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明細書 :昆虫廃棄物又は死骸の分離・選別装置及び方法

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第3627018号 (P3627018)
公開番号 特開2003-266019 (P2003-266019A)
登録日 平成16年12月17日(2004.12.17)
発行日 平成17年3月9日(2005.3.9)
公開日 平成15年9月24日(2003.9.24)
発明の名称または考案の名称 昆虫廃棄物又は死骸の分離・選別装置及び方法
国際特許分類 B07B  1/00      
B02C 19/12      
B02C 23/08      
B02C 23/10      
B07B  1/28      
B07B  4/02      
B07B  4/08      
B07B  7/083     
B07B  9/00      
B07B 13/10      
B09B  5/00      
FI B07B 1/00 ZABB
B02C 19/12 Z
B02C 23/08 Z
B02C 23/10
B07B 1/28 A
B07B 4/02
B07B 4/08 Z
B07B 7/083
B07B 9/00 A
B07B 13/10 A
B09B 5/00 Z
請求項の数または発明の数 10
全頁数 11
出願番号 特願2002-073565 (P2002-073565)
出願日 平成14年3月18日(2002.3.18)
審査請求日 平成14年3月18日(2002.3.18)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】501167644
【氏名又は名称】独立行政法人農業生物資源研究所
発明者または考案者 【氏名】羽賀 篤信
【氏名】松江 登久
【氏名】水谷 哲治
個別代理人の代理人 【識別番号】100119585、【弁理士】、【氏名又は名称】東田 潔
【識別番号】100120802、【弁理士】、【氏名又は名称】山下 雅昭
【識別番号】100106105、【弁理士】、【氏名又は名称】打揚 洋次
審査官 【審査官】豊永 茂弘
参考文献・文献 特開2000-093895(JP,A)
特開2001-328120(JP,A)
特開平11-028422(JP,A)
特開平08-257506(JP,A)
調査した分野 B07B 1/00-15/00
特許請求の範囲 【請求項1】
被処理物である昆虫廃棄物又は死骸の分離・選別装置であって、該被処理物を投入するための、下方部分が該被処理物を誘導する第一ガイド手段として機能するホッパーと、該ホッパーから被処理物を誘導するための第二ガイド手段と、該第二ガイド手段の下流側端部に設けられた互いに噛み合った二つのブラシからなる第一ブラシ部材と、該第一ブラシ部材の下流側に、その少なくとも一つのブラシに噛み合って設けられた第二ブラシ部材と、該第二ブラシ部材の下流側に第二ブラシ部材に噛み合って設けられた第三ブラシ部材とを備えたことを特徴とする昆虫廃棄物又は死骸の分離・選別装置。
【請求項2】
請求項1記載の昆虫廃棄物又は死骸の分離・選別装置において、該分離・選別装置はさらに、該第一ガイド手段を揺動するための揺動ドライバーを備えており、該第二ガイド手段は、その少なくとも一部がメッシュ状に構成され、該第一ブラシ部材は、被処理物を二つのブラシの間に挟み込んで該被処理物の表皮を引き裂いて体内の内部器官を表皮と分離するように構成され、該第二ブラシ部材は、該第一ブラシ部材から送られた分離物を破砕するように構成され、該第三ブラシ部材は、該第二ブラシ部材から送られた破砕物を表皮、内部器官、及び残渣粉体に比重差を利用して遠心分離するように構成されたことを特徴とする分離・選別装置。
【請求項3】
