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明細書 :植物由来のエポキシド水解酵素をコードするcDNAを含むプラスミドベクターおよび形質転換体

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第3355368号 (P3355368)
公開番号 特開2000-228983 (P2000-228983A)
登録日 平成14年10月4日(2002.10.4)
発行日 平成14年12月9日(2002.12.9)
公開日 平成12年8月22日(2000.8.22)
発明の名称または考案の名称 植物由来のエポキシド水解酵素をコードするcDNAを含むプラスミドベクターおよび形質転換体
国際特許分類 C12N 15/09      
C12N 11/21      
C12N 19/14      
C12R  1:91      
C12N  1/21      
C12R  1:19      
C12N  9/14      
FI C12N 1/21
C12N 9/14
C12R 1:91
C12R 1:19
C12N 15/00
請求項の数または発明の数 2
全頁数 10
出願番号 特願平11-021183 (P1999-021183)
出願日 平成11年1月29日(1999.1.29)
審判番号 不服 2000-008352(P2000-008352/J1)
審査請求日 平成11年7月6日(1999.7.6)
審判請求日 平成12年6月8日(2000.6.8)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】501145295
【氏名又は名称】独立行政法人 食品総合研究所
発明者または考案者 【氏名】荒平 正緒美
【氏名】深澤 親房
個別代理人の代理人 【識別番号】100074077、【弁理士】、【氏名又は名称】久保田 藤郎 (外1名)
参考文献・文献 Plant Physiol.,109,p.722-723,1995
The Plant Journal,6(2),p.259-269,1994
The Plant Journal.,6(2),p.251-258,1994
Biochem.J.,282,p.711-714,1992
調査した分野 C12N 15/09
C12N 1/21
C12N 9/14
特許請求の範囲 【請求項1】
プライマーとして配列表の配列番号1および2記載のオリゴヌクレオチドを、鋳型としてダイズ種子由来のエポキシド水解酵素cDNAを用いたポリメラーゼ連鎖反応により増幅されたDNA産物を、発現用プラスミドにサブクローニングすることによって得られるプラスミドベクター。

【請求項2】
請求項記載のプラスミドベクターを保有する形質転換体(FERM BP‐6624)。
発明の詳細な説明 【発明の詳細な説明】

【01】

【発明の属する技術分野】本発明は、ダイズ種子由来のエポキシド水解酵素cDNAを含むプラスミドベクターおよび形質転換体に関する。

【02】

【従来の技術】エポキシド水解酵素とは、過酸化反応等によって生体中に生じた有害なエポキシド化合物を加水分解し、エポキシドの持つ高い化学反応性をなくすことにより、生体に有害な化学反応を避けるという生体防御機構の一角を担う酵素である。

【03】
エポキシド水解酵素は、動物細胞や植物細胞などに含まれていることが判明している。特に、植物由来のものは、農業上および食品工業上の利用性が期待されているが、その含有量が微量なため、大量生産は困難であるとされていた。

【04】

【発明が解決しようとする課題】エポキシド水解酵素の遺伝的情報は、今のところ、動物細胞ではヒト肝細胞(Beetham, J. K. et al., Arch. Biochem. Biophys., 305, 197-201 (1993))、ラットおよびマウスの肝細胞 (Knehr, M. et al., J. Biol. Chem., 268, 17623-17627 (1993))、Grant, D. F. et al., J. Biol. Chem., 268, 17628-17633 (1993)) 等について報告がなされている。また、植物細胞については、ポテト (Stapleton, A. et al., Plant J. 6, 251-258 (1994))、アラビノプシス (Kiyosue, T. et al., Plant J. 6, 259-269 (1994)) 等についての報告がある。しかし、植物由来のエポキシド水解酵素についての遺伝的情報についての報告は、上記のみに止まっており、高活性を発現することを明らかにしたものはなかった。

【05】

【課題を解決するための手段】本発明者らは、ダイズ種子由来のエポキシド水解酵素を精製し、そのアミノ酸配列をもとにして、エポキシド水解酵素のcDNAおよび遺伝子のクローニングを試みた。その結果、該酵素のcDNAよび遺伝子の全構造を解明することに成功し、それらを利用した大腸菌での発現系の構築にも成功し、本発明に到達した。

【06】
すなわち、精製されたエポキシド水解酵素のアミノ酸配列の解析から、縮重のある合成オリゴヌクレオチドを作製した。次に、ダイズの登熟種子よりmRNAを抽出し、それを用いて2本鎖cDNAを合成し、ファージベクターにアダプターを介して組み込み、cDNAライブラリーを構築した。

【07】
作製した合成オリゴヌクレオチドをラベルし、これをプローブとして上述のcDNAライブラリーからスクリーニングを行って、完全長のエポキシド水解酵素cDNAをクローニングした。このcDNAの一次構造解析により、シグナルペプチドを含むエポキシド水解酵素の全アミノ酸配列が決定された。

【08】
エポキシド水解酵素遺伝子のクローニングは、発芽したダイズより核DNAを抽出・精製し、制限酵素Mbo Iにより部分分解し、これをファージベクターに組み込んだ市販の遺伝子ライブラリーを用いた。先に取得したエポキシド水解酵素cDNAをラベルし、これをプローブとして上述の遺伝子ライブラリーからスクリーニングを行って、5'上流域を含むエポキシド水解酵素遺伝子をクローニングした。

【09】
クローニングしたエポキシド水解酵素cDNAを用いてT7プロモーターを利用した大腸菌での発現系を構築し、本酵素の発現に成功し、その迅速・簡便な精製法も確立した。

