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明細書 :堆肥化処理からのアンモニア発生を低減するアンモニウム耐性細菌

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第3295399号 (P3295399)
公開番号 特開2001-103962 (P2001-103962A)
登録日 平成14年4月5日(2002.4.5)
発行日 平成14年6月24日(2002.6.24)
公開日 平成13年4月17日(2001.4.17)
発明の名称または考案の名称 堆肥化処理からのアンモニア発生を低減するアンモニウム耐性細菌
国際特許分類 C12N  1/20      
B09B  3/00      
C02F 11/02      
C05F  3/00      
C05F 11/08      
FI C12N 1/20 ZNAA
C12N 1/20
C02F 11/02
C05F 3/00
C05F 11/08
B09B 3/00
請求項の数または発明の数 6
全頁数 13
出願番号 特願平11-288516 (P1999-288516)
出願日 平成11年10月8日(1999.10.8)
新規性喪失の例外の表示 特許法第30条第1項適用申請有り 第96回日本畜産学会大会講演要旨(平成11年9月20日)社団法人日本畜産学会発行第104頁に発表
審査請求日 平成11年10月12日(1999.10.12)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】501203344
【氏名又は名称】独立行政法人 農業技術研究機構
【識別番号】599142914
【氏名又は名称】黒田 和孝
【識別番号】599142925
【氏名又は名称】花島 大
【識別番号】599142936
【氏名又は名称】福本 泰之
【識別番号】599142947
【氏名又は名称】羽賀 清典
発明者または考案者 【氏名】黒田 和孝
【氏名】花島 大
【氏名】福本 泰之
【氏名】羽賀 清典
個別代理人の代理人 【識別番号】100091096、【弁理士】、【氏名又は名称】平木 祐輔 (外2名)
審査官 【審査官】田村 明照
参考文献・文献 低コスト環境保全的畜産のための糞尿の脱臭・利用技術の開発,鹿児島県畜産試験場成績概要書,日本,Vol.1995,p.11-12
久保田豊秋,BSK菌によるトイレの脱臭効果,ビルメンテナンス,日本,Vol.31,No.4,p.38-43
調査した分野 C12N 1/20
B09B 3/00
C05F 11/08
C05F 3/00
特許請求の範囲 【請求項1】
バチルスsp. TAT105株(FERM P-17558)及びバチルスsp. TAT112株(FERM P-17559)からなる群より選択される菌株であって、以下の1~5の性質:
1.高温性細菌である
2.家畜排泄物に増殖し得る
3.アンモニウム態窒素に高い耐性を示す
4.高いアンモニウム資化能を有する
5.堆肥化処理においてアンモニア発生を抑制することができるを有する菌株。

【請求項2】
請求項1記載の菌株の培養物を有効成分として含む、動物排泄物の処理において使用するためのアンモニア発生抑制剤。

【請求項3】
動物排泄物に請求項1記載の菌株を混合し、該混合物を好気条件下で処理することによりアンモニアの発生を抑制することを特徴とする、堆肥の製造方法。

【請求項4】
前記菌株を107~108 CFU/g湿重の濃度で混合する請求項3記載の製造方法。

【請求項5】
動物排泄物に請求項1記載の菌株を作用させることを特徴とする、動物排泄物におけるアンモニアの発生を抑制する方法。

【請求項6】
前記菌株を107~108 CFU/g湿重の濃度で作用させる請求項5記載の方法。
発明の詳細な説明 【発明の詳細な説明】

【01】

【発明の属する技術分野】本発明は、畜産環境対策における微生物の応用に関し、より詳細には、動物排泄物を用いる堆肥化処理においてアンモニアの発生を低減することのできる微生物及び該微生物の使用方法に関する。

【02】

【従来の技術】家畜排泄物の堆肥化処理は、該排泄物のリサイクルを図るための主要な方法であり、広く行われている。しかし、上記堆肥化処理の過程では、極めて高濃度の悪臭が発生するため、近隣住民からの苦情の対象となることが多い。特に、アンモニアは高濃度で発生し、悪臭の主成分となる。また、アンモニアが発生すると、これに伴って堆肥中の全窒素量が減少することが考えられるため、堆肥の品質にとっても、アンモニアの発生は望ましくない。

