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明細書 :画像処理変位計測における補正方法

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第3820459号 (P3820459)
公開番号 特開2003-035536 (P2003-035536A)
登録日 平成18年6月30日(2006.6.30)
発行日 平成18年9月13日(2006.9.13)
公開日 平成15年2月7日(2003.2.7)
発明の名称または考案の名称 画像処理変位計測における補正方法
国際特許分類 G01C   7/06        (2006.01)
E21D   9/00        (2006.01)
G01B  11/24        (2006.01)
G01C  11/06        (2006.01)
G01C  15/00        (2006.01)
G06T   1/00        (2006.01)
G06T   3/00        (2006.01)
G06T   7/20        (2006.01)
FI G01C 7/06
E21D 9/00 Z
G01B 11/24 K
G01C 11/06
G01C 15/00 104A
G06T 1/00 300
G06T 3/00 200
G06T 7/20 B
請求項の数または発明の数 2
全頁数 14
出願番号 特願2001-223270 (P2001-223270)
出願日 平成13年7月24日(2001.7.24)
審査請求日 平成16年7月9日(2004.7.9)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】000000549
【氏名又は名称】株式会社大林組
【識別番号】390001421
【氏名又は名称】学校法人早稲田大学
発明者または考案者 【氏名】畑 浩二
【氏名】橋本 周司
個別代理人の代理人 【識別番号】100087686、【弁理士】、【氏名又は名称】松本 雅利
審査官 【審査官】▲うし▼田 真悟
参考文献・文献 特開平11-337322(JP,A)
特開2000-329554(JP,A)
特開2001-133225(JP,A)
社団法人日本写真測量学会,解析写真測量 改訂版,日本,社団法人日本写真測量学会,1997年 4月10日
調査した分野 G01C 1/00-15/00
G01B 11/00-11/30
G06T 1/00- 7/60
E21D 9/00
特許請求の範囲 【請求項1】
異なる時間に撮影された複数の撮像画像を、前記撮像画像上の複数の基準点が一致するように重ね合わせて測定点の変位を求める変位計測方法において、撮像デジタルカメラの姿勢ズレによる誤差を解消する際に、当該デジタルカメラの姿勢に応じて、一方の画像を、他方の画像が撮像されたときの姿勢で補正する方法であって、
前記撮像画像の被測定対象物は、掘削されたトンネル内空断面であり、
前記内空断面に下端側が埋設されるターゲット本体と、前記ターゲット本体の視認可能な表面に設置され、所定の光を照射することで作動する受光センサと、前記受光センサの作動により、所定時間発光する発光素子とを有する複数の計測ターゲットを、前記内空断面に沿って設置して、前記受光センサに前記所定光を照射して、前記発光素子を発光させた状態で前記撮像画像を撮影し、
前記変位の補正は、前記デジタルカメラを前記測定点に設置する際の、水平面内の回転角,垂直面内の仰角,光軸回転角に基づくものであり、前記デジタルカメラの撮像画像データ内に、絶対位置座標値が既知の3標準点を撮像し、この3標準点の画像処理データから座標変換に関する6個の非線形連立方程式を作成して、この非線形連立方程式からNewton-Raphson法により近似解を求め、当該近似解で前記撮像画像データを補正することを特徴とする画像処理変位計測における補正方法。
【請求項2】
前記3標準点は、トンネル坑口側から切羽に向けて、常時照射している測量補助用のレーザ光とすることを特徴とする請求項1記載の画像処理変位計測における補正方法。
発明の詳細な説明 【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、画像処理変位計測における補正方法に関し、特に、デジタルカメラを用いて経時的な画像処理データを取得し、このデータに基づいて変位を計測する際に、計測精度を向上させる技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
CCDなどのデジタルカメラを用いる画像処理による計測は、工業製品の検査,加工管理などに用いられていて、主として、それほど高度の計測精度を要求されない分野に利用されている。
