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明細書 :電気伝導性紡糸液の紡糸性評価方法および紡糸性評価システム

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第3673828号 (P3673828)
公開番号 特開2003-027326 (P2003-027326A)
登録日 平成17年5月13日(2005.5.13)
発行日 平成17年7月20日(2005.7.20)
公開日 平成15年1月29日(2003.1.29)
発明の名称または考案の名称 電気伝導性紡糸液の紡糸性評価方法および紡糸性評価システム
国際特許分類 D01D  5/00      
FI D01D 5/00
請求項の数または発明の数 6
全頁数 8
出願番号 特願2001-214655 (P2001-214655)
出願日 平成13年7月16日(2001.7.16)
審査請求日 平成13年7月16日(2001.7.16)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】504180239
【氏名又は名称】国立大学法人信州大学
発明者または考案者 【氏名】大越 豊
審査官 【審査官】佐野 健治
参考文献・文献 特開平08-100323(JP,A)
調査した分野 D01D 5/00-5/42
特許請求の範囲 【請求項1】
電気伝導性紡糸液の一部を引き上げ又は引き下げる工程と、電気伝導性紡糸液の温度を制御する工程と、引き上げ又は引き下げられている液状糸部分の雰囲気温度を制御する工程と、所定の電気伝導性紡糸液の温度および液状糸部分の雰囲気温度下で、引き上げ又は引き下げられている液状糸部分の長さに関する電気抵抗プロファイルを測定する工程とを具備し、測定された前記電気抵抗プロファイルと、設定された電気伝導性紡糸液の温度および液状糸部分の雰囲気温度とから電気伝導性紡糸液の紡糸性を評価することを特徴とする、電気伝導性紡糸液の紡糸性評価方法。
【請求項2】
前記方法が、引き上げ又は引き下げられている液状糸部分の雰囲気組成もしくは雰囲気圧力を制御する工程をさらに具備し、測定された電気抵抗プロファイルと、設定された液状糸部分の雰囲気組成もしくは雰囲気圧力とから電気伝導性紡糸液の紡糸性を評価することを特徴とする、請求項1に記載の電気伝導性紡糸液の紡糸性評価方法。
【請求項3】
前記液状糸部分の長さに関する電気抵抗プロファイルの測定が、定電圧を印加して液状糸に流れる電流値を連続的に検出することによる、請求項1又は2に記載の電気伝導性紡糸液の紡糸性評価方法。
【請求項4】
電気伝導性紡糸液の一部を引き上げまたは引き下げる手段と、電気伝導性紡糸液の温度を制御する手段と、引き上げ又は引き下げされている液状糸部分の雰囲気温度を制御する手段と、所定の電気伝導性紡糸液の温度および液状糸部分の雰囲気温度下で、引き上げ又は引き下げられている液状糸部分の長さに関する電気抵抗プロファイルを測定する手段とを具備し、測定された前記電気抵抗プロファイルと、設定された電気伝導性紡糸液の温度および液状糸部分の雰囲気温度とから電気伝導性紡糸液の紡糸性を評価することを特徴とする、電気伝導性紡糸液の紡糸性評価システム。
【請求項5】
前記システムが、引き上げ又は引き下げられている液状糸部分の雰囲気組成もしくは雰囲気圧力を制御する手段をさらに具備し、測定された電気抵抗プロファイルと、設定された液状糸部分の雰囲気組成もしくは雰囲気圧力とから電気伝導性紡糸液の紡糸性を評価することを特徴とする、請求項4に記載の電気伝導性紡糸液の紡糸性評価システム。
【請求項6】
前記液状糸部分の長さに関する電気抵抗プロファイルの測定手段として液状糸部分への定電圧印加電源および電流計を具備する、請求項4又は5に記載の電気伝導性紡糸液の紡糸性評価システム。
