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明細書 :キチン脱アセチル化酵素遺伝子、該遺伝子を含むベクター及び形質転換体

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第3030431号 (P3030431)
公開番号 特開平11-155565 (P1999-155565A)
登録日 平成12年2月10日(2000.2.10)
発行日 平成12年4月10日(2000.4.10)
公開日 平成11年6月15日(1999.6.15)
発明の名称または考案の名称 キチン脱アセチル化酵素遺伝子、該遺伝子を含むベクター及び形質転換体
国際特許分類 C12N 15/09      
C12N 11/21      
C12N  9/78      
C12N  1/21      
C12R  1:19      
FI C12N 15/00 ZNAA
C12N 11/21
C12N 9/78
請求項の数または発明の数 3
全頁数 8
出願番号 特願平09-345737 (P1997-345737)
出願日 平成9年12月2日(1997.12.2)
審査請求日 平成9年12月2日(1997.12.2)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】591031360
【氏名又は名称】農林水産省食品総合研究所長
発明者または考案者 【氏名】徳安 健
【氏名】森 隆
【氏名】濱松 潮香
【氏名】林 清
個別代理人の代理人 【識別番号】100074077、【弁理士】、【氏名又は名称】久保田 藤郎 (外1名)
審査官 【審査官】高堀 栄二
参考文献・文献 特開 平8-289785(JP,A)
調査した分野 C12N 15/55
C12N 1/21
C12N 9/78
特許請求の範囲 【請求項1】
配列表の配列番号1記載のアミノ酸配列からなるタンパク質をコードするキチン脱アセチル化酵素遺伝子。

【請求項2】
請求項1記載のキチン脱アセチル化酵素遺伝子を含むプラスミドベクター。

【請求項3】
請求項記載のプラスミドベクターで形質転換された形質転換体。
発明の詳細な説明 【発明の詳細な説明】

【01】

【発明の属する技術分野】本発明は、キチン脱アセチル化酵素遺伝子、該遺伝子を含むプラスミドベクター及び形質転換体に関する。キチン脱アセチル化酵素(EC3.5.1.41)は、キチンの-アセチルグルコサミン残基上の-アセチル基を加水分解する酵素であり、-アセチルグルコサミン残基をグルコサミン残基と酢酸に分解する。キチンの脱アセチル化反応によって、食品工業、医薬品工業等の分野において有用な素材であるキトサンが調製される。このことから、本酵素は廃棄物資源であるキチンの有効利用を図る上で有用なものである。さらに、本酵素はキチンオリゴ糖からキトサンオリゴ糖を調製する場合やその他のアミノ糖残基上の-アセチル基を酵素的に脱アセチル化する場合などに用いることができる。

【02】

【従来の技術】上記したように、キチン脱アセチル化酵素は、キチン、キチンオリゴ糖、その他の-アセチル化アミノ糖残基を含む化合物の-アセチル基を加水分解する酵素である。キチンの脱アセチル化物であるキトサンは、前記したように、多方面において有用性が評価されている。食品分野に限っても、増粘作用、コレステロール低下作用、血圧降下作用、痛風・高尿酸血症の予防効果、骨粗鬆症予防効果、ビフィズス菌の生育促進、大腸菌やウェルシュ菌の生育阻害、抗腫瘍活性等を挙げることができる。

【03】
従来、糖残基上の-アセチル基の加水分解は、主にアルカリを用いた化学的加水分解法によって行われていた。しかし、この方法を行うと、副反応が起こること、反応の制御が困難なこと及びアルカリ廃液が生成すること等が問題点として指摘されていた。

