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明細書 :シリコン触覚センサ装置

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第4040435号 (P4040435)
公開番号 特開2004-163166 (P2004-163166A)
登録日 平成19年11月16日(2007.11.16)
発行日 平成20年1月30日(2008.1.30)
公開日 平成16年6月10日(2004.6.10)
発明の名称または考案の名称 シリコン触覚センサ装置
国際特許分類 G01L   5/00        (2006.01)
FI G01L 5/00 101Z
請求項の数または発明の数 2
全頁数 10
出願番号 特願2002-327084 (P2002-327084)
出願日 平成14年11月11日(2002.11.11)
審査請求日 平成16年9月8日(2004.9.8)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】503360115
【氏名又は名称】独立行政法人科学技術振興機構
発明者または考案者 【氏名】高尾 英邦
【氏名】石田 誠
個別代理人の代理人 【識別番号】100089635、【弁理士】、【氏名又は名称】清水 守
審査官 【審査官】松浦 久夫
参考文献・文献 実開昭60-102644(JP,U)
特公平05-054710(JP,B2)
実開昭59-077004(JP,U)
特開平07-168930(JP,A)
調査した分野 G01L 5/00
G01B 7/28
特許請求の範囲 【請求項1】
(a)薄型シリコンダイヤフラムと、
(b)該薄型シリコンダイヤフラムの下部に配置される半導体歪検出素子アレイと、
(c)該半導体歪検出素子アレイの周辺に集積化される信号処理回路と、
(d)前記薄型シリコンダイヤフラムの下部に配置される前記半導体歪検出素子アレイが面する可動ギャップが画成される気体圧力室と、
(e)該気体圧力室に連通し、かつ前記可動ギャップの圧力を調整する圧力調整穴を有する支持基板とを備え、
(f)前記薄型シリコンダイヤフラムは接触した測定対象物の形状に合わせて変形し、該薄型シリコンダイヤフラムの形状の変形を前記信号処理回路の信号処理によって電気的に検知することを特徴とするシリコン触覚センサ装置。
【請求項2】
請求項1記載のシリコン触覚センサ装置において、さらに温度、熱伝導率を計測するセンサを集積化し、それらの情報を処理することを特徴とするシリコン触覚センサ装置。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、指先の繊細な操作が求められる各種の高度ロボット技術等に用いられる触覚センサに係り、特に、シリコン集積回路技術やマイクロマシニングなどによってシリコン基板上に形成され、接触物体の形状検知などに用いられるシリコン触覚センサ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、物体の表面形状等を検知する触覚検知素子(センサ)としては、電気抵抗が変化するゴム製の導電性シート(感圧導電性ゴム)を用いたり、半導体マイクロマシンによって形成した微小な圧力センサまたは力センサを並べて接触時の圧力分布を検知するものが多くあり、例えば、(1)感圧導電性ゴムを用いた従来例〔非特許文献1,2〕、(2)微小な圧力センサを並べた従来例〔非特許文献3〕、更に、(3)微小な力センサを並べた従来例〔非特許文献4,5〕などの事例がある。
【0003】
従来例(1)の触覚センサは、図5に示すように、PETフィルム101と電極パターン103に挟まれた感圧導電性ゴム102を用いて接触部位の電気抵抗変化を信号として利用する。すなわち、圧力を強く受けた部位の電気抵抗変化を信号として捕らえ、センサ上の力分布を検出する。この方法はある程度センサに変形を許容し、圧力を受け止めることができるが、圧力検知の分解能が低い。また、電極数が増加するにしたがって配線数が膨大となるため電極をある程度以上は増加させることができず、得られる情報に限りがある。よって、あまり詳細な形状を検知することができない。また、感圧導電性ゴム102の横方向の導電性によって各画素間が低抵抗で結合されるため、画素の間隔を狭めて高分解能化することは、検出精度上問題となってくる。
【0004】
