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明細書 :超磁歪特性を有する多結晶FeGa合金薄帯

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第4053328号 (P4053328)
公開番号 特開2003-286550 (P2003-286550A)
登録日 平成19年12月14日(2007.12.14)
発行日 平成20年2月27日(2008.2.27)
公開日 平成15年10月10日(2003.10.10)
発明の名称または考案の名称 超磁歪特性を有する多結晶FeGa合金薄帯
国際特許分類 C22C  38/00        (2006.01)
C21D   6/00        (2006.01)
H01L  41/20        (2006.01)
FI C22C 38/00 303Z
C21D 6/00 A
H01L 41/20
請求項の数または発明の数 3
全頁数 9
出願番号 特願2002-090003 (P2002-090003)
出願日 平成14年3月27日(2002.3.27)
審査請求日 平成17年3月4日(2005.3.4)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】591150580
【氏名又は名称】古屋 泰文
発明者または考案者 【氏名】古屋 泰文
【氏名】岡崎 禎子
【氏名】マンフレッド ウッティグ
【氏名】斎藤 千尋
個別代理人の代理人 【識別番号】100108671、【弁理士】、【氏名又は名称】西 義之
審査官 【審査官】蛭田 敦
参考文献・文献 特開2001-329347(JP,A)
特開平02-221350(JP,A)
特開2001-358377(JP,A)
Arthur E. Clark etc.,Magnetostrictive Properties of Body-Centered Cubic Fe-Ga and Fe-Ga-Al Alloys,IEEE TRANSACTIONS ON MAGNETICS,2000年 9月,Vol. 36,p. 3238-3234
S. Guruswamy etc.,STRONG, DUCTILE, AND LOW-FIELD-MAGNETOSTRICTIVE ALLOYS BASED ON Fe-Ga,Scripta MATERALIA,2000年 7月20日,Vol. 43,p. 239-244
調査した分野 C22C 38/00
C21D 6/00
H01L 41/20
JSTPlus(JDream2)
特許請求の範囲 【請求項1】
急冷凝固法によって形成された、延性を有するFe-xat%Ga(15≦x≦17)合金薄帯からなり、薄帯の厚み方向に結晶方向が揃った微細な柱状結晶集合組織を有し、体心立方構造の他に応力誘起によって出現した軸の長さが異なる(a≠c)体心正方晶が混在し、面心立方構造の規則格子Fe3 Gaが消滅した結晶構造であり、薄帯材料の厚み方向に強さ955kA/mの磁場を加えた場合の最大磁歪が15at%Gaで400×10-6、17at%Gaで600×10-6である超磁歪特性を有することを特徴とする多結晶FeGa合金薄帯。
【請求項2】
請求項1記載の合金薄帯が熱処理されてなり、薄帯の厚み方向に磁化容易方向[100] を持つ集合組織が形成されていることを特徴とするFeGa合金薄帯。
【請求項3】
鉄粉とエポキシ樹脂の薄層と請求項1又は2記載のFeGa合金薄帯を積層した、厚み方向に磁場を印加した場合、長手方向に縮み、厚み方向に伸びる大きな磁歪を有することを特徴とするバルク積層型磁歪アクチュエータ。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、Fe合金系磁歪材料、特に急冷凝固法によって形成された超磁歪特性を有する
多結晶FeGa合金薄帯に関する。
【0002】
【従来の技術】
1840年にJames Joule によって磁歪現象が発見され、振動子などに応用されるようになった。しかし、当時用いられていた磁歪材料のニッケルやコバルトの磁歪定数は、-40~-60×10-6と小さいものであった。
