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明細書 :境界反射を利用した2次元フォトニック結晶光分合波器

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第3682289号 (P3682289)
公開番号 特開2004-233941 (P2004-233941A)
登録日 平成17年5月27日(2005.5.27)
発行日 平成17年8月10日(2005.8.10)
公開日 平成16年8月19日(2004.8.19)
発明の名称または考案の名称 境界反射を利用した2次元フォトニック結晶光分合波器
国際特許分類 G02B  6/12      
FI G02B 6/12 F
請求項の数または発明の数 6
全頁数 15
出願番号 特願2003-057245 (P2003-057245)
出願日 平成15年3月4日(2003.3.4)
優先権出願番号 2002355632
優先日 平成14年12月6日(2002.12.6)
優先権主張国 日本国(JP)
審査請求日 平成15年3月4日(2003.3.4)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】503360115
【氏名又は名称】独立行政法人科学技術振興機構
発明者または考案者 【氏名】野田 進
【氏名】浅野 卓
個別代理人の代理人 【識別番号】100095670、【弁理士】、【氏名又は名称】小林 良平
審査官 【審査官】日夏 貴史
参考文献・文献 特開平11-218627(JP,A)
国際公開第01/077726(WO,A1)
特開2004-12780(JP,A)
特開2002-268105(JP,A)
国際公開第00/59140(WO,A1)
特開2001-272555(JP,A)
国際公開第03/081304(WO,A1)
国際公開第98/57207(WO,A1)
国際公開第98/53351(WO,A2)
A.Chutinan et.al., ,Applied Physics Letters,2001年10月22日,Vol.79 No.17,p.2690-2692
浅野卓 et.al.,2次元フォトニック結晶による波長合分波デバイス-点欠陥間の干渉-,2002年春季第49回応用物理学関係連合講演会講演予稿集,日本,2002年 3月27日,第3分冊 ,p.1039
望月理光 et.al.,2次元フォトニック結晶による波長合分波デバイス-複数の格子点を埋めたドナー型欠陥によるQ値の向上-,2002年春季第49回応用物理学関係連合講演会講演予稿集,2002年 3月27日,第3分冊,p.1039
浅野卓 et al.,2次元フォトニック結晶による波長合分波デバイス-面内ヘテロ構造の提案-,2002年春季第49回応用物理学関係連合講演会講演予稿集,日本,2002年 3月27日,第3分冊,p.1039
調査した分野 G02B 6/12 - 6/14
特許請求の範囲 【請求項1】
a)スラブ状の本体と、
b)前記本体内に設けた2以上の禁制帯領域と、
c)各禁制帯領域内において、各禁制帯領域毎に異なる周期で周期的に本体に配列された複数の、本体とは屈折率の異なる領域と、
d)各禁制帯領域内において前記異屈折率領域の欠陥を線状に設けることにより形成され、全禁制帯領域を通過する導波路と、
e)各禁制帯領域内において前記導波路の近傍に設けた点状欠陥と、
を備え、
f)各禁制帯領域における導波路の透過波長帯域の一部が、その禁制帯領域の一方の側にある全ての禁制帯領域の導波路透過波長帯域に含まれず、且つ他方の側にある全ての禁制帯領域の導波路透過波長帯域に含まれ、
g)各禁制帯領域に設けられる前記点状欠陥における共振波長が、前記一部の透過波長帯域に含まれ
h)分波効率又は合波効率が50%以上である、
ことを特徴とする2次元フォトニック結晶光分合波器。
【請求項2】
前記点状欠陥が、隣接する3個の異屈折率領域を欠損させることによって構成される直線状ドナー型クラスタ欠陥であることを特徴とする請求項1に記載の2次元フォトニック結晶光分合波器。
【請求項3】
前記一方の側の隣接禁制帯領域との境界面と自領域に設ける点状欠陥の間の距離を、自領域の点状欠陥の共振波長を有し該点状欠陥により反射される光と、同波長で該点状欠陥を通過し前記境界面により反射される光の位相差がπとなるように、設定したことを特徴とする請求項1又は2に記載の2次元フォトニック結晶光分合波器。
【請求項4】
前記一方の側の隣接禁制帯領域との境界面と自領域に設ける点状欠陥の間の距離を、自領域の点状欠陥の共振波長を有し該点状欠陥から導波路に導入される光と、同波長で前記境界面により反射される光の位相差が0となるように、設定したことを特徴とする請求項1又は2に記載の2次元フォトニック結晶光分合波器。
【請求項5】
各禁制帯領域における点状欠陥と導波路の間の結合定数Qpと、該点状欠陥と空気の間の結合定数Qvの比であるQp/Qvを1.4~2.8とすることを特徴とする請求項1~4のいずれかに記載の2次元フォトニック結晶光分合波器。
【請求項6】
前記Qp/Qvを2とすることを特徴とする請求項5に記載の2次元フォトニック結晶光分合波器。
