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明細書 :コンビナトリアル試料の熱電特性測定方法及びその装置

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第3388731号 (P3388731)
公開番号 特開2002-277422 (P2002-277422A)
登録日 平成15年1月17日(2003.1.17)
発行日 平成15年3月24日(2003.3.24)
公開日 平成14年9月25日(2002.9.25)
発明の名称または考案の名称 コンビナトリアル試料の熱電特性測定方法及びその装置
国際特許分類 G01N 27/00      
H01L 21/66      
G01N 37/00      
FI G01N 27/00 Z
H01L 21/66
G01N 37/00
請求項の数または発明の数 2
全頁数 5
出願番号 特願2001-075954 (P2001-075954)
出願日 平成13年3月16日(2001.3.16)
審査請求日 平成13年3月16日(2001.3.16)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】396020800
【氏名又は名称】科学技術振興事業団
発明者または考案者 【氏名】鯉沼 秀臣
【氏名】川路 均
【氏名】伊高 健治
【氏名】南 秀樹
個別代理人の代理人 【識別番号】100089635、【弁理士】、【氏名又は名称】清水 守
審査官 【審査官】鈴木 俊光
参考文献・文献 特開 平5-52783(JP,A)
特開 平9-22403(JP,A)
特表 平10-512840(JP,A)
鯉沼秀臣他1名,「先導プログラム(コンビナトリアル技術)」,MATERIALS INTEGRATION,日本,株式会社ティー・アイ・シィー,2000年7月25日,第13巻第8号,第39-44頁
調査した分野 G01N 27/00 - 27/24
H01L 21/66
G01N 37/00 103
G01R 27/00 - 27/32
特許請求の範囲 【請求項1】
パターニングされたコンビナトリアル試料を、二つ以上の熱浴間に取り付けることにより微小な温度勾配をかけ、前記コンビナトリアル試料から温度勾配方向の電気信号を多数取り出せるようにしたことを特徴とするコンビナトリアル試料の熱電特性測定方法。

【請求項2】
(a)パターニングされたコンビナトリアル試料と、(b)該試料に微小な温度勾配をかけるための二つ以上の熱浴と、(c)前記温度勾配を測定する手段と、(d)前記試料に接触もしくは接続し、温度勾配方向の電気信号を多数取り出せる部品を具備することを特徴とするコンビナトリアル試料の熱電特性測定装置。
発明の詳細な説明 【発明の詳細な説明】

【1】

【発明の属する技術分野】本発明は、コンビナトリアル試料の熱電特性測定方法及びその装置に関するものである。

【10】
〔2〕コンビナトリアル試料の熱電特性測定装置において、パターニングされたコンビナトリアル試料と、この試料に微小な温度勾配をかけるための二つ以上の熱浴と、前記温度勾配を測定する手段と、前記試料に接触もしくは接続し、温度勾配方向の電気信号を多数取り出せる部品を具備することを特徴とする。

【11】
なお、ここで、熱浴とは、試料台の部分を指す。ただし、単なる(試料)台ではなく、測定中に温度が一定に保たれるように、ある程度熱容量が大きいものを指す(実際には銅などの金属でつくることが多く、例えば熱容量の小さなプラスチックなどは用いられない)。通常の電気抵抗測定の温度依存性測定では、熱浴は一つであるが、熱電特性測定には、必ず二つ以上必要になる。

【12】
より具体的な本発明の構成は、コンビナトリアル試料の熱電特性測定方法において、フォトリソグラフィー技術によってパターンニングされたコンビナトリアル試料に、微小な温度勾配をかけ、さらにワイヤボンディングによって、前記コンビナトリアル試料から多数の電気信号を取り出せるようにしたことを特徴とする。

【13】
また、コンビナトリアル試料の熱電特性測定装置において、フォトリソグラフィー技術によってパターンニングされた試料と、この試料に微小な温度勾配をかける1対の試料台と、前記温度勾配を測定する手段と、前記試料に接続されるワイヤボンディング手段とを具備することを特徴とする。

