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明細書 :磁気浮上式XY面リニア同期モータ

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第4831719号 (P4831719)
公開番号 特開2003-052164 (P2003-052164A)
登録日 平成23年9月30日(2011.9.30)
発行日 平成23年12月7日(2011.12.7)
公開日 平成15年2月21日(2003.2.21)
発明の名称または考案の名称 磁気浮上式XY面リニア同期モータ
国際特許分類 H02K  41/03        (2006.01)
FI H02K 41/03 A
請求項の数または発明の数 1
全頁数 10
出願番号 特願2001-237580 (P2001-237580)
出願日 平成13年8月6日(2001.8.6)
審査請求日 平成20年8月1日(2008.8.1)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】899000057
【氏名又は名称】学校法人日本大学
発明者または考案者 【氏名】大平 膺一
【氏名】乾 成里
個別代理人の代理人 【識別番号】100090044、【弁理士】、【氏名又は名称】大滝 均
審査官 【審査官】當間 庸裕
参考文献・文献 国際公開第99/004481(WO,A1)
特開平04-125054(JP,A)
特開平06-086530(JP,A)
特開平03-244777(JP,A)
特開昭61-015557(JP,A)
特開昭62-278312(JP,A)
調査した分野 H02K41/00-41/06
特許請求の範囲 【請求項1】
所定の間隔で磁極を配置した平面二次側移動子と、前記平面二次側移動子にX軸方向、Y軸方向の推力を付与する平面固定子とからなるXY面リニア同期モータにおいて、
前記平面固定子は、基部磁性構造体の基準面から所定間隔で突出する複数の磁極からなる磁極鉄心と、前記磁極の相互間に捲回され前記X軸方向に移動磁界を発生させるX軸方向巻線と、前記磁極の相互間に捲回され前記Y軸方向に移動磁界を発生させるY軸方向巻線とを備え、かつ、前記平面固定子は前記磁極鉄心面を下側に向けて配置し、
前記平面二次側移動子の磁極構造は、磁性体で構成したベースの片面に間隔τで四つの磁極が設けられており、各磁極を永久磁石と鉄心で構成し、各鉄心の一部にそれぞれ制御捲線を捲回した構造とされており、
前記平面二次側移動子は、前記四つの磁極を前記平面固定子の磁極鉄心面に対峙させ、かつ、前記平面二次側移動子の磁極と前記平面固定子の磁極鉄心との間隔を検出し当該間隔に応じた電気信号を出力するギャップセンサーと、前記ギャップセンサーからの検出電気信号と基準値とを比較し、当該比較結果から前記ギャップが基準値より大きいときには前記磁極の磁力を強める方向に前記制御巻線に比較結果に応じた値の制御電流を供給し、当該比較結果から前記ギャップが基準値より小さいときには前記磁極の磁力を弱める方向に前記制御巻線に比較結果に応じた制御電流を供給する制御部とを備えたことを特徴とする磁気浮上式XY面リニア同期モータ。
発明の詳細な説明 【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、X軸方向及びY軸方向の移動磁界を発生できる平面固定子の下部に、磁力の有する磁極を設けた平面二次側移動子が懸垂式に吊り下がった状態で磁気浮上しつつ移動する磁気浮上式XY面リニア同期モータに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、直線運動を得るためには、回転機などの原動機と、クランクなどの運動変換機構とを用いているのが一般的であった。しかしながら、このような運動変換機構とを用いる場合には、バックラッシュや経年変化による位置決精度の低下などが問題となる。
そこで、機械的変換機構を持たずに、装置単独で直線運動を得ることがてきるリニアモータが注目されている。リニアモータは、一般的に、直線方向への推力を発生するのみであったが、近年では、XY平面の任意の方向に移動できるXY面リニアモータが提案されている。このXY面リニアモータは、大別して、リニア誘導モータと、リニア同期モータとが考えられる。
【0003】
まず、リニア誘導モータは、鉄板等で構成された平面二次側移動子と、前記平面二次側移動子にX軸方向、Y軸方向の推力を付与する平面固定子とからなる。この平面固定子は、基部磁性構造体の基準面から所定間隔で突出する複数の磁極からなる磁極鉄心と、前記磁極の相互間に捲回され前記X軸方向に移動磁界を発生させるX軸方向巻線と、前記磁極の相互間に捲回され前記Y軸方向に移動磁界を発生させるY軸方向巻線とを備えたものである。