【03】

【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、堆肥化処理において、悪臭の主成分であるアンモニアの発生を低減することのできる微生物及び該微生物を用いた動物排泄物の堆肥化方法を提供することにある。

【04】

【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討を行った結果、Bacillus sp. TAT105株又はTAT112株を動物排泄物に添加して堆肥化処理を行うことにより、アンモニアの発生を低減し、悪臭の発生しない処理を行うことができることを見出し、本発明に至った。すなわち、本発明は、バチルスsp. TAT105株(FERM P-17558)及びバチルスsp. TAT112株(FERM P-17559)からなる群より選択される菌株を提供する。さらに、本発明は、上記菌株の培養物を有効成分として含む、動物排泄物の処理において使用するためのアンモニア発生抑制剤を提供する。

【05】
さらに、本発明は、動物排泄物に上記菌株を混合し、該混合物を好気条件下で処理することによりアンモニアの発生を抑制することを特徴とする、堆肥の製造方法を提供する。前記菌株は107~108 CFU/g湿重の濃度で混合することが好ましい。また、前記処理は、好ましくは30~65℃の温度範囲で行い、好ましくはpH5.7~9.0の範囲で行う。さらに、本発明は、動物排泄物に上記菌株を作用させることを特徴とする、動物排泄物におけるアンモニアの発生を抑制する方法を提供する。前記菌株は10~10CFU/g湿重の濃度で作用させることが好ましい。また、前記処理は、好ましくは30~65℃の温度範囲で行い、好ましくはpH5.7~9.0の範囲で行う。

【06】
なお、本明細書において使用する「CFU」という単位は、コロニー形成単位(Colony Forming Unit)を意味し、対象となる菌株が生育し得る条件下で該菌株の培養を行ったときに形成するコロニーの数を表す。上記の菌株濃度は、表3又は表9に示す組成を有する培地上において、55℃で2日間培養したときのコロニーの数として表されている。また、「湿重」は、上記菌株で処理しようとする動物排泄物、オガクズ等の含水混合物の全重量を意味する。

【07】

【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
1.本発明の菌株(Bacillus sp. TAT105株及びTAT112株)
熟成した家畜排泄物の堆肥を分離源として、以下のような基準に基づいて微生物の分離、選抜を行った。
(i)高温性細菌であること(すなわち、60℃以上において生存していること)
(ii)家畜排泄物に増殖し得ること
(iii)アンモニウム態窒素に高い耐性を示すこと
(iv)高いアンモニウム資化能を有すること

【08】
この結果、数株の高温性細菌が得られ、そのうち、堆肥化試験でアンモニア発生の低減が認められた菌株2株を選抜し、それぞれTAT105株及びTAT112株と命名した。すなわち、本発明の菌株は、これらのBacillus sp. TAT105株及びTAT112株であり、それぞれFERM P-17558(名称:Bacillus sp. TAT105)及びFERM P-17559(名称:Bacillus sp. TAT112)として、平成11年9月17日付けで工業技術院生命工学工業技術研究所(茨城県つくば市東1丁目1番3号)に寄託されている。

【09】
選抜した2株について、表現形質の調査、及び16S rRNA遺伝子の塩基配列解析を行った。これらの16S rRNA遺伝子の塩基配列を配列番号1(TAT105株)及び配列番号2(TAT112株)に示す。さらに、これらの菌株の性状を表1に、これらの菌株の16S rRNAの塩基配列を図1~4に、バチルス・サーモスファエリクス(Bacillus thermosphaericus)及びバチルス・パリダス(Bacillus pallidus)との比較において示す。

【10】

【表1】
JP0003295399B2_000002t.gif【0011】その結果、該2株の遺伝子は解析した範囲でほぼ同じであり、同一種と考えられる。また、遺伝子の塩基配列に基づく解析から、系統的にバチルス・サーモスファエリクス、バチルス・パリダス等に近縁の高温性バチルス属細菌であると考えられるが、これらの既報の菌種とは16S rRNA遺伝子にある程度の差異があり、形質もかなり異なることから、該2株の菌株は新規な菌種と考えられる。さらに、これらの菌株は、アンモニウム塩に対して高い耐性を有していることを特徴とする。