【04】
この課題を克服する手段として、キチン脱アセチル化酵素を用い、温和な条件下で酵素的に脱アセチル化を行う方法について精力的な研究が行われている。その中でも、不完全菌由来のキチン脱アセチル化酵素(特開平8-289785号公報)が注目を浴びている。この不完全菌由来のキチン脱アセチル化酵素は、酵素反応が反応生成物である酢酸によって阻害されにくい上に、低級キチンオリゴ糖等に対しても脱アセチル化を行うことが可能である等の利点があり、工業的な利用に非常に適している。さらに、該酵素は、キチン質以外にも-アセチル化アミノ糖残基中の-アセチル基を脱離する活性を広く持つことから、新規糖鎖を合成する場合に利用することができる。

【05】
キチン脱アセチル化酵素を得るための微生物として最も研究されている不完全菌は、コレトトリカム・リンデムチアナム(Colletotrichum lindemuthianum)である。しかしながら、このコレトトリカム・リンデムチアナムは、植物病原菌であるため、その取扱いが難しく、安全性の点で問題があった。さらに、菌体培養液中に該酵素が分泌されるまでに長時間を要する上に、回収される酵素量が少ないことから、生産性の面でも問題があった。

【06】

【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記課題を解決し、不完全菌由来のキチン脱アセチル化酵素の一層の利用を図るため、該酵素の遺伝子をクローニングすることによって、遺伝子の構造を解明し、遺伝子を発現させて該酵素の工業的生産に寄与することである。

【07】

【課題を解決するための手段】本発明者らは、キチン脱アセチル化酵素の構造遺伝子を解明するために研究を重ねた結果、該酵素の生産能を有するコレトトリカム属微生物からキチン脱アセチル化酵素遺伝子のクローニングに成功し、これに基づいて本発明を完成した。

【08】
請求項1記載の本発明は、配列表の配列番号1記載のアミノ酸配列からなるタンパク質をコードするキチン脱アセチル化酵素遺伝子である。請求項記載の本発明は、請求項1記載のキチン脱アセチル化酵素遺伝子を含むプラスミドベクターである。請求項記載の本発明は、請求項記載のプラスミドベクターで形質転換された形質転換体である。

【09】

【発明の実施の形態】本発明者らは、キチン脱アセチル化酵素生産能を有するコレトトリカム属不完全菌の培養液から回収したキチン脱アセチル化酵素を高度に精製し、そのN末端のアミノ酸配列を決定した。さらに、このキチン脱アセチル化酵素をタンパク質加水分解酵素によって分解することによってペプチドフラグメントを調製し、それらのアミノ酸配列を決定した。

【10】
次いで、それらのアミノ酸配列から推定した塩基配列を基にしてプライマーを作成した。これを用いて、コレトトリカム属菌株から抽出したゲノムDNAとして行ったポリメラーゼ連鎖反応法(PCR)により、増幅産物を得た。得られたPCR産物をクローニングし、DNAシーケンサーで分析してDNA配列を解読した。このDNA産物をアミノ酸に翻訳したところ、先に得られたペプチドフラグメントに相当するアミノ酸配列が認められたことから、これらのペプチドフラグメントが、キチン脱アセチル化酵素遺伝子の一部であることが判明した。

【11】
そこで、得られた塩基配列をもとに、コドンの縮重を十分に考慮したプライマーを再構築し、RNAから逆転写酵素を用いて作製したcDNAを鋳型としたキチン脱アセチル化酵素のクローニングを行った。まず、cDNAから、オリゴdT配列を含むプライマー及び前記したプライマーを用いてPCRを行い、既知の遺伝子配列から外へ3’側の配列を解読し、終止コドンに至る塩基配列の決定を経てC末端部分のアミノ酸配列を決定した。続いて、市販の5’-RACEキットを用いてcDNAの上流部分にアダプター配列をとりつけ、アダプター部分の配列の一部分をコードしたプライマーと既知遺伝子配列部分から作製したプライマーを用いてPCRを行い、既知遺伝子配列部分から5’側へ、開始コドンの上流に至るまでの塩基配列を決定し、構造遺伝子部分については、対応するアミノ酸配列を決定した。