発明の詳細な説明 【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、波長分割光多重通信等に用いられる2次元フォトニック結晶光分合波デバイスに関する。特に、その分合波の効率を向上させる技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、新しい光デバイスとして、フォトニック結晶が注目されている。フォトニック結晶とは周期屈折率分布をもった機能材料であり、光や電磁波のエネルギーに対してバンド構造を形成する。特に、光や電磁波の伝播が不可能となるエネルギー領域(フォトニックバンドギャップ)が形成されることが特徴である。
【0003】
フォトニック結晶中の屈折率分布に適切な欠陥を導入することにより、フォトニックバンドギャップ中にこの欠陥によるエネルギー準位(欠陥準位)が形成される。これによって、フォトニックバンドギャップ中のエネルギーに対応する波長範囲のうち、欠陥準位のエネルギーに対応する波長の光のみが存在可能になる。結晶中の前記欠陥を線状にすれば導波路となり、結晶中の欠陥を点状にすれば共振器となる。
【0004】
フォトニック結晶には、2次元結晶あるいは3次元結晶を用いることができる。両者にそれぞれ特長があるが、このうち2次元結晶は作製が比較的容易であるという点で有利である。特許文献1には、2次元フォトニック結晶において、円柱孔を三角格子状に周期的に配列することによって周期屈折率分布を設け、この円柱孔を線状に欠損させることによって導波路を形成し([0025]、図1)、導波路近傍に点欠陥を形成する([0029]、図1)ことが記載されている。特許文献1においては、実施例として周期的に配列された円柱孔の径を大きくすることによって形成される点欠陥について検討している。
【0005】
【特許文献1】
特開2001-272555号公報([0025]、[0029]、図1)
【0006】
また、本願出願人らは、特願2002-086221号出願において、周期屈折率分布を形成する異屈折率領域のうち隣接する2個以上の異屈折率領域を欠陥とすることによってクラスタ欠陥を形成することを提案している。ここで異屈折率領域の欠陥は、その異屈折率領域の屈折率を他の異屈折率領域の屈折率と異なるものとすることによって形成する。他の異屈折率領域よりも屈折率が低いものをアクセプタ型欠陥、高いものをドナー型欠陥と呼ぶ。前記特許文献1に記載の、円柱孔を大きくすることによって形成する欠陥はアクセプタ型欠陥であり、異屈折率領域を設けないことによって形成する欠陥はドナー型欠陥である。クラスタ欠陥と、1個の異屈折率領域のみを欠損させて形成される点欠陥とを総称して「点状欠陥」と呼ぶ。
【0007】
前記特願2002-086221号出願において、本願出願人らは更に、それぞれ異なる周期で異屈折率領域を配置した複数の禁制帯領域を有し、それぞれの禁制帯領域に点状欠陥を設けた面内へテロ構造2次元フォトニック結晶を提案している。これにより、各禁制帯領域に同じ形状の点状欠陥を設けた場合に、異屈折率領域の周期の違いにより、各点状欠陥において異なる波長の光を共振させることができる。
【0008】
これらの点状欠陥を設けた2次元フォトニック結晶には様々な用途が考えられるが、その典型例として光多重通信が挙げられる。近年の光多重通信においては、一本の伝送路に複数の波長の光を伝播させそれぞれに別個の信号を乗せる波長分割多重方式が用いられる。2次元フォトニック結晶は、各波長に対応する複数の点状欠陥を導波路の近傍に設けることにより、導波路中を伝播する光のうち特定の波長の光(信号)を点状欠陥から取り出す分波器や、特定の波長の光を点状欠陥から導波路に導入する合波器として用いることができる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
前記従来の2次元フォトニック結晶を分波器として用いる場合に、導波路を通過する光のうち、ある点状欠陥から分波される波長の光が全てその点状欠陥に流入すれば、分波効率は100%となるはずである。しかし、実際には分波される波長の光の少なくとも50%以上はその点状欠陥に流入せず、導波路を通過してしまう。そのため、実際の分波効率は50%以下に留まっていた。
【0010】
また、2次元フォトニック結晶を合波器として用いる場合には、合波させる光が点状欠陥から導波路に流入する際に、導波路の両側に分かれる。そのため、合波された光の導波路からの取り出し効率は最高でも50%に留まっていた。
【0011】
本発明はこのような課題を解決するために成されたものであり、その目的とするところは高い分波効率及び合波効率を有する2次元フォトニック結晶光分合波器を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために成された本発明に係る境界反射を利用した2次元フォトニック結晶光分合波器は、
a)スラブ状の本体と、
b)前記本体内に設けた2以上の禁制帯領域と、
c)各禁制帯領域内において、各禁制帯領域毎に異なる周期で周期的に本体に配列された複数の、本体とは屈折率の異なる領域と、
