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明細書 :微小部品の成形用装置及び微小部品の成形方法

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第4786085号 (P4786085)
公開番号 特開2003-071853 (P2003-071853A)
登録日 平成23年7月22日(2011.7.22)
発行日 平成23年10月5日(2011.10.5)
公開日 平成15年3月12日(2003.3.12)
発明の名称または考案の名称 微小部品の成形用装置及び微小部品の成形方法
国際特許分類 B29C  39/02        (2006.01)
B29C  39/26        (2006.01)
B29K 101/10        (2006.01)
FI B29C 39/02
B29C 39/26
B29K 101:10
請求項の数または発明の数 6
全頁数 9
出願番号 特願2001-266305 (P2001-266305)
出願日 平成13年9月3日(2001.9.3)
審査請求日 平成20年9月1日(2008.9.1)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】899000057
【氏名又は名称】学校法人日本大学
発明者または考案者 【氏名】小林 義和
【氏名】白井 健二
個別代理人の代理人 【識別番号】100102233、【弁理士】、【氏名又は名称】有賀 正光
審査官 【審査官】原田 隆興
参考文献・文献 特開平06-008252(JP,A)
特開2000-326347(JP,A)
特開2001-105435(JP,A)
特表2003-516882(JP,A)
調査した分野 B29C39/00~39/44
特許請求の範囲 【請求項1】
成形品の形状に対応する形状の凹部を有する下型、光の透過性を有する上型、及び上型を通して下型の凹部に充填した光硬化性樹脂に光を照射する光照射部を備え、下型には成形品の離型性を向上させる表面処理を施してあり、上型と下型が開く度に、成形品が付着している上型をその上型の長手方向に下型の幅以上移動する手段を備え、連続して成形品を製造することを特徴とする微小部品の成形用装置。
【請求項2】
成形品の形状に対応する形状の凹部を有する下型、光の透過性を有する上型、及び上型を通して下型の凹部に充填した光硬化性樹脂に光を照射する光照射部を備え、下型には成形品の離型性を向上させる表面処理を施してあり、上型と下型が開く度に、下型と光照射部とを成形品が付着している上型の長手方向に下型の幅以上移動する手段を備え、連続して成形品を製造することを特徴とする微小部品の成形用装置。
【請求項3】
請求項又は請求項に記載の微小部品の成形用装置において、前記上型は、板状ガラスから成ることを特徴とする微小部品の成形用装置。
【請求項4】
成形品の離型性を向上させる表面処理を施した下型の凹部に光硬化性樹脂を充填した後、光の透過性を有する上型が光硬化性樹脂を押圧するように、下型と上型とを閉じ、その閉じた状態で上型を通して光硬化性樹脂に光を照射して光硬化性樹脂を硬化し、上型と下型が開く度に、成形品が付着している上型をその上型の長手方向に下型の幅以上移動して連続して成形品を製造することを特徴とする微小部品の成形方法。
【請求項5】
成形品の離型性を向上させる表面処理を施した下型の凹部に光硬化性樹脂を充填した後、光の透過性を有する上型が光硬化性樹脂を押圧するように、下型と上型とを閉じ、その閉じた状態で上型を通して光硬化性樹脂に光を照射して光硬化性樹脂を硬化し、上型と下型が開く度に、下型と光照射部とを成形品が付着している上型の長手方向に下型の幅以上移動して連続して成形品を製造することを特徴とする微小部品の成形方法
【請求項6】
請求項又は請求項に記載の微小部品の成形方法において、前記上型は、板状ガラスから成ることを特徴とする微小部品の成形方法。
発明の詳細な説明 【0001】
【発明の属する技術分野】
本願発明は、微小部品の成形用装置及び微小部品の成形方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来微小部品の製造には、光硬化性樹脂を用いたマイクロ造形法と射出成形法とがある。
