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明細書 :時系列光信号の超高速処理方法および装置

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第3854074号 (P3854074)
公開番号 特開2002-229088 (P2002-229088A)
登録日 平成18年9月15日(2006.9.15)
発行日 平成18年12月6日(2006.12.6)
公開日 平成14年8月14日(2002.8.14)
発明の名称または考案の名称 時系列光信号の超高速処理方法および装置
国際特許分類 G02F   3/00        (2006.01)
G02F   1/365       (2006.01)
H04B  10/02        (2006.01)
H04B  10/28        (2006.01)
FI G02F 3/00 502
G02F 1/365
H04B 9/00 W
請求項の数または発明の数 12
全頁数 10
出願番号 特願2001-021253 (P2001-021253)
出願日 平成13年1月30日(2001.1.30)
審査請求日 平成15年8月26日(2003.8.26)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】503360115
【氏名又は名称】独立行政法人科学技術振興機構
発明者または考案者 【氏名】小西 毅
個別代理人の代理人 【識別番号】100087147、【弁理士】、【氏名又は名称】長谷川 文廣
【識別番号】100111822、【弁理士】、【氏名又は名称】渡部 章彦
審査官 【審査官】三橋 健二
参考文献・文献 特開平8-136958(JP,A)
特開2002-62558(JP,A)
調査した分野 G02F 3/00
G02F 1/365
H04B 10/02
IEEE
JSTPlus(JDream2)
特許請求の範囲 【請求項1】
ある一定の閾値以上の強度の光が入射すると非線形光学効果を生じる非線形媒質を含んだ光ファイバまたは光導波路において、その対向する二つの端部からそれぞれ第1の時系列光信号と第2の時系列光信号とを導入し、該第1と第2の時系列光信号が光ファイバまたは光導波路内を互いに逆方向に伝播して重なることにより光ファイバまたは光導波路の非線形媒質に発生する所定領域の光学特性変化の分布状態を、光ファイバまたは光導波路の側面から超短光パルスで並列に照射することにより、光学特性変化の分布状態に応じて変調された空間並列の透過光パルスとして読み出すことを特徴とする時系列光信号の超高速処理方法。
【請求項2】
請求項1において、読み出された所定領域の光学特性変化の分布状態に応じて変調された並列の透過光パルスに基づいて、第1と第2の時系列光信号間の類似度あるいは相関を求める処理を行うことを特徴とする時系列光信号の超高速処理方法。
【請求項3】
請求項1または請求項2において、所定領域の光学特性変化の分布状態に応じて変調された並列の透過光パルスは、一次元配列された複数の光検出セルを用いて並列に読み出すことを特徴とする時系列光信号の超高速処理方法。
【請求項4】
請求項2において、所定領域の光学特性変化の分布状態に応じて変調された並列の透過光パルスをレンズで集光することにより光学的に積分して読み出し、第1と第2の時系列光信号間の相関を求めることを特徴とする時系列光信号の超高速処理方法。
【請求項5】
請求項3において、第1と第2の時系列光信号の一方を参照信号とし、他方を入力信号として、得られた透過光のパターンから信号相互の類似度を検出することを特徴とする時系列光信号の超高速処理方法。
【請求項6】
請求項5において、入力信号はパケットであり、類似度の検出はパケットのヘッダに対して行うことを特徴とする時系列光信号の超高速処理方法。
【請求項7】
ある一定の閾値以上の強度の光が入射すると非線形光学効果を生じる非線形媒質を含んだ光ファイバまたは光導波路と、
光ファイバまたは光導波路内へ該光ファイバまたは光導波路の対向する二つの端部からそれぞれ第1の時系列光信号と第2の時系列光信号とを導入する第1の時系列光信号導入部および第2の時系列光信号導入部と、
光ファイバまたは光導波路の所定領域の側面へ読出し用の超短光パルスを並列に照射する超短光パルス発生部と、
光ファイバまたは光導波路の非線形媒質に発生する所定領域の光学特性変化の分布状態に応じて変調され、光ファイバまたは光導波路の上記所定領域の側面の反対側の側面から空間並列的に放射される透過光パルスを検出する透過光検出部と、