d)各禁制帯領域内において前記異屈折率領域の欠陥を線状に設けることにより形成され、全禁制帯領域を通過する導波路と、
e)各禁制帯領域内において前記導波路の近傍に設けた点状欠陥と、
を備え、
f)各禁制帯領域における導波路の透過波長帯域の一部が、その禁制帯領域の一方の側にある全ての禁制帯領域の導波路透過波長帯域に含まれず、且つ他方の側にある全ての禁制帯領域の導波路透過波長帯域に含まれ、
g)各禁制帯領域に設けられる前記点状欠陥における共振波長が、前記一部の透過波長帯域に含まれ、
h)分波効率又は合波効率が50%以上である、
ことを特徴とする。
【0014】
【発明の実施の形態及び効果】
本発明の境界反射を利用した2次元フォトニック結晶光分合波器は、面内方向の大きさに比べて厚さが十分薄い板状体であるスラブを本体とし、この本体に、本体とは屈折率の異なる領域を周期的に配置することによって構成される2次元フォトニック結晶を母体とする。この母体の2次元フォトニック結晶においては、周期的な異屈折率領域の存在によりフォトニックバンドギャップが形成され、その範囲内のエネルギーを持つ光が存在できない。即ち、それに対応する波長帯の光は本体を通過することができない。本体の材料としては、例えばSiやInGaAsPを用いることができる。異屈折率領域とは、本体の材料とは異なる屈折率を有する材料からなる部材を本体内に配置するものであるが、典型例として前記特許文献1に記載された円柱孔がある。円柱孔を用いれば、本体に孔を開けるだけでよく、何らかの部材を本体に配置するよりも容易に作製することができる。
【0015】
この異屈折率領域の一部に欠陥を設けると、そこで周期性が乱される。欠陥の屈折率や大きさ等のパラメータを適切に設定することにより、フォトニックバンドギャップ中に欠陥準位が形成され、この欠陥準位のエネルギーに対応する波長の光が欠陥の位置において存在することができるようになる。この欠陥を線状に連続的に設けることによって、フォトニックバンドギャップ中の一定の波長範囲の光を透過する導波路を形成する。この導波路は、光分波器においては分波前の、光合波器においては合波後の、複数の波長成分を重畳した光を導波するものである。この重畳した光は、光分波器の場合には導波路の一方の端から導入され、光分波器の場合には導波路の一方の端から取り出される。
【0016】
導波路の近傍に点状欠陥を設ける。この点状欠陥は前記の点欠陥及びクラスタ欠陥のいずれでもよい。また、点欠陥又はクラスタ欠陥を構成する異屈折率領域の欠陥は、前記のアクセプタ型及びドナー型のいずれでもよい。点状欠陥の種類、大きさ、位置等のパラメータを適切に設定することにより、フォトニックバンドギャップ中に所定の欠陥準位が形成され、欠陥準位のエネルギーに対応する波長の光のみが欠陥位置において共振する。光分波器の場合、導波路を伝播する複数の波長成分を重畳した光のうち点状欠陥の共振波長に対応する光が導波路から点状欠陥に導入され、点状欠陥から外部へ取り出される。光合波器の場合、点状欠陥の共振波長に対応する光が外部から点状欠陥を経て導波路に導入される。
【0017】
ここまでに述べた母体の2次元フォトニック結晶に導波路及び点状欠陥を設ける構成は、特許文献1及び前記特願2002-086221号出願において提案されたものと同様である。本発明においては更に、導波路の両端のうち前記の重畳した光の導入・取り出しを行う端とは反対側の端が、所定の波長の光の少なくとも一部を反射するようにする。この導波路端部を第1反射部と呼ぶ。
【0018】
第1反射部の典型例として、導波路を2次元フォトニック結晶本体の端部まで達するようにしたものを挙げることができる。この構成において、本体端部が周囲の空間に接している場合、本体端部において結晶が不連続となり、本体端部に達する導波路端部で光の一部が反射する。即ち、この導波路端部は、光を反射させる部材を別途設けることなく第1反射部となる。
【0019】
第1反射部の別の例として、前記と同様に導波路を2次元フォトニック結晶本体の端部まで達するように形成し、更に本体端部に前記点状欠陥における共振波長の光を透過しない2次元フォトニック結晶を接続したものを挙げることができる。これにより、導波路端部は点状欠陥における共振波長の光を全て反射する第1反射部となる。
【0020】
この構成によって、光分波器の場合には、点状欠陥の共振波長に対応する導波路中の光のうち、点状欠陥に導入されることなく通過した光は、第1反射部で反射され、再びその点状欠陥に戻る。そのため、点状欠陥に導入されずに損失となる光の強度が従来よりも減少し、光の分波効率が向上する。一方、光合波器の場合には、点状欠陥から導波路に導入された光のうち、導波路の光の取り出しを行う端とは反対側の端に向かって伝播する光は、第1反射部で反射され、取り出し側の導波路端部に戻る。そのため、取り出し側とは反対側の端において損失となる光の強度が従来よりも減少し、光の合波効率が向上する。
【0021】
