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明細書 :4,4’-ジイソプロピルビフェニルの合成方法及び触媒

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第3762986号 (P3762986)
公開番号 特開2003-306452 (P2003-306452A)
登録日 平成18年1月27日(2006.1.27)
発行日 平成18年4月5日(2006.4.5)
公開日 平成15年10月28日(2003.10.28)
発明の名称または考案の名称 4,4’-ジイソプロピルビフェニルの合成方法及び触媒
国際特許分類 C07C   2/66        (2006.01)
B01J  29/70        (2006.01)
C07C  15/14        (2006.01)
C07B  61/00        (2006.01)
FI C07C 2/66
B01J 29/70 Z
C07C 15/14
C07B 61/00 300
請求項の数または発明の数 2
全頁数 9
出願番号 特願2002-114847 (P2002-114847)
出願日 平成14年4月17日(2002.4.17)
新規性喪失の例外の表示 特許法第30条第1項適用 函館大会(特別講演 招待講演 第31回石油・石油化学討論会)講演要旨集(平成13年11月1日)社団法人石油学会発行第277-278頁に発表
審査請求日 平成14年4月17日(2002.4.17)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】304019399
【氏名又は名称】国立大学法人岐阜大学
発明者または考案者 【氏名】杉 義弘
【氏名】窪田 好浩
【氏名】伊藤 亨
個別代理人の代理人 【識別番号】100068755、【弁理士】、【氏名又は名称】恩田 博宣
【識別番号】100105957、【弁理士】、【氏名又は名称】恩田 誠
審査官 【審査官】松本 直子
参考文献・文献 特表平05-500352(JP,A)
特開昭63-227529(JP,A)
特開平06-145076(JP,A)
特開平01-165531(JP,A)
特開平05-213783(JP,A)
特開昭62-191418(JP,A)
特開平04-005246(JP,A)
調査した分野 C07C 2/64- 2/66
C07C 15/14
特許請求の範囲 【請求項1】
ビフェニルとプロピレンとを触媒の存在下に反応させ、ビフェニルのイソプロピル化反応を行い、4,4'-ジイソプロピルビフェニルを合成する4,4'-ジイソプロピルビフェニルの合成方法であって、
前記触媒は、骨格内にアルミニウムが導入された[Al]-SSZ-24ゼオライトであり、前記[Al]-SSZ-24ゼオライトの成分であるSiOとAlとの比を表すSiO/Alがモル比で172~768に設定されていることを特徴とする4,4'-ジイソプロピルビフェニルの合成方法。
【請求項2】
ビフェニルとプロピレンとを反応させ、ビフェニルのイソプロピル化反応を行い、4,4'-ジイソプロピルビフェニルの合成方法に用いられる触媒であって、
骨格内にアルミニウムが導入され、SiOとAlとの比を表すSiO/Alがモル比で172~768である[Al]-SSZ-24ゼオライトより構成されことを特徴とする触媒。
発明の詳細な説明 【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ビフェニルとプロピレンとを触媒の存在下に反応させ、ビフェニルのイソプロピル化反応を行い、4,4’-ジイソプロピルビフェニルを合成する4,4’-ジイソプロピルビフェニルの合成方法及び触媒に関するものである。より詳しくは、ビフェニルのイソプロピル化反応において4,4’-ジイソプロピルビフェニルの選択性を向上させることができる4,4’-ジイソプロピルビフェニルの合成方法及び触媒に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、工業的に需要が多い4,4’-ジイソプロピルビフェニルは、触媒としてY型ゼオライトを用い、ビフェニルとプロピレンとを反応させ、ビフェニルのイソプロピル化反応を行うことにより合成されている。