を備えていることを特徴とする時系列光信号の超高速処理装置。
【請求項8】
請求項7において、透過光検出部は、一次元配列された複数の光検出セルで構成されることを特徴とする時系列光信号の超高速処理装置。
【請求項9】
請求項7において、透過光検出部は、所定領域の透過光パルスを集光するレンズと集光された透過光を検出する光検出セルにより構成されることを特徴とする時系列光信号の超高速処理装置。
【請求項10】
請求項7ないし請求項9において、さらに、透過光検出部が検出した透過光パルスのパターンに基づいて、第1と第2の時系列光信号間の類似度あるいは相関を求める処理を行う演算処理部を有することを特徴とする時系列光信号の超高速処理装置。
【請求項11】
請求項10において、第1と第2の時系列光信号の一方を参照信号とし、他方を入力信号として、演算処理部は得られた透過光のパターンから信号相互の類似度を検出することを特徴とする時系列光信号の超高速処理装置。
【請求項12】
請求項11において、入力信号はパケットであり、類似度の検出はパケットのヘッダに対して行うことを特徴とする時系列光信号の超高速処理装置。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、2つの時系列光信号相互の比較や類似度の検出、あるいは相関の演算を超高速に処理できる時系列光信号処理方法および装置に関するものである。本発明では、2つの時系列光信号相互の比較や類似度の検出、あるいは相関の中心的演算を光信号系内媒質の非線形光学効果を利用して光学的に行ない高速化を図っている。従来のシステムのように光信号を電気信号に変換してからすべての演算を行う必要がなく、処理性能が変換デバイスの帯域特性に制約されることがないので、著しく高速化することができる。本発明は、光情報処理や光通信の分野において、広く利用可能である。
【0002】
【従来の技術】
近年、例えば光通信の分野においては、インターネットの普及などにより、通信需要が爆発的に増加しており、その情報量の急激な増加に対して、伝送の飛躍的な大容量化と高速化を実現する技術として光ネットワークシステムが期待されている。光ネットワークシステムにおける伝送の大容量化には、時分割多重、波長多重等の方法が用いられている。したがって、その信号形態は基本的に超高速の時系列光信号となって、信号時間密度の大幅な増大とともに、伝送情報に対する処理を超高速に行うことが必要になってくる。現在の光通信における処理システムでは、光ネットワークのノード、たとえばルータ、スイッチにおいては光信号を一旦電気信号に変換し電気処理を行い、再度光信号へ変換して伝送路を制御している。
【0003】
代表的な例として、光通信で伝送されてくる光信号パケットを中継して次の行き先に転送する働きを持つ光ルータの処理がある。この光ルータの処理では、伝送されてきたパケットのヘッダに含まれるアドレス等の情報を超高速に識別してパケットの行き先を決定する必要がある。ヘッダのアドレス情報を識別するには、入力情報と基準となるアドレスの参照情報とを比較して一致を検出するか類似度を求める必要がある。類似度は、入力情報と参照情報との間に相関演算や他のパターン認識手法を適用することにより求められる。
【0004】
従来、入力情報と参照情報のような2つの異なる時系列光信号の間で類似度あるいは相関などを求める方法としては、種々の方法が提案されている。しかし、光信号レベルで行うことのできる情報処理はごく簡単なものに限られており、ヘッダのアドレス識別処理の場合は、主に入力された光信号を電気信号に変換して電気的に行う方法がとられていた。しかし、光信号と電気信号間の変換に用いられるデバイスの帯域特性に制約があり、全体の処理能力を低下させている場合が多かった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
従来は、入力情報と参照情報のような2つの異なる時系列光信号の間で類似度あるいは相関などを求める場合、光信号系と電気信号系を融合したシステムを用いて、2つの時系列光信号を電気信号に変換し、電気的な演算処理を中心に行っていたので、光—電気信号変換デバイスの性能に制約され、あまり高速化することができず、光の高速伝搬特性を完全に活かすことができなかったり、光で処理を行っても処理方法が単純なものに限られるために柔軟な処理を行うことができないなどの問題があった。
【0006】
