TOP > 国内特許検索 > 騒音抑制型回転ノーズ > 明細書

明細書 :騒音抑制型回転ノーズ

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第3772195号 (P3772195)
公開番号 特開2003-294301 (P2003-294301A)
登録日 平成18年2月24日(2006.2.24)
発行日 平成18年5月10日(2006.5.10)
公開日 平成15年10月15日(2003.10.15)
発明の名称または考案の名称 騒音抑制型回転ノーズ
国際特許分類 F04D  29/66        (2006.01)
F24F   1/00        (2006.01)
F24F  13/08        (2006.01)
FI F04D 29/66 M
F04D 29/66 P
F24F 1/00
F24F 13/08 A
請求項の数または発明の数 8
全頁数 8
出願番号 特願2002-095780 (P2002-095780)
出願日 平成14年3月29日(2002.3.29)
審査請求日 平成15年8月20日(2003.8.20)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】503361400
【氏名又は名称】独立行政法人 宇宙航空研究開発機構
発明者または考案者 【氏名】石井 達哉
【氏名】生沼 秀司
【氏名】長井 健一郎
【氏名】武田 克己
個別代理人の代理人 【識別番号】100092200、【弁理士】、【氏名又は名称】大城 重信
【識別番号】100110515、【弁理士】、【氏名又は名称】山田 益男
【識別番号】100084607、【弁理士】、【氏名又は名称】佐藤 文男
審査官 【審査官】上原 徹
参考文献・文献 実開昭54-138237(JP,U)
特開2001-091039(JP,A)
実開昭54-168607(JP,U)
特開平01-249995(JP,A)
特開平11-173646(JP,A)
調査した分野 F04D 29/66
F24F 1/00
F24F 13/08
B60H 1/00 102
特許請求の範囲 【請求項1】
周囲流体中に流体を噴出する噴出孔が形成された回転するノーズ体を備え、前記ノーズ体から前記周囲流体の流れ下流には前記噴出孔から噴出した前記流体と干渉する干渉物体が置かれており、前記噴出孔の等価孔直径を前記干渉物体の正面厚さの1/2以下に細分化したことから成る騒音抑制型回転ノーズ。
【請求項2】
前記噴出孔は、矩形、菱形その他の多角形、又は円形、楕円形その他の曲線形の孔形状を有することから成る請求項1に記載の騒音抑制型回転ノーズ。
【請求項3】
前記噴出孔は、前記ノーズ体の回転方向後方に傾斜した孔方向を有することから成る請求項1又は2に記載の騒音抑制型回転ノーズ。
【請求項4】
前記噴出孔の前記孔方向は、前記ノーズ体の回転方向に沿う方向とされていることから成る請求項3に記載の騒音抑制型回転ノーズ。
【請求項5】
前記噴出孔は、等間隔配置、千鳥配置又はランダム配置となる互いの位置関係に配列されていることから成る請求項1~4のいずれか1項に記載の騒音抑制型回転ノーズ。
【請求項6】
前記噴出孔の開度並びに噴出流体の前記噴出方向及び噴出流速は、噴射された前記流体の前記干渉物体との干渉の大きさ及び前記周囲流体との混合度合に応じて変更されることから成る請求項1~5のいずれか1項に記載の騒音抑制型回転ノーズ。
【請求項7】
前記ノーズ体は、前記噴出孔として機能する微細孔が多数形成されている多孔質材から形成されていることから成る請求項1に記載の騒音抑制型回転ノーズ。
【請求項8】
前記ノーズ体は前記周囲流体としての周囲空気に流れを生じさせる動翼を前記干渉物体として取り付けた状態でファンに適用されており、前記流体は前記ノーズ体の内部の高温部分を冷却した冷却空気であり、前記噴出孔の総孔面積は前記冷却空気の通気量を確保することができる面積に設定されていることから成る請求項1~7のいずれか1項に記載の騒音抑制型回転ノーズ。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、空調機器、家電製品、OA機器等の空気流れを伴う各種機器に適用可能な、乱れ及び騒音の抑制を図った騒音抑制型回転ノーズに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、家庭用又は業務用空調機器の冷却ファンの中には、モータ、軸受等の発熱部分又は高温部分を空冷する目的で、流入空気の一部を抽気する構造を有するものがある。