マイクロ造形法は、光硬化性樹脂を所定形状に薄く塗布し、レーザービームを照射して硬化し、硬化した樹脂の上にさらに光硬化性樹脂を塗布して光を照射する作業を繰返して、硬化した樹脂層を積層して所定の部品を造形する方法であるが、積層面に段差が生じ、その段差の影響は、部品が小型になるほど相対的に大きくなる。したがって微小部品の製造には、精度の面で問題がある。また造形品の最小サイズは、レーザービームの径で決まるため、現在は、数μmが限度である。かつ従来のマイクロ造形法は、浴槽に大量の光硬化性樹脂を用意する必要がある。
【0003】
射出成形法は、コアーとキャビティとの隙間(空間)に、スプルーやランナー等の湯道を介して、溶融した高温の合成樹脂を高圧で注入し、冷却して合成樹脂を硬化させた後、金型を開いて成形品を取り出す方法であるが、高熱により型変形を生じる。そのため成形品の精度が低下し、微小部品の製造方法としては問題がある。またコアーとキャビティの間に溶融した合成樹脂を圧入し、冷却して合成樹脂が硬化してから、金型を開かなければならないため、次の成形サイクルに移るまでに時間がかかる。
【0004】
さらにコアーとキャビティの間に溶融した合成樹脂を圧入する装置や、コアーとキャビティを冷却する装置、湯道等が必要になるため、装置が大型になり、高価になる。射出成形装置は、一般に金型を開いた際、成形品をコアーから外すために、ノックアウトピン等を使用しているが、金型の構造が複雑になり、かつ部品数が多くなって高価になる。また成形品がマイクロメートルのレベルになると、ノックアウトピン等の使用は、難しくなる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本願発明は、従来の光硬化樹脂を用いたマイクロ造形法と射出成形法の前記問題点に鑑み、マイクロ造形法と射出成形法の利点を活かして、光硬化性樹脂により精度の高い微小部品を、簡単な装置により、容易に製造することを目的とし、そのための微小部品の成形用装置及び微小部品の成形方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本願の発明は、その目的を達成するため、請求項1に記載の微小部品の成形用装置は、成形品の形状に対応する形状の凹部を有する下型、光の透過性を有する上型、及び上型を通して下型の凹部に充填した光硬化性樹脂に光を照射する光照射部を備え、下型には成形品の離型性を向上させる表面処理を施してあり、上型と下型が開く度に、成形品が付着している上型をその上型の長手方向に下型の幅以上移動する手段を備え、連続して成形品を製造すことを特徴とする
請求項2に記載の微小部品の成形用装置は、成形品の形状に対応する形状の凹部を有する下型、光の透過性を有する上型、及び上型を通して下型の凹部に充填した光硬化性樹脂に光を照射する光照射部を備え、下型には成形品の離型性を向上させる表面処理を施してあり、上型と下型が開く度に、下型と光照射部とを成形品が付着している上型の長手方向に下型の幅以上移動する手段を備え、連続して成形品を製造することを特徴とする
請求項3に記載の微小部品の成形用装置は、請求項1又は請求項に記載の微小部品の成形用装置において、前記上型は、板状ガラスから成ることを特徴とする
請求項4に記載の微小部品の成形方法は、成形品の離型性を向上させる表面処理を施した下型の凹部に光硬化性樹脂を充填した後、光の透過性を有する上型が光硬化性樹脂を押圧するように、下型と上型とを閉じ、その閉じた状態で上型を通して光硬化性樹脂に光を照射して光硬化性樹脂を硬化し、上型と下型が開く度に、成形品が付着している上型をその上型の長手方向に下型の幅以上移動して連続して成形品を製造することを特徴とする
請求項5に記載の微小部品の成形方法は、成形品の離型性を向上させる表面処理を施した下型の凹部に光硬化性樹脂を充填した後、光の透過性を有する上型が光硬化性樹脂を押圧するように、下型と上型とを閉じ、その閉じた状態で上型を通して光硬化性樹脂に光を照射して光硬化性樹脂を硬化し、上型と下型が開く度に、下型と光照射部とを成形品が付着している上型の長手方向に下型の幅以上移動して連続して成形品を製造することを特徴とする
請求項6に記載の微小部品の成形方法は、請求項4又は請求項5に記載の微小部品の成形方法において、前記上型は、板状ガラスから成ることを特徴とする
