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明細書 :多脚歩行ロボット

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第4554140号 (P4554140)
公開番号 特開2003-266336 (P2003-266336A)
登録日 平成22年7月23日(2010.7.23)
発行日 平成22年9月29日(2010.9.29)
公開日 平成15年9月24日(2003.9.24)
発明の名称または考案の名称 多脚歩行ロボット
国際特許分類 B25J   5/00        (2006.01)
A63H  11/00        (2006.01)
FI B25J 5/00 C
A63H 11/00 Z
請求項の数または発明の数 8
全頁数 15
出願番号 特願2002-066321 (P2002-066321)
出願日 平成14年3月12日(2002.3.12)
審判番号 不服 2008-019933(P2008-019933/J1)
審査請求日 平成16年4月20日(2004.4.20)
審判請求日 平成20年8月6日(2008.8.6)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】503360115
【氏名又は名称】独立行政法人科学技術振興機構
発明者または考案者 【氏名】齋藤 敬
個別代理人の代理人 【識別番号】100099265、【弁理士】、【氏名又は名称】長瀬 成城
参考文献・文献 特開平9-131679(JP,A)
特開昭60-259580(JP,A)
調査した分野 B25J 5/00
A63H 11/00
特許請求の範囲 【請求項1】
機体に取り付けた動力源からの動力を源歩容運動に変換するリンクに伝える動力伝達部と、機体の左右両側に取り付けた脚駆動部と、前記脚駆動部の端部に旋回自在に取り付けられ前記脚駆動部を介して駆動力を供給され従属的に歩容運動を行う脚部とを備え、前記動力伝達部からの駆動力により前記機体の両側に配設された前記脚駆動部を介して前記脚部に歩容運動させるように構成した多脚歩行ロボットにおいて、前記脚駆動部と前記脚部との間に、前記脚部旋回時においても駆動力を前記脚部に伝達可能とするための複数節リンクを導入して前記脚部を前記歩容運動可能に支持し、さらに、前記脚駆動部に旋回モータを取り付け、該旋回モータに前記脚部を構成しかつ前記歩容運動の方向を規定する脚フレームを旋回可能に支持し、該脚フレームは前記旋回モータによって脚駆動部の中心軸線から脚部が旋回する角度に応じて、脚フレームの軸線方向に延長スライド可能に構成されることにより、前記脚フレームが延長スライド時において前記複数節リンクを構成する各節においてリンクの軸線同士のなす関節角度が、常に90度未満となるよう構成されたことを特徴とする多脚歩行ロボット。
【請求項2】
前記脚駆動部は、従属的に歩容運動を行なう前記脚部を、該脚駆動部の前後端において二つずつ、それぞれの内脚及び外脚として配置された内外脚駆動部として構成されていることを特徴とする請求項1に記載の多脚歩行ロボット。
【請求項3】
前記脚部の旋回は、前記脚フレーム内に収納された旋回モータによりなされるように構成したことを特徴とする請求項1または2に記載の多脚歩行ロボット。
【請求項4】
前記旋回モータは脚の接地状態を検出して駆動されることを特徴とする請求項3に記載の多脚歩行ロボット。
【請求項5】
前記脚部の旋回は脚ごとに制御可能に構成したことを特徴とする請求項1~請求項4のいずれかに記載の多脚歩行ロボット。
【請求項6】
前記内外脚駆動部を互いに機体の前後方向に互いにずらせて配置したことを特徴とする請求項2に記載の多脚歩行ロボット。
【請求項7】
前記機体の両側に取り付けた一対の内外脚駆動部のうち、少なくとも1つの内外脚駆動部の前後方向の長さをそれ以外の他のものと異ならせた長さとしたことを特徴とする請求項2のいずれかに記載の多脚歩行ロボット。
【請求項8】
前記従属的に歩容運動を行なう脚部の蹴出し方向を各別に制御可能に構成したことを特徴とする請求項1~7のいずれかに記載の多脚歩行ロボット。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、脚駆動部にて往復運動に変換された動力伝達部からの駆動力により関節を介して機体の前後左右に配設された従属的な脚部を歩行させるように構成した多脚歩行ロボットに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、不整地走行に適する走行装置としては接地圧を低減できる大型タイヤや無限軌道帯を装着した作業車両や雪上車等が知られている。しかしながら、これらの無端状の接地走行体では、山間地の下草や岩等の路面上の障害物に遭遇した場合には、これに乗り上げるか、回避のために迂回していた。特に障害物が地雷等のような危険物である場合には乗り上げることはできず、車両によっては大幅な旋回動作が必要となって走行制御が煩わしいものであった。そのようなことから、雪上や干潟、砂地等の軟弱地でも障害物を跨いで歩行でき、交換等により比較的自在に脚部の接地面積を増大して接地圧を低減できるとともに、地雷等により破損しても部品の交換による復旧が容易な、脚による歩行機械の有利性が見直されてきている。