従来例(2)の圧力センサアレイは図6〔図6(a)は圧力センサアレイを有するセンサの上面図、図6(b)は圧力センサ部の断面図〕に示すように、シリコンマイクロマシニングによって形成した微小なダイヤフラム圧力センサ220をシリコンチップ200上に並べたものである。なお、210はCMOS集積回路、211はシリコン基板、212はp-ウェル、213はn-ウェル、214はフィールド酸化膜、215はPGS膜、216はゲート酸化膜、217は多結晶シリコンゲート、218はAl配線、220は微小なダイヤフラム圧力センサ、221はダイヤフラム、222はエッチングホール、223はキャビティを示している。
【0005】
上記したように、CMOS集積回路210による周辺回路内に、マイクロマシニングで形成した微小なダイヤフラム圧力センサ220が、1024個組み込まれている。このセンサは従来例(1)の場合と異なり、周辺の信号処理回路230によって多くのセンサ信号を少ない配線で外から読み出せるようになっている。また、マイクロマシニングを用いることにより素子1つあたりのサイズを小型化でき、さらに高い分解能を実現している。
【0006】
しかし、圧力分布が得られるのは、ダイヤフラム221がシリコンチップ200表面よりも窪んだ場合のみである。よって、触覚センサとして用いる場合は非常に「硬い」シリコンチップ200の表面を弾性ゴムなどで覆って、ダイヤフラム221がシリコンチップ200の表面より窪みやすく構成することとなり、センサが本来有する位置分解能の精度を低下させる結果となる。
【0007】
また、多くの圧力センサを多数集積化する場合、ダイヤフラムを形成するのに必要な面積は歪検出素子と比較してかなり大きくなる。これは、微小な機械構造体でも十分検知可能な歪を発生させるためには、ある程度の大きさの構造体を形成する必要があるためである。よって、ダイヤフラムの形成可能サイズが1画素の面積を決定し、結果として高分解能化における制限事項となる。
【0008】
従来例(3)のシリコン触覚センサは、図7に示すように、マイクロマシンによって微小な構造体を多数形成し、それぞれの形状変化から加わった力信号を読み出して触覚の面分布を得るものである。このセンサも基材はシリコンであり、周辺回路を同一基板上に形成できる点で有利である。
【0009】
この従来例(3)の方式では従来例(2)と異なり、負荷受容点(Load Accepting Points)304がチップ面から最も飛び出しているため、シリコンチップ300表面で直接触覚情報を検知できる。しかし、1画素の構造が1つ1つの機械構造体を形成している点で従来例(2)と同様であり、歪みの検出のためにはある程度の大きさをもたせる必要がある。よって一画素の大きさが比較的大きいため、センサの位置分解能向上は困難となる。なお、図7において、301はシリコンチップ300の上面側、302は溝、303はセンシング素子、305はシリコンチップ300の下面側、306はスルーホールである。
【0010】
次に、上記した従来例(1)~(3)に加えて、従来例(4)について説明する。
【0011】
従来例(4)の触覚センサ400は、図8〔図8(a)はその触覚センサの上面図、図8(b)はその力の検出部の回路構成図〕に示すように、強誘電体薄膜402をMOS集積回路401とともに集積化して、面圧分布を検出するものである〔非特許文献4〕。入力された力を電気信号に変換するのは強誘電体薄膜402部分であり、この部分は上記した3つの従来例と比較して1画素あたりの大きさを小型化できる点で高分解能化に有利な構成である。
【0012】
しかしながら、全ての検知部分は固いシリコンのチップ上に並べられており、面圧分布を検出するにあたっては接触対象側がすべて変形を担う必要がある。また、回路表面に測定対象が直接触れる構成であるため、物理的損傷を防ぐには従来例(2)と同様に弾性ゴムなどの保護膜を形成する必要があり、検出位置分解能を高めることは困難となる。
【0013】
なお、図8において、センサ素子に入力された力の検出は、電源VDDに接続されるMOS403とそのゲート電極に接続される強誘電体薄膜のキャパシタ404の変化を検知することによって行われる。
【0014】
【特許文献1】
特開平11-125570号 第2-3頁
【0015】
【特許文献2】
特開平8-37314号 第2-3頁
【0016】
【非特許文献1】
インテリジェント・センサ技術 大場良次編著,オーム社,1990(インテリジェント&コントロールシリーズ)pp.84-85
【0017】
【非特許文献2】
Computrol No.21 コロナ社 pp.59-66