【12】
さらに、開始コドンとその付近の、シグナル配列と推定される部分の数個のアミノ酸に対応する部分を含むプライマー及びC末端の数個のアミノ酸に対応する部分を含むプライマーを作製し、これを用いてPCRを行うことによって、キチン脱アセチル化酵素の全構造遺伝子を含む増幅断片を獲得した。これをプラスミドベクターにライゲーションし、常法により大腸菌に形質転換し、形質転換体を得た。

【13】
以下に、本発明を詳しく説明する。前記したように、本発明のキチン脱アセチル化酵素遺伝子は、キチン脱アセチル化酵素生産能を有するコレトトリカム属微生物に由来するものである。このようなキチン脱アセチル化酵素生産能を有するコレトトリカム属不完全菌としては、コレトトリカム・リンデムチアナムATCC56676等がある。

【14】
キチン脱アセチル化酵素は、上記微生物菌体培養液から得ることができる。具体的には、上記の菌体を常法に従い栄養培地で培養後、菌体培養液を回収し、該培養液をカラムクロマトグラフィ-、FPLC、HPLC等の精製手段を用いて処理し、高度に精製したキチン脱アセチル化酵素を得ることができる。

【15】
次に、この精製したキチン脱アセチル化酵素のN末端のアミノ酸配列を決定する。配列の決定には、プロテインシ-ケンサ-HPG1005A(HEWLETTPACKARD社製)を用いることができる。決定したN末端のアミノ酸配列は配列表の配列番号2に示す通りである。さらに、このキチン脱アセチル化酵素を酵素分解して、ペプチドフラグメントを調製し、それらのアミノ酸配列を決定した(配列表の配列番号3~5参照)。

【16】
解読できたアミノ酸配列から塩基配列を解読し、これをもとに作製したプライマーを用いて、コレトトリカム属不完全菌から抽出したDNAを鋳型としてPCRを行った。得られたバンド(PCR産物)をクローニングし、DNAシークエンサーABI PRISM377あるいは310(株式会社パーキンエルマーアプライドバイオシステムズ)で分析して遺伝子の塩基配列を解読した。得られた塩基配列を配列表の配列番号6に示す。

【17】
この塩基配列をアミノ酸に翻訳したところ、先に得られたペプチドフラグメント(配列表の配列番号3~5参照)の一部分に相当するアミノ酸配列が認められたことから、これらのペプチドフラグメントがキチン脱アセチル化酵素遺伝子の一部であることを確認することができた。

【18】
そこで、得られた塩基配列をもとに、コドンの縮重を十分に考慮したプライマーを再構築し、RNAから逆転写酵素を用いて作製したcDNAを鋳型としたキチン脱アセチル化酵素のクローニングを行った。まず、逆転写酵素によってRNAからオリゴdT配列を含むプライマーを用いて作製したcDNAから、オリゴdT配列を含むプライマー及び前記したプライマーを用いてPCRを行い、既知遺伝子配列から外へ3’側の配列を解読し、終止コドンに至る塩基配列の決定を経てアミノ酸配列を決定した。

【19】
続いて、5’-RACE用キット(Marathon cDNA Amplification Kit,クローンテック社)を用いてcDNAの上流部分にアダプター配列をとりつけ、アダプター部分の配列の一部分をコードしたプライマーと既知遺伝子配列部分から作製したプライマーを用いてPCRを行い、既知の遺伝子配列部分から5’側へ、開始コドンの上流に至るまでの塩基配列を決定し、開始コドンより始まるシグナル配列と推定される領域及び成熟タンパクの構造遺伝子部分については、対応するアミノ酸配列を決定した。

【20】
さらに、開始コドンとその付近の、シグナル配列と推定される部分の数個のアミノ酸に対応する部分を含むプライマー及びC末端の数個のアミノ酸に対応する部分を含むプライマーを作製し、これを用いてPCRを行うことによって、キチン脱アセチル化酵素の全構造遺伝子を含む増幅断片を獲得した。この断片は、開始コドンから始まるシグナル配列と推定される領域の後に、配列表の配列番号1に示すアミノ酸配列に対応する塩基配列を含んでおり、請求項1記載の脱アセチル化酵素の全酵素遺伝子を含むものである。

