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明細書 :破砕機、材料の調製、試験方法および装置

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第3657222号 (P3657222)
公開番号 特開2002-248364 (P2002-248364A)
登録日 平成17年3月18日(2005.3.18)
発行日 平成17年6月8日(2005.6.8)
公開日 平成14年9月3日(2002.9.3)
発明の名称または考案の名称 破砕機、材料の調製、試験方法および装置
国際特許分類 B02C  4/08      
B02C  1/00      
B02C  4/30      
FI B02C 4/08
B02C 1/00 A
B02C 4/30
請求項の数または発明の数 16
全頁数 16
出願番号 特願2001-377073 (P2001-377073)
出願日 平成13年12月11日(2001.12.11)
優先権出願番号 2000387753
優先日 平成12年12月20日(2000.12.20)
優先権主張国 日本国(JP)
審査請求日 平成14年1月21日(2002.1.21)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】502283800
【氏名又は名称】有限会社つくば食料科学研究所
【識別番号】501203344
【氏名又は名称】独立行政法人農業・生物系特定産業技術研究機構
発明者または考案者 【氏名】堀金 彰
個別代理人の代理人 【識別番号】100067839、【弁理士】、【氏名又は名称】柳原 成
審査官 【審査官】黒石 孝志
参考文献・文献 特開平6-277537(JP,A)
特開平1-231950(JP,A)
実開平4-134434(JP,U)
実開平1-61938(JP,U)
調査した分野 B02C 1/00 - 1/14
B02C 4/00 - 4/44
特許請求の範囲 【請求項1】
周囲を空間部により囲まれて隔離した突起が交差方向にそれぞれ平行な列状に設けられた第1の押圧面を有する第1の押圧体、ならびに
周囲を空間部により囲まれて隔離した突起が交差方向にそれぞれ平行な列状に設けられた第2の押圧面を有する第2の押圧体を備え、
前記突起および空間部は、それぞれ第1および第2の押圧面に互に交差する方向に形成された2組の第1および第2のブレードならびに第1および第2の溝が交差して、交差部に隔離した突起を交差方向にそれぞれ平行な列状に形成するとともに、突起を囲むように空間部を形成した構造を有し
前記第1および第2の押圧面に設けられた第1および第2のブレードは、相手方の押圧面に設けられた溝に挿入されてかみ合った構造を有し、
第1および第2の押圧面の突起は、それぞれ相手方の押圧面の空間部における第1および第2の溝の交差部に挿入されて、相手方の押圧面の突起に近接して押圧されるように配置された破砕機。
【請求項2】
第1の押圧面および第2の押圧面がそれぞれ平面状、曲面状、円弧状または円筒状に形成された請求項1記載の破砕機。
【請求項3】
第1および第2の押圧体が押圧された状態で一方の押圧面の突起が他方の押圧面に対して相対的に移動する機構を有する請求項1または2記載の破砕機。
【請求項4】
軸の両端側から中央部に向って、外周部に互に交差する方向に形成された2組のラセン状の第1および第2のブレードならびに第1および第2の溝が中央部で交差して、交差部に隔離した突起を交差方向にそれぞれ平行な列状に形成するとともに、突起を囲むように空間部を形成した形状の第1の円筒状の押圧面を有する第1の押圧体、ならびに
軸の両端側から中央部に向って、外周部に互に交差する方向に形成された2組のラセン状の第1および第2のブレードならびに第1および第2の溝が中央部で交差して、交差部に隔離した突起を交差方向にそれぞれ平行な列状に形成するとともに、突起を囲むように空間部を形成した形状の第2の円筒状の押圧面を有する第2の押圧体を備え、
第1および第2の押圧面の突起がそれぞれ相手方の空間部に挿入され、かつブレードが相手方の溝に挿入されてかみ合った構造を有する破砕機。
【請求項5】
請求項1ないし4のいずれかに記載の破砕機を含む材料調製装置。
【請求項6】
請求項1ないし4のいずれかに記載の破砕機と、
破砕機に材料を供給する材料供給部と、
破砕機により調製された調製物を分別する分別器と
を有する材料調製装置。
【請求項7】
請求項1ないし4のいずれかに記載の破砕機に材料を供給し、
破砕機を通過させて材料を変形、部分切断、破砕、混合または均質化する材料の調製方法。
【請求項8】
請求項1ないし4のいずれかに記載の破砕機に軟質の材料を供給し、破砕機を通過させて材料を押圧により変形させる請求項7記載の材料の調製方法。
【請求項9】
第1および第2の押圧面を近接させて、材料を押圧し、材料を部分切断する請求項7または8記載の調製方法。
【請求項10】
請求項1ないし4のいずれかに記載の破砕機に材料を供給し、
破砕機を通過させて材料を破砕、混合または均質化し、
調製物を分別する材料の調製方法。
【請求項11】
請求項7ないし10のいずれかに記載の方法により調製された調製物を含む調製材料。
【請求項12】
調製物が塊状、粒状または粉末状の調製物である請求項11記載の調製材料。
【請求項13】
調製物が変形した軟質材料である請求項11記載の調製材料。
【請求項14】
調製物が部分切断された軟質材料である請求項11または12記載の調製材料。
【請求項15】
請求項11または12記載の調製材料を試料として試験を行う試験方法。
