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明細書 :撹拌曝気装置

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第3799418号 (P3799418)
公開番号 特開2003-103290 (P2003-103290A)
登録日 平成18年5月12日(2006.5.12)
発行日 平成18年7月19日(2006.7.19)
公開日 平成15年4月8日(2003.4.8)
発明の名称または考案の名称 撹拌曝気装置
国際特許分類 C02F   3/20        (2006.01)
C02F  11/00        (2006.01)
C02F  11/02        (2006.01)
FI C02F 3/20 ZABZ
C02F 11/00 A
C02F 11/02
請求項の数または発明の数 4
全頁数 9
出願番号 特願2001-300799 (P2001-300799)
出願日 平成13年9月28日(2001.9.28)
審査請求日 平成13年9月28日(2001.9.28)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】301035976
【氏名又は名称】独立行政法人農業工学研究所
発明者または考案者 【氏名】奥山 武彦
【氏名】小綿 寿志
個別代理人の代理人 【識別番号】100086852、【弁理士】、【氏名又は名称】相川 守
審査官 【審査官】中澤 登
参考文献・文献 特開昭62-204895(JP,A)
特開2000-317488(JP,A)
実開平06-081699(JP,U)
特開平05-177192(JP,A)
調査した分野 C02F 3/20 ZAB
C02F 11/00
C02F 11/02
特許請求の範囲 【請求項1】
挿入口から処理槽内に挿入され槽内の処理液を撹拌するとともに曝気を行う撹拌曝気装置において、上下が開口され処理液内に浸漬可能な筒体と、この筒体内に回転可能に配置され外部からの回転駆動力により処理液を撹拌しながら送り出す螺旋羽根とを設けるとともに、この筒体の一方の開口部近傍には、外部から送り込まれるエアを筒体内に導くエア供給口を設け、筒体が固定されたシャーシと、このシャーシを筒体の軸方向に進退動可能に支持する架台と、この架台を挿入口縁で揺動可能に支持する基台と、両端がそれぞれ基台と架台とに枢着されるとともに伸縮して上記架台を所望の角度に傾斜させて支持する支持アームとを備えて構成したことを特徴とする撹拌曝気装置。
【請求項2】
架台には、上端から突出してシャーシの移動距離を延長し筒体を処理液上方に引き上げ可能な延長部が設けられることを特徴とする請求項に記載の撹拌曝気装置。
【請求項3】
シャーシと架台との間には転動部材を介在させるとともに、一端がシャーシに連結されたロープを巻き取り可能な巻き取り機を設けたことを特徴とする請求項1または2に記載の撹拌曝気装置。
【請求項4】
シャーシの上部には、螺旋羽根の回転軸に減速機を介して連結されるモータを取り付けたことを特徴とする請求項1ないし3のうちいずれか1に記載の撹拌曝気装置。
発明の詳細な説明 【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、処理槽内の処理液を撹拌するとともに曝気処理する撹拌曝気装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
家畜から排泄される糞尿液は肥料として用いられるが、これら糞尿液は処理槽に貯留され、槽内で撹拌処理および曝気処理が行われる。家畜の糞尿液は撹拌を行うことによって流動性が高まるので、バキュームカーなどに吸引して輸送・散布することが容易となる。また、家畜の糞尿液は空気と接触させて曝気することによって悪臭の発生が低減されることが知られている。従来の撹拌および曝気処理を行う装置として、図6の(A)ないし(C)に示すものが知られている。
【0003】