請求項1又は2記載の昆虫廃棄物又は死骸の分離・選別装置において、該第三ブラシ部材の下流側に、間隔を置いて順番に第一分離板、第二分離板及び第三分離板を配置し、該第一分離板と第二分離板とはその高さが調節できるように構成され、該第一分離板は、該第三ブラシ部材の上流側から落下する残渣粉体及び該第三ブラシ部材で遠心分離された残渣粉体を受け取って、該装置の下方に配設された粉体回収容器へと誘導するように構成され、また、該第二分離板は、その上端部分が該第一分離板よりも高くなるように構成され、該第三ブラシ部材で遠心分離され、該第一分離板の上端を飛び越えてくる表皮を受け取って、該装置の下方に配設された表皮回収容器へと誘導するように構成され、また、該第三分離板は、該第三ブラシ部材で遠心分離され、該第二分離板の上端を飛び越えてくる内部器官を受け取って、該装置の下方に配設された内部器官回収容器へと誘導するように構成されたことを特徴とする分離・選別装置。
【請求項4】
請求項3記載の昆虫廃棄物又は死骸の分離・選別装置において、該第二分離板は、第一篩い手段を備え、該第三ブラシ部材で遠心分離され、該第二分離板上に落下する表皮と混在する残渣粉体とが該第一篩い手段で分離されるように構成され、また、該第三分離板は、第二篩い手段を備え、該第三ブラシ部材で遠心分離され、該第三分離板上に落下する内部器官と混在する表皮とが分離されるように構成されたことを特徴とする分離・選別装置。
【請求項5】
請求項3又は4記載の昆虫廃棄物又は死骸の分離・選別装置において、該第三分離板の下流側近傍に第一エアーノズル手段を設け、該第三分離板で分離された表皮が該第二分離板へと誘導され、分離された内部器官は下流へと誘導されるように構成されたことを特徴とする分離・選別装置。
【請求項6】
請求項5記載の昆虫廃棄物又は死骸の分離・選別装置において、該第一エアーノズル手段の下方で該第二分離板の下流側近傍に第二エアーノズル手段を設け、また、該第二分離板の下流側直下に、該第二分離板からの落下物の落下方向に対して所定の角度をもった第三ガイド手段の傾斜板を設け、該第二分離板に設けた第一篩い手段で分離されずに第二分離板から落下する表皮及び混在した内部器官が該第三ガイド手段に突き当たり、該第二エアーノズル手段からのエアーの噴射によって分離されるように構成されたことを特徴とする分離・選別装置。
【請求項7】
請求項3~6のいずれかに記載の昆虫廃棄物又は死骸の分離・選別装置において、該第一分離板の一部が誘導ガイド手段として機能するようにし、下方部分が被処理物を誘導する第一ガイド手段として機能するホッパーと該ホッパーから被処理物を誘導するための第二ガイド手段の下流側端部に設けられた互いに噛み合った二つのブラシからなる第一ブラシ部材との間に設けられたメッシュ状部分及び該第一ブラシ部材乃至第三ブラシ部材から該第一分離板へと落下する細かい表皮破片や内部器官破片を含んだ残渣粉体のうち比較的細かい表皮破片や内部器官破片を含んだ粉体が、該誘導ガイド手段を経て該手段の下方に配設された粉体回収容器内へ誘導され、また、該誘導ガイド手段の下方に第四ガイド手段を設け、この第四ガイド手段により、該細かい表皮破片や内部器官破片を含んだ残渣粉体のうち比較的大きい表皮破片や内部器官破片を含んだ粉体、さらに比較的細かい表皮破片や内部器官を含んだ残渣粉体と、比較的大きい表皮破片や内部器官破片を含んだ残渣粉体とに分離され、前者が粉体回収容器内へ誘導され、後者が該粉体回収容器に隣接する表皮破片及び内部器官破片回収容器内へ誘導されるように構成されたことを特徴とする分離・選別装置。
【請求項8】
被処理物である昆虫廃棄物又は死骸から表皮、内部器官、及び残渣粉体を分離・選別する方法であって、該被処理物をホッパー内へ投入し、該被処理物を揺動して、互いに噛み合った二つのブラシからなる第一ブラシ手段へ誘導し、該ブラシの間に挟み込んで該被処理物の表皮を引き裂いて体内の内部器官を表皮と分離し、分離された表皮と内部器官とをさらに第二ブラシ手段へ送って破砕し、次いで、第三ブラシ手段へ送ってさらに破砕し、該第三ブラシ部材の回転により、表皮、内部器官、及び残渣粉体を比重差を利用して遠心分離し、分離された残渣粉体を第一分離板を経て粉体回収容器内へ誘導し、また、分離された表皮を第二分離板を経て表皮回収容器内へ誘導し、また、分離された内部器官を第三分離板を経て内部器官回収容器内へ誘導し、表皮、内部器官、残渣粉体を回収することを特徴とする昆虫廃棄物又は死骸の分離・選別方法。
【請求項9】