図4に、流入空気の一部を抽気して冷却に用いる天吊型室内空調機のファン構造の一例を示す。図4(a)はファン構造の下面図、同(b)は(a)の縦断面図、同(c)は(a)の一部拡大図である。図4に示す冷却ファン20は、空気取り入れ口からフィルタ(共に図示せず)を通して吸い込んだ空気流21をファン周囲に巡らされた熱交換器26を通過させて冷空気22として吹き出す。ファン動翼部23は、中央に配置され且つ駆動源にて駆動されるノーズ体24、及びノーズ体24と一体的に外方に延び且つ周方向に列状に配置された動翼25を備えている。空気取り入れ口を通過してファン動翼部23に流入した空気流21は、動翼25によって流れ方向を冷却ファン20の軸方向から半径方向に変更されて熱交換器26にて熱交換を行い、冷空気22として室内に放出される。
【0003】
ファン動翼部23を通過した冷空気22の一部は、動翼25の下面に開口する導入口27から冷却空気30としてノーズ24内に吸入され、ノーズ体24内部に存在する軸受等の高温部分を冷却するのに用いられる。冷却を終えた冷却空気30は、ノーズ体24の上部において等間隔に形成されている噴出孔28を通してノーズ体24の周囲流体である外気中に噴出される。
【0004】
噴出孔28を通して外気中に噴出される噴出流には、通常、噴出渦として空気渦31が生じる。空気渦31が干渉音を発生させる概要が、図5に示されている。即ち、このような冷却ファン20の現行モデルの中には、噴出孔28は下流側に位置する動翼25の厚さを超えるほどの大径に形成されているものがある。この場合、噴出渦31は大規模渦となり、そうした噴出渦31が下流において回転している動翼25に至る空気流21の流速分布を乱すと共に噴出渦31それ自体の拡散が不十分なまま動翼25に衝突する。動翼25は干渉物体として働き、空気流21の流速分布乱れや噴出渦31の動翼25との衝突は、その時に出る大きな干渉音の発生原因となる。また、噴出孔28の孔寸法が大きいため、ノーズ体24の表面でのキャビティ音発生の虞れがある。
【0005】
大規模な噴出渦31と動翼25による干渉音を低減する技術として、ノーズ体24に傘を被せ、噴出渦31を傘とノーズ体24との間で均一化して端部のスリットから排出させる技術や、流入空気流分布に適合させて動翼25を三次元形状とすることで流入乱れを抑制する技術がある。しかし、傘を付加することは部品点数が増加する上、傘の存在による空力性能への影響が懸念される。動翼25の三次元形状化には形状決定のための費用がかさむことが予想される。
【0006】
一方、噴出孔28が無い場合にも、フィルタ用のフレームによる入り口乱れや鈍頭形状を通過する際の剥離は、動翼25と干渉して干渉音の発生原因となる。従来技術として、上流乱れの原因となるフレームとの距離を大きくすることや、動翼25の形状を最適化することなどが考えられるが、装置大型化や製作コスト上昇という問題が生じる。
【0007】
空気流れが引き起こす騒音抑制の技術の一つとして、特開平11-173646号公報に開示されている空調用吹出しグリルがある。この空調用吹出しグリルは、吹き出した後における空調エリア内の循環空気の巻き込みに加えて、吹き出す前においても吹出しグリル内での随伴流によって、空調エリア内の循環流量を大きくすることから成っている。こうした構成によって、空気循環量を増大させても騒音が増大しない工夫が図られている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、現行の動翼やノーズの形状や構造を大幅に変更することなく、干渉騒音の原因を取り除く点で解決すべき課題がある。干渉騒音の原因としては、(1)噴出渦と動翼との間の干渉、(2)噴出渦の主流への拡散が遅れることによる不均一な主流速度分布、(3)噴出渦同士の干渉、及び(4)噴出孔でのキャビティ音発生等が挙げられる。
【0009】
