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明細書 :身体モデル生成方法、身体モデル生成プログラム及びそれを記録した記録媒体、身体モデルデータを記録した記録媒体

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第3860076号 (P3860076)
公開番号 特開2004-013474 (P2004-013474A)
登録日 平成18年9月29日(2006.9.29)
発行日 平成18年12月20日(2006.12.20)
公開日 平成16年1月15日(2004.1.15)
発明の名称または考案の名称 身体モデル生成方法、身体モデル生成プログラム及びそれを記録した記録媒体、身体モデルデータを記録した記録媒体
国際特許分類 G06T   1/00        (2006.01)
G06T  17/40        (2006.01)
FI G06T 1/00 315
G06T 17/40 A
請求項の数または発明の数 15
全頁数 25
出願番号 特願2002-165234 (P2002-165234)
出願日 平成14年6月6日(2002.6.6)
審査請求日 平成16年6月2日(2004.6.2)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】503360115
【氏名又は名称】独立行政法人科学技術振興機構
発明者または考案者 【氏名】中村 仁彦
【氏名】山根 克
【氏名】多谷 浩嗣
個別代理人の代理人 【識別番号】100107010、【弁理士】、【氏名又は名称】橋爪 健
審査官 【審査官】真木 健彦
参考文献・文献 特開平 9-154900(JP,A)
特開2001-286451(JP,A)
調査した分野 G06T 1/00 315
A61B 5/11
A61H 1/02
特許請求の範囲 【請求項1】
標準的な身体の骨格系モデル及び筋・腱・靭帯系モデルを表す標準身体モデルに基づき、他の新たな身体の骨格を表す新骨格系モデルに対して、筋・腱・靭帯系モデルを写像して新身体モデルを作成するための身体モデル生成方法であって、
処理部は、標準身体モデルを、骨格の幾何形状を表現した剛体リンクに関する標準骨格系モデルデータと、筋・腱・靭帯をワイヤ及びワイヤ間に接続されるバーチャルリンクで表したワイヤの始点・終点・経由点及びバーチャルリンクに関する標準筋・腱・靭帯系モデルデータとで定義した標準身体モデルデータを記憶部の標準身体モデルファイルから入力するステップと、
処理部は、新身体モデルの予め測定された又は与えられた新骨格系モデルを、骨格の幾何形状を表現した剛体リンクに関するデータで定義した新骨格系モデルデータを記憶部の新身体モデルファイルから入力するステップと、
処理部は、入力した標準骨格系モデルデータに基づき、各々の剛体リンクに複数の特徴点を入力部により配置する又は自動的に抽出するステップと、
処理部は、入力した新骨格系モデルデータに基づき、各々の剛体リンクに対して、標準骨格系モデルデータの各特徴点に対応する特徴点を、入力部により配置又は自動的に抽出するステップと、
処理部は、求められた標準及び新骨格系モデルデータの特徴点を、それぞれ対応させて特徴点ファイルに記憶するステップと、
処理部は、対応する特徴点同士の距離の和又は2乗和等に応じた値の最適化計算を行い、並進移動、回転移動及びスケーリングを含む変換パラメータを求め、変換パラメータを変換パラメータファイルに記憶するステップと、
処理部は、入力された新骨格系モデルの座標系を、標準骨格系モデルの座標系に合わせて設定するステップと、
処理部は、変換パラメータファイルから読み込んだ変換パラメータに基づき、標準骨格系モデル上のワイヤの始点・終点・経由点の位置及びバーチャルリンクに関する標準筋・腱・靭帯系モデルデータを新骨格系モデル上に写像し、新骨格系モデルの座標系における筋・腱・靭帯の始点・終点・経由点の絶対位置及びバーチャルリンクに関する新筋・腱・靭帯系モデルデータを求め、そのデータを新身体モデルファイルに記憶するステップと、
を含む身体モデル生成方法。
【請求項2】
標準的な身体の骨格系モデル及び筋・腱・靭帯系モデルを表す標準身体モデルに基づき、他の新たな身体の骨格を表す新骨格系モデルに対して、筋・腱・靭帯系モデルを写像して新身体モデルを作成するための身体モデル生成方法であって、
処理部は、標準身体モデルを、骨格の幾何形状を表現した剛体リンクに関する標準骨格系モデルデータと、筋・腱・靭帯をワイヤで表したワイヤの始点・終点・経由点又は始点・終点に関する標準筋・腱・靭帯系モデルデータとで定義した標準身体モデルデータを記憶部の標準身体モデルファイルから入力するステップと、
処理部は、新身体モデルの予め測定された又は与えられた新骨格系モデルを、骨格の幾何形状を表現した剛体リンクに関するデータで定義した新骨格系モデルデータを記憶部の新身体モデルファイルから入力するステップと、
処理部は、入力した標準骨格系モデルデータに基づき、各々の剛体リンクに複数の特徴点を入力部により配置する又は自動的に抽出するステップと、
処理部は、入力した新骨格系モデルデータに基づき、各々の剛体リンクに対して、標準骨格系モデルデータの各特徴点に対応する特徴点を、入力部により配置又は自動的に抽出するステップと、
処理部は、求められた標準及び新骨格系モデルデータの特徴点を、それぞれ対応させて特徴点ファイルに記憶するステップと、
処理部は、対応する特徴点同士の距離の和又は2乗和等に応じた値の最適化計算を行い、並進移動、回転移動及びスケーリングを含む変換パラメータを求め、変換パラメータを変換パラメータファイルに記憶するステップと、
処理部は、入力された新骨格系モデルの座標系を、標準骨格系モデルの座標系に合わせて設定するステップと、
処理部は、変換パラメータファイルから読み込んだ変換パラメータに基づき、標準骨格系モデル上のワイヤの始点・終点・経由点又は始点・終点の位置に関する標準筋・腱・靭帯系モデルデータを新骨格系モデル上に写像し、新骨格系モデルの座標系における筋・腱・靭帯の始点・終点・経由点又は始点・終点の絶対位置に関する新筋・腱・靭帯系モデルデータを求め、そのデータを新身体モデルファイルに記憶するステップと、
を含む身体モデル生成方法。
【請求項3】
処理部が、新骨格系モデルの骨格の幾何形状を表現した剛体リンクに関するデータを測定し、そのデータを新骨格系モデルデータとして記憶部の新身体モデルファイルへ書き込むステップをさらに含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の身体モデル生成方法。
【請求項4】
変換パラメータは、新骨格系モデル座標系Σの原点から標準骨格系モデル座標系Σの原点への位置ベクトル=(sx sy sz、ΣからΣへの回転変換行列をオイラーパラメータで表したe=(e、ΣとΣの座標系のスケール変換に関して、スケール変換の大きさを表わすスケールパラメータs=(sおよびスケール変換の方向を表わす回転変換行列Rをオイラーパラメータで表わしたe=(es0s1 s2 s3を含む、ベクトル () として定義されることを特徴とする請求項1又は2に記載の身体モデル生成方法。
【請求項5】
前記ワイヤ及び/又は前記バーチャルリンクに関するデータは、
(1)一部位を始点と終点のみからなる単純な1本のワイヤで置き換えるモデル(2)一部位を始点と経由点と終点からなる1本のワイヤで置き換えるモデル
(3)一部位を複数のワイヤで置き換えるモデル
(4)一部位をバーチャルリンクと複数のワイヤで置き換えるモデル
(5)複合モデル
のうちいずれかのモデルのデータであることを特徴とする請求項1又は2に記載の身体モデル生成方法。
【請求項6】
前記骨格系モデルデータは、複数自由度の関節を表現するジョイントで複数個が結合されて、骨格を構成する剛体リンクを定義するデータであり、