【請求項16】
請求項11ないし15のいずれかに記載の調製材料を原料として、加工製品を製造する方法。
発明の詳細な説明 【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は破砕機、これを用いる材料の調製方法および装置、ならびに調製材料を用いる試験方法に関し、さらに詳細には材料の破砕、混合、均質化、移送等に用いられる破砕機、この破砕機を用いて材料の破砕、混合、均質化、分別等の処理を行うための材料の調製方法およびそのための装置、ならびに調製材料を用いて、分析、品質評価、官能検査、観察、記録等(以下、試験という場合がある。)を行う試験方法、および加工品を製造する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
生物、有機物、化学物質等の材料を剪断、破砕して得られる調製物の成分、生物学的および物理化学的特性、粒度差、あるいは剪断、破砕に対する組織特性の差を利用して試験を行う場合、それぞれの目的に応じた材料の調製を行う必要がある。
【0003】
従来、材料を剪断あるいは破砕して均質化する装置の基本構造としては、加圧式、磨砕式および回転刃式等の試料調製装置が実用化されている。加圧式としては、油圧プレス機を利用した加圧破砕装置、狭いドラムの間を通過させる加圧ドラム式破砕装置、磨砕式としては、柔らかい材料用に適した湿式のポッターエルビーエム式テフロンホモジナイザー、硬い材料用の石臼式破砕装置、グラインダー式破砕装置、回転刃式破砕装置としては、種々の回転式ミルなどが市販されている。
【0004】
しかしながら、このような従来法の装置は硬さ、含水率等が一定の特定の材料の破砕には適しているが、硬さ、含水率等が異なる農産物、食品などの一般的な材料の剪断、破砕、混合、均質化等を行う装置としては不適当であり、このような目的には、従来の複雑な構造の粉砕機または大型の装置を必要とし、エネルギー消費量も大きいなどの問題点がある。例えば加圧破砕装置、乾式の石臼式破砕装置、グラインダー式破砕装置および回転刃式破砕装置は、乾燥した種子のような組織を破砕するのに適しており、破砕後は、各種のブレンダーを利用することにより均質化ができるが、柔らかい材料の破砕は困難である。湿式のポッターエルビーエム式ホモジナイザーは、種子の発芽組織、根の組織のような柔らかい材料の磨砕均質化に適しているが、硬い材料の破砕は困難である。
また、これらの破砕・均質化装置により得られる調製物は、一般的に混合物、あるいは微粉末などで、単一の剪断、破砕、篩別の処理工程で、異なる粒度、あるいは剪断、破砕の難易度などにより、材料の成分を細かく分画して選択的に分別採取する装置は市販されていない。
【0005】
また、上記、市販の装置は、調製に比較的十分な処理時間をかけられる工場、実験室などで、成分組成等がほぼ等しい材料を調製する場合に適している。しかし、従来の方法は、小麦の収穫現場のように、数分おきに水分含量、品質が異なる材料を輸送するトラックなどが到着し、10分程度で材料の分析前処理および品質評価を行なわなければならないような場合には時間がかかりすぎる。また、従来の装置は大型で機構が複雑なため、処理後の清掃が困難でケースを分解したりする必要があり、処理物の成分が内部に残って汚染物質となり、次の材料の分析に影響を及ぼす恐れがある。
以上のように、従来の技術では、成分組成、材料組織の物理化学的特性が異なる不均一な材料を迅速に剪断、破砕、分別して簡単な清掃で連続的に材料の調製を行うことができる装置の開発がなされていない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、構造が簡単で、異なる成分組成、物理化学的特性を有する材料の場合でも、容易かつ低エネルギー消費量で材料の剪断、破砕、混合、均質化等の処理に利用でき、閉塞の少ない破砕機を提供することである。
本発明の他の目的は、このような破砕機を用いる材料の調製方法および装置、ならびに調製物を含む調製材料を提供することである。
本発明のさらに他の目的は上記により調製された材料を分別できる材料の調製方法および装置を提供することである。
本発明のさらに他の目的は上記により得られる調製物を試料として高精度の分析等の試験を行うことができる試験方法を得ることである。
本発明のさらに他の目的は上記により得られる調製物から食品、工業用品、その他の加工品を製造する方法を得ることである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は次の破砕機、材料の調製、試験方法および装置である。
(1) 周囲を空間部により囲まれて隔離した突起が交差方向にそれぞれ平行な列状に設けられた第1の押圧面を有する第1の押圧体、ならびに
周囲を空間部により囲まれて隔離した突起が交差方向にそれぞれ平行な列状に設けられた第2の押圧面を有する第2の押圧体を備え、
前記突起および空間部は、それぞれ第1および第2の押圧面に互に交差する方向に形成された2組の第1および第2のブレードならびに第1および第2の溝が交差して、交差部に隔離した突起を交差方向にそれぞれ平行な列状に形成するとともに、突起を囲むように空間部を形成した構造を有し
前記第1および第2の押圧面に設けられた第1および第2のブレードは、相手方の押圧面に設けられた溝に挿入されてかみ合った構造を有し、
第1および第2の押圧面の突起は、それぞれ相手方の押圧面の空間部における第1および第2の溝の交差部に挿入されて、相手方の押圧面の突起に近接して押圧されるように配置された破砕機。