このリニア誘導モータは、平面二次側移動子の構造が簡単であるという利点があるが、制御性が悪く、かつ、平面二次側移動子に渦電流が流れて損失を発生させるという欠点がある。
【0004】
次に、XY面リニア同期モータは、所定の間隔で磁極を配置した平面二次側移動子と、前記平面二次側移動子にX軸方向、Y軸方向の推力を付与する平面固定子とからなる。この平面固定子は、基部磁性構造体の基準面から所定間隔で突出する複数の磁極からなる磁極鉄心と、前記磁極の相互間に捲回され前記X軸方向に移動磁界を発生させるX軸方向巻線と、前記磁極の相互間に捲回され前記Y軸方向に移動磁界を発生させるY軸方向巻線とを備えたものである。
【0005】
このXY面リニア同期モータは、平面二次側移動子の構造が複雑であるという欠点があるが、制御性がよく、かつ、精密に位置制御ができ、しかも、平面二次側移動子に渦電流が流れないので損失の発生がないという利点がある。
したがって、この種のXY面リニア同期モータは、制御性がよく、かつ精密に位置制御ができるということを要求する分野において、多く採用されてゆくものと思われる。
このXY面リニア同期モータにあっては、平面固定子の磁極鉄心側を上に向け、かつ当該磁極鉄心上面を非磁性体の薄板等を配置して平坦面を形成し、かつ、その平坦面上において平面二次側移動子に自由転動する車輪等を設けることにより、平面二次側移動子を平面固定子から所定の距離を離した状態にしている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述したXY面リニア同期モータにあっては、平面二次側移動子と平面固定子との間に所定の間隔を設ける必要から、自由転動する車輪やその他の機械的な機構を必要としており、別途機構が必要となるほか、装置が大型化し、かつ、経年変化による影響がでてしまうという欠点があった。
また、反発力磁気浮上で平面二次側移動子を磁気浮上させるためには、超伝導等の特殊な装置が必要となり、かつ装置が高価になり、しかも、運用、保守も難しいという欠点があった。
本発明は、上述した欠点を解消し、特別な装置を必要とせず、確実に磁気浮上させて、非接触状態で平面二次側移動子をXY面上を移動させ得る磁気浮上式XY面リニア同期モータを提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1に係る発明に係る磁気浮上式XY面リニア同期モータは、所定の間隔で磁極を配置した平面二次側移動子と、前記平面二次側移動子にX軸方向、Y軸方向の推力を付与する平面固定子とからなるXY面リニア同期モータにおいて、前記平面固定子は、基部磁性構造体の基準面から所定間隔で突出する複数の磁極からなる磁極鉄心と、前記磁極の相互間に捲回され前記X軸方向に移動磁界を発生させるX軸方向巻線と、前記磁極の相互間に捲回され前記Y軸方向に移動磁界を発生させるY軸方向巻線とを備え、かつ、前記平面固定子は前記磁極鉄心面を下側に向けて配置し、前記平面二次側移動子の磁極構造は、磁性体で構成したベースの片面に間隔τで四つの磁極が設けられており、各磁極を永久磁石と鉄心で構成し、各鉄心の一部にそれぞれ制御捲線を捲回した構造とされており、前記平面二次側移動子は、前記四つの磁極を前記平面固定子の磁極鉄心面に対峙させ、かつ、前記平面二次側移動子の磁極と前記平面固定子の磁極鉄心との間隔を検出し当該間隔に応じた電気信号を出力するギャップセンサーと、前記ギャップセンサーからの検出電気信号と基準値とを比較し、当該比較結果から前記ギャップが基準値より大きいときには前記磁極の磁力を強める方向に前記制御巻線に比較結果に応じた値の制御電流を供給し、当該比較結果から前記ギャップが基準値より小さいときには前記磁極の磁力を弱める方向に前記制御巻線に比較結果に応じた制御電流を供給する制御部とを備えたことを特徴とする。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
図1ないし図5は、本発明の実施の形態を説明するための図である。ここで、図1は、本発明の実施の形態に係る磁気浮上式XY面リニア同期モータの概念図である。
【0009】
本発明の実施の形態に係る磁気浮上式XY面リニア同期モータ1は、図1に示すように、X軸方向に移動磁界を発生させるX軸方向巻線3X及びY軸方向の移動磁界を発生させるY軸方向巻線3Yをそれぞれ捲回した磁極鉄心5からなる平面固定子7の下部に、所定の数の磁極9,9,…を設けた平面二次側移動子11が懸垂式に吊り下がった状態で磁気浮上しつつ移動できる機構を備えた同期モータである。