【0003】
このような流れのなかで、各関節毎に関節駆動用モータを内蔵させた人型の脚歩行型ロボットが提案され、高い自由度の運動性能を実現しているが、脚部相互の制御が複雑で困難である。また、脚部の各モータには高トルクでありながら高速回転が必要という矛盾した性能が要求される、そのため、このタイプのロボットは玩具あるいは歩行そのものの実現を目的としたものが殆どであり、実用性に乏しいものであった。そのようなことから、図7~図9(「楽しい競技ロボットの作り方」弓納持 充代著 日刊工業新聞社発代49頁および80、81頁より)に示すような、集中動力源からのリンク機構により脚を駆動する歩行型多脚ロボットが提案された。
【0004】
図7は8脚型歩行ロボットの概略図で、図7(A)は全体平面図、図7(B)は全体斜視図、図7(C)は全体側面図、図7(D)は全体正面図である。本体130内には、動力伝達部を構成するところの、駆動モータあるいは内燃機関と、これらの動力源により駆動されるギヤユニット等からなる減速装置が配設され、該減速装置の出力軸により、左右に一対が配設された脚駆動部105、106および107、108にて往復運動に変換された駆動力により関節リンク36(後述の図9)を介して機体の前後左右に配設された従属的な脚部(図7(C)で例示する110、112)を歩行させるように構成したものである。
【0005】
図8および図9によって、この歩行ロボットの歩行原理を説明する。図8は接地時間すなわちストロークを比較的長く採れる挙動特性を有することから、この種の歩行型ロボットにおいて多用されるチェビシェフリンク機構の説明図である。図8(A)において、回転する駆動軸によってクランクが回転運動をし、該クランクの先端に一端部が関節にてリンク1が軸支される。該リンク1の中間の関節に、一端部が位置固定された軸を中心に往復揺動するリンク2の他端部が軸支される。このようなリンク構成において、各部材の長さの比率として、クランク:1、駆動軸と位置固定軸との距離:2、リンク2:2.5、関節間距離:2.5、中間関節とリンク1の他端部との距離:2.5に選定すると、リンク1の他端部のリンク軌跡aは2点鎖線のごとく直線と円弧部分とで形成される。
【0006】
図8(B)は、クランクの回転に伴うリンク1の他端部の挙動を詳細にプロットしたものである。これによって理解されるように、クランク回転角の1から5までの略90度の間は、速度の大きな曲線部が描かれ、クランク回転角の6~12までの略270度の間は、速度の小さな直線部が描かれる。このリンク1の他端部の挙動を、歩行ロボットの脚の動作に結びつけたものである。速度の大きな曲線部を歩行脚(足)の離陸しての戻し動作に使用し、速度の小さな直線部を歩行脚の接地しての歩行に使用するものである。
【0007】
図9は、図7(A)における機体130の左側一対の内外脚駆動部105、106の中の外側の脚駆動部106についてその挙動を説明するものである。減速装置の出力軸である駆動軸からの回転駆動力が、タイミングベルトを介してチェビシェフリンクの駆動軸31に伝達される。クランク32が回転して、位置固定軸周りに往復揺動する第2リンク34の揺動端部が中間関節にて軸支された第1リンク33の他端部35が、前記図8のリンク軌跡a(チェビシェフリンク軌跡)のような直線部と曲線部との間を往復する。一端部が該第1リンク33の他端部35に軸支され他端部が脚である足112に連結された関節リンク36には、その前記第1リンクの他端部35の近傍に軸部37が設けられ、該軸部37は脚駆動部の直線状の長孔38内を前後にスライドするように構成される。
【0008】
かくして、チェビシェフリンク軌跡の速度の小さな直線部では、足112の接地しての歩行が行われ、速度の大きな曲線部では、二点鎖線のような足112の離陸しての素早い戻り運動が行われる。実際には、直線運動による歩行は段差を登攀する能力が低くなるため、ややリンクは複雑になるが、足の送りに円運動を取り入れることで、段差登攀能力を高めるような構成とされる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
このようなチェビシェフリンク機構を採用したことによって、長い時間およびストロークにて歩行脚の接地が可能となり、いずれかの足が接地する時間の割合が大きくなって多脚歩行ロボットとしての安定した走行が可能となり、しかも単純なリンク機構であるにも関わらず、俊敏な動作が可能となり、無限軌道車両並の運動特性が得られることとなった。しかしながら、前述した特性から無限軌道車両並の運動性能の域を出るものではなかった。そのため、利用分野にも限りがあった。