【0018】
【非特許文献3】
電子情報通信学会論文誌 C-II Vol.J74-C-II No.5 pp.411-420
【0019】
【非特許文献4】
日本機械学会ロボティクス・メカトロニクス講演会講演論文集 Vol.1990-A pp.361-366 1990
【0020】
【非特許文献5】
IEDM 85 pp.133-136
【0021】
【発明が解決しようとする課題】
上記したように従来例(1)乃至(4)にはそれぞれ問題があり、技術的に満足のいくものではなかった。
【0022】
本発明の第一の目的は、歪検出画素の最少サイズを決定している制限事項を取り払うことで、より高分解能を有する触覚センサを提供することにある。つまり、上記した4つの従来例とも、1画素のサイズを縮小化して触覚センサの位置検出分解能を向上する上でそれぞれ技術的な制限事項がある。これは歪検出画素の形成に比較的大きな面積が必要であること、弾性ゴムのような保護材料で素子表面を覆う必要性があるためである。現時点において、これらの事項が光のイメージセンサと比較して触覚センサが低分解能となっている主要な要因となっており、解決すべき重要課題となっている。そこで、本発明によって触覚センサの画素サイズを縮小可能とし、表面に弾性ゴム等の保護材料を用いなくとも対象に直接接触可能なセンサを実現することで、位置検出分解能を飛躍的に向上させた触覚センサを実現することができる。
【0023】
本発明の第二の目的は、微弱力から比較的強い力を加えた場合までの広い入力レンジでの使用が可能な触覚センサを提供することにある。特に、繊細な機械構造体や集積回路表面が受け止められる力の範囲は狭く限定され、また、入力可能な力の範囲も設計されたセンサ構造によって決定されるため、広い範囲の入力に対応できる触覚センサが求められている。従来の触覚センサはセンサが完成した時点で検出可能な触覚入力信号の下限と上限がほとんど決定されてしまう。これに対して本発明では、触覚センサ構造の「硬さ」を、入力される力のレンジに合わせて適宜変化させることにより、幅広い入力に適応して動作する新しい触覚センサを実現できる。センサの硬さは入力に合わせて制御しても良いし、ある程度予測がつくならばその都度設定を変更する構成としても良い。
【0024】
本発明の第三の目的は、人体の指先のように様々な情報を検出できる新しい機能複合型の触覚センサを提供することにある。従来の触覚センサでは、得られる情報が面圧分布、表面形状などの触覚情報のみに限定されていたが、本発明では、表面形状以外の様々な情報を測定面の情報として同時に得るようにすることで、従来の触覚センサでは扱えなかった繊細な対象物の操作を可能にする。つまり、形状認識用以外に必要なセンサ・アクチュエータとその信号処理機能を組み込むことにより、接触対象の温度、湿度、表面摩擦、固さ等の各種情報を触覚センサより得ることができる。
【0025】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記した目的を達成するために、
〔1〕シリコン触覚センサ装置において、薄型シリコンダイヤフラムと、この薄型シリコンダイヤフラムの下部に配置される半導体歪検出素子アレイと、この半導体歪検出素子アレイの周辺に集積化される信号処理回路と、前記薄型シリコンダイヤフラムの下部に配置され前記半導体歪検出素子アレイが面する可動ギャップが画成される気体圧力室と、この気体圧力室に連通し、かつ前記可動ギャップの圧力を調整する圧力調整穴を有する支持基板とを備え、前記薄型シリコンダイヤフラムは接触した測定対象物の形状に合わせて変形し、この薄型シリコンダイヤフラムの形状の変形を前記信号処理回路の信号処理によって電気的に検知することを特徴とする。
【0026】
〕上記〔1〕記載のシリコン触覚センサ装置において、さらに温度、熱伝導率を計測するセンサを集積化し、それらの情報を処理することを特徴とする。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に従って詳細に説明する。
【0028】
図1は本発明の実施例を示す高分解能触覚センサの全体構成を示す斜視図、図2は本発明の実施例を示す高分解能触覚センサのレイアウトを示す図、図3は本発明の実施例を示す高分解能触覚センサの1画素あたりの歪検出素子のレイアウトを示す図、図4は本発明の実施例を示す高分解能触覚センサの接触対象物の測定状態を示す断面図である。
【0029】
