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明細書 :プロトン交換膜の製造方法

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第4182395号 (P4182395)
公開番号 特開2004-031173 (P2004-031173A)
登録日 平成20年9月12日(2008.9.12)
発行日 平成20年11月19日(2008.11.19)
公開日 平成16年1月29日(2004.1.29)
発明の名称または考案の名称 プロトン交換膜の製造方法
国際特許分類 H01M   8/02        (2006.01)
H01M   8/10        (2006.01)
H01B   1/06        (2006.01)
C08J   5/22        (2006.01)
FI H01M 8/02 P
H01M 8/02 M
H01M 8/10
H01B 1/06 A
C08J 5/22 103
請求項の数または発明の数 5
全頁数 10
出願番号 特願2002-186932 (P2002-186932)
出願日 平成14年6月26日(2002.6.26)
審査請求日 平成17年4月26日(2005.4.26)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】503360115
【氏名又は名称】独立行政法人科学技術振興機構
発明者または考案者 【氏名】北川 宏
【氏名】長尾 祐樹
個別代理人の代理人 【識別番号】100082876、【弁理士】、【氏名又は名称】平山 一幸
審査官 【審査官】原 賢一
参考文献・文献 長尾祐樹、藤島武蔵、池田龍一、神田精一、北川宏,ルベアン酸系銅錯体のプロトン伝導,「第51回錯体化学討論会講演要旨集」,日本,錯体化学研究会,2001年 9月 1日,p.640
調査した分野 H01M 8/02,8/10
C08J 5/22
H01B 1/06
特許請求の範囲 【請求項1】
式1で示されるジチオオキサミド誘導体Rdtoa(ここで、RはH又はCOHから選択される)とCuとからなり、式2を繰り返し単位とする層状の分子構造を有する銅配位高分子金属錯体RdtoaCuを加圧成型して薄膜化する工程と、
上記薄膜化した層状の分子構造を有する銅配位高分子金属錯体の層の間に水分子を吸蔵させる工程とにより、
プロトン交換膜を生成することを特徴とする、プロトン交換膜の製造方法。
【化1】
JP0004182395B2_000004t.gif
【化2】
JP0004182395B2_000005t.gif

【請求項2】
前記RがHであることを特徴とする、請求項1に記載のプロトン交換膜の製造方法。
【請求項3】
前記RがCOHであることを特徴とする、請求項1に記載のプロトン交換膜の製造方法。
【請求項4】
前記薄膜化した銅配位高分子金属錯体を酸化した後に、水分子を吸蔵させることを特徴とする、請求項1に記載のプロトン交換膜の製造方法。
【請求項5】
前記銅配位高分子金属錯体RdtoaCuは、ジチオオキサミドをプロパノールアミンと反応させた後、硫酸銅とともにエタノール水溶液中で反応させたものである、請求項3に記載のプロトン交換膜の製造方法。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば固体高分子型燃料電池の電解質として利用されるプロトン交換膜及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、環境問題に関し、所謂クリーンなエネルギー源として燃料電池が注目されてきている。このような燃料電池は、効率が高く、天然ガス,メタノール等の多様な燃料の使用が可能であることから、石油代替の促進にも寄与するものとして、その環境保全上の効果が期待されている。特に、固体高分子型燃料電池は、高出力密度,低温作動等の特長を有していることから、家庭用,可搬型電源等としての普及が期待されている。
【0003】