【0003】
1960年代の終わりからアメリカ海軍研究所のClark らによって、室温で巨大磁歪を発生する超磁歪材料の研究が続けられており、1974年に室温で1000ppm 以上の磁歪定数をもつ材料としてTerfenol-D(Tb0.3 Dy0.7 Fe2.0 )が開発された。Terfenol-Dは超磁歪アクチュエータとして、潜水艦探知ソナー、地中探査システム、制振装置、精密機械や構造物の運動制御用リニヤ・回転モータなど期待される用途が広い。
【0004】
Fe合金系超磁歪材料について、本発明者らは、先に急冷凝固法を用いて製造した方向性の強い微細柱状結晶を持つFePd急冷薄帯試料で1000×10-6以上の超磁歪の発現に成功している(特開平11-269611号公報)。
【0005】
また、掛下らは、Fe3-x Pt1+x (-0.02≦x≦0.2)を熱処理により規則化率を0.6~0.95とした磁歪量0.3%以上の超磁歪合金を開発している(特開2001-240947号公報)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
超磁歪材料のTerfenol-D(Tb0.3Dy0.7Fe2.0 )は非常に脆く、薄板や線材に加工するのは難しい。そのため、Terfenol-Dを用いたアクチュエータはロッ型に限定され、センサ・アクチュエータの応用範囲が限られている。さらに、ロッ型の形状は渦電流損失のため有効性を限定してしまう。
【0007】
近年、Clarkらは、FeGa合金の単結晶における磁気・磁歪・弾性的性質について調査し、Fe-xat%Ga(15<x<21)の組成において300×10-6の大きな磁歪を持ち、耐久性・延性があると報告している(A.E.Clark 、M.Wun-Fogle 、J.B.Restroff、T.A.Ross、and D.L.Schlagel:Actuator 2000 7th International Conference on New Actuators,10-21 June 2000,Bremen Germany,p111-115)。しかし、単結晶材料は製造条件が繊細でコストが高いことから実用化されにくい。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、FeGa合金について従来達成されている最大の磁歪よりも大きな大磁歪をもち、延性があり、磁場に対してヒステリシスが小さい二元系多結晶FeGa合金超磁歪材料の開発に成功した。
【0009】
すなわち、本発明は、(1)急冷凝固法によって形成された、延性を有するFe-xat%Ga(15≦x≦17)合金薄帯からなり、薄帯の厚み方向に結晶方向が揃った微細な柱状結晶集合組織を有し、体心立方構造の他に応力誘起によって出現した軸の長さが異なる(a≠c)体心正方晶が混在し、面心立方構造の規則格子Fe3 Gaが消滅した結晶構造であり、薄帯材料の厚み方向に強さ955kA/mの磁場を加えた場合の最大磁歪が15at%Gaで400×10-6、17at%Gaで600×10-6である超磁歪特性を有することを特徴とする多結晶FeGa合金薄帯である。
また、本発明は、上記(1)の合金薄帯が熱処理されてなり、薄帯の厚み方向に磁化容易方向[100] を持つ集合組織が形成されていることを特徴とするFeGa合金薄帯である。さらに、本発明は、(3)鉄粉とエポキシ樹脂の薄層と上記(1)又は(2)のFeGa合金薄帯を積層した、厚み方向に磁場を印加した場合、長手方向に縮み、厚み方向に伸びる大きな磁歪を有することを特徴とするバルク積層型磁歪アクチュエータである。
【0010】
強磁性体に外部から磁界を印加した際に、ある方向に磁化することによって伸び縮みする現象を磁歪(ε)と呼び、磁歪が生じる材料を磁歪材料と呼ぶ。印加磁界方向に伸びて直角方向に縮む正磁歪と、その逆の負磁歪がある。印加磁界の強さが大きくなるに従って磁歪はある一定値に近づき、この値を磁歪定数と呼ぶ。磁歪は、ε=ΔL/L(ΔL:ひずみ量、L:元の長さ)で表す。
【0011】