請求項8記載の昆虫廃棄物又は死骸の分離・選別方法において、該ホッパーと該第一ブラシ部材との間に設けられたメッシュ状部分及び該第一ブラシ部材乃至第三ブラシ部材から該第一分離板へと落下する細かい表皮破片や内部器官破片を含んだ残渣粉体のうち比較的細かい表皮破片や内部器官破片を含んだ粉体を、誘導ガイド手段を経て粉体回収容器内へ誘導して回収し、また、該メッシュ状部分及び第一ブラシ部材乃至第三ブラシ部材から該第一分離板へと落下する細かい表皮破片や内部器官破片を含んだ残渣粉体のうち比較的大きな表皮破片や内部器官破片を含んだ粉体を、該誘導ガイド手段を経て誘導し、該誘導ガイド手段の下方に設けた第四ガイド手段に当てて弾かせ、さらに比較的細かい表皮破片や内部器官を含んだ残渣粉体と、比較的大きい表皮破片や内部器官破片を含んだ残渣粉体とに分離し、前者を粉体回収容器内へ誘導し、後者を該粉体回収容器に隣接する表皮破片及び内部器官破片回収容器内へ誘導して回収することを特徴とする分離・選別方法。
【請求項10】
請求項8記載の昆虫廃棄物又は死骸の分離・選別方法において、該第三分離板でこの分離板上に落下した内部器官及び混在する表皮から表皮を分離し、分離した表皮を該第三分離板の下流側近傍に設けた第一エアーノズル手段により該第二分離板へ誘導し、該第二分離板を経て表皮回収容器内へ誘導して回収すること、また、該第二分離板で分離されずにこの分離板から落下する表皮及び混在した内部器官を、該第二分離板の下流側直下に設けた第三ガイド手段の傾斜板に突き当て、該第二分離板の下流側近傍に設けた第二エアーノズル手段からのエアーの噴射により表皮と内部器官とに分離し、それぞれの回収容器へ誘導して回収することを特徴とする分離・選別方法。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、昆虫廃棄物又は死骸の分離・選別装置及び方法に関し、特に、昆虫廃棄物又は死骸から表皮、内部器官、残渣粉体を分離・選別する装置及び方法に関する。ここで、昆虫廃棄物又は死骸とは、昆虫自体又はその死骸を意味し、例えば、有用物質を採取した後の昆虫又はその死骸を意味する。また、残渣粉体とは、表皮及び内部器官等の粉体を意味する。
【0002】
【従来の技術】
従来、昆虫の廃棄物又は死骸は、メッシュの異なる篩いを利用して、表皮及び内部器官の2種類に分別し、回収していた。この場合、廃棄物又は死骸中の粉体の回収には、市販の電磁式篩い振盪器を利用して回収していた。また、表皮と内部器官とを分別する際の篩い作業は手作業で行われていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
従来の手作業による昆虫廃棄物又は死骸からの表皮及び内部器官の選別には、以下述べるような問題点がある。
(1)選別作業には長い時間と多大な人的労力を必要とする。
(2)単純作業のため作業効率が低下する。
(3)手先の細かい作業のため、作業者に疲労を生じさせる。
(4)作業中に粉体が舞い上がるため、作業者が粉塵を吸い込む危険性がある。そのため、粉塵を吸い込まないように、防塵服、防塵マスクを着用する必要があり、作業時季、とりわけ夏季には作業者に不快感を与える。
(5)昆虫廃棄物又は死骸の臭気が衣服や身体に付着する。
(6)篩いによる粉体の分離と、表皮及び内部器官との選別作業は、別々の作業であり、この分業も時間のかかる一つの要因である。
【0004】
本発明の課題は、上記従来の問題点を解決することにあり、選別作業を機械化することによって、簡単かつ効率的に昆虫廃棄物又は死骸から表皮、内部器官及び残渣粉体を分離・選別できる分離・選別装置及び分離・選別方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明の被処理物である昆虫廃棄物又は死骸の分離・選別装置は、該被処理物の投入されるホッパーであって、その下方部分が該被処理物を誘導する第一ガイド手段として機能するホッパーと、該ホッパーから被処理物を誘導するための第二ガイド手段と、該第二ガイド手段の下流側端部に設けられた互いに噛み合った二つのブラシからなる第一ブラシ部材と、該第一ブラシ部材の下流側に、その少なくとも一つのブラシに噛み合って設けられた第二ブラシ部材と、該第二ブラシ部材の下流側に第二ブラシ部材に噛み合って設けられた第三ブラシ部材とを備えたことを特徴とする
【0006】
