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明細書 :セリシンを大量に生産する蚕品種

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第3374177号 (P3374177)
公開番号 特開2001-245550 (P2001-245550A)
登録日 平成14年11月29日(2002.11.29)
発行日 平成15年2月4日(2003.2.4)
公開日 平成13年9月11日(2001.9.11)
発明の名称または考案の名称 セリシンを大量に生産する蚕品種
国際特許分類 A01K 67/033     
C12N 15/09      
C12Q  1/68      
FI A01K 67/033 501
C12Q 1/68
C12N 15/00
請求項の数または発明の数 2
全頁数 17
出願番号 特願2000-059239 (P2000-059239)
出願日 平成12年3月3日(2000.3.3)
審査請求日 平成12年3月3日(2000.3.3)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】501167644
【氏名又は名称】独立行政法人農業生物資源研究所
発明者または考案者 【氏名】山本 俊雄
【氏名】間瀬 啓介
【氏名】宮島 たか子
【氏名】原 和二郎
個別代理人の代理人 【識別番号】100091096、【弁理士】、【氏名又は名称】平木 祐輔 (外1名)
審査官 【審査官】長井 啓子
参考文献・文献 Takei F.et al.,J.Cell Biol.,vol.99,pp.2005-2010(1984)
有賀久夫著「養蚕学大要」(昭和36年6月5日養賢堂発行)第91-95頁
仲野良男,日蚕雑,第20巻,第232-248頁
伊藤智夫「家蚕生化学」(昭和59年裳華房発行)第158-163頁
調査した分野 A01K 67/033 501
特許請求の範囲 【請求項1】
「Nd系統」に、普通品種の「強健・多糸量系統」を交雑させて得られるカイコを、普通品種の「強健・多糸量系統」に戻し交配し、さらに近親交配及び選抜することにより得られる、1頭当たりの吐糸量が72mg以上であり、かつ繭層のセリシンの割合がNd系統と同程度であることを特徴とするカイコ品種。

【請求項2】
「Nd系統」に、普通品種の「強健・多糸量系統」を交雑させて得られるカイコを、普通品種の「強健・多糸量系統」に戻し交配し、さらに近親交配及び選抜することからなる、1頭当たりの吐糸量が72mg以上であり、かつ繭層のセリシンの割合がNd系統と同程度であることを特徴とするカイコ品種の作出方法。
発明の詳細な説明 【発明の詳細な説明】

【0001】

【発明の属する技術分野】本発明は、セリシンを大量に生産し、かつ営繭率がよく、裸蛹や半化蛹が出現しない新規な蚕品種に関する。

【0002】

【従来の技術】セリシンは、絹糸を構成しているタンパク質で、フィブロインが繊維を形成しているのに対し、その外側を層状に覆っているゼラチン様の物性を持つタンパク質である。普通の繭はフィブロイン約75%とセリシン約25%の2種のタンパク質で構成されている。衣料素材として利用する場合、セリシンは水溶性であるため、生糸加工の段階で大部分が除去・廃棄されており、これまではほとんど利用されていなかった。

【0003】
ところが、近年になって、セリシンが有する様々な作用が着目されるようになり、それを利用する種々の試みがなされるようになってきている。例えば、セリシンは抗酸化作用があることから、活性酸素による食用油脂の酸化を抑える酸化防止剤として利用することができる。また、セリシンは、チロシナーゼ阻害作用があることからメラニンの生合成を抑制する美白成分として、あるいは水酸基を有するセリンを約30%含み、保湿作用に優れていることから保湿成分として各種の化粧品に配合することも提案されている。さらには、優れた透湿性、吸湿性、風合いを付与できるという点からセリシンを定着させた衣料品が開発されている。

【0004】
このように、セリシンは機能的素材として各方面で広く利用され、今後もその需要増大が見込まれることから、セリシンを大量にかつ効率よく得る方法を開発することが要望される。これまで、セリシンを生産する手法として以下のようなアプローチが検討されてきた。

【0005】
第1は、セリシンを特異的に合成する突然変異種の利用である。このような突然変異種として、これまで2種が発見されており、一つは、フィブロインをほとんど合成せず、セリシンのみ(含量99%以上)を合成する裸蛹系統(「Nd系統」)であり、もう一つはフィブロイン約30%、セリシン約70%の組成から成るタンパク質を生産するセリシン蚕系統(「Nd-s系統」)である。しかしながら、いずれの突然変異種も絹タンパク質の生産量が1頭当たり30mg内外と非常に少ない上、営繭時に吐糸できず裸蛹や半化蛹となる蚕の割合が高く、正常に吐糸してセリシン繭を形成する蚕の割合が60%程度である。このため、セリシン1gを生産するには、Nd系統で約55頭、Nd-s系統で約80頭を飼育する必要があり、両系統ともセリシンの生産量が著しく低いため、基礎的研究の材料には利用されているが、セリシン量産を目的とした実用面ではまったく利用されていない。

【0006】
第2は、普通の生糸用繭(フィブロイン約75%、セリシン約25%)からアルカリ溶剤を使って直接セリシンを溶出して採取する方法であるが、この方法では生糸となるフィブロイン成分を捨てることになるので実施されていない。第3は、製糸工場で生糸を生産する際に排出する廃水から回収する方法であるが、純度の高いセリシンを得るための回収工程が繁雑であり、コストも非常に高いので実施されていない。

【0007】
第4は、実際に行われている方法として、蚕品種の製造に利用された後に残る切繭から採取する方法がある。蚕品種の製造では雑種一代を作るため、採種に用いる蚕(繭)は、化蛾する前に雌雄に分ける必要があり、蛹の時期に雌雄鑑別を行っている。そのため、繭層を切開して蛹を取りだすが、切開した繭層(切繭という)は繰糸用としては利用できない。そこで、この切繭をアルカリ剤で処理してセリシンを溶出させ、精製することによりセリシンを得ている。しかしながら、繭層のセリシン含量は約25%で回収工程が繁雑であり、生産効率は高いとはいえない。また、蚕品種の製造用に生産される繭層量は日本全体で約2トンに過ぎず、その大半がシルクパウダーに利用されるので、原料繭の確保が容易ではない(平成11年度で約500Kgの繭層がセリシン用に利用された)。以上のように、セリシンを採取するためのこれまでの方法は、いずれも実際には実施できないか、あるいは実施できても大量生産が難しく、今後益々増加が見込まれるセリシンの需要を満たすのに満足のいくものとはいえない。