【0003】
ところで、近時、このような画像処理による計測が、トンネル掘削面の内空変位の計測に応用することが試みられていて、その一例が、例えば、特開平2000—329554号公報に開示されている。
【0004】
この公報に開示されている画像処理を利用したトンネル内空の変位測定方法は、撮像可能な標点を測定対象掘削断面に沿って複数設置し、これらの標点を経時的に撮影して、複数の画像処理データを得て、この画像処理データから同一標点間の移動量を演算して、これを内空の経時的な変位として把握する。
【0005】
しかしながら、このような画像処理を利用した変位計測には、以下に説明する技術的な課題があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
すなわち、前述したようなトンネル内空の変位測定では、切羽の進行に合わせて、同一場所から標点を複数回に亘って、デジタルカメラで撮影する必要があるが、トンネルの掘削現場では、撮影場所に常時カメラを設置しておくと、重機などの通行や、他の作業の障害になるので、通常、撮影する度ごとに、同じ場所にカメラを設置して、概略同じ方向を視準するようにして行うことになる。
【0007】
この場合、カメラの設置場所は、測量機器などによりかなり正確に再現できるが、カメラの視準方向は、全く同じ状態を再現することが非常に難しく、殆ど不可能である。
【0008】
ところが、カメラの視準方向が、撮影の度に微妙に異なっていると、撮像された標点の位置が微妙に変化し、微小変位を測定する際には、計測誤差の要因となり、その結果、測定精度が低くなるという問題があった。
【0009】
本発明は、このような従来の問題点に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、カメラの視準方向の相違に基づく誤差要因を補正することで、高精度の測定が可能になる画像処理変位測定における補正方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は、異なる時間に撮影された複数の撮像画像を、前記撮像画像上の複数の基準点が一致するように重ね合わせて測定点の変位を求める変位計測方法において、撮像デジタルカメラの姿勢ズレによる誤差を解消する際に、当該デジタルカメラの姿勢に応じて、一方の画像を他方の画像が撮像されたときの姿勢で補正する方法であって、前記撮像画像の被測定対象物は、掘削されたトンネル内空断面であり、前記内空断面に下端側が埋設されるターゲット本体と、前記ターゲット本体の視認可能な表面に設置され、所定の光を照射することで作動する受光センサと、前記受光センサの作動により、所定時間発光する発光素子とを有する複数の計測ターゲットを、前記内空断面に沿って設置して、前記受光センサに前記所定光を照射して、前記発光素子を発光させた状態で前記撮像画像を撮影し、前記変位の補正は、前記デジタルカメラを前記測定点に設置する際の、水平面内の回転角,垂直面内の仰角,光軸回転角に基づくものであり、前記デジタルカメラの撮像画像データ内に、絶対位置座標値が既知の3標準点を撮像し、この3標準点の画像処理データから座標変換に関する6個の非線形連立方程式を作成して、この非線形連立方程式からNewton-Raphson法により近似解を求め、当該近似解で前記撮像画像データを補正するようにした。
【0011】
このように構成した画像処理変位計測おける補正方法によれば、デジタルカメラを測定点に設置する際の、水平面内の回転角,垂直面内の仰角,光軸回転角に基づいて、撮像画像データを補正し、補正後の撮像画像データにより変位を演算するので、変位計測が高精度に行える。
【0014】
前記3標準点は、トンネル坑口側から切羽に向けて、常時照射している測量補助用のレーザ光とすることができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施の形態について、添付図面に基づいて詳細に説明する。図1から図6は、本発明にかかる画像処理変位計測における補正方法の一実施例を示している。
【0017】
同図に示した補正方法は、本発明方法を、トンネル10の掘削断面の内空変位の計測に画像処理計測に適用した場合を示している。トンネル10の内空変位計測を画像処理で行う場合には、デジタルカメラ12と、このデジタルカメラ12で撮影した複数の撮像画面A,B……を入力して、モニター14に表示したり、あるいは、表示する前に複数の撮像画面A,B……を重ね合わせるなどの画像処理を施すパソコン16とが用いられる。
【0018】
なお、この実施例では、パソコン16をトンネルの工事現場に設置しているが、パソコン16は、事務所の中に設置しておき、情報の授受を無線ないしは有線で行ってもよいし、カメラ12の撮像データを記録媒体に書き込んで、パソコン16自体を別の場所に運搬しても良い。。