【21】
請求項1記載の本発明のキチン脱アセチル化酵素遺伝子は、配列番号1記載の塩基配列またはそれと実質的に同一の機能を有するものである。ここで、実質的に同一の機能を有するとは、コドンの縮重という事実により、同じアミノ酸残基をコードする遺伝子であれば、その配列が全体にわたって配列番号1記載の遺伝子と異なっている場合でも、実質的に同一であることを意味する。

【22】
また、全体の相同性が約85%以上の場合、上記の配列番号1の配列を参考にして、DNAハイブリダイゼーションや遺伝子増幅法等の公知の遺伝子工学的手法を用いて、容易に請求項1記載の本発明とほぼ相同の遺伝子をクローニングすることが可能である。

【23】
請求項記載の本発明は、上記の遺伝子を含むプラスミドベクターであり、請求項記載の本発明は、該プラスミドベクターで形質転換された形質転換体である。具体的には、請求項1記載の遺伝子の塩基配列を含むDNA断片をプラスミドベクターpCR2.1(インビトロジェン社)等のプラスミドベクターにライゲーションし、常法により大腸菌に形質転換することにより得ることができる。プラスミドベクターpCR2.1(インビトロジェン社)を用いて形質転換された大腸菌は、工業技術院生命工学工業技術研究所に寄託されており、その受託番号はFERM BP-6191である。

【24】
なお、当業者に明らかなように、本発明に係る塩基配列を用いて、原核生物もしくは真核生物のいずれかの宿主細胞内でこのキチン脱アセチル化酵素を大量に発現させることができる。すなわち、下記のような常法に従って発現させることができる。例えば、本発明に係る遺伝子を、適切な調節シグナルと共に原核生物もしくは真核生物のいずれかの発現ベクターに挿入し、そしてこれを細胞の形質転換に用いる。調節シグナル及び発現ベクターには既に様々なものが開発、市販されており、当業者によく知られたものを使用することができる。さらに、ベクターを用いた一連の操作及び形質転換の方法についても、既に一般的なものであり、当業者であれば実施可能である。例えば、J. Sambrook, E.F. Fritsch, T. Maniatis (ed.), "Molecular Cloning: A Laboratory Manual, 2nd edition", Cold Spring Harbor Laboratory Press, 1989等に詳細に説明されている方法により実施することができる。

【25】

【実施例】次に、実施例によって本発明を説明するが、本発明はこれらによって制限されるものではない。
実施例1
スラント培地で継代培養している不完全菌コレトトリカム・リンデムチアナム(Colletotrichum lindemuthianum)ATCC56676株を液体栄養培地に接種し、22℃で暗所にて18日間培養を行った。菌体を濾別することによって菌体培養液を回収した後、硫安沈殿法、疎水クロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィー、ゲル濾過クロマトグラフィー等を活用し、高度に精製されたキチン脱アセチル化酵素を得た。

【26】
次に、この精製したキチン脱アセチル化酵素のN末端のアミノ酸配列を決定した。配列の決定にはプロテインシ-ケンサ-HPG1005A(HEWLETTPACKARD社製)を用いた。決定したN末端のアミノ酸配列は、配列表の配列番号2に示す通りである。

【27】
トリフルオロ酢酸を含む溶媒を用いて逆相クロマトグラフィーによって酵素タンパク質を精製した際には、N末端部分がピログルタミル化を受け、配列を読むことができなかったが、ピログルタメート・アミノペプチダーゼ(ベーリンガーマンハイム社)を作用させてシークエンス反応を行うことにより、N末端から2残基目のペプチド配列から順番に配列を解読することができた。