【0008】

【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的は、機能性素材として有用なセリシンを大量に提供するための手段として、セリシンを大量に生産する新しい蚕品種を開発することにある。本発明者らは上記課題を解決すべく、鋭意研究を重ねた結果、純度99%のセリシンを合成する突然変異種の「裸蛹系統」に、普通品種の「強健・多糸量系統」を交雑させることにより、セリシンを大量に生産する新規な蚕品種の育成に成功し、本発明を完成するに至った。

【0009】
すなわち、本発明は、突然変異種の「裸蛹系統」に、普通品種の「強健・多糸量系統」を交雑させることにより得られる、セリシンを大量に生産する蚕品種である。以下、本発明を詳細に説明する。

【0010】

【発明の実施の形態】本発明のセリシンを大量に生産する新品種は、セリシンのみを合成する突然変異種の「裸蛹系統」と普通品種の「強健・多糸量系統」を交雑させることにより得られる。本発明において使用する突然変異種の「裸蛹系統」は、好適には「Nd系統」が挙げられ、本系統は、純度99%のセリシンを合成し、営繭率が低く、繭を作らず裸蛹となる場合が60%を越える系統である。

【0011】
本発明において使用する普通品種の「強健・多糸量系統」は、通常の飼育では春蚕期の場合、幼虫の生存率及び化蛹歩合がそれぞれ95% 及び85% 以上となり、繭重及び繭層重がそれぞれ2g及び0.6gを越える系統であれば特に限定されないが、例えば、日本種系統の「NS2系統」や中国種系統の「CS83系統」が好適に使用される。

【0012】
本発明において使用する上記の系統は、いずれも農林水産省蚕糸・昆虫農業技術研究所で保存されいる。また、Nd系統については農林水産省ジーンバンクに登録されており、所定の手続きにより分譲を受けることができる。蚕の交雑育種は、当分野で行われている通常の方法に従い、例えば、以下のようにして行うことができる。

【0013】
まず、「強健・多糸量系統」と「裸蛹系統」(「Nd系統」)とを交配し、交雑種F1を得、このF1の卵を孵化させた幼虫を飼育して営繭させる。F1では遺伝子型はNdに関してヘテロ(+/Nd)であって、Ndは優性であるので理論上は全てNd蚕となる。

【0014】
次に、F1で得られたセリシン繭どうしをさらに交配し、交雑種F2を得、このF2の卵を孵化させた幼虫を飼育して営繭させる。F2の繭では遺伝子型は+/+、+/Nd、Nd/Ndが1:2:1に分離するので、理論上は1/4が普通繭となり、3/4がNd蚕となる。

【0015】
さらに、強健・多糸量性を付与するため、F2で得られた「セリシン繭」を普通品種の「強健・多糸量系統」に再び交配し(戻し交配)、交雑種(BF1)を得る。BF1では、普通繭(+/+)とNd蚕(+/Nd)の2種が混在するので、育成したいセリシン繭(+/Nd)について同系交配(近親交配)を3~5世代行って継代し、Ndがホモ(Nd/Nd)となる「セリシン繭」系統を選抜する。

【0016】
ここで、Ndホモの確認は、ホモ(Nd/Nd)と思われる育種系統とNdに関して正常な系統(+/+)を交配し、孵化した幼虫が全てセリシン繭(+/Nd)になったことにより行うことができる。Ndがホモ化した後の世代は、1蛾育(1蛾区ずつ分けて飼育、混合育の対語)又は混合育による選抜を行い、裸蛹の発現率が高い蛾区及び生存率の低い蛾区は淘汰し、営繭率が高く強健性を有する蛾区を3~5世代にわたり選抜することにより、最終的に目的とする蚕品種を取得することができる。

【0017】
また、上記のようにして得られた蚕品種の2種以上を常法に従って交雑させ、雑種一代(F1)を得ることができる。得られた交雑種は、原種に比べて幼虫の生育が斉一化し、耐病性も増加して飼育しやすくなり、また繭重、繭層重が増えてセリシン収量がさらに増加する。

【0018】
上記のようにして得られた蚕品種は、他の既存の蚕品種とDNAレベルで区別することができる。具体的には、本発明者らにより先に開発された蚕cDNAをプローブに用いて蚕染色体DNAの制限酵素断片長多型 (RFLP)を検出する方法より行うことができる(特願平11-277498 号)。上記方法においては、まず、蚕から常法に従って蚕染色体DNAを抽出し、これを適当な制限酵素で切断することによって、蚕染色体DNAの制限酵素断片を得る。制限酵素による蚕染色体DNAの切断は、常法に従って行うことができる。

【0019】
ここで使用する制限酵素は、蚕染色体DNAを1ヶ所以上切断することができる限り、特に限定されない。使用する制限酵素は、蚕染色体DNAの塩基配列、蚕染色体DNAが由来する蚕の品種等に応じて適宜選択することができる。例えば、本発明において新たに育成した上記の蚕品種に由来する染色体DNAに対しては、EcoRIが好適に使用される。

【0020】
次に、蚕染色体DNAの制限酵素断片長多型(RFLP)を、蚕cDNAをプローブに用いて検出する。ここで、プローブに用いる蚕cDNAの塩基配列は、蚕mRNAと同一又は相補的な塩基配列である限り、特に限定されない。また、その塩基数は、蚕染色体DNAの制限酵素断片長多型(RFLP)を検出し得る限り、特に限定されないが、通常200~15000塩基であり、好ましくは300~10000塩基であり、さらに好ましくは500~5000塩基である。

【0021】
蚕cDNAは、常法に従って蚕からmRNAを抽出し、蚕mRNAを鋳型とし、オリゴ(dT)をプライマーとして、逆転写酵素によって合成することができる。プローブとして使用する蚕cDNAは、その塩基配列に従ってホスホロアミダイド法等の常法に従って、化学合成することもできる。さらに、常法に従って作製した蚕cDNAライブラリーから適当なcDNAクローンを選別し、このcDNAクローンからcDNAプローブを調製することもできる。

【0022】
プローブとして使用するcDNAは、蚕の28対の染色体のうち、どの染色体に座乗するどの遺伝子に由来するcDNAであってもよいが、蚕の全染色体上に一対しか存在しない遺伝子、すなわちシングルコピー遺伝子に由来するcDNAであるのが好ましい。例えば、シングルコピー遺伝子に由来するcDNAプローブとしては、配列番号1~ 28 に記載の塩基配列からなるcDNAを例示することができる。

