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明細書 :フラバノン類含有組成物

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第3069686号 (P3069686)
公開番号 特開平11-171766 (P1999-171766A)
登録日 平成12年5月26日(2000.5.26)
発行日 平成12年7月24日(2000.7.24)
公開日 平成11年6月29日(1999.6.29)
発明の名称または考案の名称 フラバノン類含有組成物
国際特許分類 A61K 31/35      
A23L  1/30      
A61K 31/70      
A61P  3/06      
A61P  3/08      
A61P 43/00      
C07D311/32      
C07H 17/04      
FI A61K 31/35
A23L 1/30
A61K 31/70
A61P 3/06
A61P 3/08
A61P 43/00
C07D 311/32
C07H 17/04
請求項の数または発明の数 2
全頁数 8
出願番号 特願平09-351989 (P1997-351989)
出願日 平成9年12月8日(1997.12.8)
審査請求日 平成9年12月8日(1997.12.8)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】591128729
【氏名又は名称】農林水産省四国農業試験場長
発明者または考案者 【氏名】関谷 敬三
個別代理人の代理人 【識別番号】100074077、【弁理士】、【氏名又は名称】久保田 藤郎 (外1名)
審査官 【審査官】星野 紹英
参考文献・文献 特開 昭59-219275(JP,A)
調査した分野 A61K 31/35
特許請求の範囲 【請求項1】
脂肪細胞への細胞分化を促進するために有効な量のナリンゲニン,ナリンゲニン-7-グルコシド,ナリンジン,ヘスペレチンおよびヘスペリジンからなる群より選ばれた少なくとも1種のフラバノン類を含有させたことを特徴とする前駆脂肪細胞の脂肪細胞への細胞分化促進用組成物。

【請求項2】
請求項1記載の組成物を含有する食品もしくは食品素材。
発明の詳細な説明 【発明の詳細な説明】

【01】

【発明の属する技術分野】本発明は、フラバノン類含有組成物に関し、詳しくは脂肪細胞への細胞分化を促進させる組成物に関する。より詳しくは、前駆脂肪細胞に作用し、脂肪細胞への分化を促進して降血糖作用を示す組成物に関する。

【02】

【従来の技術】脂肪細胞は、生体内において脂質代謝を中心に活発な代謝機能を有する細胞であり、この細胞は前駆脂肪細胞に対して特定の誘導因子(分化調節作用を有する物質)が働きかけることにより形成されるものである。前駆脂肪細胞は、糖や脂質を処理する能力が著しく弱いが、細胞分化を起こして脂肪細胞へ分化すると、糖や脂質を処理する能力が高くなり、しかもインスリンなどのホルモンに対する感受性も獲得する。生体内ホルモンである成長ホルモン,インスリンなどが脂肪細胞への分化を促進する作用を有していることは既に知られている。

【03】
前駆脂肪細胞の脂肪細胞への分化を引き起こさせる物質は、生体内において、インスリンなどのホルモンによく反応することにより、糖や脂質の代謝を活発にして血液中の糖および脂質濃度を低下させる可能性がある。それ故、このような脂肪細胞への分化を引き起こす物質は、成人病、特に糖尿病や高脂血症などの種々の疾病に対する新しいタイプの予防・治療薬として注目されている。前述の如く、脂肪細胞では糖・脂質代謝を中心に活発な代謝機能が行われているが、食生活の乱れ等が原因で機能不全になると、糖尿病、高脂血症、高血圧、痛風、虚血性心疾患、脂肪肝、胆石症、月経異常、不妊症等の様々な疾病がもたらされるおそれがある。