【12】
2.本発明の菌株の培養
本発明の菌株を培養するための培地は、当業者であれば、上記表1に示す性質から適切なものを選択又は調製することができるため、特に制限されず、また、天然培地及び人工培地のいずれであってもよい。天然培地としては、豚ふん浸出液培地を用いることが好ましく、これは、例えば、豚ふんと蒸留水を重量比1:4の割合で混合し、2層のガーゼで濾過した後に、オートクレーブ中、120℃で20分間処理することにより調製することができる。また、培地のpHは特に制限されないが、好ましくは5.7~9.0、より好ましくは約7.5に調整する。このようなpH調整は、当業者であれば適切な試薬を用いて行うことができるが、好ましくはNa2CO3水溶液を用いて行う。人工培地としては、下記の表2に示す組成を有する培地を用いることが好ましい。

【13】

【表2】
JP0003295399B2_000003t.gif【0014】さらに、市販の培地を用いることもでき、例えば、Tryptic Soy Broth(Difco)を使用することができる。本発明の菌株の培地への接種量は、菌の培養に通常用いられる量であればよく、特に制限されない。例えば、通常の寒天培地上でリフレッシュした菌株を、1白金耳の量で接種することができる。本発明の菌株を培養する際の温度条件は、特に制限されないが、好ましくは30℃~65℃、より好ましくは約50℃である。培養時間についても特に制限はないが、培地を交換せずに培養を行う場合には、好ましくは12時間~24時間、より好ましくは約20時間である。必要であれば、培地を交換しながら培養を行うこともできる。

【15】
以上のようにして得られる本発明の菌株の培養物は、動物排泄物の処理の際に添加すると、該処理中におけるアンモニアの発生を抑制することができ、この意味において、上記培養物はアンモニア発生抑制剤として使用することができる。上記の動物排泄物の処理はいずれの処理であってもよく、特に制限されないが、例えば、動物排泄物の堆肥化処理、ペット動物、動物園の飼育動物又は家畜動物の糞尿の廃棄処理等が挙げられ、好ましくは動物排泄物の堆肥化処理である。

【16】
上記アンモニア発生抑制剤の菌体濃度、保存時のpH及び温度は、当業者であれば適切に設定することができるため、特に制限されない。また、上記培養物をそのままアンモニア発生抑制剤として使用してもよいが、必要に応じて、該培養物中に含まれる培地を他の液体又は固体に交換してもよい。さらに、必要に応じて、保存剤等の添加物を含んでいてもよい。

【17】
3.本発明の菌株による堆肥化処理
本発明の堆肥化処理では、動物排泄物に本発明の菌株を混合し、該混合物を通気条件下で処理する。これにより、処理中におけるアンモニアの発生を抑制することができる。上記動物排泄物は、動物の排泄物であればよく、特に制限されないが、好ましくは鳥類又は哺乳類の排泄物、より好ましくは、牛ふん、豚ふん、鶏ふんをはじめとする家畜動物の排泄物、最も好ましくは豚ふんである。上記菌株の混合量は、堆肥化処理においてアンモニアの発生を効果的に抑制できる量であればよく、特に制限されないが、好ましくは動物排泄物の湿重に対して107~108 CFU/gの濃度となるように設定する。

【18】
また、上記菌株の他に、水分調整の目的で、必要に応じてオガクズ、籾殻、稲藁等を混合することができる。混合物の含水率は、特に制限されないが、好ましくは60重量%~70重量%、より好ましくは約65重量%とする。これらの混合量は特に制限されるものではなく、必要に応じて当業者が適宜設定することができる。なお、動物排泄物に上記菌株以外のものを混合する場合には、上記菌株の混合量は、上記菌株を除いた全混合物の湿重に対して上記の濃度となるように設定する。

【19】
上記堆肥化処理の温度条件は、上記菌株の生育温度範囲である30~65℃であることが好ましいが、通常の堆肥化処理においてはこの温度範囲を大幅に逸脱することはないため、特に温度調節を行う必要はない。ただし、必要に応じて、温度調節を行ってもよい。上記堆肥化処理のpH条件は、上記菌株の生育pH範囲であるpH5.7~9.0であることが好ましいが、通常の堆肥化処理においてはこのpH範囲を大幅に逸脱することはないため、特にpH調節を行う必要はない。ただし、必要に応じて、pH調節を行ってもよい。