【0010】
そこで、本発明は、このような従来の多脚歩行ロボットの課題を解決して、歩行走行の特質を活かして障害物回避性能に優れる上に、駆動エネルギー伝達効率が高く高速歩行も可能で、動物的で俊敏な運動特性を実現できて利用分野も格段に広げることができる多脚歩行ロボットを提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
このため本発明が採用した解決手段は、
機体に取り付けた動力源からの動力を源歩容運動に変換するリンクに伝える動力伝達部と、機体の左右両側に取り付けた脚駆動部と、前記脚駆動部の端部に旋回自在に取り付けられ前記脚駆動部を介して駆動力を供給され従属的に歩容運動を行う脚部とを備え、前記動力伝達部からの駆動力により前記機体の両側に配設された前記脚駆動部を介して前記脚部に歩容運動させるように構成した多脚歩行ロボットにおいて、前記脚駆動部と前記脚部との間に、前記脚部旋回時においても駆動力を前記脚部に伝達可能とするための複数節リンクを導入して前記脚部を前記歩容運動可能に支持し、さらに、前記脚駆動部に旋回モータを取り付け、該旋回モータに前記脚部を構成しかつ前記歩容運動の方向を規定する脚フレームを旋回可能に支持し、該脚フレームは前記旋回モータによって脚駆動部の中心軸線から脚部が旋回する角度に応じて、脚フレームの軸線方向に延長スライド可能に構成されることにより、前記脚フレームが延長スライド時において前記複数節リンクを構成する各節においてリンクの軸線同士のなす関節角度が、常に90度未満となるよう構成されたことを特徴とする多脚歩行ロボットである。
また、前記脚駆動部は、従属的に歩容運動を行なう前記脚部を、該脚駆動部の前後端において二つずつ、それぞれの内脚及び外脚として配置された内外脚駆動部として構成されていることを特徴とする多脚歩行ロボットである。
また、前記脚部の旋回は、前記脚フレーム内に収納された旋回モータによりなされるように構成したことを特徴とする多脚歩行ロボットである。
また、前記旋回モータは脚の接地状態を検出して駆動されることを特徴とする多脚歩行ロボットである。
また、前記脚部の旋回は脚ごとに制御可能に構成したことを特徴とする多脚歩行ロボットである。
また、前記内外脚駆動部を互いに機体の前後方向に互いにずらせて配置したことを特徴とする多脚歩行ロボットである。
また、前記機体の両側に取り付けた一対の内外脚駆動部のうち、少なくとも1つの内外脚駆動部の前後方向の長さをそれ以外の他のものと異ならせた長さとしたことを特徴とする多脚歩行ロボットである。
また、前記従属的に歩容運動を行なう脚部の蹴出し方向を各別に制御可能に構成したことを特徴とする多脚歩行ロボットである。
【0012】
【実施の形態】
以下、本発明の多脚歩行ロボットの実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。図1から図6は本発明の多脚歩行ロボットの1実施の形態を説明する図で、図1は本発明の多脚歩行ロボットの概略平面図、図2は脚駆動部のモデル図、図3は脚部斜視図、図4は脚部の旋回状態の説明斜視図、図5は脚部の旋回形態の概略説明図、図6は脚部の旋回および脚の蹴り出しと機体の歩行方向との関係図である。本発明は、図1に示すように、脚駆動部5、6、7、8にて往復運動に変換された動力伝達部3、4からの駆動力により関節を介して機体30の前後左右に配設された従属的な脚部9~16の歩容運動(歩行のための脚先の運び)を行なわせるように構成した多脚歩行ロボットにおいて、前記脚駆動部5、6、7、8にそれぞれ配された脚部9~16を旋回可能に構成したことを特徴とする。
【0013】
以下に詳述する。図1において、図面左方が機体30の前部(F)、右方が後部(R)である。適宜のフレームにより構成された歩行ロボットの機体30内には、左右が独立して駆動される動力伝達部が配設される。機体30における中心より左側(図面下側)には、動力源としての右電動モータ1(内燃機関でもよい)と減速装置である右ギヤユニット3が組み合わされて配設され、中心線の右側には、左電動モータ2と左ギヤユニット4とが組み合わされて配設される。これらの減速装置からの出力がタイミングベルト等を介して、前述した脚の歩行動作を行うチェビシェフリンク機構の駆動軸に伝達されるものであるが、詳しくは後述する。機体30の左側には一対の内外脚駆動部5、6が配設され、それぞれの前後には内外の脚部9、10および11、12が配設される。機体30の右側には一対の内外脚駆動部7、8が配設され、それぞれの前後には内外の脚部13、14および15、16が配設される。
【0014】