本発明の分離・選別装置はさらに、該第一ガイド手段を揺動するための揺動ドライバーを備えており、該第二ガイド手段は、その少なくとも一部がメッシュ状に構成され、該第一ブラシ部材は、被処理物を二つのブラシの間に挟み込んで該被処理物の表皮を引き裂いて体内の内部器官を表皮と分離するように構成され、該第二ブラシ部材は、該第一ブラシ部材から送られた分離物を破砕するように構成され、該第三ブラシ部材は、該第二ブラシ部材から送られた破砕物を表皮、内部器官、及び残渣粉体に比重差を利用して遠心分離するように構成されている。
【0007】
本発明の分離・選別装置では、該第三ブラシ部材の下流側に、間隔を置いて順番に第一分離板、第二分離板及び第三分離板を配置し、該第一分離板と第二分離板とはその高さが調節できるように構成されており、該第一分離板は、該第三ブラシ部材の上流側から落下する残渣粉体及び該第三ブラシ部材で遠心分離された残渣粉体を受け取って、該装置の下方に配設された粉体回収容器へと誘導するように構成されており、また、該第二分離板は、その上端部分が該第一分離板よりも高くなるように構成され、該第三ブラシ部材で遠心分離され、該第一分離板の上端を飛び越えてくる表皮を受け取って、該装置の下方に配設された表皮回収容器へと誘導するように構成されており、また、該第三分離板は、該第三ブラシ部材で遠心分離され、該第二分離板の上端を飛び越えてくる内部器官を受け取って、該装置の下方に配設された内部器官回収容器へと誘導するように構成されている。
【0008】
本発明の分離・選別装置では、該第二分離板は、第一篩い手段を備え、該第三ブラシ部材で遠心分離され、該第二分離板上に落下する表皮と混在する残渣粉体とが該第一篩い手段で分離されるように構成され、また、該第三分離板は、第二篩い手段を備え、該第三ブラシ部材で遠心分離され、該第三分離板上に落下する内部器官と混在する表皮とが分離されるように構成されている。
本発明の分離・選別装置では、該第三分離板の下流側近傍に第一エアーノズル手段を設け、該第三分離板で分離された表皮が該第二分離板へと誘導され、分離された内部器官は下流へと誘導されるように構成されている。
【0009】
本発明の分離・選別装置では、該第一エアーノズル手段の下方で該第二分離板の下流側近傍に第二エアーノズル手段を設け、また、該第二分離板の下流側直下に、該第二分離板からの落下物の落下方向に対して所定の角度をもった第三ガイド手段の傾斜板を設け、該第二分離板に設けた第一篩い手段で分離されずに第二分離板から落下する表皮及び混在した内部器官が該第三ガイド手段に突き当たり、該第二エアーノズル手段からのエアーの噴射によって分離されるように構成されている。
【0010】
本発明の分離・選別装置では、該第一分離板の一部が誘導ガイド手段として機能するようにし、下方部分が被処理物を誘導する第一ガイド手段として機能するホッパーと該ホッパーから被処理物を誘導するための第二ガイド手段の下流側端部に設けられた互いに噛み合った二つのブラシからなる第一ブラシ部材との間に設けられたメッシュ状部分及び該第一ブラシ部材乃至第三ブラシ部材から該第一分離板へと落下する細かい表皮破片や内部器官破片を含んだ残渣粉体のうち比較的細かい表皮破片や内部器官破片を含んだ粉体が、該誘導ガイド手段を経て該手段の下方に配設された粉体回収容器内へ誘導され、また、該誘導ガイド手段の下方に第四ガイド手段を設け、この第四ガイド手段により、該細かい表皮破片や内部器官破片を含んだ残渣粉体のうち比較的大きい表皮破片や内部器官破片を含んだ粉体、さらに比較的細かい表皮破片や内部器官を含んだ残渣粉体と、比較的大きい表皮破片や内部器官破片を含んだ残渣粉体とに分離され、前者が粉体回収容器内へ誘導され、後者が該粉体回収容器に隣接する表皮破片及び内部器官破片回収容器内へ誘導されるように構成されている。
【0011】
本発明の分離・選別方法は、被処理物である昆虫廃棄物又は死骸から表皮、内部器官、及び残渣粉体を分離・選別する方法であって、該被処理物をホッパー内へ投入し、該被処理物を揺動して、互いに噛み合った二つのブラシからなる第一ブラシ手段へ誘導し、該ブラシの間に挟み込んで該被処理物の表皮を引き裂いて体内の内部器官を表皮と分離し、分離された表皮と内部器官とをさらに第二ブラシ手段へ送って破砕し、次いで、第三ブラシ手段へ送ってさらに破砕し、該第三ブラシ部材の回転により、表皮、内部器官、及び残渣粉体を比重差を利用して遠心分離し、分離された残渣粉体を第一分離板を経て粉体回収容器内へ誘導し、また、分離された表皮を第二分離板を経て表皮回収容器内へ誘導し、また、分離された内部器官を第三分離板を経て内部器官回収容器内へ誘導し、表皮、内部器官、残渣粉体を回収することを特徴とする。