【20】
上記堆肥化処理の期間は、動物排泄物が十分に堆肥化される期間であればよく、処理する排泄物の量、他の添加物の種類、処理の形態等によっても異なるため、特に制限されない。また、このような期間中、必要であれば、堆肥化処理混合物に含まれる菌株の動物排泄物への作用効率を上げるために、適当な時期に切り返しを行って混合してもよい。

【21】
なお、上記のような堆肥化処理以外の処理において、アンモニア発生を抑制させるために本発明の菌株培養物、すなわち本発明のアンモニア発生抑制剤を用いる場合には、上記のような方法に準じて使用することができる。具体的な手順は処理の目的によって相違するため、特に制限されないが、当業者であれば、処理の目的に応じて適切に本発明のアンモニア発生抑制剤を使用することができる。

【22】
4.本発明の菌株によるアンモニア発生抑制効果及び該菌株の増殖の確認
本発明の堆肥化処理によるアンモニア発生抑制効果は、当業者に公知の方法を用いて、堆肥から生ずる気体に含まれるアンモニア濃度を測定することにより評価することができる。例えば、図5に示す小型堆肥化実験装置「かぐやひめ」(富士平工業)を用いて、排気経路にガス検知管、例えば北川式ガス検知管(ガステック社製)を挿入してポンプで吸引することにより、排気中のアンモニア濃度の経時変化を測定することができる。

【23】
本発明の堆肥化処理における本発明の菌株の増殖は、当業者に公知の方法を用いて、処理の前後における本発明の菌株の量を比較することにより評価することができる。例えば、本発明の菌株は高温性細菌でありかつ高濃度のアンモニウム態窒素に対する耐性を有するため(表1)、塩化アンモニウムを高濃度に含む寒天平板培地上で、処理の前後における堆肥の水懸濁液を高温下で培養し、生じたコロニーを計数することにより上記評価を行うことができる。このような条件下では他の菌株も増殖する可能性があるが、本菌株を添加しない対照実験を行うことにより、そのような他の菌株の影響を排除することができる。上記のような寒天平板培地は、当業者であれば適切に調製することができるため、特定のものに制限されないが、例えば、下記の表3又は表4に示す組成を有する培地を用いることができる。

【24】

【表3】
JP0003295399B2_000004t.gif【0025】
【表4】
JP0003295399B2_000005t.gif【0026】以上のような方法により、本発明の菌株は、堆肥化処理において旺盛に増殖することができ、さらに、アンモニアの発生を効果的に抑制することができることを確認することができる。

【27】

【実施例】以下に実施例を挙げて、本発明をより具体的に説明する。ただし、これらの実施例は説明のためのものであり、本発明の技術的範囲を制限するものではない。
〔実施例1〕菌の培養
Bacillus sp. TAT105株及びTAT112株を培養するための培地として、豚ふん浸出液培地を次のようにして調製した。まず、豚ふんと蒸留水を重量比1:4の割合で混合し、懸濁状態にした。得られた懸濁液を2層のガーゼで濾過して固形物を除去した後に、濾液をオートクレーブ中で滅菌処理(120℃、20分間)した。滅菌済みの濾液を、Na2CO3水溶液を用いてpH7.5に調整した。次いで、TAT105株及びTAT112株を別々に、100mlの豚ふん浸出液培地に、寒天培地上でリフレッシュした菌株を1白金耳接種し、50℃で20時間振とう培養した。

【28】
〔実施例2〕アンモニア発生低減効果を評価
Bacillus sp. TAT105株及びTAT112株のそれぞれについて、実験室規模の堆肥化試験装置を用いて堆肥化過程でのアンモニア発生低減効果を評価した。
(1)堆肥化処理
実施例1で得られた菌培養液0.1L、豚ふん3.0kgにオガクズを混合し、全体で含水率65%前後となるように調節した。この混合物3.4kgを小型堆肥化試験装置「かぐやひめ」(富士平工業、図5)に充填し、定量通気を行って堆肥化処理した(TAT105株及びTAT112株について、それぞれ表5及び表6参照)。処理開始後1週間目に切り返しを行い、2週間で終了とした。