発明の詳細な説明 【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電気伝導性紡糸液の紡糸性評価方法および該方法において用いる紡糸性評価システムに関わり、詳しくは電気伝導性紡糸液の繊維化の容易性、最適な紡糸条件、繊維の生産性を評価するための方法およびシステムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、紡糸液の紡糸性は、主に紡糸液中に挿入したガラス棒等を手動で引き上げ、生成した液状糸の破断距離を目視によって測定することにより判断されていた。この方法は基本的にTammanとTampkeによって1927年に発表された方法に沿ったものであり、精度・再現性に乏しい上、測定環境も制約される。この欠点を解消するため、機械制御による引き上げ速度のコントロール(大島、前田、河合、工業化学雑誌、60、311(1957))、高速度カメラによる細化挙動の観測、液状糸を伝導する電流による破断の判定(P.C.Sherr、Rayon Textile Monthly、67(Feb.1945))が報告されている。また、破断時における液状糸の長さのみではなく、凝集破断、キャピラリー破断、延性破断といった破断時点での破断形態を液状糸の紡糸性判断基準として取り入れた報告も多い。しかし、いずれも破断時における液状糸の長さ以外は定性的な判断に留まり、実用性は不充分であった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記判断手法は元々液体のレオロジー特性を調べることを目的としており、実際の繊維生産をシミュレートしたものではない。実際の紡糸プロセスにおいては、上記破断時における液状糸の長さのような、物質の性質としての紡糸性(以下、該性質を「繊維形成能」と言う。)を有することは紡糸液に求められる必要条件の一つに過ぎず、該繊維形成能を判断するのみでは十分条件とは言えない。すなわち、引き伸ばされた液状糸が冷却(溶融紡糸)、脱溶媒(湿式紡糸)、乾燥(乾燥式紡糸)等の方法で固化することによって初めて連続的に繊維を生産できるのであり、繊維形成能を判断するのみでは繊維化の容易性、最適な紡糸条件、繊維の生産性といった実用的な紡糸性の評価には不充分である。例えば納豆のように、繊維形成能は充分な物質でもそのままでは繊維にならず、一方ほとんど繊維形成能を持たない液体金属でも急速変形・急速冷却によって繊維化が可能である。このように、紡糸液の紡糸性評価においては繊維形成能の評価に加え、固化されることにより連続的に繊維を生産することが可能か否かの評価が不可欠であるところ、かかる実用的な紡糸性評価技術は未だ開発されていないのが実情である。
【0004】
本発明の目的は、上記問題点を解決し、紡糸液の実用的な紡糸性評価方法および該方法に使用する紡糸性評価システムを提供することにある。本発明において「紡糸性」とは、繊維形成能を単に意味するものではなく、紡糸液に必要とされる繊維形成能を具備し、且つ固化されることにより連続的に繊維を生産することが可能な性質を言う。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、実際の繊維生産工程のシミュレーションの実現を可能とした紡糸性評価技術を見出し、下記構成を具備する本発明を完成した。
【0006】
すなわち、本発明により、電気伝導性紡糸液の一部を引き上げ又は引き下げる工程と、電気伝導性紡糸液の温度を制御する工程と、引き上げ又は引き下げられている液状糸部分の雰囲気温度を制御する工程と、所定の電気伝導性紡糸液の温度および液状糸部分の雰囲気温度下で、引き上げ又は引き下げられている液状糸部分の長さに関する電気抵抗プロファイルを測定する工程とを具備し、測定された前記電気抵抗プロファイルと、設定された電気伝導性紡糸液の温度および液状糸部分の雰囲気温度とから電気伝導性紡糸液の紡糸性を評価することを特徴とする電気伝導性紡糸液の紡糸性評価方法が提供される。
【0007】
また、前記方法において、引き上げ又は引き下げられている液状糸部分の雰囲気組成もしくは雰囲気圧力を制御する工程をさらに具備し、測定された電気抵抗プロファイルと、設定された液状糸部分の雰囲気組成もしくは雰囲気圧力とから電気伝導性紡糸液の紡糸性を評価することを特徴とする電気伝導性紡糸液の紡糸性評価方法が提供される。