点状欠陥と第1反射部の間の距離を適切に設定することにより、分波効率又は合波効率を更に高めることができる。光分波器の場合、導波路中の光のうち点状欠陥の共振波長に対応する光が点状欠陥によって反射されることによる損失も生じる。そこで、第1反射部で反射される光と点状欠陥で反射される光とが重ね合わされた時に干渉により弱められるように、即ち両者の位相差がπとなるように、点状欠陥と第1反射部の間の距離を設定することが望ましい。これにより、それらの光が共に存在し難くなるため、点状欠陥から分波される光の強度が高まり、分波効率が向上する。なお、点状欠陥ではそこで反射する光の位相が反転し、第1反射部ではそこで反射する光の位相は第1反射部の構成によって異なる変化をする。例えば、第1反射部がスラブと空気との境界から成る場合には、そこで反射する光の位相は変化しない。従って、分波効率・合波効率を高めるために、点状欠陥と第1反射部の間の距離は、その点状欠陥における共振波長のn/2(nは正の整数、以下同じ)倍とすることが望ましい。一方、第1反射部が金属面から成る場合には、そこで反射する光の位相は反転する。この場合には、上記距離を点状欠陥の共振波長の(2n-1)/4倍とすることが望ましい。
【0022】
光合波器の場合には、点状欠陥から導波路に導入された光のうち、光の取り出しを行う導波路端部に直接向かう光と第1反射部で反射される光とが重ね合わされた時に干渉により強められるように、即ち両者の位相差が0となるように点状欠陥と第1反射部の間の距離を設定することが望ましい。これにより、合波効率が向上する。導波路端部に直接向かう光の位相が変化せず、また、第1反射部において、反射される光の位相が上記のようになることから、上記距離は、第1反射部がスラブと空気の境界から成る場合には点状欠陥の共振波長のn/2倍に、第1反射部が金属面から成る場合には点状欠陥の共振波長の(2n-1)/4倍にすることが望ましい。
【0023】
光分波器においては更に、第1反射部とは反対側の導波路端部に、点状欠陥における共振波長の光のうち少なくともその一部を反射する第2反射部を設けることにより分波効率を向上させることができる。このような第2反射部は、例えば導波路を2次元フォトニック結晶本体の端部まで達するようにすることにより構成することができる。この場合の分波効率の向上は、第1反射部や点状欠陥で反射される光が第2反射部で更に反射され、点状欠陥に導入されることによる。更に、導波路に導入され点状欠陥に向かう光と、点状欠陥や第1反射部で反射され更にこの第2反射部で反射された光とが干渉により強められるように、即ち両者の位相差が0となるように点状欠陥と第2反射部の間の距離を設定することが望ましい。これにより、分波効率が更に向上する。
【0024】
光分波器の分波効率は、点状欠陥と外部の間の結合定数であるQ値にも依存する。Q値は点状欠陥の共振器としての鋭さを表す値であり、共振器の共振周波数(角周波数)ωr、共振器に蓄積されるエネルギーE0、外部との結合により単位時間に失われるエネルギーE1により、Q=ωr×E0/E1と定義される。共振器においては、Q値が高い方が周波数選択性が増すため望ましい。それに対して光分波器においては、周波数選択性の他に、導波路から自由空間へ効率よく光を分波する必要があるため、点状欠陥と導波路の間の結合定数Qpと、点状欠陥と空気の間の結合定数Qvを適切に設定する必要がある。例えば、導波路端部での反射がない場合には、Qp=Qvの時に分波効率が最大となり、その値は前記のように50%となる。
【0025】
点状欠陥の共振波長の光が導波路の第1反射部で全反射する場合について、分波効率ηはモード結合方程式により以下の式(1)のように求められる。
【0026】
【数1】
JP0003682289B2_000002t.gif【0027】
ここで、Lは導波路の点状欠陥に最近接の位置と第1反射部の間の距離である。βは導波路の伝搬定数であり、導波路内での光の波長λ'を用いて、β=2π/λ'と定義される。前記のように第1反射部で反射される光と点状欠陥で反射される光の位相差がπになるようにLを定めると、exp(-2jβL)=-1となる。この場合、分波効率ηは
【0028】
【数2】
JP0003682289B2_000003t.gif【0029】
となる。式(2)より、Qp/Qvを1.4~2.8とすると、分波効率は、損失が実用上無視できる97%以上となる。Qp/Qv=2の時、分波効率は100%となり、導波路中の所定の波長の光を点状欠陥により損失なく分波することができる。
【0030】
従来の2次元フォトニック結晶光分波器では前記のように、分波効率の最大値は、Qp/Qv=1とした場合に得られる50%であった。本発明により、2次元フォトニック結晶光分波器において分波効率を最大100%とすることが可能となった。また、Qp/Qv=1の場合においても、本発明の光分波器では分波効率を従来よりも高い88%とすることができる。
【0031】
分波効率を制御する前記条件は、点状欠陥及び導波路の点状欠陥に最近接の位置から第1反射部側に関するパラメータのみを含むものである。一方、例えば第1反射部とは反対側の導波路端部と前記最近接位置の間の距離や、この導波路端部における光の反射率等の、第1反射部とは反対側に関するパラメータについては何ら限定はない。
【0032】
