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明細書 :光学活性アレンの製造方法

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第3930347号 (P3930347)
公開番号 特開2003-259889 (P2003-259889A)
登録日 平成19年3月16日(2007.3.16)
発行日 平成19年6月13日(2007.6.13)
公開日 平成15年9月16日(2003.9.16)
発明の名称または考案の名称 光学活性アレンの製造方法
国際特許分類 C12P   7/62        (2006.01)
C07B  53/00        (2006.01)
FI C12P 7/62
C07B 53/00 G
C07M 7:00
請求項の数または発明の数 7
全頁数 11
出願番号 特願2002-061014 (P2002-061014)
出願日 平成14年3月6日(2002.3.6)
審査請求日 平成16年12月1日(2004.12.1)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】503360115
【氏名又は名称】独立行政法人科学技術振興機構
発明者または考案者 【氏名】鈴木 啓介
【氏名】松本 隆司
個別代理人の代理人 【識別番号】100112726、【弁理士】、【氏名又は名称】黒田 薫
【識別番号】100092783、【弁理士】、【氏名又は名称】小林 浩
審査官 【審査官】内藤 伸一
参考文献・文献 Journal of Organic Chemistry (1997), 62(13), 4349-4357
Journal of Organic Chemistry (1992), 57(5), 1540-54
調査した分野 C12P 7/62
CA(STN)
REGISTRY(STN)
WPIDS(STN)
特許請求の範囲 【請求項1】
下記式(1)
【化1】
JP0003930347B2_000009t.gif
[式中、R2及びR3は、互いに異なり、水素原子、置換基を有していてもよいC1~C20アルキル基又は置換基を有していてもよいC6~C20アリール基を示し;R4はアシル基を示す]で示される光学活性アレンを製造する方法であって、リパーゼ酵素またはエステラーゼ酵素の存在下、下記式(2):
【化2】
JP0003930347B2_000010t.gif
[式中、R1は水素原子又は置換基を有していてもよいアシル基を示し、R2及びR3は上記と同意義を示す]で示されるアレン誘導体と、R1が同時に水素原子である場合はR4で示されるアシル基を有するアシル化剤と、R1が同時にR4で示されるアシル基である場合は水と、反応させることを特徴とする光学活性アレンを製造する方法。
【請求項2】
前記リパーゼ酵素またはエステラーゼ酵素が、カンジダ・アンタークチカ(Candida antarctica)リーゼ、シュードモナス・フルオレッセンス(Pseudomonas fluorescens)リパーゼ、シュードモナス・セパシア(Pseudomonas cepacia)リパーゼ、豚膵臓リパーゼ、豚肝臓エステラーゼ及びカンジダ・ルゴサ(Candida rugosa)リパーゼからなる群から選ばれる1種以上である請求項に記載の光学活性アレンの製造方法。
【請求項3】
前記アシル化剤が、
【化3】
JP0003930347B2_000011t.gif
[式中、R4は、アシル基を示す]である請求項1または2に記載の光学活性アレンの製造方法。
【請求項4】
1が、水素原子、置換基を有していてもよいC1~C20アルキルカルボニル基又は置換基を有していてもよいC6~C20アリールカルボニル基である請求項1~のいずれかに記載の光学活性アレンの製造方法。
【請求項5】
2及びR3が互いに異なり、水素原子、置換基を有していてもよいC1~C10アルキル基又は置換基を有していてもよいC6~C10アリール基である、請求項1~4のいずれかに記載の光学活性アレンの製造方法。
【請求項6】
2及びR3が互いに異なり、水素原子、置換基を有していてもよいC1~C4アルキル基又は置換基を有していてもよいC6~C8アリール基である、請求項1~のいずれかに記載の光学活性アレンの製造方法。
【請求項7】