【14】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。

【15】
図1は本発明の実施例を示すコンビナトリアル熱電特性測定装置のブロック図である。

【16】
この図において、1は試料ステージ、2は温度コントローラ、3は温度差コントローラ、4は電圧計、5は電流計、6は配線切り替え装置、7はコンピュータである。

【17】
図2は本発明の第1実施例を示すコンビナトリアル熱電特性測定システムの測定部の斜視図である。

【18】
この図において、10は金属マスクを用いてパターンニングされた2次元コンビナトリアル測定試料(微小試料)、11,12はその測定試料10を載置する1対の試料台、13はその試料台の外側面に配置されるヒーター、14は1対の試料台11,12間に配置される熱電対、15は複数列に配置されたコンビナトリアル測定試料10に一度に接続するように配置されるプローブピンアレイである。

【19】
そこで、金属マスクを用いてパターンニングされた測定試料10に、ヒーター13により、微小な温度勾配(例えば、試料台11より試料台12の温度を3℃高くする)をかけ、さらにプローブピンアレイ15による接触によって、コンビナトリアル測定試料10から多数の電気信号を取り出せるようにする。

【2】

【従来の技術】近年、化石エネルギー源の枯渇、あるいは温暖化現象・大気汚染などのため、余剰エネルギーの再利用が非常に重視されつつある。熱電材料は余剰熱を電気エネルギーに変換することができるため、従来の発電システムなどに取り付けることにより、新たな電気エネルギーを効率よく取り出せることになるため、より高効率の熱電材料の出現が期待されている。また、熱電材料に電流を流すと、ペルティエ効果によって一つの接合部が冷却されるため、新たな冷却システムとして利用されつつあり、より高効率な熱電材料が望まれている。

【20】
例えば、一列に4本のプローブピン15a,15b,15c,15dを立てて、プローブピン15aと15d間に電流を流すことにより、プローブピン15bと15cとで、その電位差を測定して測定試料のコンビナトリアル熱電特性測定を同じ測定条件で一度に同時に測定することができる。

【21】
測定された2次元的コンビナトリアル試料は試料台11,12から取り外して、新たな2次元的コンビナトリアル試料を載置して同じ条件で測定を行うことができる。

【22】
図3は本発明の第2実施例を示すコンビナトリアル熱電特性測定システムの測定部の斜視図である。

【23】
この実施例では、第1実施例のプローブピンアレイに換えて、ボンディングワイヤによる接続を行うようにしている。

【24】
この図において、20はフォトリソグラフィー技術によってパターンニングされた、2次元的に配置されたコンビナトリアル測定試料、21,22はその測定試料20を載置する1対の試料台、23はその試料台の外側面に配置されるヒーター、24は1対の試料台21,22間に配置される熱電対、25はボンディング用ターミナル、26はそのボンディング用ターミナル25と測定試料20間に設けられるボンディングワイヤである。

【25】
そこで、フォトリソグラフィー技術によってパターンニングされた試料20に、ヒーター23により、微小な温度勾配をかけ、ボンディングワイヤ26によるワイヤーボンディングを用いてコンビナトリアル測定試料20からボンディング用ターミナル25を介して多数の電気信号を取り出せるようにする。

【26】
図4は本発明の装置によって測定された熱起電力の結果を示す図であり、横軸は温度差〔ΔT(℃)〕、縦軸は熱起電力(μV)である。

【27】
この図から明らかなように、温度差に対して熱起電力が線形に変化していることから、正しく測定されていることがわかる。

【28】
すなわち、本発明によれば、
(1)金属マスクを用いてパターンニングされた試料に、微小な温度勾配をかけ、さらにプローブピンによる接触によって、コンビナトリアル測定試料から多数の電気信号を取り出すことができる。

【29】
(2)フォトリソグラフィー技術によってパターンニングされた試料に、微小な温度勾配をかけ、ワイヤーボンディングを用いてコンビナトリアル測定試料から多数の電気信号を取り出すことができる。

