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明細書 :水力利用装置

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第2972868号 (P2972868)
公開番号 特開平11-256555 (P1999-256555A)
登録日 平成11年9月3日(1999.9.3)
発行日 平成11年11月8日(1999.11.8)
公開日 平成11年9月21日(1999.9.21)
発明の名称または考案の名称 水力利用装置
国際特許分類 E02B  7/20      
E02B  7/44      
F03B  7/00      
FI E02B 7/20 104
E02B 7/44
F03B 7/00
請求項の数または発明の数 7
全頁数 7
出願番号 特願平10-078494 (P1998-078494)
出願日 平成10年3月11日(1998.3.11)
審査請求日 平成10年3月11日(1998.3.11)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】391027136
【氏名又は名称】農林水産省農業工学研究所長
発明者または考案者 【氏名】後藤 眞宏
【氏名】奥島 修二
【氏名】片山 秀策
個別代理人の代理人 、【弁理士】、【氏名又は名称】相川 守
審査官 【審査官】宮崎 恭
参考文献・文献 特開 昭55-61611(JP,A)
特開 昭54-136732(JP,A)
特開 昭58-62381(JP,A)
実開 昭61-175577(JP,U)
実用新案登録3044673(JP,U)
特公 平4-39526(JP,B2)
調査した分野 E02B 7/20
E02B 7/44
特許請求の範囲 【請求項1】
流水路内に上部が下流側に傾斜して設けられた固定ゲートと、流水路の底部に幅方向に配置された軸に揺動可能に取り付けられ、閉塞時固定ゲートとともに流水路を塞いで水流を堰き止め、開放時流水路の流水断面のうち開放により生じる空隙部分の流れを許容する可動ゲートと、この可動ゲートに滑車に巻回されたワイヤを介して連結され、閉じられた可動ゲートの上流側に貯留される水量が所定の開放用水位以上に達すると可動ゲートの開放を許容し、上記開放用水位より低い所定の閉塞用水位以下で可動ゲートを閉じる錘と、上記可動ゲートの下流側に設けられ流水エネルギーを動力に変換する水車装置と、固定ゲートに設けられ、可動ゲートが開放位置に向かって揺動する際に固定ゲートと可動ゲートとの間に生じる隙間から流出する水流を所定の方向に導いて可動ゲートの開放を助けるガイドとを備えたことを特徴とする水力利用装置。

【請求項2】
錘の上方の所定位置に配置され、錘が所定の高さ以下にあるときには錘と分離された状態に保持され、錘が上記所定の高さより上方に位置するときには錘に載置される補助錘を設けたことを特徴とする請求項に記載の水力利用装置。

【請求項3】
上部が下流側に傾斜した可動ゲートの上端下流側に可動ゲート上端から溢れ流れる水流を溜め置き、可動ゲートの開放時、溜め置かれた水を外部に放出する貯留部を備えていることを特徴とする請求項1または2に記載の水力利用装置。

【請求項4】
貯留部は、上部開口が開閉方向に開口面積を増大させ流入する水量に応じて容積が増大する伸縮可能な蛇腹状壁部を備えていることを特徴とする請求項に記載の水力利用装置。

【請求項5】
可動ゲート側に取り付けられて上流側に延び可動ゲートと一体動するアームと、このアーム上の所望位置に係止可能に取り付けられ、可動ゲートの開放時に可動ゲートに閉塞位置に復帰する力を付与する助勢錘とを設けたことを特徴とする請求項1または2に記載の水力利用装置。

【請求項6】
水車装置の、流水エネルギーを回転力に変換する回転羽根部は内部が中空構造を備えるとともに、水車装置は水位の変動に応じて上下動するフロート式水車であることを特徴とする請求項1に記載の水力利用装置。

【請求項7】
可動ゲートは流水路の幅方向に配置されたゴムシートに揺動可能に取り付けられることを特徴とする請求項1に記載の水力利用装置。
発明の詳細な説明 【発明の詳細な説明】

【01】

【発明の属する技術分野】本発明は水力エネルギーを動力に変換する水力利用装置に関し、特に、流量の少ない河川や排水路において流水エネルギーを利用して動力を取り出すことができる水力利用装置に関するものである。

【02】

【従来の技術】一般に、河川や農業用水路においては、流水エネルギーを利用して動力を取り出すには、流し掛け水車等を水路内に設置するようにしている。水路の流量が多く、水車の回転力を維持するのに十分な場合には、流し掛け水車により容易に動力を取り出すことができるようになっている。