【0003】
Y型ゼオライトは、その細孔構造に内径が大きいとともに多次元方向に延びる空孔を有し、表面に固体酸触媒として作用する酸点を備えている。そして、4,4’-ジイソプロピルビフェニルを合成するときには、Y型ゼオライトの表面の酸点を利用してビフェニルのイソプロピル化反応が進行する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、この従来の4,4’-ジイソプロピルビフェニルの合成方法においては、ビフェニルのイソプロピル化反応によって合成される生成物の分布に占める4,4’-ジイソプロピルビフェニルの割合は熱力学的平衡組成に近く、その選択性はほとんど向上されていないという問題があった。
【0005】
本発明は、上記のような従来技術に存在する問題点に着目してなされたものである。その目的とするところは、ビフェニルのイソプロピル化反応において4,4’-ジイソプロピルビフェニルの選択性を向上させることができる4,4’-ジイソプロピルビフェニルの合成方法及び触媒を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、請求項1に記載の発明の4,4'-ジイソプロピルビフェニルの合成方法は、ビフェニルとプロピレンとを触媒の存在下に反応させ、ビフェニルのイソプロピル化反応を行い、4,4'-ジイソプロピルビフェニルを合成する4,4'-ジイソプロピルビフェニルの合成方法であって、前記触媒は、骨格内にアルミニウムが導入された[Al]-SSZ-24ゼオライトであり、前記[Al]-SSZ-24ゼオライトの成分であるSiOとAlとの比を表すSiO/Alがモル比で172~768に設定されている。
【0007】
請求項2に記載の発明の触媒は、ビフェニルとプロピレンとを反応させ、ビフェニルのイソプロピル化反応を行い、4,4'-ジイソプロピルビフェニルの合成方法に用いられる触媒であって、骨格内にアルミニウムが導入され、SiOとAlとの比を表すSiO/Alがモル比で172~768である[Al]-SSZ-24ゼオライトより構成されものである。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を具体化した一実施形態について詳細に説明する。
4,4'-ジイソプロピルビフェニルの合成方法は、ビフェニルとプロピレンとを触媒の存在下に反応させ、ビフェニルのイソプロピル化反応を行い、4,4'-ジイソプロピルビフェニルを合成する4,4'-ジイソプロピルビフェニルの合成方法である。そして、触媒は[Al]-SSZ-24ゼオライト(以下、単にSSZ-24ともいう)である。
【0009】
まずビフェニルのイソプロピル化反応について説明する。
ビフェニルのイソプロピル化反応はビフェニルのアルキル化反応の一つであり、液相のビフェニルと気相のプロピレンとが反応する多相(不均一)反応、又は気相のビフェニルと気相のプロピレンとが反応する気相反応である。このビフェニルのイソプロピル化反応を行い、4,4’-ジイソプロピルビフェニルを合成するときには、下記反応式に示すように、1molのビフェニルに2molのプロピレンを反応させる。
【0010】
【化1】
JP0003762986B2_000002t.gifこのとき、ビフェニルのイソプロピル化反応を促進するために、プロピレンはビフェニルに対して当量よりも過剰に加えられる。また、目的物である4,4’-ジイソプロピルビフェニル以外にも、イソプロピルビフェニル、3,4’-ジイソプロピルビフェニル等のジイソプロピルビフェニル又はトリイソプロピルビフェニルが副生成物として合成される。
【0011】
ビフェニルのイソプロピル化反応での反応温度は、4,4’-ジイソプロピルビフェニルの選択性を示す選択率と、ビフェニルのイソプロピル化反応の転化率とを向上させるために、好ましくは150~300℃である。150℃未満では、ビフェニルのイソプロピル化反応の転化率が低下しやすい。一方、300℃を超えると、4,4’-ジイソプロピルビフェニルの異性化反応が起きるために、4,4’-ジイソプロピルビフェニルの選択率が低下しやすい。