【0023】
シングルコピー遺伝子に由来するcDNAは、例えば、蚕cDNAライブラリーから選別したcDNAクローンをプローブとして、蚕染色体DNAに対してサザンブロッティングを行い、該cDNAクローンがシングルコピーか否かを判定し、シングルコピーであるcDNAクローンを選別することにより得ることができる。

【0024】
本発明でプローブとして使用するcDNAの種類は、蚕の遺伝子型を同定し得る限り特に限定されず、1種類であってもよいし、2種類以上であってもよい。複数のcDNAをプローブとして使用する場合、cDNA同士は同一の染色体に座乗する遺伝子に由来するものであってもよいが、異なる染色体に座乗する遺伝子に由来するものであるのが好ましい。すなわち、複数のcDNAをプローブとして使用する場合、蚕の28対の染色体のうち、10~28対の各染色体に座乗する遺伝子(特にシングルコピー遺伝子)に由来するcDNAを使用するのが好ましく、28対の各染色体に座乗する遺伝子(特にシングルコピー遺伝子)に由来するcDNAを使用するのがさらに好ましい。

【0025】
蚕染色体DNAの制限酵素断片長多型(RFLP)の検出は、蚕cDNAをプローブとしたサザンブロット法により以下のようにして行うことができる。まず、制限酵素で切断した蚕染色体DNA断片を電気泳動(例えばアガロース電気泳動)し、該DNA断片をアルカリ変性させた後、電気泳動パターンをそのままニトロセルロース又はナイロン膜に吸着、固定させる。次いで、ニトロセルロース又はナイロン膜に固定したDNA断片に標識した蚕cDNAをハイブリダイズさせ、蚕cDNAの標識を指標として制限酵素断片長多型(RFLP)を検出することができる。この際、蚕cDNAの標識としては、例えば、32P等の放射性同位体による放射性標識、ビオチンやジゴキシゲニン等による非放射性標識等が挙げられ、これらの標識化は常法に従って行うことができる。以下、本発明を実施例を挙げて具体的に説明するが、本発明をこれらに限定されるものではない。

【0026】

【実施例】〔実施例1〕 セリシンを大量に生産する蚕品種の育成とその生産効率
(1) 「セリシンN」の育成
「セリシンN」は、強健・多糸量の日本種系統「NS2系統」を母系統として育成した。即ち、「NS2系統」の雌に「Nd系統」(裸蛹、フィブロインを合成せずセリシンだけを合成する突然変異種)の雄を交配し、この交雑種(F1)の卵を8蛾区用意し、孵化した幼虫から1蛾区あたり100 頭内外を集めて混合飼育し、4齢起蚕時に頭数整理を行い、最終的に400 頭を飼いあげた。交雑種F1では遺伝子型はNdに関してヘテロ(+/Nd)であって、Ndは優性であるので理論上は全てNd蚕となるが、実際には約50% が裸蛹となり、50% がセリシン繭となった。

【0027】
次に、F1で得られたセリシン繭どうしを交配してF2の卵を10蛾区採種し、孵化した幼虫から1蛾区あたり100 頭内外を集めて混合飼育し、4齢起蚕時に頭数整理を行い、最終的に800 頭を飼い上げた。F2では遺伝子型は+/+、+/Nd、Nd/Ndが1:2:1に分離するので、理論上は1/4が普通繭となり、3/4がNd蚕となるが、実際には、約25% が普通繭を作り、約30% が裸蛹、45% がセリシン繭となった。

【0028】
さらに、強健・多糸量性を付与するため、F2で得られた「セリシン繭」の雄を普通品種「NS2」の雌に再び交配し(戻し交配という)、12蛾区を採種した。F2で得られたセリシン繭の遺伝子型は+/Nd、Nd/Ndの2種が分離するが外観からは区別できないので両者が混在しており、従って戻し交配した交雑種(BF1)では、普通繭(+/+)とNd蚕(+/Nd)の2種が混在することになる。この戻し交配の卵から孵化した幼虫を600 頭飼育したところ、約40% が普通繭、60% がNd蚕(20% が裸蛹、40% がセリシン繭) となった。

【0029】
以上の方法で育成したセリシン繭(+/Nd)について同系交配(近親交配)を3世代行って継代し、Ndがホモ(Nd/Nd)となる「セリシン繭」系統を選抜した。3世代とも、12蛾区内外を採種し、孵化した幼虫は混合飼育して4齢起蚕時の頭数整理を行い、400 頭を飼い上げた。Ndホモの確認は、ホモ(Nd/Nd)と思われる育種系統とNdに関して正常な系統(+/+)を交配し、孵化した幼虫が全てセリシン繭(+/Nd)を作ったことにより、育成系統がNdホモになったことを証明できた。

【0030】
Ndがホモ化した後の世代は、5~6蛾区を選び1蛾育(1蛾区ずつ分けて飼育、混合育の対語)選抜を行った。即ち、各世代とも1蛾区当たり400 頭を飼い上げ、裸蛹の発現率が高い蛾区及び生存率の低い蛾区は淘汰し、営繭率が高く強健性を有する蛾区を選抜した。

【0031】
このようにして選抜した蛾区について、さらに個体別にセリシン量(繭層)を調べ、その値が上位から30粒内外を選び、兄弟交配を行って採種し、次代へと継代した。このような1蛾育選抜を6世代続けた結果、営繭率がほぼ100%となる系統を確立できた。兄弟交配を長く続けると、近交弱勢(弱殖弱勢)が働き、産卵行動や生存率が低くなる恐れがあるため、その後の世代は5~6蛾区を用いた混合飼育に切り換えた。即ち、各世代とも400 頭を飼い上げ、セリシン量(繭層)が上位な繭30粒内外を選び、同系交配を行って4世代継代した結果、営繭率及びセリシン量が安定して現れる系統として「セリシンN」を確立した。

【0032】
(2) 「セリシンC」の育成
強健・多糸量の普通品種として日本種系統「NS2」系統に代えて、中国種「CS83」系統を使用する以外は、(1) と同様な方法により、「セリシンC」を育成した。
(3) 「セリシンN×セリシンC」の作出
「セリシンN×セリシンC」の交雑種の作出では、「セリシンN」及び「セリシンC」について蛹の雌雄鑑別を行ってそれぞれ雌雄に分別し、それらが化蛾した後、「セリシンN」雄×「セリシンC」雌、あるいは「セリシンC」雌×「セリシンN」雄の交雑を行い採種した。この交雑種では、どちらを母体(雌)にしても幼虫の発育速度、生存率、繭層(セリシン)の生産量は同じであった。