図2によって、これらの脚駆動部の中の1つである左外側脚駆動部6を例に取りその構造を説明する。動力伝達部である減速装置3の出力軸から左の内外側チェビシェフリンク17、18に駆動力が伝えられる。左内側チェビシェフリンク17は左内側脚駆動部5の脚部を駆動するが、ここでは左外側チェビシェフリンク18についてのみ説明する。左外側チェビシェフリンク18のリンク(図9の第1リンク33に相当)端部が、関節リンク6Lの押し引きを介して前後の脚10B、12Bの歩行動作を行うものである。動力伝達部は機体30側に配設され、チェビシェフリンクは脚駆動部内に配設される。左内側脚駆動部5のフレーム6Bの後端部(図面右方)には旋回モータ6Mが固定される。フレーム6Bの後端部の上下には旋回リンク6A、6Aの一端部が軸支され、旋回リンク6A、6Aの他端部には脚部12の脚フレーム12Aが軸支される。該脚フレーム12Aには後脚12Bが脚軸12Cにて軸支される。
【0015】
前記左外側チェビシェフリンク18のリンク端部と左後外側脚12B(10B側も同じ)との間は3つの関節、すなわち第1リンク関節6P1、第2リンク関節6P2および脚関節6P3を介して、第1関節リンク6L1、第2関節リンク6L2により連結されている。前記左外側チェビシェフリンク18のリンク端部からは同時に、前方へも関節リンクが延びて配設され、前記左後外側脚部12と同様の左前外側脚部10が配設される。したがって、同一の1つの左外側チェビシェフリンク18を駆動源とする前後の脚10Bと12Bとは位相が同一であることが理解される。なお、左内側チェビシェフリンク17により駆動(一般的に歩容の基本となるチェビシェフリンク末端部のような軌道(図8(A)a)を源歩容と定義する。段落〔0005〕~〔0008〕参照)されるところの、図示省略の左内側脚駆動部5側でも同様の脚駆動がなされる。その場合、好適には、内外のチェビシェフリンク17と18との位相を180度異ならせることで、機体30の片側の脚部における各脚は必ずどれかが接地することになり、さらに左右両側において安定した歩行が可能となる。
【0016】
図3および図4により、本発明の最も特徴的な構成について説明する。図3は図1の歩行ロボットの機体30の左側の脚駆動部を後方から見た要部斜視図である。左右の脚駆動部5および6における各フレーム5B、6Bの後端部には、それぞれ旋回リンク5Aおよび6Aを介して脚フレーム11Aおよび12Aが旋回自在に軸支される。各脚フレーム11Aおよび12Aの下端後部にはそれぞれ脚11Bおよび12Bが脚軸11Cおよび12Cにより軸支される。図示の例では、脚11Bおよび12Bは接地時に側面視で略S字形で、上部に膝関節(12Dのみ図示する)を構成する軸支点がある。下部の足に相当する部分は略円弧状面に形成され、やや弾性のある滑りにくい素材で構成される。各脚の膝関節(12D)と足との間の脚関節6P3にて、前述したチェビシェフリンクに連結された関節リンク6Lが接続される。なお、脚12Bの接地時の荷重を脚フレーム12A側にて負担できるように、脚部12における脚12Bの上部の動作を制限可能に構成することができる。例えば、脚軸12Cを脚フレーム12Aに対してロックしたり、サスペンション機構を介して制限してもよい。これにより、関節リンク等の駆動機構への荷重負担を軽減できる。
【0017】
関節リンク6Lは、チェビシェフリンク端部の略直線と円弧運動に伴ってフレーム6B内を往復かつ揺動運動する第1関節リンク6L1と、第1リンク関節6P1を介して横方向に揺動自在な第2関節リンク6L2と、第2リンク関節6P2を介して前記脚関節6P3に軸支される第3関節リンク6L3とから構成される。前記第2関節リンク6L2と第3関節リンク6L3とは互いに捩れ方向の動きが許容される。つまり、脚12Bの歩行動作面に対して第2リンク関節6P2の軸とは同一面のみでなく互いに交差することが可能となっており、脚の旋回角度の増大に伴い、脚駆動リンクの面と脚旋回部位による歩行動作面が同一面のみでなく、捩じれながら交差させる必要があることから、この捩れを有効に吸収しつつ円滑なリンク駆動がなされる。しかも、脚の歩行動作中に脚の動作面に対して交差する方向に外力が作用した場合でも、脚の動作が円滑に行われて脚が損傷するのも防止される。
【0018】
図4は図1の歩行ロボットの機体30の脚駆動部を後方から見た一部の脚部の旋回状態を示す要部斜視図である。説明を簡単にするために、右内側脚駆動部7を例に取って脚部の旋回動作を説明する。脚駆動部7のフレーム7Bの後端部には、旋回リンク7Aを介して脚フレーム15Aが旋回自在に軸支されている。前記旋回リンク7Aは、前部が第1旋回軸22によりフレーム7Bの後端部に、後部が第2旋回軸23により脚フレーム15Aの前端部近傍に軸支される。一方、前記フレーム7Bの一部を後方(図面手前側)に延設した部分に旋回モータ(右内側旋回モータ)7Mが固定される。
【0019】
旋回モータ7Mの軸心21は、脚部15が直進時、すなわち脚部フレーム15Aが旋回フレーム7Aともどもフレーム7Bと一直線上にある場合に前記第2旋回軸23より第1旋回軸22に近い位置にある。つまり、旋回モータ7Mは、旋回の初期位置における脚フレーム15Aの旋回中心軸近傍に配設される。本発明の最も特徴的な構成は、図示省略の無線遠隔操縦装置における転向用のジョイスティック等の操作によって旋回モータ7Mが回転駆動された場合に、脚駆動部7における脚部フレーム15Aがフレーム7Bに対して旋回リンク7Aを介して旋回、すなわち転向するように構成されたことである。前記脚部15の旋回中心軸から脚15Bの往復運動範囲までの距離は、脚部15Bの旋回角度に応じて延長されるように構成されている。