【0008】
前記紡糸性評価方法において、液状糸部分の長さに関する電気抵抗プロファイルの測定は、定電圧を印加して液状糸に流れる電流値を連続的に検出することによるのが好ましい。
【0009】
さらに、本発明により、電気伝導性紡糸液の一部を引き上げまたは引き下げる手段と、電気伝導性紡糸液の温度を制御する手段と、引き上げ又は引き下げされている液状糸部分の雰囲気温度を制御する手段と、所定の電気伝導性紡糸液の温度および液状糸部分の雰囲気温度下で、引き上げ又は引き下げられている液状糸部分の長さに関する電気抵抗プロファイルを測定する手段とを具備し、測定された前記電気抵抗プロファイルと、設定された電気伝導性紡糸液の温度および液状糸部分の雰囲気温度とから電気伝導性紡糸液の紡糸性を評価することを特徴とする電気伝導性紡糸液の紡糸性評価システムが提供される。
【0010】
また、前記システムにおいて、引き上げ又は引き下げられている液状糸部分の雰囲気組成もしくは雰囲気圧力を制御する手段をさらに具備し、測定された電気抵抗プロファイルと、設定された液状糸部分の雰囲気組成もしくは雰囲気圧力とから電気伝導性紡糸液の紡糸性を評価することを特徴とする電気伝導性紡糸液の紡糸性評価システムが提供される。
【0011】
前記紡糸性評価システムにおいて、液状糸部分の長さに関する電気抵抗プロファイルの測定手段として液状糸部分への定電圧印加電源および電流計を具備することが好ましい。
【0012】
このように実際の繊維生産工程をシミュレートした本発明の紡糸性評価技術は、現実の紡糸性を簡便かつ高精度に、高い再現性のもとに得ることができるため、実用性に極めて優れる。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明の紡糸液の紡糸性評価技術は、まず、電気伝導性紡糸液の一部を引き上げ、または引き下げた際に生じる液状糸部分の長さに対する電気抵抗プロファイルを測定することにより、その紡糸性を評価することを特徴とする。本発明において測定対象となる紡糸液は適度の電気伝導性を有する液体状物質であれば特に制限はない。液体状物質には液体、溶液、懸濁液、乳濁液、スラリーおよびこれらの混合物が含まれ、外力により引き伸ばすことによって変形して液状糸を生じるものであればよい。好適な具体例としては無機塩溶液のゾル、およびゾルとゲルの混合物を挙げることができる。電気抵抗プロファイルの測定手段としては、液状糸部分への定電圧印加電源および電流計を具備することが好ましく、定電圧を印加して液状糸に流れる電流値を連続的に検出することによるのが好ましい。定電流電源を用い、発生する電圧を測定する手段を用いてもよいが、該手段では液状糸が細くなった部分の温度上昇が大きいことに起因する物性変化のため破断、固化、もしくは変形プロファイルの変化を生じやすく、該変化は液状糸の長さに関わる電気抵抗プロファイルに影響を及ぼし得るため、定電圧印加電源を用いた前記手段が好ましい。
【0014】
本発明の紡糸性評価技術は、上記電気抵抗プロファイルを測定する際に固化条件を制御することにより、所定の固化条件における電気抵抗プロファイルを得ることを最大の特徴とするものである。ここで固化条件の制御とは、液状糸の固化特性に影響を及ぼす各種要素の制御であり、具体的には紡糸液の温度、引き上げ(または引き下げ)雰囲気温度、組成および圧力等の制御である。「雰囲気」とは、引き上げまたは引き下げられている液状糸表面と接する気体もしくは液体であり、液状糸表面を介しての熱エネルギーもしくは物質の移動によって液状糸の温度および組成を変化させ、繊維形成能および固化特性を変化させることにより、紡糸液の紡糸性に影響を及ぼす。したがって、測定された電気抵抗プロファイルと、設定された電気伝導性紡糸液の温度および液状糸部分の雰囲気温度等から電気伝導性紡糸液の紡糸性を評価することにより、単なる液体のレオロジー特性の評価に留まらない、電気伝導性紡糸液の紡糸性(すなわち繊維化の容易性、最適な紡糸条件、繊維の生産性)を評価し得る実用的な紡糸性の評価が得られる。