【0033】
(4) 各品種のセリシンの生産効率
1999年の春蚕期に各品種のセリシンの生産効率を調べたところ、Nd系統は吐糸・営繭する蚕の割合が60%であるのに対し、「セリシンN」、「セリシンC」、「セリシンN×セリシンC」の営繭率はそれぞれ97%、98%、98%であった(図1)。

【0034】
また、1頭当たりの吐糸量(繭層量)は、Nd系統が約30mgであるのに対して、「セリシンN」は72mg、「セリシンC」は82mg、「セリシンN×セリシンC」は95mgであった。そして、いずれの品種も繭層の練減率(セリシン量の割合)が99.0%であるので、1頭当たりのセリシン量は、Nd系統で30mg、「セリシンN」で71mg、「セリシンC」で81mg、「セリシンN×セリシンC」で94mgとなり、Nd系統に比べて「セリシンN」では2.4倍、「セリシンC」では2.7倍、「セリシンN×セリシンC」では3.1倍(「セリシンN」の1.3倍、「セリシンC」の1.2倍) と大幅に向上した(表1)。

【0035】

【表1】
JP0003374177B2_000002t.gif【0036】1頭当たりのセリシン量と営繭率をもとに、1000頭当たりのセリシン生産量(1頭当たりのセリシン量×営繭率/100×1000)を算出すると、Nd系統が18.0gであるのに対して、「セリシンN」で68.9g、「セリシンC」で79.4g、「セリシンN×セリシンC」で92.1gとなり、セリシン生産量はNd系統に比べて「セリシンN」では3.8倍、「セリシンC」では4.4倍、「セリシンN×セリシンC」では5.1 倍(「セリシンN」、「セリシンC」に対しては1.2 倍)と大幅に向上した。従って、1Kgのセリシンを生産するのに必要な蚕の数は、Nd系統では約55,600頭であるが、「セリシンN」で約14,500頭、「セリシンC」で約12,600頭、「セリシンN×セリシンC」で約10,900頭となり、それぞれ飼育数を大幅に減少できるので、労力は大きく軽減される(表2)。

【0037】

【表2】
JP0003374177B2_000003t.gif【0038】〔実施例2〕 遺伝子型による蚕品種の識別(1)
「Nd系統」、及び実施例1にて育成した「セリシンN」と「セリシンC」について、以下のようにして遺伝子型の同定を行った。

【0039】
(1) 染色体DNAの調製
5齢3日幼虫の蚕を雌雄関係なく、「Nd系統」、「セリシンN」、及び「セリシンC」からそれぞれ4個体を選別し、これらの蚕から以下のようにして染色体DNAを抽出、調製した。

【0040】
5齢盛食期の蚕を解剖し、後部絹糸腺を取り出した。後部絹糸腺を液体窒素を入れた乳鉢中で磨細した後、組織重量(100-200mg)の10~20倍量(1.0~1.5ml)の溶液(50mM EDTA、0.5% SDS及び200μg/ml Protenase Kを含む)中に懸濁し、50℃で1時間放置した。蒸留水で飽和したフェノール溶液を等量加えて処理し(1回)、20分間攪拌した後、冷却遠心分離機によって1200rpmで10分間遠心分離し、上清を回収した。2-ブタノール処理により0.5ml以下に濃縮し、1/10容量の3M NaOAcを加えた後、2倍量以上のエタノールを加えてDNAを巻き取った。得られたDNAを1mlの緩衝液(組成:10mM Tris-HCl,pH 7.5,1mM EDTA)中によく溶かした後、RNaseA 5μg及びRNaseT1 3μgを加えてRNAを分解した。等量のフェノール-クロロホルム液を加えて10分間攪拌した後、微量冷却遠心分離機によって12000rpmで10分間遠心分離し、水層(DNAを含む)を回収する操作を2回繰り返した。得られた水層を2-ブタノールで400μl程度まで濃縮し、1/10容量の3M NaOAcを加えた後、2倍量のエタノールを加えてDNAを回収した。回収したDNAを200-400μlの緩衝液(組成:10mM Tris-HCl,pH 7.5,1mM EDTA)を加えて良く溶かした後、得られたDNA量を定量した。その結果、「Nd系統」、「セリシンN」、「セリシンC」の各染色体DNAがそれぞれ約40~100μg、約50~100μg、約70~120μg得られた。

【0041】
(2) 制限酵素による染色体DNAの切断と制限酵素断片の電気泳動
「Nd系統」、「セリシンN」、「セリシンC」の各染色体DNA 1μgを、EcoRI 20ユニットで37℃、1時間酵素処理した。制限酵素で処理した各染色体DNA 1μg(10μl)をアガロースゲルの各レーンに入れ、分子量マーカー及びDIG(ジゴキシゲニン)マーカーを含む溶液5μlを一番端のレーンに入れた。電気泳動システム(宝酒造社)を用いて50-75V(50-80mA)で約2~3時間電気泳動した。

【0042】
(3) ブロッティング
電気泳動後、DNAのプリン塩基を部分的に切断するために、DNAを0.1~0.2N HClと15~30分間(BPBが青から黄色に変わる前ぐらいまで)反応させた。さらに、DNAを二本鎖から一本鎖へと変性させるために、DNAを十分量の0.5N NaOH及び1.5M NaClと反応させた(15分間で2回又は30分間で1回)。

【0043】
事前に20×SSCに浸しておいたフィルター上へ電気泳動後のゲルを乗せ、Vacuoblot system(LKB社)を用いて60分間以上吸引することによりフィルター上にDNAをトランスファーした。その後、紫外線で3~5分間処理するか又は120℃で1時間処理するか、あるいはその両方の処理を施することによりDNAを固定化した。塩を除くため2×SSC及び0.1%SDSを含む溶液中で、フィルターを37℃で30分間インキュベートした。

【0044】
(4) cDNAプローブの調製
(4-1) プローブe66 の調製
胚発生3日目の蚕に由来するcDNAライブラリーを以下のように作製した。胚発生3日目の蚕からフェノール法により核酸を調製した後、LiClを用いた沈殿によりRNAを調製した。次いで、oligo(dT)カラムによりmRNAを調製し、これを出発材料としてPromega社のcDNA合成キットによりcDNAを合成し、λファージをベクターとしてcDNAライブラリーを作製した。