4がアセチル基、ブチリル基またはベンゾイル基である請求項1~のいずれかに記載の光学活性アレンの製造方法。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光学活性な軸不斉アレンを製造する方法に関し、より詳しくは、酵素触媒を利用して、対称構造を有するアレン誘導体をエナンチオ選択的に非対称化することによって光学活性アレンを製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
ある化合物が複数の光学異性体として存在し得る場合、ある光学異性体が他の光学異性体に比較して、例えば、医薬または農薬としての高い活性を示すことがある。したがって、特に、医薬・農薬の分野においては、ある特定の光学異性体を合成することを可能とする不斉合成が重要である。また、軸不斉を持つ光学活性アレンは、様々な光学活性化合物の合成中間体として有用である。
従来、リパーゼ等の酵素触媒を用いたラセミ体アレンの光学分割法は知られている(例えば、G. Gil et al.「Lipase-Catalyzed Ester Formation in Organic Solvents. Partial Resolution of Primary Allenic Alcohols」, Tetrahedron Letters, Vol.28, No.15, pp1647-1648, 1987参照)。
しかしながら、ラセミ体アレンの光学分割法は幾らか知られているものの、種々の置換基を有するアレン化合物をエナンチオ選択的に合成することは知られていない。
【0003】
従って、様々な軸不斉アレンを光学純度良く、簡便に得る合成方法が望まれていた。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明の発明者らは、もっぱらラセミ体アレンの速度論的分割に応用されてきた酵素の軸不斉識別能力に着目し、この酵素を、対称構造を有するアレン誘導体の非対称化による不斉合成へ応用することによって、様々な軸不斉アレンを光学純度良く、かつ、簡便に得ることができることを見出し、本発明を完成させた。
【0005】
即ち、本発明は、下記式(1)
【化1】
JP0003930347B2_000002t.gif[式中、R2及びR3は、互いに異なり、水素原子、置換基を有していてもよいC1~C20アルキル基又は置換基を有していてもよいC6~C20アリール基を示し;R4はアシル基を示す]
で示される光学活性アレンを製造する方法であって、
酵素触媒の存在下、下記式(2):
【化2】
JP0003930347B2_000003t.gif[式中、R1は水素原子又は置換基を有していてもよいアシル基を示し、R2及びR3は上記と同意義を示す]
で示されるアレン誘導体と、R1が同時に水素原子である場合はR4で示されるアシル基を有するアシル化剤と、R1が同時にR4で示されるアシル基である場合は水と、反応させることを特徴とする光学活性アレンを製造する方法を提供する。
【0006】
本発明の好ましい態様によれば、前記酵素触媒は、リーゼ酵素またはエステラーゼ酵素である。このような酵素触媒として、カンジダ・アンタークチカ(Candida antarctica)リーゼ、シュードモナス・フルオレッセンス(Pseudomonas fluorescens)リパーゼ、シュードモナス・セパシア(Pseudomonas cepacia)リパーゼ、豚膵臓リパーゼ、豚肝臓エステラーゼ及びカンジダ・ルゴサ(Candida rugosa)リパーゼからなる群から選ばれる1種以上が用いられる。
【0007】
本発明で用いられる好ましいアシル化剤は、これに限定されないが、例えば、下記式(3a)又は(3b):
【化3】
JP0003930347B2_000004t.gif[式中、R4は、アシル基を示す]で示される化合物である。
ここで、R4は、好ましくは、アセチル基、ブチリル基またはベンゾイル基である。
【0008】
本発明において、R1は、水素原子又はアシル基、好ましくは、水素原子、置換基を有していてもよいC1~C20アルキルカルボニル基、又は置換基を有していてもよいC6~C20アリールカルボニル基であり、具体的には、水素原子、置換基を有していてもよいC1~C10アルキルカルボニル基、又は置換基を有していてもよいC6~C10アリールカルボニル基であり、より具体的には、水素原子又は置換基を有していてもよいC1~C4アルキルカルボニル基であり、最も具体的には、水素原子である。
【0009】