(2) 第1の押圧面および第2の押圧面がそれぞれ平面状、曲面状、円弧状または円筒状に形成された上記(1)記載の破砕機。
(3) 第1および第2の押圧体が押圧された状態で一方の押圧面の突起が他方の押圧面に対して相対的に移動する機構を有する上記(1)または(2)記載の破砕機。
(4) 軸の両端側から中央部に向って、外周部に互に交差する方向に形成された2組のラセン状の第1および第2のブレードならびに第1および第2の溝が中央部で交差して、交差部に隔離した突起を交差方向にそれぞれ平行な列状に形成するとともに、突起を囲むように空間部を形成した形状の第1の円筒状の押圧面を有する第1の押圧体、ならびに
軸の両端側から中央部に向って、外周部に互に交差する方向に形成された2組のラセン状の第1および第2のブレードならびに第1および第2の溝が中央部で交差して、交差部に隔離した突起を交差方向にそれぞれ平行な列状に形成するとともに、突起を囲むように空間部を形成した形状の第2の円筒状の押圧面を有する第2の押圧体を備え、
第1および第2の押圧面の突起がそれぞれ相手方の空間部に挿入され、かつブレードが相手方の溝に挿入されてかみ合った構造を有する破砕機。
(5) 上記(1)ないし(4)のいずれかに記載の破砕機を含む材料調製装置。
(6) 上記(1)ないし(4)のいずれかに記載の破砕機と、
破砕機に材料を供給する材料供給部と、
破砕機により調製された調製物を分別する分別器と
を有する材料調製装置。
(7) 上記(1)ないし(4)のいずれかに記載の破砕機に材料を供給し、
破砕機を通過させて材料を変形、部分切断、破砕、混合または均質化する材料の調製方法。
(8) 上記(1)ないし(4)のいずれかに記載の破砕機に軟質の材料を供給し、破砕機を通過させて材料を押圧により変形させる上記(7)記載の材料の調製方法。
(9) 第1および第2の押圧面を近接させて、材料を押圧し、材料を部分切断する上記(7)または(8)記載の調製方法。
(10) 上記(1)ないし(4)のいずれかに記載の破砕機に材料を供給し、
破砕機を通過させて材料を破砕、混合または均質化し、
調製物を分別する材料の調製方法。
(11) 上記(7)ないし(10)のいずれかに記載の方法により調製された調製物を含む調製材料。
(12) 調製物が塊状、粒状または粉末状の調製物である上記(11)記載の調製材料。
(13) 調製物が変形した軟質材料である上記(11)記載の調製材料。
(14) 調製物が部分切断された軟質材料である上記(11)または(12)記載の調製材料。
(15) 上記(11)または(12)記載の調製材料を試料として試験を行う試験方法。
(16) 上記(11)ないし(15)のいずれかに記載の調製材料を原料として、加工製品を製造する方法。
【0008】
本発明において材料とは、破砕機によって剪断、破砕、混合、均質化等により調製可能なものであり、有機物、無機物、それらの複合体のいずれでもよい。具体的には生物体、食品、農産物、薬品、鉱物、化学品、金属などがあげられ、粒状物、塊状物など任意の形態のものが対象となる。
【0009】
本発明の破砕機は周囲を空間部により囲まれて隔離した突起が交差方向にそれぞれ平行な列状に設けられた第1の押圧面を有する第1の押圧体、ならびに周囲を空間部により囲まれて隔離した突起が交差方向にそれぞれ平行な列状に設けられた第2の押圧面を有する第2の押圧体を対向させ、第1および第2押圧面の突起がそれぞれ相手方の空間部に挿入されて押圧されるように構成される。
第1および第2の押圧面に形成される突起は、互に交差する方向に形成された2組の第1および第2のブレードならびに第1および第2の溝が交差して、交差部に隔離した突起を交差方向にそれぞれ平行な列状に形成するとともに、突起を囲むように空間部を形成した構造を有している。
【0010】
第1および第2の押圧面の一方または両方は平面状、曲面状、円弧状、円筒状に形成することができる。例えば第1および第2の押圧面の両方が平面状、円筒状等のように同形状であってもよく、また一方が平面状、他方が円弧状のように異なる形状であってもよい。押圧機構は平面状同士の場合はピストン式の往復動、円筒状同士の場合は回転機構とするのが好ましいが、少なくとも一方が曲面、円弧、円筒状の場合には往復動または往復回転機構とするのが好ましい。
【0011】
第1および第2の押圧体が押圧された状態で一方の押圧面の突起が他方の押圧面に対して相対的に移動する機構を設けるのが好ましいが、曲面、円弧、円筒状の場合には回転運動に伴って突起が相手方の空間部内で相対運動するので特に設けなくてもよい場合がある。平面状の場合は押圧状態で一方の押圧体を面方向に移動させることにより、相手方の押圧面の突起がかみ合って材料の破砕効果が高くなるので好ましい。
【0012】
上記の本発明の破砕機は、第1および第2の押圧面をそれぞれの突起が相手方の空間部に挿入するように対向させ、両者間に材料を供給し、第1および第2の押圧体を閉じて押圧することにより材料を破砕する。材料が硬質の砕けやすい物質であるときは押圧により容易に破砕されて、塊状、粒状または粉末状になる。材料が軟質で伸びやすい物質の場合は押圧により変形する。例えば水産物、パスタ生地等の軟質材料は押圧により板状または板状に近い形状に変形し、その表裏面にはエンボス形状が形成される。このとき一方の押圧面の突起が他方の押圧面の突起に近接して押圧されると、材料が部分切断された形状に破砕される。押圧状態で一方の押圧面の突起が他方の押圧面に対して相対的に移動させることにより、部分切断した状態に破砕することができる。少なくとも一方の押圧体が回転運動をする場合は、回転運動により突起が相手方の押圧面の空間部内で相対運動をするため、同様の部分切断効果がある。変形と部分切断は、どちらか一方が生じてもよく、また両方が同時に生じてもよい。