【0015】
以下、本発明を図面を参照しつつ説明する。図1は本発明の一実施態様を示す概略図である。図1において、本発明の紡糸性評価システムは、電気伝導性紡糸液5の一部を引き上げる手段(液状糸引き上げ装置1)と、電気伝導性紡糸液5の温度を制御する手段(紡糸液温度制御装置2)と、引き上げられている液状糸部分4の雰囲気温度を制御する手段(引き上げ雰囲気温度制御装置3)と、所定の電気伝導性紡糸液の温度および液状糸部分の雰囲気温度下で、引き上げ又は引き下げられている液状糸部分の長さに関する電気抵抗プロファイルを測定する手段(電圧印加電源10、電流計11および電圧計12とから構成される)とを具備し、上述のように、液状糸部分の長さに関して測定された電気抵抗プロファイルと、設定された電気伝導性紡糸液の温度および液状糸部分の雰囲気温度等から電気伝導性紡糸液の紡糸性が評価される。
【0016】
本発明の電気抵抗プロファイルを測定する手段においては、既述の理由から電圧印加電源10として直流定電圧印加電源を用い、一定電圧下で液状糸に流れる電流値を電流計11により連続的に検出することが好ましく、電流計11として高精度(好ましくは最小測定可能電流1μA以下)で測定レンジの自動切り換え機能を持った電流計を用いることがさらに好ましい。
【0017】
液状糸引き上げ装置1は、引き上げ速度調節機能を有することが好ましく、引き上げ速度は一定であることが好適であるが、実際の紡糸工程における速度プロファイルにあわせてプログラミング可能であればより好ましい。本発明の別の実施態様において、本発明の紡糸性評価システムは電気伝導性紡糸液の一部を引き下げる手段(液状糸引き下げ装置)を有し得る。また、引き上げ雰囲気の媒体は気体もしくは液体であり、媒体が液体の場合は液状糸引き下げ装置を、気体の場合は液状糸引き上げ装置を具備することが好ましい。
【0018】
図1において、電気伝導性紡糸液5は測定容器内で紡糸液温度制御装置2により温度制御される。温度を均一化するためには容器内で試料を撹拌することが好ましいが、試料中に泡を生じると測定結果に悪影響を及ぼす。したがって、本発明の別の実施態様において、本発明の紡糸性評価システムは別の温度制御容器内で試料の温度制御および撹拌を行い、脱泡後、温度制御装置により温度制御された測定容器内に移送する手段をさらに有することが好ましい。移送手段としては直接流し込む方式の他、輸液ポンプ・シリンジを用いてもよい。あるいは、測定容器内に撹拌装置と脱泡装置を備えていてもよい。
【0019】
さらに、本発明の評価システムは、引き上げ又は引き下げられている液状糸部分の雰囲気組成もしくは雰囲気圧力を制御する手段をさらに具備することも好ましく、この場合には測定された電気抵抗プロファイルと、設定された液状糸部分の雰囲気組成もしくは雰囲気圧力とからも電気伝導性紡糸液の紡糸性が評価される。雰囲気温度に限らず、雰囲気の全圧力や雰囲気の組成(雰囲気の媒体が気体の場合には雰囲気中の各成分の分圧)は紡糸液からの溶媒の脱離速度に影響し、紡糸時の固化速度にも影響を及ぼすことから紡糸性を変化させ得るからである。
【0020】
【実施例】
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明する。なお、本実施例で用いた紡糸液はいずれも無機塩法アルミナ繊維紡糸用のものであるが、試料はこれに限定されない。
【0021】
試料は(a)クラレ株式会社製ポリビニルアルコールPVA117(ケン化度99.85%、重合度1700)と和光純薬株式会社製ポリエチレングリコール(平均分子量3000)を質量比8:2で混合したもの、(b)多木化学株式会社製ハイドロオキシ塩化アルミニウム水溶液と日産化学株式会社製シリカゾルを無機成分の質量比95:5で混合したもの、及び(c)水を、耐圧ガラス工業株式会社製オートクレーブに投入し、昇温速度分間1℃で120℃まで加熱、加圧し、この温度で10分間保持後、分間1℃で所定温度まで冷却し、試験に用いた。この際、(a)と(b)の分率は前者の質量と後者の無機成分質量の比が3:7になるように固定し、(c)の量により水分率(もともと(b)に含まれていたものも含む)を調整した。