2とR3は、互いに異なり、水素原子、置換基を有していてもよいC1~C20アルキル基又は置換基を有していてもよいC6~C20アリール基であり、具体的には、水素原子、置換基を有していてもよいC1~C10アルキル基又は置換基を有していてもよいC6~C10アリール基であり、より具体的には、水素原子、置換基を有していてもよいC1~C4アルキル基または置換基を有していてもよいC6~C8アリール基であり、最も具体的には、水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、フェニル基、トリル基又はベンジルオキシメトキシメチル基である。
【0010】
2とR3の具体的組み合わせとしては、例えば、水素原子/置換されていてもよいC1~C10アルキル基、水素原子/置換されていてもよいフェニル基、C1~C3アルキル基/置換されていてもよいフェニル基などが挙げられる。
【0011】
本明細書中、「アルキル基」とは、線状でもよいし、枝分かれしてもよいアルキル基であり、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、n-ブチル基、t-ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基などが挙げられる。
「アリール基」としては、例えば、フェニル基、1-ナフチル基または2-ナフチル基などのナフチル基、2-インデニル基などのインデニル基、2-アンスリル基などのアンスリル基、2-トリル基、3-トリル基、4-トリル基などのトリル基、ビフェニル基などが挙げられる。また、「アリールカルボニル基」としては、例えば、ベンゾイル基、1-ナフトイル基、2-ナフトイル基などが挙げられる。
「アシル基」としては、ホルミル基、カルボキシ基、カルバモイル基、置換されていてもよいC1-6アルキルカルボニル基、C1-6アルコキシカルボニル基(例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、プロポキシカルボニル基、tert-ブトキシカルボニル基など)、置換基を有していてもよいC6-10アリールカルボニル基、置換基を有していてもよいC6-10アリールオキシカルボニル基、置換基を有していてもよいC7-16アラルキルオキシカルボニル基、置換基を有していてもよい5~6員複素環カルボニル基、モノ-C1-6アルキルカルバモイル基、ジ-C1-6アルキルカルバモイル基(例、ジメチルカルバモイル基、ジエチルカルバモイル基、エチルメチルカルバモイル基など)などが挙げられる。本発明において好ましく用いられるアシル基は、アセチル基、ブチリル基またはベンゾイル基である。
【0012】
また、アルキル基またはアリール基に置換され得る基としては、例えば、ハロゲン原子(例、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素など)、ニトロ基、シアノ基、ハロゲン化されていてもよいC1-6アルキル基、ハロゲン化されていてもよいC3-6シクロアルキル基、ハロゲン化されていてもよいC1-6アルコキシ基、ハロゲン化されていてもよいC1-6アルキルチオ基、ヒドロキシ基、アミノ基、モノ-C1-6アルキルアミノ基(例、メチルアミノ基、エチルアミノ基、プロピルアミノ基、イソプロピルアミノ基、ブチルアミノ基など)、ジ-C1-6アルキルアミノ基(例、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジプロピルアミノ基、ジブチルアミノ基、エチルメチルアミノ基など)、ホルミル基、カルボキシ基、カルバモイル基、ハロゲン化されていてもよいC1-6アルキルカルボニル基、C1-6アルコキシカルボニル基(例、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、プロポキシカルボニル基、tert-ブトキシカルボニル基など)、モノ-C1-6アルキルカルバモイル基(例、メチルカルバモイル基、エチルカルバモイル基など)、ジ-C1-6アルキルカルバモイル基(例、ジメチルカルバモイル基、ジエチルカルバモイル基、エチルメチルカルバモイル基など)、ハロゲン化されていてもよいC1-6アルキルスルホニル基、ホルミルアミノ基、ハロゲン化されていてもよいC1-6アルキルカルボキサミド基、C1-6アルコキシカルボキサミド基(例、メトキシカルボキサミド基、エトキシカルボキサミド基、プロポキシカルボキサミド基、ブトキシカルボキサミド基など)、C1-6アルキルスルホニルアミノ基(例、メチルスルホニルアミノ基、エチルスルホニルアミノ基など)、C1-6アルキルカルボニルオキシ基(例、アセトキシ基、プロパノイルオキシ基など)、C1-6アルコキシカルボニルオキシ基(例、メトキシカルボニルオキシ基、エトキシカルボニルオキシ基、プロポキシカルボニルオキシ基、ブトキシカルボニルオキシ基など)、モノ-C1-6アルキル-カルバモイルオキシ基(例、メチルカルバモイルオキシ基、エチルカルバモイルオキシ基など)、ジ-C1-6アルキルカルバモイルオキシ基(例、ジメチルカルバモイルオキシ基、ジエチルカルバモイルオキシ基など)、ベンジルオキシ-C1-3アルコキシ基などが挙げられる。これらの置換基が置換される数は特に限定されないが、例えば、これらの置換基は1~5、より具体的には1~3個置換される。
