TOP > 国内特許検索 > 乾燥装置 > 明細書

明細書 :乾燥装置

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第3843697号 (P3843697)
公開番号 特開2001-317874 (P2001-317874A)
登録日 平成18年8月25日(2006.8.25)
発行日 平成18年11月8日(2006.11.8)
公開日 平成13年11月16日(2001.11.16)
発明の名称または考案の名称 乾燥装置
国際特許分類 F26B  21/04        (2006.01)
F25B  17/08        (2006.01)
F26B   3/02        (2006.01)
FI F26B 21/04 Z
F25B 17/08 E
F26B 3/02
請求項の数または発明の数 6
全頁数 9
出願番号 特願2000-131632 (P2000-131632)
出願日 平成12年4月28日(2000.4.28)
新規性喪失の例外の表示 特許法第30条第1項適用 2000年1月19日 発行の「Proceedings of symposium on Energy Engineering in the 21st century(SEE2000) Volume3」に発表
審査請求日 平成15年8月14日(2003.8.14)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】503360115
【氏名又は名称】独立行政法人科学技術振興機構
発明者または考案者 【氏名】小倉 裕直
個別代理人の代理人 【識別番号】100082876、【弁理士】、【氏名又は名称】平山 一幸
審査官 【審査官】長崎 洋一
参考文献・文献 特開昭58-175751(JP,A)
特開平01-296091(JP,A)
登録実用新案第3068082(JP,U)
特開2001-263952(JP,A)
調査した分野 F26B 21/04
F25B 17/08
F26B 3/02
特許請求の範囲 【請求項1】
乾燥すべき対象物が収容される乾燥部と、
それぞれが低温側反応器と乾燥部に接続された高温側反応器とを有し放熱過程で動作する第一のケミカルヒートポンプ及び蓄熱過程で動作する第二のケミカルヒートポンプと、
二のケミカルヒートポンプの高温側反応器から第一のケミカルヒートポンプの低温側反応器に対して空気を送出するように切換え接続する切換え手段と、
第一のケミカルヒートポンプの高温側反応器から乾燥部を通って第二のケミカルヒートポンプの高温側反応器まで気体を循環させる送風手段と、を備えていて、
乾燥部内で対象物からの水分を吸収し温度降下した空気が、蓄熱過程で動作する第二のケミカルヒートポンプの高温側反応器内に送られ、
第二のケミカルヒートポンプの高温側反応器で空気の持つ熱エネルギーが蓄熱されて冷却された空気は、切換え手段を介して、放熱過程で動作する第一のケミカルヒートポンプの低温側反応器内に導入され、
第一のケミカルヒートポンプの低温側反応器を通過した空気は、該低温側反応器にて吸熱されてから、第一のケミカルヒートポンプの高温側反応器内に導入され、
第一のケミカルヒートポンプの高温側反応器を通過した空気は、該高温側反応器にて加熱されてから、再び乾燥部内に供給され、
第一のケミカルヒートポンプと第二のケミカルヒートポンプとが所定の時間間隔で交互に蓄熱過程及び放熱過程で動作することを特徴とする、乾燥装置。
【請求項2】
前記第二のケミカルヒートポンプの高温側反応器が、不足する熱エネルギーを外部から供給されることを特徴とする、請求項1に記載の乾燥装置。
【請求項3】
前記第一のケミカルヒートポンプの低温側反応器が、不足する熱エネルギーを外部から供給されることを特徴とする、請求項1又は2に記載の乾燥装置。
【請求項4】
外部から供給される熱エネルギーが、常温空気により与えられることを特徴とする、請求項2又は3に記載の乾燥装置。
【請求項5】
前記第一のケミカルヒートポンプの高温側反応器からの気体が外部からの空気と混合されて乾燥部に供給されることを特徴とする、請求項1から4の何れかに記載の乾燥装置。
【請求項6】
前記第二のケミカルヒートポンプの高温側反応器からの気体の少なくとも一部が、外部に排出されることを特徴とする、請求項1から5の何れかに記載の乾燥装置。