前記筋・腱・靭帯系モデルデータは、前記剛体リンクで表された骨の所定個所に固定された始点及び終点間を結び、骨に固定された0個以上の滑りを許す経由点を通り、前記剛体リンクの動きに応じて長さと張力が変化し得るように構成されたワイヤと、複数の前記ワイヤの始点又は終点が固定されるように構成されたバーチャルリンクとを表すデータであり、
前記標準身体モデル及び前記新身体モデルは、前記ワイヤ及び前記バーチャルリンクに発生される力及びワイヤの長さと前記剛体リンクの運動とが相互作用するようにしたことを特徴とする請求項1又は2に記載の身体モデル生成方法。
【請求項7】
前記剛体リンクは、形状データ及び力学データで定義され、
前記ワイヤは、端点及び/又は経由点の位置データで定義され、
前記バーチャルリンクは、形状データ及び力学データで定義されること
ことを特徴とする請求項6に記載の身体モデル生成方法。
【請求項8】
標準的な身体の骨格系モデル及び筋・腱・靭帯系モデルを表す標準身体モデルに基づき、他の新たな身体の骨格を表す新骨格系モデルに対して、筋・腱・靭帯系モデルを写像して新身体モデルを作成するための処理をコンピュータに実行させるための身体モデル生成プログラムであって、
処理部は、標準身体モデルを、骨格の幾何形状を表現した剛体リンクに関する標準骨格系モデルデータと、筋・腱・靭帯をワイヤ及びワイヤ間に接続されるバーチャルリンクで表したワイヤの始点・終点・経由点及びバーチャルリンクに関する標準筋・腱・靭帯系モデルデータとで定義した標準身体モデルデータを記憶部の標準身体モデルファイルから入力するステップと、
処理部は、新身体モデルの予め測定された又は与えられた新骨格系モデルを、骨格の幾何形状を表現した剛体リンクに関するデータで定義した新骨格系モデルデータを記憶部の新身体モデルファイルから入力するステップと、
処理部は、入力した標準骨格系モデルデータに基づき、各々の剛体リンクに複数の特徴点を入力部により配置する又は自動的に抽出するステップと、
処理部は、入力した新骨格系モデルデータに基づき、各々の剛体リンクに対して、標準骨格系モデルデータの各特徴点に対応する特徴点を、入力部により配置又は自動的に抽出するステップと、
処理部は、求められた標準及び新骨格系モデルデータの特徴点を、それぞれ対応させて特徴点ファイルに記憶するステップと、
処理部は、対応する特徴点同士の距離の和又は2乗和等に応じた値の最適化計算を行い、並進移動、回転移動及びスケーリングを含む変換パラメータを求め、変換パラメータを変換パラメータファイルに記憶するステップと、
処理部は、入力された新骨格系モデルの座標系を、標準骨格系モデルの座標系に合わせて設定するステップと、
処理部は、変換パラメータファイルから読み込んだ変換パラメータに基づき、標準骨格系モデル上のワイヤの始点・終点・経由点の位置及びバーチャルリンクに関する標準筋・腱・靭帯系モデルデータを新骨格系モデル上に写像し、新骨格系モデルの座標系における筋・腱・靭帯の始点・終点・経由点の絶対位置及びバーチャルリンクに関する新筋・腱・靭帯系モデルデータを求め、そのデータを新身体モデルファイルに記憶するステップと、
をコンピュータに実行させるための身体モデル生成プログラム。
【請求項9】
標準的な身体の骨格系モデル及び筋・腱・靭帯系モデルを表す標準身体モデルに基づき、他の新たな身体の骨格を表す新骨格系モデルに対して、筋・腱・靭帯系モデルを写像して新身体モデルを作成するための処理をコンピュータに実行させるための身体モデル生成プログラムであって、
処理部は、標準身体モデルを、骨格の幾何形状を表現した剛体リンクに関する標準骨格系モデルデータと、筋・腱・靭帯をワイヤで表したワイヤの始点・終点・経由点又は始点・終点に関する標準筋・腱・靭帯系モデルデータとで定義した標準身体モデルデータを記憶部の標準身体モデルファイルから入力するステップと、
処理部は、新身体モデルの予め測定された又は与えられた新骨格系モデルを、骨格の幾何形状を表現した剛体リンクに関するデータで定義した新骨格系モデルデータを記憶部の新身体モデルファイルから入力するステップと、
処理部は、入力した標準骨格系モデルデータに基づき、各々の剛体リンクに複数の特徴点を入力部により配置する又は自動的に抽出するステップと、
処理部は、入力した新骨格系モデルデータに基づき、各々の剛体リンクに対して、標準骨格系モデルデータの各特徴点に対応する特徴点を、入力部により配置又は自動的に抽出するステップと、
処理部は、求められた標準及び新骨格系モデルデータの特徴点を、それぞれ対応させて特徴点ファイルに記憶するステップと、
処理部は、対応する特徴点同士の距離の和又は2乗和等に応じた値の最適化計算を行い、並進移動、回転移動及びスケーリングを含む変換パラメータを求め、変換パラメータを変換パラメータファイルに記憶するステップと、
処理部は、入力された新骨格系モデルの座標系を、標準骨格系モデルの座標系に合わせて設定するステップと、
処理部は、変換パラメータファイルから読み込んだ変換パラメータに基づき、標準骨格系モデル上のワイヤの始点・終点・経由点又は始点・終点の位置に関する標準筋・腱・靭帯系モデルデータを新骨格系モデル上に写像し、新骨格系モデルの座標系における筋・腱・靭帯の始点・終点・経由点又は始点・終点の絶対位置に関する新筋・腱・靭帯系モデルデータを求め、そのデータを新身体モデルファイルに記憶するステップと、
をコンピュータに実行させるための身体モデル生成プログラム。
【請求項10】
標準的な身体の骨格系モデル及び筋・腱・靭帯系モデルを表す標準身体モデルに基づき、他の新たな身体の骨格を表す新骨格系モデルに対して、筋・腱・靭帯系モデルを写像して新身体モデルを作成するための処理をコンピュータに実行させるための身体モデル生成プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体であって、
処理部は、標準身体モデルを、骨格の幾何形状を表現した剛体リンクに関する標準骨格系モデルデータと、筋・腱・靭帯をワイヤ及びワイヤ間に接続されるバーチャルリンクで表したワイヤの始点・終点・経由点及びバーチャルリンクに関する標準筋・腱・靭帯系モデルデータとで定義した標準身体モデルデータを記憶部の標準身体モデルファイルから入力するステップと、
処理部は、新身体モデルの予め測定された又は与えられた新骨格系モデルを、骨格の幾何形状を表現した剛体リンクに関するデータで定義した新骨格系モデルデータを記憶部の新身体モデルファイルから入力するステップと、
処理部は、入力した標準骨格系モデルデータに基づき、各々の剛体リンクに複数の特徴点を入力部により配置する又は自動的に抽出するステップと、
処理部は、入力した新骨格系モデルデータに基づき、各々の剛体リンクに対して、標準骨格系モデルデータの各特徴点に対応する特徴点を、入力部により配置又は自動的に抽出するステップと、
処理部は、求められた標準及び新骨格系モデルデータの特徴点を、それぞれ対応させて特徴点ファイルに記憶するステップと、
処理部は、対応する特徴点同士の距離の和又は2乗和等に応じた値の最適化計算を行い、並進移動、回転移動及びスケーリングを含む変換パラメータを求め、変換パラメータを変換パラメータファイルに記憶するステップと、
処理部は、入力された新骨格系モデルの座標系を、標準骨格系モデルの座標系に合わせて設定するステップと、
処理部は、変換パラメータファイルから読み込んだ変換パラメータに基づき、標準骨格系モデル上のワイヤの始点・終点・経由点の位置及びバーチャルリンクに関する標準筋・腱・靭帯系モデルデータを新骨格系モデル上に写像し、新骨格系モデルの座標系における筋・腱・靭帯の始点・終点・経由点の絶対位置及びバーチャルリンクに関する新筋・腱・靭帯系モデルデータを求め、そのデータを新身体モデルファイルに記憶するステップと、
をコンピュータに実行させるための身体モデル生成プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【請求項11】