ところで、固体高分子型燃料電池の電解質としては、化学的,熱的及び機械的安定性の観点から、従来は、フッ素系樹脂、例えばナフィオンから成るフィルム状の導電性イオン交換膜(プロトン交換膜)が使用されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このようなプロトン交換膜は、強度の点からフッ素系樹脂に限定されており、その性能向上は限界にきている。
また、フッ素系樹脂、特にナフィオンを使用したプロトン交換膜は、比較的高価である。
【0005】
本発明は、以上の点にかんがみて、室温で高いプロトン伝導性を有すると共に、低コストで製造され得るようにした、プロトン交換膜及びその製造方法を提供することを目的としている。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明のプロトン交換膜の製造方法は、式1で示されるジチオオキサミド誘導体Rdtoa(ここで、RはH又はCOHから選択される)とCuとからなり、式2を繰り返し単位とする層状の分子構造を有する銅配位高分子金属錯体RdtoaCuを加圧成型して薄膜化する工程と、薄膜化した層状の分子構造を有する銅配位高分子金属錯体の層の間に水分子を吸蔵させる工程とにより、プロトン交換膜を生成することを特徴とするものである。
【化1】
JP0004182395B2_000002t.gif【化2】
JP0004182395B2_000003t.gif
【0017】
本発明のプロトン交換膜の製造方法によれば、HdtoaCuまたは(COH)dtoaCuからなる銅配位高分子金属錯体の薄膜によるプロトン交換膜が、安価な材料により、容易に且つ低コストで製造されることになる。従って、従来のナフィオン等のフッ素系樹脂と比較して低コストで製造することができる。
また、HdtoaCuは、熱的耐久性が150℃程度まであるので、十分に使用に耐えることができる。
【0018】
プロトン交換膜が配位高分子金属錯体、即ちポリマーから構成されているので、容易に薄膜化され得ると共に、側鎖であるアルキル基Rの改良により、プロトン伝導性や耐久性をより一層向上させることが可能である。
【0019】
上記配位高分子金属錯体R2 dtoaMのアルキル基Rの位置に、H(水素)が配位している場合には、当該配位高分子金属錯体は、ジチオオキサミドから容易に製造することができる。
なお、この場合、配位高分子金属錯体H2 dtoaMの層間に延びる側鎖が小さいことから、分子中の水分子量が比較的多くなり、より高いプロトン伝導性を得ることが可能である。
【0020】
ジチオオキサミドをプロパノールアミンと反応させる工程と、上記ジチオオキサミドとプロパノールアミンとの反応生成物を硫酸銅と共にエタノール水溶液中で混合する工程とにより、上記(C3 6 OH)2 dtoCuを生成することを特徴としている。
【0021】
従って、銅配位高分子金属錯体(C3 6 OH)2 dtoCuの薄膜によるプロトン交換膜が、安価な材料により、容易に且つ低コストで製造され得ることになる。従って、従来のナフィオン等のフッ素系樹脂と比較して低コストで製造することができる。
【0022】
このようにして、本発明によれば、例えば固体高分子型燃料電池の電解質として使用されるプロトン交換膜を、層間に水分子を含む配位高分子金属錯体(H2 dtoaCu)の薄膜により構成することにより、室温において高いプロトン伝導性を有するプロトン交換膜を低コストで提供することができる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、図面に示した実施形態に基づいて、本発明を詳細に説明する。
図1は、本発明によるプロトン交換膜の一実施形態の構成を示している。図1において、プロトン交換膜10は、配位高分子金属錯体R2 dtoaMの薄膜である。そして、この配位高分子金属錯体R2 dtoaMの薄膜は多層構造を有しており、その層間に水分子を吸蔵させることにより、室温において高いプロトン(H+ :水素イオン)伝導性を有している。
【0024】
ここで、Rdtoa(ジチオオキサミド)は、アルキル基Rが、(COH)、(COH)、また、アルキル基Rの位置に水素(H)が配位された高分子、即ちポリマー材料であり、図2に示す構造式で表わされる。なお、以下にアルキル基Rの例として(COH)に言及することもあるが、(COH)は、本発明に係るRdtoaのアルキル基Rの対象外である。