この発明の目的は、空気流れを伴う各種機器に用いられるノーズにおいて、干渉騒音を抑制して騒音抑制型回転ノーズを提供することであり、具体的には、ファン性能に影響を及ぼす形状変更や部品点数の増大を回避しながら、(1)噴出渦と動翼との間の干渉を弱め、(2)噴出渦の主流への拡散を早めて主流速度分布を均一化し、(3)噴出渦同士の干渉を弱め、(4)噴出孔でのキャビティ音発生を抑制することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するため、この発明による騒音抑制型回転ノーズは、周囲流体中に流体を噴出する噴出孔が形成された回転するノーズ体を備え、前記ノーズ体から前記周囲流体の流れ下流には前記噴出孔から噴出した前記流体と干渉する干渉物体が置かれており、前記噴出孔の等価孔直径を前記干渉物体の正面厚さの1/2以下に細分化したことから成っている。
【0011】
この騒音抑制型回転ノーズによれば、回転するノーズ体には周囲流体中に流体を噴出する噴出孔が形成されており、ノーズ体から周囲流体の流れ方向下流には、噴出孔からの噴出流と干渉する干渉物体が置かれており、噴出孔からの噴出流に生成する噴出渦は下流に置かれた干渉物体と空力干渉しようとする。渦と干渉物体との間の空力干渉を弱めかつ渦の空気流への拡散を早めるためには、噴出孔から噴出された流体の個々の渦寸法を小さくすることが有効である。この発明では、噴出孔の等価孔直径を干渉物体の正面厚さの1/2以下に細分化、即ち、開口部の面積が保たれるように孔径を減らして孔数を増やしているので、同一流量の条件下では、噴出孔から噴出された流体に生じる渦(以下、「噴出渦」という)の構造が微細となる結果、噴出渦の主流空気への拡散が速められて、主流空気分布の乱れが抑制され、干渉物体との空力干渉、換言すると、噴出渦と動翼との衝突時の圧力変動の度合いが軽減され、干渉音レベルが軽減される。なお、噴出孔の等価孔直径とは、噴出孔の孔開口面積を同じ面積の真円に置き換えたときのその円の直径である。
【0012】
また、この騒音抑制型回転ノーズによれば、噴出渦の微細構造によって噴出渦自身の周波数が高周波数域になり、距離減衰や反射・透過による音圧レベルが低下する。ノーズ体の表面に開口する噴出孔は窪みをなすためにキャビティ音の発生原因となるが、噴出孔の細径化によって窪みに接する空気層のスケールが小さくなり、キャビティ音の共鳴周波数は、十分高域、即ち騒音として問題となる周波数帯域の外側に移動する。
【0013】
この騒音抑制型回転ノーズにおいて、前記噴出孔の孔形状は、矩形、菱形その他の多角形、又は円形、楕円形その他の曲線形とすることができる。噴出孔の正面形状に関しては、渦の噴出角度や拡散の度合いが調節でき、干渉音の抑制につながる。噴出孔の正面形状は、通常は円形であるが、それ以外にも、楕円の他任意の曲線形、又は矩形、菱形等の任意の多角形形状とすることができる。
【0014】
この騒音抑制型回転ノーズにおいて、前記噴出孔は、前記ノーズ体の回転方向後方に傾斜した孔方向を有することができる。噴出孔の孔方向は、ノーズ体の表面の法線方向に形成するのが一般的ではあるが、噴出渦同士の干渉を避けることができれば、任意の方向であってもよく、また、渦の空気流への拡散を早めるには、周囲流体の流れ方向と噴出流体の主たる流れ方向とのなす角度が小さくなる方向とするのが好ましい。更に、噴出孔については、個々に又はグループで噴射角度を変えてもよい。噴射孔の孔方向の変更によって、周囲流体の主たる流れとのせん断が弱められて渦生成が抑制される。
【0015】
この騒音抑制型回転ノーズにおいて、前記噴出孔の前記孔方向は、前記ノーズ体の回転方向に沿う方向とすることができる。噴出孔の孔方向をノーズの回転方向に沿わせることによって、遠心方向への空気の噴出が促進され、ノーズ体の内圧が下がり、流体の吸い込みが促進される。このとき、噴出渦の放出方向は周囲流体の流れの主流方向に近づくことになり、同一回転速度でノーズを回転させた時の渦の噴出速度が上昇し、ノーズ内圧を更に下げることが可能である。こうした孔方向を有する噴出孔を流れる流体が冷却用の空気である場合、ノーズに吸入する冷却空気量を増やすことができ、冷却効率も向上する。
【0016】
この騒音抑制型回転ノーズにおいて、前記噴出孔は、等間隔配置、千鳥配置又はランダム配置となる互いの位置関係に配列させることができる。噴射孔同士の配置を、等間隔配置の他、不等間隔配置及びランダム配置とすることにより、噴出渦同士の衝突等の相互干渉や主流空気中の乱塊を抑制することができる。
【0017】