標準的な身体の骨格系モデル及び筋・腱・靭帯系モデルを表す標準身体モデルに基づき、他の新たな身体の骨格を表す新骨格系モデルに対して、筋・腱・靭帯系モデルを写像して新身体モデルを作成するための処理をコンピュータに実行させるための身体モデル生成プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体であって、
処理部は、標準身体モデルを、骨格の幾何形状を表現した剛体リンクに関する標準骨格系モデルデータと、筋・腱・靭帯をワイヤで表したワイヤの始点・終点・経由点又は始点・終点に関する標準筋・腱・靭帯系モデルデータとで定義した標準身体モデルデータを記憶部の標準身体モデルファイルから入力するステップと、
処理部は、新身体モデルの予め測定された又は与えられた新骨格系モデルを、骨格の幾何形状を表現した剛体リンクに関するデータで定義した新骨格系モデルデータを記憶部の新身体モデルファイルから入力するステップと、
処理部は、入力した標準骨格系モデルデータに基づき、各々の剛体リンクに複数の特徴点を入力部により配置する又は自動的に抽出するステップと、
処理部は、入力した新骨格系モデルデータに基づき、各々の剛体リンクに対して、標準骨格系モデルデータの各特徴点に対応する特徴点を、入力部により配置又は自動的に抽出するステップと、
処理部は、求められた標準及び新骨格系モデルデータの特徴点を、それぞれ対応させて特徴点ファイルに記憶するステップと、
処理部は、対応する特徴点同士の距離の和又は2乗和等に応じた値の最適化計算を行い、並進移動、回転移動及びスケーリングを含む変換パラメータを求め、変換パラメータを変換パラメータファイルに記憶するステップと、
処理部は、入力された新骨格系モデルの座標系を、標準骨格系モデルの座標系に合わせて設定するステップと、
処理部は、変換パラメータファイルから読み込んだ変換パラメータに基づき、標準骨格系モデル上のワイヤの始点・終点・経由点又は始点・終点の位置に関する標準筋・腱・靭帯系モデルデータを新骨格系モデル上に写像し、新骨格系モデルの座標系における筋・腱・靭帯の始点・終点・経由点又は始点・終点の絶対位置に関する新筋・腱・靭帯系モデルデータを求め、そのデータを新身体モデルファイルに記憶するステップと、
をコンピュータに実行させるための身体モデル生成プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【請求項12】
標準的な身体の骨格系モデル及び筋・腱・靭帯系モデルを表す標準身体モデルに基づき、他の新たな身体の骨格を表す新骨格系モデルに対して、筋・腱・靭帯系モデルを写像して新身体モデルを作成するための標準身体モデルデータを記憶したコンピュータ読み取り可能な記録媒体において、
骨格の幾何形状を表現した剛体リンクに関する標準骨格モデルデータ構造と、筋・腱・靭帯をワイヤ及びワイヤ間に接続されるバーチャルリンクで表したワイヤの始点・終点・経由点及びバーチャルリンクに関する標準筋・腱・靭帯系モデルデータ構造と
を有する標準身体モデルを定義するための前記標準身体モデルデータを記憶したコンピュータ読み取り可能な記録媒体であって、
処理部により、(a)標準骨格系モデルデータの各々の剛体リンクの特徴点と、新身体モデルの剛体リンクに関するデータで定義した新骨格系モデルデータの対応する特徴点との間の距離の和又は2乗和等に応じた値の最適化計算を行い、並進移動、回転移動及びスケーリングを含む変換パラメータを求め、(b)求められた変換パラメータに基づき、入力された新骨格系モデルの座標系を、標準骨格系モデルの座標系に合わせて設定し、標準骨格系モデル上のワイヤの始点・終点・経由点の位置及びバーチャルリンクに関する標準筋・腱・靭帯系モデルデータを新骨格系モデル上に写像し、新骨格系モデルの座標系における筋・腱・靭帯の始点・終点・経由点及びバーチャルリンクに関する新筋・腱・靭帯系モデルデータを求めるための、前記標準身体モデルデータを記憶したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【請求項13】
標準的な身体の骨格系モデル及び筋・腱・靭帯系モデルを表す標準身体モデルに基づき、他の新たな身体の骨格を表す新骨格系モデルに対して、筋・腱・靭帯系モデルを写像して新身体モデルを作成するための標準身体モデルデータを記憶したコンピュータ読み取り可能な記録媒体において、
骨格の幾何形状を表現した剛体リンクに関する標準骨格モデルデータ構造と、筋・腱・靭帯をワイヤで表したワイヤの始点・終点・経由点又は始点・終点に関する標準筋・腱・靭帯系モデルデータ構造と
を有する標準身体モデルを定義するための前記標準身体モデルデータを記憶したコンピュータ読み取り可能な記録媒体であって、
処理部により、(a)標準骨格系モデルデータの各々の剛体リンクの特徴点と、新身体モデルの剛体リンクに関するデータで定義した新骨格系モデルデータの対応する特徴点との間の距離の和又は2乗和等に応じた値の最適化計算を行い、並進移動、回転移動及びスケーリングを含む変換パラメータを求め、(b)求められた変換パラメータに基づき、入力された新骨格系モデルの座標系を、標準骨格系モデルの座標系に合わせて設定し、標準骨格系モデル上のワイヤの始点・終点・経由点又は始点・終点の位置に関する標準筋・腱・靭帯系モデルデータを新骨格系モデル上に写像し、新骨格系モデルの座標系における筋・腱・靭帯の始点・終点・経由点又は始点・終点に関する新筋・腱・靭帯系モデルデータを求めるための、前記標準身体モデルデータを記憶したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【請求項14】
標準的な身体の骨格系モデル及び筋・腱・靭帯系モデルを表す標準身体モデルに基づき、他の新たな身体の骨格を表す新骨格系モデルに対して、筋・腱・靭帯系モデルを写像して作成された新身体モデルデータを記憶したコンピュータ読み取り可能な記録媒体において、
骨格の幾何形状を表現した剛体リンクに関する標準骨格モデルデータ構造と、筋・腱・靭帯をワイヤ及びワイヤ間に接続されるバーチャルリンクで表したワイヤの始点・終点・経由点及びバーチャルリンクに関する新筋・腱・靭帯系モデルデータ構造と
を有する新身体モデルを定義するための新身体モデルデータを記憶したコンピュータ読み取り可能な記録媒体であって、
前記標準身体モデルデータは、骨格の幾何形状を表現した剛体リンクに関する標準骨格モデルデータ、筋・腱・靭帯をワイヤ及びワイヤ間に接続されるバーチャルリンクで表したワイヤの始点・終点・経由点及びバーチャルリンクに関する標準筋・腱・靭帯系モデルデータで、標準身体モデルを定義しており、
処理部により、(a)標準骨格系モデルデータの各々の剛体リンクの特徴点と、新身体モデルの剛体リンクに関するデータで定義した新骨格系モデルデータの対応する特徴点との間の距離の和又は2乗和等に応じた値の最適化計算を行い、並進移動、回転移動及びスケーリングを含む変換パラメータを求め、(b)求められた変換パラメータに基づき、入力された新骨格系モデルの座標系を、標準骨格系モデルの座標系に合わせて設定し、標準骨格系モデル上のワイヤの始点・終点・経由点の位置及びバーチャルリンクに関する標準筋・腱・靭帯系モデルデータを新骨格系モデル上に写像し、新骨格系モデルの座標系における筋・腱・靭帯の始点・終点・経由点及びバーチャルリンクに関する新筋・腱・靭帯系モデルデータを求めることにより生成された、前記新身体モデルデータを記憶したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【請求項15】
標準的な身体の骨格系モデル及び筋・腱・靭帯系モデルを表す標準身体モデルに基づき、他の新たな身体の骨格を表す新骨格系モデルに対して、筋・腱・靭帯系モデルを写像して作成された新身体モデルデータを記憶したコンピュータ読み取り可能な記録媒体において、