【28】
さらに、このキチン脱アセチル化酵素をエンドプロテイナーゼLys-C(ベーリンガーマンハイム社)及びエンドプロテイナーゼArg-C(ベーリンガーマンハイム社)によって限定分解して、ペプチドフラグメントを調製し、それらのアミノ酸配列を決定した(配列表の配列番号3~5参照)。

【29】
解読できたアミノ酸配列からコドン縮重の少ない領域を選び、これをもとに作製したプライマーを用いて、コレトトリカム属不完全菌から抽出したDNAを鋳型としてPCRを行った。得られたバンド(PCR産物)をクローニングし、DNAシークエンサーABI PRISM377(株式会社パーキンエルマーアプライドバイオシステムズ)で分析して遺伝子の塩基配列を解読した結果、配列表の配列番号6に示す444bpの塩基配列を決定することができた。

【30】
この塩基配列をアミノ酸に翻訳したところ、先に得られたペプチドフラグメント(配列番号表の配列番号3~5参照)の一部分に相当するアミノ酸配列が認められたことから、これらのペプチドフラグメントがキチン脱アセチル化酵素遺伝子の一部であることを確認することができた。そこで、得られた塩基配列をもとに、コドンの縮重を十分に考慮したプライマーを再構築し、RNAから逆転写酵素(RNA PCR Kit (AMV) Ver.2.1、宝酒造株式会社)を用いて作製したcDNAを鋳型としたキチン脱アセチル化酵素のクローニングを行った。

【31】
まず、RNAを鋳型として逆転写酵素を用いてオリゴdT配列を含むプライマーと反応させて作製したcDNAから、オリゴdT配列を含むプライマー及び前記したプライマーを用いてPCRを行い、既知の遺伝子配列から外へ3’側の配列を解読し、終止コドンに至る塩基配列の決定を経てアミノ酸配列を決定した。

【32】
続いて、5’-RACE用キット(Marathon cDNA Amplification Kit,クローンテック社)を用いてcDNAの上流部分にアダプター配列をとりつけ、アダプター部分の配列の一部分をコードしたプライマーと既知遺伝子配列部分から作製したプライマーを用いてPCRを行い、既知遺伝子配列部分から5’側へ、開始コドンの上流に至るまでの塩基配列をDNAシークエンサーABI PRISM310(株式会社パーキンエルマーアプライドバイオシステムズ)で分析して決定した。構造遺伝子部分については、対応するアミノ酸配列を決定した。

【33】
さらに、開始コドンとその付近の、シグナル配列と推定される部分の数個のアミノ酸に対応する部分を含むプライマー及びC末端の数個のアミノ酸に対応する部分を含むプライマーを作製し、これを用いてPCRを行うことによって、キチン脱アセチル化酵素の全構造遺伝子を含む増幅断片を獲得した。この断片をプラスミドベクターpCR2.1(インビトロジェン社)にライゲーションし、常法により大腸菌に形質転換した。これをアンピシリン(50μg/ml)及びメシチリン(80μg/ml)を含むLB寒天培地上にまき、37℃で一晩培養することによって形質転換体(FERM BP-6191)を選抜し、導入されたプラスミドを回収して該酵素遺伝子の塩基配列を解読した(配列表の配列番号7参照)。その結果、この挿入断片は、開始コドンから始まりシグナルと推定される配列の後に、配列表の配列番号1に示す塩基配列を含んでおり、請求項1記載の脱アセチル化酵素の全酵素遺伝子を含むものであることが明らかとなった。

【34】

【発明の効果】本発明の請求項1記載のキチン脱アセチル化酵素遺伝子を発現させて得られる酵素は、キチン、キチンオリゴ糖、その他の-アセチル化アミノ糖残基上の-アセチル基を脱アセチル化する反応を進行させ、食品加工及び医薬品工業等の分野において有用な素材であるキトサン、キトサンオリゴ糖あるいはその他の-脱アセチル化糖を効率的に調製することができる。

