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明細書 :新規なシクロブタン誘導体及びその合成方法

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第3718709号 (P3718709)
公開番号 特開2002-047215 (P2002-047215A)
登録日 平成17年9月16日(2005.9.16)
発行日 平成17年11月24日(2005.11.24)
公開日 平成14年2月12日(2002.2.12)
発明の名称または考案の名称 新規なシクロブタン誘導体及びその合成方法
国際特許分類 C07C 17/278     
C07C 23/06      
C07C 45/69      
C07C 49/21      
C07C231/12      
C07C233/10      
C07C315/04      
C07C317/30      
C07B 61/00      
FI C07C 17/278
C07C 23/06
C07C 45/69
C07C 49/21
C07C 231/12
C07C 233/10
C07C 315/04
C07C 317/30
C07B 61/00 300
請求項の数または発明の数 4
全頁数 13
出願番号 特願2000-229179 (P2000-229179)
出願日 平成12年7月28日(2000.7.28)
新規性喪失の例外の表示 特許法第30条第1項適用 平成12年3月15日 社団法人日本化学会発行の「日本化学会第78春季年会2000年講演予稿集▲II▼」に発表
審査請求日 平成12年7月28日(2000.7.28)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】504157024
【氏名又は名称】国立大学法人東北大学
発明者または考案者 【氏名】山本 嘉則
【氏名】斎藤 慎一
個別代理人の代理人 【識別番号】100058479、【弁理士】、【氏名又は名称】鈴江 武彦
【識別番号】100091351、【弁理士】、【氏名又は名称】河野 哲
【識別番号】100088683、【弁理士】、【氏名又は名称】中村 誠
【識別番号】100108855、【弁理士】、【氏名又は名称】蔵田 昌俊
【識別番号】100075672、【弁理士】、【氏名又は名称】峰 隆司
【識別番号】100109830、【弁理士】、【氏名又は名称】福原 淑弘
【識別番号】100084618、【弁理士】、【氏名又は名称】村松 貞男
【識別番号】100092196、【弁理士】、【氏名又は名称】橋本 良郎
審査官 【審査官】前田 憲彦
参考文献・文献 J. Am. Chem. Soc.,1985年,107(11),p.3160-3172
Tetrahedron Lett.,1987年,28(29),p.3391-3392
J. Org. Chem.,1972年,37(1),p.64-68
J. Org. Chem.,1973年,38(22),p.3843-3848
J. Org. Chem.,1985年,50(25),p.5056-5060
J. Org. Chem.,1986年,51(19),p.3611-3619
Journal of Organic Chemistry,1998年,63(24),p.8642-8643
Synthesis,1977年,(8),p.564-565
Liebigs Annalen der Chemie,1983年,(9),p.1496-1503
Liebigs Annalen der Chemie,1979年,(12),p.1969-1976
調査した分野 C07C 17/00
C07C 23/00
C07C 45/00
C07C 49/00
C07C231/00
C07C233/00
C07C315/00
C07C317/00
CA(STN)
REGISTRY(STN)
特許請求の範囲 【請求項1】
一般式(1)で表されるシクロブタン誘導体。
【化1】
JP0003718709B2_000019t.gif
式中、Rは炭素数1~20のパーフルオロアルキル基、炭素数6~20のパーフルオロアリール基、CON(CH)C、COC、COC、又はSOを表す。2個あるRは同一でも異なっていてもよい。
【請求項2】
Rが13、又はCである、請求項1に記載のシクロブタン誘導体。
【請求項3】
一般式(2)
【化2】
JP0003718709B2_000020t.gif
[式中、Rは炭素数1~20のパーフルオロアルキル基、炭素数6~20のパーフルオロアリール基、COOC、CON(CH)C、COC、COC、又はSOを表す。]で表されるアレン誘導体を二量化することによる
一般式(1)
【化3】
JP0003718709B2_000021t.gif
[式中、Rは一般式(2)におけるRと同義である。2個あるRは同一でも異なっていてもよい。]で表されるシクロブタン誘導体の合成方法。
【請求項4】
Rが13、又はCである、請求項3に記載のシクロブタン誘導体の合成方法。