【0020】
つまり、前記旋回モータ7Mの回転軸の上端部にはスライダ20が固定されて回転軸と回転を共にする。一方、脚部フレーム15Aの上部板における前記第2旋回軸23よりも前方(図4の旋回後の状態では図面右方)にはレール部19が延設され、該レール部19が前記スライダ20をスライド自在に嵌合する。かくして、旋回モータ7Mの旋回角度が大きくなる程(転向角度が大きくなる程)、旋回リンク7Aの傾斜を伴いつつ、旋回モータ7Mのスライダ20に対する脚部フレーム15Aのレール部19が抜け出していき、旋回軸(旋回モータ7Mが固定されたフレーム7B上の位置)21と脚部フレーム15A上の第2旋回軸23との距離が拡大する。つまり、脚部15の旋回中心軸から脚15Bの往復運動範囲までの距離が、脚部15Bの旋回角度に応じて延長される。
【0021】
このようにして脚部15が旋回しつつ旋回軸21から離れるので、前記チェビシェフリンクに連結された関節リンク7Lは、脚部15の旋回に追随して、第1リンク関節7P1、第2関節リンク7L2および第2リンク関節7P2を介して図示のように充分に曲折され、従属的な脚部15の歩行動作平面に対する角度を小さくすることができることになる。かくして、旋回した転向位置にある脚15Bの歩行動作を円滑に行うことが可能となる(旋回軸21に対して脚部フレーム15A上の第2旋回軸23が移動しない場合で脚15Bが90度の旋回位置にある場合には、幾分は曲折するとしても関節リンク7による脚の歩行動作はきわめて困難となる。)前記図2の右上部平面図にも、左後外側脚部12が徐々に旋回して12’、12”のように旋回するにしたがい、旋回軸から離れる様子が明示されている。なお、前記脚部における脚に別途の補助動力用の動力部を設置して、歩行と無関係に停止中の特定の作業のためのモータやエンジン等を設置することもできる。脚として、接地面圧が高い棒状のものとしたり、接地面のみを椀型にして接地面圧を低減したもの、あるいは雪上の登攀や滑降のためにスキー板をアッタチメントとして装着することもできる。
【0022】
また本発明では、図1に示すように、機体30の左右に複数列を配設した脚駆動部5、6、7、8を前後に互いにずらせて配置することにより、旋回する脚部同士の相互干渉により制限される脚部の旋回可能範囲を任意に変化させるように構成される。例えば、各内側の脚駆動部5、7の前部を、各外側の脚駆動部6、8の前部より幾分前方にずらせて配設することで、前部において外側の脚部10、14に干渉されることなく内側の脚部9、13も外側へ90度旋回させる(9”、10”、13”、14”の状態)ことが可能となり、逆向きの内側へ旋回させた場合(9’、10’、13’、14’の状態)には互いが干渉して約45度以上の内側への転向旋回が不可能となる。機体後部側の脚部11、12、15、16では、各外側の脚駆動部6、8が後方にずれて配置されたことにより、所定の外側への転向旋回が不可能に構成される(11’、12’、15’、16’の状態)。これらの構成は、機体30の前部に補機を取り付けることを可能にする。
【0023】
また本発明では、機体の左右に複数列を配設した脚駆動部において、少なくとも1つの対の従属的な関節までの脚駆動部の長さを他の対のものと異ならせることにより、旋回する脚部同士の相互干渉により制限される脚部の旋回可能範囲を任意に変化させるように構成される。つまり、前述した複数列における脚駆動部の内外間での前後方向のずれ配置に加えて、特定のものの脚駆動部の長さを他のものと異ならせることにより脚部の旋回可能範囲を任意に変化させるように構成したものである。図1に例示するものでは、機体30の後部側の右側における一対の脚駆動部7、8の従属的な関節までの長さを長く構成した。これにより、機体30の後部の各脚部11、12、15、16を内側に90度転向旋回させようとした場合に、左後内外側の脚部11”、12”に対して右後内外側の脚部15”、16”が干渉することがなく、容易に90度の転向旋回が可能となる。
【0024】
また本発明では、機体の前後左右および上下に単数あるいは複数列にて配設された脚駆動部において、少なくとも1つの従属的な関節までの脚駆動部の長さを他のものと異ならせることにより、旋回する脚部同士の相互干渉により制限される脚部の旋回可能範囲を任意に変化させるように構成することもできる。本例は図示しないが、歩行ロボットとしてさらに複雑な路面にも対応することができるように8脚よりも多い多脚を配設した場合で、上下を隔てた位置にも脚駆動部を配設した場合にも、旋回する脚部同士の相互干渉により制限される脚部の旋回可能範囲を任意に変化させることを可能にするものである。
【0025】