骨格の幾何形状を表現した剛体リンクに関する標準骨格モデルデータ構造と、筋・腱・靭帯をワイヤで表したワイヤの始点・終点・経由点又は始点・終点に関する新筋・腱・靭帯系モデルデータ構造と
を有する新身体モデルを定義するための新身体モデルデータを記憶したコンピュータ読み取り可能な記録媒体であって、
前記標準身体モデルデータは、骨格の幾何形状を表現した剛体リンクに関する標準骨格モデルデータ、筋・腱・靭帯をワイヤで表したワイヤの始点・終点・経由点又は始点・終点に関する標準筋・腱・靭帯系モデルデータで、標準身体モデルを定義しており、
処理部により、(a)標準骨格系モデルデータの各々の剛体リンクの特徴点と、新身体モデルの剛体リンクに関するデータで定義した新骨格系モデルデータの対応する特徴点との間の距離の和又は2乗和等に応じた値の最適化計算を行い、並進移動、回転移動及びスケーリングを含む変換パラメータを求め、(b)求められた変換パラメータに基づき、入力された新骨格系モデルの座標系を、標準骨格系モデルの座標系に合わせて設定し、標準骨格系モデル上のワイヤの始点・終点・経由点又は始点・終点の位置に関する標準筋・腱・靭帯系モデルデータを新骨格系モデル上に写像し、新骨格系モデルの座標系における筋・腱・靭帯の始点・終点・経由点又は始点・終点に関する新筋・腱・靭帯系モデルデータを求めることにより生成された、前記新身体モデルデータを記憶したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、身体モデル生成方法、身体モデル生成プログラム及びそれを記録した記録媒体、身体モデルデータを記録した記録媒体に係る。本発明は、例えば、人体又は生体等の身体モデル生成システム、人体又は生体等の身体モデルデータベース等の分野に適用することができる。
【0002】
【従来の技術】
認知科学や医学分野では、人体の精密なモデルに基づく運動学・動力学的な解析の必要性が高まっている。例えば認知科学において脳の情報処理に関する研究を行うためには、関節にかかる力、筋肉や靱帯が発生する力など人間の身体性に近い情報が必要となる。また整形外科では、運動機能が最もよく回復できる手術法の定量的なプランニングが課題となっており、これを行うためには筋肉や骨の形状に基づく精密な解析・シミュレーションが必要となる。このような計算を行うためには筋・腱・靱帯を含む詳細な人体モデルが多数の被験者について必要となるが、一人あたりの筋・腱・靱帯の数は一般に数百にのぼり、データ作成に多大な労力が必要である。本発明は、詳細モデル作成を省力化するため、骨の幾何モデルに標準的な詳細モデルの筋・腱・靱帯情報を写像する技術である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
従来より、MRI/CTなどの医療データから骨・筋・腱・靭帯を含む人体の精密なモデルを構築する方法は提案されているが、そのようなモデルは一般に数百もの筋・腱・靭帯を含むので、データ作成に多大な時間と労力が必要になり、複数の被験者のモデルを作成するのは非現実的である。
【0004】
本発明は、以上の点に鑑み、新たな骨格の幾何モデルが与えられたときに、予め定義された標準的な身体を表す標準身体モデルとの間の写像を求めることにより、新しい身体モデルを自動生成するための、身体モデル生成方法、身体モデル生成プログラム及びそれを記録した記録媒体、身体モデルデータを記録した記録媒体を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明の第1の解決手段によると、
標準的な身体の骨格系モデル及び筋・腱・靭帯系モデルを表す標準身体モデルに基づき、他の新たな身体の骨格を表す新骨格系モデルに対して、筋・腱・靭帯系モデルを写像して新身体モデルを作成するための処理をコンピュータに実行させるための身体モデル生成プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体であって、
処理部は、標準身体モデルを、骨格の幾何形状を表現した剛体リンクに関する標準骨格系モデルデータと、筋・腱・靭帯をワイヤ及びワイヤ間に接続されるバーチャルリンクで表したワイヤの始点・終点・経由点及びバーチャルリンクに関する標準筋・腱・靭帯系モデルデータとで定義した標準身体モデルデータを記憶部の標準身体モデルファイルから入力するステップと、
処理部は、新身体モデルの予め測定された又は与えられた新骨格系モデルを、骨格の幾何形状を表現した剛体リンクに関するデータで定義した新骨格系モデルデータを記憶部の新身体モデルファイルから入力するステップと、
処理部は、入力した標準骨格系モデルデータに基づき、各々の剛体リンクに複数の特徴点を入力部により配置する又は自動的に抽出するステップと、
処理部は、入力した新骨格系モデルデータに基づき、各々の剛体リンクに対して、標準骨格系モデルデータの各特徴点に対応する特徴点を、入力部により配置又は自動的に抽出するステップと、
処理部は、求められた標準及び新骨格系モデルデータの特徴点を、それぞれ対応させて特徴点ファイルに記憶するステップと、
処理部は、対応する特徴点同士の距離の和又は2乗和等に応じた値の最適化計算を行い、並進移動、回転移動及びスケーリングを含む変換パラメータを求め、変換パラメータを変換パラメータファイルに記憶するステップと、
処理部は、入力された新骨格系モデルの座標系を、標準骨格系モデルの座標系に合わせて設定するステップと、
処理部は、変換パラメータファイルから読み込んだ変換パラメータに基づき、標準骨格系モデル上のワイヤの始点・終点・経由点の位置及びバーチャルリンクに関する標準筋・腱・靭帯系モデルデータを新骨格系モデル上に写像し、新骨格系モデルの座標系における筋・腱・靭帯の始点・終点・経由点の絶対位置及びバーチャルリンクに関する新筋・腱・靭帯系モデルデータを求め、そのデータを新身体モデルファイルに記憶するステップと、
を含む身体モデル生成方法、これらの各処理をコンピュータに実行させるための身体モデル生成プログラム及びそれを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体が提供される。
【0006】
本発明の第2の解決手段によると、
標準的な身体の骨格系モデル及び筋・腱・靭帯系モデルを表す標準身体モデルに基づき、他の新たな身体の骨格を表す新骨格系モデルに対して、筋・腱・靭帯系モデルを写像して新身体モデルを作成するための処理をコンピュータに実行させるための身体モデル生成プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体であって、
処理部は、標準身体モデルを、骨格の幾何形状を表現した剛体リンクに関する標準骨格系モデルデータと、筋・腱・靭帯をワイヤで表したワイヤの始点・終点・経由点又は始点・終点に関する標準筋・腱・靭帯系モデルデータとで定義した標準身体モデルデータを記憶部の標準身体モデルファイルから入力するステップと、
処理部は、新身体モデルの予め測定された又は与えられた新骨格系モデルを、骨格の幾何形状を表現した剛体リンクに関するデータで定義した新骨格系モデルデータを記憶部の新身体モデルファイルから入力するステップと、
処理部は、入力した標準骨格系モデルデータに基づき、各々の剛体リンクに複数の特徴点を入力部により配置する又は自動的に抽出するステップと、
処理部は、入力した新骨格系モデルデータに基づき、各々の剛体リンクに対して、標準骨格系モデルデータの各特徴点に対応する特徴点を、入力部により配置又は自動的に抽出するステップと、
処理部は、求められた標準及び新骨格系モデルデータの特徴点を、それぞれ対応させて特徴点ファイルに記憶するステップと、
処理部は、対応する特徴点同士の距離の和又は2乗和等に応じた値の最適化計算を行い、並進移動、回転移動及びスケーリングを含む変換パラメータを求め、変換パラメータを変換パラメータファイルに記憶するステップと、
