 4C038
Fターム 4C038KK01
4C038KL05
4C038KL07
4C038SS04
4C038SU19
要約 【課題】簡易な装置でDLB患者を選別することができる換気応答測定システムを提供すること。
【解決手段】換気応答測定システムは、呼吸管と、呼吸管に接続可能且つ呼吸管よりも大きな貯留容器と、貯留容器に酸素を供給する酸素供給装置と、呼気の流量を測定する流量センサと、血中酸素飽和度を測定する血中酸素飽和度センサと、流量センサの情報、体表面積の情報、及びしきい値を記憶する情報処理装置と、情報処理装置からの信号に応じて異なる判定結果を出力する出力装置と、を備える。情報処理装置は、貯留容器がない状態において流量センサの情報に基づいて第1の分時換気量を演算し、貯留容器がある状態において流量センサの情報に基づいて第2の分時換気量を演算し、第1の分時換気量、第2の分時換気量及び体表面積に基づいて演算した診断指標としきい値とに基づいて出力装置の判定結果を変化させる。
【選択図】図1
特許請求の範囲 【請求項1】
被験者の呼吸器に接続される呼吸管と、
前記呼吸管に接続可能であって且つ前記呼吸管の容積よりも大きな容積を有する貯留容器と、
前記貯留容器に酸素を供給する酸素供給装置と、
前記被験者の呼気の流量を測定する流量センサと、
前記被験者の血中酸素飽和度を測定する血中酸素飽和度センサと、
前記流量センサの情報、前記被験者の体表面積の情報、及び所定のしきい値を記憶する情報処理装置と、
前記情報処理装置からの信号に応じて異なる判定結果を出力する出力装置と、
を備え、
前記情報処理装置は、
前記貯留容器が前記呼吸管に接続されていない状態において、前記流量センサから受け取った情報に基づいて第1の分時換気量を演算し、
前記貯留容器が前記呼吸管に接続された状態において、前記流量センサから受け取った情報に基づいて第2の分時換気量を演算し、
前記第1の分時換気量、前記第2の分時換気量及び前記体表面積に基づいて診断指標を演算し、
前記診断指標及び前記しきい値に基づいて前記出力装置に出力させる判定結果を変化させる
換気応答測定システム。
【請求項2】
被験者の呼吸器に接続される呼吸管と、
前記呼吸管に接続可能であって且つ前記呼吸管の容積よりも大きな容積を有する貯留容器と、
前記貯留容器に酸素を供給する酸素供給装置と、
前記被験者の呼気の流量を測定する流量センサと、
前記被験者の呼気に含まれる二酸化炭素分圧を測定する二酸化炭素分圧センサと、
前記被験者の血中酸素飽和度を測定する血中酸素飽和度センサと、
前記流量センサの情報、前記二酸化炭素分圧センサの情報、前記被験者の体表面積の情報、及び所定のしきい値を記憶する情報処理装置と、
前記情報処理装置からの信号に応じて異なる判定結果を出力する出力装置と、
を備え、
前記情報処理装置は、
前記貯留容器が前記呼吸管に接続されていない状態において、前記流量センサから受け取った情報に基づいて第1の分時換気量を演算し、且つ前記二酸化炭素分圧センサから受け取った情報に基づいて第1の呼気終末二酸化炭素分圧を演算し、
前記貯留容器が前記呼吸管に接続された状態において、前記流量センサから受け取った情報に基づいて第2の分時換気量を演算し、且つ前記二酸化炭素分圧センサから受け取った情報に基づいて第2の呼気終末二酸化炭素分圧を演算し、
前記第1の分時換気量、前記第2の分時換気量、前記第1の呼気終末二酸化炭素分圧、前記第2の呼気終末二酸化炭素分圧及び前記体表面積に基づいて前記診断指標を演算し、
前記診断指標及び前記しきい値に基づいて前記出力装置に出力させる判定結果を変化させる
換気応答測定システム。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、換気応答測定システムに関する。
【背景技術】
【0002】
三大認知症として、アルツハイマー型認知症、血管性認知症、及びレビー小体型認知症(Dementia with Lewy Bodies(以下、DLBという))が知られている。DLBの患者においては、呼吸調節機能障害の1つとして高炭酸ガス換気応答(Hypercapnic Ventilatory Response(以下HCVRという))での異常が認められる。例えば非特許文献1に記載されているように、高炭酸ガス換気応答の測定がDLBの診断において有用であることが知られている。
【先行技術文献】
【0003】