【0012】
本発明の分離・選別方法では、該ホッパーと該第一ブラシ部材との間に設けられたメッシュ状部分及び該第一ブラシ部材乃至第三ブラシ部材から該第一分離板へと落下する細かい表皮破片や内部器官破片を含んだ残渣粉体のうち比較的細かい表皮破片や内部器官破片を含んだ粉体を、誘導ガイド手段を経て粉体回収容器内へ誘導して回収し、また、該メッシュ状部分及び第一ブラシ部材乃至第三ブラシ部材から該第一分離板へと落下する細かい表皮破片や内部器官破片を含んだ残渣粉体のうち比較的大きな表皮破片や内部器官破片を含んだ粉体を、該誘導ガイド手段を経て誘導し、該誘導ガイド手段の下方に設けた第四ガイド手段に当てて弾かせ、さらに比較的細かい表皮破片や内部器官を含んだ残渣粉体と、比較的大きい表皮破片や内部器官破片を含んだ残渣粉体とに分離し、前者を粉体回収容器内に誘導し、後者を該粉体回収容器に隣接する表皮破片及び内部器官破片回収容器内へ誘導して回収する。
【0013】
本発明の分離・選別方法では、該第三分離板でこの分離板上に落下した内部器官及び混在する表皮から表皮を分離し、分離した表皮を該第三分離板の下流側近傍に設けた第一エアーノズル手段により該第二分離板へ誘導し、該第二分離板を経て表皮回収容器内へ誘導して回収すること、また、該第二分離板で分離されずにこの分離板から落下する表皮及び混在した内部器官を、該第二分離板の下流側直下に設けた第三ガイド手段の傾斜板に突き当て、該第二分離板の下流側近傍に設けた第二エアーノズル手段からのエアーの噴射により表皮と内部器官とに分離し、それぞれの回収容器内へ誘導して回収する。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、本発明に係わる昆虫廃棄物又は死骸(以下、「昆虫廃棄物」又は「被処理物」と称す。)の分離・選別装置の実施の形態と共に、分離・選別方法の実施の形態を説明する。
図1は、昆虫廃棄物の分離・選別装置の構成例を示す、一部断面図を含む正面図である。図2及び図3は、それぞれ、図1に示す装置の側面図及び平面図である。
【0015】
図1~3において、直方形の蓋付き分離・選別装置1内には、その上方に被処理物である乾燥済昆虫廃棄物Aを投入するためのホッパー2が配置され、このホッパーの下方部分は、第一ガイド手段として機能する下流側に傾斜の付いたガイドプレート3で構成され、ガイドプレート3はモーターに接続された揺動(振動)ドライバー4により揺動され、被処理物Aが所定の速度で下流側に移動するように構成されている。ガイドプレート3の駆動方法は、振動を与えるものであれば制限はないが、例えば、モータードライブ(揺動用シリンダー式DCサーボモーター)等によるものが搬送効率の点から好ましい。また、装置1は、アルミ型材で作製され、その前面部は、加工性に優れた透明樹脂(例えば、PET樹脂等)で作製することが好ましい。分離・選別作業中に、装置内の状態が観察できるからである。揺動ドライバー4は、図2に示す揺動ドライバー用モーター21で駆動される。
【0016】
ホッパー2の下流側には、揺動によりガイドプレート3から落下した被処理物Aを受け取る第二ガイド手段としてのガイドプレート5が配置される。このガイドプレート5の上流側端部は分離・選別装置1の内壁に固定され、その下流側は上方に湾曲し、この湾曲した端部部分に互いに噛み合った二つのブラシ6a及び6bで構成された第一ブラシ部材6が設置されている。落下した被処理物Aは、ガイドプレート5を経てブラシ6a及び6bの間に挟み込まれ、各ブラシの回転によって引き裂かれながら、表皮及び内部器官に分離される。
【0017】
ブラシ6a及び6bの噛み合わせ状態は、被処理物Aの種類、形状により調節され、被処理物が効率よく分離できるように適宜設定する。ブラシ6aとブラシ6bとの回転が等倍速の場合、被処理物の表皮は破砕されるだけであるが、ブラシ6aとブラシ6bとを異なる回転数で駆動させることにより、被処理物Aの表皮を引き裂き、被処理物体内に残存する内部器官を表皮と分離させることができる。ブラシ6a及び6bの回転数は、被処理物Aの状態に応じて、表皮を引き裂き、表皮と内部器官とを分離させることができる範囲に設定すればよい。標準設定回転数として、例えば、ブラシ6aの場合300rpm前後、ブラシ6bの場合100rpm前後に設定し、表皮の引き裂き状態や表皮と内部器官との分離状態を観察しながら、この回転数を適宜変えて実施すればよい。また、ブラシ6a及び6bの回転数の差による被処理物表皮の引き裂きの程度は、これらのブラシの硬さの違いによってもある程度変化する。
