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明細書 :ナノクリスタル構造体、ナノクリスタル構造体製法、および非線形抵抗素子

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第3867135号 (P3867135)
公開番号 特開2003-251600 (P2003-251600A)
登録日 平成18年10月20日(2006.10.20)
発行日 平成19年1月10日(2007.1.10)
公開日 平成15年9月9日(2003.9.9)
発明の名称または考案の名称 ナノクリスタル構造体、ナノクリスタル構造体製法、および非線形抵抗素子
国際特許分類 B82B   1/00        (2006.01)
B82B   3/00        (2006.01)
H01C   7/10        (2006.01)
H01L  35/14        (2006.01)
H01L  35/34        (2006.01)
FI B82B 1/00
B82B 3/00
H01C 7/10
H01L 35/14
H01L 35/34
請求項の数または発明の数 8
全頁数 10
出願番号 特願2002-055458 (P2002-055458)
出願日 平成14年3月1日(2002.3.1)
新規性喪失の例外の表示 特許法第30条第1項適用 平成13年9月17~20日徳島文理大学において開催された日本物理学会2001年秋季大会で発表
審査請求日 平成14年3月1日(2002.3.1)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】504145308
【氏名又は名称】国立大学法人 琉球大学
発明者または考案者 【氏名】矢ヶ崎 克馬
【氏名】仲間 隆男
【氏名】アレクサンダー トロフィモビッチ ブルコフ
個別代理人の代理人 【識別番号】100072051、【弁理士】、【氏名又は名称】杉村 興作
【識別番号】100100125、【弁理士】、【氏名又は名称】高見 和明
【識別番号】100101096、【弁理士】、【氏名又は名称】徳永 博
【識別番号】100086645、【弁理士】、【氏名又は名称】岩佐 義幸
【識別番号】100107227、【弁理士】、【氏名又は名称】藤谷 史朗
【識別番号】100114292、【弁理士】、【氏名又は名称】来間 清志
【識別番号】100119530、【弁理士】、【氏名又は名称】冨田 和幸
【識別番号】100113745、【弁理士】、【氏名又は名称】藤原 英治
審査官 【審査官】佐藤 秀樹
参考文献・文献 特開平05-037029(JP,A)
特開平10-027927(JP,A)
特開平03-025984(JP,A)
特開平04-035071(JP,A)
調査した分野 B82B 1/00,3/00
H01C 7/02-7/22
H01L 35/14,35/34
特許請求の範囲 【請求項1】
2価を取り得る元素(X)—シリコン(Si)非晶質母体中に多数のXSi2結晶粒を均一に析出させ、前記析出させたXSi2結晶粒のそれぞれの少なくとも一部をパーコレーションさせ、さらに、前記母体中にSi結晶を均一に分散させるのに十分な熱処理を施すことよって、非線形抵抗特性を持たせた、
ことを特徴とするナノクリスタル構造体。
【請求項2】
請求項に記載のナノクリスタル構造体において、
前記2価を取り得る元素(X)が、3d遷移金属群、4d遷移金属群、5d遷移金属群、希土類、アクチナイド金属群、またはアルカリ土類金属群から選択される少なくとも1つの元素を含む金属である、
ことを特徴とするナノクリスタル構造体。
【請求項3】
請求項1または2に記載のナノクリスタル構造体において、
前記XSi2結晶粒の平均粒径がナノメータオーダである、
ことを特徴とするナノクリスタル構造体。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか1項に記載のナノクリスタル構造体において、
前記XSi2結晶粒の平均粒径がほぼ15nm以下である、
ことを特徴とするナノクリスタル構造体。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか1項に記載のナノクリスタル構造体において、