【0013】
以下、本発明の製造方法についてより詳細に説明する。
【0014】
本発明の光学活性アレン化合物は、出発原料として式(2)の化合物においてR1が同時に水素原子であるものを用いる場合は、例えば、下記スキーム(I)に示す方法によって製造できる。
【化4】
JP0003930347B2_000005t.gif[上記式中、式中、R1、R2、R3及びR4は、上記と同意義を示す]
【0015】
上記スキーム(I)において、式(2a)で示されるアレン化合物と式(3a)で示されるアシル化剤(例えば、R4がアセチル基、ブチリル基またはベンゾイル基)とを酵素触媒の存在下反応させて、目的化合物である、式(1)で示される光学活性アレン化合物を得る。本発明の好ましい態様によれば、このようにして得られる式(1)で示される光学活性アレン化合物は、高い光学純度で得ることができる。しかし、この際、使用する酵素触媒の種類、使用するアシル化剤の種類、反応条件などに応じて、式(4)で表される化合物も副生成物として生成する場合がある。式(4)で示される副生成物は、各種クロマトグラフィー等公知の分離・精製手段によって分離・除去することができる。本発明の合成法によれば、光学純度の高い光学活性アレン化合物を合成することができる。例えば、本発明の好ましい態様によれば、光学純度70%以上、より好ましくは80%以上、さらに好ましくは90%以上の光学活性アレン化合物を得ることができる。
【0016】
上記反応は溶媒の存在下あるいは不存在下に行うことができる。反応を溶媒の存在下に行う場合は、通常は、反応に不活性な溶媒が用いられる。本発明において好適に用いられる溶媒としては、例えば、アルコール系溶媒、エーテル系溶媒、ハロゲン化炭化水素系溶媒、芳香族系溶媒、ニトリル系溶媒、アミド系溶媒、ケトン系溶媒、スルホキシド系溶媒などが挙げられる。これらは、二種以上を適宜の割合で混合して用いてもよい。なかでも、ジクロロメタン、クロロホルムなどのハロゲン化炭化水素系溶媒、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフランなどのエーテル系溶媒、トルエンなどの芳香族系溶媒が好ましい。
【0017】
上記反応で用いられる酵素触媒としては、例えば、カンジダ・アンタークチカ(Candida Antarctica)リバーゼ(CAL)、シュードモナス・フルオレッセンス(Pseudomonas fluorescens)リパーゼ(PFL)、シュードモナス・セパシア(Pseudomonas cepacia)リパーゼ(PCL)、豚膵臓リパーゼ(PPL)、豚肝臓エステラーゼ(PLE)及びカンジダ・ルゴサ(Candida rugosa)リパーゼ(CRL)からなる群から選ばれる1種以上が用いられる。特に好ましく用いられる酵素触媒は、カンジダ・アンタークチカ(Candida Antarctica)リバーゼ、シュードモナス・フルオレッセンス(Pseudomonas fluorescens)リパーゼ及びシュードモナス・セパシア(Pseudomonas cepacia)リパーゼである。
【0018】
この反応は、使用する酵素触媒の種類などに応じて適宜反応条件を選択して行うが、例えば、5℃~40℃、好ましくは、20℃~40℃の温度で、10分~14日、好ましくは、10分~10日、より好ましくは、1時間~6日、より好ましくは、2時間~10時間行われる。この反応は通常常圧で行われるが、必要に応じて、酵素の触媒能に影響を与えない範囲で減圧下または加圧下で行うことができる。
次に、出発原料として式(2)の化合物においてR1が同時にアシル基であるものを用いる場合は、上記酵素触媒の存在下、式(2)の化合物と水を反応させる、すなわち、加水分解することによって、式(1)の光学活性アレン化合物を得ることができる。この加水分解は、使用する酵素触媒の種類などに応じて適宜反応条件を選択して行うが、例えば、5℃~40℃、好ましくは、20℃~40℃の温度で、10分~14日、好ましくは、10分~10日、より好ましくは、1時間~6日、より好ましくは、2時間~10時間行われる。この反応は通常常圧で行われるが、必要に応じて、酵素の触媒能に影響を与えない範囲で減圧下または加圧下で行うことができる。