分波効率を高くするためにQpとQvの比を制御するには、例えば点状欠陥と導波路の間の距離を調節することによりQpの値を制御すればよい。また、導波路の幅を調節することによってもQpの値を制御することができる。これらの調節により共振波長はわずかに変化するが、その大きさは実用上無視できる程度に小さい。共振波長の変化を無視できない場合でも、異屈折率領域の周期を調節することにより、QpとQvの比を保ったまま共振波長を再調整することができる。
【0033】
次に、本発明の第2の態様の境界反射を利用した2次元フォトニック結晶光分合波器について説明する。この2次元フォトニック結晶光分合波器は、特願2002-086221号出願において提案した面内へテロ構造を有する。
【0034】
本体を、分合波する波長の種類の数と同じ数の領域に分ける。この領域を禁制帯領域と呼ぶ。本発明においては、分合波する波長の昇順又は降順に禁制帯領域が並ぶようにする。各禁制帯領域毎に異なる周期で異屈折率領域を配置する。
【0035】
禁制帯領域の全てを通るように異屈折率領域の欠陥を線状に連続的に設けることによって、導波路を形成する。この導波路の光の導入(光分波器の場合)又は取り出し(光合波器の場合)を行う導波路端部とは反対側の導波路端部に、前記と同様に第1反射部を設ける。導波路が2次元フォトニック結晶本体の端部まで達することによってこの第1反射部となること、及びその場合は光を反射させる部材を別途設けることなく第1反射部が形成されることは、前記と同様である。また、その本体端部の属する禁制帯領域において分合波する波長の光を透過しない2次元フォトニック結晶を接続してもよい。
【0036】
異屈折率領域の周期が禁制帯領域によって異なるため、導波路を透過することができる光の波長帯域は、禁制帯領域によって異なる。異屈折率領域の周期が大きいほど導波路透過波長帯域は長波長側にシフトする。第2の態様では、これを利用して、第1反射部側に向かって分合波する波長の昇順に禁制帯領域を並べる場合にはその順に異屈折率領域の周期を大きくし、分合波する波長の降順に禁制帯領域を並べる場合にはその順に異屈折率領域の周期を小さくする。これにより、各禁制帯領域における一部の導波路透過波長帯が、第1反射部の反対側に属する全ての導波路透過波長帯域には含まれるが、第1反射部側に隣接する禁制帯領域の導波路透過波長帯域には含まれないようにすることができる。各禁制帯領域において、この一部導波路透過波長帯域が、分合波する光の波長を含むように、異屈折率領域の周期を決定する。
【0037】
各禁制帯領域毎に、それぞれ分合波する波長の光を共振する点状欠陥を設ける。点状欠陥は、前記の点欠陥及びクラスタ欠陥のいずれでもよく、点欠陥又はクラスタ欠陥を構成する異屈折率領域の欠陥は、前記のアクセプタ型及びドナー型のいずれでもよい。
【0038】
これにより、各禁制帯領域において、その禁制帯領域に属する点状欠陥の共振波長は、第1反射部側に隣接する禁制帯領域の導波路透過波長帯域には含まれない。そのため、光分波器の場合に、ある禁制帯領域で分波される波長を有しながらその禁制帯領域の点状欠陥に導入されることなく通過した光は、第1反射部側に隣接する禁制帯領域の導波路を透過することができず、その禁制帯領域と第1反射部側に隣接する禁制帯領域の境界において全て反射される。こうして反射された光はその禁制帯領域に属する点状欠陥に戻る。そのため各禁制帯領域の点状欠陥における光の分波効率が、禁制帯領域界面の反射がない場合よりも向上する。光合波器の場合には、各禁制帯領域において、点状欠陥から導波路に導入される点状欠陥の共振波長の光のうち、導波路の光の取り出し側とは反対側である第1反射部側に伝播する光は、隣接禁制帯領域との境界において全て反射され、光の取り出し側へ向かって伝播する。これによって合波効率も同様に向上する。
【0039】
各禁制帯領域において、その禁制帯領域と第1反射部側に隣接する禁制帯領域の境界と、その禁制帯領域の点状欠陥の間の距離を適切に設定することにより、分波効率又は合波効率を更に高めることができる。光分波器の場合には、禁制帯領域に属する点状欠陥における反射光とその隣接禁制帯領域境界における反射光とが重ね合わされた時に干渉により弱められる、即ち両者の位相差がπとなるようにこの距離を設定することが望ましい。光合波器の場合には、点状欠陥から導波路の光の取り出し口側に向かう光と、それとは反対側に向かい隣接禁制帯領域境界において反射される光とが重ね合わされた時に干渉により強められる、即ち両者の位相差が0となるようにこの距離を設定することが望ましい。
【0040】
なお、第1反射部が属する禁制帯領域においては、第1反射部側に隣接禁制帯領域が無い。第1反射部側に伝播する光は第1反射部において反射される。そのため、第1反射部が属する禁制帯領域においては、点状欠陥と第1反射部の間の距離を設定する。その条件は他の禁制帯領域における点状欠陥と隣接禁制帯領域境界の間の距離の条件と同様である。
【0041】
この第2の態様の場合も、前記第1の態様の場合と同様に、光分波器においてはQp/Qvを調節することにより分波効率を向上させることができる。第2の態様においては、分波する波長の光は隣接禁制帯領域境界において全反射される。従って、前記第1の態様において第1反射部で全反射するという条件により求められた式(1)は、第2の態様においては、第1反射部を設けた禁制帯領域を除き、各禁制帯領域において成り立つ。これは、第1の態様の場合とは異なり、第2の態様の構成をとれば必ず成り立つものである。更に、第1反射部を所定の波長の光が全反射するように構成すれば、第1反射部を設けた禁制帯領域を含む全ての禁制帯領域において式(1)が成り立つ。