発明の詳細な説明 【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、乾燥プロセスを有する各種装置で使用される乾燥装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、乾燥プロセスを有する各種装置において、乾燥プロセスは、多くの熱エネルギーを必要とする高エネルギー負荷操作になっている。このため、エネルギー使用量を抑制するための一つの手段として、機械式圧縮ヒートポンプを使用した乾燥装置が知られている。
【0003】
このような機械式圧縮ヒートポンプを使用した乾燥装置は、例えば図5に示すように構成されている。
図5において、乾燥装置1は、乾燥すべき対象物が収容される乾燥部2に対して、機械式圧縮ヒートポンプ3を接続して、空気循環機4によりヒートポンプ3から乾燥した空気を乾燥部2内に送り込み、乾燥部2からの湿った空気をヒートポンプ3に循環させるようにしている。
【0004】
上記機械式圧縮ヒートポンプ3は、図示の場合、冷媒蒸発部3aと冷媒凝縮部3bとを備えており、冷媒蒸発部3aが冷媒の気化熱により冷却を行なうとともに、冷媒凝縮部3bが冷媒の凝縮熱により加熱を行なう。
【0005】
このような構成の乾燥装置1によれば、ヒートポンプ3が外部から供給される電気エネルギーにより動作することにより、空気循環機4により乾燥部2から戻される湿った空気を、冷媒蒸発部3aによって冷却して、空気内に含まれる水分を凝結させ、さらに冷媒凝縮部3bで加熱することにより、空気を乾燥させて、再び乾燥部2内に送り込むようになっている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような構成の機械式圧縮ヒートポンプ1は、ヒートポンプを備えていない乾燥装置と比較すると、乾燥効率が向上するが、用途が限定されてしまうとともに、電気エネルギーの使用量が多く、さらにフロン等の環境汚染物質を含むことが多い。
【0007】
これに対して、化学反応を利用したケミカルヒートポンプも知られている。
ここで、ケミカルヒートポンプは、例えば図6に示すように構成されている。 図6において、ケミカルヒートポンプ5は、高温側反応器6及び低温側反応器7と、これらを連結するパイプ8と、から構成されている。
高温側反応器6は、蓄熱材として反応平衡圧力の比較的低い反応材Aが充填されている。
【0008】
また、低温側反応器7は、高温側反応材Aに対抗し得る高反応平衡圧の反応材Bが充填され、それぞれ真空に保持されている。
なお、低温側反応器7内では、液体の蒸発及び気体の凝縮も行なわれる。
上記パイプ8は、両端にて、それぞれ高温側反応器6及び低温側反応器7の内部に対してバルブ(図示せず)により開閉可能に構成されている。
【0009】
このような構成のケミカルヒートポンプ5によれば、図6(A)に示す放熱過程においては、バルブが開弁されると、高温側反応器6及び低温側反応器7の内部の圧力差によって、低温側反応器7からガスCが分離発生してパイプ8を通って高温側反応器6内に移動する。
ここで、このガスCは、高温側反応器6内にて反応材Aと反応して、ACが形成され、その際高温熱が生成される。他方、低温側反応器7内では、分解熱により吸熱反応が進行して、冷熱が生成される。
これにより、高温側反応器6内では、加熱が行なわれ、低温側反応器7内では冷却が行なわれる。
【0010】
これに対して、図6(B)に示す蓄熱過程では、高温側反応器6に熱を加えることにより、放熱過程で生成されたACが分解して、Aが再生すると共に、発生したガスCがパイプ8を通って、低温側反応器7内に移動して、反応材Bと反応し、反応熱を生成してBCとなり、再び高温熱・冷熱発生前の状態に戻る。
【0011】
このように、ケミカルヒートポンプは、AとCからACを生成する反応、そしてACをAとCに戻す反応、という二つの可逆反応を主に利用するものであるが、原理的には従来の機械式圧縮ヒートポンプや顕熱,潜熱蓄熱と比較して、ヒートポンプ性能や蓄熱性能に関して多くの利点を有しているものの、化学反応利用システムであることから、化学反応に依存する蓄熱及び放熱形態のコントロールが困難である。また、ケミカルヒートポンプの高温側反応器においては、放熱過程で時間経過とともに、加熱効率が低下して、送出空気の温度が低下することが知られている。このため、実験室規模では作動例が報告されているが、実際の産業用システムとしてケミカルヒートポンプは殆ど利用されていない。