超磁歪材料は、室温で0.1%以上の磁歪定数をもち、キュリー温度が高い。キュリー温度は、Terfenol- Dは623 ~653K、PZT (圧電材料)は418Kである。また、数十V以下の低電圧で駆動でき、100 μsオーダーの高速応答性を持つ。外部磁界によって遠隔駆動ができ、圧電材料よりもヒステリシスが小さく、許容圧縮応力が大きい。
【0012】
本発明の急冷凝固FeGa合金薄帯は、下記のような特長を有する。
(1)従来のバルク材料は等方的であるのに対し、本発明のFeGa合金薄帯は急冷凝固により、薄帯の厚み方向に柱状結晶集合組織が形成され、磁化の方向依存性から、厚み方向で大きな保磁力が得られ、磁歪も厚み方向で-400×10-6以上と大きい。Fe-17at%Ga合金薄帯では、厚み方向で-630×10-6もの最も大きな磁歪が得られる。
(2)従来のバルク材料は体心立方構造と面心立方構造からなる混晶であるのに対して、XRDによる構造解析から、本発明のFeGa合金薄帯は体心立方構造と応力誘起による体心正方構造をもつ組織が存在し、これが大磁歪に寄与している。
(3)本発明のFeGa合金薄帯を熱処理して、厚み方向に磁化容易方向[100 ]を持つ集合組織を形成することにより、θ=90°近傍で大磁歪出現させることができる。
【0013】
Fe-xat%Gaの式において、Gaが21at%(x=21)になると磁歪の方向依存性がなく、測定角度90°における大磁歪が得られず、またGaの量が増えるにつれて硬化し、180°の曲げ延性試験で破断し、延性がなくなる。したがって、Fe-xat%Gaの式におけるxは20以下とする。
【0014】
本発明の超磁歪特性を有する急冷凝固FeGa合金薄帯、磁化増加、減少時のε~H曲線のヒステリシス幅は小さく、残留磁歪も少ないため、センサ・アクチュエータ材料として有利であり、磁気駆動型センサ・アクチュエータ材料として有用である。
【0015】
また、鉄粉とエポキシ樹脂などの薄層と本発明のFeGa合金薄帯を積層することにより、厚み方向に磁場を印加した場合、長手方向に縮み、厚み方向に伸びる大きな磁歪を有するバルク積層型磁歪アクチュエータを形成し、ソナーや防振台制御などに用いて有用な特性を発揮できる。
【0016】
図1は、本発明の急冷凝固薄帯を、単ロールを用いて製造する方法を概念的に示したものである。図1に示すように、原料を石英ノズル1に入れて、加熱コイル2で加熱溶解し、回転ロール3の回転面に噴出させて金属の急冷凝固薄帯4を製造する装置および方法は周知であり、本発明の磁歪材料を得るにはこれらの手段を適宜用いる。図1に、概念的に示すように、回転ロールを用いる金属の急冷凝固薄帯の製造においては、冷却速度をTとした場合、冷却速度が遅い(T=10K/s程度)場合デンドライト状や粗大結晶に成長し、T≧106 K/sとなると合金組成によってアモルファスにすることが可能となる。T=103 K/sから106 K/sの間では、合金組成により微結晶のものや柱状結晶のものが得られる。
【0017】
本発明の超磁歪特性を有する急冷凝固FeGa合金薄帯は、急冷凝固法で、上記のように薄帯の厚み方向に結晶方向が揃った微細な柱状結晶集合組織を形成することによって得られる。この急冷凝固薄帯を急冷時に導入された材料内部の応力の緩和および再結晶化を促すために、1073K~1273Kの温度範囲で0.5時間から3時間の熱処理を行うと、薄帯材料の厚み方向に磁化容易方向[100] を持つ集合組織が形成される。
【0018】
本発明の超磁歪特性を有する急冷凝固FeGa合金薄帯の大磁歪現象は、急冷凝固法によって薄帯の厚み方向に結晶方向が揃った微細な柱状結晶集合組織が形成されるので、ある特定方向(θ)に大きい磁歪が発現することと関係している。また、そのために磁化時の磁区(磁壁)の移動・回転が材料内で一斉に起こり、磁歪の出現・消失が滑らかに起こるためと考えられる。
【0019】
この磁歪機構について、X線構造解析に基づいて説明する。X線構造解析は、マック・サイエンス製M18XHF-SRAを用い、X線回折CuΚα 線にて解析した。材料は、組成がFe-15at%Gaのバルク材料と薄帯材料さらに1173Kで1時間熱処理した薄帯材料を、アルミ製材料板の材料保持部(18×20mm)に入れて固定した。
