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明細書 :パルス光制御方法及びその装置

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第3946536号 (P3946536)
公開番号 特開2003-241244 (P2003-241244A)
登録日 平成19年4月20日(2007.4.20)
発行日 平成19年7月18日(2007.7.18)
公開日 平成15年8月27日(2003.8.27)
発明の名称または考案の名称 パルス光制御方法及びその装置
国際特許分類 G02F   1/365       (2006.01)
FI G02F 1/365
請求項の数または発明の数 14
全頁数 12
出願番号 特願2002-042715 (P2002-042715)
出願日 平成14年2月20日(2002.2.20)
審査請求日 平成15年10月31日(2003.10.31)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】503360115
【氏名又は名称】独立行政法人科学技術振興機構
発明者または考案者 【氏名】後藤 俊夫
【氏名】西澤 典彦
個別代理人の代理人 【識別番号】100089635、【弁理士】、【氏名又は名称】清水 守
審査官 【審査官】三橋 健二
参考文献・文献 特開平04-265956(JP,A)
N. Nishizawa, et.al.,Pulse trapping by ultrashort soliton in optical fibers across zero-dispersion wavelength,OPTICS LETTERS,2002年 2月 1日,Vol.27, No.3,pp.152-154
調査した分野 G02F 1/35 ー 1/39
JSTPlus(JDream2)
特許請求の範囲 【請求項1】
偏波保持光ファイバ内に制御パルス光と偏光方向の直交した被制御パルス光を時間差を調整して入射し、前記被制御パルス光を前記制御パルス光に前記偏波保持光ファイバ内で衝突させ、非線形光学効果によって前記被制御パルス光を前記制御パルス光によって捕捉し、ラマン散乱による前記制御パルス光の波長シフトと共に前記被制御パルス光の波長を連続的にシフトさせることを特徴とするパルス光制御方法。
【請求項2】
請求項1記載のパルス光制御方法において、前記制御パルス光がフェムト秒オーダーの超短パルス光であることを特徴とするパルス光制御方法。
【請求項3】
請求項1記載のパルス光制御方法において、前記制御パルス光がソリトンパルスであることを特徴とするパルス光制御方法。
【請求項4】
請求項1記載のパルス光制御方法において、前記制御パルス光と前記被制御パルス光が時間的に重なっていることを特徴とするパルス光制御方法。
【請求項5】
請求項1記載のパルス光制御方法において、前記制御パルス光によって前記被制御パルス光を捕捉し、該被制御パルス光の波長を制御することを特徴とするパルス光制御方法。
【請求項6】
請求項1記載のパルス光制御方法において、前記制御パルス光によって前記被制御パルス光を捕捉し、該被制御パルス光の時間波形を制御することを特徴とするパルス光制御方法。
【請求項7】
請求項1記載のパルス光制御方法において、前記制御パルス光によって前記被制御パルス光を捕捉し、該被制御パルス光の出力時間を制御することを特徴とするパルス光制御方法。
【請求項8】
請求項1記載のパルス光制御方法において、前記制御パルス光のラマン利得によって、前記被制御パルス光を増幅することを特徴とするパルス光制御方法。
【請求項9】
請求項1記載のパルス光制御方法において、2波長の偏光が直交し、時間的に重なった超短パルス対を生成することを特徴とするパルス光制御方法。
【請求項10】
請求項記載のパルス光制御方法において、前記生成された超短パルス対を非線形光学媒質に入射し、2つのパルス光の和周波信号、及び差周波信号を生成することを特徴とするパルス光制御方法。
【請求項11】