【0025】
以下、配位高分子金属錯体dtoaM(ここでMは、金属)において、Mが遷移金属の銅(Cu)である場合を例にとって説明する。
銅配位高分子錯体RdtoaCuは、Rdtoaに遷移金属のCuが図3に示すように結合した層状の分子構造を有しており、各層間の距離dを有し、層状となり高分子錯体となっている。
ここで、HtoaCu,(COH)dtoaCu,(COH)dtoaCuのdは、それぞれ、5.7Å,9.95Å,11.82Åである。
【0026】
銅配位高分子錯体R2 dtoaCuは、水分子が吸蔵されることにより、プロトン伝導を示す。一方、銅配位高分子錯体R2 dtoaCuは、水素を吸蔵すると還元され、電子伝導を生じるので、プロトンのみを伝導させるプロトン交換膜としては好ましくない。
従って、銅配位高分子錯体R2 dtoaCuは、水素が吸蔵されていない状態、即ち十分に酸化状態となり、電子伝導度が小さい絶縁物状態としてから、十分に水分子を吸蔵させプロトン伝導度を大きくしておく。
【0027】
つぎに、本発明のプロトン交換膜のプロトン伝導度の測定方法について説明する。銅配位高分子錯体R2 dtoaCuは、水素が吸蔵されると電子伝導が生起し、また水分が吸蔵されるとプロトン伝導が生起する。従って、水素と水分子の両方が吸蔵された混在状態においては、電子伝導とプロトン伝導の両方が起こるので、以下のようにしてプロトン伝導度を求めた。
【0028】
銅配位高分子錯体R2 dtoaCuの伝導度を直流で測定すると、直流電源からはプロトンは供給されないので、直流の印加直後にプロトン伝導は起こるがすぐに消滅し、電子による伝導だけになる。これにより、直流伝導度の測定から、直ちに電子伝導度が求まる。
また、銅配位高分子錯体R2 dtoaCuの交流の複素コンダクタンスを測定することにより、プロトン伝導と電子伝導に両方が寄与した伝導度を測定することができる。従って、複素コンダクタンス測定と直流伝導度測定の差としてプロトン伝導度が計算できる。
【0029】
図4は本発明のプロトン交換膜のプロトン伝導率と相対湿度を示す図である。図4において、横軸は相対湿度(RH)で、縦軸がプロトン伝導率σp (S・cm-1)である。ここで、相対湿度(RH)は、銅配位高分子錯体R2 dtoaCuに水分子を吸蔵させるときの湿度である。
図の●,□,◇は、それぞれ、H2 dtoaCu,(C2 4 OH)2 dtoaCu,(C3 6 OH)2 dtoaCuのプロトン伝導率を表している。図において、相対湿度RHが約15%から100%の場合のプロトン伝導率の変化を示している。
何れの銅配位高分子錯体R2 dtoaCuにおいても、相対湿度RHが100%のときに、プロトン伝導率が最大になっていることが分かる。
このとき、H2 dtoaCu,(C2 4 OH)2 dtoaCu,(C3 6 OH)2 dtoaCuのプロトン伝導率は、それぞれ、10-2S・cm-1,3×10-4S・cm-1,5×10-6S・cm-1となる。このときの、イオン輸率はほぼ1である。
2 dtoaCuのプロトン伝導率である10-2S・cm-1は、固体高分子型燃料電池に実用化されているナフィオン膜に匹敵する値である。
【0030】
相対湿度RHが低下すると、何れの銅配位高分子錯体R2 dtoaCuにおいても、プロトン伝導率は低下することが分かる。
このように、水分子が十分に吸蔵されないと、プロトン伝導率が低くプロトン交換膜として動作しない。
【0031】
従って、上記銅配位高分子錯体(R)2 dtoaCuプロトン伝導機構は、従来燃料電池の電解質として使用されているナフィオンにおけるプロトン伝導の機構に類似しているものと推察される。
【0032】
図5は、本発明のプロトン交換膜である銅配位高分子錯体R2 dtoaCuのダイマー当たりの水分子数を示す表である。水分子数の値は、熱重量分析により測定した。本発明のプロトン交換膜の水分子を吸蔵させる相対湿度RHが100%の条件においては、H2 dtoaCu,(C2 4 OH)2 dtoaCu,(C3 6 OH)2 dtoaCuのダイマー当たりの水分子数は、それぞれ、9.0,3.3,3.3である。