【0042】
隣接禁制帯領域境界で反射される光と点状欠陥で反射される光の位相差がπになるように、前記最近接位置と隣接禁制帯領域境界の間の距離を定める。前記第1の態様の場合と同様に、各禁制帯領域においてQp/Qvを1.4~2.8とすれば、分波効率を各禁制帯領域のいずれにおいても97%以上とすることができる。また、各禁制帯領域においてQp/Qv=2とすれば、その禁制帯領域における分波効率を100%とすることができる。
【0043】
各禁制帯領域における分波効率には、他の禁制帯領域に関するパラメータは寄与しない。そのため、各禁制帯領域毎に分波効率が最大になるように独立に設計すればよい。
【0044】
異屈折率領域の配列周期並びに大きさ、及び点状欠陥の大きさを同じ比率で変化させることにより、Q値等を変化させることなく点状欠陥における共振波長を制御することができる。従って、1つの禁制帯領域においてこの異屈折率領域及び点状欠陥のパラメータを定めて最適のQp/Qvの値を設定すれば、同じ条件で禁制帯領域を拡大又は縮小することにより、この最適のQp/Qvを保ったまま各禁制帯領域共振波長を容易に設定することができる。
【0045】
【実施例】
(1)本発明に係る境界反射を利用した2次元フォトニック結晶光分合波器の構成例
図1に、本発明に係る境界反射を利用した2次元フォトニック結晶光分合波器の第1の態様の一構成例を示す。本体11に、異屈折率領域である空孔12を三角格子状に周期的に配置する。空孔12を線状に欠損させることにより導波路13を形成する。導波路13の両端は共に本体11の端部に達する。この実施例においては端部には伝播光を反射させるための部材は設けないが、本体と空気との屈折率の違いにより、第1本体端部15に達する導波路端部は導波路13を伝播する光の一部を反射する第1反射部17となる。一方、その反対側である第2本体端部16においては、導波路の伝播光の導入(光分波器の場合)又は取り出し(光合波器の場合)がなされる。なお、第2本体端部16は、第1本体端部15と同様に導波路の伝播光の一部を反射する。
【0046】
導波路13の近傍であり、且つ第1本体端部15から所定の距離Lだけ離れた位置に、点状欠陥を設ける。(a)はアクセプタ型点欠陥141、(b)はドナー型クラスタ欠陥142を設ける例である。距離Lは点状欠陥と第1本体端部15の間の距離を、距離L'は点状欠陥と第2本体端部16の間の距離を表す。
【0047】
図2に、第1の態様の他の例を示す。第1本体端部15に、点状欠陥14の共振波長の光を透過しない2次元フォトニック結晶21を接続する。これにより、第1本体端部15において、点状欠陥14の共振波長の光は全て反射される。
【0048】
距離L及びL'や導波路の両端部の反射率等のパラメータを適切に設定することによって、光の分波・合波効率を従来よりも高めることができる。図1のように第1反射部が空気と接している場合には、分波の際に、距離Lをその点状欠陥における共振波長λ0のn/2(nは正の整数)倍とすれば分波効率が高くなる。これは、導波路13の点状欠陥よりも第2本体端部16側において、第1本体端部15側の導波路端部によって位相が変化せずに反射する光と、点状欠陥によって反射して位相が反転する光とが干渉によって弱め合うためである。一方、合波の際には、距離Lをその点状欠陥における共振波長のn/2倍とすれば合波効率が高くなる。これは、点状欠陥から直接導波路の第2本体端部16側に向かう光と、第1本体端部15側の導波路端部によって反射され第2本体端部16側に向かう光とが干渉によって強め合うためである。
【0049】
なお、前記においてλ0は、屈折率媒体である導波路を伝播する際の波長であり、点状欠陥から分波された空気中における波長λとは異なる。
【0050】
図3に、境界反射を利用した2次元フォトニック結晶光分合波器の第2の態様の一構成例を示す。図3左図の光分合波器は、複数の禁制帯領域から成るヘテロ構造を有する。この例では、各禁制帯領域301,302,303,...における空孔32の配列周期a1,a2,a3,...は、a1>a2>a3>...となるようにする。全ての禁制帯領域を通過するように空孔32を線状に欠損させることによって導波路33を設ける。各禁制帯領域301,302,303,...において導波路33の近傍に、直線状に隣接した3空孔欠損直線状ドナー型クラスタ欠陥341,342,343,...を設ける。
【0051】
図4に、平面波展開法により計算した、3空孔欠損直線状ドナー型クラスタ欠陥における共振周波数を示す。なお、この計算の詳細は、特願2002-086221号出願において述べられている。図の縦軸は、光の周波数にa/c(aは異屈折率領域の配列周期、cは光速)を乗じて無次元とした規格化周波数である。導波路の透過帯域41(規格化周波数0.267~0.280)中には、単一の欠陥準位42が存在する。この欠陥準位42の値は約0.267(規格化周波数)であり、導波路透過帯域41の端部近傍に該当する。前記欠陥準位42の規格化周波数にcを乗じこの例の配列周期a1,a2,a3,...で除すことにより、各3空孔欠損直線状ドナー型クラスタ欠陥341,342,343,...における共振周波数を求めることができる。