請求項1記載のパルス光制御方法において、前記制御パルス光と被制御パルス光の波長の関係が、波長分散によって前記偏波保持ファイバの複屈折による群速度差を打ち消すようになっていることを特徴とするパルス光制御方法。
【請求項12】
(a)偏波保持光ファイバと、
(b)該偏波保持光ファイバに制御パルス光を入射する手段と、
(c)前記偏波保持光ファイバに前記制御パルス光と偏光が直交した被制御パルス光とを入射する手段とを備え、
(d)前記制御パルス光と被制御パルス光を前記偏波保持光ファイバ中で衝突させることにより、前記被制御パルス光を前記制御パルス光によって捕捉し、ラマン散乱による前記制御パルス光の波長シフトと共に前記被制御パルス光の波長を連続的にシフトさせることを特徴とするパルス光制御装置。
【請求項13】
請求項12記載のパルス光制御装置において、前記制御パルス光と被制御パルス光との時間差を生成する光遅延装置を具備することを特徴とするパルス光制御装置。
【請求項14】
請求項12記載のパルス光制御装置において、前記制御パルス光がフェムト秒オーダーの超短パルス光を出力する超短パルス光源を具備することを特徴とするパルス光制御装置。
発明の詳細な説明 【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光ファイバにおける非線形効果を用いたパルス光制御方法及びその装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
本願発明者らは、既に、特願2001-355481「パルス光制御方法及びその装置」として、異常分散領域にあるパルス光によって正常分散領域のパルス光が捕捉される現象を用いてパルス光制御方法を提案している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本願発明者らは、更に、研究を重ねて、光ファイバ中において、超短パルス光によって偏光が直交したパルス光が捕捉され、非線形効果によって共に波長シフトしていく現象を初めて見出した。
【0004】
さらに、このとき長波長側のパルス光が短波長側のパルス光によって増幅される現象も初めて見出した。
【0005】
本発明は、上記状況に鑑みて、パルス捕捉を用いて、被制御パルス光の波長や時間波形、および出力時間を制御することができるパルス光制御方法及びその装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記目的を達成するために、
〔1〕パルス光制御方法において、偏波保持光ファイバ内に制御パルス光と偏光方向の直交した被制御パルス光を時間差を調整して入射し、前記被制御パルス光を前記制御パルス光に前記偏波保持光ファイバ内で衝突させ、非線形光学効果によって前記被制御パルス光を前記制御パルス光によって捕捉し、ラマン散乱による前記制御パルス光の波長シフトと共に前記被制御パルス光の波長を連続的にシフトさせることを特徴とする。
【0007】
〔2〕上記〔1〕記載のパルス光制御方法において、前記制御パルス光がフェムト秒オーダーの超短パルス光であることを特徴とする。
【0008】
〕上記〔1〕記載のパルス光制御方法において、前記制御パルス光がソリトンパルスであることを特徴とする。
【0009】
〕上記〔1〕記載のパルス光制御方法において、前記制御パルス光と前記被制御パルス光が時間的に重なっていることを特徴とする。
【0010】
〕上記〔1〕記載のパルス光制御方法において、前記制御パルス光によって前記被制御パルス光を捕捉し、この被制御パルス光の波長を制御することを特徴とする。
【0011】
〕上記〔1〕記載のパルス光制御方法において、前記制御パルス光によって前記被制御パルス光を捕捉し、この被制御パルス光の時間波形を制御することを特徴とする。
【0012】
〕上記〔1〕記載のパルス光制御方法において、前記制御パルス光によって前記被制御パルス光を捕捉し、この被制御パルス光の出力時間を制御することを特徴とする。
【0013】
〕上記〔1〕記載のパルス光制御方法において、前記制御パルス光のラマン利得によって、前記被制御パルス光を増幅することを特徴とする。