【35】
従来、コレトトリカム属等の植物病原菌からキチン脱アセチル化酵素を得るためには、病原菌を取扱うための安全上及び管理上の問題があり、また培養に多くの日数を要する上に、酵素の収量も満足すべきものではなかった。しかしながら、本発明の請求項記載のキチン脱アセチル化酵素遺伝子を含むプラスミドを用いて、適切な原核生物あるいは真核生物中で該遺伝子を発現させることにより、上記の諸問題に煩わされることなく、該酵素を安全、迅速、かつ大量に獲得することが可能となる。したがって、本発明により、キチン脱アセチル化酵素を活用した素材生産産業の振興に拍車がかかるものと期待される。

【36】

【配列表】
配列番号:1
配列の長さ:663
配列の型:核酸
鎖の数:二本鎖
トポロジー:直鎖状
配列の種類:cDNA構造遺伝子部分
起源
生物名:コレトトリカム・リンデムチアナム(Colletotrichum lindemuthianum)
株名:ATCC 56676
配列の特徴
特徴を示す記号:CDA
存在位置:1..663
特徴を決定した方法:E
配列
CAG GTT CCC GTG GGC ACA CCC ATC CTC CAG TGC ACC CAG CCT GGT TTG 48
Gln Val Pro Val Gly Thr Pro Ile Leu Gln Cys Thr Gln Pro Gly Leu
1 5 10 15
GTT GCT CTG ACC TAC GAC GAC GGT CCT TTC ACC TTC ACC GCT CAG CTC 96
Val Ala Leu Thr Tyr Asp Asp Gly Pro Phe Thr Phe Thr Ala Gln Leu
20 25 30
CTC GAC ATC TTG AAG CAG AAC GAC GTC AAG GCG ACC TTC TTC GTC AAC 144
Leu Asp Ile Leu Lys Gln Asn Asp Val Lys Ala Thr Phe Phe Val Asn
35 40 45
GGC AAC AAC TGG GCC AAC ATC GAG GCC GGA TCC AAC CCC GAC ACG ATC 192
Gly Asn Asn Trp Ala Asn Ile Glu Ala Gly Ser Asn Pro Asp Thr Ile
50 55 60
CGC CGC ATG CGC GCC GAC GGC CAC CTC GTC GGC TCT CAC ACG TAC GCT 240
Arg Arg Met Arg Ala Asp Gly His Leu Val Gly Ser His Thr Tyr Ala
65 70 75 80
CAC CCG GAC CTC AAC ACG CTC TCC TCC GCG GAC CGC ATC TCC CAG ATG 288
His Pro Asp Leu Asn Thr Leu Ser Ser Ala Asp Arg Ile Ser Gln Met
85 90 95
CGG CAG CTC GAG GAG GCC ACC CGC CGC ATC GAC GGC TTC GCG CCC AAG 336
Arg Gln Leu Glu Glu Ala Thr Arg Arg Ile Asp Gly Phe Ala Pro Lys
100 105 110
TAC ATG CGC GCG CCG TAC CTG TCG TGC GAC GCG GGC TGC CAG GGC GAC 384
Tyr Met Arg Ala Pro Tyr Leu Ser Cys Asp Ala Gly Cys Gln Gly Asp
115 120 125
CTC GGC GGC CTC GGA TAC CAC ATC ATC GAC ACC AAC CTC GAC ACC AAG 432
Leu Gly Gly Leu Gly Tyr His Ile Ile Asp Thr Asn Leu Asp Thr Lys
130 135 140
GAC TAC GAG AAC AAC AAG CCC GAG ACC ACC CAC CTC TCG GCC GAG AAG 480
Asp Tyr Glu Asn Asn Lys Pro Glu Thr Thr His Leu Ser Ala Glu Lys
145 150 155 160
TTC GAC AAC GAG CTG AGC GGC GAC GTC GGC GCC AAC AGC TAC ATT GTC 528
Phe Asp Asn Glu Leu Ser Gly Asp Val Gly Ala Asn Ser Tyr Ile Val
165 170 175
CTC TCG CAC GAC GTC CAC GAG CAG ACG GTC GTC TCC CTC ACG CAG AGG 576
Leu Ser His Asp Val His Glu Gln Thr Val Val Ser Leu Thr Gln Arg
180 185 190
CTG ATT GAC ACG CTC AAG AGC AAG GGC TAC CGC GCC GTC ACC GTC GGC 624
Leu Ile Asp Thr Leu Lys Ser Lys Gly Tyr Arg Ala Val Thr Val Gly
195 200 205
GAG TGC CTC GGC GAC GCC CCG GAG AAC TGG TAC AAG GCG 663
Glu Cys Leu Gly Asp Ala Pro Glu Asn Trp Tyr Lys Ala
210 215 220