この騒音抑制型回転ノーズにおいて、前記噴出孔の開度並びに噴出流体の前記噴出方向及び噴出流速を、噴射された前記流体の前記干渉物体との干渉の大きさや前記周囲流体との混合度合に応じて、変更することができる。例えば、冷却空気放出孔の細径化によって、共鳴周波数が十分高域へ移動することになり、キャビティ音の抑制を図ることができる。既存のノーズ表面の孔数と孔径を変更する機構を設けることにより、ノーズ形状それ自体や部品点数の変更を避けつつ、噴出流体の噴出方向及び噴出流速を変更することができる。
【0018】
この騒音抑制型回転ノーズにおいて、前記ノーズ体は、前記噴出孔として機能する微細孔が多数形成されている多孔質材から形成することができる。ノーズ全体を、表面形状を留めたまま多孔質材で成形することで、ノーズ表面からの空気噴出量を一様にでき、渦寸法も微小に抑制することができる。
【0019】
この騒音抑制型回転ノーズにおいて、前記ノーズ体は前記周囲流体としての周囲空気に流れを生じさせる動翼を前記干渉物体として取り付けた状態でファンに適用されており、前記流体は前記ノーズ体の内部の高温部分を冷却した冷却空気とすることができる。その際、前記噴出孔の総孔面積については、前記冷却空気の通気量を確保することができる面積に設定することが好ましい。ノーズ体がファンに適用されるときには、ノーズ体内の軸受等の高温部分を冷却し空気噴出孔から噴出した冷却空気は、干渉物体としての動翼に衝突して周囲に干渉音を生じるが、噴出孔の孔径を細分化することによってこうした干渉音を抑制して、静音化を図ることが可能である。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、添付した図面に基づいて、この発明による騒音抑制型回転ノーズの実施例を説明する。図1~図3はこの発明による騒音抑制型回転ノーズの各実施例を示す図である。上記の各図において、騒音抑制型回転ノーズが適用されるファン構造は、図4に示す従来のファン構造と同じであるので、再度の詳細な説明を省略する。
【0021】
図1は、この発明による騒音抑制型回転ノーズの一実施例を示し、(a)は一部断面図、(b)は一部下面図である。図1に示す騒音抑制型回転ノーズによれば、ノーズ体1の頂点に近い領域において多数の噴出孔2(簡素化のため一部にのみ符号を付す)が形成されている。噴出孔2は細径孔として形成されており、孔方向はノーズ体1の軸線方向に平行な方向である。ノーズ体1の周囲を流れる周囲流体である空気は、空気主流3で示すように動翼25の吸い込み作用によってノーズ体1の輪郭に沿って流れるが、ノーズ体1の内部を流れる冷却空気4はノーズ体1の軸線方向に平行な方向に噴射される。噴出孔2は、孔径を動翼25の正面厚さ1/2~1/10のオーダーとされている。この際に、ファンとしての冷却性能を損なわないために冷却空気量を同じにする必要から、噴出孔2の総面積を従来の噴出孔28の総面積と同じにするように等価孔直径を定めると共に噴出孔2の数が増加されている。噴出孔2の配置は、この例では、同心円周上に隔置して並んだ規則的な配置とされている。
【0022】
噴出孔2の孔寸法が小さくされているので、噴出孔2から噴出される噴出流5内に生じる個々の噴出渦の寸法が小さくなると共に、噴出渦は空気主流3内で急速に拡散される。従って、噴出渦と動翼25との間の空力干渉が弱くなり且ついずれも干渉音の音圧軽減に効果がある。また、噴出渦の小型化によって干渉音の周波数が高周波数化されるので、干渉音の早期の減衰が促進される。更に、噴射孔2の細径化によって、噴射孔2によって形成される窪みに接する空気層のスケールが小さくなり、噴出流5のキャビティ音の共鳴周波数が十分高域音となるので、キャビティ音は騒音と認識され難くなると共に早期減衰が促進される。噴出渦の空気流への拡散を早めるには、噴出孔2の正面形状を矩形、菱形その他の多角形、又は円形、楕円形その他の曲線形とすることができる。噴出孔2の配置についても、等間隔配置の他、千鳥配置、不等間隔配置等の適当に分散したランダム配置とすることによって噴出渦同士の干渉を抑制することもできる。
【0023】