また本発明では、接地していない脚のみが旋回制御されるように構成したことを特徴とする。つまり、前記脚の接地を検出あるいは導出する機能を付与したことで、脚が離陸して接地していない場合にのみ脚部の旋回動作がなされるように構成できるので、旋回モータの旋回動作に費やされるエネルギーを小さくすることができる。このことは、旋回モータ等が小さな容量の電動モータ等で済むことを意味し、脚駆動部がコンパクトにできて軽量化および低コストに繋がる。脚の接地の検出は面圧計や光センサー等が採用され得るし、接地の導出はチェビシェフリンク軌跡に連動して、脚の離陸を検出するようにしてもよい。あるいは機械的に強制的に脚の接地時には旋回スイッチをキャンセルするように構成することも可能である。
【0026】
次に、以上のような構成の多脚歩行ロボットの可能な歩行状態について説明する。図示しての説明はしないが、無線遠隔操縦装置における速度制御および転向用のジョイスティック等の操作で制御信号が電波として発信され、該制御信号を機体30内に設置された受信装置によって受信し、機体30内の動力伝達部の動力源および旋回モータ等を制御する制御手段がマイコン等の適宜の手段により構成されることは言うまでもないが、これらの制御手段は既存のものを利用でき、それらの制御ソフトについても適宜のものが準備できる。
【0027】
図5は、機体の前後左右に2列ずつ配列された図1の多脚歩行ロボットにおける脚部の旋回範囲を模式化した図で、図5の左側に示すように、左右の電動モータはそれぞれ前後進および停止が可能である。脚部については、前側のそれぞれの一対が内側に45度、外側に90度の転向旋回が可能で、後側のそれぞれの一対が内側に90度、外側に45度転向旋回が可能に構成される。図5の右側に示すように、本発明の転向旋回が可能な多脚歩行ロボットの特殊な基本歩行としてできることは、機体の向きを変えずに斜めに歩行することと、左右方向に横歩行(かに歩き)すること、機体進行方向の1点を中心とする円弧状かに歩き歩行および超信地旋回歩行が可能である。
【0028】
図6により、本発明の多脚歩行ロボットの歩行形態を説明する。図6において白矢印は正転方向への蹴出し、黒矢印は逆転方向への蹴出しを示す。大きな白矢印は機体の進行方向を表す。図6(A)は機体の前後左右に配設された脚部の全てを同位相方向に旋回させるとともに、左右の脚部を同一方向に蹴り出すことにより、機体が前方を向いたままでの斜行歩行の状態を示すものである。図6(B)は機体の前後左右に配設された脚部の中、前後の脚部を逆位相方向に旋回させるとともに、左右の脚部を同一方向に蹴り出すことにより、旋回歩行の状態を示すものである。図6(C)は機体の前後左右に配設された脚部の中、前脚部を外側90度、後脚部を内側90度旋回させるとともに、左右の脚部を逆方向に蹴り出すことにより、横歩行の状態を示すものである。
【0029】
図6(D)は機体の前後左右に配設された脚部の中、前脚部を外側90度以下、後脚部を内側90度旋回させるとともに、左右の脚部を逆方向に蹴り出すことにより、機体進行方向の1点を中心とする円弧状かに歩き歩行の状態を示すものである。図6(E)は機体の前後左右に配設された脚部の中、前脚部および後脚部を機体内側に(後脚部は-90度でも可)旋回させるとともに、左右の脚部を逆方向に蹴り出すことにより、超信地旋回歩行の状態を示すものである。図6(F)は機体の前後左右に配設された脚部の中、前脚部および後脚部を機体内側に(図示の例では後脚部は-90度に)旋回させるとともに、左右の脚部のいずれか一方を停止させることにより、信地旋回歩行の状態を示すものである。
【0030】
また、図6(G)~図6(I)に示したものは、旋回する脚部同士の相互干渉により制限される脚部の旋回可能範囲について前述した図示の実施の形態のものとは異なる変形例で、図6(G)のものは、前脚部を内側-90度に旋回させることと後脚部を外側90度に旋回することを可能に構成されたもので、左右の脚部を逆方向に蹴り出すことにより、横歩行かに歩きを行う例である。図6(H)および図6(I)のものは、機体の前後左右(あるいは図示省略の上下)に配設された脚部の蹴出し方向を各別に制御可能(チェビシェフリンクの出力軸を前後各別に配設する等して構成する)に構成するとともに、前後脚部の両方を外側90度あるいは内側-90度に旋回することを可能に構成された例で、図6(H)では前脚部および後脚部を外側90度に旋回させて、蹴出し方向を左右の前後でそれぞれ逆にして(小さい矢印は対応する駆動部の回転方向)、横方向かに歩きを行う例である。図6(I)は前脚部および後脚部を内側-90度に旋回させて同様の横方向かに歩きを行う例である。
【0031】