処理部は、入力された新骨格系モデルの座標系を、標準骨格系モデルの座標系に合わせて設定するステップと、
処理部は、変換パラメータファイルから読み込んだ変換パラメータに基づき、標準骨格系モデル上のワイヤの始点・終点・経由点又は始点・終点の位置に関する標準筋・腱・靭帯系モデルデータを新骨格系モデル上に写像し、新骨格系モデルの座標系における筋・腱・靭帯の始点・終点・経由点又は始点・終点の絶対位置に関する新筋・腱・靭帯系モデルデータを求め、そのデータを新身体モデルファイルに記憶するステップと、
を含む身体モデル生成方法、これらの各処理をコンピュータに実行させるための身体モデル生成プログラム及びそれを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体が提供される。
【0007】
本発明の第3の解決手段によると、
標準的な身体の骨格系モデル及び筋・腱・靭帯系モデルを表す標準身体モデルに基づき、他の新たな身体の骨格を表す新骨格系モデルに対して、筋・腱・靭帯系モデルを写像して新身体モデルを作成するための標準身体モデルデータを記憶したコンピュータ読み取り可能な記録媒体において、
骨格の幾何形状を表現した剛体リンクに関する標準骨格モデルデータ構造と、筋・腱・靭帯をワイヤ及びワイヤ間に接続されるバーチャルリンクで表したワイヤの始点・終点・経由点及びバーチャルリンクに関する標準筋・腱・靭帯系モデルデータ構造と
を有する標準身体モデルを定義するための前記標準身体モデルデータを記憶したコンピュータ読み取り可能な記録媒体であって、
処理部により、(a)標準骨格系モデルデータの各々の剛体リンクの特徴点と、新身体モデルの剛体リンクに関するデータで定義した新骨格系モデルデータの対応する特徴点との間の距離の和又は2乗和等に応じた値の最適化計算を行い、並進移動、回転移動及びスケーリングを含む変換パラメータを求め、(b)求められた変換パラメータに基づき、入力された新骨格系モデルの座標系を、標準骨格系モデルの座標系に合わせて設定し、標準骨格系モデル上のワイヤの始点・終点・経由点の位置及びバーチャルリンクに関する標準筋・腱・靭帯系モデルデータを新骨格系モデル上に写像し、新骨格系モデルの座標系における筋・腱・靭帯の始点・終点・経由点及びバーチャルリンクに関する新筋・腱・靭帯系モデルデータを求めるための、前記標準身体モデルデータを記憶したコンピュータ読み取り可能な記録媒体が提供される。
【0008】
本発明の第4の解決手段によると、
標準的な身体の骨格系モデル及び筋・腱・靭帯系モデルを表す標準身体モデルに基づき、他の新たな身体の骨格を表す新骨格系モデルに対して、筋・腱・靭帯系モデルを写像して新身体モデルを作成するための標準身体モデルデータを記憶したコンピュータ読み取り可能な記録媒体において、
骨格の幾何形状を表現した剛体リンクに関する標準骨格モデルデータ構造と、筋・腱・靭帯をワイヤで表したワイヤの始点・終点・経由点又は始点・終点に関する標準筋・腱・靭帯系モデルデータ構造と
を有する標準身体モデルを定義するための前記標準身体モデルデータを記憶したコンピュータ読み取り可能な記録媒体であって、
処理部により、(a)標準骨格系モデルデータの各々の剛体リンクの特徴点と、新身体モデルの剛体リンクに関するデータで定義した新骨格系モデルデータの対応する特徴点との間の距離の和又は2乗和等に応じた値の最適化計算を行い、並進移動、回転移動及びスケーリングを含む変換パラメータを求め、(b)求められた変換パラメータに基づき、入力された新骨格系モデルの座標系を、標準骨格系モデルの座標系に合わせて設定し、標準骨格系モデル上のワイヤの始点・終点・経由点又は始点・終点の位置に関する標準筋・腱・靭帯系モデルデータを新骨格系モデル上に写像し、新骨格系モデルの座標系における筋・腱・靭帯の始点・終点・経由点又は始点・終点に関する新筋・腱・靭帯系モデルデータを求めるための、前記標準身体モデルデータを記憶したコンピュータ読み取り可能な記録媒体が提供される。
【0009】
本発明の第5の解決手段によると、
標準的な身体の骨格系モデル及び筋・腱・靭帯系モデルを表す標準身体モデルに基づき、他の新たな身体の骨格を表す新骨格系モデルに対して、筋・腱・靭帯系モデルを写像して作成された新身体モデルデータを記憶したコンピュータ読み取り可能な記録媒体において、
骨格の幾何形状を表現した剛体リンクに関する標準骨格モデルデータ構造と、筋・腱・靭帯をワイヤ及びワイヤ間に接続されるバーチャルリンクで表したワイヤの始点・終点・経由点及びバーチャルリンクに関する新筋・腱・靭帯系モデルデータ構造と
を有する新身体モデルを定義するための新身体モデルデータを記憶したコンピュータ読み取り可能な記録媒体であって、
前記標準身体モデルデータは、骨格の幾何形状を表現した剛体リンクに関する標準骨格モデルデータ、筋・腱・靭帯をワイヤ及びワイヤ間に接続されるバーチャルリンクで表したワイヤの始点・終点・経由点及びバーチャルリンクに関する標準筋・腱・靭帯系モデルデータで、標準身体モデルを定義しており、
処理部により、(a)標準骨格系モデルデータの各々の剛体リンクの特徴点と、新身体モデルの剛体リンクに関するデータで定義した新骨格系モデルデータの対応する特徴点との間の距離の和又は2乗和等に応じた値の最適化計算を行い、並進移動、回転移動及びスケーリングを含む変換パラメータを求め、(b)求められた変換パラメータに基づき、入力された新骨格系モデルの座標系を、標準骨格系モデルの座標系に合わせて設定し、標準骨格系モデル上のワイヤの始点・終点・経由点の位置及びバーチャルリンクに関する標準筋・腱・靭帯系モデルデータを新骨格系モデル上に写像し、新骨格系モデルの座標系における筋・腱・靭帯の始点・終点・経由点及びバーチャルリンクに関する新筋・腱・靭帯系モデルデータを求めることにより生成された、前記新身体モデルデータを記憶したコンピュータ読み取り可能な記録媒体が提供される。
【0010】
本発明の第6の解決手段によると、
標準的な身体の骨格系モデル及び筋・腱・靭帯系モデルを表す標準身体モデルに基づき、他の新たな身体の骨格を表す新骨格系モデルに対して、筋・腱・靭帯系モデルを写像して作成された新身体モデルデータを記憶したコンピュータ読み取り可能な記録媒体において、
骨格の幾何形状を表現した剛体リンクに関する標準骨格モデルデータ構造と、筋・腱・靭帯をワイヤで表したワイヤの始点・終点・経由点又は始点・終点に関する新筋・腱・靭帯系モデルデータ構造と
を有する新身体モデルを定義するための新身体モデルデータを記憶したコンピュータ読み取り可能な記録媒体であって、
前記標準身体モデルデータは、骨格の幾何形状を表現した剛体リンクに関する標準骨格モデルデータ、筋・腱・靭帯をワイヤで表したワイヤの始点・終点・経由点又は始点・終点に関する標準筋・腱・靭帯系モデルデータで、標準身体モデルを定義しており、
処理部により、(a)標準骨格系モデルデータの各々の剛体リンクの特徴点と、新身体モデルの剛体リンクに関するデータで定義した新骨格系モデルデータの対応する特徴点との間の距離の和又は2乗和等に応じた値の最適化計算を行い、並進移動、回転移動及びスケーリングを含む変換パラメータを求め、(b)求められた変換パラメータに基づき、入力された新骨格系モデルの座標系を、標準骨格系モデルの座標系に合わせて設定し、標準骨格系モデル上のワイヤの始点・終点・経由点又は始点・終点の位置に関する標準筋・腱・靭帯系モデルデータを新骨格系モデル上に写像し、新骨格系モデルの座標系における筋・腱・靭帯の始点・終点・経由点又は始点・終点に関する新筋・腱・靭帯系モデルデータを求めることにより生成された、前記新身体モデルデータを記憶したコンピュータ読み取り可能な記録媒体が提供される。
【0011】
【発明の実施の形態】
1.身体モデル生成の概要
図1に、身体の筋・腱・靭帯系モデルの写像についての概観説明図を示す。この図は、本発明を用い、MRI/CT画像から取得した三次元骨格系モデルに対して、筋・腱・靱帯の幾何情報を写像する構成例である。本発明の計算エンジンは、新しい骨格系モデルと標準身体詳細モデルの骨格系モデルとを比較することにより、新しい骨格系モデルにおける筋・腱・靱帯の幾何情報を計算し、独自の身体詳細モデルを作成する。