【0019】
このようにして得られる光学活性アレン化合物は、医薬、農薬などの活性化合物を製造するための中間体として用いることができる。
【0020】
【実施例】
以下、本発明を実施例に基づいて説明する。ただし、本発明は、下記の実施例に制限されるものではない。
【0021】
実施例1
【化5】
JP0003930347B2_000006t.gif
【0022】
上記に示す反応において、2-ヒドロキシメチル-4-フェニルペンタ-2,3-ジエン-1-オール(50.0 mg, 0.263 mmol)に、アシル化剤Aとしてのアセトキシエチレン(0.1 mL)と、酵素触媒としてのシュードモナス・フルオレッセンスリパーゼ25mgを加え、ジイソプロピルエーテル中で混合して反応させた。反応は、攪拌下、30℃の温度で、1.8時間行った。
【0023】
その後、反応液を酢酸エチルで希釈し、不溶物をろ別した。ろ液を分液漏斗に移し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で順次洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧留去して得た粗生成物をシリカゲル分取薄層クロマトグラフィー(展開液:ヘキサン/酢酸エチル=6/4)にて精製し、式(1b)及び式(4b)の化合物を得た。その結果、目的とする光学活性アレン化合物である式(1b)の化合物は93%の収率(光学純度90%ee)で得ることができた(R4=Ac)。反応混合物中、式(4b)の副生成物と式(2b)で表される化合物の量は、それぞれ約4%と、トレース量であった。以下、得られた化合物の物理化学的性状について測定した結果を示す。
【0024】
式(2b)の化合物(2-ヒドロキシメチル-4-フェニルペンタ-2,3-ジエン-1-オール)
1H-NMR(CDCl3) δ 2.14 (s, 3H), 2.36 (brs, 2H), 4.33 (s, 4H), 7.19-7.41(m, 5H)
元素分析値(C12H14O2として)
計算値:C, 75.76; H, 7.42
実験値:C, 75.47; H, 7.42
【0025】
式(1b)の化合物(2-ヒドロキシメチル-4-フェニルペンタ-2,3-ジエン-1-イル=アセタート)
1H-NMR(CDCl3) δ 2.07 (s, 3H), 2.13 (s, 3H), 2.30 (brs, 1H), 4.23 (s,2H), 4.76 (s, 2H), 7.20-7.40 (m, 5H)
元素分析値(C14H16O3として)
計算値:C, 72.39; H, 6.94
実験値:C, 72.43; H, 7.14
【0026】
式(4b)の化合物
1H-NMR(CDCl3) δ 2.06 (s, 6H), 2.12 (s, 3H), 4.70 (s, 4H), 7.24-7.39 (m, 5H)
【0027】
実施例2~19
酵素の種類と溶媒の種類を変更した(あるいは溶媒を不使用とした)以外は、実施例1と同様の方法で光学活性アレン化合物を合成した。
【0028】
実験条件および結果を、表1に示す。
JP0003930347B2_000007t.gif
【0029】
実施例13~30
次に、特定の酵素触媒に対して好適なアシル化剤を選択するために酵素触媒とアシル化剤を変えた以外は、原則として実施例1と同様の方法で光学活性アレン化合物を合成した。なお、BはAcO-C(CH3)=CH2、CはBzO-CH2=CH2、DはPr-C(=O)-O-CH2=CH2を示し、Acはアセチル基、Bzはベンゾイル基、Prはプロピル基を示す。
【0030】
実験条件及び結果を、表2に示す。
JP0003930347B2_000008t.gif
【0031】
第1~2表に示す結果から明らかなように、本発明の製造方法によれば、目的とする光学活性アレン化合物が高収率で得られることが分かる。
【0032】
【発明の効果】
本発明の光学活性アレンの製造方法によれば、対称構造を有するアレン誘導体をエナンチオ選択的に効率よく光学活性アレンを製造することができる。このようにして製造される光学活性アレンは、医薬・農薬の活性化合物を製造するための中間体として好適に用いることができる。