発明の詳細な説明 【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、新規なシクロブタン誘導体およびその合成方法に係わり、特に高機能性ポリマー原料として使用できる新規なシクロブタン誘導体およびその合成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ポリエチレンにおけるエチレン、あるいはテフロンにおけるテトラフルオロエチレンのように、不飽和炭化水素はポリマーをはじめとする新素材の合成原料として非常に重要である。一方、近年においては高機能性のポリマーを開発するにあたってポリマー化反応自体について検討する必要性があるのはもちろんであるが、新規なモノマーユニットを導入することも重要になりつつある。
【0003】
ところで、アレンを熱的反応により二量化してジメチレンシクロブタンを得る方法は古くから知られているが、この合成方法は反応条件が厳しい上、生成物が様々な異性体の混合物となるため、合成上の有用性は低く、生成物であるジメチレンシクロブタンを機能性ポリマー原料として利用するには実情に遠く及ばないものであった。
【0004】
【発明の課題】
本発明は、このような従来技術の問題点に鑑みなされたものであり、高機能性ポリマーをはじめとする新素材の合成原料として利用することができる新規なシクロブタン誘導体を提供することを目的とする。本発明はまた、この新規なシクロブタン誘導体を緩和な条件において高収率で合成し得る方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、様々な置換基を導入してなるシクロブタン誘導体が耐熱性、耐薬品性等の優れた特性を有する高機能性ポリマーの合成原料として有用であることを見出した。
【0006】
本発明者等はまた、この新規なシクロブタン誘導体を高機能性ポリマーの合成原料として実用に供すべくその合成方法について更なる検討を重ねた結果、置換基を有するアレン誘導体の環化二量化反応によれば緩和な条件において高収率で本発明のシクロブタン誘導体を合成することができることをも見出した。
【0007】
本発明は、かかる知見に基づき完成されたものであり、以下の構成を有する。
【0008】
すなわち、本発明は、一般式(1)で表される新規なシクロブタン誘導体を提供する。
【0009】
【化4】
JP0003718709B2_000002t.gif【0010】
式中、Rは炭素数1~20のパーフルオロアルキル基(例えば、C13)、炭素数6~20のパーフルオロアリール基(例えば、C)、CON(CH)C、COC、COC、又はSOを表す。2個あるRは同一でも異なっていてもよい。
また、本発明は、一般式(2)
【0011】
【化5】
JP0003718709B2_000003t.gif【0012】
[式中、Rは炭素数1~20のパーフルオロアルキル基(例えば、C13)、炭素数6~20のパーフルオロアリール基(例えば、C)、COOC、CON(CH)C、COC、COC、又はSOを表す。]で表されるアレン誘導体を二量化することによる
一般式(1)
【0013】
【化6】
JP0003718709B2_000004t.gif【0014】
[式中、Rは一般式(2)におけるRと同義である。2個あるRは同一でも異なっていてもよい。]で表されるシクロブタン誘導体の合成方法を提供する。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の新規シクロブタン誘導体は下記一般式(1)で表される化合物である。
【0016】
【化7】
JP0003718709B2_000005t.gif【0017】
一般式(1)においてRは置換基を表し、好ましくは電子求引基である。このように置換基(好ましくは電子求引基)を導入するのは、効率的にシクロブタン環を構築できるからであり、また所望される高機能性ポリマーの特性等に応じてこれらの置換基をさらに変換することができるからである。
【0018】
本発明において導入される置換基Rの具体例としては、アルキル基、アリール基、COOR、CONR、COR、SO(R~Rは水素原子又は置換基を表す。)等を挙げることができる。
【0019】
置換基Rについて更に詳細に説明する。Rとして前記一般式(1)に導入され得るアルキル基として、好ましくは直鎖又は分岐状の炭素数1~20の置換もしくは無置換のアルキル基、例えばメチル、エチル、n-プロピル、i-プロピル等を挙げることができ、アリール基として好ましくは炭素数6~20の置換もしくは無置換のアリール基、例えばフェニル、ナフチル等を挙げることができる。より好ましくは、少なくとも1個のフッ素原子を有するアルキル基、アリール基(例えばCF11、CF13等)であり、これらはフッ素原子以外に更に置換基を有していてもよい。フッ素原子を導入することにより、本発明のシクロブタンを原料として合成されるポリマーに優れた機能を付与することができる。高い汎用性という観点からはパーフルオロアルキル基もしくはパーフルオロアリール基が好ましく、例えば(CFF、Cが挙げられる。
【0020】
COORにおいて、Rは好ましくは直鎖又は分岐状の炭素数1~20の置換もしくは無置換のアルキル基、炭素数6~20の置換もしくは無置換のアリール基であり、例えばCOOC、COOCが挙げられる。