【0014】
〕上記〔1〕記載のパルス光制御方法において、2波長の偏光が直交し、時間的に重なった超短パルス対を生成することを特徴とする。
【0015】
10〕上記〔〕記載のパルス光制御方法において、前記生成された超短パルス対を非線形光学媒質に入射し、2つのパルス光の和周波信号、及び差周波信号を生成することを特徴とする。
【0016】
11〕上記〔1〕記載のパルス光制御方法において、前記制御パルス光と被制御パルス光の波長の関係が、波長分散によって前記偏波保持ファイバの複屈折による群速度差を打ち消すようになっていることを特徴とする。
【0017】
12〕パルス光制御装置において、偏波保持光ファイバと、この偏波保持光ファイバに制御パルス光を入射する手段と、前記偏波保持光ファイバに前記制御パルス光と偏光が直交した被制御パルス光とを入射する手段とを備え、前記制御パルス光と被制御パルス光を前記偏波保持光ファイバ中で衝突させることにより、前記被制御パルス光を前記制御パルス光によって捕捉し、ラマン散乱による前記制御パルス光の波長シフトと共に前記被制御パルス光の波長を連続的にシフトさせることを特徴とする。
【0018】
13〕上記〔12〕記載のパルス光制御装置において、前記制御パルス光と被制御パルス光との時間差を生成する光遅延装置を具備することを特徴とする。
【0019】
14〕上記〔12〕記載のパルス光制御装置において、前記制御パルス光がフェムト秒オーダーの超短パルス光を出力する超短パルス光源を具備することを特徴とする。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
【0021】
図1は本発明の第1実施例を示すパルス光制御装置の模式図である。
【0022】
この図において、1は被制御パルス光、2は制御パルス光、3は光遅延器、4は光合波器、5はレンズ、6は光ファイバ、7は光ファイバ6内の被制御パルス光及び制御パルス光である。
【0023】
この図に示すように、制御パルス光2と被制御パルス光1を時間差を調整して光ファイバ6に入力する。すると、光ファイバ6において、制御パルス光2によって偏光が直交した被制御パルス光1が捕捉される現象が現れ、被制御パルス光1を制御することができる。
【0024】
図2は本発明による被制御パルス光のパルス捕捉の現象の概念図である。
【0025】
まず、図2(a)に示すように、制御パルス光2と被制御パルス光1を入射する。時間差を調整すると、図2(b)に示すように、ファイバ6中で制御パルス光2に被制御パルス光1が追いつき、ぶつかり合う。このとき、制御パルス光2と被制御パルス光1の間の相互位相変調効果によって、被制御パルス光1は捕捉され、図2(c)に示すように、制御パルス光2とともに重なり合って伝搬する。また、被制御パルス光1の波長は制御パルス光2と同じ群速度となる波長にシフトされる。
【0026】
また、被制御パルス光1の波長が制御パルス光2のラマン利得帯域内にあるとき、光ファイバ6における伝搬に伴って、被制御パルス光1は制御パルス光2によって増幅されていく。
【0027】
図3は本発明の第2実施例を示すパルス光制御装置の模式図である。なお、図1と同じ部分には同じ符号を付してそれらの説明は省略する。
【0028】
この図において、11は光源としての超短パルスファイバレーザー、12は光スプリッター、13,15,17,19はレンズ、14,18は細径偏波保持ファイバ、16,20は波長フィルタである。
【0029】
光源として超短パルスファイバレーザー11を用い、偏光方向を調整して細径偏波保持ファイバ14,18に入射し、被制御パルス光1と制御パルス光2を発生させる。その他の構成は、図1と同様である。
【0030】
図4は本発明の第3実施例を示すパルス光制御装置の模式図である。
【0031】
この図において、21は光源としての超短パルスファイバレーザー、22,24は第1、第2の1/2波長板、23は偏光光分岐器、25はレンズ、26は偏波保持ファイバ、27はパルス光である。
【0032】