【03】

【発明が解決しようとする課題】ところが、水路の流量が減少し、水車の回転力が失われてしまうと、多少の水流はあっても、流し掛け水車により流水エネルギーを利用することはできない。流量の少ない河川や排水路の多くは、降雨時や生活排水の多い時間などには、比較的流量が増大することもあるが、通常は流量が少なく、流水エネルギーにより水車を回転させることは困難である。また、河川や排水路は流量や水位の変動が大きく、通水断面も大きいことから、水路に設置する流し掛け水車では、流水エネルギーを動力に変換するのに効率よく行えないという問題があった。

【04】
本発明は上記問題点を除くためになされたもので、水路を流れる少ない流量の水流を効率的に利用することができる水力利用装置を提供することを目的とするものである。

【05】

【課題を解決するための手段】本発明に係る水力利用装置は、流水路内に上部が下流側に傾斜して設けられた固定ゲートと、流水路の底部に幅方向に配置された軸に揺動可能に取り付けられ、閉塞時固定ゲートとともに流水路を塞いで水流を堰き止め、開放時流水路の流水断面のうち開放により生じる空隙部分の流れを許容する可動ゲートと、この可動ゲートに滑車に巻回されたワイヤを介して連結され、閉じられた可動ゲートの上流側に貯留される水量が所定の開放用水位以上に達すると可動ゲートの開放を許容し、上記開放用水位より低い所定の閉塞用水位以下で可動ゲートを閉じる錘と、上記可動ゲートの下流側に設けられ流水エネルギーを動力に変換する水車装置と、固定ゲートに設けられ、可動ゲートが開放位置に向かって揺動する際に固定ゲートと可動ゲートとの間に生じる隙間から流出する水流を所定の方向に導いて可動ゲートの開放を助けるガイドとを備えたものである。

【06】
本発明に係る水力利用装置では、可動ゲーにより流水路を閉じて水流を堰き止め、可動ゲートの上流側で水を貯留する。上流側が所定の貯留量に達し、錘の重さに打ち勝つと、可動ゲートは水圧により下流側に揺動して水路が開かれ、貯留水は可動ゲートと固定ゲートとの間からガイドに導かれ下流に急激に流れる。下流への流水は水車装置により流水エネルギーが動力に変換されて取り出される。可動ゲート上流側の水量が減少し、所定値以下になると錘の重さにより可動ゲートは再び流水路を閉じ、貯留される水量に応じて流水路の開閉を繰り返す。このため、水車装置により間欠的に動力が取り出される。

【07】

【発明の実施の形態】以下、図面に基いて本発明の実施の形態について説明する。図1ないし図4はそれぞれ本発明の一実施の形態に係る水力利用装置を示す側面図、正面図、平面図および背面図である。本実施の形態に係る水力利用装置10は、図1に示すように、流量の少ない水路11に設けられる。

【08】
水力利用装置10は、図1ないし図4に示すように、水路11の底部11Aから所定の高さH1 で幅方向に沿って設けられた可動および固定ゲート(堰き止め手段)20、21と、これら各ゲート20、21のうち可動ゲート20に連結され、可動ゲート20が閉じた際に、ゲート20、21の上流側に貯留される水量が所定の開放用水位以上に達すると可動ゲート20を開き、貯留水量が減少し、上記開放用水位より低い所定の閉塞用水位以下で可動ゲート20を閉じるゲート開閉機構(堰き止め手段)30と、上記各ゲート20、21のうち、可動ゲート20の下流側に設けられた水車装置(動力変換手段)40とを備えて構成される。

【09】
固定ゲート(固定堰)21は、図2に示すように、水路11の両側に設置される。可動ゲート20はこれら固定ゲート21、21間に開閉可能に設置され、閉塞時、固定ゲート21、21間に形成された空隙を閉塞し、開放時、この空隙を開くようになっている。これら各ゲート20、21は、図1および図3に示すように、上部が下流側に傾斜して設けられる。また、各ゲート20、21の高さH1 は大雨時など、水路11に大量の水が流入した場合、これらゲート20、21の上部を大量の流水が容易に越せる高さになっている。可動ゲート20は、図5に示すように、水路11の底部11Aに軸受23を介して回動可能に取り付けられた軸22と、下部がこの軸22に溶接されて軸22と一体に揺動可能な開閉プレート24とからなっている。また、軸22の水路11の岸側端部には、レバー25が開閉プレート24とほぼ同じように傾斜して取り付けられ、開閉プレート24と一体動するようになっている。