【非特許文献1】水上勝義、「DLBとうつ状態」、精神神経学雑誌、公益社団法人日本精神神経学会、平成24年3月、第114巻、第3号、p.289-296
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来技術において高炭酸ガス換気応答を測定するためには、例えば非特許文献1の図2に示されているような大型の装置が必要であった。しかしながら、大型の装置を設置できる場所は一部の医療機関に限られる。このため、DLBの診断率を向上させるために、従来よりも簡易な装置によるDLBの診断が求められている。
【0005】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであって、簡易な装置でDLB患者を選別することができる換気応答測定システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達成するため、本発明に係る換気応答測定システムは、被験者の呼吸器に接続される呼吸管と、前記呼吸管に接続可能であって且つ前記呼吸管の容積よりも大きな容積を有する貯留容器と、前記貯留容器に酸素を供給する酸素供給装置と、前記被験者の呼気の流量を測定する流量センサと、前記被験者の血中酸素飽和度を測定する血中酸素飽和度センサと、前記流量センサの情報、前記被験者の体表面積の情報、及び所定のしきい値を記憶する情報処理装置と、前記情報処理装置からの信号に応じて異なる判定結果を出力する出力装置と、を備え、前記情報処理装置は、前記貯留容器が前記呼吸管に接続されていない状態において、前記流量センサから受け取った情報に基づいて第1の分時換気量を演算し、前記貯留容器が前記呼吸管に接続された状態において、前記流量センサから受け取った情報に基づいて第2の分時換気量を演算し、前記第1の分時換気量、前記第2の分時換気量及び前記体表面積に基づいて診断指標を演算し、前記診断指標及び前記しきい値に基づいて前記出力装置に出力させる判定結果を変化させる。
【0007】
DLB患者においては、第1の分時換気量に対する第2の分時換気量の比率が健常者に比べて大きくなりにくい。このため、DLB患者に対して演算される診断指標の値は、健常者に対して演算される診断指標の値とは異なる値になりやすい。したがって、DLB患者に対して出力装置に出力される判定結果は、健常者に対して出力装置に出力される判定結果とは異なる可能性が高い。よって、換気応答測定システムは、簡易な装置でDLB患者を選別することができる。
【0008】
また、本発明の第2の態様として、換気応答測定システムは、被験者の呼吸器に接続される呼吸管と、前記呼吸管に接続可能であって且つ前記呼吸管の容積よりも大きな容積を有する貯留容器と、前記貯留容器に酸素を供給する酸素供給装置と、前記被験者の呼気の流量を測定する流量センサと、前記被験者の呼気に含まれる二酸化炭素分圧を測定する二酸化炭素分圧センサと、前記被験者の血中酸素飽和度を測定する血中酸素飽和度センサと、前記流量センサの情報、前記二酸化炭素分圧センサの情報、前記被験者の体表面積の情報、及び所定のしきい値を記憶する情報処理装置と、前記情報処理装置からの信号に応じて異なる判定結果を出力する出力装置と、を備え、前記情報処理装置は、前記貯留容器が前記呼吸管に接続されていない状態において、前記流量センサから受け取った情報に基づいて第1の分時換気量を演算し、且つ前記二酸化炭素分圧センサから受け取った情報に基づいて第1の呼気終末二酸化炭素分圧を演算し、前記貯留容器が前記呼吸管に接続された状態において、前記流量センサから受け取った情報に基づいて第2の分時換気量を演算し、且つ前記二酸化炭素分圧センサから受け取った情報に基づいて第2の呼気終末二酸化炭素分圧を演算し、前記第1の分時換気量、前記第2の分時換気量、前記第1の呼気終末二酸化炭素分圧、前記第2の呼気終末二酸化炭素分圧及び前記体表面積に基づいて前記診断指標を演算し、前記診断指標及び前記しきい値に基づいて前記出力装置に出力させる判定結果を変化させる。
【0009】
DLB患者においては、第1の分時換気量に対する第2の分時換気量の比率が健常者に比べて大きくなりにくい。このため、DLB患者に対して演算される診断指標の値は、健常者に対して演算される診断指標の値とは異なる値になりやすい。したがって、DLB患者に対して出力装置に出力される判定結果は、健常者に対して出力装置に出力される判定結果とは異なる可能性が高い。さらに、診断指標の演算において呼気終末二酸化炭素分圧が導入されることで、換気応答測定システムはDLB患者の選別精度を向上させることができる。よって、換気応答測定システムは、簡易な装置でDLB患者を選別することができる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、簡易な装置でDLB患者を選別することができる換気応答測定システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】図1は、実施形態1に係る換気応答測定システムの模式図である。
【図2】図2は、実施形態1に係る換気応答測定システムのブロック図である。
【図3】図3は、実施形態1に係る情報処理装置が行う処理を示すフローチャートである。
【図4】図4は、実施形態1に係る換気応答測定システムによって測定した健常者の分時換気量を示すグラフである。
【図5】図5は、実施形態1に係る換気応答測定システムによって測定したDLB患者の分時換気量を示すグラフである。
【図6】図6は、実施形態2に係る換気応答測定システムの模式図である。
【図7】図7は、実施形態2に係る換気応答測定システムのブロック図である。
【図8】図8は、実施形態2に係る情報処理装置が行う処理を示すフローチャートである。
【図9】図9は、実施形態2に係る換気応答測定システムによって測定した健常者の分時換気量及び呼気終末二酸化炭素分圧を示すグラフである。
【図10】図10は、実施形態2に係る換気応答測定システムによって測定したDLB患者の分時換気量及び呼気終末二酸化炭素分圧を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明を実施するための形態(実施形態)につき、図面を参照しつつ詳細に説明する。以下の実施形態に記載した内容により本発明が限定されるものではない。また、以下に記載した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のものが含まれる。さらに、以下に記載した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。