本発明の課題は、2つの異なる時系列光信号の類似度や相関などを求める演算処理を光信号系で超高速に行う処理方法および装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前述した課題を解決するため、時系列光信号中の個々の光パルスについての演算は、ある一定の閾値以上の強度の光が入射すると透過率(吸収率)や屈折率などの光学特性が可逆的に変化する非線形光学効果を利用して行うものである。このような非線形光学効果を発生する非線形媒質を含んだ光ファイバまたは光導波路の両端から2つの異なる時系列光信号を対向的に導入し、これらの2つの異なる時系列信号が光ファイバまたは光導波路内を伝播して重なったときの光信号強度の変化に基づき非線形光学効果で各部分に生じる光学特性の変化の分布状態を別の光で読み出して,その分布パターンあるいは積分値から2つの異なる時系列光信号全体の類似度あるいは相関値を求めるようにする。光ファイバまたは光導波路内で2つの異なる時系列光信号は互いに向き合って進行し、中間で重なるため、光が光ファイバまたは光導波路を伝播する時間のほぼ2分の1の時間で処理することができる。
【0008】
図1および図2は、本発明による時系列光信号の超高速処理方法の原理説明図(その1、その2)である。図1は、2つの異なる時系列光信号が光ファイバまたは光導波路内を伝播して重なりが生じると非線形光学効果による光学特性変化の分布が発生する過程を示し、図2は、光ファイバまたは光導波路に生じた光学特性変化の分布を読み出す過程を示している。
【0009】
図1の(A)は、ある一定の閾値以上の強度の光が入射すると非線形光学効果を生じる非線形媒質を含んだ光ファイバまたは光導波路1に、2つの異なる時系列光信号2,3を互いに逆方向から導入する直前の状態を示す。時系列光信号2の順次の光パルスは、a,b,c,・・・,w,x,y,zで表わされ、時系列光信号3の順次の光パルスは、a’,b’,c’,d’,・・・,x’,y’,z’で表わされている。
【0010】
なお、時系列光信号2,3間の一致や類似度を求める場合、情報レベルにおける時系列信号3の時系列は、時系列信号2の時系列を反転させたもの、つまり時間的な前後を逆に配列したものに対応するよう生成する必要がある。
【0011】
図1の(B)は、時系列光信号2,3がそれぞれ光ファイバまたは光導波路1の各端部から導入されて、伝播が開始された状態を示す。
【0012】
図1の(C)は、時系列光信号2,3が光ファイバまたは光導波路1内を伝播して、それぞれの先頭の光パルスaとa’のみが重なった状態を示す。重なった光パルスは、光の強度が増大する結果として非線形光学効果による光学特性変化4を生じさせる。
【0013】
図1の(D)は、時系列光信号2,3のそれぞれの光パルスがすべて重なり合って、各光パルスの存在位置すべてに光学特性変化4が生じている状態を示す。なお、ここでは説明を簡単にするため、時系列光信号2,3のそれぞれにおけるすべての光パルスの値は“1”であるものとされているが、実際には情報の内容に応じて“1”または“0”の値をとることができる。したがって、時系列光信号2,3の重なり合った光パルスの値が“1”と“0”、“0”と“1”、“0”と“0”である場合は、非線形光学効果による光学特性変化4を生じることはなく、“1”と“1”の場合にのみ生じる。
【0014】
図2の(A)は、図1の(A)と同じで、光ファイバまたは光導波路1に、2つの異なる時系列光信号2,3が導入される直前の状態を示す。
【0015】
図2の(B)は、光ファイバまたは光導波路1の中央部で時系列光信号2,3が重なり、その結果非線形光学効果により生じた光学特性変化4の分布を読み取るためのごく短いパルス幅の超短光パルス5を、光ファイバまたは光導波路1の側面から照射している状態を示す。時系列光信号2,3の重なり状態は時系列光信号2,3の伝播につれて超高速で変化するため、光ファイバまたは光導波路1に生じる光学特性変化4の分布を所望のタイミングでサンプリングするためには、超短光パルス5のパルス幅もそれに相応した短いものでなければならない。
【0016】
図2の(C)は、(B)で照射された超短光パルス5により光ファイバまたは光導波路1を透過した透過光6が反対側の側面から放射される状態を示す。なお、ここで用いられている非線形媒質は、時系列光信号2,3の重なりにより光の強度が増加して非線形光学効果の閾値を超えたとき、光学特性変化4として透過率の上昇が生じるものであるとする。それにより、透過光6は、光ファイバまたは光導波路1に生じている光学特性変化4の分布に対応する光強度の分布を空間的に並列にもち、光検出セルアレイなどによって分布状態を検出可能にする。