以上本発明の実施の形態について説明してきたが、本発明の趣旨の範囲内で、歩行ロボットの機体の形状、脚駆動部の形状、形式および配置(機体における減速装置の出力軸とチェビシェフリンクの駆動軸との間の機体幅方向の距離をスライド自在に構成して外側の脚駆動部のみを機体幅方向に拡幅させるように構成してもよい。そのような構成により、直進歩行する脚の下部にスキー板をエッジを効かせた逆ハの字形に装着した場合でも、内外の脚部が干渉することなく円滑に歩行させることが可能となる。)、動力源の種類や減速装置の種類およびそれらの間の関連構成を含む動力伝達部の形状、形式、関節の形状、形式(多関節リンクのみならず、可撓性のプッシュ・プルロッドによりチェビシェフリンクと脚とを連結してもよい。また、チェビシェフリンクの弱点とも言うべきリンク出力部軌道における等速運動部末端の減速部分を除外して脚が接地できるような適宜の補機を追加して円滑な歩行ができるように構成することもできる)、旋回リンク等を介した脚部の脚駆動部における配設形態、旋回時の脚部の旋回中心軸からの移動形態、旋回モータの形状、形式およびフレームへの配設形態、脚部における補助動力用動力部の形状、形式および配設ならびに利用形態、脚駆動部の前後あるいは上下でのずらせ形態、従属的な関節までの脚駆動部の長さを異ならせる脚駆動部の選定、脚の接地、離陸状態の検出形態等は適宜採用できる。
【0032】
また、脚部を含む脚駆動部の制御形態として、機体の前後左右および上下に配設された従属的な脚部の位相と、接地・離陸と旋回とを制御して、旋回動作によるかに歩き歩行を可能に構成したり、同、脚部の位相を制御して、平面視で、脚接地点から構成される多角形の内側、あるいは2脚接地の場合は脚接地点間、もしくは1脚接地の場合は接地点上にそれぞれ重心があるところの、静歩行(二脚あるいは四脚動物が低速で歩行する動きを想定し、動作中にそのまま停止しても転倒しない)を可能に構成することもできる。さらに、平面視で、脚接地点から構成される多角形の外側、あるいは2脚接地の場合は脚接地点間外、もしくは1脚接地の場合は接地点外にそれぞれ重心がある、動的バランスの取れた高速動歩行(二脚あるいは四脚動物が高速で疾走する動きを想定し、動的にはバランスが取れているものの、動作中にそのまま停止すると転倒する。)を可能に構成したり、同、脚部の蹴出し方向を各別に制御可能に構成することもできる。また、歩行ロボットの利用分野(山間地、泥濘地、雪上、砂漠等の砂地での走行、除雪ロボット、地雷除去ロボット、林業支援ロボット、玩具等)等については適宜選択し得る。なお、前述の実施の形態はあらゆる点で例示に過ぎず限定的に解釈してはならない。
【0033】
【発明の効果】
以上、詳細に説明したように、本発明によれば、脚駆動部にて往復運動に変換された動力伝達部からの駆動力により関節を介して機体の前後左右および上下に配設された従属的な脚部を歩行させるように構成した多脚歩行ロボットにおいて、前記脚駆動部における脚部を旋回可能に構成したことにより、障害物を跨いで回避できる歩行型ロボットの利点を活かした上で、脚部の旋回角度と蹴出し方向の選択との組合せによって、機体の前後進・左右旋回および斜行、横方向へのかに歩き、機体進行方向の1点を中心とする円弧状かに歩きさらには超信地旋回等が可能となり、車両の走行特性を遙かに超える動物的で俊敏な歩行性能を実現できる。
【0034】
また、前記脚部の旋回中心軸から脚の往復運動範囲までの距離を、脚部の旋回角度に応じて延長されるように構成した場合は、脚部の大きな角度での旋回時にも円滑な歩行動作が可能となる。
さらに、前記脚部の旋回が、旋回中心軸近傍に配設された旋回モータによりなされるように構成した場合は、旋回モータが直接に脚部の旋回を行える位置に配設されて余分な部材は不要となり、構造が簡素化される上に、旋回モータがフレーム内等に収納され、外部に晒されて障害物等に衝接することがない。
さらにまた、前記脚部に補助動力用の動力部を設置した場合は、脚の軌道の調整や補助動力部により例えば歩行の停止中に脚部をマニピュレータとして各種の作業を行うことが可能となる。
【0035】
また、機体の左右および上下に複数列を配設した脚駆動部を前後に互いにずらせて配置することにより、旋回する脚部同士の相互干渉により制限される脚部の旋回可能範囲を任意に変化させるように構成した場合は、内外の脚部が互いに干渉されずに一方向に90度旋回することを可能にしつつ、逆方向の旋回を格別の旋回角度規制部材等を設置せずとも、対の脚部同士の任意位置以上の旋回が抑止できて構成が簡素化される。
さらに、機体の左右および上下に複数列を配設した脚駆動部において、少なくとも1つの対の従属的な関節までの脚駆動部の長さを他の対のものと異ならせることにより、旋回する脚部同士の相互干渉により制限される脚部の旋回可能範囲を任意に変化させるように構成した場合は、単純に1つの対の従属的な関節までの脚駆動部の長さを異ならせるだけで、他の対の脚部の干渉に煩わされることなく、自由に最大角度まで旋回させることが可能となる。
【0036】
さらにまた、機体の前後左右および上下に単数あるいは複数列にて配設された脚駆動部において、少なくとも1つの従属的な関節までの脚駆動部の長さを他のものと異ならせたことにより、旋回する脚部同士の相互干渉により制限される脚部の旋回可能範囲を任意に変化させるように構成した場合は、歩行ロボットとしてさらに複雑な路面にも対応することができるように8脚よりも多い多脚を配設した場合で、上下を隔てた位置にも脚駆動部を配設した場合にも、旋回する脚部の旋回可能範囲を任意に変化させることを可能にする。