【29】

【表5】
JP0003295399B2_000006t.gif【0030】
【表6】
JP0003295399B2_000007t.gif【0031】(2)アンモニア発生
堆肥化処理中のアンモニアの発生は、次のようにしてモニタリングした。堆肥化処理を開始した後、1日1回所定の時刻に、図5の小型堆肥化実験装置のガス採取口に北川式ガス検知管(ガステック社製)を挿入し、ポンプで吸引して排気中のアンモニア濃度の経時変化を測定した。図6及び図7に、堆肥化試験装置からの排気中のアンモニア濃度の推移を示した。いずれの菌株についても、対照区に比べて菌添加区ではアンモニア濃度が低い傾向を示した。

【32】
(3)堆肥の性状
堆肥化処理の前後の試料について、重量、含水率、有機物、全窒素及びpHを測定した。含水率は、秤量した試料を105℃に保った恒温器に入れ、恒量となるまで乾燥させて絶乾重量を測定することにより算出した。有機物は、絶乾重量を測定した試料を電気炉に入れ、600℃で1~2時間強熱した後に放冷し、減少重量を測定することにより算出した。全窒素は、ケルダール法(土壌養分分析法、第12版、養賢堂、第171頁、1991)及びブレムナーの方法(土壌養分分析法、第12版、養賢堂、第197頁、1991)により、単位量当たりの窒素含有量(%乾重)を測定し、これに試料の全重量及び含水率を加味して算出した。結果を表7及び表8に示した。終了時の重量は対照区と菌添加区でほぼ同様であり、有機物の分解は同程度進行したものと考えられた。一方、全窒素量はいずれも菌添加区が多く、アンモニア発生が抑えられた結果、堆肥中の窒素量が多くなったものと考えられた。

【33】

【表7】
JP0003295399B2_000008t.gif【0034】
【表8】
JP0003295399B2_000009t.gif【0035】〔実施例3〕堆肥中の高温性アンモニウム耐性細菌の菌数
TAT105株及びTAT112株は高温性細菌であり、かつアンモニウムに対して高い耐性を有していることから、高温下で高濃度のアンモニウム塩を含む培地に増殖しうる。この特性を堆肥中の添加菌の検出に利用した。まず、堆肥10gを生理食塩水90mlに懸濁させ、堆肥懸濁液を調製した。下記の表9に示す組成の培地に適宜希釈した該堆肥懸濁液を接種し、55℃で2日間培養後、生じたコロニーを高温性アンモニウム耐性細菌として計数した。堆肥化前の混合物についても、同様の試験を行った。その結果を図8及び図9に示した。TAT105株添加区及びTAT112株添加区ではともに、堆肥化終了時で開始時よりも菌数が増加し、かつ、対照区に比較してTAT105株添加区で約40倍、TAT112株添加区で約1000倍と顕著に高い菌数を示した。

【36】

【表9】
JP0003295399B2_000010t.gif【0037】以上の結果から、TAT105株およびTAT112株が堆肥化の過程でアンモニウム態窒素を資化しつつ増殖し、その結果、アンモニアの発生が低減されたものと考えられた。

【38】

【発明の効果】本発明に従って、堆肥化開始時にTAT105株又はTAT112株を添加することにより、アンモニアの発生を抑え、臭気の少ない堆肥化処理を行うことができる。