【0045】
cDNAライブラリーからcDNAクローンを無差別に選択した。ゲノムDNAを用いたサザンブロット法により、無差別に選択したcDNAクローンがシングルコピー遺伝子であるか否かを確認した。そして、シングルコピー遺伝子由来のcDNAクローンからジゴキシゲニン標識リボプローブを調製した。

【0046】
cDNAクローンからのプローブの調製は、以下のように行った。まず、目的のcDNAを含むファージを培養液20ml中で一晩培養した後、ポリエチレングリコールを加えファージを沈殿させて回収した。回収したファージを0.6g/mlのCsCl密度勾配液中で超遠心により精製した。精製したファージを0.5% SDS及び100mg/ml Protenase Kを用いて65℃で1時間処理して破壊した後、溶液中のファージDNAを1g/mlのCsCl密度勾配液中で超遠心して精製した。得られたファージDNAをEcoRIで酵素処理して、ファージDNAに組み込まれている蚕のcDNAを切り出した。切り出した蚕cDNAをプラスミドpGEM3Zf(+)に組み込み、該プラスミドを大腸菌に導入して培養した後、プラスミドDNAを精製した。プラスミドDNAをHindIIIで処理して得られるDNA断片を鋳型とし、DNAラベリングキット(ベーリンガー社)を用いて(又はT7,T3 SP6ポリメラーゼによるin vitro transcriptionにより)ジゴキシゲニン標識リボプローブ(プローブe66)を調製した。プローブe66 の塩基配列を配列番号14に示す。

【0047】
(4-2) プローブm210の調製
胚発生3日目の蚕に代えて、受精させずに産下させた卵からフェノール法により核酸を調製する以外は、上記(4-1) と同様にして不受精卵由来のcDNAライブラリーを作製後、ジゴキシゲニン標識リボプローブ(プローブm210 )を調製した。プローブm210の塩基配列を配列番号15に示す。

【0048】
(5) RFLPの検出
以下のようなプレハイブリダイゼーション溶液を調製した。
JP0003374177B2_000004t.gifなお、ブロッキング溶液は市販のDNA検出キットに含まれているものを使用した。

【0049】
このプレハイブリダイゼーション溶液をフィルター1cm2あたり0.1~0.2ml(フィルター1つあたり約10ml)を用いて、上記(3) でDNAをブロッティングしたフィルターを37~42℃で1時間以上インキュベーションし、プレハイブリダイゼーションを行った。

【0050】
その後、プレハイブリダイゼーション溶液1mlあたり50ng以下のプローブE17を加え、42℃で5時間以上、ストリンジェントな条件下で反応させ、プローブE17をハイブリダイズさせた。ハイブリダイゼーション後、2×SSC及び0.1% SDSを含む250mlの溶液を用いて室温で20分間の洗浄を2回行い、次いで、0.1×SSC及び0.1% SDSを含む250mlの溶液を用いて65℃で20分間の洗浄を2回行った。

【0051】
その後、少量の洗浄用緩衝液(組成:0.1M maleic Acid-NaOH, 0.15M NaCl, pH 7.5, 0.3% tween20)で洗浄し、緩衝液2(組成:0.1M maleic Acid-NaOH, 0.15M NaCl, pH 7.5, 0.3% tween20)と1/10量の緩衝液2に溶かした10%ブロッキング試薬を混合した溶液100ml/100cm2とを用いて30分間洗浄した。

【0052】
1/10000抗体(Anti-DIG-Alkaline phosphtase conjugate:抗DIG抗体とアルカリホスファターゼとを結合させたもの)、緩衝液2で希釈した溶液100mlのうちの10μl、をフィルターと反応させた後、洗浄用緩衝液100ml/100cm2を用いてフィルターを2×15分間洗浄し、洗浄したフィルターを40~50mlの緩衝液3(組成:100mM Tris-HCl, 100mM NaCl, pH9.5)に3~5分間浸し平衡化した。

【0053】
そして、10ml/100cm2の基質溶液、CSPDを100倍量の緩衝液3に溶かし、これをフィルターと反応させた。空気乾燥させるか、又はプラスティックフィルム内の液を除去した。37℃で15分間放置した後、カセットにいれてX線フィルムに露光し、現像した。

【0054】
(6) 結果
得られたRFLPパターンを図2に示す。なお、図2中、Mは分子量マーカーを表す。図2に示すように、プローブe66 による同定(パネル1)では、「セリシンN」に3.0kb の位置に、「セリシンC」では10.5kbの位置に、「Nd系統」では見られない特異的なバンドが認められた。

【0055】
また、プローブm210による同定(パネル2)では、「セリシンN」、「セリシンC」共に13.5kbの位置に、「Nd系統」では見られない特異的なバンドが認められた。これらの結果より、制限酵素EcoRI でゲノムDNA を切断し、蚕cDNAクローンをプローブとするRFLPによれば、e66及びm210 などのクローンについては品種間で異なるバンドパターンが得られ、「セリシンN」及び「セリシンC」とも元の「Nd系統」と遺伝子型を明確に区別することができた。

【0056】
〔実施例3〕 遺伝子型による蚕品種の識別(2)
(1) 蚕染色体の調製
「セリシンN」、「セリシンC」、「Nd系統」、ならびに普通品種の「日01号」、「支137 号」の各品種の蚕から、実施例2と同様の方法により28対の染色体DNAを調製した。

【0057】
(2) 制限酵素による染色体の切断と制限酵素断片の電気泳動
各染色体DNA 1μgを制限酵素(EcoRI)20ユニットと37℃で1時間処理し、制限酵素断片を実施例2と同様の方法により電気泳動した。
(3) ブロッティング
電気泳動後、実施例2と同様の方法によりブロッティングした。

【0058】
(4) cDNAプローブの調製
胚発生3日目及び蚕の不受精卵のcDNAライブラリーから、28対の各染色体DNA上に座乗し、かつ全染色体上に一対しか存在しないシングルコピー遺伝子に由来するcDNAクローンを選別した。これらのcDNAクローンから実施例2と同様にしてジゴキシゲニン標識リボプローブを調製した。調製したプローブは、プローブm47(配列番号1)、プローブm19(配列番号2)、プローブe97(配列番号3)、プローブm101 (配列番号4)、プローブe45(配列番号5)、プローブ3L(配列番号6)、プローブe53(配列番号7)、プローブe12(配列番号8)、プローブe42(配列番号9)、プローブm82(配列番号10)、プローブe90(配列番号11)、プローブm65(配列番号12)、プローブm23(配列番号13)、プローブe66(配列番号14)、プローブm210(配列番号15)、プローブm59 (配列番号16)、プローブe89 (配列番号17)、プローブm142 (配列番号18)、プローブm202(配列番号19)、プローブm238(配列番号20)、プローブm81(配列番号21)、プローブm138 (配列番号22)、プローブm198(配列番号23)、プローブm111(配列番号24)、プローブm183(配列番号25)、プローブm67 (配列番号26)、プローブm199(配列番号27)、及びプローブm112(配列番号28)である。