【0012】
また、ビフェニルのイソプロピル化反応での反応圧力は、ビフェニルのイソプロピル化反応が多相反応として進行するときには、ビフェニルとプロピレンとを十分に反応させるために、好ましくは0.2~2MPaである。0.2MPa未満では、ビフェニルとプロピレンとを十分に反応させることができない。さらに、4,4’-ジイソプロピルビフェニルの異性化反応が起きるために、4,4’-ジイソプロピルビフェニルの選択率が低下しやすい。一方、2MPaを超えても、ビフェニルとプロピレンとの反応をそれ以上促進しにくい。
【0013】
さらに、ビフェニルのイソプロピル化反応での反応時間は、例えばSSZ-24の成分であるSiO2とAl23との比を表すSiO2/Al23が172のSSZ-24を触媒として用い、250℃の反応温度でビフェニルのイソプロピル化反応を行うときには、好ましくは0.1~4時間である。
【0014】
0.1時間未満では、ビフェニルとプロピレンとを十分に反応させることができない。一方、4時間を超えると、4,4’-ジイソプロピルビフェニルの異性化反応が起きるために、4,4’-ジイソプロピルビフェニルの選択率が低下しやすい。
【0015】
次いで、SSZ-24について説明する。
SSZ-24はゼオライトの一種であり、図1に示すように、国際ゼオライト協会(International Zeolite Association)によるSSZ-24のFramework TypeはAFIである。図1において、頂点11はSSZ-24の骨格内のケイ素原子(Si)等を示し、辺12はSi-O-Si結合等を示している。
【0016】
SSZ-24は、図2に示すN(16)-Methylsparteinium(MeSPA+)等の嵩高い有機stracture-directing agent(有機SDA)を用いた水熱合成により合成され、四面体であるSiO4及びBO4を骨格の基本構造とするボロシリケートとしてのみ結晶化する。このとき、SSZ-24の骨格内には、ケイ素とホウ素(B)とが含まれている。
【0017】
図1に示すように、SSZ-24は、その細孔構造は12員環細孔13から構成されるとともに一次元方向に延びるストレートチャンネルであり、外表面及び細孔内には固体酸触媒として作用する酸点を備えている。そして、4,4’-ジイソプロピルビフェニルを合成するときには、SSZ-24の外表面及び細孔内の各酸点を利用してビフェニルのイソプロピル化反応が進行する。
【0018】
ここで、骨格内にホウ素を含むSSZ-24、即ち図1の各頂点11の内の少なくとも一つの頂点11がホウ素であるSSZ-24は、ビフェニルのイソプロピル化反応に対するSSZ-24の活性を高めるために、骨格内にアルミニウム(Al)が導入されるのが好ましい。即ち、図1の各頂点11の内の少なくとも一つの頂点11がアルミニウムであるのが好ましい。
【0019】
これは、SSZ-24の骨格内にアルミニウムが導入されることにより、SSZ-24の外表面及び細孔内の各酸点の数が増加するためと推定される。尚、以下の説明においては、骨格内にホウ素を含むSSZ-24を[B]-SSZ-24ともいうとともに、骨格内にアルミニウムが導入されたSSZ-24を[Al]-SSZ-24ともいう。
【0020】
SSZ-24の骨格内へのアルミニウムの導入は、例えば[B]-SSZ-24の骨格内のホウ素の少なくとも一部がアルミニウムに置換されることにより行われる。このとき、[Al]-SSZ-24の成分であるSiO2とAl23との比を表すSiO2/Al23は、4,4’-ジイソプロピルビフェニルを含むジイソプロピルビフェニルの収率と、ビフェニルのイソプロピル化反応の転化率とを向上させるために、モル比で好ましくは172~768である。
【0021】