【0052】
導波路の透過帯域と共振周波数について、禁制帯領域間の関係を図3右図に模式的に示す。この例では欠陥準位が導波路透過帯域の端部近傍であることにより、いずれの禁制帯領域においても、欠陥準位52は導波路の光導出入部36側の隣接禁制帯領域の導波路透過帯域51には含まれ、それとは反対側の隣接禁制帯領域の導波路透過帯域51には含まれない。例えば、禁制帯領域302の欠陥準位f2は、光導入部36側にある禁制帯領域301の導波路透過帯域には含まれ、それとは反対側にある禁制帯領域303の導波路透過帯域には含まれない。
【0053】
そのため、各禁制帯領域において、3空孔欠損直線状ドナー型クラスタ欠陥の共振周波数の光は、光導入部36からその禁制帯領域までは導波路を透過し、その3空孔欠損直線状ドナー型クラスタ欠陥に到達することができる。一方、その3空孔欠損直線状ドナー型クラスタ欠陥を通過し導波路内を更に進行する光(従来は損失となる光)は、隣の禁制帯領域に透過することができずに境界面において反射され、再びその3空孔欠損直線状ドナー型クラスタに到達する。例えば、図5に示すように、光分波器において、導波路33を透過する周波数f2の光は、太い実線で示すように3空孔欠損直線状ドナー型クラスタ欠陥342に導入される。その周波数f2の光の一部は欠陥342を通過し導波路を更に進行するが、禁制帯領域303の導波路が周波数f2の光を透過しないため、境界面352で反射され再び欠陥342に到達する(図5中の太い破線を参照)。こうして、3空孔欠損直線状ドナー型クラスタ欠陥341,342,343...を共振周波数の光が通過することによる光の損失を抑制し、各欠陥における光の分波効率を向上させることができる。
【0054】
図3の例を光合波器として用いる場合にも、効率を高めることができる。図6に示すように、直線状ドナー型クラスタ欠陥から合波する光の一部である、光導出入部36の反対側に進行する光は、禁制帯領域の境界面において反射される(図6中の太い破線参照)。このため、欠陥から合波する光は全て導波路の光導出入部36に達する。
【0055】
なお、光分波器の場合は、禁制帯領域の境界面で反射された光が直線状ドナー型クラスタ欠陥に入ることなく光導出入部36側に通過してしまい分波効率が100%とならない場合がある。そのため、後述のように、欠陥と境界面の間の距離等を適切に設定することが必要となる。
【0056】
直線状ドナー型クラスタ欠陥には空孔欠損数が2個又は4個以上のものもあるが、上記のように導波路透過帯域の端部近傍に単一の欠陥準位が形成される3空孔欠損直線状ドナー型クラスタ欠陥を用いることが望ましい。
【0057】
(2)本発明に係る境界反射を利用した2次元フォトニック結晶光分波器の分波効率の計算
以下に、本発明に係る分波器の分波効率を、モード結合理論に基き計算した結果を示す。ここでは、図1や図2に示す第1の態様の光分波器の構成に基いて説明するが、以下の結果は第2の態様のヘテロ構造の光分波器においても各禁制帯領域毎に第1の態様の光分波器と同様に得られる。
【0058】
5つの光の振幅A, S+1, S-1, S+2, S-2をパラメータとする。図7に示すように、Aは点状欠陥72から分波される共振波長λ0の光の振幅、S+1は第1本体端部73-点状欠陥72間の導波路711内を点状欠陥72に向かって伝播する波長λ0の光の振幅、 S-1は導波路711内を第1本体端部73側に向かって伝播する波長λ0の光の振幅、S+2は第2本体端部74-点状欠陥72間の導波路712内を点状欠陥72側に向かって伝播する波長λ0の光の振幅、S-2は導波路712内を第2本体端部74側に向かって伝播する波長λ0の光の振幅である。また、第1本体端部73及び第2本体端部74における強度反射率をR1及びR2、振幅反射率をr1及びr2とする。更に、導波路71と点状欠陥72の間のQ値をQp、点状欠陥72と自由空間の間のQ値をQvとする。
【0059】
モード結合理論により前記5つのパラメータA, S+1, S-1, S+2, S-2の関係が3つの式で記述される。また、第1本体端部73及び第2本体端部74における反射に関して2つの式が導出される。これらの連立方程式を解くことにより5つのパラメータを計算し、Aの値から分波効率を求める。
【0060】
図8~11に、Qp=Qvの場合について計算を行った結果を示す。このQp=Qvという条件は、境界反射を考慮しない従来の2次元フォトニック結晶光分波器において分波効率を最大(50%)にするものである。
【0061】