【0012】
ここで標準身体詳細モデル(標準身体モデル)とは、予め用意された標準的な身体モデルを表すもので、その身体について、骨格系モデルを表す骨格系モデルデータと、その骨格系モデルにおける筋・腱・靭帯とを表す筋・腱・靭帯系モデルデータを含む。
【0013】
計算エンジン(処理部)は、骨格系上に配置された、または自動的に抽出された特徴点を利用して、標準身体詳細モデルにおける骨格系モデルと、新たに身体詳細モデルを生成しようとしている骨格系モデルを最もよく重ねる変換パラメータを算出する。計算エンジンは、さらに、算出された変換パラメータを用いて、標準身体詳細モデルにおける筋・腱・靱帯の幾何情報を新しい身体モデル上に配置し、新たな身体詳細モデルを生成する。
【0014】
このような計算エンジンによると、標準身体詳細モデルと新しい骨格モデルに対し数個の特徴点を手動で与えるか、または自動的に抽出するだけで、標準身体詳細モデル上の筋・腱・靱帯の幾何情報を新しい骨格モデル上に写像できる。これにより新たな身体詳細モデルを作成するための作業が、数百にもおよぶ筋・腱・靭帯を手動で付加する場合に比べてはるかに省力化され、個人に応じた身体詳細データに基づく運動学・力学的な解析が可能となる。
【0015】
図2に、ワイヤ/バーチャルリンクによる筋・腱・靱帯のモデリングの説明図を示す。本発明では、図示のような模式図の人間の筋・腱・靱帯の力学モデルを身体詳細モデルとして採用する。ここで、人体詳細モデルとは骨格系の三次元形状データに対して筋・腱・靭帯のデータを付加したモデルを指す。筋・腱・靱帯・軟骨要素は一般に骨に固定された始点・終点および0個以上の経由点を通るワイヤとしてモデル化される。また、2個以上の端点を持つ筋・靭帯については、バーチャルリンクと呼ばれる仮想的なリンクを置くことでモデル化する。
【0016】
既に用意されている身体詳細モデルを標準身体詳細モデル(標準身体モデル)と呼ぶ。本発明では、新たに身体詳細モデルを作成しようとしたとき、未だ筋・腱・靭帯が定議されていない新たな身体詳細モデル(新身体モデル)の新しい骨格系モデル(新骨格系モデル)に対して、標準身体モデルにおける座標系と筋・腱・靱帯の幾何情報を写像する機能を提供する。例えば、標準身体モデルの標準骨格系モデルと新身体モデル新骨格系モデルという異なる骨格での対応点を求め、および、筋・腱・靭帯の結合モデルを標準骨格系モデルから新骨格系モデルへ写像して変換する。
【0017】
2.ハードウェア
図3は、本実施の形態に関するハードウェアの構成図である。
このハードウェアは、中央処理装置(CPU)である処理部1、入力部2、出力部3、表示部4及び記憶部5を有する。また、処理部1、入力部2、出力部3、表示部4及び記憶部5は、スター又はバス等の適宜の接続手段で接続されている。
【0018】
記憶部5は、標準身体モデルファイル51、新身体モデルファイル52、特徴点ファイル53、変換パラメータファイル54、を含む。なお、剛体リンクは、骨格を表現するものであり、また、ワイヤ/バーチャルリンクは、筋・腱・靭帯を表現するものである。
【0019】
標準身体モデルファイル51は、標準的な身体の骨格系モデル及び筋・腱・靭帯系モデルを表す標準身体モデルについての標準モデルデータを記憶する。標準身体モデルデータは、骨格の幾何形状を表現した剛体リンクに関する標準骨格モデルデータ、筋・腱・靭帯をワイヤ及びワイヤ間に接続されるバーチャルリンクで表したワイヤの始点・終点・経由点及びバーチャルリンクに関する標準筋・腱・靭帯系モデルデータで、標準身体モデルを定義している。新身体モデルファイル52は、骨格の幾何形状を表現した剛体リンクに関する標準骨格モデルデータ、筋・腱・靭帯をワイヤ及びワイヤ間に接続されるバーチャルリンクで表したワイヤの始点・終点・経由点及びバーチャルリンクに関する新筋・腱・靭帯系モデルデータで定義された新身体モデルデータを記憶する。
【0020】
また、特徴点ファイル53は、標準骨格系モデルデータの各剛体リンクの特徴点と、新身体モデルの剛体リンクに関するデータで定義した新骨格系モデルデータの対応する特徴点とを対応して記憶する。変換パラメータファイル54は、標準骨格系モデル上のワイヤの始点・終点・経由点の位置及びバーチャルリンクに関する標準筋・腱・靭帯系モデルデータを新骨格系モデル上に写像するための、並進移動、回転移動及びスケーリングを含む変換パラメータを記憶する。
【0021】
3.身体モデル生成処理
図4に身体モデル生成方法のフローチャートを示す。
概略的には以下の2つの処理を行う。
・ 新骨格系モデルの座標系設定
力学計算では座標系の置き方に制限があることが多い。入力された新骨格系モデルの座標系を、標準身体詳細モデルの座標系に合わせて配置する。
・ ワイヤの始点、終点及び経由点の位置計算・設定
標準身体詳細モデルにある筋・腱・靭帯の始点、終点及び経由点の位置を新骨格系モデルに写像し、新しい詳細モデルを完成させる。
【0022】
具体的手順は以下の通りである。
処理部は、標準身体モデルを、骨格の幾何形状を表現した剛体リンクに関する標準骨格系モデルデータと、筋・腱・靭帯をワイヤ及びワイヤ間に接続されるバーチャルリンクで表したワイヤの始点・終点・経由点及びバーチャルリンクに関する標準筋・腱・靭帯系モデルデータとで定義した予め与えられた標準身体モデルデータを記憶部の標準身体ファイルから入力する(S101)。処理部は、新身体モデルの予め測定された又は与えられた新骨格系モデルを、骨格の幾何形状を表現した剛体リンクに関するデータで定義した新骨格系モデルデータを記憶部の新身体モデルファイルから入力する(S103)。つぎに、処理部は、入力した標準骨格系モデルデータに基づき、各々の剛体リンクに複数の特徴点を入力部により配置する又は自動的に抽出する(S105)。また、処理部は、入力した新骨格系モデルデータに基づき、各々の剛体リンクに対して、標準骨格系モデルデータの各特徴点に対応する特徴点を、入力部により配置又は自動的に抽出し(S107)、求められた標準及び新骨格系モデルデータの特徴点を、それぞれ対応させて特徴点ファイルに記憶する。
【0023】
ここで、特徴点を入力部により配置する場合は、例えば、表示部に表示された標準及び新骨格系モデルを見ながら、操作者が入力部のマウス、タッチペン等のポインティングデバイスなどの入力手段によりその画面上に特徴点や対応する特徴点を適宜設定する。また、特徴点を自動的に抽出する場合は、処理部が、剛体リンクデータの大きさ、配置、向き、重心位置等の予め定められた情報に従い、所定の数の点を適宜選択する。新骨格系モデルに対応する特徴点を抽出する際も、標準骨格系モデルで抽出した手法により、剛体リンクデータの大きさ、配置、向き、重心位置等の予め定められた情報に従い、所定の数の点を適宜抽出することができる。なお、標準又は新骨格系モデルデータの特徴点の一方を手動で配置し、他方を自動的に抽出するようにしてもよい。
【0024】
処理部は、対応する特徴点同士の距離の和又は2乗和等に応じた値の最適化計算を行い、並進移動、回転移動及びスケーリングを含む変換パラメータを求め、求められた変換パラメータを変換パラメータファイルに記憶する(S109)。つぎに、処理部は、入力された新骨格系モデルの座標系を、標準骨格系モデルの座標系に合わせて設定する(S111)。さらに、処理部は、変換パラメータファイルから読み込んだ変換パラメータに基づき、標準骨格系モデル上のワイヤの始点・終点・経由点の位置及びバーチャルリンクに関する標準筋・腱・靭帯系モデルデータを新骨格系モデル上に写像し、新骨格系モデルの座標系における筋・腱・靭帯の始点・終点・経由点の絶対位置及びバーチャルリンクに関する新筋・腱・靭帯系モデルデータを求め、そのデータを新身体モデルファイルに記憶する(S113)。