前記熱処理は、焼き鈍し処理である、
ことを特徴とするナノクリスタル構造体。
【請求項6】
請求項に記載のナノクリスタル構造体において、
前記焼き鈍し処理を繰り返す、
ことを特徴とするナノクリスタル構造体。
【請求項7】
請求項1~6のいずれか1項に記載のナノクリスタル構造体をバリスタ材料として用いることを特徴とする非線形抵抗素子。
【請求項8】
2価を取り得る元素(X)—シリコン(Si)非晶質体の母体に対して熱処理することにより、XSi2を多数の結晶粒として均一に析出させ、前記析出させたXSi2結晶粒のそれぞれの少なくとも一部をパーコレーションさせ、さらに、前記母体中にSi結晶を均一に析出させ、これらにより非線形抵抗特性を持たせる工程を含むナノクリスタル構造体製法。
発明の詳細な説明 【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ナノクリスタル構造体、ナノクリスタル構造体製法に関するものであり、また、これを用いた非線形抵抗素子、および熱電変換素子に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、非線形抵抗素子に用いられるバリスタ材料としては、例えば、SiC粉末、結合剤、抵抗値を調節するための黒鉛粉末を混合し高温で焼成したもの、或いは、酸化亜鉛に微量添加物(MnOなど)などを加え混合したものを高温で焼成したものが使用されてきた。
また、従来、熱電変換素子に用いられる熱電変換材料は、種々のものが開発・利用されてきた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上述したような従来のバリスタ材料は、酸化金属などの焼結体であり基本的に素子の膜厚が厚く小型化し難いものであり、またその材料の種類は限られていた。そこで、本発明の主たる目的は、バリスタ材料として使用し得る非線形抵抗特性が顕著に優れ、かつ、薄膜およびバルクの両状態において非線形抵抗特性が顕著に優れた新たなナノクリスタル構造体(ナノクリスタルが分散している金属化合物)、およびその製法を提供することである。さらには、本発明の別の目的は、このナノクリスタル構造体を利用する非線形抵抗素子を提供することである。また、従来の熱電変換材料では、熱電能やパワーファクターが十分高い材料の種類は限られていた。そこで、本発明のさらなる目的は、熱電変換材料として使用し得る熱電能やパワーファクターが優れた新たなナノクリスタル構造体、およびその製法を提供することである。さらには、本発明の別の目的は、このナノクリスタル構造体を利用する熱電変換素子を提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明によるナノクリスタル構造体は、
2価を取り得る元素(X)—シリコン(Si)非晶質母体中に多数のXSi2結晶粒を均一に析出させ、前記析出させたXSi2結晶粒のそれぞれの少なくとも一部をパーコレーションさせ、さらに、前記母体中にSi結晶を均一に分散させるのに十分な熱処理を施すことによって、非線形抵抗特性を持たせた、
ことを特徴とする。
本構成によれば、非線形抵抗特性が顕著に優れ、さらに、薄膜およびバルクの両状態において非線形抵抗特性が顕著に優れたナノクリスタル構造体を簡易かつ簡便に提供することができる。
【0005】
また、本発明によるナノクリスタル構造体は、
2価を取り得る元素(X)—シリコン(Si)非晶質母体中に多数のXSi2結晶粒を均一に析出させ、前記析出させたXSi2結晶粒のそれぞれの少なくとも一部をパーコレーションさせるのに十分な熱処理を施すことによって、熱電能および/またはパワーファクターを増加させた、
ことを特徴とする。
本構成によれば、薄膜およびバルクの両状態において熱電能やパワーファクタが顕著に優れたナノクリスタル構造体を簡易かつ簡便に提供することができる。
【0006】
また、本発明によるナノクリスタル構造体は、
前記2価を取り得る元素(X)が、3d遷移金属(3d電子を持つ金属元素、即ちV、Cr、Mn、Fe、Co、およびNi)群、4d遷移金属群、5d遷移金属群、希土類(Ce、U、Thなど)、アクチナイド金属群、またはアルカリ土類金属群(Ca、Sr、Baなど)から選択される少なくとも1つの元素を含む金属である、
ことを特徴とする。