【04】
脂肪細胞への細胞分化を促進させる物質としては、前記ホルモンの他に、ピオグリタゾン(pioglitazone)が報告されている(Sandouk, T. et al., Americanjournal of physiology, 33, C1600-C1608, 1993) 。この報告によると、前駆脂肪細胞の脂肪細胞への分化を促進させると、脂肪組織などの末梢(脂肪組織)でのインスリン活性を高めることになり、それで血糖値が低下すると考えられている。また、この他にも、クロフィブラート(clofibrate) 等は高脂血症治療薬として同様の作用があることが解明されている(P. Verrando et al., Biochimica etBiophysica Acta, 663, 255-265, 1981、R.Brandes et al., Biochimica et Biophysica Acta, 877, 314-321, 1986 、R.Brandes et al., Life sciences, 40,935-941, 1987) 。しかしながら、これらの合成化合物は、いずれも人体に対して有害な副作用を引き起こす可能性があり、実用化には大きな問題を抱えている。このため、人体に対して有害な副作用を生じさせずに、優れた分化促進効果を発揮する物質の開発が待望されている。

【05】
一方、本発明者らは漢方薬の成分中に分化を促進する物質が存在することを見出し、さらにバナナやニンジンの抽出物であるβ-カロテン、大豆中に含まれるイソフラボン類においても、生体内ホルモン等と同様な細胞分化促進、抑制作用があることを究明している。

【06】

【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、安全性の点で全く心配のない天然物の中から、脂肪細胞の分化を促進する作用を有する物質を開発することである。そこで、天然物中の分化促進活性を有する物質をさらに検索した結果、カンキツ類等の植物の抽出液に該活性があることを見出し、その有効成分がフラバノン類であることを究明した。本発明は、このような知見に基づいて完成されたものである。

【07】

【課題を解決するための手段】請求項1に記載の本発明は、脂肪細胞への細胞分化を促進するために有効な量のナリンゲニン,ナリンゲニン-7-グルコシド, ナリンジン,ヘスペレチンおよびヘスペリジンからなる群より選ばれた少なくとも1種のフラバノン類を含有させたことを特徴とする前駆脂肪細胞の脂肪細胞への細胞分化促進用組成物である。請求項に記載の本発明は、請求項1に記載の組成物を含有する食品もしくは食品素材である。

【08】

【発明の実施の形態】本発明に用いるフラバノン類は、主にカンキツ類植物、すなわちミカン目(Rutales)、ミカン科(Rutaceae)のミカン亜科(Aurantioideae) に属する植物に存在する。その他、キク科, バラ科, シソ科などに属する植物にも存在している。例えば、カンキツ類植物を原料として用いる場合、その部位は制限がなく、外果皮や果肉などの他、ジュース粕等も使用することができる。フラバノン類の具体例としては、ナリンゲニン(Naringenin),ナリンゲニン-7-グルコシド(Naringenin-7-glycoside),ナリンジン(Naringin), ヘスペレチン(Hesperetin)およびヘスペリジン(Hesperidin)等がある。本発明においては、これらを単独で、もしくは2種以上を適宜組み合わせて使用することができる。

【09】
組成物中のフラバノン類の含量は、基本的には脂肪細胞への細胞分化を促進するために有効な量であるが、具体的には当該組成物の用途等を考慮して決定すべきである。例えば、組成物を飲料等として用いる場合は、フラバノン類が0.001~10重量%程度含まれるようにする必要がある。また、組成物が食品や食品素材または医薬品等として、固形状,粉末状,顆粒状,ペースト状などの形態で経口投与用として用いられる場合は、フラバノン類を0.001重量%以上含有させればよく、上限は100重量%、すなわちフラバノン類を単独で使用してもよい。上記のいずれの用途に用いる場合であっても、組成物中のフラバノン類が下限未満であると、脂肪細胞における十分な脂肪細胞分化促進作用が得られない。