【0007】
【発明の実施の形態】
図1は、本願発明の実施の形態に係る成形用装置の構成を示す。
図1(a)は、斜視図、図1(b)は、図1(a)の矢印X1方向の平面図、図1(c)は、図1(b)のX2-X2部分の断面図である。
図において、1は、上型固定部材、2は、ガラスの上型、5は、光ファイバー等の紫外線照射部、6は、下型固定部材、7は、金属の下型、9は、スプリング(ゴムでもよい)、10は、ガイドピンである。
【0008】
ガラスの上型2は、平板形状のガラスから成り、上型固定部材1の凹部3に固定してある。金属の下型7は、下型固定部材6の凹部8に上下動可能に取付けてあり、スプリング9により上方へ押し上げられている。金属の下型7には、光硬化性樹脂を充填する凹部71を形成してある。凹部71は、成形品の形状に対応する形状に加工してある。本実施の形態は、円盤状の成形品を製造する例を示してある。
紫外線照射部5は、上型固定部材1の筒状穴部4に取付けてある。紫外線照射部5は、金属の下型7の凹部71に充填した光硬化性樹脂に、ガラスの上型2を通して紫外線を照射する。
【0009】
ガラスの上型2と金属の下型7は、上型固定部材1と下型固定部材6が閉じた際、光硬化性樹脂を封入する空間を形成する。したがって機能的には、金属の下型7は、従来の射出成形装置のキャビティに、ガラスの上型2は、コアーに対応している。
【0010】
本実施の形態においては、上型固定部材1、下型固定部材6は、大きさ50mm×50mm、金属の下型7は、大きさ10mm×10mm、厚み5mm、ガラスの上型2は、大きさ20mm×20mm、厚み2mmのものを使用し、金属の下型7の凹部71は、深さ0.1μmに形成した。この金属の下型7を使用して、1文字の大きさが約200μm×200μmの漢字を、5文字成形したが、鮮明な文字を成形することができた。なお金属の下型7の凹部71の深さは、0.1μmに限らず、成形品の形状に応じて数μm~数mmに加工することもできる。
【0011】
ガラスの上型2には、成形品の形状に対応する凹部や凸部を形成することもできる。またガラスの上型2は、ガラスに限らず光を透過するものであれば、例えば、プラスチックでもよい。また光硬化性樹脂に照射する光は、紫外線に限らず、光硬化性樹脂が紫外線以外の光により硬化するものの場合には、紫外線以外の光を使用する。
金属の下型7の凹部71は、研磨加工、ホトリソグラフィ、SPM顕微鏡加工等により形成することができる。また凹部71の内面は、ナノメートルオーダーの粗さで仕上げることができるから、高精度の成形品を製造することができる。
【0012】
図2は、本願発明の実施の形態に係る成形用装置により、成形品を製造する手順を示す。図1と同じ部分は、図1と同じ符号を使用している。
図2(a)のようにうに上型固定部材1と下型固定部材6とが開いているとき、金属の下型7の凹部71に潤滑液を塗布して、その凹部71に光硬化樹脂11を充填する。本実施の形態は、マイクロピペットを使用して、金属の下型7の凹部71に光硬化性樹脂11を滴下して充填した。なお本実施の形態は、光硬化性樹脂として、アデカラスキュアHS-680(商品名)を使用した。
【0013】
次に図2(b)のようにうに上型固定部材1と下型固定部材6とを閉じ、紫外線照射部5から、ガラスの上型2を通して光硬化性樹脂11へ紫外線を照射し、硬化させる。光硬化性樹脂11は、紫外線を照射すると0.1~0.5秒程度で硬化する。
【0014】
次に図2(c)のように上型固定部材1と下型固定部材6とを開くと、ガラスの上型2には潤滑液を塗布してないため、成形品12は、ガラスの上型2に付着した状態で、金属の下型7の凹部71から抜ける。型抜きされた成形品12は、ガラスの上型2から剥し取る。なお光硬化性樹脂は、接着性を有するため、ガラスの上型2を押圧した際、成形品12は、ガラスの上型2に付着し易い。したがって、本願発明は、従来の射出成形装置に一般に使用されているノックアウトピン等に相当する手段を設けなくても、成形品の型抜きが可能になり、作業性が向上するとともに、装置が簡単になる。なおガラスの上型2の表面は、洗浄しておくと(いわゆる濡れ処理を施すと)、ガラスの上型2の成形品に対する付着力は一層高くなる。
【0015】