【0059】
なお、配列番号1の53番目及び166 番目、配列番号7の155 番目及び174 番目、配列番号15の120 番目及び217 番目、配列番号18の95番目及び133 番目、配列番号19の22番目及び44番目、配列番号28の229 番目における「n」で表される塩基は、「a」、「c」、「g」、「t」及び「u」のいずれかの塩基を表す。

【0060】
(5)RFLPの検出
「セリシンN」、「セリシンC」、「Nd系統」、「日01号」、及び「支137号」の28本の各染色体のRFLPを、上記プローブを用いて実施例2と同様の方法により検出した。
(6)結果
検出された各染色体のRFLPのバンドサイズを表3に示す。

【0061】

【表3】
JP0003374177B2_000005t.gif【0062】表3に示すように、用いたプローブのうち、特にプローブe66については「セリシンN」で3.0Kbの部位、「セリシンC」で10.5Kbの部位に,プローブm210 については「セリシンN」及び「セリシンC」共に13.5Kbの部位に、それぞれ品種固有のバンドパターンが検出され、Nd系統や他の普通品種とは遺伝子型が異なることが確認された。また、プローブe66 及びm210以外に、「セリシンN」ではe97、3L、e53、e42、e90、m65、m23、m59、e89、m202、m238、m183、m67、m199、及びm112においても、また「セリシンC」ではプローブe97、3L、e42、e90、e89、m238、m183、m67においても、染色体領域で異なる遺伝子構成をもち、DNAレベルで他の品種と異なる品種であることが確認された。

【0063】

【発明の効果】本発明により新たに育成されたセリシンを大量に生産する蚕品種によれば、機能性材料として各産業界で需要の高いセリシンタンパク質を高能率で生産できる。また、これらの品種は蚕染色体DNA の制限酵素断片長多型(RFLP)を、蚕の28対の各染色体に座乗する遺伝子に由来する蚕cDNAをプローブに用いて検出することにより、他の蚕品種と区別することができる。