【0025】
なお、ステップS103の処理中又は処理前に、処理部が、新骨格系モデルの骨格の幾何形状を表現した剛体リンクに関するデータを測定し、そのデータを新骨格系モデルデータとして記憶部の新身体モデルファイルへ書き込むステップをさらに含むことができる。また、本実施の形態は、経由点のない始点・終点のみのワイヤモデルやバーチャルリンクのないモデルとも適用できる。
【0026】
以上述べたステップS101~S107は前処理として手動または自動的に行われる処理である。以下ではステップS109~S113の詳細処理を示す。
(ステップS109:最適化計算)
【0027】
図5に、標準身体モデル(下)から新身体モデル(上)への写像についての説明図を示す。
最適化の評価関数Jは例えば、標準骨格系モデルと新骨格系モデルの対応する特徴点間の距離の2乗和であり、次式で表される。
【0028】
【数1】
JP0003860076B2_000002t.gif
【0029】
ここでは新骨格系モデル座標系Σから見た標準骨格系の特徴点iの位置ベクトル、は新骨格系モデル座標系Σから見た新骨格系の特徴点iの位置である。また、標準骨格系モデル座標系Σから見た標準骨格系の特徴点iの位置ベクトルを=(ix iy izとする。は定数である。
【0030】
最適化のパラメータyは、例えば、新骨格系モデル座標系Σの原点から標準骨格系モデル座標系Σの原点への位置ベクトル=(sx sysz、ΣからΣへの回転変換行列をオイラーパラメータで表したe=(e、ΣとΣの座標系のスケール変換に関して、スケール変換の大きさを表わすスケールパラメータs=(sおよびスケール変換の方向を表わす回転変換行列Rをオイラーパラメータで表わしたe=(es0s1 s2 s3の計14変数を並べたベクトルとして定義される。
y=(
【0031】
s、s、sを用いて以下のように表される。
×
ここで×にスケールをかけたベクトルで、次式のように表される。
【0032】
【数2】
JP0003860076B2_000003t.gif
【0033】
[数1]の評価関数Jを最適化する方法には、例えば、評価関数のこう配を用いる山昇り法、遺伝的アルゴリズム、ランダム探捜法、ニューラルネットワーク等の標準的な最適化法を適用できる。以下ではその一例として山昇り方の計算例を示す。
各特徴点に関する評価関数Jのパラメータyに関する偏微分をとると、が定数であることから次式のようになる。
【0034】
【数3】
JP0003860076B2_000004t.gif
【0035】
以下右辺第2項の計算法を示す。まずyのうちに関する偏微分に対応する3×3行列は単位行列Iとなる。
次にeに関する偏微分に対応する3×4行列は以下のように計算する。はオイラーパラメータeを用いて
【0036】
【数4】
JP0003860076B2_000005t.gif
【0037】
と表されるから、そのeに関する偏微分は3×4×3のテンソルになり、その一要素を丸括弧()で囲んだ3変数ベクトルで表すと次のように書ける。
【0038】
【数5】
JP0003860076B2_000006t.gif
【0039】
この各テンソル要素と×との内積を計算した結果を要素とする3×4行列E=E’・×
がeに関する偏微分となる。
次に、sに関する偏微分は、
【0040】
【数6】
JP0003860076B2_000007t.gif
【0041】
と計算できる。またeに関する偏微分は次のようになる。
【0042】
【数7】
JP0003860076B2_000008t.gif
【0043】
以上をまとめて次式のように表される。
【0044】
【数8】
JP0003860076B2_000009t.gif
【0045】
以上より得られる
【0046】
【数9】
JP0003860076B2_000010t.gif
【0047】
に対して、Iを4×4単位行列として
【0048】
【数10】
JP0003860076B2_000011t.gif
【0049】
を計算し、
y=y+Δy
とyを更新していく最急降下法を適用し、評価関数Jが変化しなくなったところで終了すると、Jを最小にするyが得られる。このパラメータは新たな骨格系モデルと標準骨格系モデルを与えられた特徴点に基づき最もよく重ねる座標変換を与える。後の計算のため、yに対応する、s、Rをそれぞれ、s、、Rとし、s、Rを用いて計算したLをLとする。
【0050】
(ステップS111:新骨格系モデルの座標系設定)
図6に、新骨格系モデルの座標系設定についての説明図を示す。
新骨格系モデルの座標系Σn*は、最適化計算が終了した時点での標準身体詳細モデルの座標系の位置に設定する。よって、Σn*から見たΣの位置n*・姿勢n*は次式のように計算できる。
n*
n*=-n*
【0051】
なお、n座標系Σは、新骨格系モデルに対して元々定義されている座標系である。なお、骨格に関するポリゴンデータはこの座標系において定義されている。一方、座標系Σn*は、(収束計算の結果)特徴点を重ね合わせた際の、標準座標系Σを指す。このとき、新骨格系モデル上において設置した新たな座標系として、Σn*と表現した。
【0052】
(ステップS113:新身体詳細モデルにおける始点・終点・経由点位置の計算)
このフローチャートでは、標準骨格系モデル上において既にある筋、腱、靱帯(始点・終点(および経由点)を持つ)座標に関する標準筋・腱・靭帯系モデルデータを、未だ筋、腱、靱帯の座標に関する新筋・腱・靭帯系モデルデータが定義されていない新骨格系モデル上に対して新たに定義することにある。このとき、上記の筋、腱、靱帯の座標は標準骨格モデル上における絶対座標系上に定義されている(例えば、原点は、胸や腰、へそあたり等の適宜の位置に置くことができる。)。
【0053】
標準骨格系モデルにおいて座標系Σから見た位置ベクトルがである始点・終点・経由点を座標系Σn*で表した位置をn*、絶対位置をとする。ここで、座標系ΣsとΣn*の原点は一致するとする。よって、からn*への変換はスケール変換だけである。すなわち、
n*=L
となる。
【0054】
Σの絶対座標系における位置が、姿勢がであったとすると、Σn*の絶対座標系における位置n*、姿勢n*は、それぞれ以下のように計算される。
n*
n*
よって、始点・終点・経由点の絶対位置次式のようになる。
n*n* n*
【0055】
4.力学モデル
4-1.ワイヤ/バーチャルリンクによる筋・腱・靭帯のモデル化法
筋・腱・靭帯は以下のように定義される。
・筋:腱を介して骨と骨を接続し、能動的に張力を発生できる。また、長さは比較的自由に変化する。
・腱:筋の両端にあり、筋を骨と接続している。
・靭帯:骨と骨を接続し、能動的に張力を発生できない。また、長さはほとんど変化しない。
【0056】
筋・腱・靭帯のワイヤモデルの説明図の一例は、図2に示した通りである。このように、筋・腱、靭帯を骨または仮想的な骨(バーチャルリンク)に固定された始点・終点を結び、0個以上の経由点を通るワイヤとしてモデル化される。解剖学情報からモデルを作成するときの原則は以下の通りである。(いくつかの実例を後述する)
・バーチャルリンクは、筋・靭帯が終端で分岐する場合に導入される。
・経由点は、ワイヤが骨の突起などの固定点を通り、その周辺で自由に滑ることができる場合に導入される。
・ 筋の端が1個の骨またはバーチャルリンクに接続されている場合、両端の腱はモデルに含めない。筋の端が2つ以上に分岐する場合のみ腱を導入する。
【0057】
モデル作成の手順は以下の通りである。
(a)モデル化に使用するワイヤ/バーチャルリンクの数、配置、結線の設計
解剖学の教科書などを参照し、ワイヤ、バーチャルリンクの配置・接続関係を決める。
(b)ワイヤの始点、経由点、終点及びバーチャルリンクの位置決め
市販のモデリングソフトなどを用いて、各点とバーチャルリンクそれぞれの三次元位置を入力する。
(c)骨格、筋・腱・靭帯情報の保存