さらに、本発明によるナノクリスタル構造体は、前記XSi2結晶粒の平均粒径がナノメータオーダであることを特徴とする。さらに好適には、前記XSi2結晶粒の平均粒径がほぼ15nm以下、さらに好適にはほぼ10nm程度であることを特徴とする。
さらに、本発明によるナノクリスタル構造体は、
前記XSi2結晶粒を、約600Kという低い温度で前記非晶質母体中に析出させ、この結晶化する際、過剰な(或いは不足する)Siを結晶外に排除(或いは周囲から吸収)しなければならないため、その粒径を高々15nmというナノメータオーダにとどまらせたことを特徴とする。
または、本発明によるナノクリスタル構造体は、
前記XSi2結晶粒の粒径は、XとSiの組成比を変化させることにより、または、最適なXを選択し、或いは混合することにより調整することができ、その粒径を高々15nmというナノメータオーダにとどまらせたことをを特徴とする。
前記XSi2結晶粒の粒径を小さく抑えることによって、非線形抵抗(伝導)特性、熱電能或いはパワーファクターなどのバラツキを少なくすることができ、さらにこれによって、鋭敏な非線形抵抗特性、高い熱電能或いはパワーファクターを実現することが可能となる。
【0007】
前記熱処理は、前述したように、XSi2結晶粒を均一に析出させ、前記析出させたXSi2結晶粒のそれぞれの少なくとも一部をパーコレーションさせる、或いは、これに加えてさらに、前記母体中にSi結晶を均一に分散させるのに十分な所定の温度、温度変化、時間の条件で行う。この熱処理が十分であれば、残存する非晶質はすべてSi結晶へ変換され得る。
好適な熱処理としては、例えば焼き鈍し処理がある。例えば、常温から高温(約1300K)まで所定の温度推移(約1K/分の温度上昇)で温度変化させ、そこで一定時間(数時間から数十時間)保持し、液体窒素温度まで除冷(約1K/分の温度下降)するような焼き鈍し処理が好適である。さらに、十分な物性変化(結晶析出などの相変化)をもたらすために、この焼き鈍し処理を数回繰り返すことも好適である。
【0008】
本発明によるナノクリスタル構造体をバリスタ材料として用いる非線形抵抗素子を提供することも可能である。
また、本発明によるナノクリスタル構造体を熱電変換材料として用いる熱電変換素子を提供することも可能である。
【0009】
本発明によるナノクリスタル構造体製法は、
2価を取り得る元素(X)—シリコン(Si)非晶質体の母体に対して熱処理することにより、XSi2を多数の結晶粒として均一に析出させ、前記析出させたXSi2結晶粒のそれぞれの少なくとも一部をパーコレーションさせ、さらに、前記母体中にSi結晶を均一に析出させ、これらにより非線形抵抗特性を持たせる工程を含むことを特徴とする。
また 、本発明によるナノクリスタル構造体製法は、
2価を取り得る元素(X)—シリコン(Si)非晶質体の母体に対して熱処理することにより、XSi2を多数の結晶粒として均一に析出させ、前記析出させたXSi2結晶粒のそれぞれの少なくとも一部をパーコレーションさせ、これらにより熱電能および/またはパワーファクターを増加させる工程を含むことを特徴とする。
【0010】
【発明の実施の形態】
以降、添付の諸図面および実施例に基づき本発明をより詳細に説明する。
図1は、本発明によるナノクリスタル構造体を作製する製法の基本的な工程の一例を示すブロック図である。
図に示すように、加熱していないSiウェハーの表面を酸化させてSiO膜を形成させた基板10上に、所定の組成比に仕込まれたターゲット物質をマグネトロンスパッタリング法で堆積させ、2価を取り得る金属(X:この場合は一例としてCrを用いた)とシリコンから成る非晶質母体(Cr15Si85)14を得る。この非晶質母体14は膜厚約110nmの薄膜である。この非晶質母体14を所定の温度パターンで温度制御可能なチャンバー20へ入れ、ヘリウムまたはアルゴン雰囲気中において焼き鈍し処理を行う。チャンバー20内における温度経過は、室温から1K/分の割合で約1000Kまで温度上昇させ、この最高温度で一昼夜に亘り温度を保持した。その後、室温まで10K/分の割合で除冷した。
【0011】
ここで、この熱処理におけるSi-Cr非晶質の相変化を詳細に説明する。