【0018】
かくして分離された表皮と内部器官とは、例えばブラシ6aに噛み合って設けられた第二ブラシ部材であるブラシ7へ送られ、破砕される。ブラシ6aとブラシ7との噛み合わせ状態は、第一ブラシ部材6から送られてきた分離物の形状等により調節して、効率よく分離物を破砕することができるように適宜設定する。ブラシ6aに絡んだ表皮及び内部器官はブラシ7の回転によってすくい取られ、ブラシ7の下流側にブラシ7に噛み合って設けられた第三ブラシ部材であるブラシ8に送り込まれ、さらに破砕される。ブラシ8は、その回転により、ブラシ7から送られてきた破砕物を表皮、内部器官、及び残渣粉体に比重差を利用して遠心分離するように構成されている。ブラシ8に送り込まれた表皮及び内部器官は、ブラシ8の回転による遠心力で前方へ飛散する。このような遠心力による分離物は、飛散距離が短いため、被処理物の表皮と内部器官との混在割合が比較的多い。そのため、その後の分離プロセスを振動だけで行うと、被処理物の表皮及び内部器官の搬送速度が遅くなり、分離効率が低いので、ブラシ6a及びブラシ6bによる引き裂き後の分離は、以下述べるように、篩いとエアーブローとの複合方式で行う。
【0019】
ブラシ7の回転数は、ブラシ6aに絡んだ表皮及び内部器官をすくい取ることができ、また、送られてきた分離物を効率よく破砕することができる範囲に設定すればよい。標準設定回転数として、例えば、300rpm前後に設定し、破砕状態を観察しながら、この回転数を適宜変えて実施すればよい。また、ブラシ8の回転数は、ブラシ7から送られてきた破砕物を効率よく遠心分離することができる範囲に設定すればよい。標準設定回転数として、例えば、1400rpm前後に設定し、分離状態を観察しながら、この回転数を適宜変えて実施すればよい。
なお、ブラシ6a、6b、7及び8のそれぞれの回転は、図2及び3に示すようなブラシ用モーター22、23、24、及び25で行われる。また、これらのブラシの材質は、特に制限されるわけではなく、例えば、塩化ビニル等の硬質プラスチックであればよい。
【0020】
上記したように遠心分離された表皮、内部器官及び残渣粉体を分別するため、ブラシ8の下流側に、ブラシ8と間隔を置いて第一分離板9、第二分離板10及び第三分離板11が配置される。
第一分離板9は、ブラシ8で遠心分離された残渣粉体及びブラシ8の上流側から落下する残渣粉体を受け取り、この粉体を分離板9の下流側で装置1の下方に配設された粉体回収容器12へと誘導するように構成されている。第一分離板9は、その鉛直部の高さを適宜調節できるようになっており、その高さを、ブラシ8で遠心分離された残渣粉体を受け取ることができるような高さに設定する。鉛直部の先端は屈曲し、遠心分離された残渣粉体を受け取りやすくなっている。なお、第一分離板9上には、第一ブラシ部材6で発生した残渣粉体及び細かい表皮破片や内部器官破片も落下し、シリンダー式DCサーボモーター等の揺動動作によって、第一分離板9の傾斜部に沿って下流側へ搬送される。
【0021】
第二分離板10は、その鉛直部の高さが調節できるようになっており、その高さを第一分離板9よりも高くなるように適宜設定して、ブラシ8で遠心分離された表皮を受け取り、分離板10の下流側で装置1の下方に配設された表皮回収容器13へと誘導するように構成されている。鉛直部の先端は屈曲し、遠心分離された表皮を主体とする分離物を受け取りやすくなっている。第二分離板10には、揺動手段により揺動しうる第一篩い手段16が傾斜部に設けられ、表皮と混在する内部器官とを分離する。第一篩い手段16は、例えば、図2及び3に示す篩い振動用シリンダー式DCサーボモーター26により駆動される。
【0022】
