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明細書 :作物の位置を検出する画像処理方法

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第3577513号 (P3577513)
公開番号 特開2003-102275 (P2003-102275A)
登録日 平成16年7月23日(2004.7.23)
発行日 平成16年10月13日(2004.10.13)
公開日 平成15年4月8日(2003.4.8)
発明の名称または考案の名称 作物の位置を検出する画像処理方法
国際特許分類 A01G  7/00      
A01B 69/00      
G06T  7/00      
FI A01G 7/00 603
A01B 69/00 303B
G06T 7/00 300D
請求項の数または発明の数 2
全頁数 7
出願番号 特願2001-301195 (P2001-301195)
出願日 平成13年9月28日(2001.9.28)
新規性喪失の例外の表示 特許法第30条第1項適用申請有り 2001年4月1日~4日 農業機械学会開催の「第60回農業機械学会年次大会」において文書をもって発表
審査請求日 平成13年9月28日(2001.9.28)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】501203344
【氏名又は名称】独立行政法人農業・生物系特定産業技術研究機構
発明者または考案者 【氏名】西脇 健太郎
【氏名】天羽 弘一
【氏名】冨樫 辰志
【氏名】藤澤 忠
個別代理人の代理人 【識別番号】100063565、【弁理士】、【氏名又は名称】小橋 信淳
【識別番号】100118898、【弁理士】、【氏名又は名称】小橋 立昌
審査官 【審査官】郡山 順
調査した分野 A01G 7/00 603
G06T 7/00 300
A01B 69/00 303
特許請求の範囲 【請求項1】
相互相関を判断基準としたテンプレートマッチング法を利用し、作物の配置情報を含むテンプレートと、圃場の画像を比較することで、光環境が変動する圃場で安定して動作して作物位置を検出することを特徴とする作物の位置を検出する画像処理方法
【請求項2】
使用するテンプレート内に作物の形と配置情報を含ませることを特徴とする作物の位置を検出する画像処理方法
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、相互相関を判断基準としたテンプレートマッチング法を利用し、圃場内に生育している作物の位置を安定して検出する画像処理方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
農業生産現場である圃場は、画像処理システムにとって厳しい環境にある。雲によって照度が変化し、作物表面では散乱光が発生するなど光環境が変動する。また、雑草などのノイズも存在する。カメラで取得した画像から作物を検出する画像処理方法は従来から存在するが、圃場で安定して動作させることは難しかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
圃場内で安定して作物位置検出を行う画像処理装置を実現するには、既存の方法では問題となる,照度の変化や反射光、影、雑草など想定される様々なノイズに影響されない頑強な方法が必要である。
【0004】
【課題を解決するための手段】
植えられている作物の配列情報に着目し、この情報を利用して作物位置を検出する。具体的には、複数の作物モデルで構成され、作物の配列情報を含んだテンプレートを作成し、カメラで撮影した圃場画像との間で相互相関を判断基準としたテンプレートマッチングを行い、規則正しく並んだ作物だけを強調することにより、圃場環境でのノイズを押さえながら作物の抽出を行う。
【0005】
【作用】
カメラで撮影した圃場画像内をテンプレート画像でスキャンしながら相互相関画像を得る。このことは、テンプレートに記述された内容のフィルタを掛けることと同じ意味を持つ。
【0006】
本発明では、テンプレート内に作物モデルと作物間隔を記述しており、テンプレートに記述した間隔で並んだ作物が相互相関画像内に強調されて現れる。作物を意味するそれぞれのクラスタの最大値を持つ点を作物中心位置として、作物検出を行う。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明による作物位置検出の実施の形態を、図面及び数式に基づいて説明する。
図1(a)は、カメラを車両に取り付けて移植3週間後の水稲移植圃場(株間15cm、条間30cm)を撮影したものであり、水稲が前後・左右の間隔を一定にして、格子状に並んでいる。
図1(b)は、テンプレート画像を作成したもので、水稲は簡単にガウス関数としてモデリングした。水稲モデルを株間・条間の間隔で縦3×横3に並べた。
図1(c)は、圃場画像とテンプレート画像間でマッチングを行い、相互相関画像を得た。格子状に並んだ水稲成分が強調されている。
図1(d)は、それぞれのクラスタの最大値を探し、その点を作物中心位置とした。精度は高く、通常の条件では±2cmの誤差で作物位置検出を行うことができる。
【0008】
図2は、移植4週間後の雑草が茂った場合の作物位置の検出結果を示す。
図3は、移植6週間後の株間が覆われた場合の作物位置の検出結果を示す。
図4は、作業車両の影が映り込んだ場合の作物位置の検出結果を示す。
図5は、太陽が水面に映り込んだ場合の作物位置の検出結果を示す。
【0009】
本実施例では「水稲の葉が存在する確率を株位置を中心とした正規分布として表すことができる」と仮定し、水稲株をガウス関数としてモデリングした(数式1参照)。
【0010】
【数1】
JP0003577513B2_000002t.gif
【0011】
テンプレート画像と重なった圃場画像の一部分及びテンプレート画像を図6に、相互相関画像算出の説明図を図7に、相互相関の計算式を数式2にそれぞれ示す。
【数2】
JP0003577513B2_000003t.gif
【0012】
なお、上記実施例は、本発明を水稲(水田)に適用した場合について説明したが、畑作物についても適用できる。
即ち、水稲に適用する場合は、水稲が格子状に配列されているため、ある水稲の前後左右一定の距離に別の水稲があることを示すテンプレートを使用しているが、畑の場合は、条毎に作物位置がずれるため、ある作物の左右一定の距離に別の作物があるとは限らない。このような場合には、ある作物の前後方向一定の距離に別の作物があることだけを示すテンプレートを使用することにより、本発明の画像処理方法を適用することができる。
【0013】
【発明の効果】
本発明は、一定の間隔で作物が植えられている圃場を対象とし、雑草や光条件の変化などのノイズに強く、実際の圃場作業への応用を可能とする作物位置検出方法である。従来の方法では、雑草や光条件の変化などのノイズ存在下では安定して動作することが難しかったが、本画像処理方法は、それらのノイズ存在下でも安定して動作する(図2~図5参照)。
【0014】
本発明は、農作業の情報化においてブレークスルー的位置づけとなるものであり、本発明を応用することで、薬剤・肥料などの効果的部分散布、欠株の検出及び補植、車両の無人走行などが可能となり、農作業の軽労化、情報化が加速される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるテンプレート画像を作成する行程図である。
【図2】移植4週間後の雑草が茂った場合の作物位置の検出結果を示す図である。
【図3】移植6週間後の株間が覆われた場合の作物位置の検出結果を示す図である。
【図4】作業車両の影が映り込んだ場合の作物位置の検出結果を示す図である。
【図5】太陽が水面に映り込んだ場合の作物位置の検出結果を示す図である。
【図6】テンプレート画像と重なった圃場画像の一部分及びテンプレート画像図である。
【図7】相互相関画像算出の説明図である。
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4
【図6】
5
【図7】
6