【0064】

【配列表】
Sequence Listing
<110> Director General, National Institute of Sericultural And
Entomological Science
<120> Silkworm race capable of producing a large amount of sericin
<130> P99-0622
<160> 28
<210> 1
<211> 257
<212> DNA
<213> Artificial
<220>
<221> n
<222> 53
<223> a,c,g,t or u
<220>
<221> n
<223> 166
<220> a,c,g,t or u
<220>
<223> probe m47
<400> 1
tttttttatt tcatttcacc ggaatgtaaa acggtgcgag tgcgccataa aanatatttc 60
attggcttag tactcttcgg ctccctcacc ctcgccttca gcggagtcca tgccgacttc 120
ttcgtaatcc ttctcgaggg cagccaggtc ctcacgggct tcgganaact ctccctcctc 180
cataccctca ccgacgtacc agtgcacgaa agcacgcttg gcgtacatga ggtcgaactt 240
gtggtcaagg cgagccc 257
<210> 2
<211> 240
<212> DNA
<213> Artificial
<220>
<223> probe m19
<400> 2
gtttatagaa agtttaatta atcatagaag tatttgaaaa atatctccag tgaatgtaat 60
aacaaacaaa ttaaaacaat aaattttgtt aggtactaac ataattatga cttttacact 120
atactagggt aataagtcta gggtaataat taactaaaat ttcctttaat ataaatacac 180
taggtgaagt gaatgtttac aagtcaaaag ttccttaagt tatagctaac acagtacaaa 240
<210> 3
<211> 246
<212> DNA
<213> Artificial
<220>
<223> probe e97
<400> 3
tttcgggcta tgttaacacc aataaatatt tacgaggtca cagcccaaga tgtccattca 60
catcaaagat tccgacgacc tgaagacaag gctggcggaa gccggggaca agctcgtcgt 120
gatcgacttc atggcgacct ggtgcggacc gtgcaagatg atcgggccta aactggacga 180
gatcgccgcc gaaatgtcag attccatcgt cgttgtcaag gtggacgttg atgagtgcga 240
ggacat 246
<210> 4
<211> 243
<212> DNA
<213> Artificial
<220>
<223> probe m101
<400> 4
tttttttttt tttttttttg aacatccgta aaaaccactg tttatatatt agtatagatt 60
agtataccgt ttatgattta tttggttaaa atcacaaata tttcacatta tgcctttaat 120
atccagaaat aggaaggata ttaaaataaa taatcagcga caaaacaaat aggcatatga 180
cactgtacta tgggaacaga gatagttaca catactttaa tatgtttaaa taaataaaga 240
aat 243
<210> 5
<211> 249
<212> DNA
<213> Artificial
<220>
<223> probe e45
<400> 5
tcctcttgac gtgaaggacg atctttgtac ctcgaccaag gggctcaccg ctgtctgggc 60
ggactgtgaa cgagcctcct gcaaagattc ccacacgtat tgctcgtcgt cattgtgttt 120
agagtgaaca gtcacgcggt cagcgaccaa gtaactggag tagaagccaa caccgaactg 180
tccaatcatg ctgatgtcgg cacctgcttg aagagcctcc atgaaagctt tagtaccaga 240
tttcgcgat 249
<210> 6
<211> 248
<212> DNA
<213> Artificial
<220>
<223> probe 3L
<400> 6
atcgaacaag atagatggcc gagaacaaat gaggagacac cgtccgtcaa caacgcgtaa 60
atcgacagtg agttcagcaa acgtcattta gtgaatggat tcggaagtgt ttgtgttgtg 120
actgaattgt gataacgtag tgtcggccct tggggccgaa aatctgcgac ggaaaatacg 180
gacgtgagcc gcgcgggctg cgggcccgcg atgagcgcca acaattgcga cagtatgaca 240
tatttttc 248
<210> 7
<211> 249
<212> DNA
<213> Artificial
<220>
<221> n
<222> 155
<223> a,c,g,t or u
<220>
<221> n
<223> 174
<220> a,c,g,t or u
<220>
<223> probe e53
<400> 7
gaggtctagt tcagatgatg agagctcaga gacaagacat gaatctgacg gcgctcgcca 60
gtactgaacc cacgcaacag gatctgctgg cgtttcttga cgacgaactg acgccgaaca 120
atcaggaaga gcaaaaacgt tgtgcgaagc tgaanggcga tctcgatact tatnaatggg 180
atggtctgcg cgatcatact gatatcgcta tagatgacga tctctggcgt cgtttaagta 240
cgacaaagc 249
<210> 8
<211> 245
<212> DNA
<213> Artificial
<220>
<223> probe e12
<400> 8
gtggatccga gtttggctga aaaacaaagg atgctgaaaa aagcacgatt agcggatcaa 60
ctcaatgacc agctttcaca cagacctggt cctttggagc tcatcaagaa gaacatactt 120
cacactgagg agaatataga aactgcagtt aaaagtggaa tactcgcatt taaagcgacc 180
agcgagggcg cttccggccg accccaacat ccttcctcgt actgtggacc acccgatgaa 240
ttatc 245
<210> 9
<211> 241
<212> DNA
<213> Artificial
<220>
<223> probe e42
<400> 9
cggtaataat caacatttca tattcgtcca ttcgtttgga gctaagtgtt ctcgtaacga 60
gttgttgaag tgagttgtca ggaggtacac gacggcctcg tacgtggaca tcatgatggc 120
ggtgttcggt atctgcctca cactgcgtcc cagacccctg taactccacg gtatccttct 180
tccatccaca ctgtatgaag agtttgccac aatctccgat acttatcacc ttccttctct 240
c 241
<210> 10
<211> 253
<212> DNA
<213> Artificial
<220>
<223> probe m82
<400> 10
aaaatatgaa aacgtaactt tattattttc agtacataat tgttattttt atatgaagat 60
tctataactc tgatagaatt aggtttaaat gttttgtcta ataaccgttt ttgaatatat 120
tgttatattt cattctcaag caaactttta agaatctctc aataatctaa attaacctgt 180
tactcgttgg ataactcatg taagttcatg taatgctcga catatattat gtacatacaa 240
cagataattt gtc 253
<210> 11
<211> 244
<212> DNA
<213> Artificial
<220>
<223> probe e90
<400> 11
cgtctagtgg agccgccata gttcgccagc acaacactca gaactatggc gtctagtgga 60
gccgcacggc gggcgccacc aacatccatt ttattccaag aagcagttac attcaggtaa 120
ggtggaacct tcaaaagcaa ttgagatttc gccggaattc cggggcgtct agtggagccg 180
ccatagttcg ccagcacaac actcagaact atggcgtcta gtggagccgc acggcgggcg 240
ccac 244
<210> 12
<211> 251
<212> DNA
<213> Artificial
<220>
<223> probe m65
<400> 12
attaaatgat actattttta ttaccgtctt agtattaaga caaagtgccc gtaacacgga 60
cacacataca tgccctagaa tacattcagg tattacgaca tacgtcttta accatataaa 120
tatctataca gcatctatat gtacaacagt atgtgtgtcg gatggatcct cttggttata 180
atctgattag cgagcctgtt gttttgagga cctcatctat tcggaacgga gccttcacta 240
tgtgaacact c 251
<210> 13
<211> 257
<212> DNA
<213> Artificial
<220>
<223> probe m23
<400> 13
agttttaaaa gtttattgtc cttaacccta ctgcgcggcg accttggctg cgatgcgctt 60
gtcccgctcc tcggcgatgg tgaggcggat gcccttgccg cgcggcagcg agatgtacgc 120
cttcgtgccc ttgccgatta tgaacacgtt gttcaacctc gtggcgaagg tgtgtcccgt 180
ggagtccttg atgtgcacaa tgtcgaagga gccgggatgt ctctcgcggg acacgatggt 240
gcccacacgc cccaagt 257
<210> 14
<211> 243
<212> DNA
<213> Artificial
<220>
<223> probe e66
<400> 14
cggtttgtta ataaatttgt aattggaata gttccaaaat aattatatat cttaaattat 60
aaaaggtaat ctaatataat gttaattcat gtatatttca aagataattt tgtacttaca 120
atactaataa aacataacat agatgtgttt aacttaaatt ttaaatatac cccattcctg 180
acacctttga tttataaatg ctgcagaatt tttataaaag tcaaaaagag tctagagaaa 240