図2は、この発明による騒音抑制型回転ノーズの別の実施例を示し、(a)は一部断面図、(b)は一部下面図、(c)は(a)に示す図のA-A断面図である。図2に示す騒音抑制型回転ノーズの実施例では、噴出孔12の孔方向及び互いの位置関係が異なる以外、構造上相違するところはないので、図1に記載のものと同様の機能を奏する部位等には同じ符号を付して再度の説明を省略する。図2に示す実施例では、噴出孔12は、ノーズ体1の回転方向に沿って孔加工されている。具体的には、噴出孔12は、ノーズ体1の回転面と平行な面内においてノーズ体1の回転方向に対して後方に傾斜した孔方向を有している。また、隣接する噴出孔12を噴出渦同士が干渉しないよう配置されている。従って、噴出流15の噴出方向はノーズ体1の周りの流れである空気主流3の方向に近づけられており、空気主流3とのなす角度θは小さくなっている。噴出孔12の孔方向をこのように設定することによって、ノーズ体1から噴出孔12を通って遠心方向へ吹き出す空気の噴出が促進され、ノーズ体1の内圧が下がり、所謂ポンピング作用によって、冷却空気4の吸い込みが促進される。また、噴出流15内の渦の空気主流3への拡散が促進される。
【0024】
図3は、この発明による騒音抑制型回転ノーズの他の実施例を示し、(a)は一部断面図、(b)は一部下面図である。図3に示す騒音抑制型回転ノーズの実施例では、噴出孔の形成の仕方が異なる以外、構造上相違するところはないので、図1に記載のものと同様の機能を奏する部位等には同じ符号を付して再度の説明を省略する。この実施例では、ノーズ体11は、例えば、セラミックス材料である微粉末の焼成によって形成されるセラミックスで成っており、ノーズ体11の表面形状は、図1のノーズ体1の形状を保っている。ノーズ体11は、全体が多孔質材で成形されているので、ノーズ体11の表面全体から冷却空気が噴出する。単位表面からの空気噴出量が一様になると共に、多孔質の孔から吹き出る渦寸法も微小なものに抑制することができ、空気主流3との速度分布が素早く一様化する。その結果、微小噴出渦と干渉物体である動翼25との衝突干渉も弱まり、騒音抑制が期待される。
【0025】
上記に好ましい実施例を挙げて説明したが、この発明による騒音抑制型回転ノーズはこれらの実施例に限定されるものではなく、種々の変更が可能である。即ち、一例として、噴出孔2,12のように、噴出孔の方向をノーズ体1の表面の法線方向の他、主流空気3と噴出流のなす角度が小さくなる任意の方向とすることができる。また、噴出孔の開度も、総空気噴出量を変えないとの条件の下で任意に変更可能である。
【0026】
【発明の効果】
この発明による騒音抑制型回転ノーズは、上記のように、周囲流体中に流体を噴出する噴出孔が形成された回転するノーズ体を備え、噴出孔の等価孔直径を、ノーズ体から周囲流体の流れ下流に置かれ且つ噴出孔から噴出した流体と干渉する干渉物体の正面厚さの1/2以下に細分化したことから成っているので、干渉物体に衝突する噴出孔からの噴出渦が小型化され、衝突時の干渉騒音を抑制した騒音抑制型回転ノーズを提供することができる。この騒音抑制型回転ノーズは、空気流れを伴う各種機器に用いるのに好適であり、具体的には、噴出渦の規模を小型化することによって、ファン性能に影響を及ぼす形状変更や部品点数の増大を回避しながら、噴出渦と動翼との間の干渉を弱め、噴出渦の空気主流への拡散を早めて空気主流の速度分布を均一化し、噴出渦同士の干渉を弱め、噴出孔でのキャビティ音発生を抑制することができる。噴出孔の向きや配置を工夫することによって冷却流体の吸い込みを促進することができる。更に、この発明によれば、既存のノーズ体の表面の孔数と孔径を変更するだけの改造にとどめているので、ノーズの全体形状や部品点数の変更が避けられ、既存ノーズにそのまま適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明による騒音抑制型回転ノーズの一実施例を示す図である。
【図2】この発明による騒音抑制型回転ノーズの別の実施例を示す図である。
【図3】この発明による騒音抑制型回転ノーズの他の実施例を示す図である。
【図4】従来の天吊室内空調機用ファンの一例を示す図である。
【図5】図4に示すファンにおいて噴出渦と干渉物体との干渉の概要を示す図である。
【符号の説明】
1 ノーズ体 2 噴出孔
3 空気主流 4 冷却空気
5 噴出流 12,15 噴出孔
20 冷却ファン 21 空気流
22 冷空気 23 ファン動翼部
24 ノーズ体 25 動翼(干渉物体)
26 熱交換器 27 導入口
28 噴出孔 30 冷却空気
31 空気渦
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4