【0010】
この磁気浮上式XY面リニア同期モータ1では、X軸用交流電源13Xから交流電力のみを平面固定子7のX軸方向巻線3Xに供給すると、平面二次側移動子11はX軸方向にのみ移動する。また、Y軸用交流電源13Yから交流電力のみを平面固定子7のY軸方向巻線3Yに供給すると、平面二次側移動子11はY軸方向にのみ移動する。X軸用交流電源13XからX軸方向巻線3Xに、また、Y軸用交流電源13YからY軸方向巻線3Yに、所定の量の交流電力を供給することにより、その量に応じた方向に平面二次側移動子11は移動することになる。
【0011】
また、平面二次側移動子11は、詳細は後述するが、磁極9,9,…を例えば永久磁石と巻線とから構成し、かつ、平面二次側移動子11と平面固定子7とのギャップを検出するセンサーからの検出結果に応じて前記巻線に流す電流を調整することにより永久磁石の磁力を弱めたり強めたりして、平面二次側移動子11と平面固定子7との間隔を所定の値に保つことができるようにする制御機構を備えている。この機構により、平面二次側移動子11は、平面固定子7に懸垂式に吊り下がった状態で磁気浮上しつつ移動できることになる。
【0012】
図2は、本発明の実施の形態に係る磁気浮上式XY面リニア同期モータの平面固定子の構成例を示す斜視図である。
この図2において、上述した平面固定子7は、基部磁性構造体15の基準面Sから所定間隔で突出する複数の磁極17,17,…からなる磁極鉄心5と、前記各複数の磁極17,17,…の相互間に捲回され前記X軸方向に移動磁界を発生させるX軸方向巻線3Xと、前記複数の磁極17,17,…の相互間に捲回され前記Y軸方向に移動磁界を発生させるY軸方向巻線3Yとから構成されている。
【0013】
図3は本発明の実施の形態に係る磁気浮上式XY面リニア同期モータの平面固定子の基部磁性構造体の詳細を説明するために示す斜視図であり、図3(1)は組上がった一部平面固定子を、図3(2)は分解斜視図である。
この基部磁性構造体15は、継鉄21と、複数の磁極17,17,…の共通部分23とからなる。
この継鉄21は、磁性体平板を、図3(2)に示すように所定間隔をおいて互いに平行と凸部と凹部とが繰り返される形状に形成し、当該磁性体平板を図3(2)に示すように多数積層することにより、互いに平行な凸状25,25,…を構成している。これら凸状25,25,…の間に各々溝が形成されることになる。
【0014】
また、複数の磁極17,17,…の共通部分23は、次のように構成されている。薄い磁性体平板を図3(2)に示すような形状に形成する。その磁性薄板を多数積層して上記凸状25,25,…の間に嵌まり合う厚さにまでする。これにより、共通部分23と、複数の磁極17,17,…とからなる一つの部品Aを構成することになる。
この部品Aを、図3(2)に示すように前記継鉄21の凸状25,25,…の間に溝に挿入することにより、図3(1)示すように、基部磁性構造体15の基準面Sから突出した複数の磁極17,17,…からなる磁極鉄心5からなる平面固定子7が構成されることになる。
【0015】
図4は、本発明の実施の形態に係る磁気浮上式XY面リニア同期モータの平面二次側移動子の磁極構造を示す斜視図である。
前記平面二次側移動子11の磁極構造は、磁性体で構成したベース27の上に所定間隔τで設けられた磁極9,9,9,9からなる。これら磁極9,9,9,9はそれぞれ同一構成であるので、一つのみを例にとって説明する。この磁極9は、永久磁石31を鉄心33a、33bで挟んだ状態に構成されており、かつ、鉄心33aの一部に制御巻線35を捲回して構成されている。
【0016】
図5は、本発明の実施の形態に係る磁気浮上式XY面リニア同期モータの平面二次側移動子の制御系を含む構成図である。
前記制御機構は、平面二次側移動子11と平面固定子7とのギャップを検出するギャップセンサー37からの検出結果に応じて前記制御巻線35,35,35,35にそれぞれ流す電流を調整することにより前記永久磁石31,31,31,31の磁力を弱めたり強めたりして、平面二次側移動子11と平面固定子7との間隔を所定の値に保つものである。
【0017】
さらに説明すると、平面二次側移動子11の制御機構は、前記平面二次側移動子11と前記平面固定子7の複数の磁極17,17,…の表面との間隔を検出するギャップセンサー37と、前記ギャップセンサー37からの検出信号を基に前記制御巻線35,35,35,35に所定の間隔を保つ制御電流を供給する制御部41とを備えている。
【0018】