【39】

【配列表】
SEQUENCE LISTING
<110> Kunio Yokouchi, Derector-general of National Institute of
Animal Industry, Ministry of Agriculture, Forestry and
Fisheries
Kazutaka Kuroda
Dai Hanajima
Yasuyuki Fukumoto
Kiyonori Haga
<120> Ammonium Resistant Bacterias Which Can Suppress The Ammonia
Generation in Composting Process
<130> P99-0528
<160> 2
<170> PatentIn Ver. 2.0
<210> 1
<211> 1476
<212> DNA
<213> Bacillus sp. TAT105
<400> 1
gacgacgctg gcggcgtgct aatacatgca agtcgagcgg accaatagaa aagcttgctt 60
ttcttgaggt tagcggcgga cgggtgagta acacgtgggc aacctacctg taagactggg 120
ataacttacg gaaacgtgag ctaataccgg atagtttcac ttctcgcatg agaagtgaag 180
gaaagatggc ttttagctat cacttacaga tgggcccgcg gcgcattagc tagttggtgg 240
ggtaaaggcc taccaaggcg acgatgcgta gccgacctga gagggtgatc ggccacactg 300
ggactgagac acggcccaga ctcctacggg aggcagcagt agggaatctt ccgcaatgga 360
cgaaagtctg acggagcaac gccgcgtgag cgaagaaggt cttcggatcg taaagctctg 420
ttgttaggga agaacaagta ccggagtaac tgtcggtacc ttgacggtac ctaaccagaa 480
agccacggct aactacgtgc cagcagccgc ggtaatacgt aggtggcaag cgttgtccgg 540
aatcattggg cgtaaagcgc gcgcaggcgg tcctttaagt ctgatgtgaa atcttgcggc 600
tcaaccgtaa gcggtcattg gaaactgggg gacttgagtg caggagagga aagcggaatt 660
ccatgtgtag cggtgaaatg cgtagagata tggaggaaca ccagtggcga aggcggcttt 720
ctggcctgta actgacgctg aggcgcgaaa gcgtggggag caaacaggat tagataccct 780
ggtagtccac gccgtaaacg atgagtgcta agtgttggag ggtttccgcc cttcagtgct 840
gcagctaacg cattaagcac tccgcctggg gagtacggtc gcaagactga aactcaaagg 900
aattgacggg gacccgcaca agcggtggag catgtggttt aattcgaagc aacgcgaaga 960
accttaccag gtcttgacat ctcctgacca ccctagagat agggctttcc cttcggggac 1020
aggatgacag gtggtgcatg gttgtcgtca gctcgtgtcg tgagatgttg ggttaagtcc 1080
cgcaacgagc gcaacccttg tccttagttg ccagcattca gttgggcact ctaaggagac 1140
tgccggctaa aagtcggagg aaggtgggga tgacgtcaaa tcatcatgcc ccttatgacc 1200
tgggctacac acgtgctaca atggatggta caaagggctg cgataccgcg aggtggagct 1260
aatcccaaaa aaccattctc agttcggatt gcaggctgca actcgcctgc atgaagccgg 1320
aatcgctagt aatcgcagat cagcatgctg cggtgaatac gttcccgggt cttgtacaca 1380
ccgcccgtca caccacgaga gtttgtaaca cccgaagtcg gtgaggtaac ccttttggga 1440
gccagccgcc gaagtgggac agatgattgg ggtgaa 1476
<210> 2
<211> 1476
<212> DNA
<213> Bacillus sp. TAT112
<400> 2
gacgacgctg gcggcgtgct aatacatgca agtcgagcgg accaatagaa aagcttgctt 60
ttcttgaggt tagcggcgga cgggtgagta acacgtgggc aacctacctg taagactggg 120
ataacttacg gaaacgtgag ctaataccgg atagtttcac ttctcgcatg agaagtgaag 180
gaaagatggc ttttagctat cacttacaga tgggcccgcg gcgcattagc tagttggtgg 240
ggtaaaggcc taccaaggca acgatgcgta gccgacctga gagggtgatc ggccacactg 300
ggactgagac acggcccaga ctcctacggg aggcagcagt agggaatctt ccgcaatgga 360
cgaaagtctg acggagcaac gccgcgtgag cgaagaaggt cttcggatcg taaagctctg 420
ttgttaggga agaacaagta ccggagtaac tgtcggtacc ttgacggtac ctaaccagaa 480
agccacggct aactacgtgc cagcagccgc ggtaatacgt aggtggcaag cgttgtccgg 540
aatcattggg cgtaaagcgc gcgcaggcgg tcctttaagt ctgatgtgaa atcttgcggc 600
tcaaccgtaa gcggtcattg gaaactgggg gacttgagtg caggagagga aagcggaatt 660
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aatcgctagt aatcgcagat cagcatgctg cggtgaatac gttcccgggt cttgtacaca 1380
ccgcccgtca caccacgaga gtttgtaaca cccgaagtcg gtgaggtaac ccttttggga 1440
gccagccgcc gaagtgggac agatgattgg ggtgaa 1476
図面
【図6】
0
【図7】
1
【図8】
2
【図1】
3
【図2】
4
【図3】
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【図4】
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【図5】
7
【図9】
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