このことから、図5で示したように、プロトン伝導率の大きいH2 dtoaCuは、ダイマー当たりの水分子数が一番大きいことが分かる。
【0033】
また、相対湿度RHが75%においては、上記の銅配位高分子錯体R2 dtoaCuのダイマー当たりの水分子数は、それぞれ、2.8,1.8,2.2と減少することが分かる。このことから、本発明のプロトン交換膜は、R2 dtoaCuの水分子が減少しないように、密封保持することが好ましい。
【0034】
図6は、本発明のプロトン交換膜である銅配位高分子錯体H2 dtoaCuの熱耐久性を示す図である。図において、横軸は周囲温度(℃)で、縦軸が重量損失(%)である。重量損失の値は、熱重量分析により測定した。
相対湿度RHが0%、75%、100%の場合を示している。相対湿度RHが100%の本発明のプロトン交換膜は、20℃から50℃において約9%の重量損失があるが、50℃から150℃では、重量損失は温度により変化せず、ほぼ一定の約10%となる。そして、150℃以上で再び重量損失が増加する。
これより、本発明のプロトン交換膜であるH2 dtoaCuは、150℃まで使用可能であることが分かる。
【0035】
(C2 4 OH)2 dtoaCu,(C3 6 OH)2 dtoaCuの重量損失も、また、上記のR2 dtoaCuの重量損失と同様な温度特性を示し、150℃まで使用可能である。
【0036】
本発明によるプロトン交換膜10は以上のように構成されており、以下のように動作する。
即ち、プロトン交換膜10は、上述したように、銅配位高分子錯体R2 dtoaCuの分子中に含まれる水分子を媒介として、室温にて高いプロトン伝導率を示す。特に、H2 dtoaCuの場合には、分子中の水分子がダイマー当たり9分子となって、ナフィオン膜に匹敵する極めて高いプロトン伝導率を示す。
【0037】
従って、本発明のプロトン交換膜10は、従来固体高分子型燃料電池の電解質として使用されるフッ素系樹脂によるプロトン交換膜とほぼ同等のプロトン伝導率を有すると共に、安価な材料により容易に製造され得るので、低コストで製造され、さらに熱的耐久性も150℃程度まであることから、十分に実用化されることができる。
また、上記銅配位高分子錯体であるH2 dtoaCu,(C2 4 OH)2 dtoaCu,(C3 6 OH)2 dtoaCuがポリマーであることから、容易に薄膜として形成することができる。
【0038】
このようにして、水分子を含む銅配位高分子錯体であるH2 dtoaCu,(C2 4 OH)2 dtoaCu,(C3 6 OH)2 dtoaCuに、水分子を吸蔵させた薄膜から成る本発明のプロトン交換膜10は、室温にて高いプロトン伝導性を有すると共に、低コストで製造され得る。
【0039】
次に、本発明のプロトン交換膜の製造方法の実施の形態を説明する。始めに、銅配位高分子錯体(C3 6 OH)2 dtoaCuは、新規な材料であるので、その製造方法を説明する。
図7は銅配位高分子錯体(C3 6 OH)2 dtoaCuの薄膜から成るプロトン交換膜の製造方法を示している。
先ず、図7(A)において、ジチオオキサミドとプロパノールアミンを混合すると、中間物質であるN,N’-ビス(3-ヒドロキシプロピル)ジチオオキサミドとアンモニアガスが発生する。
【0040】
次に、上記中間物質を取り出して、図7(B)に示すように、硫酸銅と共に、60℃の5%エタノール水溶液中に入れて混合すると、N,N’-ビス(3-ヒドロキシプロピル)ジチオオキサミダト銅(II)、即ち、上記銅配位高分子錯体(HOC3 6 2 dtoaCuが生成される。
【0041】
上記配位高分子金属錯体R2 dtoaMのアルキル基Rの位置に、H(水素)が配位している場合には、配位高分子金属錯体自体は、ジチオオキサミドから容易に製造することができる。
なお、この場合、配位高分子金属錯体R2 dtoaMの層間に延びる側鎖が小さいことから、分子中の水分子量が多くなり、より高いプロトン伝導性を得ることが可能である。
【0042】