前記制御部41は、ギャップセンサー37からの検出信号をアナログ-デジタル変換するアナログ/デジタル(A/D変換器)43と、前記A/D変換器43を通して得たギャップセンサー37からの検出信号と基準値とを比較し、当該比較結果から前記ギャップが基準値より大きいときには前記永久磁石31の磁力を強める方向に電流が流れるような指令を形成し、当該比較結果から前記ギャップが基準値より小さいときには前記磁極を弱める方向に電流が流れるような指令を形成する演算処理装置(CPU)45と、前記演算処理装置(CPU)45からの指令を受け取り当該電流が流れるようなアナログ制御信号を形成するD/A変換器47と、前記D/A変換器47からのアナログ制御信号により、実際に制御巻線35,35,35,35に制御電流を供給するパワーアンプ49とから構成されている。
なお、上記制御部41は、A/D変換器43、演算処理装置(CPU)45及びD/A変換器47からなるデジタル系統により制御する例で説明したが、これら機器43,44,45を使用することなく全てアナログ回路で構成することができることはいうまでもない。
【0019】
これにより、この制御部41は、基準値とギャップセンサー37からの検出信号との差をとり、その差の大きさと符号とに応じて、制御巻線35に流す電流の大きさと方向を決定し、パワーアンプ49を制御して制御巻線35に前記決められた電流を流している。
このように構成された磁気浮上式XY面リニア同期モータの動作を説明する。 磁気浮上式XY面リニア同期モータ1において、図1に示すように、平面固定子7の磁極5,5,…が下面に向くように配置されているものとする。
この平面固定子7の下面に、平面固定子7の磁極5,5,…と、平面二次側移動子11の磁極9,9,…とが対峙するように配置されているものとする。
【0020】
ここで、平面二次側移動子11は、磁極9,9,…の永久磁石31の吸引力により、平面固定子7の磁極5,5,…に吸引される方向に動作すると、ギャップセンサー37が平面固定子7と平面二次側移動子11の磁極5,5,…の表面とのギャップを検出し、そのギャップ検出信号が制御部41に供給する。制御部41では、当該ギャップ検出信号をA/D変換器43でデジタルギャップ検出信号に変換し、演算処理装置45に与える。
【0021】
演算処理装置(CPU)45は、当該デジタルギャップ検出信号を基準値と比較する。演算処理装置(CPU)45は、その比較した結果、その差の値と符号とを基に、制御巻線に流す電流の大きさと向きを決定して指令信号を形成し、そのデジタル指令信号をD/A変換器47に与える。D/A変換器47は、デジタル指令信号に応じた制御信号を形成しパワーアンプ49を制御する。これにより、パワーアンプ49から各制御巻線35,35,35,35に、平面二次側移動子11から離れる方向(すなわらち、永久磁石31の吸引力が弱まる方向)に制御電流を流す。これにより、永久磁石31による磁力が弱まり、重力による力が相対的に多く働く結果になり、平面二次側移動子11が平面固定子7に吸引されるを防止する。
【0022】
一方、平面二次側移動子11が平面固定子7から一定距離以上離れる方向に移動すると、ギャップセンサー37が平面固定子7と平面二次側移動子11の磁極9,9,…の表面とのギャップを検出し、そのギャップ検出信号が制御部41に供給する。制御部41では、当該ギャップ検出信号をA/D変換器43でデジタルギャップ検出信号に変換し、演算処理装置(CPU)45に与える。演算処理装置(CPU)45は、当該デジタルギャップ検出信号を基準値と比較する。演算処理装置(CPU)45は、その比較した結果、その差の値と符号とを基に、制御巻線に流す電流の大きさと向きを決定してデジタル指令信号を形成し、そのデジタル指令信号をD/A変換器47に与える。
【0023】
D/A変換器47は、デジタル指令信号に応じた制御信号を形成しパワーアンプ49を制御する。これにより、パワーアンプ49から各制御巻線35,35,35,35に、平面二次側移動子11から近づく方向(すなわらち、永久磁石31の吸引力が強まる方向)に制御電流を流す。これにより、永久磁石31による磁力が強まり、重力による力が相対的に弱く働く結果になり、平面二次側移動子11が平面固定子7から離れるのを防止している。
つまり、平面二次側移動子11は、平面固定子7の下面に、吊り下がった状態で磁気浮上しつつ移動できる状態になる。
【0024】
ここで、X軸用交流電源13XからX軸方向巻線3Xに交流電力を供給すると、平面固定子7にはX軸方向に移動する移動磁界が発生する。これにより、平面二次側移動子11は、X軸方向に移動する。
また、Y軸用交流電源13YからY軸方向巻線3Yに交流電力を供給すると、平面固定子7にはY軸方向に移動する移動磁界が発生する。これにより、平面二次側移動子11は、Y 軸方向に移動する。
【0025】