光源に超短パルスファイバレーザー21を用い、第1の1/2波長板22と偏光光分岐器23において光強度を調整する。その後、第2の1/2波長板24を用いてレンズ25を介して偏波保持ファイバ26の低速軸から少しずれたところに偏光方向を調整し、パルス光27を偏波保持ファイバ26に入射する。
【0033】
また、直交した高速軸の成分は低速軸のソリトンパルス光によって捕捉され、偏波保持ファイバ26中を重なって伝搬する。偏波保持ファイバ26における伝搬に伴って、ソリトンパルスの波長は長波長側にシフトしていく。このとき、被捕捉パルスは、ソリトンパルスと群速度が等しくなる波長にシフトされる。また、被捕捉パルスの波長がソリトンパルスのラマン利得帯域内にあるとき、被捕捉パルス光はソリトンパルスによってラマン利得を受け、光ファイバにおける伝搬に伴って、ソリトンパルスのエネルギーをもらいながら増幅されていく。
【0034】
このように構成することにより、光ファイバ中において、直交したパルス間でパルス捕捉が起こる。
【0035】
図5は本発明の実施例を示す光ファイバから出力されるパルス光のスペクトルの測定結果を表した図である。
【0036】
図5(a)に示すように、1650nmの波長に励起光から波長シフトした制御パルス光であるソリトンパルスが、また、1720nmの波長に制御パルス光によって捕捉された被制御パルス光が観測されている。図5(b)には、偏光がファイバの軸に直交した成分のみを取り出した場合のスペクトルの観測結果を表している。この場合、捕捉パルス光のみが観測されている。図5(c)には、偏光がファイバの軸に平行な成分のみを取り出した場合のスペクトルの観測結果である。この場合、制御パルス光のみが観測される。
【0037】
上記した図5より二つのパルス光の偏光方向が直交しているのが分かる。
【0038】
図6は本発明の実施例を示す光ファイバへの入射光強度に対する制御パルス光と捕捉パルス光の中心波長の変化を表している。この図において、横軸は入射光強度(mW)、縦軸は中心波長(nm)を示している。
【0039】
ここで、励起光源のファイバレーザーのパルス幅は110fs、繰り返し周波数は48MHzである。また、光ファイバには長さ140mの偏波保持ファイバを用いた。
【0040】
光ファイバへの入射光強度の増加に伴って、制御パルス光の中心波長はソリトン自己周波数シフトによって連続に長波長側にシフトしていく。このとき、その約50nm長波長側に捕捉されたパルス光aが制御パルス光bの波長シフトに合わせて単調にシフトしていく様子が観測された。
【0041】
図7は本発明の実施例を示す光ファイバの長さに対する制御パルス光と捕捉パルス光の中心波長、および捕捉パルス光のエネルギーの変化を表している。この図において、横軸は光ファイバの長さ(m)、左縦軸は制御パルス光と捕捉パルス光の中心波長(nm)、右縦軸はパルスエネルギー(dB)を示している。
【0042】
この図から明らかなように、光ファイバを長くするに従って、制御パルス光、捕捉パルス光ともに中心波長は単調に長波長側にシフトしていった。また、ファイバ長の増加に伴って、捕捉パルス光のエネルギーも単調に増加していく様子が観測された。
【0043】
図8は本発明の実施例を示す相互相関・周波数分解光ゲート法を用いて観測したファイバ出力におけるスペクトル成分の時間分布の測定結果を表している。この図において、横軸は時間(ps)、縦軸は和周波信号波長(nm)を示している。
【0044】
この図に示すように、制御パルス光Aと捕捉パルス光Bが時間的に重なって出力される様子を観測することができた。
【0045】
図9は本発明の実施例を示すパルス捕捉による被制御パルス光のスペクトルの変化の数値解析結果を示す図であり、ここで、横軸は波長(nm)、縦軸はスペクトル強度(相対単位)を表している。
【0046】
この図において、Aは入射パルス、Bは出射パルス(ソリトンパルスB1,捕捉パルスB2)を示している。
【0047】
すなわち、低速軸のパルス光によって高速軸の小さな偏光成分が捕捉され、ファイバ中の伝搬に伴って、徐々に増幅され、出力では、波長のシフトした、ほぼ等しいエネルギーの二つの直交した超短パルス光対になっているのが分かる。
【0048】