tgt 243
<210> 15
<211> 250
<212> DNA
<213> Artificial
<220>
<221> n
<222> 120
<223> a,c,g,t or u
<220>
<221> n
<223> 217
<220> a,c,g,t or u
<220>
<223> probe m210
<400> 15
acaaacatca ataaagcttt atttcattta tttaagaaaa aatgtttatt ataaatagat 60
gttgttgtta ttgttgaatc gttaagctta agcgacgtgt agtagagtgt aaatgacgan 120
attgaagtac agcatgtgca ctagaagcag gagaaccttg tcgcgtcatt tctttttggc 180
gtccttcaaa ccggcgcccg cgttgaactt gaagaanatg atgtcgccat cctcgacgac 240
gtaattacga 250
<210> 16
<211> 242
<212> DNA
<213> Artificial
<220>
<223> probe m59
<400> 16
gatgaagaaa tatgttttat ttaattttaa gtataaaagt cacagaagtg tgtaatgtaa 60
attacaacct tcaaaatgat atcagtaaga aagattaaca caaaatggat tacttttaca 120
tttctagtta ttttaggcac aatgaaatga aacaatgcga ttagtataaa aggggacaac 180
aacagcgata attatcatat ttaggttcac tttccaacac taacattaca cagtgaaacg 240
ta 242
<210> 17
<211> 245
<212> DNA
<213> Artificial
<220>
<223> probe e89
<400> 17
tatttacgag gtacaaataa caggtaccaa agtaggtctc tccacaagcc cagagcgcct 60
ccaaagttag gacccatttt ctctgctttt actaactaat ttttgtgttt ttctgctaat 120
ctaaaccagt caagatttgg atatttcgca atagactgag cgtatgtaat aattgaaact 180
caaaaaatga aaaccagact tttaggttgt ttcttaggta cttttctggt ttcctttata 240
tgttt 245
<210> 18
<211> 253
<212> DNA
<213> Artificial
<220>
<221> n
<222> 95
<223> a,c,g,t or u
<220>
<221> n
<222> 133
<223> a,c,g,t or u
<220>
<223> probe m142
<400> 18
aaacggcggg tcagcccccc acccctatta agtagtttgc tctgttttcg aatgactaat 60
ggtatatatg cgtcacgtta agctttcaac agcanatgtc tcaacagtat tgtattttgg 120
ctgcacccgt canacttcaa cgcgcgaatg cgtaactaca cgtaatacga tcctcccgtc 180
gcgcgtcggt atctgccgca agcgctgcga ccgataacat tttgatgggt tcaaatgtca 240
aagtgaataa tta 253
<210> 19
<211> 249
<212> DNA
<213> Artificial
<220>
<221> n
<222> 22
<223> a,c,g,t or u
<220>
<221> n
<222> 44
<223> a,c,g,t or u
<220>
<223> probe m202
<400> 19
attgggtacg ggcccccctc tnagactcga cacatctttg tacnggttct cgaactcgtc 60
gatagtgttg tccgctggga cggcgtctgt atctctggtg agtgtgatga tgacgtcagc 120
cgcgggtttg tcgtgtacgc tactgtcgcc aggctcgtcc ttcgacagtt gcggttctag 180
tttaatgttt atttcgtgtt cggttgatga ggtcagtccc ggcgagaccc ttgcagcacg 240
gatccccgc 249
<210> 20
<211> 248
<212> DNA
<213> Artificial
<220>
<223> probe m238
<400> 20
gaattcggca cgatagctgc gatttgttgt tatgtattga tttgagtttc acaattcata 60
aggtacatta gccacaatgg ctactctcgt cagaacagct gtaattaaag ttatcagccc 120
aactcagggt acaaaaatag cagcatgtac gtttgtacaa aatagaatat ctccgggcgg 180
gccatgcggg aagcgctacc acctcctcca ccgaaacctg caccctttga ctatgtgaac 240
aaggacta 248
<210> 21
<211> 252
<212> DNA
<213> Artificial
<220>
<223> probe m81
<400> 21
aaatgcttct cttaattaat tatacaactc tcgtactcct tctccgaaaa tgactgacat 60
gacgctaaca tcagttacca atatagaaaa atacaggtaa taaaataatt atggaagtat 120
tattatataa gctaaataat aaacattaca aaaatgttga tacacccaca ggaaccgccc 180
cggaatatga atcaagagtt tttgggtacg tgtgtatcaa tagtaaaaaa tcagtctaaa 240
gaagtaggta aa 252
<210> 22
<211> 245
<212> DNA
<213> Artificial
<220>
<223> probe m138
<400> 22
aatacaaaag tttattggtg aaaacatgaa aaatatgata gattaattta atggttgata 60
aaatgcagca gaaatgttac aatattggcc atcacaaaac tatttttcta ataaatgcct 120
gaatatcaag aaaatgctat atatattata tagtacaaat taccttcagg cacaacaaaa 180
tagttaatgt cagataactt tggtactaca atttgagaaa attacaagaa cgagacacta 240
acaaa 245
<210> 23
<211> 248
<212> DNA
<213> Artificial
<220>
<223> probe m198
<400> 23
atattttaat atttttttca taaaaacaca ttttaaaatt ggccatatta tacaggtaag 60
tgtactacaa gttaacagtt tatttctaca acgtagttgt cgttgatagc cgtcaatgaa 120
attatattag atcgaattca gaaacgtcat agcgactgtt ttgtcgcatc gacgcggtct 180
actcgatgat cggatttctc aaaaaaaacc cagatactgt gattagcggt ttttaagtat 240
ttgaaaaa 248
<210> 24
<211> 234
<212> DNA
<213> Artificial
<220>
<223> probe m111
<400> 24
gaacatccgt aaaaaccact gtttatatat tagtatagat tagtataccg tttatgattt 60
atttggttaa aatcacaaat atttcacatt atgcctttaa tatccagaaa taggaaggat 120
attaaaataa ataatcagcg acaaaacaaa taggcatatg acactgtact atgggaacag 180
agatagttac acatacttta atatgtttaa ataaataaag aaataagcac tcca 234
<210> 25
<211> 248
<212> DNA
<213> Artificial
<220>
<223> probe m183
<400> 25
catttttacc gggccccccc tataatgata gctctgagtc gagccctgag atcagcactg 60
tcgtaccagc attgtcggcg acagcggacg gcagtctccg gaccgcgact gcaaaagctt 120
cggctgctgc ggcttccttc ccggctgtgc gacgccggcg cgggaagctg cttctgccat 180
tagcatttca ccagcccctc ctcgtttttt tttttctttt tcgatacatg tttctttttc 240
ttagtctc 248
<210> 26
<211> 270
<212> DNA
<213> Artificial
<220>
<223> probe m67
<400> 26
tttttttttt ttttttttta acaaaataac tgaacagtat attaaataac tatatagtta 60
aaaataacag tgcaggggcg taccaagaca gtttttccgt attagattct gtcacagagg 120
cggatttaga aataggtata gggattaata caatgatata tttgacaacg gttttaagaa 180
tatcttataa ttgacctaat tatacacata aaccattctt aattgataaa aatggataaa 240
gtgacaatgc gtaaacattt cacttgcaga 270
<210> 27
<211> 250
<212> DNA
<213> Artificial
<220>
<223> probe m199
<400> 27
attttactta aacattttat tgaaaaaaaa gaatgatcga aggcaacatg gtatttattt 60
aatttggcga taatgacaag gggtgagcta acgtggcgag ccaccacggc ccgcggcgaa 120
cggatggcac ttacggtcac acggcacgtc tgccacacgg gacaccaaca actaaacgcc 180
accgcttcaa tggaatgcct tgtaaactta aaattaacat ttaaaaatcc tatactcttt 240
ctatttcgga 250
<210> 28
<211> 248
<212> DNA
<213> Artificial
<220>
<221> n
<222> 229
<223> a,c,g,t or u
<220>
<223> probe m112
<400> 28
aaataactta tatttctcta aacaaaataa cagcaagaca tcctttgtac aatgactaat 60
atacttttgc attaatgctt tatgcatcct gctgaatcag gaggaattcc aagctcttca 120
tcagtccatg tactgggatc aatataaggc cactcaccag ttatatgctc aggttcagtt 180
gcaatgtgat acagaatcca ccaccagcac aatccaccaa gcccttganc taaccgaatc 240
gatttttt 248
図面
【図1】
0
【図2】
1