図8(a)に、強度反射率R1を1、R2を0とした場合の分波器の分波効率を示す。第1本体端部73では、光は金属ミラーにより位相が反転して反射するものとする。そのため、振幅反射率r1を-1とする。なお、図の縦軸は距離Lを2倍し波長λで除したものであり、横軸は距離L'を2倍し波長λで除したものである。(a)においては距離L'には依存せず一定の値を示している。以下では距離Lに注目する。図9は、2L/λを横軸(2L'/λは図8(a)の計算範囲内の任意の値)として分波効率を示すグラフである。2L/λが半整数の時に分波効率が約88%となる。これは、従来の2次元フォトニック結晶光分波器の前記最大分波効率(50%)よりも向上している。その理由は、導波路711内において、本体端部74によって反射された光と点状欠陥72によって反射された光とが干渉によって打ち消し合い、それによって点状欠陥72から分波される光の振幅が増大したためと考えられる。これと逆の理由により、2L/λが整数の時に分波効率が0%になる。
【0062】
図8(b)に、強度反射率R1を1、R2を0.18とした場合の分波器の分波効率を示す。第1本体端部73では金属ミラーにより、第2本体端部74では空気により、それぞれ光が反射するものとする。このR2の値は、本体と空気との界面における光の反射の実験から求めたものである。振幅反射率r1は(a)の場合と同様に-1とする。一方、第2本体端部74では反射により光の位相が変化しないため、振幅反射率r2は+(0.18)0.5とする。(b)においては分波効率は距離L'にも依存する。縦軸、横軸共に半整数の時に、分波効率は(a)の場合よりも更に向上し、100%となる。
【0063】
図10及び図11に、共振波長の中央値が1.5μm(空気中に取り出した時の波長)である点状欠陥において、強度反射率R1、R2及び振幅反射率r1、r2を図8(b)の場合と同様とした場合に、分波される光のスペクトル強度を表す。2L/λ0、2L'/λ0がいずれも半整数である図10(a)の場合には、共振波長の中央値において点状欠陥から取り出される光の強度が100%となる。2L/λ0が半整数、2L'/λ0が整数である図10(b)の場合には、共振波長の中央値においては点状欠陥から取り出される光の強度が約60%に留まり、それよりもわずかにずれた波長において強度が100%となる。2L/λ0が整数である図11(a)及び(b)の場合には、いずれも共振波長の中央値においては強度が0%となる。
【0064】
次に、Qp=2Qvとした場合について計算を行った結果を図12に示す。Q値以外の条件は図8(a)及び図9の場合と同じ(R1=1, R2=0, r1=-1)とする。図12(a)は2L/λを縦軸、2L'/λを横軸として分波効率を示す図である。図12(b)は、2L/λを横軸(2L'/λは(a)の計算範囲内の任意の値)とした分波効率のグラフである。Qp=Qvの場合と同様に、分波効率はL'に依存しない。一方、Qp=Qvの場合とは異なり、2L/λが半整数の時に分波効率が100%となる。従って、Qp=2Qvとすることにより、図8(b)のように第2反射部を設けることなく、またL'を限定することなく、分波効率を100%とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る境界反射を利用した2次元フォトニック結晶光分合波器の第1の態様の一構成例を示す平面図。
【図2】 境界反射を利用した2次元フォトニック結晶光分合波器の第1の態様の他の構成例を示す平面図。
【図3】 本発明に係る境界反射を利用した2次元フォトニック結晶光分合波器の第2の態様の一構成例を示す平面図及び導波路の透過帯域と共振周波数について禁制帯領域間の関係を示す模式図。
【図4】 異屈折率領域を直線状に3個埋めたドナー型クラスタ欠陥による欠陥準位を示すグラフ。
【図5】 図3の構成例の2次元フォトニック結晶を光分波器として用いた場合の光の透過・反射を示す図。
【図6】 図3の構成例の2次元フォトニック結晶を光合波器として用いた場合の光の透過・反射を示す図。
【図7】 本発明に係る境界反射を利用した2次元フォトニック結晶光分波器の分波効率を計算するための5つのパラメータを示す図。
【図8】 境界反射を利用した2次元フォトニック結晶光分波器のQp=Qvの場合の分波効率の計算結果を表す図。
【図9】 図8(a)の2L/λを横軸として分波効率を求めたグラフ。
【図10】 2L/λ0が半整数の場合に分波される光のスペクトル強度を表す図。
【図11】 2L/λ0が整数の場合に分波される光のスペクトル強度を表す図。
【図12】 境界反射を利用した2次元フォトニック結晶光分波器のQp=2Qvの場合の分波効率の計算結果を表す図。
【符号の説明】
11…本体
12、32…空孔
13、33…導波路
14、72…点状欠陥
141…アクセプタ型点欠陥
142…ドナー型クラスタ欠陥
15、73…第1本体端部
16、74…第2本体端部
17…第1反射部
21…2次元フォトニック結晶
341、342…3空孔欠損直線状ドナー型クラスタ欠陥
351、352…境界面
36…光導出入部
41、51…導波路透過帯域
42、52…欠陥準位
711…第1本体端部73-点状欠陥72間の導波路
712…第2本体端部74-点状欠陥72間の導波路
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4
【図6】
5
【図7】
6
【図8】
7
【図9】
8
【図10】
9
【図11】
10
【図12】
11