図6の(A)に示すものは、貯留槽2の底に散気管3を設置してコンプレッサ4で加圧した空気を送り込む方式(散気管方式)で、図6の(B)に示すものは、貯留槽3の底近くに外部からエアを吸引可能なエゼクタポンプ5を配置するようにしたものである。また、図6の(C)に示すものは、貯留槽2の糞尿液中に没した撹拌機6の回転羽根7を高速回転させ撹拌機6の中に発生する負圧を利用して糞尿液の外から吸気管8を介して空気を吸引し、撹拌と合わせて糞尿液の曝気を行う装置(特開平9-225490号公報参照)である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来の技術のうち、図6の(A)に示す散気管3を用いる方式では、散気口にかかる糞尿液の水圧より大きな空気圧を供給しなければならない。このため大型の強力なコンプレッサを用いなければならない。しかも、高圧の空気を供給するにもかかわらず、散気管3の目詰まりが発生しやすいうえに、十分な曝気効果が得られないという問題があった。また、図6の(B)に示すエゼクタポンプ5を用いる方式では、目詰まりしにくく微細気泡により撹拌が可能であるものの、腐食性の強い糞尿液中で電気回路の絶縁が低下する危険がある。しかも、粘性が大きい糞尿液の大量の撹拌を行うとなるとモータはおおよそ7.5kW程度の電力を必要とする。図6の(C)に示すスラリジェッタ方式のように、撹拌機6内に負圧を発生させて吸気を行う装置では、粘性が大きい糞尿液中で毎分1,000回転以上の高速度で撹拌機を回転させる必要があるために大型のモータやトラクタのエンジンなどの極めて大きな動力を必要とし、電力消費や動力源の燃料費が増大するという問題があった。このように、従来の装置あるいは方式では、大量のエネルギーを消費するという問題があった。
【0005】
本発明は上記課題を解決するためになされたもので、装置を簡素化するとともに低動力で効率的に撹拌曝気処理を行うことができ、消費エネルギーを抑制し、自然エネルギー等の低エネルギーで利用可能な撹拌曝気装置を提供することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る撹拌曝気装置は、挿入口から処理槽内に挿入され槽内の処理液を撹拌するとともに曝気を行う撹拌曝気装置において、上下が開口され処理液内に浸漬可能な筒体と、この筒体内に回転可能に配置され外部からの回転駆動力により処理液を撹拌しながら送り出す螺旋羽根とを設けるとともに、この筒体の一方の開口部近傍には、外部から送り込まれるエアを筒体内に導くエア供給口を設け、筒体が固定されたシャーシと、このシャーシを筒体の軸方向に進退動可能に支持する架台と、この架台を挿入口縁で揺動可能に支持する基台と、両端がそれぞれ基台と架台とに枢着されるとともに伸縮して上記架台を所望の角度に傾斜させて支持する支持アームとを備えて構成したものである。
【0007】
本発明に係る撹拌曝気装置は、挿入口から処理槽内に挿入され槽内の処理液を撹拌するとともに曝気を行う撹拌曝気装置において、上下が開口され処理液内に浸漬可能な筒体と、この筒体内に回転可能に配置され外部からの回転駆動力により処理液を撹拌しながら送り出す螺旋羽根とを設けるとともに、この筒体の一方の開口部近傍には、外部から送り込まれるエアを筒体内に導くエア供給口を設け、筒体が固定されたシャーシと、このシャーシを筒体の軸方向に進退動可能に支持する架台と、この架台を挿入口縁で揺動可能に支持する基台と、両端がそれぞれ基台と架台とに枢着されるとともに伸縮して上記架台を所望の角度に傾斜させて支持する支持アームとを備えて構成したことにより、筒体内に配置された螺旋羽根を回転駆動させて処理液を撹拌しつつ処理液を筒体内で一方の開口から他方の開口に送り出すようにしているので、螺旋羽根は低レベルの動力で回転駆動される。エア供給口から筒体内に送り込まれたエアは、螺旋羽根の回転に伴い送り出される処理液とともに送り出され、その間に曝気処理を行うとともに、筒体の他方の開口から排出されると、処理槽内の処理液をも曝気して外部に逃げる。エア供給口を処理液液面近くに配置すれば、エア供給口での水圧は低くなる。このため、エア供給口には低圧のエアを供給することができ、エア供給源の動力を低動力とすることができる。また、筒体を処理槽内の処理液に浸漬して撹拌曝気処理を行う場合、基台に対して直角に近い角度で支持された架台からシャーシを下方に移動させて、筒体を処理液内に浸漬させ、次に、支持アームを縮めると架台は直角に近い角度から徐々に倒れる方向に傾斜する。筒体の上側開口部が処理液液面に没する傾斜角度で支持アームの縮小を停止すると、筒体は、処理液内で傾斜した状態で保持される。このとき、シャーシを進退動させて筒体の上側開口部の液面に対する位置を調節することもできる。筒体が傾斜状態で、螺旋羽根が回転されると、筒体の上側開口部と下側開口部が平面上離れるので、処理液の対流が大きくなり、処理槽内で処理液が均等に撹拌曝気処理されやすくなる。筒体を処理液から引き上げる場合、筒体上端が挿入口に、筒体下端が処理槽底部にそれぞれ干渉しないよう、傾斜状態で保持されているシャーシを架台上を上方に移動させつつ、支持アームを伸張させ、架台を基台に対して直角に近い角度に保持する。次に、シャーシを再び架台上を上方に移動させ筒体を処理液から引き出すようになっている。このため、たとえ挿入口が狭くても長尺の筒体を処理槽内に入れることができる。