【0012】
この発明は、以上の点にかんがみて、ケミカルヒートポンプを利用して、電気エネルギーを殆ど必要としない乾燥装置を提供することを目的としている。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記目的は、本発明によれば、乾燥すべき対象物が収容される乾燥部と、それぞれが低温側反応器と乾燥部に接続された高温側反応器とを有し放熱過程で動作する第一のケミカルヒートポンプ及び蓄熱過程で動作する第二のケミカルヒートポンプと、二のケミカルヒートポンプの高温側反応器から第一のケミカルヒートポンプの低温側反応器に対して空気を送出するように切換え接続する切換え手段と、第一のケミカルヒートポンプの高温側反応器から乾燥部を通って第二のケミカルヒートポンプの高温側反応器まで気体を循環させる送風手段と、を備えていて、乾燥部内で対象物からの水分を吸収し温度降下した空気が、蓄熱過程で動作する第二のケミカルヒートポンプの高温側反応器内に送られ、第二のケミカルヒートポンプの高温側反応器で空気の持つ熱エネルギーが蓄熱されて冷却された空気は、切換え手段を介して、放熱過程で動作する第一のケミカルヒートポンプの低温側反応器内に導入され、第一のケミカルヒートポンプの低温側反応器を通過した空気は、該低温側反応器にて吸熱されてから、第一のケミカルヒートポンプの高温側反応器内に導入され、第一のケミカルヒートポンプの高温側反応器を通過した空気は、該高温側反応器にて加熱されてから、再び乾燥部内に供給され、第一のケミカルヒートポンプと第二のケミカルヒートポンプとが所定の時間間隔で交互に蓄熱過程及び放熱過程で動作することを特徴とする乾燥装置により、達成される。
【0014】
この発明による乾燥装置は、好ましくは、第二のケミカルヒートポンプの高温側反応器が、不足する熱エネルギーを外部から供給される。
【0015】
この発明による乾燥装置は、好ましくは、第一のケミカルヒートポンプの低温側反応器が、不足する熱エネルギーを外部から供給される。
【0016】
この発明による乾燥装置は、好ましくは、外部から供給される熱エネルギーが常温空気により与えられる。
【0017】
この発明による乾燥装置は、好ましくは、第一のケミカルヒートポンプの高温側反応器からの気体が外部からの空気と混合されて乾燥部に供給される。
【0018】
この発明による乾燥装置は、好ましくは、第二のケミカルヒートポンプの高温側反応器からの気体の少なくとも一部が、外部に排出される。
【0019】
上記構成によれば、二つのケミカルヒートポンプを所定の時間間隔で交互に蓄熱過程及び放熱過程で動作させて、送風手段によって、放熱過程で動作する第一のケミカルヒートポンプの高温側反応器から高温乾燥空気が乾燥部に送り込まれる。これにより、空気は、乾燥部内にて対象物を乾燥させることにより、水分を吸収すると共に温度降下する。そして、乾燥部からの湿った空気が蓄熱過程で動作する第二のケミカルヒートポンプの高温側反応器に送り込まれる。
そして、第二のケミカルヒートポンプの高温側反応器内では、空気の持つ熱エネルギーが蓄熱される。この場合、蓄熱のためのエネルギーが不足する場合には外部から供給される。
その後、空気は第一のケミカルヒートポンプの低温側反応器に送出される。
【0020】
これに対して、第一のケミカルヒートポンプの低温側反応器内では、第二のケミカルヒートポンプの高温側反応器からの空気が吸熱され、必要に応じて冷却除湿される。この場合、吸熱のためのエネルギーが不足する場合には、外部から供給される。
その後、空気は、第一のケミカルヒートポンプの高温側反応器からの放熱により加熱されて高温乾燥空気となり、必要に応じて外気と混合されて、再び乾燥部内に供給される。
【0021】
れにより、本発明による乾燥装置においては、従来の単純に外気をボイラー等により加熱して高温乾燥空気を乾燥部に供給する乾燥装置と比較して、二つのケミカルヒートポンプの蓄熱・昇温モードを利用するとともに、乾燥部からの排気の熱エネルギーを再利用することによって、消費エネルギーを大幅に削減することができることに加えて、環境汚染物質を使用せず、省エネルギーを実現することができる。
【0022】
外部から供給される熱エネルギーが、常温空気により与えられる場合には、空気を加熱する必要がないので、コストが著しく低減され得る。
【0023】