本実施の形態は、図2(b)のように上型固定部材1と下型固定部材6とが閉じたとき、従来の射出成形のように、ガラスの上型2と金属の下型7との隙間に溶融した合成樹脂を圧入する必要がなく、図2(a)のように上型固定部材1と下型固定部材6とが開いているときに、金属の下型7の凹部71に液状の光硬化性樹脂11を滴下するのみでよい。したがって本実施の形態は、成形装置が簡単になり、成形作業が容易になる。
【0016】
本実施の形態は、従来の射出成形のように光硬化性樹脂11を加熱しないから、冷却装置を設けて上型、下型を冷却する必要がない。したがって本実施の形態は、成形装置が簡単になり、成形作業が容易になり、かつ成形サイクルが短縮する。また加熱による型変形も生じない。
【0017】
図2(a)は、金属の下型7の凹部71に潤滑液を塗布する例について説明したが、潤滑液を塗布する代わりに、凹部71の内面にテフロン、フッ素樹脂、TiN、ハードクロム等をコーティングして、離型性向上の表面処理を施してもよい。この場合には、成形の都度凹部71に潤滑液を塗布する必要がないから、成形作業が簡単になる。
【0018】
図3は、本願発明の実施の形態に係る連続成形用装置の構成を示す。図3(a)は、ガラスの上型2の長手方向の断面図、図3(b)は、図3(a)のX3-X3部分の断面図、図3(c)は、上型固定部材と下型固定部材とが閉じた状態の断面図である。図1と同じ部分は、図1と同じ符号を使用している。
【0019】
上型固定部材1には、ガラスの上型2の長手方向に伸びる凹部31を形成し、ガラスの上型2を支持する支持部材17を取付け、ガラスの上型2が、上型固定部材1の凹部31に沿って移動できるように構成してある。ガラスの上型2は、アーム駆動装置13によって駆動されるアーム14により、上型固定部材1と下型固定部材6とが開く度に、図3(a)の左方向へ所定距離だけ移動する。
【0020】
16は、光硬化性樹脂を滴下する光硬化性樹脂滴下部材で、光硬化性樹脂滴下部材の駆動装置15により駆動され、上型固定部材1と下型固定部材6とが開いている間に、金属の下型7の凹部に光硬化性樹脂11を滴下し、上型固定部材1と下型固定部材6とが閉じるときは、図3(c)のように上型固定部材1と下型固定部材6とが対向する空間の外へ退却する。
【0021】
成形用装置は、まず図3(a)、図3(b)のように、光硬化性樹脂滴下部材16により、金属の下型7の凹部に光硬化性樹脂11を滴下する。次に図3(c)のように上型固定部材1と下型固定部材6とを閉じる。その状態において紫外線照射部5から、光硬化性樹脂11へ紫外線を照射して、光硬化性樹脂11を硬化させる。なお上型固定部材1と下型固定部材6とが閉じたとき、支持部材17は、下型固定部材6の凹部18に逃げるため、支持部材17が型締めの障害になることはない。
【0022】
次に上型固定部材1と下型固定部材6とが開くと、図示しない検出装置がそれを検知し、アーム駆動装置13が動作してアーム14を図3(a)の左方向へ移動し、ガラスの上型2を移動する。移動量は、金属の下型7の幅以上に設定する。ガラスの上型2は、成形品12を付着した状態で移動する。したがって図3の成形用装置は、ガラスの上型2に成形品を付着させたまま連続して成形品を製造することができる。
【0023】
図3は、成形用装置の開閉1サイクル毎に、ガラスの上型2を移動する装置について説明したが、ガラスの上型2は固定し、紫外線照射部5と金属の下型7を、ガラスの上型2に沿って移動させてもよい。この場合には、例えば、上型固定部材1と下型固定部材6に、ガラスの上型2の長手方向に伸びる凹部を形成し、それらの凹部に沿って紫外線照射部5と金属の下型7を移動するように構成すればよい。
【0024】
また光硬化性樹脂滴下部材16に代えて、手作業で光硬化性樹脂を滴下することもできるし、従来の射出成形装置に使用されているスプルーやランナー等の湯道を使用することもできる。
【0025】
図4は、本願発明の実施の形態に係る金属の下型の変形例を示す。
図1~図3の場合には、1個の金属の下型で1個の成形品を製造する例について説明したが、図4(a)のように、1個の金属の下型7に複数個(例えば6個)の成形品の形状に対応する形状の凹部71を形成することもできる。また図4(b)のように、各凹部71に共通の溝72を形成し、この溝72に光硬化性樹脂を滴下するように構成することもできる。この場合には、溝72の1箇所に光硬化性樹脂を滴下すると、光硬化性樹脂は、溝72を伝って各凹部71に充填されるため、光硬化性樹脂の充填作業が容易になる。また出来上がった成形品は、溝72の樹脂が硬化して各成形品を連結するため、成形品の取り扱いが容易になる。