【0010】
請求項に係る撹拌曝気装置は、架台には、上端から突出してシャーシの移動距離を延長し筒体を処理液上方に引き上げ可能な延長部が設けられるようにしたものである。
【0011】
請求項に係る撹拌曝気装置では、架台上端から延長部を突出させると、シャーシをより上方まで移動させることができるので、筒体を処理液上方の高い位置まで引き上げることができ、保守点検作業がし易くなる。
【0012】
請求項に係る撹拌曝気装置は、シャーシと架台との間には転動部材を介在させるとともに、一端がシャーシに連結されたロープを巻き取り可能な巻き取り機を設けたものである。
【0013】
請求項に係る撹拌曝気装置では、シャーシが架台上を進退動する際、転動部材により摺動摩擦が低減されるので、巻き取り機により容易にシャーシを進退動させることができる。
【0014】
請求項に係る撹拌曝気装置は、シャーシの上部には、螺旋羽根の回転軸に減速機を介して連結されるモータを取り付けるようにしたものである。
【0015】
請求項に係る撹拌曝気装置では、減速機により回転トルクを増大させることができるので、低動力のモータを用いることができ、モータを小型化し装置を簡素化することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態について説明する。図1は本発明の一実施の形態に係る撹拌曝気装置を示す説明図、図2は図1の撹拌曝気装置の引き上げ時の状態を示す説明図である。本発明の一実施の形態に係る撹拌曝気装置10は、図1に示すように、家畜の糞尿液(処理液)が貯留された処理槽12の挿入口13に設けられる。撹拌曝気装置10は、図1および図3に示すように、シャーシ21上に取り付けられ処理槽12に挿入される円筒状の筒体22と、この筒体22内に軸受23、24を介して回転可能に配置された螺旋羽根25とを備えている。筒体22は、軸方向長さが処理液の深さより若干長く設定され、上下端に開口部22A、22Bが形成される。軸受24、23はそれぞれ筒体22の上下方でシャーシ21上に設けられ、螺旋羽根25の回転軸25Aを軸支している。シャーシ21の上部には、減速機26とモータ27とが設けられ、螺旋羽根25の回転軸25Aが減速機26を介してモータ27に連結される。螺旋羽根25は、モータ27が回転駆動されると、筒体22内の処理液を筒体22の上端から下端に向かって撹拌しながら送り出すようになっている。
【0017】
筒体22の上部には、図1に示すように、上端開口部22Aから螺旋羽根25の少なくとも1ピッチ分以上離れた位置にエア供給口(ノズル)30が設けられる。このエア供給口30は、ホース31を介してブロワ32に接続される。ブロワ32から所定圧のエアがエア供給口30に送られると、エア供給口30から筒体22内に曝気用のエアが放出される。
【0018】
撹拌曝気装置10は、図1および図4に示すように、シャーシ21を傾斜可能に支持する支持機構40を備えている。この支持機構40は、一端が処理槽12の挿入口13縁に配置された基台41と、この基台41の端部41Aに回動ピン42を介して揺動可能に取り付けられた架台43と、一端が基台41に、他端が架台43にそれぞれ揺動可能に取り付けられた伸縮自在な支持アーム44とを備えている。架台43は回動ピン42より上側で支持アーム44と接続される。この支持機構40は、図2および図4に示すように、支持アーム44が伸びるに従って架台43を基台41に対して直角に近い角度(約70度)まで起立させ、図1に示すように、支持アーム44が収縮するに従って、架台43を起立している状態から回動ピン42を中心に倒れる方向に徐々に傾斜させ、約45度の角度まで傾斜させるようになっている。
【0019】