このモル比が172未満では、ビフェニルのイソプロピル化反応において副生成物であるトリイソプロピルビフェニル等の収率が増大することによって、目的物である4,4’-ジイソプロピルビフェニルを含むジイソプロピルビフェニルの収率が低下しやすい。これは、SSZ-24の骨格内に導入されるアルミニウムの量が増大するために、外表面に存在する酸点を利用した立体的な規制を受けないビフェニルのイソプロピル化反応、即ち非選択的なビフェニルのイソプロピル化反応が促進されるためと推定される。
【0022】
一方、モル比が768を超えると、ビフェニルのイソプロピル化反応の転化率が低下しやすい。これは、SSZ-24の骨格内に導入されるアルミニウムの量が減少するために、SSZ-24の外表面及び細孔内の各酸点の数の増加の割合が小さい。よって、SSZ-24の活性の高められる割合が小さいために、ビフェニルのイソプロピル化反応の促進が不十分であるためと推定される。
【0023】
SSZ-24は、ビフェニルのイソプロピル化反応の触媒として使用されるときには、その量はビフェニル1molに対して好ましくは0.5~10gである。0.5g未満では、ビフェニルのイソプロピル化反応を十分に促進することができない。一方、10gを超えても、ビフェニルのイソプロピル化反応をそれ以上促進することができない。
【0024】
次に、SSZ-24の合成方法について説明する。
SSZ-24を合成するときには、例えばSiO2と有機SDAとNaOHとNa247とH2Oとが、モル比でSiO2:有機SDA:NaOH:Na247:H2O=1:0.2:0.1:0.04:50となるように調製したゲルを耐熱密閉容器に入れた後、175℃で5日間静置する。次いで、生じた沈殿を濾過、洗浄及び乾燥した後、さらに650℃で4時間焼成することによって包接された有機SDAを取除き、SSZ-24としての[B]-SSZ-24を合成する。
【0025】
続いて、[Al]-SSZ-24の合成方法について説明する。
[Al]-SSZ-24を合成するときには、例えば[B]-SSZ-24に硝酸アルミニウム処理を施して[B]-SSZ-24の骨格内のホウ素の少なくとも一部をアルミニウムに置換することにより、SSZ-24の骨格内にアルミニウムを導入する。
【0026】
即ち、硝酸アルミニウム(Al(NO33)を水に溶解させた後、その溶液に[B]-SSZ-24を懸濁させる。このときの[B]-SSZ-24と硝酸アルミニウムと水との割合は、重量比で[B]-SSZ-24:硝酸アルミニウム:水=1:1:50である。次いで、この懸濁液を18時間還流した後、濾過及び乾燥する。
【0027】
そして、[B]-SSZ-24に施す硝酸アルミニウム処理の回数を調整することによってSSZ-24の骨格内に導入されるアルミニウムの量を調整した後、さらに550℃で4時間焼成することによって[Al]-SSZ-24を合成する。
【0028】
続いて、4,4’-ジイソプロピルビフェニルの合成方法について説明する。
4,4’-ジイソプロピルビフェニルを合成するときには、上記反応式に示すように、ビフェニルとプロピレンとをSSZ-24の存在下に反応させ、ビフェニルのイソプロピル化反応を行う。
【0029】
このとき、SSZ-24の細孔内においては、酸点を利用してビフェニルのイソプロピル化反応が進行する。そして、細孔の内径による立体的な規制を受けることによって、合成されるイソプロピルビフェニル、ジイソプロピルビフェニル及びトリイソプロピルビフェニルの内、嵩低いイソプロピルビフェニル及びジイソプロピルビフェニルが嵩高いトリイソプロピルビフェニルに対して優先して細孔外へ拡散される。一方、SSZ-24の外表面においては、酸点を利用して非選択的なビフェニルのイソプロピル化反応が進行する。
【0030】
以上詳述した本実施形態によれば、次のような効果が発揮される。
・ 本実施形態の4,4’-ジイソプロピルビフェニルの合成方法及び触媒によれば、ビフェニルとプロピレンとを触媒の存在下に反応させ、ビフェニルのイソプロピル化反応を行い、4,4’-ジイソプロピルビフェニルを合成する4,4’-ジイソプロピルビフェニルの合成方法である。そして、前記触媒はSSZ-24ゼオライトである。
【0031】