【0026】
前記実施の形態は、円盤状の成形品を例に説明したが、本願発明は、マイクロレンズ等の光学部品、微小歯車等のマイクロマシン用部品、医療用マイクロマシンの部品、凹凸形状のDNAチップ、光硬化性樹脂に電気特性を付与して形成するマイクロ配線等、いわゆる微小部品或いはマイクロ部品の成形に利用することができる。
【0027】
前記実施の形態は、上型を紫外線等の光が透過するガラス等により構成する例について説明したが、下型をガラス等で構成してもよいし、また上型、下型双方をガラス等で構成してもよい。この場合には、紫外線等の光照射装置からの光は、下型又は下型、上型双方を通して光硬化性樹脂を照射することができる。なおこの場合、光が透過する型に離型性向上用のコーティングを施すときは、光を透過するコーティング材を用いる。
【0028】
【発明の効果】
本願発明は、光硬化性樹脂を型により成形するから、従来の光硬化性樹脂のマイクロ造形法のように、成形品に積層面が形成されない。したがって本願発明の成形品は、積層面に起因する段差がないから、精度の高い微小部品となる。
【0029】
本願発明は、光硬化性樹脂を型に充填し、光を照射して成形するから、従来の射出成形装置のように高温の合成樹脂を注入する必要がない。したがって、本願発明は、高熱による型変形を生じないから、精度の高い微小部品を製造することができる。また金属の下型の凹部の内面は、ナノメートルオーダーの粗さに仕上げることができるから、成形品の精度は非常に高くなる。
【0030】
本願発明は、成形品の形状に対応する形状の凹部を形成した金属の下型に光硬化性樹脂を充填し、その金属の下型にガラス等の光の透過性を有する上型を押圧して、光硬化性樹脂をプレスするのみでよいから、従来の射出成形装置のようにコアーとキャビティとの隙間に、溶融した合成樹脂を高圧で注入する必要がない。したがって、本願発明は、光硬化性樹脂の充填作業が簡単になり、また充填装置が簡単になるから、成形装置が安価になる。
【0031】
また本願発明は、従来の射出成形装置のようにコアーやキャビティを冷却する必要がないから、成形装置が安価になり、かつ従来の射出成形装置のように、成形品が硬化するまでの長い冷却時間を要しないから、成形サイクルを短縮できる。そして本願発明は、型を用いた、いわゆるスタンプ方式の成形方法であるから、大量の成形品を容易に製造することができる。またスタンプ回数を調整することにより、生産量を簡単に調整することができる。
【0032】
本願発明の成形品は、潤滑液を塗布する等離型性向上処理を施してない型に付着するから、型抜きが簡単になる。また光硬化性樹脂は、接着性を有するから、さらに型に付着し易く、型抜きが簡単になる。したがって、本願発明は、従来のノックアウトピン等に相当する特別の型抜き手段を要しないから、成形装置が簡単になる。本願発明は、上型又は下型の一方に離型性を向上させる材料をコーティングしてあるから、成形の都度潤滑液を塗布する必要がなく、成形作業が簡単になる。
【0033】
本願発明は、光照射部と上型又は下型の一方の型を固定し、他方の型を成形サイクル毎に移動することにより、または上型又は下型の一方の型を固定し、光照射部と他方の型を成形サイクル毎に移動することにより、成形品を連続して成形することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明の実施の形態に係る成形用装置の構成を示す。
【図2】本願発明の実施の形態に係る成形用装置により、成形品を製造する手順を示す。
【図3】本願発明の実施の形態に係る連続成形用装置の構成を示す。
【図4】本願発明の実施の形態に係る金属の型の変形例を示す。
【符号の説明】
1 上型固定部材
2 ガラスの上型
5 紫外線照射部
6 下型固定部材
7 金属の下型
71 凹部
10 ガイドピン
11 光硬化性樹脂
12 成形品
13 アーム駆動装置
14 アーム
15 光硬化性樹脂滴下部材の駆動装置
16 光硬化性樹脂滴下部材
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3