【0013】
(実施形態1)
図1は、実施形態1に係る換気応答測定システムの模式図である。換気応答測定システム1は、DLB患者を選別するために用いられるシステムである。図1に示すように、換気応答測定システム1は、呼吸管2と、貯留容器3と、流量センサ4と、酸素供給装置6と、血中酸素飽和度センサ7と、入力装置8と、出力装置10と、情報処理装置9と、を備える。

【0014】
呼吸管2は、被験者の呼吸器に接続される部材である。例えば、呼吸管2の一端が被験者の鼻及び口に接続される。呼吸管2の一端は、被験者の鼻及び口を覆うことができる大きさを有しており、且つ被験者の顔の表面に密着することができる。すなわち、呼吸管2の一端はマスク形状に形成されている。呼吸管2の他端は、例えば略円筒状であって、被験者とは反対側に向かって開口している。

【0015】
貯留容器3は、呼吸管2に接続することができる筒状の部材である。貯留容器3は、呼吸管2に対して着脱可能である。具体的には、貯留容器3の一端に設けられたコネクタ31を介して、貯留容器3が呼吸管2に接続される。貯留容器3は、例えば、合成樹脂等で形成された可撓性部材であって透明である。貯留容器3の容積は、呼吸管2の容積よりも大きい。貯留容器3が呼吸管2に接続された状態で被験者が呼吸すると、貯留容器3の内部に二酸化炭素が溜まっていく。

【0016】
流量センサ4は、被験者の呼気の流量を測定するためのセンサである。流量センサ4は、呼吸管2の内部に配置される。流量センサ4は、情報処理装置9と電気的に接続されている。流量センサ4は、計測した情報を電気信号として情報処理装置9に送信することができる。

【0017】
酸素供給装置6は、貯留容器3に酸素を供給するための装置である。例えば、酸素供給装置6は、酸素タンク61と、チューブ62と、を備える。チューブ62は、酸素タンク61と貯留容器3とに接続されており、酸素タンク61に貯留された酸素を貯留容器3に送ることができる。例えば、酸素タンク61に設けられたバルブの開閉によって、貯留容器3に送られる酸素の量が調節される。

【0018】
血中酸素飽和度センサ7は、被験者の血中酸素飽和度(SpO)を測定するためのセンサである。血中酸素飽和度センサ7は、例えば被験者の指先に取り付けられる。血中酸素飽和度センサ7は、情報処理装置9と電気的に接続されている。血中酸素飽和度センサ7は、計測した情報を電気信号として情報処理装置9に送信することができる。血中酸素飽和度センサ7が測定した血中酸素飽和度は、情報処理装置9を介して、出力装置10に随時表示される。これにより、医師等は、被験者の血中酸素飽和度を監視することができる。

【0019】
情報処理装置9は、流量センサ4及び入力装置8からの入力に応じた処理を実行し、出力装置10へ出力する装置である。情報処理装置9は、いわゆるコンピュータであって、例えばCPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、及び補助記憶装置を備える。

【0020】
入力装置8は、情報処理装置9に情報を入力するための装置である。入力装置8は、情報処理装置9と電気的に接続されている。入力装置8は、例えばマウス及びキーボード等である。入力装置8は、第1ボタン81及び第2ボタン82を備える。第1ボタン81及び第2ボタン82は、キーボード上に配置された物理的なボタンであってもよいし、タッチパネル付表示装置等に表示されるボタンであってもよい。

【0021】
出力装置10は、情報処理装置9から受け取った情報に応じて出力を変化させることができる装置である。出力装置10は、情報処理装置9と電気的に接続されている。出力装置10は、例えば液晶ディスプレイ等の表示装置である。

【0022】
図2は、実施形態1に係る換気応答測定システムのブロック図である。図3は、実施形態1に係る情報処理装置が行う処理を示すフローチャートである。図2においてブロックで示される情報処理装置9の各機能は、CPU、ROM、RAM及び補助記憶装置により実現される。

【0023】
図3に示すように、第1ボタン81が押された場合(ステップS1、Yes)、情報処理装置9は図2に示すタイマー92をスタートさせる(ステップS2)。例えば、貯留容器3が外された状態の呼吸管2が被験者に装着された後、第1ボタン81が押される。一方、第1ボタン81が押されていない場合(ステップS1、No)、情報処理装置9の処理はステップS4に進む。