【0017】
本発明による時系列光信号の超高速処理方法および装置は、以下のような構成をとることができる。
(1) ある一定の閾値以上の強度の光が入射すると非線形光学効果を生じる非線形媒質を含んだ光ファイバまたは光導波路において、その対向する二つの端部からそれぞれ第1の時系列光信号と第2の時系列光信号とを導入し、該第1と第2の時系列光信号が光ファイバまたは光導波路内を互いに逆方向に伝播して重なることにより光ファイバまたは光導波路の非線形媒質に発生する所定領域の光学特性変化の分布状態を、光ファイバまたは光導波路の側面から超短光パルスで並列に照射することにより、光学特性変化の分布状態に応じて変調された空間並列の透過光パルスとして読み出すことを特徴とする時系列光信号の超高速処理方法。
(2) 前項(1)において、読み出された所定領域の光学特性変化の分布状態に応じて変調された並列の透過光パルスに基づいて、第1と第2の時系列光信号間の類似度あるいは相関を求める処理を行うことを特徴とする時系列光信号の超高速処理方法。
(3) 前項(1)または(2)において、所定領域の光学特性変化の分布状態に応じて変調された並列の透過光パルスは、一次元配列された複数の光検出セルを用いて並列に読み出すことを特徴とする時系列光信号の超高速処理方法。
(4) 前項(2)において、所定領域の光学特性変化の分布状態に応じて変調された並列の透過光パルスをレンズで集光することにより光学的に積分して読み出し、第1と第2の時系列光信号間の相関を求めることを特徴とする時系列光信号の超高速処理方法。
(5) 前項(3)において、第1と第2の時系列光信号の一方を参照信号とし、他方を入力信号として、得られた透過光のパターンから信号相互の類似度を検出することを特徴とする時系列光信号の超高速処理方法。
(6) 前項(5)において、入力信号はパケットであり、類似度の検出はパケットのヘッダに対して行うことを特徴とする時系列光信号の超高速処理方法。
(7) ある一定の閾値以上の強度の光が入射すると非線形光学効果を生じる非線形媒質を含んだ光ファイバまたは光導波路と、
光ファイバまたは光導波路内へ該光ファイバまたは光導波路の対向する二つの端部からそれぞれ第1の時系列光信号と第2の時系列光信号とを導入する第1の時系列光信号導入部および第2の時系列光信号導入部と、
光ファイバまたは光導波路の所定領域の側面へ読出し用の超短光パルスを並列に照射する超短光パルス発生部と、
光ファイバまたは光導波路の非線形媒質に発生する所定領域の光学特性変化の分布状態に応じて変調され、光ファイバまたは光導波路の上記所定領域の側面の反対側の側面から空間並列的に放射される透過光パルスを検出する透過光検出部と、
を備えていることを特徴とする時系列光信号の超高速処理装置。
(8) 前項(7)において、透過光検出部は、一次元配列された複数の光検出セルで構成されることを特徴とする時系列光信号の超高速処理装置。
(9) 前項(7)において、透過光検出部は、所定領域の透過光パルスを集光するレンズと集光された透過光を検出する光検出セルにより構成されることを特徴とする時系列光信号の超高速処理装置。
(10) 前項(7)ないし(9)において、さらに、透過光検出部が検出した透過光パルスのパターンに基づいて、第1と第2の時系列光信号間の類似度あるいは相関を求める処理を行う演算処理部を有することを特徴とする時系列光信号の超高速処理装置。
(11) 前項(10)において、第1と第2の時系列光信号の一方を参照信号とし、他方を入力信号として、演算処理部は得られた透過光のパターンから信号相互の類似度を検出することを特徴とする時系列光信号の超高速処理装置。
(12) 前項(11)において、入力信号はパケットであり、類似度の検出はパケットのヘッダに対して行うことを特徴とする時系列光信号の超高速処理装置。
【0018】
【発明の実施の形態】
図3は、2つの時系列光信号間の類似度あるいは相関を演算するための本発明の1実施例による時系列光信号の超高速処理装置のプロック構成を示す。
【0019】
図3において、光導波路11は、図1の光ファイバまたは光導波路1に相当するものであり、ある一定の閾値以上の強度の光が入射すると非線形光学効果を生じる非線形媒質を含む。
【0020】
第1の時系列光信号導入部12は、入力された第1の時系列光信号、たとえば光ネットワークから引き込んだ光パケット信号を光導波路11の一方の端部へ導入する。
【0021】