さらに、X軸用交流電源13XからX軸方向巻線3Xに、また、Y軸用交流電源13YからY軸方向巻線3Yに、それぞれ同一値の交流電力を与えると、平面固定子7には、X軸方向に移動する移動磁界と、Y軸方向に移動する移動磁界との総合磁界が発生する。これらのベクトル合成された移動磁界が発生することになり、平面二次側移動子11はX軸とY軸との合成方向(45度方向)に移動することになる。
【0026】
このX軸用交流電源13XからX軸方向巻線3Xに供給する交流電力の量と、Y軸用交流電源13YからY軸方向巻線3Yに供給する交流電力の量との割合を調整することにより、平面二次側移動子11は、X軸とY軸とで構成される平面の上を任意の方向に移動させることができる。
【0027】
このように構成され動作する上記実施の形態によれば、次のような利点がある。
(1)磁気浮上に吸引方式を用いているので、簡単な装置で確実に磁気浮上させることができる。
(2)上記方式を採用し、永久磁石31による吸引力と重力とのバランスを利用し、ギャップセンサーからの検出信号を用いて当該バランスを制御することにより浮上させているので、磁気浮上に使用されるエネルギーが少なくて済む。
(3)推力発生に同期方式を採用しているので、精密に位置決めができる。
(4)推力発生に同期方式を採用しているので、リニア誘導モータのようなエネルギー消費がなく、省力化できる。
(5)平面二次側移動子11の移動制御について、オープンループでの制御系を構成できるので、制御系統が簡単な構成になる。
上記実施の形態では、磁極9は、鉄心3a,3bと、永久磁石31と、制御巻線35とから構成したが、前記永久磁石31を電磁石により構成してもよい。
【0028】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、前記平面固定子を、基部磁性構造体の基準面から所定間隔で突出する複数の磁極からなる磁極鉄心と、前記磁極の相互間に捲回され前記X軸方向に移動磁界を発生させるX軸方向巻線と、前記磁極の相互間に捲回され前記Y軸方向に移動磁界を発生させるY軸方向巻線とから構成し、かつ、前記平面固定子を前記磁極鉄心面を下側に向け配置し、前記平面二次側移動子を、前記磁極を前記磁極鉄心面に対峙させ、かつ、前記磁極に捲回した制御巻線と、前記平面二次側移動子と前記平面固定子の磁極鉄心との間隔を検出するギャップセンサーと、前記ギャップセンサーからの検出信号を基に前記制御巻線に所定の間隔を保つ制御電流を供給する制御部とを備えたことにより、次のような利点がある。
【0029】
(1)磁気浮上に吸引方式を用いているので、簡単な装置で確実に磁気浮上させることができる。
(2)上記方式を採用し、磁石による吸引力と重力とのバランスを利用し、ギャップセンサーからの検出信号を用いて当該バランスを制御することにより浮上させているので、磁気浮上に使用されるエネルギーが少なくて済む。
(3)推力発生に同期方式を採用しているので、精密に位置決めができる。
(4)推力発生に同期方式を採用しているので、リニア誘導モータのようなエネルギー消費がなく、省力化できる。
(5)平面二次側移動子の移動制御について、オープンループでの制御系を構成できるので、制御系統が簡単な構成になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る磁気浮上式XY面リニア同期モータの概念図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る磁気浮上式XY面リニア同期モータの平面固定子の構成例を示す斜視図である。
【図3】本発明の実施の形態に係る磁気浮上式XY面リニア同期モータの平面固定子の基部磁性構造体の詳細を説明するために示す斜視図であり、図(1)は組上がった一部平面固定子を、図(2)は分解斜視図である。
【図4】本発明の実施の形態に係る磁気浮上式XY面リニア同期モータの平面二次側移動子の磁極構造を示す斜視図である。
【図5】本発明の実施の形態に係る磁気浮上式XY面リニア同期モータの平面二次側移動子の制御系を含む構成図である。
【符号の説明】
1 磁気浮上式XY面リニア同期モータ
3X X軸方向巻線
3Y Y軸方向巻線
5 磁極鉄心
7 平面固定子
9 磁極
11 平面二次側移動子
13X X軸用交流電源
13Y Y軸用交流電源
15 基部磁性構造体
17 複数の磁極
21 継鉄
23 共通部分
25 凸状
27 ベース
31 永久磁石
33a,33b 鉄心
35 制御巻線
37 ギャップセンサー
41 制御部
43 A/D変換器
45 演算処理装置
47 D/A変換器
49 パワーアンプ
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4