【0024】
ステップS2の後、図2に示す分時換気量演算部91が第1の分時換気量を演算し、分時換気量記憶部93が第1の分時換気量を記憶する(ステップS3)。分時換気量とは、被験者の呼吸による1分間当たり換気量である。分時換気量演算部91は、流量センサ4から受け取った情報及びタイマー92から受け取った情報に基づいて第1の分時換気量を演算する。例えば、分時換気量演算部91は、タイマー92がスタートしてから2分経過後の1分間において、流量センサ4が計測した流量を積算することで第1の分時換気量を演算する。また、ステップS3の後、タイマー92はリセットされる。

【0025】
ステップS3の後、第2ボタン82が押された場合(ステップS4、Yes)、情報処理装置9はタイマー92をスタートさせる(ステップS5)。例えば、貯留容器3が接続された状態の呼吸管2が被験者に装着された後、第2ボタン82が押される。この時、酸素供給装置6から貯留容器3に対して、例えば0.5(L/min)の流量で酸素が送られる。これにより、被験者の血中酸素飽和度の低下が抑制される。一方、第2ボタン82が押されていない場合(ステップS4、No)、情報処理装置9の処理はステップS1に戻る。すなわち、第1ボタン81及び第2ボタン82のいずれも押されていない時、情報処理装置9は待ち状態となる。

【0026】
ステップS5の後、分時換気量演算部91が第2の分時換気量を演算し、分時換気量記憶部93が第2の分時換気量を記憶する(ステップS6)。分時換気量演算部91は、流量センサ4から受け取った情報及びタイマー92から受け取った情報に基づいて第2の分時換気量を演算する。例えば、分時換気量演算部91は、タイマー92がスタートしてから2分経過後の1分間において、流量センサ4が計測した流量を積算することで第2の分時換気量を演算する。また、ステップS6の後、タイマー92はリセットされる。

【0027】
ステップS6の後、分時換気量記憶部93に第1の分時換気量及び第2の分時換気量が記憶されている場合(ステップS7、Yes)、図2に示す診断指標演算部94が診断指標を演算する(ステップS8)。診断指標演算部94は、第1の分時換気量、第2の分時換気量及び体表面積記憶部95に予め記憶された被験者の体表面積に基づいて診断指標を演算する。体表面積は、入力装置8を介して体表面積記憶部95に入力されることで適宜変更される。具体的には、第1の分時換気量をV(L/min)、第2の分時換気量をV(L/min)、体表面積をBSA(m)、診断指標をB(1/m)とすると、診断指標は下記の数式(1)で表される。

【0028】
【数1】
JP2017159039A_000003t.gif

【0029】
分時換気量記憶部93に第1の分時換気量又は第2の分時換気量が記憶されていない場合(ステップS7、No)、情報処理装置9の処理はステップS1に戻る。すなわち、診断指標演算部94は、第1の分時換気量及び第2の分時換気量の記憶が完了するまでは、診断指標の演算を開始しない。

【0030】
ステップS8の後、図2に示す判定部96が診断指標としきい値記憶部97に予め記憶されたしきい値とを比較する(ステップS9)。しきい値は、入力装置8を介してしきい値記憶部97に入力されることで適宜変更される。しきい値の一例は、例えば1.15である。判定部96は、診断指標がしきい値より大きいときに第1信号を出力装置10に出力し、診断指標がしきい値以下であるときに第1信号とは異なる第2信号を出力装置10に出力する。より具体的には、判定部96は、例えばしきい値に対する診断指標の差分(診断指標-しきい値)を演算する。判定部96は、差分の値が正の値(0より大きい)ときに第1信号を出力装置10に出力し、差分の値が0以下のときに第2信号を出力装置10に出力する。すなわち、判定部96は、診断指標としきい値との差に基づいて異なる信号を出力する。

【0031】
ステップS8の後、出力装置10は、判定部96から受け取った信号に応じて判定結果を画面上に表示する(ステップS10)。具体的には、出力装置10は、第1信号を受け取った場合には被験者がDLB患者である可能性が比較的低い旨の判定結果(第1判定結果)を出力し、第2信号を受け取った場合には被験者がDLB患者である可能性が比較的高い旨の判定結果(第2判定結果)を出力する。

【0032】
なお、ステップS9において、判定部96は、診断指標がしきい値以上であるときに第1信号を出力装置10に出力し、診断指標がしきい値より小さいときに第2信号を出力装置10に出力してもよい。

【0033】
なお、しきい値は、必ずしも1.15でなくてもよく、被験者の属性等に応じて適宜変更されてもよい。また、しきい値記憶部97が記憶するしきい値は、必ずしも1つでなくてもよく、複数であってもよい。例えば、しきい値記憶部97が第1しきい値と、第1しきい値よりも大きい第2しきい値とを記憶していてもよい。このような場合、ステップS9において、判定部96は、診断指標が第2しきい値より大きいときに第1信号を出力装置10に出力し、診断指標が第2しきい値以下であり第1しきい値より大きいときに第2信号を出力装置10に出力し、診断指標が第1しきい値以下であるときに第3信号を出力装置10に出力すればよい。