【0019】
内空変位を計測する際には、掘削された直後の切羽面17の直前に、測定対象掘削断面18が設定され、この掘削断面18に複数の計測ターゲット20が設置される。
【0020】
この計測ターゲット20は、デジタルカメラ12により撮像が可能なものであって、その一例を図5,6に示している。これらの図に示した測定ターゲット20は、ターゲット本体20aと、受光センサ20bと、発光素子20cとを有している。ターゲット本体20aは、中空円筒状の筒体200aと密栓201aとを備えている。
【0021】
筒体200a内には、後述する制御回路部品や電池電源などが収納され、密栓201aにより閉塞されている。ターゲット本体20aは、筒体200aの閉塞された側の端部が、掘削断面18に埋設される。
【0022】
受光センサ20bは、例えば、所定の光、例えば、赤外光を受光することで作動するCdSセルやホトトランジスタなど構成され、筒体200aの視認可能な表面に配設されている。
【0023】
発光素子20cは、例えば、赤外光を発光する発光ダイオードから構成され、筒体200aの端部表面側にあって、受光センサ20bの側方に配置されている。本実施例の場合、発光素子20cは、受光センサ20bの作動により、発光が開始されて、その後、所定時間だけ発光するように構成されている。
【0024】
図6は、このような発光をさせるための駆動制御回路20dの一例を示している。なお、この図に示した駆動制御回路20dは、ターゲット本体20aの筒体200a内に収納設置される。
【0025】
同図に示した駆動制御回路20dは、受光センサ20bと発光素子20cとが直列接続され、発光素子20cの他端側には、タイマー回路20eと電源電池20fとが直列接続されている。
【0026】
この場合のタイマー回路20eのON時間は、計測に必要な時間、例えば、5~10分程度に設定される。また、受光センサ20bは、その作動により電気的な接続状態を保つ自己保持回路20gが並列接続されるとともに、電源電池20fの負極側に接続されている。
【0027】
デジタルカメラ12で計測ターゲット20を撮像する際には、例えば、懐中電灯やストロボにより、受光センサ20bに光を照射する。
【0028】
受光センサ20bに光が照射されると、受光センサ20bが作動状態になり、図6に示すように、自己保持回路20gを有しているので、光の照射がなくなっても受光センサ20bの作動状態は、そのまま維持される。
【0029】
また、受光センサ20bが作動状態になると、タイマー回路20eを介して、電源電池20fの電力が発光素子20cに加えられ、これにより、発光素子20cが自己発光する。
【0030】
このような発光素子20cの発光状態は、タイマー回路20eが作動状態にある間は継続され、設定された時間が経過してタイマー回路20eが非作動状態になると、発光素子20cの自己発光は消滅する。
【0031】
従って、発光素子20cが発光している間にデジタルカメラ12をその方向に視準させて撮像すると、画像処理に必要な情報が得られる。計測ターゲット20の設置状態は、掘削壁面18から同じ距離だけ離れた位置になるようにする。
【0032】
なお、計測ターゲット20は、上記構成に限る必要はなく、例えば、光を照射した際に反射発光する反射板や、自発光する発光ダイオード,ペンライトなどであってもよい。
【0033】
一方、本実施例の場合には、このような計測ターゲット20の設置とともに、後述する変位の補正に用いられる3個の標準点22,22,22が設置される。
【0034】
この標準点22,22,22は、後述するように、場所によって変わることのない絶対位置座標値が既知であって、本実施例の場合には、トンネル10の掘削断面の両側と、中心上部の3箇所に設定されており、トンネル10の坑口側から切羽面17に向けて常時照射されているレーザ光Lが用いられている。
【0035】
3本のレーザ光Lは、例えば、赤色発光のものであって、切羽面17の前方の所定位置に、3個のレーザ光発生器24を固定的に設置し、このレーザ光発生器24から切羽面17側に向けて常時同じ位置にレーザ光Lを投射するようにしている。
【0036】
このようなレーザ光Lは、例えば、切羽面17の位置を測量する際の基準などに用いられるものであり、掘削断面18の変位測定の際には、測定対象掘削断面18にスクリーン26を設置して、レーザ光Lをスクリーン26で遮断することにより、スクリーン26上でレーザ光Lを発光させることで撮像可能にしている。
【0037】
以上のような、計測ターゲット20および3標準点22,22,22の設置が終了すると、所定の測定点Xにデジタルカメラ12を3脚上に支持して、これらが同時に含まれる状態で視準撮影し、掘削直後の撮像画面Aが撮像される。
【0038】