架台43には、図1および図4に示すように、シャーシ21がころ(転動部材)50を介して架台43上面を進退動可能に取り付けられる。シャーシ21の上部には、架台43からの脱落を防止するピン51が設けられる。架台43には、架台43上面に沿って上端43Aから上方に突出して延長される延長架台(延長部)52が収容される。この延長架台52は、図2および図4に示すように、架台43が起立状態に保持された際、架台43上端43Aから引き出され、ロックピン58で架台43にロックされるようになっている。延長架台52が引き出されロックされると、延長架台52上面に沿ってシャーシ21が引き上げ可能になっている。この延長架台52の先端には、滑車53が取り付けられる。
【0020】
架台43の上端43A近傍には、図2および図4に示すように、巻き取り機54が設けられる。巻き取り機54には、一端がシャーシ21に結ばれ滑車53に巻回されたワイヤロープ55が巻き取られる。巻き取り機54は延長架台52が架台43から引き出された状態で巻き取りレバー56を回すとシャーシ21を架台43および延長架台52上面に沿って上方へ引き上げるようになっている。
【0021】
次に、上記実施の形態に係る撹拌曝気装置10の作用について説明する。まず、図2に示すように、支持機構40の架台43を基台41に対して直角に近い角度(本実施の形態の場合、約70度)で起立状態に支持する。この起立状態から巻き取り機54によりワイヤロープ55を繰り出すと、シャーシ21は架台43上面に沿って下降し、狭い挿入口13を通過し、処理槽12の処理液内に浸漬される。このとき、筒体22は起立状態の角度のまま処理液内に挿入されるので、筒体22の上部は液面上にある。
【0022】
次に、支持アーム44を収縮させると、架台43とともにシャーシ21は直角に近い起立状態から徐々に倒れる方向に傾斜する。所定の傾斜角度(図1の傾斜角度参照、本実施の形態の場合、約45度)で支持アーム44の収縮を停止させ、巻き取り機54からワイヤーロープ55を繰り出す。そして、筒体22の上端開口部22Aが処理液液面下に没すると、ワイヤーロープ55の繰り出しを停止する。すると、筒体22は、図1に示すように、処理液内で傾斜した状態で保持される。このとき、さらに、ワイヤーロープ55の繰り出し巻き取りによりシャーシ21を進退動させて筒体22の上端開口部22Aの液面に対する位置を調節することもできる。
【0023】
次に、筒体22が、図1に示すような傾斜状態で、上端開口部22Aが処理液液面下に下端開口部22Bが処理槽の底側にそれぞれ位置するように、すなわち、上端開口部22Aと下端開口部22Bとが平面上離れて位置するように浸漬されると、モータ27とブロワ32とを駆動させる。モータ27が回転駆動されると、減速機26により減速された高トルクの出力が回転軸25Aに伝達され、螺旋羽根25は、筒体22内の処理液を上端開口部22Aから下端開口部22Bに向かって撹拌しながら送り出す。また、ブロワ32からホース31を介してエア供給口30に送り込まれたエアは筒体22内に放出される。処理液は家畜の糞尿液からなっているので粘性が高く、筒体22内に放出された曝気エアは上方に逃げることなく、螺旋羽根25により送り出される処理液とともに筒体22の下方に向かって送り出され、このとき、処理液の撹拌と曝気が同時に行われる。エアは筒体22の下端開口部22Bから排出されると、筒体22外部の処理液をさらに曝気して外部に逃げる。
【0024】
このように、螺旋羽根25を回転駆動させて処理液を撹拌しつつ送り出すようにしているので、螺旋羽根25は低レベルの動力で回転駆動されることができ、モータ27を小型軽量化できる。また、エア供給口30は筒体22の上端開口部22A近傍に、すなわち、処理液液面近くに配置されているため、エア供給口30にかかる水圧は低くなる。このため、エア供給口30には曝気用のエアを低圧のエアで供給することができ、ブロワ(エア供給源)32の動力を低動力とすることができる。このため、消費エネルギーを低く抑えることができるため、商用動力電源を用いなくとも、太陽電池や風力発電などの低エネルギーの自然エネルギーを利用することができる。また、撹拌曝気時、筒体22の上端開口部22Aと下端開口部22Bとが平面上離れているので、処理液の対流が大きくなって流動しやすくなり、処理槽12内で処理液が均等に撹拌曝気処理され、撹拌曝気の処理効率が向上する。
【0025】