【0034】
なお、必ずしも第1の分時換気量が記憶された後に第2の分時換気量が記憶されなくてもよく、第2の分時換気量が第1の分時換気量よりも先に記憶されてもよい。すなわち、上述したステップS6の後にステップS3が実行されてもよい。

【0035】
なお、情報処理装置9は、必ずしもタイマー92を備えていなくてもよい。例えば、分時換気量演算部91は、第1ボタン81(第2ボタン82)が押されてから所定時間経過するまで流量センサ4から情報を取得し続け、所定時間経過後に最後の1分間の流量を積算することで第1の分時換気量(第2の分時換気量)を演算してもよい。または、分時換気量演算部91は、第1ボタン81(第2ボタン82)が押されてから第1ボタン81(第2ボタン82)が再び押されるまで流量センサ4から情報を取得し続け、第1ボタン81(第2ボタン82)が再び押された後に最後の1分間の流量を積算することで第1の分時換気量(第2の分時換気量)を演算してもよい。

【0036】
なお、第1ボタン81及び第2ボタン82は、必ずしもそれぞれ別のボタンでなくてもよく、同じボタンであってもよい。すなわち、入力装置8が、第1ボタン81の機能及び第2ボタン82の機能の両方を果たす1つのボタンを有していてもよい。

【0037】
なお、出力装置10は、必ずしも表示装置でなくてもよい。例えば、出力装置10は、判定結果を紙で出力する印刷装置であってもよいし、判定結果を音で出力する警報装置であってもよい。出力装置10は、情報処理装置9の処理結果を人間に認識させることができる装置であればよい。また、入力装置8及び出力装置10は、必ずしも情報処理装置9に対して別個の装置でなくてもよく、情報処理装置9と一体となっていてもよい。

【0038】
図4は、実施形態1に係る換気応答測定システムによって測定した健常者の分時換気量を示すグラフである。図5は、実施形態1に係る換気応答測定システムによって測定したDLB患者の分時換気量を示すグラフである。図4は、10人の健常者(健常者グループ)について第1の分時換気量及び第2の分時換気量を示している。図5は、15人のDLB患者(DLB患者グループ)について第1の分時換気量及び第2の分時換気量を示している。

【0039】
貯留容器3が呼吸管2に接続された状態で被験者が呼吸すると、貯留容器3に二酸化炭素が溜まる。これにより、被験者の吸気の二酸化炭素分圧が増大する。健常者は、二酸化炭素分圧の増大を正常に検知できる。このため、健常者においては、貯留容器3が呼吸管2に接続されている時には呼吸回数及び1回呼吸量が大きくなりやすい。このため、図4に示すように、健常者においては、第1の分時換気量に対する第2の分時換気量の比率が大きくなりやすい。

【0040】
一方、DLB患者は、二酸化炭素分圧の増大を健常者のように検知できない。このため、貯留容器3が呼吸管2に接続されている時でも呼吸回数及び1回呼吸量が大きくなりにくい。このため、図5に示すように、DLB患者においては、第1の分時換気量に対する第2の分時換気量の比率が大きくなりにくい。

【0041】
しきい値を1.15として、上述した健常者グループ及びDLB患者グループに対して換気応答測定システム1を適用した場合、DLB患者グループにおいて第2判定結果(DLB患者である可能性が比較的高い旨の判定結果)が出力される確率(約66.7%)は、健常者グループにおいて第2判定結果が出力される確率(約40%)よりも大きい。このため、医師等は、DLB患者を選別するための手段の1つとして換気応答測定システム1を使用することができる。

【0042】
以上で説明したように、換気応答測定システム1は、被験者の呼吸器に接続される呼吸管2と、呼吸管2に接続可能であって且つ呼吸管2の容積よりも大きな容積を有する貯留容器3と、貯留容器3に酸素を供給する酸素供給装置6と、被験者の呼気の流量を測定する流量センサ4と、被験者の血中酸素飽和度を測定する血中酸素飽和度センサ7と、流量センサ4の情報、被験者の体表面積の情報、及び所定のしきい値を記憶する情報処理装置9と、情報処理装置9からの信号に応じて異なる判定結果を出力する出力装置10と、を備える。情報処理装置9は、貯留容器3が呼吸管2に接続されていない状態において、流量センサ4から受け取った情報に基づいて第1の分時換気量を演算する。情報処理装置9は、貯留容器3が呼吸管2に接続された状態において、流量センサ4から受け取った情報に基づいて第2の分時換気量を演算する。情報処理装置9は、第1の分時換気量、第2の分時換気量及び体表面積に基づいて診断指標を演算する。情報処理装置9は、診断指標及びしきい値に基づいて出力装置10に出力させる判定結果を変化させる。