CONRにおいて、RおよびRは各々独立に、好ましくは直鎖又は分岐状の炭素数1~20の置換もしくは無置換のアルキル基、炭素数6~20の置換もしくは無置換のアリール基であり、例えばCON(CH)C、CON(CHが挙げられる。
【0021】
CORにおいて、Rは好ましくは直鎖又は分岐状の炭素数1~20の置換もしくは無置換のアルキル基、炭素数6~20の置換もしくは無置換のアリール基であり、例えばCOCが挙げられる。
【0022】
SOにおいて、Rは好ましくは直鎖又は分岐状の炭素数1~20の置換もしくは無置換のアルキル基、炭素数6~20の置換もしくは無置換のアリール基であり、例えば、SO、SOが挙げられる。
また、Rとして表される2個の置換基は、同一でも異なっていてもよい。
【0023】
本発明のシクロブタン誘導体は、下記一般式(2)
【0024】
【化8】
JP0003718709B2_000006t.gif【0025】
により表されるアレン誘導体(以下、アレン1と称する)の環化二量化反応により合成することができる。一般式(2)においてRは置換基を表し、一般式(1)におけるRと同義である。
【0026】
アレン1の二量化反応により本発明のシクロブタン誘導体(以下、シクロブタン2とも称する)を合成する化学プロセスを下記に示す。
【0027】
【化9】
JP0003718709B2_000007t.gif【0028】
本発明の方法によるシクロブタン2の合成は、ニッケル触媒存在下に室温、あるいはそれ以下の温度で極めて短時間(好ましくは30分~3時間)撹拌することにより行うことができる。本発明のシクロブタン誘導体は、高分子合成における優れたモノマー原料となりうる可能性がありながら、その効率的な合成方法は知られていなかったが、本発明の方法によれば、アレン1が緩和な条件において高位置選択的に二量化し、本発明のシクロブタン誘導体を高収率で得ることができる。なお、反応機構としては、下式に示すようにメタラサイクル3を経由していると考えられる。
【0029】
【化10】
JP0003718709B2_000008t.gif【0030】
【実施例】
以下に本発明の実施例を示す。
本実施例においては、下記スキームで表される本発明の方法にしたがって本発明のシクロブタン誘導体を合成した。但し、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
【0031】
【化11】
JP0003718709B2_000009t.gif【0032】
前記スキーム中、codはシクロオクタジエン、Phはフェニルを表す。
【0033】
(実施例1)
出発物質として、本明細書に取り入れるBurton, D. J.; Hartgraves, G. A.; Hsu, J. Tetrahedron Lett., 1990, 31. 3699-3702、Hung, M-H. Tetragedron Latt., 1990, 31, 3703-3706に記載された方法に準じて合成したアレン1(Rがn-C13、アレン1aと称する)を用いた。
【0034】
アルゴン雰囲気下、アレン1a(1.0mmol)の無水トルエン溶液(0.5mL)をNi(cod)(28mg、0.1mmol)及びPPh(105mg、0.4mmol)の無水トルエン溶液(0.5mL)に加え、室温にて30分間撹拌した後、アルミナの短いカラムに通し、次いで溶媒を留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン、あるいはヘキサン:酢酸エチル)にて精製したところ、79%の収率で無色の液体が得られた。
【0035】
以下に示す分析結果から、本合成例で得られた生成物は、1,2-ビス(2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,7-トリデカフルオロ-ヘプチリデン)シクロブタン(2a)と同定した。この反応は極めて高い位置選択性を示し、位置異性体は全く生成しなかった。
【0036】
【化12】
JP0003718709B2_000010t.gif【0037】
H NMR :δ 5.82(t,J=13.9Hz,2H),3.03(bs,4H)
13C NMR:δ 107.5-119.6(m),152.2,108.7,28.9
IR(neat) :2997,2955,1674,1420,1366,1342,1313,1240,1202,1146,1121,1078,1063,978,853,814,735cm-1
1826についての元素分析
計算値:C,30.19; H,0.84
実測値:C,30.25; H,0.92
(実施例2)
出発物質として、本明細書に取り入れるBurton, D. J.; Hartgraves, G. A.; Hsu, J. Tetrahedron Lett., 1990, 31. 3699-3702、Hung, M-H. Tetragedron Lett., 1990, 31, 3703-3706、Cairncross, A.; Sheppard, W. A.; Wonchoba, E. Org. Syn., Coll. Vol. 6, 1988, 875-882に記載された方法に準じて合成したアレン1(RがC、アレン1bと称する)を用いた。