第三分離板11は、ブラシ8で遠心分離された内部器官を主体とする分離物を受け取り、この内部器官を、分離板の傾斜部に沿って、その下流側で装置1の下方に配設された内部器官回収容器14aへと誘導するように構成されている。第三分離板11には、揺動手段により揺動しうる第二篩い手段17を備えており、内部器官と混在する表皮内部器官とを分離する。第二篩い手段17は、例えば、図2及び3に示す篩い振動用シリンダー式DCサーボモーター26により駆動される。
また、ガイドプレート5のメッシュ状部分及び第一分離板9から落下慣性作用により落下する残渣粉体と表皮や内部器官の小片とは、ガイドプレート5の下方で装置1の内壁に固定して設けられた第四ガイド手段であるガイドプレート15の傾斜板に当たり、弾かれて、残渣粉体と表皮や内部器官の小片とは分離され、それぞれ、粉体回収容器12とこの粉体回収容器に隣接して配設された表皮・内部器官回収容器14bへと誘導され、回収される。
【0023】
上記したように、ブラシ8で遠心分離された表皮と内部器官とは、第一篩い手段16及び第二篩い手段17によって、残渣粉体、表皮、内部器官に分離される。第二篩い手段17において内部器官と混在する表皮とを分離する。その際、装置1の壁面にエアーノズルホルダーを介して取り付けられ、第三分離板の下流側近傍まで延長して設けられている第一エアーノズル手段18から噴射されるエアーで、内部器官と混在する表皮との分離精度を高めるように構成されている。第一エアーノズル手段18により、第三分離板11で分離された混在する表皮は第二分離板10へと誘導される。篩い手段16で分離されなかった表皮及び混在する内部器官は、第二分離板9の最後部直下に取り付けた第三ガイド手段であるガイドプレート19の傾斜板に落下して突き当たり、ガイドプレート19の近傍にノズル先端が配置されるように設けた第二エアーノズル手段20から噴射されるエアーによって、表皮と内部器官とに分離され、それぞれ、表皮回収容器13及び内部器官回収容器14aへと回収される。
【0024】
上記した昆虫廃棄物の分離・選別装置は、例えば、図1に示すように、その前面下方の所定の位置に制御盤Bを配設して、装置の操作・制御を行うことができるようにすることが好ましい。
本発明の装置で処理する昆虫廃棄物としては、特に制限されないが、例えば、有用物質を含む体液を採取した後のカイコ幼虫死骸や、カブト虫や、エビガラスズメ等を用いることが可能である。例えば、カイコ幼虫には、クチクラの主成分であるキチンや絹糸腺内の絹タンパク質等のバイオマテリアルの原材料が大量に含まれており、本発明の装置を用いて、表皮(クチクラ)と絹糸腺(絹タンパク質の貯蔵器官)を分離・回収することができるので、キチン、絹タンパク質資源としてカイコ幼虫死骸の再利用が可能となる。
【0025】
【実施例】
以下、図面を参照し、本発明の実施例をカイコ幼虫死骸を用いて説明する。
有用物質を含む体液を採取した後のカイコ幼虫死骸をオートクレーブ内で121℃、60分間滅菌した後、熱風乾燥した。乾燥済みのカイコ幼虫死骸Aをホッパー1に投入した。カイコ幼虫死骸は、振動ユニットである揺動ドライバー4を取り付けたガイドプレート3上に落ち、モータードライブ(揺動用シリンダー式DCサーボモーター)により傾斜の付いたガイドプレート3上を移動した。移動したカイコ幼虫死骸Aを、第一段目破砕ユニット(硬いブラシ6aとブラシ6bとから構成)に誘導した。ブラシ6aとブラシ6bとで挟まれたカイコ幼虫死骸Aの表皮を、これらのブラシの回転によって引き裂きながら、カイコ幼虫体内に残存する内部器官である絹糸腺を分離した。この場合、ブラシ用モーター22、23によりブラシ6aとブラシ6bとを異なる所定の回転数で作動させて、カイコ幼虫死骸の表皮を引き裂き、カイコ体内に残存している乾燥処理で固形化した絹糸腺を表皮と分離させた。この際、ブラシ6aの標準回転数を300rpm、ブラシ6bの標準回転数を100rpmに設定し、カイコ幼虫死骸の表皮の引き裂き状態や、絹糸腺の分離状態を観察しながら、回転数を適宜変えて実施した。
【0026】
分離された表皮及び絹糸腺をブラシ用モーター24により駆動されるブラシ7へ送り込んだ。ブラシ6aに絡んだ表皮及び絹糸腺はブラシ7の回転によってすくい取られ、ブラシ用モーター25により駆動されるブラシ8に送り込まれた。ブラシ8に送り込まれた表皮及び絹糸腺はさらに破砕されると共に、ブラシ8の回転による遠心力で前方へ飛散された。この際、ブラシ7の標準回転数を300rpm、ブラシ8の標準回転数を1400rpmに設定し、分離状態を観察しながら、回転数を適宜変えて実施した。