図10は本発明の実施例を示すファイバ長に対する二つのパルス光の波長とエネルギーの変化を示す図である。この図において、横軸はファイバ長さ(m)、左縦軸は波長(nm)、右縦軸はパルスエネルギー(相対単位)を示している。
【0049】
被制御パルス光Bの波長は制御パルス光Aを入射しないときには波長1.65μmのまま変化しない。制御パルス光Aを入射したときは、制御パルス光Aはソリトン自己周波数シフトによって伝搬に伴って長波長側に連続にシフトしていく。このとき、被制御パルス光Bは制御パルス光Aによって捕捉され、制御パルス光Aの波長シフトに伴って長波長側に単調にシフトしていく。このとき、被制御パルス光Bの波長は制御パルス光Aと伝搬速度が等しくなる波長にシフトされる。エネルギーについては光ファイバにおける伝搬に伴って、ソリトンパルスA′のエネルギーが徐々に捕捉パルスB′に遷移し、最後にはほぼ全てのエネルギーが捕捉パルスB′に移ってしまう。
【0050】
図11は図9、図10と同様、単一のパルス光を入射した時の結果を示す図である。
【0051】
この図に示すように、出力では直交偏光成分に時間的に重なった超短パルス光が生成される。
【0052】
図12は本発明の実施例を示すパルス捕捉による被制御パルス光の時間変化の数値解析結果を表している(これは図1の実施例における結果である)。ここで、横軸は時間(×4.88ps)、縦軸は光強度(相対単位)を示しており、Aは出力における制御パルス光、Bは出力における捕捉された被制御パルス光、Cは出力における制御パルスのないときの被制御パルス光を示している。この図から明らかなように、制御パルス光Aによって被制御パルス光が捕捉されるとき、制御パルス光Aと捕捉された被制御パルス光Bは時間的に重なって出力される。このとき、被制御パルス光Bの出力時間は制御パルス光がないときと比較して、制御パルス光がある場合には時間的に遅れて出力される。そのため、制御パルス光Aによって被制御パルス光の出力時間を制御することができる。また、被制御パルス光の非捕捉時と捕捉時を比較すると、捕捉時の方がパルス光の時間幅が圧縮されていることが分かる。このように、パルス捕捉によって、パルス光の時間波形の制御も可能であることがわかる。
【0053】
図13は本発明の第4実施例を示すパルス光制御装置の模式図である。
【0054】
この図において、31は信号パルス光、32は制御光源、33は制御パルス光、34は光合波器、35は光ファイバ、36は光ファイバ内の信号パルス光と制御パルス光、37は波長フィルタ、38は出力パルス光である。
【0055】
この実施例では、光通信システムにおいて、パルス捕捉の現象を用いて伝送される信号パルス光31の一部を制御光源32によって抽出する光分離システムの構成を示している。
【0056】
この図から明らかなように、被制御パルス光としての信号パルス光31と制御パルス光33を光合波器34を介して光ファイバ35に入射する。その光ファイバ35において、パルス捕捉が起こり、捕捉されたパルス光は波長がシフトする。また、光ファイバ35の出力に波長フィルタ37を設置し、元の信号パルス光31の波長成分と制御パルス光33の波長成分を除去することによって、パルス捕捉した信号光のみを出力パルス光38として抽出することができる。
【0057】
図14は本発明の第5実施例を示すパルス捕捉の現象を用いてパルス光の特性を調整することができる短パルス光源の構成図である。
【0058】
この図において、41は短パルス光源、42は被制御パルス光(信号光)、43は制御光源、44は制御パルス光、45は光合波器、46は光ファイバ、47は光ファイバ46内の被制御パルス光と制御パルス光、48は波長フィルタ、49は出力パルス光である。
【0059】
この図から明らかなように、被制御パルス光(信号光)42と偏光の直交した制御パルス光44を時間差を調整して光ファイバ46に入射する。光ファイバ46中において被制御パルス光(信号光)42が制御パルス光44によって捕捉される。このとき、制御パルス光44によって被制御パルス光(信号光)42の時間幅の狭窄化や波長の変換を行うことができる。また、被制御パルス光(信号光)42の出力する時間も調整することができる。