【10】
フラバノン類は、市販品を用いてもよいが、上記カンキツ類などの植物から抽出することによっても得ることができる。抽出はメタノール,エタノール,ブタノール,ジエチルエーテル等の有機溶媒を使用して常法により行えばよい。以下に、抽出方法の1例としてミカンを原料とした場合を示す。まず、原料となるミカンの外果皮1kgにメタノール等の有機溶媒を1~3リットル加え、加熱還流抽出を行って抽出液を得る。この液を濃縮、乾固したものにブタノール等の有機溶媒と水を各々500ml程度加え、攪拌する。その後、静置して水層と有機溶媒層に分離させる。次いで、ブタノール等の有機溶媒層を濃縮、乾固し、これにジエチルエーテル等の有機溶媒を加え攪拌する。その後、遠心分離し、得られた沈澱物にエーテルを加えて可溶物を除去する。このようにして得られたエーテル不溶物(沈澱物)をフラバノン類含有画分として回収する。さらに、必要に応じてクロマトグラフィーなどの常法に従い各成分に分画する。フラバノン類が含まれていることは、薄層クロマトグラフィー等によって確認することができる。このようにして抽出したフラバノン類は、脂肪細胞における優れた細胞分化促進作用を示し、その効果はインスリンとの共存によって高めることもできる。

【11】
本発明の組成物において、フラバノン類は市販の純品をそのまま用いることもできるが、前記したように、各種植物から抽出した粗製物や精製物を使用してもよい。用途により、必要に応じて、増量剤,安定剤,賦形剤などの常用の成分を適宜配合したりして組成物を調製することができる。また、この組成物は用途等を考慮して前述したような様々な形態として用いられる。本発明の細胞分化促進用組成物は、経口投与,静脈注射などの方法によって生体内に投与することにより、前駆脂肪細胞を脂肪細胞ヘ分化させ、糖および脂質の代謝を活性化する。これに伴って、血中の糖や脂質の低下が起こり、糖尿病や高脂血症などの疾病の改善若しくは予防が期待される。さらに、家畜などに摂取させて脂肪細胞を増加させ、高脂肪肉(霜降り肉など)を生産させる効果のあることから、この組成物を飼料に添加して用いることができる。ホルモン類や合成化合物は、副作用の点で問題を抱えているが、本発明の細胞分化促進用組成物は、カンキツ類等の植物に含まれる天然成分を有効成分とするものであり、安全性に全く心配がない。また、本発明は、従来殆ど利用されていないミカン等の外果皮等の新たな利用法を提供することにもなり、環境問題を考慮した技術と言える。

【12】

【実施例】次に、本発明を実施例により説明するが、本発明はこれらによって制限されるものではない。
製造例1
ミカン外果皮1kgにメタノールを3リットル加え、加熱還流抽出を行い、得られた抽出液をロータリーエバポレーターで濃縮、乾固した。次に、この濃縮、乾固したものに水とn-ブタノールをそれぞれ500mlずつ加えて振とう、攪拌した後、静置して水層とブタノール層に分離させた。ブタノール層を減圧乾固し、これにジエチルエーテルを加えて振とう、攪拌した。しかる後、遠心分離(3,000rpm、10分間)し、上清のエーテル可溶物を除いて得られた沈澱物にさらにエーテルを加えて可溶物を除く操作を数回行った。このようにして得られたエーテル不溶物をフラバノン類含有画分として回収した。

【13】
製造例2
製造例1で得た画分を逆相HPLC(ODSカラムを用いアセトニトリルの濃度を0~50%に変化させる0.1%トリフルオロ酢酸を含む水溶液でグラジエント溶出、262nmの吸収で検出)にてナリンゲニン,ナリンゲニン-7-グルコシド,ナリンジン,ヘスペレチンおよびヘスペリジンの各成分を得た。

【14】
実施例1
マウス由来の前駆脂肪細胞3T3-L1を6穴マルチプレートを用いて10%牛胎児血清を含むDME培地(ダルベッコ変法イーグル培地)で37℃で培養した。なお、培地は2~3日毎に交換し、細胞が密集状態に達した後に分化誘導を行った。すなわち、培地にナリンゲニンあるいはヘスペレチンを1,10,30,100または300μMとなるように添加することによって、分化誘導処理を2日間実施した。また、対照としてフラバノン類が無添加のものを用意し、同様に分化誘導処理を行った。分化誘導処理終了後は元の培地で培養を続けたが、ナリンゲニンとヘスペレチンは培地交換のときに添加し続けた。約1週間後、脂肪細胞への分化の指標となる培地中のグリセロール-3-リン酸脱水素酵素活性(以下、GPDH活性と略記する。)を定量した。この酵素は、糖および脂質代謝における重要な酵素であり、前駆脂肪細胞が分化して脂肪細胞になると、活性が上昇する。したがって、この酵素活性が上昇すれば、分化が起こっていることになる。結果を第1表に示す。