【0027】
この際、ブラシ6a及び6bの回転数の比を1対3から1対1まで変えて分離の状態を観察した。ブラシ6a及び6bの回転数の比を1対1.5とした場合、引き裂きによるカイコ表皮の損傷が最も少なく、絹糸腺との分離は極めて良好であった。他の回転比の場合には、カイコ表皮の破砕される割合がやや多くなり、絹糸腺との分離はやや悪かった。カイコ体内に残存する絹糸腺の張り付き程度は、引き裂き効果によって緩和されることがわかった。
ブラシ8からの遠心力による分離物は、飛散距離が短いため、カイコ表皮と絹糸腺の混在割合が比較的多かった。そのため、その後の分離プロセスにおいては、分離の効率を良くし、表皮及び絹糸腺の搬送速度を速くするため、以下述べるように、篩い手段とエアーブローとの複合方式での分離を行った。
【0028】
第一段目破砕ユニットから送り出された粉体や、細かい表皮破片や、絹糸腺小片を、第一分離板9上に落下させ、シリンダー式DCサーボモーターの揺動動作によって下流側へ搬送せしめた。粉体と絹糸腺との小片を、落下慣性作用によりガイドプレート15の傾斜板に当て、粉体と絹糸腺小片とに分離せしめた。
ブラシ8で遠心分離された表皮と絹糸腺とを、篩い手段16及び篩い手段17によって、表皮、絹糸腺、混在する粉体に分離せしめた。篩い手段16及び篩い手段17は振動用シリンダー式DCサーボモーター26により揺動せしめた。篩い手段17において、エアーノズル18から噴射するエアーを使用して、表皮と絹糸腺とを分離せしめた。篩い手段16で分離されなかった表皮と絹糸腺とは、第二分離板の最後部直下に取り付けたガイドプレート19の傾斜板に落下して突き当てさせ、エアーノズル20からのエアーの噴射によって、表皮と絹糸腺とに分離せしめた。
【0029】
上記のようにして分離された残渣粉体、表皮及び絹糸腺を、それぞれ、装置1の下方に設けた粉体回収容器、表皮回収容器及び絹糸腺回収容器へ導き、回収した。
以上の操作・制御は、装置1の前面下方に配設した制御盤Bを介して行った。
【0030】
【発明の効果】
本発明の昆虫廃棄物又は死骸の分離・選別装置によれば、第一ブラシ部材乃至第三ブラシ部材を設け、これらブラシ手段の回転数を適宜選択することにより、さらには第一分離板乃至第三分離板やエアーノズル手段を適宜配置することにより、昆虫の表皮及び内部器官を分離・選別する際の作業を効率よく機械化することができる。
本発明の分離・選別方法によれば、上記装置を用いるので、昆虫の表皮及び内部器官を効率よく分離・選別することができる。例えば、カイコ幼虫死骸から、表皮(クチクラ)と絹糸腺(絹タンパク質の貯蔵器官)を効率よく分離・回収することができるので、キチン、絹タンパク質資源としてカイコ幼虫死骸の再利用が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態である分離・分別装置の構成例を示す、一部断面図を含む正面図。
【図2】図1に示す装置の側面図。
【図3】図1に示す装置の平面図。
【符号の説明】
1 分離・選別装置 2 ホッパー
3 第一ガイド手段(ガイドプレート) 4 揺動ドライバー
5 第二ガイド手段(ガイドプレート) 6 第一ブラシ手段
6a、6b ブラシ 7 第二ブラシ手段(ブラシ)
8 第三ブラシ手段(ブラシ) 9 第一分離板
10 第二分離板 11 第三分離板
12 粉体回収容器 13 表皮回収容器
14a 内部器官回収容器 14b 表皮・内部器官破片回収容器
15 第四ガイド手段(ガイドプレート)16 第一篩い手段
17 第二篩い手段 18 第一エアーノズル手段
19 第三ガイド手段(ガイドプレート)20 第二エアーノズル手段
A 被処理物 21 揺動ドライバー用モーター
22 ブラシ6a用モーター 23 ブラシ6b用モーター
24 ブラシ7用モーター 25 ブラシ8用モーター
26 振動用シリンダー式DCサーボモーター
B 制御盤
図面
【図1】
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【図2】
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【図3】
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