【0013】
突起が挿入される相手方の押圧面の空間部は、相手方の押圧面の突起の列から外れる部分、すなわち突起を囲む第1および第2の溝の交差部に形成する。このような位置に突起を形成すると、対向する押圧体が押圧されたとき、それぞれの押圧面の突起の位置がずれ、それぞれの突起の周囲には空間部が残されるため、破砕された材料が周囲に残された空間部に逃げ込んで破砕が行われるため、抵抗および熱の発生が少なく、少ないエネルギー量で破砕を行うことができる。
【0014】
以下、本発明の好ましい破砕機について説明する。
本発明の好ましい破砕機は、軸の両端側から中央部に向って、外周部に互に交差する方向に形成された2組のラセン状の第1および第2のブレードならびに第1および第2の溝が中央部で交差して交差部に隔離した突起および突起を囲む空間部を形成した形状の円筒状の第1の押圧面を有する第1の押圧体、ならびに外周部に互に交差する方向に形成された2組のラセン状の第1および第2のブレードならびに第1および第2の溝が中央部で交差して交差部に隔離した突起および突起を囲む空間部を形成した形状の円筒状の第2の押圧面を有する第2の押圧体を備え、それぞれのブレードが相手方の押圧面の溝に挿入されてかみ合った構造を有する破砕機である。このような破砕機は、反対方向に傾斜したラセン状の歯および溝を有する2個のハスバ歯車(helical gear)を軸方向に連結したヤマバ歯車(Double helical gear)の突合せ部の溝をそれぞれさらに伸ばして反対側の歯および溝と交差させたものと類似の構造を有する。破砕機の両端部のブレードおよび溝が交差しない非交差部ではハスバ歯車またはヤマバ歯車と同様にブレードおよび溝が連続しているため、第1および第2の押圧体のブレードがかみ合って動力の伝達が行われるが、材料は実質的に通過しないため材料の粉砕は行われず、材料の軸方向への移動が行われる。ブレードおよび溝が交差する交差部ではブレードが交差方向の溝によって隔離されるため四角錐または四角錐台状の突起が反対側の押圧面の溝に突出した構造になっている。交差部におけるブレードが溝と交差する部分、すなわちブレードが溝によって除去された部分には空間部が形成され、この空間部に材料が保持されて、材料の剪断、破砕、混合、均質化、移送等が行われるように構成されている。
【0015】
上記の破砕機は第1および第2の押圧体がかみ合った状態でその回転軸を軸受に回転可能に支持し、一方の押圧体例えば第1の押圧体の回転軸を駆動軸にて駆動源(モータ)に連結して回転させると、第1および第2の押圧体は非交差部においてブレードがかみ合っているため、駆動押圧体(第1の押圧体)から従動押圧体(第2の押圧体)に動力が伝達され、両押圧体は互に逆方向に回転する。このように回転する破砕機に材料を供給すると、非交差部では第1、第2の押圧体のブレードが相手側の溝に挿入されるため材料は実質的に通過せず、ラセン状のブレードの回転に伴って回転軸に沿って中央部(交差部)側に移動する。交差部では空間部が形成され、しかも突起が相手方の空間部の一部に挿入された状態で回転するため、材料が空間部に保持された状態で突起により剪断されて回転する。回転に伴って空間部内で突起が角回転運動するため材料に加圧、剪断摩擦、摩砕等が生じ、材料は剪断、破砕、混合されて均質化し、第1および第2の押圧体間を通過して移送が行われる。
【0016】
各押圧体のブレードの断面形状は粘弾性を有する材料を剪断できるようにカッターの刃のように先端部にエッジを有するものが好ましいが、割断されやすい材料の場合には必ずしもこれに限定されず、一般的なロールのように角形にエッジを有していてもよい。ブレードと相手方の溝とは回転によってかみ合う期間中少なくとも一点、好ましくはブレードのエッジ部が相手方の溝と接して回転するのが好ましく、これにより非交差部では材料は押圧体間を通過せず、交差方向へ材料を移動させ、交差部では材料を剪断破砕して押圧体間を通過させるように構成することができる。もちろん粗粉砕等の場合には押圧体間に間隙を形成した状態でかみ合わせてもよく、この場合はロールの軸間に動力伝達機構を設けることができる。さらに各押圧体として押圧面の形状、直径等が異なる押圧体を用いることができ、これにより各押圧体の回転速度の差による剪断効果の向上により粉砕の効率が向上する。非交差部は必ずしも必要ではなく、特に大量に破砕するためには、移送のための非交差部は縮小ないし省略してもよい。
【0017】
各押圧体の材質は超硬質金属、セラミックなどの硬質材料が使用でき、材料が軟質の場合にはプラスチック樹脂などの材質が使用できる。金属製のロールを使用する場合には、錆びないステンレス製を用いるのが好ましいが、摩耗等による金属粉末の混入を防止するためには、押圧体の素材にSUS403のような磁性体の素材を用い、調製物室内に希土類磁石などの磁石を設置して調製物より、金属粉末を除去するのが好ましい。押圧体の寸法は材料、目的に応じて決めることができるが、例えば小麦の試験用材料を調製する場合、ブレード先端円直径(tip diameter)は10~40mm、好ましくは20~30mm、モジュール(module)は1~1.5mm程度とするのが好ましい。ブレードのラセンの角度は材料の移送ができるように回転軸に垂直な面の接線方向に対して15~60°、好ましくは15~30°とすることが好ましい。破砕機を構成するロールは2個に限らず、3個以上を組合せてもよい。また破砕機は1段で用いてもよく、また複数段に設け、複数回にわたって剪断、破砕、混合、均質化を繰り返してもよい。破砕機は気体(空気)中で操作されてもよく、液中で操作されてもよい。前者の場合、回転軸を中空として冷媒を送り、冷却するのが好ましく、後者の場合、液の対流による攪拌作用も行われる。押圧体の回転数は押圧体の寸法、材料の種類、調製の目的等に応じて変わるが、例えば小麦の試験用材料調製の場合は30~600rpm、好ましくは60~200rpm程度である。