ワイヤ/バーチャルリンク、始点・終点・経由点に後述する規則に従って名前・階層構造を付加し、骨格の幾何情報とともにVRML形式で出力する。
【0058】
次に、手順(a)の具体例を以下の順で説明する。
(1)一部位を始点と終点のみからなる単純な1本のワイヤで置き換えるモデル
(2)一部位を始点と経由点と終点からなる1本のワイヤで置き換えるモデル
(3)一部位を複数のワイヤで置き換えるモデル
(4)一部位をバーチャルリンクと複数のワイヤで置き換えるモデル
(5)複合モデル
【0059】
以下、各モデルについて説明する。
(1)一部位を始点と終点のみからなる単純な1本のワイヤで置き換えるモデル
図7は、上腕骨に停止する小円筋のモデル説明図の一例である。
多くの筋・腱は起点と終点の両端点のみからなる単純な1本のワイヤでモデル化される。
【0060】
(2)一部位を始点と経由点と終点からなる1本のワイヤで置き換えるモデル
図8は下肢帯の腹側に位置する内閉鎖筋モデルの説明図の一例である。
この例では、筋が這っている小坐骨切痕の部分が、筋の作用の支点として働いている。このような場合、筋の張力は起点から終点を結ぶ直線上にはなく、従って正しい筋力方向をモデル化するために経由点を挿入する。経由点は、内閉鎖筋の例のように筋が骨の一部分に引っ掛かっている場合の他、腱鞘による腱の拘束をモデル化する場合などにおいて挿入される。
【0061】
(3)一部位を複数のワイヤで置き換えるモデル
図9は、大胸筋モデルの説明図の一例である。
種々の筋型のうち複数の起始を持ち1つの共通の腱に終わるn頭筋や、広く板状の腱を持つ板状筋などは、1本のワイヤではなく複数のワイヤを用いてその機能をモデル化する。n頭筋ではn本のワイヤを用いる。広く板状の腱を持つ筋において、単一の骨上に筋が広がりを持って付着する場合には2~4本程度のワイヤを用い、筋の広がりがさらに大きく複数の骨にまたがる様な場合にはさらに多くのワイヤを用いてモデル化する。
【0062】
(4)一部位をバーチャルリンクと複数のワイヤで置き換えるモデル
図10に、二頭筋の2つのモデルの説明図を示す。n頭筋などの分岐を含む部位において上記(3)の方法を取れば、分岐点が筋の停止に集中するモデルになる(図上)。上記(3)のモデルでは不十分である場合、もう一つの方法として、バーチャルリンクを導入してワイヤの途中に分岐を設ける(図下)。
このようなモデルが必要な部位として上腕二頭筋が挙げられる。
【0063】
図11に、上腕二頭筋のモデルの説明図を示す。
上腕二頭筋の停止部においては腱が分岐し、分岐した腱がそれぞれ別々の骨に癒着するという配置になっている。従って上腕二頭筋の機能を再現するには腱の分岐をモデル化する必要がある。上腕二頭筋の場合は二本の筋(長頭と短頭)と二本の腱に部分化し、これらの分岐点にバーチャルリンクを置く。このように分岐のモデル化の際にバーチャルリンクが必要となる理由は、ワイヤは1つの起点に始まり0点以上の経由点を通り1つの終点に終わる、というワイヤモデルの原則があるからである。この原則は、ワイヤの張力計算法に由来している。バーチャルリンクは骨リンクと違って質量を持たないようにすることができるが、バーチャルリンク上に置かれた点間の相対位置は不変である、張力を伝播する、という点においてはリンクとして扱うことが可能である。なお、バーチャルリンクは、所定の質量をもつように設定することもできる。
【0064】
(5)複合モデル
ここでは、肘関節に配置する靭帯の例を示す。
図12は肘関節における靭帯の配置と、靭帯の拘束で与えられる肘関節対偶の説明図である。
図左の靭帯の拘束により図右のように関節対偶が決まる。橈骨は尺骨とは独立して旋回することができる。しかし、橈骨と尺骨は常に独立して動くわけではなく、上腕と前腕との間の屈曲(及び伸展)において2つの骨は同調して回転する。このような複雑な靭帯配置をモデル化するために、経由点を含む単一ワイヤモデルとバーチャルリンクを持つ複数ワイヤモデルを複合したモデルを考える。
【0065】
図13は、肘関節靭帯のモデル化の説明図である。
尺骨に始まり経由点によって橈骨を束ね再び尺骨に戻って終わる、そのような半ループ状の靭帯によって橈骨と尺骨の間の対偶をモデル化する。さらに上腕骨・前腕骨間の靭帯をモデル化するために、半ループ状の靭帯上にバーチャルリンクを挟み、バーチャルリンクに付着する3つの靭帯をTの字に結線する。軟骨などもこのようにモデル化することができる。
【0066】
4-2.上記モデルのVRML形式での記述方法
上記モデルは、統一的なフォーマットで記述して様々なソフトウェア・データベースで扱えるようにする必要がある。このとき、独自のフォーマットを定義するとその仕様決定のための労力が大きいだけでなく、読み込みのためのソフトウェア開発の負担も発生する。本実施の形態では、データが筋・腱、靭帯の数値データだけではなく骨形状の幾何データをも含むことを考慮し、仮想現実において形状、質感、アニメーションデータ等を記述する標準的なフォーマットであるVRML(Virtual Reality Modeling Language)の形式で筋・腱、靭帯情報を記述することとし、そのためのデータ仕様を開発した。VRMLファイルの読み込み・出力は多くの三次元モデリングソフトでサポートされており、本発明により上記モデルの作成を特殊なソフトウェアを使うことなく行うことができるようになる。
【0067】
5.付記
本発明の身体モデル生成方法又は身体モデル生成装置・システムは、その各手順をコンピュータに実行させるための身体モデル生成処理プログラム、身体モデル生成処理プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体、身体モデル生成処理プログラムを含みコンピュータの内部メモリにロード可能なプログラム製品、そのプログラムを含むサーバ等のコンピュータ、等により提供されることができる。
【0068】
【発明の効果】
本発明によると、以上のように、新たな骨格の幾何モデルが与えられたときに、予め定義された標準的な身体を表す標準身体モデルとの間の写像を求めることにより、新しい身体モデルを自動生成するための、身体モデル生成方法、身体モデル生成プログラム及びそれを記録した記録媒体、身体モデルデータを記録した記録媒体を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】写像の概観の説明図。
【図2】ワイヤ/バーチャルリンクによる筋・腱・靭帯のモデリングの説明図。
【図3】本実施の形態に関するハードウェアの構成図。
【図4】身体モデル生成方法のフローチャートの説明図。
【図5】標準身体モデル(下)から新身体モデル(上)への写像についての説明図。
【図6】新骨格系モデルの座標系設定についての説明図。
【図7】上腕骨に停止する小円筋のモデル説明図の一例。
【図8】下肢帯の腹側に位置する内閉鎖筋モデルの説明図の一例。
【図9】大胸筋モデルの説明図の一例。
【図10】二頭筋の2つのモデルの説明図。
【図11】上腕二頭筋のモデルの説明図。
【図12】肘関節における靭帯の配置と、靭帯の拘束で与えられる肘関節対偶の説明図。
【図13】肘関節靭帯のモデル化の説明図。
【符号の説明】
1 処理部
2 入力部
3 出力部
4 表示部
5 記憶部
51 標準身体モデルファイル
52 新身体モデルファイル
53 特徴点ファイル
54 変換パラメータファイル
S101 標準骨格系モデルデータ入力
S103 新骨格系モデル骨格データ入力
S105 標準骨格系モデルで特徴点抽出
S107 新骨格系モデルで特徴点抽出
S109 対応する特徴点に基づき変換パラメータの計算
S111 新骨格系モデルの座標系設定
S113 ワイヤ/バーチャルリンクの写像・記憶
図面
【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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