そして、デジタルカメラ12により撮影された撮像画面Aは、パソコン16のメモリなどに記憶され、必要に応じて取出され、モニター14上に表示することができる。図4(A)には、モニター14上に表示される撮像画面Aの一例が示されている。
【0039】
同図において、×印で示したものが計測ターゲット20の映像であり、×印を四角で囲んだものが3標準点22,22,22の映像である。また、同図に示した半円状の曲線は、各計測ターゲット20の設置位置から測定対象掘削断面18の内周面を演算処理により求めて表示したものである。
【0040】
図3は、撮像画面Aを撮影した際の、測定対象掘削断面18と、切羽面17およびその後の掘削状態の関係を示したものである。測定対象掘削断面18は、切羽面17が掘削された直前に設定されている。
【0041】
そして、同図に示すように、時間が経過して切羽面17の掘削が進行し、撮像画面Aを得た地点からB地点に到達すると、デジタルカメラ12により、再び測定対象掘削断面18の撮影が行われる。
【0042】
この時の撮影は、前述した場合と同様に、測定点X上にデジタルカメラ12を設置し、概略同じ方向を視準するようにして、計測ターゲット20と3標準点22,22,22とが撮影される。
【0043】
このような視準撮影によって得られた撮像画面Bの一例を図4(B)に示している。この撮像画面Bにおいても、×印で示したものが計測ターゲット20の映像であり、×印を四角で囲んだもの3標準点22,22,22の映像である。
このようにして、掘削直後の撮像画面Aと、所定時間が経過した後の撮像画面Bが得られると、これらの撮像画面A,Bの重ね合わせが行われる。撮像画面A,Bを重ね合わせる際には、各撮像画面A,Bに3標準点22,22,22が撮影されているので、これを相互に一致させることにより行う。
【0044】
画像処理を施してモニター14上において撮像画面A,Bを重ね合わせた状態を図4(C)に示している。このような重ね合わせ画面が得られると、対応する計測ターゲット20間の移動量を求めることにより、各計測ターゲット20上における掘削断面18の内空変位が判る。
【0045】
そして、さらに掘削が進行し、撮像画面Bを得た地点からC地点に到達すると、デジタルカメラ12により、再び測定対象掘削断面18の撮影が行われ、得られた撮像画面Cと、撮像画面A,Bのいずれか一方ないしは双方との重ね合わせ処理が行われ、上記同様にして掘削断面18の内空変位が求められる。
【0046】
ところが、このような画像処理変位計測においては、前述したように、デジタルカメラ12の視準方向の相違に基づく誤差要因が含まれていて、測定精度が低下する。
【0047】
そこで、本実施例では、以下のような補正方法を採用する。ここで、まず、デジタルカメラ12の視準方向の相違に基づく誤差要因について、より具体的に説明する。
【0048】
図7から図9は、デジタルカメラ12の視準方向の相違に基づいて発生する誤差要因の例を示している。デジタルカメラ12で、計測ターゲット20などを撮影する際には、カメラ12を測定点Xに設置するが、その時に、カメラ20の視準方向が、前回の撮影時と異なっている場合には、その相違は、図7に示すように、カメラ12の水平面内の回転角θ(パン角),垂直面内の仰角φ,光軸回転角γで示すことができる。
【0049】
図8は、パン角θに相違がある場合を示しており、パン角θが前回撮影時と異なると、本来黒丸印で撮影されるベき点が、×印の位置に撮影され、これらが前後にズレている分だけ測定誤差要因となる。
【0050】
図9は、仰角φに相違がある場合を示しており、仰角φが前回撮影時と異なると、本来黒丸印で撮影されるベき点が、×印の位置に撮影され、その結果、高さhが、h‘となり、これらが前後にズレている分だけ測定誤差要因となる。
【0051】
なお、光軸回転角γは、直接的には測定誤差要因にならないが、画像のねじれなどで、測定誤差要因となる場合も想定されるので、本実施例では、この補正も考慮している。
【0052】
このようなデジタルカメラ12の視準方向の相違に基づく誤差要因は、デジタルカメラ12により撮像された画像データ中に、既知なる点が3点あれば、これらを算出することができるので、本実施例では、これに相当する3標準点22,22,22を撮影するようにしている。
【0053】
カメラ12の視準方向の相違に基づく、誤差要因である水平面内の回転角θ(パン角),垂直面内の仰角φ,光軸回転角γを算定する際には、図10に示すように、場所によって変わることのない絶対位置座標系、例えば、ワールド座標系(x,y,z)と、測定点X上に設置したデジタルカメラ12の光軸方向を、Y軸とするカメラ座標系(X,Y,Z)とを想定する。
【0054】