【0018】
本発明の材料調製装置は上記のようなそれぞれの破砕機を用いるものであり、この場合破砕機上または横に材料供給路を設けて、材料を供給することができる。材料供給路は破砕機の交差部の上部に設けることもできるが、非交差部に設けてもよく、この場合非交差部で材料が交差部に移送され、交差部で剪断、破砕、混合、均質化等が行われ、調製物が得られる。
破砕機は水平方向に対向させて回転させ、乾式では重力に従い、材料を上部から下部方向に挟み込むように回転させるが、水中などの湿式条件下では、正転と反転を繰り返すと上下方向に複雑な対流が生じて剪断破砕および均質化の効率が向上する。また、この場合、容器の内側に邪魔板のような突起物を設けることにより、対流を変化させて撹拌効果を向上させることができる。水中などの湿式条件下では、剪断破砕および均質化の工程において、発泡や過度の高速撹拌による酵素の失活を防止した状態で調製物の製造を行うことができる。
【0019】
もち性小麦、プラスチック等の粘性の高い材料は、液体窒素、氷、ドライアイス粉末とともに低温で処理することもでき、凍結により硬化するため効果的な剪断が可能となる。このほか材料を加熱、冷却、加圧、減圧等により温度、圧力を変化させた状態で破砕機に供給して処理することにより、異なる性状の調製物を得ることができる。また体積、比重などの差を利用して小麦等の胚乳粉と滓(フスマ)あるいは鉄、アルミニウム、プラスチック混合物などの分別を行う場合は、材料調製装置の浮遊物排出口側を下にして傾斜させることにより、比重の軽い滓、アルミニウム、プラスチックなどの成分が浮遊物分別堤を乗り越えて浮遊物排出口より排出され、分画された胚乳粉の純度が向上する。
また分別器の浮遊物排出口側の内径を大きくしても同様の効果が得られる。
この場合、押圧体のラセン状のブレード対により中央部(交差部)に移送された材料あるいは調製物残渣は、交差部を通過し、浮遊物排出口側に内径が広がった分別器において遠位に移送されて効果的な分別が行われ、小麦の材料調製の場合、比重の軽い滓(フスマ)は、浮遊物分別堤を乗り越えて除去される。分別されなかった粗大な残渣は、分別器のフレームにより水車と同様の原理で材料供給口に再び投入され、ブレード対により中央部に移送されて対流し、剪断、破砕される工程を繰り返す。
【0020】
本発明の材料調製装置によれば、ラセン構造を有する破砕機で、材料を破砕機の両端側から中央部に移送して、交差部で剪断、破砕処理を行うことができ、これにより調製された微粉末が破砕機の非交差部と支持体の間の隙間に侵入して閉塞することを防止できるため、材料間の汚染が防止できるとともに回収率が向上し、数十mgの微量の材料の調製が可能となる。また、面対象構造を有する破砕機は、ブレードのかみ合わせ面積が広く、種子のような硬い材料を剪断、破砕する場合でも強い応力によりかみ合わせのズレが生じることを相互に防止できるため、大量の材料を迅速に処理できる。もち米のような粘性が高い材料は、ブレードのエッジの幅を薄くするとともに、刃先を鋭くして剪断力を高めるとともに、圧縮による応力を弱めることにより、デンプンが圧力により熱変成して餅状に変成するのを防ぎ、効率よく材料を剪断、破砕できる。
【0021】
調製物はそのまま利用できるが、分級を必要とする場合は篩等の分別器を設けることができる。分別器は粉末と滓との分離のように、2種類の粒度に分級する場合は、1種類の篩を使用することができるが、3種類以上の粒度に分級する場合は異なる目開きの複数の篩を使用することができる。篩は円筒形に形成すると、破砕機の外側に配置してその駆動力を利用して回転させ、連続して分別を行うことができる。複数の目開きの異なる篩を用いるときは、各篩を円周方向に連結して回転させてもよく、また同心円状に配置してもよい。前者の場合はシャッタにより目開きの小さい篩から順次分別することができる。
【0022】
剪断、破砕された材料を分画するために、分別器に複数の目開きの異なる篩を用いることにより、材料が剪断、破砕された調製物は、粒度別に分別され、異なる粒度の粒子として得られる。また円筒形の筒を回転させることにより、篩を通過しない粗大な残渣は、水車と同様の原理で柱状構造により繰り返し、剪断、破砕処理を受けるため、大量の材料を効率よく調製できる。筒状構造に設けられたシャッタを開閉することにより、経時的に粒子を得ることができ、直ちに微粉末化しやすい組織と、長時間、粉末化しにくく、繰り返しの剪断、破砕処理により微粉末化される粒子の分別が可能となる。
円筒形分別器として、外部に向かって目開きが細かい篩を有する筒状の篩を同心円状に多段に設置することにより、剪断、破砕された粒子を広い篩面積で効率的に分別することができる。このような円筒形分別器により得られる調製物は、最外部の円筒で微粉末が得られ、内部では粗大な粒子が得られる。
【0023】
上記により調製された調製物をそのまま、または他の材料と複合して含む調製材料は食品、薬品、化学品、鉱工業用品などのそれぞれの目的に応じた用途に用いることができる。例えば製粉により得られた粉末、麺類、パスタ、海産物等のエンボス加工品、またはエンボス加工品が部分的に切断された材料からなる調製物は、そのまま食用その他の用途に用いることができる。また分別された調製物はそれぞれの粒度に応じて、別々に用いることができるほか、全体を一つの目的に用いることもできる。また調製材料を原料として食品、薬品、化学品、工業製品などを製造することができる。