【3】
また、近年、ワイドギャップ半導体、透明半導体、有機半導体など、新規な半導体の開発が急ピッチで進められている。このような半導体をデバイスとして利用していくには、そのキャリア制御が重要である。例えば正孔キャリア型半導体と電子キャリア型半導体の接合(pn接合)などを形成することによって、トランジスター、FET、ダイオード、太陽電池、レーザー発振など、様々な特性のデバイスが生み出されることから、特にキャリア符号は重要な特性パラメーターである。

【30】
本発明によって、コンビナトリアル薄膜合成された測定試料は、同時に多数の熱起電力・電気抵抗測定が可能となり、熱電材料の探索における高速スクリーニングが可能となった。よって、本発明に基づく、この装置は、熱電材料探索において重要な要素技術である。

【31】
すなわち、マスク機構を利用したコンビナトリアル薄膜合成は、高速な材料探索手段として、急速に広まりつつある。この手法を用いて、熱電材料探索を行った場合、作製された薄膜を評価するために、熱電特性測定が必要とされるが、これまで個別に測定してきており、評価時間が非常にかかっていた。

【32】
本発明により、コンビナトリアル合成された薄膜の熱起電力と電気特性を同時に測定することが可能となるため、高速な熱電特性の評価を行うことが可能となった。この装置は、半導体におけるキャリアドープにおいても、導入されたキャリアの荷電の正負を容易に評価することもできるなど、幅広く応用ができる。

【33】
なお、上記実施例では、熱浴は、二つのものとして説明したが、二つ以上であってもよい。

【34】
また、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々の変形が可能であり、これらを本発明の範囲から排除するものではない。

【35】

【発明の効果】以上、詳細に説明したように、本発明によれば、コンビナトリアル合成された薄膜の熱起電力と電気特性を同時に測定することが可能となるため、高速な熱電特性評価を行うことができる。よって、本発明に基づく装置は、熱電材料探索において重要な要素技術である。

【36】
また、本発明は、半導体におけるキャリアドープにおいても、導入されたキャリアの荷電の正負を容易に評価することもできるなど、幅広く応用ができる。

【4】
通常、キャリア制御は、ドープされていない試料を作製中もしくは作製後に不純物置換や不純物ガス雰囲気化での熱処理などによって行われるが、一般にドープされる量は非常に微量であるため、制御が容易ではなく試行錯誤となることが多い。とくにワイドギャップ半導体では、p・nのどちらか特定の符号になりやすい傾向があるため、これまでどちらかの型しか作製されていなかったり、作製条件の範囲が非常に狭かったりして、より精密な成長条件・ドープ条件探索が必要とされる。

【5】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これまで熱電材料の探索は、主に一つ一つ作製したものについて個々に熱電特性を評価していくため、多大な時間が浪費されていた。

【6】
特に、コンビナトリアル薄膜合成法を取り入れた場合、隘路となるのは、熱電特性の評価方法であり、微小に多数作製された試料を滞りなく高速に測定する必要性がある。

【7】
また、これまで半導体のキャリアドープ条件の探索は、主に一つ一つ作製したものを個々にホール抵抗・電気抵抗測定することによって行われてきたが、この場合、問題点として、(1)一つ一つ測定するため、評価時間が多大にかかる、(2)大きな磁場発生装置を必要とするために、装置が高価・巨大になり、簡便な評価が出来ない、ということが挙げられる。

【8】
本発明は、上記状況に鑑みて、測定試料の評価を迅速に進めるとともに、熱電材料の探索、半導体のキャリア制御等において有効なコンビナトリアル試料の熱電特性測定方法及びその装置を提供することを目的とする。

【9】

【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達成するために、
〔1〕コンビナトリアル試料の熱電特性測定方法において、パターニングされたコンビナトリアル試料を、二つ以上の熱浴間に取り付けることにより微小な温度勾配をかけ、前記コンビナトリアル試料から温度勾配方向の電気信号を多数取り出せるようにしたことを特徴とする。
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3