【0043】
DLB患者においては、第1の分時換気量に対する第2の分時換気量の比率が健常者に比べて大きくなりにくい。このため、DLB患者に対して演算される診断指標の値は、健常者に対して演算される診断指標の値とは異なる値になりやすい。したがって、DLB患者に対して出力装置10に出力される判定結果は、健常者に対して出力装置10に出力される判定結果とは異なる可能性が高い。よって、換気応答測定システム1は、簡易な装置でDLB患者を選別することができる。

【0044】
(実施形態2)
図6は、実施形態2に係る換気応答測定システムの模式図である。なお、上述した実施形態1で説明したものと同じ構成要素には同一の符号を付して重複する説明は省略する。図6に示すように、換気応答測定システム1Aは、二酸化炭素分圧センサ5と、情報処理装置9Aと、を備える。

【0045】
二酸化炭素分圧センサ5は、被験者の呼気に含まれる二酸化炭素分圧を測定するためのセンサである。二酸化炭素分圧センサ5は、呼吸管2の内部に配置される。二酸化炭素分圧センサ5は、情報処理装置9Aと電気的に接続されている。二酸化炭素分圧センサ5は、計測した情報を電気信号として情報処理装置9Aに送信することができる。

【0046】
情報処理装置9Aは、流量センサ4、二酸化炭素分圧センサ5及び入力装置8からの入力に応じた処理を実行し、出力装置10への出力へする装置である。情報処理装置9Aは、いわゆるコンピュータであって、例えばCPU、ROM、RAM、及び補助記憶装置を備える。

【0047】
図7は、実施形態2に係る換気応答測定システムのブロック図である。図8は、実施形態2に係る情報処理装置が行う処理を示すフローチャートである。図7においてブロックで示される情報処理装置9Aの各機能は、CPU、ROM、RAM及び補助記憶装置により実現される。

【0048】
図8に示すように、第1ボタン81が押された場合(ステップS11、Yes)、情報処理装置9Aは図7に示すタイマー92をスタートさせる(ステップS12)。例えば、貯留容器3が外された状態の呼吸管2が被験者に装着された後、第1ボタン81が押される。一方、第1ボタン81が押されていない場合(ステップS11、No)、情報処理装置9Aの処理はステップS14に進む。

【0049】
ステップS12の後、図7に示す分時換気量演算部91が第1の分時換気量を演算し、分時換気量記憶部93が第1の分時換気量を記憶し、呼気終末二酸化炭素分圧演算部98が第1の呼気終末二酸化炭素分圧(以下、第1ETCO)を演算し、呼気終末二酸化炭素分圧記憶部99が第1ETCOを記憶する(ステップS13)。呼気終末二酸化炭素分圧(以下、ETCO)とは、被験者の呼気に含まれる二酸化炭素分圧の最大値である。被験者の呼気に含まれる二酸化炭素分圧は、吸気が開始される直前に最大となる。呼気終末二酸化炭素分圧演算部98は、二酸化炭素分圧センサ5から受け取った情報及びタイマー92から受け取った情報に基づいて第1ETCOを演算する。例えば、呼気終末二酸化炭素分圧演算部98は、タイマー92がスタートしてから3分経過する前に二酸化炭素分圧センサ5が計測した最後の値を第1ETCOとして演算する。また、ステップS13の後、タイマー92はリセットされる。

【0050】
ステップS13の後、第2ボタン82が押された場合(ステップS14、Yes)、情報処理装置9Aはタイマー92をスタートさせる(ステップS15)。例えば、貯留容器3が接続された状態の呼吸管2が被験者に装着された後、第2ボタン82が押される。この時、酸素供給装置6から貯留容器3に対して、例えば0.5(L/min)の流量で酸素が送られる。これにより、被験者の血中酸素飽和度の低下が抑制される。一方、第2ボタン82が押されていない場合(ステップS14、No)、情報処理装置9Aの処理はステップS11に戻る。すなわち、第1ボタン81及び第2ボタン82のいずれも押されていない時、情報処理装置9Aは待ち状態となる。

【0051】
ステップS15の後、分時換気量演算部91が第2の分時換気量を演算し、分時換気量記憶部93が第2の分時換気量を記憶し、呼気終末二酸化炭素分圧演算部98が第2の呼気終末二酸化炭素分圧(以下、第2ETCO)を演算し、呼気終末二酸化炭素分圧記憶部99が第2ETCOを記憶する(ステップS16)。呼気終末二酸化炭素分圧演算部98は、二酸化炭素分圧センサ5から受け取った情報及びタイマー92から受け取った情報に基づいて第2ETCOを演算する。例えば、呼気終末二酸化炭素分圧演算部98は、タイマー92がスタートしてから3分経過する前に二酸化炭素分圧センサ5が計測した最後の値を第2ETCOとして演算する。また、ステップS16の後、タイマー92はリセットされる。