【0024】
本発明の試験方法は上記により得られた調製材料を試料として分析等の試験を行う方法である。
本発明において試験の対象となる材料は、品質評価、分析、観察等に供する物質である。このような材料としては、生物、有機物、化学物質などが挙げられる。具体的には、種子デンプン、動植物(ヒトを含む)の組織、鉱物、金属などがあげられる。
【0025】
このような材料を用いる品質評価、分析、観察等の試験法としては、材料を剪断、破砕して調製した調製物自体、調製物を加圧して成形したペレット、材料を液体中で剪断破砕して懸濁液化したホモジネート等を利用して分析、観察、測定、記録等を行うすべての方法に適用できる。例えば、電磁波を利用した分光分析(可視、赤外、紫外、ラマン、蛍光、蛍光X線、色彩色差計を含む)、質量分析、物性試験など計数的に分析するもののほか、液体クロマトグラフィー、ドライケミストリなどを利用した化学分析、生物試験、テレビジョン、画像解析装置、写真、肉眼などにより画像として観察、測定、記録するものなどを含む。
【0026】
上記の調製物を用いて試験を行うことにより、効率的に破砕、混合、均質化された試料により高精度の試験を行うことができる。
試料として、特に分別器により分級した分級物を用いることにより、分別器で精度良く分画された調製物は、剪断、破砕に対する組織由来の物理化学的特性を保持しているため、このような調製物を試料として試験を行うと、これらの特性に由来する食品、薬品等の薬理学、物理化学的特性の評価、分析などを高精度で行うことができる。
【0027】
また、本発明を水産加工等に適用するとエイコサペンタエン酸、コラーゲンなどを多く含む魚の硬い頭部等が可食化され、栄養価が向上する。特に乾燥した魚介類や海藻等の咀嚼・嚥下しにくい材料を、エンボス変形および/または部分切断した調製物は、元の外観、形状のまま可食性が高まる。例えば魚の形状を保ったまま骨は破砕され、繊維質は部分的に切断されることにより、元の形状のまま全体を容易に可食化することができる。パスタの場合、エンボス変形および/または部分切断することにより、固着性を低下させて麺ばなれを良くし、かつ調味料の乘りを良くするなど、他の材料との複合性を高くすることができる。形状の異なる押圧面を有する第1および第2の押圧体により変形したエンボス変形物は、加熱などによる膨張率の差から変形し、調理の際に湯に浸漬する等の処理により立体的な加工品が得られる。
【0028】
【発明の効果】
本発明の破砕機によれば、構造が簡単で、異なる成分組成、物理化学的特性を有する材料の場合でも、容易かつ低エネルギー消費量で材料の剪断、破砕、混合、均質化などに利用でき、閉塞の少ない破砕機が得られ、大気中および液中の両用として用いることができる。
本発明の材料の調製方法および装置によれば、破砕機を用いることにより、含水率、特性等の異なる材料の場合でも容易かつ、効率よく、材料を破砕、混合、均質化することができる。
【0029】
本発明の円筒状の押圧体を用いる材料調製装置によれば、ラセン状の構造を有する破砕機で材料を中央の交差部に移送させて、単一の工程で材料の硬度、成分組成などの影響を受けずに、剪断、破砕、混合または残渣の再処理を行うことができるようにしたので、装置の小型化、エネルギー消費量の軽減、発熱の防止および調製の迅速化が図れる。また、材料を破砕機の中央部に移送して処理することにより、微粉末が破砕機と支持体の隙間に閉塞して汚染の原因となることを防止できるため、調製物の純度向上が図れ、微量試料の調製が可能となる。
また目開きの異なる篩、シャッター等を備えた分別器を用いることにより、材料の破砕の難易度、粒度の差異により調製物を分級して、精製された成分毎の分別(分画)物を得ることが可能となる。このため、スペクトル分析、生化学分析などの精度が向上し、その特性を活かした加工品の生産に有効である。
本発明の試験方法によれば、成分組成、特性等の異なる材料の場合でも容易且つ効率よく試料を調製して高精度で試験を行うことができる。
さらに本発明の加工品の製造方法によれば、一部切断した破砕状態から完全に粉砕した破砕状態の任意の形状の加工品、ならびにこれらを他の材料と複合させた複合加工品を製造することができる。
【0030】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面により説明する。
【0031】
図1は実施形態の破砕機を示す分解平面図であり、破砕機1は面対象の円筒状の第1および第2の押圧体1a、1bがかみ合った構造となっているが、理解しやすいように離して図示されている(図2および図4も同様である)。第1および第2の押圧体1a、1bは軸の両端側から中央部に向って、互に交差する方向に形成されたラセン状の第1のブレード2a、2bおよび第2のブレード3a、3bならびに第1の溝4a、4bおよび第2の溝5a、5bが中央部で交差した形状の押圧面6a、6bを有し、互にかみ合った構造を有する。このような破砕機は、反対方向に傾斜したラセン状の歯および溝を有する2個のハスバ歯車を軸方向に連結したヤマバ歯車の突合せ部の溝をさらに伸ばして反対側の歯および溝と交差させたものと類似の構造を有する。破砕機1の両端部のブレード2a、2bおよび3a、3bならびに溝4a、4bおよび5a、5bが交差しない非交差部7a、7bではハスバ歯車またはヤマバ歯車と同様にブレードおよび溝が連続しているため、第1および第2の押圧体1a、1bのブレード2a、3aおよび2b、3bが相手方の溝4b、5bおよび4a、5aに挿入されて少なくとも一部が溝と接触し、かみ合っているため動力の伝達が行われるが、材料は実質的に通過しないため材料の粉砕は行われず、材料の交差部7c方向への移動が行われる。ブレードおよび溝が交差する交差部7cでは第1および第2のブレード2a、2b、3a、3bが交差方向の第1および第2の溝5a、5b、4a、4bによって分離されるため四角錐または四角錐台状の突起8a、8bが反対側の押圧面6b、6aの空間部9b、9aの一部、すなわち第1および第2の溝の交差部に突出した構造になっている。交差部7cにおけるブレードが溝と交差する部分、すなわちブレードが溝によって除去された部分にも空間部9a、9bが形成され、この空間部9a、9bに材料が保持されて、材料の剪断、破砕、混合、均質化等が行われるように構成されている。