また、接地していない脚のみが旋回制御されるように構成した場合は、旋回動作に費やされるエネルギーを小さくすることができるので、旋回モータ等が小さな容量の電動モータ等で済み、脚駆動部がコンパクトにできて軽量化および低コストとなる。
【0037】
さらに、前記脚の接地を検出あるいは導出する機能を付与した場合は、低負荷による旋回動作を確実に行うことができて、信頼性の向上と低コストが実現される。
さらにまた、前記脚部における脚上部の動作を制限可能に構成した場合で、脚フレームへの脚軸の完全ロックの場合は、脚の接地時の荷重を脚フレームに転嫁して負担させることで関節リンク等駆動機構への負担を軽減させることができる他、脚フレームへの脚軸のサスペンション機構による制限を加えた場合は、脚の接地荷重を適度に緩衝させて機体への衝撃を和らげることが可能となる。
【0038】
また、前記機体の前後左右および上下に配設された従属的な脚部の位相と、接地・離陸と旋回とを制御して、旋回動作によるかに歩き歩行を可能に構成した場合は、チェビシェフリンクに依ることなく、通常の脚駆動リンクや補助動力を脚の上下運動に使用しつつ、脚部の旋回運動で歩行を行うことができ、通常の関節毎にモータを有するロボットに類似した歩行形態が可能となる。
さらに、前記機体の前後左右および上下に配設された従属的な脚部の位相を制御して、平面視で、脚接地点から構成される多角形の内側、あるいは2脚接地の場合は脚接地点間、もしくは1脚接地の場合は接地点上にそれぞれ重心がある、静歩行を可能に構成した場合は、何らかの原因により歩行中断が生じたり、歩行停止をした際に、機体が転倒することがなく、安定した停止状態を保持することができる。
さらにまた、前記機体の前後左右および上下に配設された従属的な脚部の位相を制御して、平面視で、脚接地点から構成される多角形の外側、あるいは2脚接地の場合は脚接地点間外、もしくは1脚接地の場合は接地点外にそれぞれ重心がある、動的バランスの取れた高速動歩行を可能に構成した場合は、歩行中断や停止時に機体の安定性は損なわれるものの、特にチェビシェフリンクの特性を活用して俊敏で高速な歩行が可能となる。
【0039】
また、前後左右の脚部の旋回形態と脚の蹴出し方向とを適宜組み合わせることにより、多様な歩行形態が実現できて、車両の走行特性を遙かに超える動物的で俊敏な歩行性能が実現できる。さらに、前記機体の前後左右および上下に配設された従属的な脚部の蹴出し方向を各別に制御可能に構成した場合は、脚部の旋回形態と組み合わせてさらに複雑な歩行パターンが選定でき、設計の自由度が向上する。かくして本発明によれば、歩行走行の特質を活かして障害物回避性能に優れる上に、駆動エネルギー伝達効率が高く高速歩行も可能で、動物的で俊敏な運動特性を実現できて利用分野も格段に広げることができる多脚歩行ロボットが提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の多脚歩行ロボットの1実施の形態の概略平面図である。
【図2】 同、脚駆動部のモデル図である。
【図3】 同、脚部斜視図である。
【図4】 同、脚部の旋回状態の説明斜視図である。
【図5】同、脚部の旋回形態の概略説明図である。
【図6】 同、脚部の旋回および脚の蹴り出しと機体の歩行方向との関係図である。
【図7】 従来の多脚歩行ロボットの各面図である。
【図8】 チェビシェフリンク機構の原理図である。
【図9】 チェビシェフリンク機構を利用した従来の多脚歩行ロボットにおける脚部の挙動説明図である。
【符号の説明】
1 動力源(右電動モータ)
2 動力源(左電動モータ)
3 減速装置(右ギヤユニット)
4 減速装置(左ギヤユニット)
5 左内側脚駆動部
5A 旋回リンク
5B フレーム
6 左外側脚駆動部
6A 旋回リンク
6B フレーム
6L1 第1関節リンク
6L2 第2関節リンク
6P1 第1リンク関節
6P2 第2リンク関節
6P3 脚関節
7 右内側脚駆動部
7A 旋回リンク
7B フレーム
8 右外側脚駆動部
8A 旋回リンク
8B フレーム
9 左前内側脚部
10 左前外側脚部
10A 脚フレーム
10B 脚
10C 脚軸
11 左後内側脚部
11A 脚フレーム
11B 脚
11C 脚軸
12 左後外側脚部
12A 脚フレーム
12B 脚
12C 脚軸
12D 膝関節
13 右前内側脚部
14 右前外側脚部
15 右後内側脚部
15A 脚フレーム
15B 脚
15C 脚軸
16 右後外側脚部
16A 脚フレーム
16B 脚
17 左内側チェビシェフリンク
18 左外側チェビシェフリンク
19 レール部
20 スライダ
21 旋回軸
22 第1旋回リンク軸
23 第2旋回リンク軸
30 機体
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4
【図6】
5
【図7】
6
【図8】
7
【図9】
8