これらの図において、1は支持基板、2は薄型シリコンダイヤフラム、3はこの薄型シリコンダイヤフラム2の下部に配置される半導体歪検出素子アレイ、3Aは半導体歪検出素子、4はこの半導体歪検出素子アレイ3の周辺に集積化される信号処理回路、5は電極、6は接続線、7は前記薄型シリコンダイヤフラム2の裏側に、前記半導体歪検出素子アレイ3が面する(臨む)ように画成される可動ギャップ(気体圧力室)、8は測定対象物、9は接続端子である。
【0030】
図4に示すように、薄型シリコンダイヤフラム2は接触した測定対象物8の形状に合わせて変形し、この薄型シリコンダイヤフラム2の形状の変形を信号処理回路4の信号処理によって電気的に検知するように構成している。
【0031】
薄型シリコンダイヤフラム2は厚さ10μm程度の極薄シリコン単結晶でできており、その裏面には形状検出用の半導体歪検出素子3A(ヒータ素子、温度センサ等も実装することができる)が高密度アレイ状に集積化されている。各歪ゲージの出力信号は集積化された信号処理回路4によって切り替えられ、信号処理されて外部に取り出される。集積化された半導体歪検出素子アレイ3ならびに信号処理回路4は一般的なシリコン集積回路技術によって形成され、完成したウエハに薄膜化加工〔例えば、化学的機械研磨(CMP)など〕を実施して、変形するに十分薄い厚さに加工される。
【0032】
図2はこのようなシリコン表面素子の設計例であり、機械構造体に依存しない素子配置がなされている。ここで集積化された素子の数は6×6の36個で、半導体素子の加工可能最小寸法によって画素間隔が決定されている。この検出画素形成に必要な大きさは、半導体加工技術にのみ依存し、より精密な加工技術によってより小型化し、画素数を高密度化することが可能である。
【0033】
図3において、半導体歪検出素子3Aとして、ここではn型拡散抵抗を利用したピエゾ抵抗を形成した。シリコンチップ表面に生じる縦方向、横方向の歪を効果的に検知できるよう、縦方向4本のピエゾ抵抗11,12,13,14、横方向4本のピエゾ抵抗15,16,17,18を1画素ごとに形成している。
【0034】
この実施例では半導体歪検出素子3Aのみを集積化しているが、この半導体歪検出素子3Aの他にもヒータ素子、温度センサ素子を集積回路技術によって一体化することが容易に可能である。
【0035】
また、シリコン部分の薄型化工程に先立って、接触面がある程度可動となるように加工した支持基板(ガラス等)を薄型シリコンダイヤフラム2の回路面側に接合しておく。このように構成することで薄型化工程に加わる外力に十分耐える強度をセンサに持たせることができる。また、これをセンサの最終的なパッケージ又はその一部として利用することができる。この製作法では、標準的な集積回路技術を用いながら全体を表面形状に合わせて変形可能なほどに薄いセンサ構造を形成することが可能となる。また基板は十分な強度を持たせてあるため、量産工程にも十分耐えられる製作法となる。
【0036】
図4において、測定対象物8に薄型シリコンダイヤフラム2が接触し、表面形状に沿って薄型ダイヤフラム2表面が変形する。その薄型シリコンダイヤフラム2裏面上に形成された半導体歪検出素子3Aは、接触部位の歪情報を有するのみであるので、信号処理回路4からの適切な信号処理によって表面形状の情報を復元する必要がある。
【0037】
本発明の高分解能触覚センサにおいては各画素における歪の情報を積分することによって形状の凹凸の情報に復元し、このセンサの可動部端面(シリコンダイヤフラム)を基準とした表面形状(高さ)情報を得ることを可能とする。このセンサ全体に入力される力全体の大きさを何らかの手法によって知ることができれば、各画素ごとの圧力分布に換算することも可能である。さらに、気体圧力室7の圧力は図示しないが気体圧力室7に連通する圧力調整穴を介して外部から圧力を変更、ないし制御可能としておくことで、上述した様に様々な大きさの外力に対して適応可能な高分解能触覚センサを実現することができる。
【0038】
上記したような検出方式によって、現時点においても画素面積を従来技術のおよそ10分の1から100分の1以下とすることが可能である。よって、将来的には本高分解能触覚センサの検出位置分解能を2桁以上向上させることが可能である。画素面積は半導体製造技術の微細化とともに縮小できるため、今後ますます従来技術との差が広がってゆくものと思われる。
【0039】
さらに、上記したように、接触している測定対象物の形状情報は歪検出素子で測定するが、センサチップの表面に湿度センサ、ヒータ、温度センサなどの各種センサ、アクチュエータを信号処理・制御回路とともに集積化することで、形状以外に接触対象物の温度、熱伝導性、湿度、表面摩擦係数、固さなどの情報を得ることができる。