【37】
配列番号:2
配列の長さ:51
配列の型:アミノ酸
鎖の数:一本鎖
トポロジー:直鎖状
配列の種類:ペプチド
フラグメント型:N末端フラグメント
起源
生物名:コレトトリカム・リンデムチアナム(Colletotrichum lindemuthianum)
株名:ATCC 56676
直接の起源
キチン脱アセチル化酵素
配列
Gln Val Pro Val Gly Thr Pro Ile Leu Gln Cys Thr Gln Pro Gly Leu
1 5 10 15
Val Ala Leu Thr Tyr Asp Asp Gly Pro Phe Thr Phe Thr Ala Gln Leu
20 25 30
Leu Asp Ile Leu Lys Gln Asn Asp Val Lys Ala Thr Phe Phe Val Asn
35 40 45
Gly Asn Asn
50

【38】
配列番号:3
配列の長さ:50
配列の型:アミノ酸
鎖の数:一本鎖
トポロジー:直鎖状
配列の種類:ペプチド
フラグメント型:中間部フラグメント
起源
生物名:コレトトリカム・リンデムチアナム(Colletotrichum lindemuthianum)
株名:ATCC 56676
直接の起源
キチン脱アセチル化酵素の分解物
配列
Ala Thr Phe Phe Val Asn Gly Asn Asn Trp Ala Asn Ile Glu Ala Gly
1 5 10 15
Ser Asn Pro Asp Thr Ile Arg Arg Met Arg Ala Asp Gly His Leu Val
20 25 30
Gly Ser His Thr Tyr Ala His Pro Asp Leu Asn Thr Leu Ser Ser Ala
35 40 45
Asp Arg
50

【39】
配列番号:4
配列の長さ:84
配列の型:アミノ酸
鎖の数:一本鎖
トポロジー:直鎖状
配列の種類:ペプチド
フラグメント型:中間部フラグメント
起源
生物名:コレトトリカム・リンデムチアナム(Colletotrichum lindemuthianum)
株名:ATCC 56676
直接の起源
キチン脱アセチル化酵素の分解物
配列
Tyr Met Arg Ala Pro Tyr Leu Ser Xaa Asp Ala Gly Xaa Gln Gly Asp
1 5 10 15
Leu Gly Gly Leu Gly Tyr His Ile Ile Asp Thr Asn Leu Asp Xaa Lys
20 25 30
Asp Tyr Glu Asn Asn Lys Xaa Glu Thr Thr His Leu Ser Ala Glu Lys
35 40 45
Phe Asp Asn Glu Leu Ser Gly Asp Val Gly Ala Asn Ser Tyr Ile Val
50 55 60
Leu Ser His Asp Val His Glu Gln Thr Val Val Ser Leu Thr Gln Arg
65 70 75 80
Leu Ile Asp Thr
84