【10】
開閉プレート24は、図1ないし図3に示すように、傾斜時、両側の固定ゲート21、21に接して水路11を所定の高さH1 で堰き止め、下流側への転倒時、固定ゲート21、21間に水路を形成し、上流側の水が下流へ流れるのを許容するようになっている。固定ゲート21、21の可動ゲート20側端部には、図9に示すように、ガイド26が設けられる。これらガイド26、26は、可動ゲート20の開閉プレート24が閉塞位置から開放位置側に向かって揺動する際に、固定ゲート21、21と開閉プレート24との間に生じる隙間から流出する水流を横方向から下方向に導き、この水流により開閉プレート24に開放方向への付勢力を与え、可動ゲート20の開放を助けるようになっている。

【11】
ゲート開閉機構30は、図1ないし図4に示すように、水路11の天井12に取り付けられた滑車32と、一端がレバー25に連結されてこの滑車32に巻回されたワイヤ33と、このワイヤ33の他端に取り替え可能に連結された錘34とを備えて構成される。このゲート開閉機構30は、各ゲート20、21上流側に貯留される貯留水が少ないときには、錘34の重さによりワイヤ33を介してレバー25が上方に引っ張られて開閉プレート24が固定ゲート21、21間を塞ぎ、可動ゲート20と固定ゲート21、21とで水路11を堰き止めるようになっている。また、このゲート開閉機構30は、可動ゲート20と固定ゲート21、21とが水路11を堰き止めて上流側に貯留水がたまって水位が上昇し、錘34の負荷に打ち勝つ水圧が開閉プレート24に作用すると、開閉プレート24がその水圧により下流側に転倒させるようになっている。開閉プレート24の転倒時、錘34はレバー25により上方に引き揚げられる。そして、ゲート開閉機構30は、開閉プレート24に作用する水圧が所定値以下に減少すると、錘34側の負荷によりレバー25を上方に引っ張り上げ、開閉プレート24を閉塞位置に復帰させるようになっている。

【12】
水車装置40は、フロート式の流し掛け水車で、図1、図4および図6に示すように、上端が水路11の天井12に取り付けられた支持部材47に揺動可能に支持される枠体46と、両端がこの枠体46に軸受46Aを介して回転自在に支持される水車軸42と、この水車軸42の左右両側に一体に取り付けられた回転板43と、これら両回転板43の外周側に所定間隔を隔てて多数取り付けられ内部が中空構造を備えた羽根44とを備えている。これら水車本体42、43、44側は、図3に示すように、可動ゲート20の開閉プレート24の下流に配置される。枠体46の下端部には、架台41が取り付けられる。架台41は、水路11の底部11Aと水車本体42、43、44との間に隙間を設けるためのもので、水車本体42、43、44側が水位の上昇に応じて浮上すると、底部11Aから離れ、枠体46とともに水車本体42、43、44側と一体に上昇するようになっている。

【13】
支持部材47は水車本体42、43、44側より上流側の天井12に取り付けられる。軸48は支持部材47に回動可能に支持される。水車軸42と軸48とには、それぞれスプロケット45、49が設けられ、これらスプロケット45、49にはチェーン50が巻回される。軸48には、図2および図3に示すように、更に別のスプロケット51が設けられ、軸48の回転駆動力をチェーン52を介して外部に出力するようになっている。この水車装置40は羽根44が上流側から流れてくる流水の力を受けると、この力を回転板43を介して水車軸42に伝え水車軸42を回転駆動させ流水エネルギーを回転駆動力に変換し、この回転駆動力をチェーン50、52を介して外部に出力するようになっている。そして、水位が上昇すると、水車本体42、43、44側が架台41とともに水位に応じて浮上し、枠体46も水車本体42、43、44側の浮上に伴って支持部材47側端部を中心に回動し水車本体42、43、44側端部が上昇するようになっている。

【14】
上記実施の形態に係る水力利用装置10の作用について説明する。水路11を流れる水量が少なく、ゲート20、21の上流側にほとんど溜っていない場合、可動ゲート20の開閉プレート24には、上流側の面に水圧がかかることがないので、錘34によりレバー25が上方に引っ張られる。レバー25の動きに伴い可動ゲート20の開閉プレート24も軸22を中心に上流側に回転し、固定ゲート21の傾斜した端部に当接して停止され、開閉プレート24は固定ゲート21、21間に形成される空隙を閉塞する。このとき、水路11には、可動ゲート20と固定ゲート21、21とが水路11を堰き止めて水路11に高さH1 の傾斜した堰が形成される。