最初に、約600K(約330℃)以上での加熱によって、非晶質中のクロムとシリコンとが金属間化合物をつくり粒径がナノメータオーダーのCrSi結晶粒16(即ち、平均粒径が数ナノメータオーダーのナノクリスタル)が生成される(図中の14aを参照されたい)。即ち、非晶質母体は、この状態では、非晶質母体中にナノクリスタルが存在するナノクリスタル複合体に変化する。
さらに、十分な時間加熱を続け、この結晶析出を促進させると結晶化したCrSi結晶粒16のパーコレーション(即ち結晶粒子相互の接触重なり)が起こり(図中の14bを参照されたい)、その結果、熱電能およびパワーファクターが増加する。これに加えてさらに約900K以上で十分な時間の熱処理を行えば、Si結晶18が析出し(図中の14cを参照されたい)、その結果、非線形抵抗特性(即ち非線形伝導特性)を得ることができる。この600Kおよび900Kという値は、このうような相変化を伴う温度であるため、以下に詳述するが抵抗や熱電能が急激に変化する温度である。
【0012】
このようにして、上述した実施例の条件(室温=>1000K=>室温)では、非線形抵抗特性を得ることができ、かつ、熱電能も向上する。しかしながら、熱処理をし過ぎてSi結晶の析出が進めば抵抗が対数的に増大するため、一旦増加したパワーファクターは結局減少することとなり、十分なパワーファクターを得ることはできない。従って、パワーファクターの性能向上を目的とする場合は、図の14bに示すような段階、即ち、XSiが十分析出しSi結晶の析出が起こる一歩手前で熱処理を止めることが重要である。
【0013】
図2は、図1の実施例における非晶質母体(Cr15Si85)がナノクリスタル構造体へ変化する際の抵抗および熱電能の変化を示すグラフである。
図に示すように、加熱されると比抵抗ρは、約600K(T)で鋭敏に増加し、その後も増加し続けるが、さらに約900K(T)で一旦減少した後ほぼ一定の値を示している。除冷を始めると再び比抵抗は増加し始める。
一方、熱電能は、加熱されると約600K(T1)までは徐々に増加し、T1を過ぎると鋭敏に増加する。その後、徐々に増加するが約900K(T2)を過ぎるとまた、鋭敏に増加し、そして、除冷時も熱電能は徐々に増加する。
【0014】
図3は、非晶質母体(Cr15Si85)に対して最高温度約1000Kの焼き鈍し処理を連続6回繰り返したときの比抵抗の変化(比抵抗の温度依存性)を示すグラフである。比抵抗ρは焼き鈍し処理回数を重ねるごとに対数的に増加していることがわかる。
図4は、上記連続6回の焼き鈍し処理において4回目の処理を終えた後のナノクリスタル構造体(Cr15Si85)の電流(I)-抵抗(R)特性を示すグラフである。上のグラフは293Kでのグラフであり、下のグラフは150Kでのグラフである。図に示すように、実測値は直線であり、この段階(焼き鈍し4回)では非線形特性は僅かしか現れていない。
【0015】
図5は、上記連続6回の焼き鈍し処理において5回目の処理を終えた時点のナノクリスタル構造体(Cr15Si85)の電流-抵抗特性を示すグラフである。図に示すように、この段階(焼き鈍し5回)で非線形特性が増加している。
図6は、上記連続6回の焼き鈍し処理において6回目の処理を終えた時点のナノクリスタル構造体(Cr15Si85)の電流-抵抗特性を示すグラフである。図に示すように、この段階(焼き鈍し6回)では、実測値は僅かな電流の変化で急激な軌跡を示し顕著な非線形抵抗特性が現れている。特に低温(80.8K)においては極めて顕著な非線形抵抗特性が得られている。
【0016】
図7は、非晶質母体(Cr15Si85)に対して最高温度約830Kの焼き鈍し処理(液体窒素温度=>温度推移10K/分=>目的温度で12時間保持=>液体窒素温度まで冷却)を連続5~8回繰り返したとき(目的温度は、はじめは600Kとし最終的に830Kに至るまで毎回徐々に高めた)のパワーファクターの変化を示すグラフである。図に示すように、パワーファクター(性能指数)は、熱処理を重ねるごとに増加していることがわかる。図に示すように、熱処理によって高温領域において十分高いパワーファクターを有するに至るので、この材料を利用して高温領域温度差発電素子などへ利用することが可能である。図に示すように、パワーファクターの最高値は非晶質のときと比べて約70倍に増加している。しかしながら、上述したように、熱処理が進むとSi結晶の析出による抵抗の増大があるため、図示はしていないが本条件で9回以上熱処理を施すと、Si結晶の析出が始まり抵抗が高くなるため、結果としてパワーファクターが減少してしまうことがわかっている。従って、このようなグラフや検量線を一旦作成しておけば、一定回数の熱処理で所望の特性の材料を容易に作製することが可能である。