【0060】
このように、本発明によれば、制御パルス光によって直交偏光の被制御パルス光の波長、時間波形、出力時間を制御することができる。また、波長の異なる制御パルス光と被制御パルス光を常に重ねて出力することができる。更に、パルス光によってパルス光を制御することができる。
【0061】
さらに、本発明を用いると、単一のパルス光から、偏光が直交した2波長の超短パルス対を生成することができる。このパルス対は時間的に重なっているため、非線形結晶に入射して、和周波や差周波信号を容易に生成することができる。
【0062】
本発明は、光通信や光情報処理における光スイッチング、光エレクトロニクス、超短パルス光制御に好適である。
【0063】
なお、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々の変形が可能であり、これらを本発明の範囲から排除するものではない。
【0064】
【発明の効果】
以上、詳細に説明したように、本発明によれば、以下のような効果を奏することができる。
【0065】
(A)制御パルス光によって直交偏光の被制御パルス光の波長、時間波形、出力時間を制御することができる。
【0066】
(B)波長の異なる制御パルス光と被制御パルス光を常に重なって出力することができる。
【0067】
(C)パルス光によってパルス光を制御することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施例を示すパルス光制御装置の模式図である。
【図2】 本発明による被制御パルス光のパルス捕捉の現象の概念図である。
【図3】 本発明の第2実施例を示すパルス光制御装置の模式図である。
【図4】 本発明の第3実施例を示すパルス光制御装置の模式図である。
【図5】 本発明の実施例を示す光ファイバから出力されるパルス光のスペクトルの測定結果を表した図である。
【図6】 本発明の実施例を示す光ファイバへの入射光強度に対する制御パルス光と捕捉パルス光の中心波長の変化を表す図である。
【図7】 本発明の実施例を示す光ファイバの長さに対する制御パルス光と捕捉パルス光の中心波長、および捕捉パルス光のエネルギーの変化を表す図である。
【図8】 本発明の実施例を示す相互相関・周波数分解光ゲート法を用いて観測したファイバ出力におけるスペクトル成分の時間分布の測定結果を表す図である。
【図9】 本発明の実施例を示すパルス捕捉による被制御パルス光のスペクトルの変化の数値解析結果を表す図である。
【図10】 本発明の実施例を示すファイバ長に対する二つのパルス光の波長とエネルギーの変化を示す図である。
【図11】 図9、図10と同様、単一のパルス光を入射した時の結果を示す図である。
【図12】 本発明の実施例を示すパルス捕捉による被制御パスル光の時間変化の数値解析結果を表す図である。
【図13】 本発明の第4実施例を示すパルス光制御装置の模式図である。
【図14】 本発明の第5実施例を示すパルス捕捉の現象を用いてパルス光の特性を調整することができる短パルス光源の構成図である。
【符号の説明】
1,42 被制御パルス光
2,33,44 制御パルス光
3 光遅延器
4,34,45 光合波器
5,25 レンズ
6,35,46 光ファイバ
7,47 光ファイバ内の被制御パルス光及び制御パルス光
11,21 超短パルスファイバレーザー
12 光スプリッター
13,15,17,19 レンズ
14,18 細径偏波保持ファイバ
16,20,37,48 波長フィルタ
22,24 1/2波長板
23 偏光光分岐器
26 偏波保持ファイバ
27 パルス光
31 信号パルス光
32,43 制御光源
36 光ファイバ内の信号パルス光と制御パルス光
38,49 出力パルス光
41 短パルス光源
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4
【図6】
5
【図7】
6
【図8】
7
【図9】
8
【図10】
9
【図11】
10
【図12】
11
【図13】
12
【図14】
13