第2の時系列光信号導入部13は、第1の時系列光信号との間で類似度を検出すべき第2の時系列光信号、たとえば光パケット信号のヘッダにあるアドレスを識別するための参照用アドレス信号を光導波路11の他方の端部へ導入する。
【0022】
超短光パルス発生部14は、光導波路11における第1と第2の時系列光信号の重なりによって光導波路の非線形媒質に生じた光学特性変化の分布状態を読み出すための超短光パルスを発生して、光導波路11の側面から所定領域を照射する。
【0023】
透過光検出部15は、光導波路11の所定領域を透過して非線形媒質による光学特性変化により変調された超短光パルスの透過光のレベルを空間並列的に検出する。ヘッダのアドレスを一致検出やパターン認識処理により識別するような場合は、光導波路11の所定領域における光学特性変化の分布パターンを正確に検出できる必要があるため、所定領域からの透過光を並列に受光できる1次元配列の光センサアレイを用いる。また透過光の検出の際積分演算を光学的に同時に行って、超高速に相関を求めることができ、この場合は光導波路11の所定領域からの透過光をレンズで集光して積分し、光センサで検出する機構を用いればよい。
【0024】
演算処理部16は、透過光検出部15が検出した所定領域の透過光のレベル分布に基づいて、第1と第2の2つの時系列光信号間の重なり状態を光パルス単位で検出し、一致/不一致の判定あるいは類似度の算出を行う。また相関演算を電気的に行うこともできる。
【0025】
タイミング制御部17は、各部の動作タイミングを制御する。まず第1の時系列光信号導入部12が第1の時系列光信号(入力信号)を光導波路11に導入するのと同時に、第2の時系列光信号導入部13に第2の時系列光信号(参照信号)を光導波路11に導入させ、次に第1の時系列光信号と第2の時系列光信号の各所望の部分が光導波路11の中間で丁度重なるタイミングで、超短光パルス発生部14に読出し用の超短光パルスを発生させ、同時に透過光検出部15に透過光の検出を行わせる。
【0026】
図4の(A)、(B)は、上記した透過光検出部15の実施例構成を示す。図4(A)は、光導波路11からの透過光18を1次元配列の光センサアレイ19で受光する構成の実施例である。光センサアレイ19は、光導波路11に生じた光学特性変化の分布により空間的に変調されている透過光18の光強度パターンを精度よく検出できるような空間的分解能をもつ必要がある。
【0027】
図4(B)は、光導波路11からの透過光18をレンズ20で集光したものを単一の光センサ21で受光する構成の実施例であり、所定領域の透過光を光学的に積分することにより相関演算が実行できる。
【0028】
以上の説明では、光導波路11が空間的には1次元状であるように示されていたが、時系列光信号の信号長が長い場合や、光センサの応答が遅く時系列光信号の光パルス間隔が長い場合などには、光導波路11もそれに相応する十分な伝播時間をもった長いものが必要になる。このような場合は、光導波路を折り曲げて2次元的に構成すると好都合である。図5は、そのような2次元形状の光導波路の実施例を示す。
【0029】
図5の(A)は上面を示し、(B)は側面を示す。(A)において、光導波路23は、それぞれ複数の直線部23aと湾曲部23bからなり、基板22中に多重に折り曲げられた形で配置される。光導波路23中での2つの時系列光信号24,25の重なりは、(B)に示すように任意の直線部23aで生じたタイミングで読み出される。このため、各直線部23aに対応させて1次元配列の光センサアレイ26が設けられる。
【0030】
なお、本発明は上述した実施例にのみ限定されるものではなく、慣用技術に基づく任意の変更や変形が可能である。
【0031】
【発明の効果】
上述したように、本発明による時系列光信号の超高速処理方法および装置によれば、従来のように2つの異なる時系列光信号の類似度や相関などを求める処理を電気信号系に変換してから行う必要がなく、光を用いて超高速に処理することができるので、光通信や光情報処理のシステムの性能を著しく向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の原理説明図(その1)である。
【図2】本発明の原理説明図(その2)である。
【図3】本発明の1実施例による時系列光信号の超高速処理装置の構成図である。
【図4】透過光検出部の実施例構成図である。
【図5】2次元形状の光導波路の実施例構成図である。
【符号の説明】
1:光ファイバまたは光導波路
2:時系列光信号
3:時系列光信号
4:光学特性変化
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4