【0052】
ステップS16の後、分時換気量記憶部93に第1の分時換気量、第1ETCO、第2の分時換気量、及び第2ETCOが記憶されている場合(ステップS17、Yes)、図7に示す診断指標演算部94が診断指標を演算する(ステップS18)。診断指標演算部94は、第1の分時換気量、第1ETCO、第2の分時換気量、第2ETCO、及び体表面積記憶部95に予め記憶された被験者の体表面積に基づいて診断指標を演算する。具体的には、第1の分時換気量をV(L/min)、第1ETCOをP(torr)、第2の分時換気量をV(L/min)、第2ETCOをP(torr)、体表面積をBSA(m)、診断指標をB(L/min/torr/m)とすると、診断指標は下記の数式(2)で表される。

【0053】
【数2】
JP2017159039A_000004t.gif

【0054】
分時換気量記憶部93に第1の分時換気量、第1ETCO、第2の分時換気量又は第2ETCOが記憶されていない場合(ステップS17、No)、情報処理装置9Aの処理はステップS11に戻る。すなわち、診断指標演算部94は、第1の分時換気量、第1ETCO、第2の分時換気量及び第2ETCOの記憶が完了するまでは、診断指標の演算を開始しない。

【0055】
ステップS18の後、図7に示す判定部96が診断指標としきい値記憶部97に予め記憶されたしきい値とを比較する(ステップS19)。しきい値の一例は、例えば0.34である。判定部96は、診断指標がしきい値より大きいときに第1信号を出力装置10に出力し、診断指標がしきい値以下であるときに第1信号とは異なる第2信号を出力装置10に出力する。より具体的には、判定部96は、例えばしきい値に対する診断指標の差分(診断指標-しきい値)を演算する。判定部96は、差分の値が正の値(0より大きい)ときに第1信号を出力装置10に出力し、差分の値が0以下のときに第2信号を出力装置10に出力する。すなわち、判定部96は、診断指標としきい値との差に基づいて異なる信号を出力する。

【0056】
ステップS19の後、出力装置10は、判定部96から受け取った信号に応じて判定結果を画面上に表示する(ステップS20)。具体的には、出力装置10は、第1信号を受け取った場合には被験者がDLB患者である可能性が比較的低い旨の判定結果(第1判定結果)を出力し、第2信号を受け取った場合には被験者がDLB患者である可能性が比較的高い旨の判定結果(第2判定結果)を出力する。

【0057】
なお、ステップS19において、判定部96は、診断指標がしきい値以上であるときに第1信号を出力装置10に出力し、診断指標がしきい値より小さいときに第2信号を出力装置10に出力してもよい。

【0058】
なお、しきい値は、必ずしも0.34でなくてもよく、被験者の属性等に応じて適宜変更されてもよい。また、しきい値記憶部97が記憶するしきい値は、必ずしも1つでなくてもよく、複数であってもよい。例えば、しきい値記憶部97が第1しきい値と、第1しきい値よりも大きい第2しきい値とを記憶していてもよい。このような場合、ステップS19において、判定部96は、診断指標が第2しきい値より大きいときに第1信号を出力装置10に出力し、診断指標が第2しきい値以下であり第1しきい値より大きいときに第2信号を出力装置10に出力し、診断指標が第1しきい値以下であるときに第3信号を出力装置10に出力すればよい。

【0059】
なお、必ずしも第1の分時換気量が記憶された後に第2の分時換気量が記憶されなくてもよく、第2の分時換気量が第1の分時換気量よりも先に記憶されてもよい。すなわち、上述したステップS16の後にステップS13が実行されてもよい。

【0060】
なお、情報処理装置9Aは、必ずしもタイマー92を備えていなくてもよい。例えば、呼気終末二酸化炭素分圧演算部98は、第1ボタン81(第2ボタン82)が押されてから所定時間経過するまで二酸化炭素分圧センサ5から情報を取得し続け、所定時間経過する前に二酸化炭素分圧センサ5が計測した最後の値を第1ETCO(第2ETCO)として演算してもよい。または、呼気終末二酸化炭素分圧演算部98は、第1ボタン81(第2ボタン82)が押されてから第1ボタン81(第2ボタン82)が再び押されるまで二酸化炭素分圧センサ5から情報を取得し続け、第1ボタン81(第2ボタン82)が再び押される前に二酸化炭素分圧センサ5が計測した最後の値を第1ETCO(第2ETCO)として演算してもよい。

【0061】
なお、第1ボタン81及び第2ボタン82は、必ずしもそれぞれ別のボタンでなくてもよく、同じボタンであってもよい。すなわち、入力装置8が、第1ボタン81の機能及び第2ボタン82の機能の両方を果たす1つのボタンを有していてもよい。