【0032】
本発明の破砕機1は、第1および第2の押圧体1a、1bがかみ合った状態でその回転軸10a、10bを軸受に回転可能に支持し、一方の押圧体、例えば第1の押圧体1aの回転軸10aを駆動軸にして駆動装置(モータ)Mに連結して回転させると、第1および第2の押圧体1a、1bは非交差部7a、7bにおいてブレード2a、3aと溝4b、5bがかみ合っているため、駆動押圧体(第1の押圧体1a)から従動押圧体(第2の押圧体1b)に動力が伝達され、両押圧体は互に逆方向の矢印a、b方向に回転する。このように回転する破砕機に材料を供給すると、非交差部7a、7bでは第1、第2押圧体1a、1bのブレード2a、3a、2b、3bが相手側の溝4b、5b、4a、5aに挿入されるため材料は実質的に通過せず、ラセン状のブレードの回転に伴って回転軸に沿って矢印c、d方向の中央部(交差部7c)側に移動する。交差部7cでは空間部9a、9bが形成され、しかも突起8a、8bが8aa、8bbで示すように相手方の押圧体1b、1aの空間部9b、9aの一部(相手方向の溝の交差部)に挿入された状態で回転するため、材料が空間部9b、9aに保持された状態で突起8a、8bにより剪断されて回転する。回転に伴って空間部9b、9a内で突起8a、8bが角回転運動するため材料に加圧、剪断摩擦、破砕等が生じ、材料は剪断、破砕、混合されて均質化し、第1および第2の押圧体間1a、1bを通過して移送が行われる。
【0033】
図2は実施形態の材料調製装置の水平断面図、図3はそのA-A断面図を示す。材料調製装置11は第1および第2の押圧体1a、1bからなる破砕機1が本体12の両端に固着された支持体13、14の軸受15a、15bに回転軸10a、10bを回転可能にするように取付けられている。回転軸10aの支持体13側の端部は駆動装置Mから減速機16を経て伸びる駆動軸17とカップリング18により連結されている。支持体13の上部には材料供給路19が形成され、破砕機1の上部の材料供給部20に連絡している。回転軸10aの支持体14側の端部には分別器21が固定部材22により固定され、押圧体1aとともに回転するようになっている。分別器21は、かご形のフレーム23に固定部材24により固定された目開きの異なる篩25、受器26およびシャッタ27を有する篩ユニット28が複数個円周方向に並んだ構造になっている。そして分別器21の外周円部を覆うように外筒35が固定部材36によりに固定されている。37は浮遊物排出口、38はスクレーパである。
【0034】
上記の材料調製装置においては駆動装置Mにより駆動軸17を回転させると、回転力はかみ合った押圧体1a、1bに伝えられ、両押圧体1a、1bは図1で説明したようにそれぞれ逆方向に回転する。この状態で材料供給路19より材料31を供給すると、材料31は材料供給部20に入るが、押圧体1a、1bの回転により非交差部7aのブレード2a、2bが材料31を交差部7cの方向へ移動させる。このため非交差部における押圧体1a、1bと本体12の間に材料31が閉塞することはなく、閉塞による停止、故障のおそれは生じない。交差部7cの上部に至った材料31は突起8a、8bの回転により押圧体1a、1b間に引き込まれて剪断、破砕、混合、均質化等の処理を受け、調製物32として調製物室29に移送される。
【0035】
押圧体1aの回転と同期して分別器21が回転し、調製物室29内の調製物32を篩分けし、分別物33を得る。篩25として目開きの異なる複数の篩を用いる場合には、目開きの小さい篩25を有する篩ユニット28から順次シャッタ27を開いて篩分けすることにより、粒度に応じた分別を行うことができる。このような分別物は粒度に応じた特性分析その他の目的で使用される。材料として一種類の篩を用いて穀類を製粉し、粉体と滓(フスマ)を篩分けして分離する場合には、シャッタ27を開いた状態で分別を行うことができる。
【0036】
図4は他の実施形態の材料調製装置の水平断面図、図5はそのB-B断面図である。この実施形態では分別器21として同心円状に配置されたかご形のフレーム23a、23b、23cに、内側から順次目開きが小さくなる篩25a、25b、25cが固定された同心円筒状の篩ユニット28a、28b、28cが同心円筒状に間隔をあけて積層されて一体化され、固定部材22により回転軸10aに固定されている。そして分別器21の外周円部を覆うように外筒35が固定部材36により支持体13に固定されている。他の構成は図2、3のものとほぼ同様である。
【0037】
上記の装置では図2、3のものとほぼ同様に材料の調製が行われる。その調製物32は調製物室29から回転篩21により順次目開きの小さくなる篩25a、25b、25cにより分別され、分別物として取り出される。
【0038】