【40】
配列番号:5
配列の長さ:27
配列の型:アミノ酸
鎖の数:一本鎖
トポロジー:直鎖状
配列の種類:ペプチド
フラグメント型:中間部フラグメント
起源
生物名:コレトトリカム・リンデムチアナム(Colletotrichum lindemuthianum)
株名:ATCC 56676
直接の起源
キチン脱アセチル化酵素の分解物
配列
Leu Ile Asp Thr Xaa Lys Ser Lys Gly Tyr Arg Ala Val Thr Val Gly
1 5 10 15
Glu Xaa Leu Gly Asp Ala Pro Glu Asn Trp Tyr
20 25 27

【41】
配列番号:6
配列の長さ:444
配列の型:核酸
鎖の数:一本鎖
トポロジー:直鎖状
配列の種類:他の核酸
起源
生物名:コレトトリカム・リンデムチアナム(Colletotrichum lindemuthianum)
株名:ATCC 56676
直接の起源
PCR反応物
配列
AACATCGAGG CCGGGTCCAA CCCCGACACG ATCCGCCGCA TGCGCGCCGA CGGCCACCTC 60
GTCGGCTCTC ACACGTACGC TCACCCGGAC CTCAACACGC TCTCCTCCGC GGACCGCATC 120
TCCCAGATGC GGCAGCTCGA GGAGGCCACC CGCCGCATCG ACGGCTTCGC GCCCAAGTAC 180
ATGCGCGCGC CGTACCTGTC GTGCGACGCG GGCTGCCAGG GCGACCTCGG CGGCCTCGGA 240
TACCACATCA TCGACACCAA CCTCGACACC AAGGACTACG AGAACAACAA GCCCGAGACC 300
ACCCACCTCT CGGCCGAGAA GTTCGACAAC GAGCTGAGCG GCGACGTCGG CGCCAACAGC 360
TACATTGTCC TCTCGCACGA CGTCCACGAG CAGACGGTCG TCTCCCTCAC GCAGAGGCTG 420
ATTGACACGC TCAAGAGCAA GGGC 444

【42】
配列番号:7
配列の長さ:756
配列の型:核酸
鎖の数:一本鎖
トポロジー:直鎖状
配列の種類:他の核酸
起源
生物名:コレトトリカム・リンデムチアナム(Colletotrichum lindemuthianum)
株名:ATCC 56676
直接の起源
PCR反応物
配列
GTCGACATGC ACTTCTCGAC CCTTCTTGGC GCCGCGGCTA CTGCTGCTCT CGCTGGCAGC 60
ACGAACGCAA GCCCTCTCGC CCGTCGCCAG GTTCCCGTGG GCACACCCAT CCTCCAGTGC 120
ACCCAGCCTG GTCTGGTTGC TCTGACCTAC GACGACGGTC CTTTCACCTT CACCGCTCAG 180
CTCCTCGACA TCTTGAAGCA GAACGACGTC AAGGCGACCT TCTTCGTCAA CGGCAACAAC 240
TGGGCCAACA TCGAGGCCGG ATCCAACCCC GACACGATCC GCCGCATGCG CGCCGACGGC 300
CACCTCGTCG GCTCTCACAC GTACGCTCAC CCGGACCTCA ACACGCTCTC CTCCGCGGAC 360
CGCATCTCCC AGATGCGGCA GCTCGAGGAG GCCACCCGCC GCATCGACGG CTTCGCGCCC 420
AAGTACATGC GCGCGCCGTA CCTGTCGTGC GACGCGGGCT GCCAGGGCGA CCTCGGCGGC 480
CTCGGATACC ACATCATCGA CACCAACCTC GACACCAAGG ACTACGAGAA CAACAAGCCC 540
GAGACCACCC ACCTCTCGGC CGAGAAGTTC GACAACGAGC TGAGCGGCGA CGTCGGCGCC 600
AACAGCTACA TTGTCCTCTC GCACGACGTC CACGAGCAGA CGGTCGTCTC CCTCACGCAG 660
AGGCTGATTG ACACGCTCAA GAGCAAGGGC TACCGCGCCG TCACCGTCGG CGAGTGCCTC 720
GGCGACGCCC CGGAGAACTG GTACAAGGCG AGATCT 756