【0020】
図2に、Fe-15at%Ga合金のバルク材料と急冷薄帯材料および1173K・1時間で熱処理した急冷薄帯材料のX線回折パターンを示す。図2から、バルク材料の大部分は、格子定数a=2.896Aの体心立方構造から構成されていることが分かる。さらに、バルク材料は2θ=42.7°および77.5°に小さなピークが出現することから、格子定数a=3.683Aを持つ面心立方構造の規則格子Fe3 Gaが析出した混晶である。
【0021】
一方、薄帯材料ではバルク材料に存在した面心立方構造の規則格子Fe3 Gaは消滅している。そして、{100 }、{200 }、{211 }、{220 }線が分離していることから、体心立方構造の他に軸の長さが異なる(a≠c)体心正方晶が混在している。1173K・1時間で熱処理した急冷薄帯材料のX線回折パターンは、2θ=64.4°の{200 }ピーク強度が増大し、その他のピークはかなり小さくなる。これは、薄帯の厚み方向の近傍に(100 )面を持つ集合組織が形成されたことを示す。 さらに、{220 }ピークは3本に分離し、体心立方構造から回折される強い2θ=64.4°ピークの前後に格子定数の長い{200 }ピークと短い{200 }ピークが出現している。
【0022】
以上のX線回折の解析結果から、液体急冷凝固後の薄帯材料は体心立方構造を持つ組織の他に、応力誘起によって出現した体心正方構造を持つ組織が混在する。ゆえに、磁場を印加することによって印加方向に最も近い磁化容易軸方向[100] を持つ磁区が成長することによって大磁歪が出現するものと考えられる。さらに、1173K・1時間熱処理した薄帯材料では、薄帯の厚み方向に磁化容易方向[100] を持つ集合組織が形成されていることから、磁歪の角度依存性が強くなり、θ~90°方向で最大磁歪-400×10-6が出現する。
【0023】
【実施例】
比較例1
純度99.9%の電解鉄および純度99.9%のガリウムを、アルゴン雰囲気中でプラズマアーク溶解法にて溶解を行い、Fe-15at%Gaの組成のインゴットを作製した。このインゴットを、約5×4×1mmに切り出してバルク材料とした。
【0024】
実施例1
比較例1で作製したFe-15at%Gaインゴットの一部を合金組織を均一にするため、1173K・24時間熱処理を行い、急冷凝固用の原料とした。この原料を単ロール法により急冷凝固して薄帯を作製した。手順は、約5gの材料を石英ノズル(内径8mm、外径10mm、長さ120mm、孔5mm)に入れ、ホルダにセットする。真空排気後、アルゴンガス置換し、高周波電流コイルで1723Kに加熱した。その後、アルゴンガス圧力でロールに吹出した。回転ロールの直径は200mm、ロールの回転速度は31.4m/sで行った。これにより縦横約5mm、厚さ130μmの急冷凝固FeGa合金超磁歪材料を作製した。
【0025】
実施例2
組成をFe-17at%Gaとした以外は実施例1と同様にFeGa合金超磁歪材料を作製した。
【0026】
比較例2
組成をFe-21at%Gaとした以外は実施例1と同様にFeGa合金超磁歪材料を作製した。
【0027】
実施例1、2および比較例1、2について下記の特性の測定を行った。
(磁化、磁歪測定)
磁化測定は東英工業製振動材料型磁力計(VSM)を用いて最大磁場を796kA/mとし、磁化‐磁場ヒステリシス曲線(M-Hループ)を測定した。振動材料型磁力計は磁化測定器・ガウスメータで構成されている。材料を磁場中で磁化し、一定振幅・一定周波数にて振動させることにより、検出コイルに誘起する磁気誘導電圧から材料の磁化の大きさを測定し、M-Hループを測定する。
【0028】
図3に示すように、磁歪の測定は、長手方向と平行にひずみゲージ10を貼り、試料20を棒状ホルダー(図示せず)に固定して磁場中心にくるように吊り下げ、静歪指示計(新興通信工業製)で測定した。 磁場発生装置は電磁石(日本電子製)を用い、磁場の強さは955kA/mまで加えた。また、電磁石を回転させることによりM-Hループおよび磁歪の角度依存性を調べた。図3に示すように、薄帯材料は長手方向を、バルク材料は平面内の一方向を回転軸に固定し、材料の厚み方向に磁場を印加した時を測定方向θ=90°として0°~90°の範囲を測定した。