【15】

【表1】
JP0003069686B2_000002t.gif a)平均値±標準偏差
b)対照を100%としたときの値

【16】
表に示したように、ナリンゲニンあるいはヘスペレチンを添加したいずれの場合においても、対照と比べて明らかにGPDH活性が高くなっており、フラバノン類自体に脂肪細胞の分化促進効果があることは明白である。さらに、これらフラバノン類による分化促進は、濃度依存的に高くなることが明らかとなった。

【17】
実施例2
分化誘導処理を行う際に、培地にインスリンおよび各種フラバノン類を添加したこと以外は、実施例1と同様に行った。なお、処理後にDME培地で培養する際にもインスリンおよびフラバノン類は添加し続けた。また、インスリンのみを添加した培地を対照として用いた。培地へのインスリンの添加濃度は、すべて1μMである。結果を第2表に示す。

【18】

【表2】
JP0003069686B2_000003t.gif a)対照を100%としたときの値

【19】
実施例3
各種フラバノン類の代わりに、分化促進物質として製造例1のミカン外果皮から抽出したフラバノン類含有画分を用いたこと以外は、すべて実施例2と同様に分化誘導処理を行った。結果を第3表に示す。

【20】

【表3】
JP0003069686B2_000004t.gif a)平均値±標準偏差
b)対照を100%としたときの値

【21】
フラバノン類を複数種含んだ抽出物を添加した場合においても、それらの物質を単独で添加した場合と同様に、脂肪細胞の分化促進作用があることが明らかとなった。

【22】
実施例4
ナリンゲニンによるグルコースの取込み促進効果を、以下の方法に従い検討した。まず、マウス由来の前駆脂肪細胞3T3-L1を6穴マルチプレートを用いて10%牛胎児血清を含むDME培地(ダルベッコ変法イーグル培地)で37℃で培養した。なお、培地は2~3日毎に交換し、細胞が密集状態に達した後に分化誘導を行った。すなわち、培地にナリンゲニンを100または300μMとなるように添加することによって、分化誘導処理を10日間実施した。10日後、ハンクス緩衝液にて前記の分化誘導した細胞を洗浄し、これを1μMインスリン,1%牛血清アルブミン含有ハンクス緩衝液中で37℃で5分間保持した。その後、放射性グルコース(NEN社製)を0.2μCi加え、37℃で30分間保持した。細胞内へのグルコースの取込みについては、放射性グルコースから合成された中性脂肪を細胞内より抽出し、その放射能活性を測定することにより得た。また、分化誘導した細胞の洗浄にインスリンを含まない1%牛血清アルブミン含有ハンクス緩衝液を用いたものについても、同様に細胞内へのグルコースの取込みを測定した。結果を第4表に示す。

【23】

【表4】
JP0003069686B2_000005t.gif a)平均値±標準偏差
b)取り込まれたグルコースのインスリンの有無による差
c)対照を100%としたときの値

【24】
表から明らかなように、インスリンを添加することによって、グルコースの細胞内への取込みが著しく活発になることが示された。このことは、インスリンに対する感受性が増大したことを示す。

【25】
実施例5
各種フラバノン類のグルコース取込み促進効果を、実施例4と同様に検討した。なお、対照として各種フラバノン類無添加の培地を用いた。結果を第5表に示す。

【26】

【表5】
JP0003069686B2_000006t.gif a)平均値±標準偏差
b)取り込まれたグルコースのインスリンの有無による差
c)対照を100%としたときの値