【0022】
実験は液状糸の長さが900mmになるまで行い、紡糸液の組成(水分率)、引き上げ速度、紡糸液温度、及び雰囲気を変えて各10回行った。得られた液状糸の電気抵抗を液状糸の長さに対してプロットした電気抵抗プロファイルを図2~4に示す。図2は典型的な水分率依存性、図3は典型的な紡糸液温度依存性、図4は典型的な雰囲気温度依存性を示したものである。またこれらのプロファイルで電気抵抗が1GΩを初めて超えた点として求めた、液状糸の破断距離の平均値を表1に示した。
【0023】
表1でCは液状糸が長さ900mmまで10回全てで切断しなかったもの、PCは5回以上が切断しなかったもの、またアンダーラインを引いたデータは1~4回が破断しなかったものを意味している。破断しなかったものについては破断距離を900mmとして平均値を求めた。
【0024】
図2より、水分率76.8%の紡糸液が最も良く延びることが分かった。この分率では、液状糸の長さ500mm付近以上で傾きが減少し、固化する傾向が見て取れる。水分率が小さい75.8%や76.3%では、同じ長さに対する電気抵抗が小さくなることから液状糸が太くなっており、また破断直前でステップ的に電気抵抗が増加することから、いわゆる凝集破断、すなわち液状糸に加わる引張応力によって固体的に破断していると推定できる。一方水分率が77.3%、77.7%と増加していくと、同じ長さに対する電気抵抗値が大きくなる(液状糸が細くなる)のみならず、増加率も顕著に大きくなる。特に77.7%では電気抵抗値が液状糸の長さの定数乗に比例して増加する部分(図の直線部分)が見られなくなり、プロファイルそのものが下に凸の曲線状になる。このことから、液状糸が引き上げ中に流れ落ちると共に、次第に直径の不均一性が増して液滴状に破断する、いわゆるキャピラリー破断になっていると推定できる。以上の破断形態に関する推定は、目視および高速度カメラ観測によって確かめられた。
【0025】
図3より、紡糸液温度が上がると、液状糸の電気抵抗値とその増加率が大きくなり、固化しはじめる長さも短くなる傾向が示された。
【0026】
図4より、雰囲気温度の電気抵抗プロファイルヘの影響は小さいが、破断距離には影響していることが示された。
【0027】
表1より、紡糸に適した条件が見て取れる。一般にこの条件から離れるほど紡糸性は劣る。上記のような電気抵抗プロファイルの解析より、水分率が小さくなる表の上側、雰囲気温度が低くなる表の上側(各水分率における)、紡糸液温度が低くなる表の左側(各引き上げ速度における)は凝集破断的に、水分率が高くなる表の下側、雰囲気温度が高くなる表の上側(各水分率における)、紡糸液温度が高くなる表の右側(各引き上げ速度における)はキャピラリー破断的に破断する傾向の強いことが示された。
【0028】
【表1】
JP0003673828B2_000002t.gif【0029】
【発明の効果】
本発明の評価技術によれば、電気伝導性紡糸液の紡糸性を簡便かつ高精度に、高い再現性のもとに得ることができるため、繊維化の容易性、最適な紡糸条件、繊維の生産性の実用的な評価技術として利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る紡糸性評価システムの一実施態様を示す概略図。
【図2】 電気抵抗プロファイルにおける水分率依存性を示すグラフ。
【図3】 電気抵抗プロファイルにおける紡糸液温度依存性を示すグラフ。
【図4】 電気抵抗プロファイルにおける雰囲気温度依存性を示すグラフ。
【符号の説明】
1・・・液状糸引き上げ装置、2・・・紡糸液温度制御装置、3・・・引き上げ雰囲気温度制御装置、4・・・液状糸、5・・・電気伝導性紡糸液、10・・・電圧印加電源、11・・・電流計、12・・・電圧計
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3