なお、このワールド座標系(x,y,z)は、広義の意味では、地球の中心を原点とする座標系であるが、本実施例の場合には、切羽の進行に伴って座標値が変化しない、例えば、トンネル掘削の出発点となる坑口部分のある点を原点とする座標系である。
【0055】
そして、Y軸に垂直な画像面I(u-v面)を置く。この場合、光軸中心から画像面Iまでの距離は、デジタルカメラ12の焦点距離に相当するので、これをDfとする。
【0056】
また、カメラ12の位置の絶対座標をO(xc,yc,zc)とすれば、ワールド座標系(x,y,z)に撮像されるu-v面上のカメラ12の位置座標P(u,Df,v)は、
【式1】
JP0003820459B2_000002t.gifと表せる。
ここで、θは、カメラのパン角,φは、仰角,γは、光軸に対する回転角に相当し、ワールド座標系(x,y,z)とカメラ座標系(X,Y,Z)との座標変換は、簡単な回転行列で表される。
【0057】
ここで、カメラ12の位置,姿勢のパラメータをS=(xc,yc,zc,θ,φ,γ)とすれば、ワールド座標系上の点(x,y,z)による画像上の点(u,v)は、u=u(x,y,z,S),v=v(x,y,z,S)と書ける。
【0058】
この式を使って、Sの6つの未知数(xc,yc,zc,θ,φ,γ)を求めるためには、6個の方程式が必要になる。そのために、本実施例では、ワールド位置座標値が既知で、かつ、カメラ座標系(X,Y,Z)の座標値を演算によって求め得る3標準点22,22,22が、カメラ12により撮影可能にしている。
【0059】
このような既知座標値が撮像された画像上に含まれていると、撮影された画像データから、以下に示す6個の方程式が得られる。
【式2】
JP0003820459B2_000003t.gif【0060】
この式は、明らかに非線形連立方程式であって、そのまま解くこともできるが、Newton-Raphson法によって近似解を求めることができる。すなわち、Newton-Raphson法では、図11に示すように、方程式f(x)=0の解は、
【式3】
JP0003820459B2_000004t.gifの漸化式で与えられる。
【0061】
これを連立方程式に拡張すると、連立方程式
【式4】
JP0003820459B2_000005t.gifの解は、
【0062】
【式5】
JP0003820459B2_000006t.gifの漸化式で与えられ、この式から、カメラパラメータS=(xc,yc,zc,θ,φ,γ)がそれぞれ求められる。
【0063】
以上のようにして、カメラパラメータS=(xc,yc,zc,θ,φ,γ)がそれぞれ求められると、これらのパラメータに基づいて、撮像画面A,Bの計測ターゲット20の位置座標をそれぞれ補正し、その後、図4に示したように重ね合わせて、掘削断面18の内空変位を演算する。
【0064】
さて、以上ように構成した補正方法によれば、デジタルカメラ12を測定点Xに設置する際の相違に起因する誤差要因である水平面内の回転角θ,垂直面内の仰角φ,光軸回転角γに基づいて、計測ターゲット20の位置座標を補正し、その補正値に基づいて変位を演算するので、変位計測が高精度に行える。
【0066】
【発明の効果】
以上、詳細に説明したように、本発明にかかる画像処理変位計測における補正方法によれば、カメラの視準方向の相違に基づく誤差要因を補正することで、高精度の測定が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる画像処理変位計測における補正方法が適用されるトンネル掘削断面の内空変位を計測する際の実施状態の説明図である。
【図2】図1に示した計測対象物をデジタルカメラで撮像して、再生した画像の説明図である。
【図3】図1に示したトンネルの掘削の進行を示す説明図である。
【図4】本発明にかかる計測方法で撮影された複数の撮像画面を重ね合わせる際の説明図である。
【図5】図1に示した計測方法で使用する計測ターゲットの一例を示す外観斜視図である。
【図6】図5の計測ターゲットの電気系統の回路図である。
【図7】本発明の補正方法が補正対象とするカメラの視準方向の相違に基づく誤差要因の説明図である。
【図8】図7に示した誤差要因のパン角の場合の詳細説明図である。
【図9】図7に示した誤差要因の仰角の場合の詳細説明図である。
【図10】本発明のかかる補正方法で想定する座標系の説明図である。
【図11】本発明にかかる補正方法で採用する近似式の説明図である。
【符号の説明】
10 トンネル
12 デジタルカメラ
14 モニター
16 パソコン
18 測定対象掘削断面
20 計測ターゲット
221~3 標準点
24 レーザ光発生器
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4
【図6】
5
【図7】
6
【図8】
7
【図9】
8
【図10】
9
【図11】
10