【0029】
(磁化測定)
図4(a)に、実施例1(Fe-15at%Ga薄帯材料)のM‐Hループを示す。θ=0°方向で約160kA/mの磁場で飽和し、その時の磁化は~240×10-6Wb・m/kgであった。θ=90°方向では反磁界が強いため磁化されにくく、磁場796kA/mでも飽和していない。
【0030】
図4(b)に、比較例1(Fe-15at%Gaバルク材料)のM‐Hループを示す。θ=0°方向では、磁場796kA/mで磁化は230×10-6Wb・m/kgであり、薄帯材料でのθ=0°方向の飽和磁化とおおよそ一致する。
【0031】
よって、急冷凝固前後で飽和磁化が低下しないことが分かった。θ=90°方向では、磁場796kA/mで磁化217×10-6Wb・m/kgであり、θ=0°と90°の差は薄帯材料のそれに比べると小さい。これは反磁界が薄帯びよりも小さいためであると考えられる。
【0032】
図5は、M‐Hループから得られた実施例1(薄帯材料)および比較例1(バルク材料)に対する磁場796kA/m印加時の保磁力(Hc)の方向依存性を示す。バルク材料は、方向によらず等方的であり、全方向で薄帯材料より小さい約1.5kA/mのHcを示すのに対し、薄帯材料では0°から90°に近づくにつれて急激に大きくなり、約4.8kA/mのHcに達した。これは急冷凝固により形成されたFe-15at%Ga合金の結晶方向性によるものと考えられる。
【0033】
(磁歪の測定)
図6に、実施例1(Fe-15at%Ga薄帯材料)と比較例1(バルク材料)における磁歪の方向依存を示す。バルク材料の磁歪は薄帯材料より方向依存性が小さく、一方、薄帯材料はθ=90°で磁歪が最大であり、保磁力の方向依存性と似ている。これは、バルク材料はランダム結晶なので、薄帯材料の強い結晶方向性が大磁歪に関係することを示すと考えられる。
【0034】
図7は、実施例1(Fe-15at%Ga薄帯材料)にθ=90°方向に磁場(H)955kA/mを印加した時の磁歪(ε)を示す。最大-400×10-6の磁歪が発現し、これはバルク材料の最大磁歪の約10倍に達する大きなものであった。
【0035】
図8に、磁場955kA/mを印加した時の実施例1(x=15)、実施例2(x=17)、比較例2(x=21)3種類の組成の薄帯材料の磁歪(ε)を示す。実施例1(Fe-15at%Ga)、実施例2(Fe-17at%Ga)は90°付近で大きな磁歪が発現し、実施例2(Fe-17at%Ga)は約-600×10-6もの大きな最大磁歪が得られ3種類の組成の薄帯材料の中で最も大きい。一方、比較例2(Fe-21at%Ga)の最大磁歪は約10×10-6、3種類の組成の薄帯材料の中で最も小さい。
【0036】
実施例1、2および比較例2の薄帯を曲げ延性試験した結果、実施例1、2では180°の曲げでも破断せず、十分延性があることが分かった。比較例2では曲げ角度が180度で破断し、Gaの含有量の増加に伴い硬化して脆性が生じた。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、単ロールを用いて急冷凝固薄帯を製造する方法を概念的に示す説明図である。
【図2】図2は、Fe-15at%Ga合金薄帯材料とバルク材料のX線回折パターンを示すグラフである。
【図3】図3は、材料の磁気・磁歪測定方向を示す概念図である。
【図4】図4は、実施例1と比較例1のFe-15at%Ga合金薄帯材料のM-Hループ図である。
【図5】図5は、実施例1と比較例1のFe-15at%Ga合金薄帯材料の保磁力の方向依存性を示すグラフである。
【図6】図6は、実施例1と比較例1のFe-15at%Ga合金薄帯材料の磁歪の方向依存性を示すグラフである。
【図7】図7は、実施例1のFe-15at%Ga合金薄帯材料のθ=90°の磁歪の大きさを示すグラフである。
【図8】図8は、実施例1、2、比較例2のFe-15at%Ga合金薄帯材料の磁歪の方向依存性を示すグラフである。
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4
【図6】
5
【図7】
6
【図8】
7