【27】
表に示したように、フラバノン類で処理した細胞は、インスリンの添加により細胞内へのグルコースの取込みが活発化していることが明らかとなった。また、試験した4種のフラバノン類のうち、ナリンゲニンが最もグルコースの取込みが活発であった。

【28】
実施例6
ナリンゲニンによるリポプロテインリパーゼ活性の増強作用を検討するため、下記の試験を行った。まず、マウス由来の前駆脂肪細胞3T3-L1を6穴マルチプレートを用いて10%牛胎児血清を含むDME培地(ダルベッコ変法イーグル培地)で37℃で培養した。なお、培地は2~3日毎に交換し、細胞が密集状態に達した後に分化誘導を行った。すなわち、培地にナリンゲニンを100または300μMとなるように添加することによって、分化誘導処理を10日間実施した。10日後、培地中のリポプロテインリパーゼ活性の測定は、放射性トリオレイン(NEN社製)から遊離された放射性オレイン酸を抽出し、その放射能を測定することにより行った。リポプロテインリパーゼは、血中の中性脂肪の分解に関与している酵素であり、インスリンは脂肪細胞における該酵素活性を上昇させると言われている。したがって、この酵素活性が上昇すれば、血中の中性脂肪は活発に分解されて減少することになる。培地へのインスリンの添加濃度はすべて1μMである。結果を第6表に示す。なお、対照はナリンゲニン無添加の場合を示す。

【29】

【表6】
JP0003069686B2_000007t.gif a)対照を100%としたときの値

【30】
ナリンゲニンを添加した場合、いずれの添加濃度においても対照に比べて、著しくリポプロテインリパーゼ活性が高められており、ナリンゲニン自体にリポプロテインリパーゼ活性の増強作用があることは明白である。また、リポプロテインリパーゼ活性は、ナリンゲニンの濃度が30μMのとき最も高い。

【31】
実施例7
糖尿病マウスであるKK-Ay マウスを用いて、ナリンゲニンの血清グルコース濃度への影響を検討した。まず、4週齢のKK-Ay マウス(体重約20g)12匹を、飼料(商品名:オリエンタル酵母MF)および水を自由摂取として28日間飼育した(温度23)。29日目より、マウスをナリンゲニン添加群および対照群の2群に分け、さらに60日間飼育をした。つまり、ナリンゲニン添加群には、前記飼料中にナリンゲニンを1%混入し、これを飼料として与えた。なお、対照群には前記飼料を与え続けた。実験60日目に、絶食時における血清グルコース濃度を比色法により測定した。飼育期間中の体重変化と飼料摂取量を図1に、血清グルコース濃度の結果を第7表に示す。図中の◆はナリンゲニン添加群、□は対照群を示している。

【32】

【表7】
JP0003069686B2_000008t.gif a)平均値±標準偏差
b)対照群と比較して有意に低下(p=0.014)

【33】
図から明らかなように、ナリンゲニン添加群では、飼料の摂取量が1匹あたり1日約1g程度減少したにもかかわらず体重は増加を続け、対照群との間には全く変化がなく、ナリンゲニンを添加しても正常に成長することを示した。また、血清グルコース濃度は、表示したように、対照群に比べナリンゲニン添加群は有意に低下していた。以上のことから、ナリンゲニンは血中のグルコース濃度を低下させることにより、糖尿病の改善もしくは予防に対して有効に作用するものであることが明らかとなった。

【34】

【発明の効果】本発明の細胞分化促進用組成物は、前駆脂肪細胞の脂肪細胞への分化を促進して糖および脂質の代謝を活性化し、血中の糖および脂質濃度を低下させる作用がある。したがって、この組成物は経口投与、静脈注射などの方法によって生体内投与することにより、糖尿病や高脂血症等の疾病の改善もしくは予防を図ることが可能である。また、脂肪細胞への分化を促進させ脂肪細胞を増加させることより、家畜の高脂肪肉(霜降り肉など)を生産することができることから、飼料を開発することができる。しかも、この組成物の有効成分は食品天然成分であるため、安全性の上で全く問題がない。
図面
【図1】
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