【0038】
出発物質としてアレン1bを用いた以外は実施例1と同様の条件で合成を行った結果、81%の収率で無色の針状結晶(EtO-ヘキサンより再結晶)が得られた。
【0039】
以下に示す分析結果から、本合成例で得られた生成物は、1,2-ビス(2,3,4,5,6-ペンタフルオロフェニリデン)シクロブタン(2b)と同定した。この反応は極めて高い位置選択性を示し、位置異性体は全く生成しなかった。
【0040】
【化13】
JP0003718709B2_000011t.gif【0041】
融点 :133-135℃
H NMR :δ 6.57(s,2H),2.85(s,4H)
13C NMR :δ 149.8,144.4(t,JC-F=246Hz),140.2(t,JC-F=254Hz),137.7(t,JC-F=251Hz),111.0,104.4,29.0
IR(KBr):2991,2969,2943,1652,1520,1494,1414,1375,1352,1306,1150,1126,1080,1038,1005,970,945,929,875,853,799,722cm-1
1810についての元素分析
計算値:C,52.45; H,1.47
実測値:C,52.41; H,1.76
1810についてのHRMS
計算値:412.0309
計算値:412.0282
(実施例3)
出発物質として、本明細書に取り入れるJung, M. E.; Nishimura, N. J. Am. Chem. Soc., 1999, 121, 3529-3530に記載された方法に準じて合成したアレン1(RがCOOC、アレン1cと称する)を用いた。
【0042】
出発物質としてアレン1cを用い、撹拌時の温度を-15~-10℃とした以外は実施例1と同様の条件で合成を行った結果、71%の収率で無色の粉末が得られた。
【0043】
以下に示す分析結果から、本合成例で得られた生成物は、エチル(2-エトキシカルボニルメチレンシクロブチリデン)アセテート(2c)と同定した。この反応は極めて高い位置選択性を示し、位置異性体は全く生成しなかった。
【0044】
【化14】
JP0003718709B2_000012t.gif【0045】
融点 :66-68℃
H NMR :δ 5.99(s,2H),4.15(q、J=7.2Hz,4H),3.08(s,4H),1.25(t,J=7.2Hz,6H)
13C NMR :δ 166.0,158.6,112.1,60.3,30.6,14.2
IR(KBr) :2983,2946,2909,1711,1692,1648,1476,1448,1370,1338,1231,1217,1187,1124,1034,1016,867,818cm-1
1216についての元素分析
計算値:C,64.27; H,7.19
実測値:C,64.06; H,7.31
1216についてのHRMS
計算値:224.1048
計算値:224.1037
(実施例4)
出発物質として、本明細書に取り入れるDiehl, K.; Himbert, G; Henn, L. Chem. Ber., 1986, 119, 2430-2443に記載された方法に準じて合成したアレン1(RがCON(CH)Ph、アレン1dと称する)を用いた。
【0046】
出発物質としてアレン1dを用い、撹拌を0℃で2時間行った以外は実施例1と同様の条件で合成を行った結果、66%の収率で無色の粉末が得られた。
【0047】
以下に示す分析結果から、本合成例で得られた生成物は、N-メチル-2-{2-[(メチルフェニルカルバモイル)メチレン]シクロブチリデン}-N-フェニルアセトアミド(2d)と同定した。この反応は極めて高い位置選択性を示し、位置異性体は全く生成しなかった。
【0048】
【化15】
JP0003718709B2_000013t.gif【0049】
融点 :166-168℃
H NMR :δ 7.14-7.27(m,6H),7.01(q,J=7.0Hz,4H),5.54(s,2H),3.20(s,6H),3.07(s,4H)
13C NMR :δ 165.7,156.6,143.5,129.3,127.2,126.9,11.0,36.9,30.9
IR(KBr) :2989,2935,1657,1623,1610,1594,1496,1405,1374,1266,1111,834,776,703cm-1
2222についてのHRMS
計算値:346.1680
計算値:346.1694
(実施例5)
出発物質として、本明細書に取り入れるBrandsma, L.; Verkruijsse, H. D. Synthesis of Acetylenes, Allenes and Cumulenes; Elsevier: Amsterdam, 1981; Chapter 4, pp. 101-102、同Chapter 8, pp.236に記載された方法に準じて合成したアレン1(RがCOC、アレン1eと称する)を用いた。
【0050】
出発物質としてアレン1eを用い、撹拌を-15~-10℃で3時間行った以外は実施例1と同様の条件で合成を行った結果、34%の収率で淡黄色の粉末が得られた。