第二のケミカルヒートポンプの高温側反応器からの気体の少なくとも一部が外部に排出される場合には、乾燥部で吸湿した空気の少なくとも一部が外部に排出されることによって乾燥効率がより一層向上することになる。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、図面に示した実施形態に基づいて、この発明を詳細に説明する。
図1はこの発明による乾燥装置の一実施形態を示している。
図1において、乾燥装置10は、乾燥すべき対象物が収容される乾燥部11に対して、所定の時間間隔で交互に蓄熱過程及び放熱過程で動作する二つのケミカルヒートポンプ12及び13が選択的に切換え接続されることにより構成されており、これら二つのケミカルヒートポンプ12,13間には空気循環器14が接続され、さらに、上記二つのケミカルヒートヒポンプ12,13を交互に切換え接続するための後述する切換え手段15(図2参照)を備えている。
【0025】
一方のケミカルヒートポンプ12は、図示の場合、蓄熱過程で動作しており、乾燥部11からの空気が高温側反応器12aに供給される。
これに対して、他方のケミカルヒートポンプ13は放熱過程で動作しており、高温側反応器12aから高温乾燥空気を乾燥部11内に送出する。
なお、ケミカルヒートポンプ12,13は、具体的には図2に示すように、高温側反応器12a,13a内にて、反応材料として消石灰Ca(OH)2 が使用されている。
【0026】
上記空気循環器14は、図1にて実線で示すように、ケミカルヒートポンプ12の高温側反応器12aからケミカルヒートポンプ13の低温側反応器13b内に空気を送出するように接続されているが、後述する切換え手段15の切換え操作により、図1にて鎖線で示すように、ケミカルヒートポンプ13の高温側反応器13aからケミカルヒートポンプ12の低温側反応器内12bに空気を送出するように切換え接続される。
【0027】
上記切換え手段15は、図1にて実線で示す第一の切換え状態にて、ケミカルヒートポンプ13の高温側反応器13aを乾燥部11を介してケミカルヒートポンプ12の高温側反応器12aに接続し、さらにケミカルヒートポンプ12の高温側反応器12aを空気循環器14を介してケミカルヒートポンプ13の低温側反応器13bに接続する。
【0028】
また、上記切換え手段15は、図1にて鎖線で示す第二の切換え状態にて、ケミカルヒートポンプ12の高温側反応器12aを乾燥部11を介してケミカルヒートポンプ13の高温側反応器13aに接続し、さらにケミカルヒートポンプ13の高温側反応器13aを空気循環器14を介してケミカルヒートポンプ12の低温側反応器12bに接続する。
【0029】
尚、このような切換え手段15は、例えば図2に示すように、制御バルブから構成されている。
この場合、切換えを容易にするために、ケミカルヒートポンプ12の高温側反応器12aから乾燥部11を介してケミカルヒートポンプ13の高温側反応器13aまでの空気の通路において、制御バルブの切換えにより、空気流が逆方向になるように構成されている。
【0030】
本発明による乾燥装置10は、以上のように構成されており、以下のように動作する。
先ず、ケミカルヒートポンプは、一般的に図3に示すように、操作方式によって四つの動作モード、即ち蓄熱モード(図3(A)参照),増熱モード(図3(B)参照),冷凍モード(図3(C)参照)及び昇温モード(図3(D)参照)で動作する。
上記蓄熱モード(図3(A))は、蓄・放熱過程でほぼ同レベルの温度域で動作する。
また、昇温モード(図3(D))は、放熱過程で低温側反応器に対してやや高い熱QMを供給することにより、高温側反応器から蓄熱温度より高温の熱QHを取り出すことができる。
【0032】
本発明実施形態による乾燥装置10は、上述した動作モードを利用して、以下のように動作する。
即ち、図1及び図2に示すように、ケミカルヒートポンプ13の高温側反応器13aからの高温乾燥空気(温度TA1=550℃)が、空気循環器14により乾燥部11内に供給され、乾燥部11内にて、高温乾燥空気によって対象物が乾燥される。
【0033】
そして、乾燥部11内で対象物からの水分を吸収し温度降下した空気(温度TA2=450℃)が、蓄熱過程で動作するケミカルヒートポンプ12の高温側反応器12a内に送られる。この高温側反応器12a内では、蓄熱に必要な中温熱QM1が外部から供給されることにより、
Ca(OH)2 (固体)+中温熱QM1→CaO(固体)+H2 O(気体)