【15】
この堰の上流側に流水が徐々に流れ込み、上流側に貯留水がたまって水位が上昇し、錘34の負荷に打ち勝つ水圧が開閉プレート24に作用すると、開閉プレート24はその水圧により下流側に転倒し、錘34はレバー25により上方に引き揚げられる。開閉プレート24が閉塞位置から開かれる際、開閉プレート24がわずかに開くと、この空隙から流水が固定ゲート21、21のガイド26により下方に押し流される。このため、開閉プレート24には、転倒方向の力がかかり、一気に転倒するようになっている。開閉プレート24が転倒し、固定ゲート21、21間の空隙により水路が開かれると、固定ゲート21、21上流側の貯留水がこの水路から下流側に急激に流出し、水車装置40の水車本体42、43、44が流水エネルギーを回転力に変換する。この回転駆動力はチェーン50、52を介して外部に取り出され、例えば、除塵機のような動力装置の駆動源として用いられるようになっている。開閉プレート24の開放時、水車本体42、43、44のあたりに流れ込む水量が多く水位が上昇すると、フロート式の水車本体42、43、44側が架台41とともに水位に応じて浮上し、枠体46も水車本体42、43、44側の浮上に伴って水車本体42、43、44側端部が上昇するようになっている。そして、水位が徐々に下がってくると、水位に応じて水車本体42、43、44も下がるようになっている。すなわち、水車装置40は水位の変動に追従するようになっている。このため、水車装置40はたとえ水位の変動があっても流水エネルギーを回転力に変換することができるようになっている。

【16】
そして、固定ゲート21、21上流側の水位が低下し、開閉プレート24に作用する水圧が所定値以下に減少すると、錘34の重さにより再びレバー25が上方に引っ張られ、開閉プレート24が閉塞位置に復帰するようになっている。このように、本実施の形態に係る水力利用装置10は、例え、流量の少ない水路11であっても、わずかな流水を貯留しては、間欠的に水路を開いて流水エネルギーを駆動力に変換するようにしているので、少ない流水を効果的に利用することができる。また、レバー25は、固定ゲート21の下流側に配置されているので、開閉プレート24の開放時、レバー25にごみ等が引っかかるおそれがない。さらに、上記水力利用装置により得られた動力は、例えば水路のごみを除去する除塵機の動力、水路、貯水池の水質浄化のための攪拌装置の動力などに用いることができる。水路の水の流れを利用していることで、ランニングコストが不要で、種々の機器に関わる維持管理費が少なくて済む。また、水が流れていれば常時稼働することから、人手がかからず、管理労力が軽減できる。さらに、簡単な構造なので、故障も少なく、長期間の利用が可能である。

【17】
図7および図8は、本発明の他の実施の形態に係るもので、堰き止め手段としてのゲートを、水路111の幅方向を所定の高さH2 で塞ぐ可動ゲート120のみで構成している。この可動ゲート120は、水路111の両岸壁面に取り付けられた壁面側ゴムシート121、122と、これら壁面側ゴムシート121、122間に傾斜して設けられ下部が水路111の底部111Aに固定された揺動用ゴムシート123に揺動可能に接続されたステンレスプレート124と、このステンレスプレート124の裏面に貼り付けられ、幅方向両端が壁面側ゴムシート121、122と摺動するシール用ゴムシート124Aとを備えている。このステンレスプレート124には、上部の2箇所に穴125が穿設され、この穴125にゲート開閉機構130が接続される。ゲート開閉機構130は、上記実施の形態と同様に、水路111の上方に取り付けられた滑車132と、一端が穴125に連結されてこの滑車132に巻回されたワイヤ133と、このワイヤ133の他端に取り替え可能に連結された錘134とを備えて構成される。この実施の形態に係る水力利用装置では、ステンレスプレート124は確実にシールされて閉塞されるので、可動ゲート120上流に貯留された流水が下流側に漏れることがなく、流水を無駄なく利用することができる。