図6はさらに他の実施形態の材料調製装置の垂直断面図、図7(a)は第1の押圧体の下面図、(b)は第2の押圧体の平面図、図8(a)は閉じた状態を示す第1および第2の押圧体の垂直断面図、(b)は第1および第2の押圧体の変形例を示す垂直断面図である。
【0039】
図6ないし図8において、破砕機1を構成する第1および第2の押圧体1a、1bは面対称の平板状に形成され、それぞれ周囲を空間部9a、9bにより囲まれて隔離した突起8a、8bが交差方向にそれぞれ平行な列状に設けられた第1および第2の押圧面6a、6bを有する。これらの押圧面6a、6bは図1における交差部7cの押圧面6a、6bの展開形状を有し、図7において破線で示された第1および第2のブレード2a、3bおよび2b、3bが、これらと交差する第1および第2の溝4a、5aおよび4b、5bによって切欠かれた形状に突起8a、8bおよび空間部9a、9bが形成されている。そしてそれぞれの突起8a、8bはそれぞれ相手方の押圧面の空間部9b、9aの一部、すなわち溝が交差する部分に挿入されるように押圧される構造となっている。このときの突起の位置は8aa、8bbで示されている。
【0040】
材料調製装置11は、図6に示すように、外筒35内に、第1の押圧体1aが第1の押圧面6aを下向きにして上部に設けられた流体圧シリンダ41からピストン42により下向に押圧するように取付けられ、第2の押圧体1bが押圧面6bを上向にしてローラ43により底面状に支持され、流体圧シリンダ44から伸びるピストン45により面方向に移動可能に設けられている。46は材料供給用のコンベア、47は調製物取出用のコンベア、48はスクレーパである。
【0041】
上記の装置による破砕および材料調製方法は、図6の状態でコンベア46から材料を供給し、第2の押圧体1b上に分配する。材料がシート状の場合は材料を供給後コンベア46を停止するだけでよいが、材料が粒状物質等の場合にはスクレーパ48を押圧面6bに沿って移動させ、材料を均一に分配させる。この状態でピストン42を前進させて、第1の押圧体を下降させて押圧すると、突起8a、8bは空間部9a、9bに挿入されて材料は破砕される。材料が軟質の展性に富む物質の場合にはエンボス状に変形されるが、ピストン45を前進させて第2の押圧体1bを矢印e方向に移動させると、材料が突起8a、8bの片側に形成された刃部51、52により部分切断された形状に破砕される。第1の押圧体1aを上昇させた後、調製材料はコンベアにより取り出す。材料が破砕された場合にはスクレーパ48をe方向に移動させて調製材料を掻き集め、コンベア47で取り出す。
【0042】
材料が粉砕されやすい物質の場合には図8(b)に示すように、突起8a、8bの両側が均一な形状を有する押圧体を用いることができる。上記の例では押圧体1a、1bを水平方向に配置したが、他の方向でもよい。また一方の押圧体1aを円筒状または円弧状とし、他方の押圧体1bを平板状として、往復回転および往復動により押圧しても破砕が可能である。
【0043】
【実施例】
以下、本発明の実施例について説明する。
実施例1
図2の材料調製装置(篩目100メッシュ)を用い、小麦品種、あやひかりを被処理物として破砕を行った。このとき被処理物50gを材料供給部20より破砕機1に供給して押圧体1a、1bの回転数100rpmで1分間破砕し、分別機21の篩25により小麦破砕物を分別して調製物室29に蓄積した小麦粉を得た。
上記実施例1の試料を顕微赤外分光分析装置(日本分光(株))を用いてスペクトルの吸光度を測定した。結果を図9に示す。図9においてAは炭水化物(COC)の吸収ピーク(ca.1050cm-1)、Bはタンパク質(CONH)の吸収ピーク(ca.1650cm-1)、Cは脂肪(CO)の吸収ピーク(ca.1730cm-1)である。
図9より明らかなように実施例1では、波数(cm-1)にそれぞれ炭水化物(COC)、タンパク質(CONH)、脂肪(CO)の吸収ピークが認められ、炭水化物の吸光度に対するタンパク質、脂肪等の吸光度の比を調べることにより、成分組成を簡便に分析することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態の破砕機の分解平面図である。
【図2】実施形態の材料調製装置の水平断面図である。
【図3】図1のA-A断面図である。
【図4】他の実施形態の材料調製装置の水平断面図である。
【図5】図3のB-B断面図である。
【図6】さらに他の実施例の材料調製装置の垂直断面図である。
【図7】(a)は第1の押圧体の平面図、(b)は第2の押圧体の下面図である。
【図8】(a)および(b)は押圧体の断面図である。
【図9】実施例1の調製物の赤外分光スペクトルである。
【符号の説明】
1 破砕機
1a 第1の押圧体
1b 第2の押圧体
2a、3a 第1のブレード
2b、3b 第2のブレード
4a、5a 第1の溝
4b、5b 第2の溝
7a、7b 非交差部
7c 交差部
8a、8b 突起
9a、9b 空間部
10a、10b 回転軸
11 材料調製装置
12 本体
13、14 支持体
15a、15b 軸受
16 減速機
17 駆動軸
18 カップリング
19 材料供給路
20 材料供給部
21 分別器
22、24、36 固定部材
23 フレーム
25 篩
26 受器
27 シャッタ
28 篩ユニット
29 調製物室
31 材料
32 調製物
33 分別物
35 外筒
36 浮遊物分別堤
37 浮遊物排出口
38 スクレーパ
43 ローラ
44 流体圧シリンダ
45 ピストン
46、47 コンベア
48 スクレーパ
51、52 刃部
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4
【図6】
5
【図7】
6
【図8】
7
【図9】
8