の反応(図4にて符号A)が進行し、発生したH2 O(気体)が圧力P1=4.2kPaで低温側反応器12b内に移動して、低温側反応器12b内では、
2 O(気体)→H2 O(液体)+低温熱QL1
の反応(図4にて符号B)が進行して、低温熱QL1(温度TL1=30℃)が生成される。
高温側反応器12aを通過した空気は、高温側反応器12a(温度TM1=380℃)にて冷却され(温度TA3=400℃)、切換え手段15を介して、放熱過程で動作するケミカルヒートポンプ13の低温側反応器13b内に導入される。
【0034】
次に、ケミカルヒートポンプ13の低温側反応器13b内では、放熱に必要な中温熱QM2が外部から供給されることにより、
2 O(液体)+中温熱QM2→H2 O(気体)
の反応(図4にて符号C)が進行して、発生したH2 O(気体)が圧力P2=476kPaで高温側反応器13a内に移動して、高温側反応器13a内では、
CaO(固体)+H2 O(気体)→Ca(OH)2 (固体)+高温熱QH2
の反応(図4にて符号D)が進行して、高温熱QH2が発生する。
低温側反応器13bを通過した空気は、低温側反応器13b(温度TM2=150℃)にて吸熱され、冷却除湿(温度TA4=300℃)されることにより高温側反応器13a内に導入され、高温側反応器13a(温度TH2=594℃)を通過することにより加熱され(温度TA1=550℃)、再び乾燥部11内に供給される。
【0035】
上記動作が所定時間継続した後、各ケミカルヒートポンプ12,13は、それぞれ放熱過程及び蓄熱過程で動作すると共に、切換え手段15が切換え動作を行なうことにより、図1にて鎖線で示す第二の切換え状態になると、各ケミカルヒートポンプ12及び13は、上述したケミカルヒートポンプ13,12と同じ動作を行ない、同様に乾燥部11内に高温乾燥空気を供給して、乾燥部11内の対象物が乾燥される。
【0036】
このようにして、二つのケミカルヒートポンプ12,13が交互に蓄熱過程及び放熱過程で動作することによって、乾燥部11にて乾燥が連続して行なわれ、しかも、時間経過による加熱効率の低下が抑制されるとともに、各ケミカルヒートポンプ12,13に外部から導入される熱エネルギーQM1,QM2は、それぞれ中温熱であることから、常温空気であってもよく、熱エネルギーコストが殆ど不要である。
さらに、ケミカルヒートポンプ12,13は、前述した昇温モードで動作することによって、空気をより高温に加熱することができることから、熱効率が向上する。
【0037】
上述した実施形態においては、ケミカルヒートポンプ12,13は、反応材料として消石灰を使用しているが、これに限らず、他の反応材料を使用したケミカルヒートポンプを使用することもできることは明らかである。
また、乾燥装置10の各所における温度,圧力等は例示したものにすぎず、これらの数値に限定されるものではない。
【0038】
【発明の効果】
って、従来の単純に外気をボイラー等により加熱して高温乾燥空気を乾燥部に供給する乾燥装置と比較して、二つのケミカルヒートポンプの蓄熱・昇温モードを利用するとともに、乾燥部からの排気の熱エネルギーを再利用することによって、消費エネルギーを大幅に削減することができることに加え、環境汚染物質を使用することなく、省エネルギーを実現することができる。
このようにして、本発明によれば、ケミカルヒートポンプを利用して、電気エネルギーを殆ど必要としない、極めて優れた乾燥装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による乾燥装置の一実施形態を示すブロック図である。
【図2】図1の乾燥装置の具体的な構成を示す詳細図である。
【図3】ケミカルヒートポンプの各種動作モードを示すグラフである。
【図4】図1の乾燥装置におけるケミカルヒートポンプの動作を示すグラフである。
【図5】従来の機械式圧縮ヒートポンプを使用した乾燥装置の一例の構成を示すブロック図である。
【図6】従来のケミカルヒートポンプの動作を示す概略図である。
【符号の説明】
10 乾燥装置
11 乾燥部
12,13 ケミカルヒートポンプ
12a,13a 高温側反応器
12b,13b 低温側反応器
14 空気循環器(送風手段)
15 切換え手段
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4
【図6】
5