【18】
図10は、ゲート開閉機構の一変形例を示すもので、上記一実施の形態に示す可動ゲート20の軸22に溶接され上流側に延びる調整アーム233と、この調整アーム233に嵌め入れられ調整アーム233上の所望の位置で係止され、開閉プレート24の閉塞時、水路11の底部11Aに接する助勢錘234とからなっている。この一変形例に係るゲート開閉機構は、開閉プレート24の閉塞時、上流側に流水が徐々に流れ込んで水位が上昇し、助勢錘234の負荷に打ち勝つ水圧が開閉プレート24に作用すると、開閉プレート24がその水圧により下流側に転倒するのを許容し、開閉プレート24にかかる水圧が所定値以下になると、開閉プレート24を元の閉塞位置に復帰させるようになっている。なお、この一変形例にかかるゲート開閉機構と、上記一実施の形態に示すゲート開閉機構とを両方用いるようにしてもよい。

【19】
図11の(A)、(B)は、上記一実施の形態に係るゲート開閉機構の他の変形例の動作の状態を示すもので、滑車332を可動ゲート20の下流側上方に設け、この滑車332に巻回されたワイヤ333に取り付けられた錘334の上方の所定位置に補助錘335を吊り下げて配置している。この補助錘335は、錘334が所定の高さH3 以下にあるときには錘334と分離された状態に保持され、錘334が上記所定の高さH3 より上方に位置するときには錘334に載置されるようになっている。このため、可動ゲート20の上流側の水位が低下し可動ゲート20が閉塞位置に復帰する際、可動ゲート20は、錘334と補助錘335との合計重量分の負荷がかかるので、可動ゲート20の復帰が容易になる。なお、この他の変形例では、錘334、滑車332、補助錘335を可動ゲート20の下流側に設けるようにしているがこれに限られるものではなく、上流側に設けるようにしてもよい。

【20】
図12および図13は、ゲート開閉機構の別の変形例を示すもので、可動ゲート20、120の開閉プレート24、124の上端下流側に貯留部434を設けている。この貯留部434は断面L字状の貯留升で、開閉プレート24、124上端から溢れ流れる水流を所定量溜め置き、その溜め置かれた水量の重さにより開閉プレート24、124を下流側の転倒方向へ倒し易くするとともに、開閉プレート24、124の転倒時、溜め置かれた水を外部に放出し、開閉プレート24、124が復帰し易くなるようにしている。

【21】
図14は上記貯留部434の変形例を示すもので、貯留升534をビニールにより構成するとともに、流れ方向の壁部535を蛇腹状に形成している。このため、ビニール製の貯留升534は、開閉プレート24、124上端から水が流入するに従って、蛇腹状壁部535が伸びて上部開口が開閉方向に開口面積を増大させ流入する水量に応じて容積が増大するようになっている。開閉プレート24、124の転倒時には、貯留された貯留水を外部に放出するととともに、蛇腹状壁部535が開閉プレート24、124および水圧により収縮する。そして、蛇腹状壁部535が収縮した状態で、開閉プレート24、124が閉塞位置に復帰するようになっている。

【22】

【発明の効果】以上述べたように本発明によれば、流水路内に上部が下流側に傾斜して設けられた固定ゲートと、流水路の底部に幅方向に配置された軸に揺動可能に取り付けられ、閉塞時固定ゲートとともに流水路を塞いで水流を堰き止め、開放時流水路の流水断面のうち開放により生じる空隙部分の流れを許容する可動ゲートと、この可動ゲートに滑車に巻回されたワイヤを介して連結され、閉じられた可動ゲートの上流側に貯留される水量が所定の開放用水位以上に達すると可動ゲートの開放を許容し、上記開放用水位より低い所定の閉塞用水位以下で可動ゲートを閉じる錘と、上記可動ゲートの下流側に設けられ流水エネルギーを動力に変換する水車装置と、固定ゲートに設けられ、可動ゲートが開放位置に向かって揺動する際に固定ゲートと可動ゲートとの間に生じる隙間から流出する水流を所定の方向に導いて可動ゲートの開放を助けるガイドとを備えたことにより、たとえ、流量の少ない水路であっても、貯留水の水圧を可動ゲートの開放に利用するとともに可動ゲートの開放時、水流はガイドにより可動ガイドの開放を助ける方向に導かれるので可動ゲートの転倒が速やかに行われ流入水を効果的に利用することができるので、水資源を効率的に利用することができるとともに、低コストで他の機器に動力を供給することができる効果がある。
図面
【図2】
0
【図3】
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【図4】
2
【図1】
3
【図5】
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【図6】
5
【図7】
6
【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図11】
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