SSZ-24の細孔構造はストレートチャンネルであり、SSZ-24は、その細孔構造によって、内径が大きいとともに多次元方向に延びる空孔を細孔構造に有するY型ゼオライトに対して、4,4’-ジイソプロピルビフェニルの選択性が向上されていると推定される。このため、ビフェニルのイソプロピル化反応において4,4’-ジイソプロピルビフェニルの選択性を向上させることができる。
【0032】
・ 本実施形態の4,4’-ジイソプロピルビフェニルの合成方法によれば、SSZ-24の骨格内にアルミニウムを導入することにより、ビフェニルのイソプロピル化反応に対するSSZ-24の活性を高めることができる。
【0033】
なお、前記実施形態を次のように変更して構成することもできる。
・ 前記SSZ-24は、希土類元素を担持することによって外表面に不活性化処理が施されてもよい。このとき、希土類元素は好ましくはランタン(La)又はセリウム(Ce)である。このように構成した場合は、SSZ-24の外表面に存在する酸点のほとんどが不活性化され、外表面の酸点を利用した非選択的なビフェニルのイソプロピル化反応の進行は抑制される。このため、副生成物であるトリイソプロピルビフェニルの収率が低下することにより、目的物である4,4’-ジイソプロピルビフェニルを含むジイソプロピルビフェニルの収率を向上させることができる。
【0034】
・ 前記ビフェニルのイソプロピル化反応を行い、4,4’-ジイソプロピルビフェニルを合成するときに、ビフェニルのイソプロピル化反応に使用されるSSZ-24以外の触媒とSSZ-24とを併用してもよい。
【0035】
【実施例】
次に、実施例を挙げて前記実施形態をさらに具体的に説明する。
(実施例1及び実施例2)
実施例1においては、まずSiO2と有機SDAとNaOHとNa247とH2Oとが、モル比でSiO2:有機SDA:NaOH:Na247:H2O=1:0.2:0.1:0.04:50となるように調製したゲルを耐熱密閉容器に入れた後、175℃で5日間静置した。
【0036】
次いで、生じた沈殿を濾過及び洗浄した後に室温で乾燥し、さらに焼成して有機SDAを取除いて[B]-SSZ-24を合成した。このときの焼成条件は、焼成開始温度を30℃とし、昇温速度を2℃/分に設定することにより310分かけて650℃にまで昇温した後、650℃で4時間焼成した。
【0037】
続いて、合成した[B]-SSZ-24に硝酸アルミニウム処理を1回施した後、さらに550℃で4時間焼成することにより、SiO2/Al23がモル比で768の[Al]-SSZ-24を合成した。即ち、まず硝酸アルミニウム九水和物を蒸留水に溶解させた後、合成した[B]-SSZ-24を懸濁させた。
【0038】
このときの[B]-SSZ-24と硝酸アルミニウムと蒸留水との割合は、重量比で[B]-SSZ-24:硝酸アルミニウム:蒸留水=1:1:50とした。そして、この懸濁液を18時間還流した後に濾過及び乾燥し、さらに550℃で4時間焼成することにより、SiO2/Al23がモル比で768の[Al]-SSZ-24を合成した。
【0039】
そして、後述するようにビフェニルとプロピレンとを[Al]-SSZ-24の存在下に反応させ、ビフェニルのイソプロピル化反応を行って4,4’-ジイソプロピルビフェニルを合成した。
【0040】
まず上下撹拌式100mlオートクレーブ(以下、反応容器ともいう)に50mmolのビフェニルと250mgの合成した[Al]-SSZ-24とを封入した後、反応容器内の空気を窒素と置換した。続いて、反応容器内の懸濁液を撹拌しながら昇温し、所定の温度(反応温度)に達した後に反応容器内にプロピレンを導入した。
【0041】
このとき、反応圧力であるプロピレン圧は0.8MPaとした。次いで、プロピレン圧を0.8MPaに保つとともに反応温度を一定に保ち、反応容器内にプロピレンを導入し始めてから4時間後にプロピレンの導入を停止して4,4’-ジイソプロピルビフェニルの合成を行った。ここで、反応温度を200℃、225℃、250℃、275℃又は300℃とし、各反応温度について4,4’-ジイソプロピルビフェニルの合成をそれぞれ行った。