【0040】
例えば、集積化した温度センサで測定対象物の表面温度分布を知ることができる。例えば、表面に1個、ないしアレイ状に並べたヒータ素子の加熱時過渡特性を測定することで表面の熱伝導性を調べることができ、対象物に触ったときに感じる冷たさなどの感覚を数値化して得ることができる。また、センサを対象物に押しつけた時の垂直抗力と表面形状変化の時系列データを分析することにより、対象物の固さを知ることができる。また、対象物に対して加えた垂直抗力と表面のすべり量を検知した結果より表面摩擦係数の程度を算出し、滑りやすさの情報を得ることができる。
【0041】
これらは基本的に指先で対象物を操作する場合に得られるものと同じ情報であり、高密度集積化が可能な本発明の特徴を生かして、人体の指先の機能に近い高機能、高分解能のシリコン触覚センサを実現することができる。
【0042】
人の指先に代わってさまざまな触覚感覚の情報を得られるセンサが実用化されれば、人の指先と同様の感覚情報をロボットが知ることが可能となる。将来、人間に直接触れる介護を行うロボットは、相手の体温や体の状態を指先の接触によって理解する必要がある。ロボットの動作制御に本高分解能触覚センサを有効に活用することで、より人間らしい振る舞いをもたせた「人に優しい」介護ロボットの実用化が可能となる。
【0043】
なお、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々の変形が可能であり、これらを本発明の範囲から排除するものではない。
【0044】
【発明の効果】
以上、詳細に説明したように、本発明によれば、次のような効果を奏することができる。
【0045】
(A)接触対象物の形状を精密な精度で検知することができる。
【0046】
(B)集積回路技術で形成した高密度歪検出アレイ回路全体を一枚の極薄シリコンダイヤフラム状に加工し、それ自身の変形を形状認識に用いるので、集積回路技術との整合性が高く、かつ従来にない高分解能にて触覚情報を検出可能となる。
【0047】
(C)物体との接触部を薄型化したシリコンチップの下部(裏面)とすることにより、集積回路表面に特別な保護膜等を形成することなく物体との接触・形状検知を行わせることが可能となる。
【0048】
(D)ダイヤフラム構造に可動ギャップとしての気体圧力室を空気などで加圧することで、ダイヤフラムを平面から飛び出した湾曲状態に保つことができる。これにより、物体との接触に適した状態にすることができる。また、この圧力を適切に外部より制御または設定しておくことにより、接触する物体の与える力に適応してセンサの測定レンジを任意に決定することが可能となる。
【0049】
(E)さらに、本センサが有する回路一体化、集積化が容易であるとの特徴を利用して、温度、熱伝導率などを計測する様々なセンサとそのアルゴリズムを実現する処理回路をも同一部分に集積化し、それらの情報を処理することができる。これによって人間の指先と同様に形状、温度、冷温感、摩擦係数、固さを知ることのできるシリコン触覚センサが実現可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例を示す高分解能触覚センサの全体構成を示す斜視図である。
【図2】 本発明の実施例を示す高分解能触覚センサのレイアウトを示す図である。
【図3】 本発明の実施例を示す高分解能触覚センサの1画素あたりの歪検出素子のレイアウトを示す図である。
【図4】 本発明の実施例を示す高分解能触覚センサの接触対象物の測定状態を示す断面図である。
【図5】 従来の感圧導電性ゴムを用いた触覚センサを示す図である。
【図6】 従来の微小なダイヤフラム構造を集積化した圧力センサアレイを示す図である。
【図7】 従来の微小な力センサを集積化した触覚センサを示す図である。
【図8】 従来の微小な強誘電体膜を用いた触覚センサを示す図である。
【符号の説明】
1 支持基板
2 薄型シリコンダイヤフラム
3 半導体歪検出素子アレイ
3A 半導体歪検出素子
4 信号処理回路
5 電極
6 接続線
7 可動ギャップ(気体圧力室)
8 測定対象物
9 接続端子
11,12,13,14 縦方向のピエゾ抵抗
15,16,17,18 横方向のピエゾ抵抗
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4
【図6】
5
【図7】
6
【図8】
7