【0051】
以下に示す分析結果から、本合成例で得られた生成物は、1-[2-(2-オキソブチリデン)シクロブチリデン]-ブタン-2-オン(2e)と同定した。この反応は極めて高い位置選択性を示し、位置異性体は全く生成しなかった。
【0052】
【化16】
JP0003718709B2_000014t.gif【0053】
融点 :63-65℃
H NMR :δ 6.21(s,2H),2.98(s,4H),2.37(q、J=7.2Hz,4H),0.90(t,J=7.2Hz,6H)
13C NMR :δ 200.3,156.6,118.1,36.2,31.3,7.4
IR(KBr) :2982,2938,2900,1684,1616,1456,1404,1363,1333,1117,1042,847cm-11216についてのHRMS
計算値:192.1149
計算値:192.1151
(実施例6)
出発物質として、本明細書に取り入れるBrandsma, L.; Verkruijsse, H. D. Synthesis of Acetylenes, Allenes and Cumulenes; Elsevier: Amsterdam, 1981; Chapter 4, pp. 101-102、同Chapter 8, pp.236、Brandsma, L.; Preparative Acetylenic Chemistry, 2nd. Ed.; Elsevier: Amsterdam, 1988; Chepter 3, pp67. に記載された方法に準じて合成したアレン1(RがCOPh、アレン1fと称する)を用いた。
【0054】
出発物質としてアレン1fを用い、撹拌を-15~-10℃で1.5時間行った以外は実施例1と同様の条件で合成を行った結果、36%の収率で黄色の針状結晶(AcOEt-ヘキサンより再結晶)が得られた。
【0055】
以下に示す分析結果から、本合成例で得られた生成物は、2-[2-(2-オキソ-2-フェニルエチリデン)シクロブチリデン]-1-フェニルエタンオン(2f)と同定した。この反応は極めて高い位置選択性を示し、位置異性体は全く生成しなかった。
【0056】
【化17】
JP0003718709B2_000015t.gif【0057】
融点 :138-140℃
H NMR :δ 7.97(m,4H),7.53(m,6H),7.29(s,2H),3.31(s,4H)
13C NMR :δ 190.2,160.7,138.4,132.9,128.7,128.1,114.2,32.4
IR(KBr) :2976,2938,1654,1599,1574,1447,1356,1304,1224,1204,1171,1015,989,847,780,725cm-1
2016についてのHRMS
計算値:288.1149
計算値:288.1169
(実施例7)
出発物質として、本明細書に取り入れるMa, S.; Wei, Q. J. Org. Chem., 1999, 64, 1026-1028に記載された方法に準じて合成したアレン1(RがSOPh、アレン1gと称する)を用いた。
【0058】
出発物質としてアレン1gを用い、撹拌時間を1.5時間とした以外は実施例1と同様の条件で合成を行った結果、33%の収率で無色の粉末が得られた。
【0059】
以下に示す分析結果から、本合成例で得られた生成物は、1,2-ビス(フェニルスルフォニルメチリデン)シクロブタン(2g)と同定した。この反応は極めて高い位置選択性を示し、位置異性体は全く生成しなかった。
【0060】
【化18】
JP0003718709B2_000016t.gif【0061】
融点 :171-173℃
H NMR :δ 7.85(q,J=7.2Hz,4H),7.50-7.65(m,6H),6.43(s,2H),3.22(s,4H)
13C NMR :δ 153.6,140.7,133.9,129.4,127.5,123.3,29.9
IR(KBr) :3097,3040,3027,2947,1630,1446,1324,1307,1147,1083,815cm-1
2016についてのHRMS
計算値:360.0489
計算値:360.0477
各実施例における反応条件およびシクロブタン2の収率を表1にまとめて示す。
【0062】
【表1】
JP0003718709B2_000017t.gif【0063】
上記実施例1~7で得られた本発明のシクロブタン誘導体は、例えば加熱して重合させることにより下記一般式で表されるようなポリマーを容易に得ることができる。
【0064】
【化19】
JP0003718709B2_000018t.gif【0065】
かかるポリマーは、耐熱性、耐薬品性等の点で優れた特性を有しており、高機能性素材として好適に用いることができる。
【0066】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明により、高機能性ポリマーをはじめとする新素材の合成原料となり得る新規なシクロブタン誘導体が提供された。また本発明により、かかる新規なシクロブタン誘導体を緩和な条件において高収率で合成し得る方法が提供された。