【0017】
図8は、上記連続6回の焼き鈍し処理を終えた後のナノクリスタル構造体(Cr15Si85)の80.5Kにおける電流-電圧特性(I対V)を示すグラフである。
図9は、上記連続6回の焼き鈍し処理を終えた後のナノクリスタル構造体(Cr15Si85)の293Kにおける電流-電圧特性(I対V)を示すグラフである。
これらの図から、このナノクリスタル構造体は、同一指数を保持する電圧域が広く、広範囲の温度で一定指数の非線形抵抗素子の材料として使用し得ることが理解できる。
【0018】
図10は、上記連続6回の焼き鈍し処理を終えた後のナノクリスタル構造体(Cr15Si85)の伝導度σ-電力の平方根特性を示すグラフである。
図に示すように、伝導度σが、(電流×電圧)の平方根に比例することが観察された。図示した温度(80.5K)以外でも、広範囲でこの比例関係は成立することが観察されている。従って、このナノクリスタル構造体は、簡便な電力検知素子或いは電力コントロール素子として使用可能である。
【0019】
本発明を諸図面や実施例に基づき説明してきたが、当業者であれば本開示に基づき種々の変形や修正を行うことが容易であることに注意されたい。例えば、2価を取り得る金属元素Xとして実施例ではCrを用いたが、2価を取ることができ、かつ、XSiを形成し得る元素であり、かつ、性質が似ている3d遷移金属元素群、4d遷移金属元素群などを用いることが可能である。また、実施例では、非晶質母体として薄膜を使用したが、バルク材を用いることも可能である。また、実施例では、マグネトロンスパッタリング法を使用したが、ラピッドスピンイング、ラピッドクエンチングなどの他の技法で非晶質母体を作製することも可能である。
また、実施例ではCr15Si85を用いたが、実験によってSiがおよそ60%以上であれば安定的にCrSiが生成され、本発明を実現し得ることが判明している。Siはおよそ70%以上あれば、さらに望ましい。このことは、クロム以外の元素でも同様である。
従って、これらの変形や修正は本発明の範囲に含まれることを留意されたい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明によるナノクリスタル構造体を作製する製法の基本的な工程の一例を示すブロック図である。
【図2】 図1の実施例における非晶質母体(Cr15Si85)がナノクリスタル構造体へ変化する際の抵抗および熱電能の変化を示すグラフである。
【図3】 非晶質母体(Cr15Si85)に対して最高温度約1000Kの焼き鈍し処理を連続6回繰り返したときの比抵抗の変化(比抵抗の温度依存性)を示すグラフである。
【図4】 上記連続6回の焼き鈍し処理において4回目の処理を終えた後のナノクリスタル構造体(Cr15Si85)の電流(I)-抵抗(R)特性を示すグラフである。
【図5】 図4の連続6回の焼き鈍し処理において5回目の処理を終えた時点のナノクリスタル構造体(Cr15Si85)の電流-抵抗特性を示すグラフである。
【図6】 上記連続6回の焼き鈍し処理において6回目の処理を終えた時点のナノクリスタル構造体(Cr15Si85)の電流-抵抗特性を示すグラフである。
【図7】 非晶質母体(Cr15Si85)に焼き鈍し処理(を連続5~8回繰り返したときのパワーファクターの変化を示すグラフである。
【図8】 上記連続6回の焼き鈍し処理を終えた後のナノクリスタル構造体(Cr15Si85)の80.5Kにおける電流-電圧特性(I対V)を示すグラフである。
【図9】 上記連続6回の焼き鈍し処理を終えた後のナノクリスタル構造体(Cr15Si85)の293Kにおける電流-電圧特性(I対V)を示すグラフである。
【図10】 上記連続6回の焼き鈍し処理を終えた後のナノクリスタル構造体(Cr15Si85)の伝導度σ-電力の平方根特性を示すグラフである。
【符号の説明】
10 基板
14 非晶質母体(Cr15Si85
20 チャンバー
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4
【図6】
5
【図7】
6
【図8】
7
【図9】
8
【図10】
9