【0042】
実施例2においては、合成した[B]-SSZ-24に硝酸アルミニウム処理を3回施してSiO2/Al23がモル比で172の[Al]-SSZ-24を合成した以外は、実施例1と同様にして[Al]-SSZ-24及び4,4’-ジイソプロピルビフェニルの合成を行った。ここで、反応温度を150℃、175℃、200℃、225℃又は250℃とし、各反応温度について4,4’-ジイソプロピルビフェニルの合成をそれぞれ行った。
【0043】
実施例1及び実施例2において、反応容器内の懸濁液から[Al]-SSZ-24を濾別した後、濾液をトルエンによって100mlにまで希釈した。続いて、ガスクロマトグラフGC-14A(株式会社島津製作所製の商品名)を用いて希釈液の各成分の定量分析を行った後、ビフェニルのイソプロピル化反応の転化率、4,4’-ジイソプロピルビフェニルの選択率及び生成物分布に占める各成分の割合をそれぞれ計算した。それらの結果を図3及び図4に示す。
【0044】
尚、図3においては、実線は反応温度の変化に伴うビフェニルのイソプロピル化反応の転化率の変化を示し、二点鎖線は反応温度の変化に伴う4,4’-ジイソプロピルビフェニルの選択率の変化を示す。また、図4においては、反応温度が300℃での実施例1の生成物分布と、反応温度が200℃での実施例2の生成物分布とを示す。さらに、BPはビフェニルを示し、IPBsはイソプロピルビフェニルを示す。また、DIPBsはジイソプロピルビフェニルを示し、TIPBsはトリイソプロピルビフェニルを示す。
【0045】
図3に示すように、実施例1においては、反応温度が200~300℃において、4,4’-ジイソプロピルビフェニルの選択率が約75%と高い値となった。また、反応温度が上昇するに伴って、ビフェニルのイソプロピル化反応の転化率が約90%という高い値にまで向上された。さらに、図4に示すように、実施例1は実施例2に対して生成物分布に占めるトリイソプロピルビフェニル等の割合が減少し、目的物である4,4’-ジイソプロピルビフェニルを含むジイソプロピルビフェニルの割合が増加した。
【0046】
一方、実施例2においては、図3に示すように、反応温度が150~200℃において、4,4’-ジイソプロピルビフェニルの選択率が実施例1と同様に約75%と高い値となった。また、反応温度が上昇するに伴って、ビフェニルのイソプロピル化反応の転化率が約100%という高い値にまで向上された。さらに、実施例1の200~300℃という反応温度に対して、反応温度が150℃等の低い温度においてもプロピレンのイソプロピル化反応を進行させることができた。
【0047】
次に、前記実施形態から把握できる技術的思想について以下に記載する。
(1)前記SSZ-24ゼオライトは、その骨格内にケイ素(Si)とホウ素(B)とを含むボロシリケートとして構成され、硝酸アルミニウム処理が施されて骨格内のホウ素(B)の少なくとも一部がアルミニウム(Al)に置換されることにより、骨格内にアルミニウム(Al)が導入されている請求項2に記載の触媒。この構成によれば、SSZ-24ゼオライトの骨格内にアルミニウム(Al)を容易に導入することができる。
【0050】
【発明の効果】
本発明は、以上のように構成されているため、次のような効果を奏する。
請求項1に記載の発明の4,4’-ジイソプロピルビフェニルの合成方法及び請求項2に記載の発明の触媒によれば、ビフェニルのイソプロピル化反応において4,4’-ジイソプロピルビフェニルの選択性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本実施形態のSSZ-24ゼオライトのFramework Typeを示す模式図。
【図2】 N(16)-Methylsparteiniumの化学構造を示す図。
【図3】 反応温度とビフェニルのイソプロピル化反応の転化率と4,4’-ジイソプロピルビフェニルの選択率との関係を示すグラフ。
【図4】 生成物分布に占める各成分の割合を示すグラフ。
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3