配位高分子金属錯体R2 dtoaMのアルキル基Rが(C2 4 OH)である場合には、同様にして、配位高分子金属錯体自体は、ジチオオキサミドから容易に製造することができる。
【0043】
このようにして生成された銅配位高分子錯体である(H)2 dtoaCu,(C2 4 OH)2 dtoaCu,(C3 6 OH)2 dtoaCuは、加圧成型することにより、所望の厚さのシート状薄膜を形成する。
【0044】
次に、このシート状薄膜が還元状態にあり、水素吸蔵により電子伝導が生じていないことを調べる。水素吸蔵されている場合には、酸化を行う。
還元状態を測定するためには、上述したように、直流のコンダクタンス測定により水素吸蔵による電子伝導率を求め、判定することができる。
【0045】
次に、還元状態のシート状薄膜を水に浸漬し、水分子を吸蔵させてプロトン伝導率が大きい状態に改質して、プロトン交換膜が製造できる。
これにより、固体高分子型燃料電池の電解質に好適な所望の厚さのシート状薄膜のプロトン交換膜10が形成され得ることになる。この場合、各材料は安価であり、しかも大型の加熱装置等は不要であるので、銅配位高分子錯体(R)2 dtoaCuは、低コストで容易に製造され得る。
【0046】
本発明は上記実施例に限定されることなく、特許請求の範囲に記載した発明の範囲内で種々の変形が可能であり、それらも本発明の範囲内に含まれることはいうまでもない。例えば上記実施形態においては、プロトン交換膜10が、銅配位高分子錯体R2 dtoaCuにて、アルキル基Rの位置に水素が配位されたH2 dtoaCu、または、アルキル基Rが、(C2 4 OH)または(C3 6 OH)である銅配位高分子錯体R2 dtoaCuから構成されているが、これに限らず、他のアルキル基R、例えば(CH2 OH)であってもよいことは勿論である。
【0048】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、プロトン交換膜を構成するR2 dtoa(ジチオオキサミド)の配位高分子金属錯体R2 dtoaMは、室温にて電子伝導性は極めて低くほぼ絶縁体と同様であるが、プロトン伝導性は非常に高い。
したがって、上記配位高分子金属錯体R2 dtoaMが、室温にて高いプロトン伝導性を有することから、例えば固体高分子型燃料電池の電解質として、即ちプロトン交換膜として使用することにより、従来のフッ素系樹脂によるプロトン交換膜と同様のプロトン伝導性を得ることができる。
【0049】
また、上記配位高分子金属錯体R2 dtoaMは、熱的耐久性が150℃程度まであるので、十分に使用に耐え得ることになる。
しかも、上記配位高分子金属錯体R2 dtoaMは、安価な材料から容易に合成することができるので、従来のナフィオン等のフッ素系樹脂と比較して、低コストで製造することができる。
さらに、プロトン交換膜が配位高分子金属錯体、即ちポリマーから構成されているので、容易に薄膜化されると共に、側鎖であるアルキル基Rの改良により、プロトン伝導性や耐久性をより一層向上させることも可能である。
このようにして、本発明によれば、室温で高いプロトン伝導性を有すると共に、低コストで製造され得るようにした、極めて優れたプロトン交換膜が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるプロトン交換膜の一実施形態の構成を示す概略斜視図である。
【図2】R2 dtoa(ジチオオキサミド)の構造式である。
【図3】銅配位高分子錯体の分子構造を示す概略斜視図である。
【図4】本発明のプロトン交換膜を構成する銅配位高分子錯体の相対湿度とプロトン伝導率との関係を示すグラフである。
【図5】本発明のプロトン交換膜を構成する銅配位高分子錯体の相対湿度における分子中に含まれる水分子数を示す図である。
【図6】本発明のプロトン交換膜である銅配位高分子錯体H2 dtoaCuの熱耐久性を示す図である。
【図7】本発明によるプロトン交換膜の製造方法の一例を示す図である。
【符号の説明】
10 プロトン交換膜
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4
【図6】
5
【図7】
6