【0062】
なお、出力装置10は、必ずしも表示装置でなくてもよい。例えば、出力装置10は、判定結果を紙で出力する印刷装置であってもよいし、判定結果を音で出力する警報装置であってもよい。出力装置10は、情報処理装置9Aの処理結果を人間に認識させることができる装置であればよい。また、入力装置8及び出力装置10は、必ずしも情報処理装置9Aに対して別個の装置でなくてもよく、情報処理装置9Aと一体となっていてもよい。

【0063】
図9は、実施形態2に係る換気応答測定システムによって測定した健常者の分時換気量及び呼気終末二酸化炭素分圧を示すグラフである。図10は、実施形態2に係る換気応答測定システムによって測定したDLB患者の分時換気量及び呼気終末二酸化炭素分圧を示すグラフである。図9は、10人の健常者(健常者グループ)について第1の分時換気量及び第1ETCOによるプロットと、第2の分時換気量及び第2ETCOによるプロットとを示している。図10は、15人のDLB患者(DLB患者グループ)について第1の分時換気量及び第1ETCOによるプロットと、第2の分時換気量及び第2ETCOによるプロットとを示している。

【0064】
図9に示すように、健常者においては、2つのプロットを通る直線の傾きが大きくなりやすい。2つのプロットを通る直線の傾きは、上述した数式(2)で表される診断指標の値に等しい。一方、図10に示すように、DLB患者においては、2つのプロットを通る直線の傾きが大きくなりにくい。

【0065】
しきい値を0.34として、上述した健常者グループ及びDLB患者グループに対して換気応答測定システム1Aを適用した場合、DLB患者グループにおいて第2判定結果(DLB患者である可能性が比較的高い旨の判定結果)が出力される確率(約60%)は、健常者グループにおいて第2判定結果が出力される確率(約10%)よりも大きい。また、両グループ間での第2判定結果が出力される確率の隔たり(約50%の隔たり)は、上述した実施形態1に係る換気応答測定システム1を適用した場合の両グループ間での第2判定結果が出力される確率の隔たり(約26.7%の隔たり)よりも大きい。すなわち、実施形態2に係る換気応答測定システム1Aは、実施形態1に係る換気応答測定システム1に比べて、選別精度を向上させることができる。このため、医師等は、DLB患者を選別するための手段の1つとして換気応答測定システム1Aを使用することができる。

【0066】
以上で説明したように、換気応答測定システム1は、被験者の呼吸器に接続される呼吸管2と、呼吸管2に接続可能であって且つ呼吸管2の容積よりも大きな容積を有する貯留容器3と、貯留容器3に酸素を供給する酸素供給装置6と、被験者の呼気の流量を測定する流量センサ4と、被験者の呼気に含まれる二酸化炭素分圧を測定する二酸化炭素分圧センサ5と、被験者の血中酸素飽和度を測定する血中酸素飽和度センサ7と、流量センサ4の情報、二酸化炭素分圧センサ5の情報、被験者の体表面積の情報、及び所定のしきい値を記憶する情報処理装置9Aと、情報処理装置9Aからの信号に応じて異なる判定結果を出力する出力装置10と、を備える。情報処理装置9Aは、貯留容器3が呼吸管2に接続されていない状態において、流量センサ4から受け取った情報に基づいて第1の分時換気量を演算し、且つ二酸化炭素分圧センサ5から受け取った情報に基づいて第1ETCOを演算する。情報処理装置9Aは、貯留容器3が呼吸管2に接続された状態において、流量センサ4から受け取った情報に基づいて第2の分時換気量を演算し、且つ二酸化炭素分圧センサ5から受け取った情報に基づいて第2ETCOを演算する。情報処理装置9Aは、第1の分時換気量、第2の分時換気量、第1ETCO、第2ETCO及び体表面積に基づいて診断指標を演算する。情報処理装置9Aは、診断指標及びしきい値に基づいて出力装置10に出力させる判定結果を変化させる。

【0067】
DLB患者においては、第1の分時換気量に対する第2の分時換気量の比率が健常者に比べて大きくなりにくい。このため、DLB患者に対して演算される診断指標の値は、健常者に対して演算される診断指標の値とは異なる値になりやすい。したがって、DLB患者に対して出力装置10に出力される判定結果は、健常者に対して出力装置10に出力される判定結果とは異なる可能性が高い。さらに、診断指標の演算においてETCOが導入されることで、換気応答測定システム1AはDLB患者の選別精度を向上させることができる。よって、換気応答測定システム1Aは、簡易な装置でDLB患者を選別することができる。
【符号の説明】
【0068】
1、1A 換気応答測定システム
10 出力装置
2 呼吸管
3 貯留容器
31 コネクタ
4 流量センサ
5 二酸化炭素分圧センサ
6 酸素供給装置
61 酸素タンク
62 チューブ
7 血中酸素飽和度センサ
8 入力装置
9、9A 情報処理装置
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4
【図6】
5
【図7】
6
【図8】
7
【図9】
8
【図10】
9