この撹拌曝気装置10の保守点検等を行う際には、モータ27とブロワ32の作動停止後、図1に示すように、ほぼ45度の傾斜角度で保持されたシャーシと筒体22をその角度のまま上方に引き上げると、狭い挿入口13に筒体22やエア供給口30の一部が干渉するおそれがある。このため、まず、図1に示す傾斜状態のまま筒体22の上端開口部22Aが液面から上昇し処理槽12の天井近くに位置するまで、シャーシ21を巻き取り機54により少し引き上げる。こうしてシャーシ21の揺動時、シャーシ21の下端が処理槽12の底に当たるのを防ぐ。次に、支持アーム44を伸張させ、架台43を回動ピン42を中心に揺動させ起立状態で保持し、延長架台52を架台43から上方に引き出してピン58でロックし、巻き取り機54を操作してシャーシ21を、図2に示すように、処理液面上方に引き上げて保持する。こうして、筒体22が引き上げられるようになっているので、点検作業を容易に行うことができ、たとえ挿入口が狭くても長尺の筒体22を処理槽12内に入れることができる。
【0026】
図5は、上記実施の形態に係る撹拌曝気装置を用いて、糞尿液の処理槽内で処理を行った結果を示す実験結果である。乳牛の糞尿液の貯留槽に設置して運転した前後の期間における糞尿液の粘度の測定結果を示す。糞尿液は牛舎から流入槽に流下して、続いて撹拌曝気槽に流入する。流入槽における粘度は糞尿液撹拌曝気装置による処理を行う以前の状態であり、撹拌曝気槽における粘度は処理を行った後の粘度である。
【0027】
図5において、糞尿液撹拌曝気装置が稼働した期間には撹拌曝気槽における糞尿液の粘度が経時的に低下している。この結果から、糞尿液撹拌曝気装置により糞尿液の撹拌曝気を行い、糞尿液の流動性を高める機能が確認された。
【0028】
このように、本発明の糞尿液撹拌曝気装置では、畜産農家で使用されている糞尿液貯留槽に設置することにより貯留中の糞尿液の撹拌曝気を行い、糞尿液の流動性の増大、臭気の軽減による性質の改善を図ることができる。本装置は従来技術による装置よりも小さい動力で運転することができるため、モータを駆動するための消費電力が少なく、運転のための経費負担を低減することができ、あるいは電力として太陽光発電などを使用することも容易である。
【0029】
撹拌機は毎分50回転程度の低速度の回転によっても十分な動作をするので、従来の技術による装置で必要としていた数kW以上のモータやエンジンより小出力の0.4kW程度のモータで運転することが可能になる。そのために、装置の小型軽量化がはかられ、製造費、運転のための電力費が低廉となる。ブロワにより筒体内にエアが放出されると、螺旋羽根による撹拌作用によって空気塊は小径の気泡となって、糞尿液を効果的に曝気する。筒体下端から排出された糞尿液は気泡を混入して浮力を得たことにより液面に向かう上昇流となって貯留槽内に流動を生じさせる。撹拌曝気装置を繰り返し通過した糞尿液は流動性の増大、臭気の低減といった性質の改善がなされ、肥料として利用しやすくなる。
【0030】
【発明の効果】
本発明に係る撹拌曝気装置では、挿入口から処理槽内に挿入され槽内の処理液を撹拌するとともに曝気を行う撹拌曝気装置において、上下が開口され処理液内に浸漬可能な筒体と、この筒体内に回転可能に配置され外部からの回転駆動力により処理液を撹拌しながら送り出す螺旋羽根とを設けるとともに、この筒体の一方の開口部近傍には、外部から送り込まれるエアを筒体内に導くエア供給口を設け、筒体が固定されたシャーシと、このシャーシを筒体の軸方向に進退動可能に支持する架台と、この架台を挿入口縁で揺動可能に支持する基台と、両端がそれぞれ基台と架台とに枢着されるとともに伸縮して上記架台を所望の角度に傾斜させて支持する支持アームとを備えて構成したので、装置を小型軽量化して低動力で効率的に撹拌曝気処理を行うことができ、自然エネルギー等の低エネルギーを利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係る撹拌曝気装置を示す説明図である。
【図2】図1の撹拌曝気装置の引き上げ時の状態を示す説明図である。
【図3】図1の撹拌曝気装置のうち撹拌曝気を行う機構を示す説明図である。
【図4】図1の撹拌曝気装置のうち撹拌曝気を行う機構を支持する支持機構示す説明図である。
【図5】実験の結果を示す表である。
【図6】(A)ないし(C)はそれぞれ、従来の撹拌曝気装置を示す説明図である。
【符号の説明】
10 撹拌曝気装置
12 処理槽
13 挿入口
22 筒体
22A 筒体上端開口部
22B 筒体下端開口部
25 螺旋羽根
30 エア供給口
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4
【図6】
5