【10】
すなわち、請求項1記載の本発明は、プライマーとして配列表の配列番号1および2記載のオリゴヌクレオチドを、鋳型としてダイズ種子由来のエポキシド水解酵素cDNAを用いたポリメラーゼ連鎖反応により増幅されたDNA産物を、発現用プラスミドにサブクローニングすることによって得られるプラスミドベクターである。

【11】
請求項2記載の本発明は、請求項1記載のプラスミドベクターを保有する形質転換体(FERM BP‐6624)である。

【12】

【発明の実施の形態】本発明について、以下に詳しく説明する。本発明の対象であるエポキシド水解酵素とは、従来技術の欄ですでに述べたように、生体に有害なエポキシドを加水分解しジオール等を生ずる作用を有する酵素である。

【13】
まず、請求項1記載の本発明について説明する請求項1記載の本発明は、プライマーとして配列表の配列番号1および2記載のオリゴヌクレオチドを、鋳型としてダイズ種子由来のエポキシド水解酵素cDNAを用いたポリメラーゼ連鎖反応により増幅されたDNA産物を、発現用プラスミドにサブクローニングすることによって得られるプラスミドベクターである。

【14】
本発明者らは、以下のようにして、請求項1記載の本発明のcDNAを含むプラスミドベクターの取得に成功した。

【15】
(1)cDNAライブラリーの作成
(1-1)ダイズ種子中に含まれるエポキシド水解酵素の抽出、精製
エポキシド水解酵素は、各種の植物および動物細胞中に含まれており、これらのうち、請求項1記載の本発明においては、ダイズ種子細胞由来のものを用いる。ダイズの種子からエポキシド水解酵素を抽出する場合には、登熟初期から完熟期まで、特に登熟初期から後期までのものを用いることが好ましい。

【16】
ここで、エポキシド水解酵素を得るためには、材料であるダイズ種子を高度に精製する必要がある。以下に酵素の精製方法を例示する。登熟初期から完熟期までの植物種子を粉砕し、これに適当な緩衝液を加えて抽出し、その可溶性画分を透析後、固液分離する。得られた粗酵素液を、疎水クロマトグラフィー、ゲルろ過等にかけることにより、ほぼ純粋なエポキシド水解酵素を得ることが可能である。

【17】
(1-2)精製エポキシド水解酵素の内部アミノ酸配列の解析
(1-1)で得られる精製エポキシド水解酵素は、N-末端がブロックされているので、そのままでは内部のアミノ酸配列を得ることができない。そこで、以下の操作を行う必要がある。まず、エポキシド水解酵素を、短いペプチドに酵素分解し、それぞれのペプチドサンプルを高速液体クロマトグラフィーにより分画した上で、各サンプルのアミノ酸配列を決定する。アミノ酸配列の決定は、Edman分解により行うことができ、自動アミノ酸シークエンサーを用いると簡便である。各サンプルのアミノ酸配列を検討し、その中から縮重の少ない個所を選択してオリゴヌクレオチドを合成し、これを後述のプローブとして用いる。

【18】
(1-3)poly(A)+RNA の調製
次に、ダイズの種子より、RNA を抽出し、抽出した全RNA 中からpoly(A)+RNAを調製する。植物からのpoly(A)+RNA の調製は、Fukazawa,C .et al.,Journal of Biological Chemistry, 200, 6234-6239 (1985)の方法に従い、SDS-フェノール法を用いて行うことができる。

【19】
(1-4)cDNAライブラリーの構築
得られたmRNAを用いて2本鎖cDNAを合成し、これをファージベクターにアダプターを介して組み込み、cDNAライブラリーを構築する。cDNAライブラリーの作製には、岡山-Berg法(Okayama, H. and Berg, P., Mol. Cell Biol., 2, p161 (1982)、ガブラー-ホフマン(Gubler-Hoffmann)法(Gubler, U. and Hoffmann, B. J., Gene, 25, p263 (1983))等、各種方法が採用できるが、簡略の点から、後者が好ましい。

【20】
以下、ガブラー-ホフマン法を採用した場合について述べる。まず、先述のpoly(A)+RNA から2本鎖のcDNAを合成する。このcDNAに、Eco RI、Not I 、Bam HI等の制限酵素部位を含むアダプターをライゲーションする。ポリアクリルアミドゲル電気泳動法により500bp以上のものだけをゲルから切り出して集めるとともに、過剰なアダプターを除去する。その後、得られたヌクレオチドの5'位にリン酸基を導入し、制限酵素で切断し、脱リン酸化してあるλgt10ファージベクターアーム(宝酒造社製)にライゲーションする。これをλファージにパッケージングする。このようにして、cDNAライブラリーを作製する。

【21】
(2)cDNAライブラリーからの、ダイズ種子由来のエポキシド水解酵素cDNA(完全長)のクローニング、その塩基配列決定
(2-1)完全長のエポキシド水解酵素cDNA クローニング
上記(1-2)で得られたオリゴヌクレオチドをラベルし、これをプローブとして、(1-4)のcDNAライブラリーからスクリーニングを行い、完全長のエポキシド水解酵素cDNAをクローニングする。スクリーニングは、cDNAライブラリーにつき、合成したオリゴヌクレオチドを放射標識したものをプローブとして、約100 万プラークのプラークハイブリダイゼーション(Fukazawa,C. et al., Journal of Biological Chemistry, 200,6234-6239 (1985))により、陽性を示したプラークを分離することにより達成される。

【22】
次に、陽性プラークを純化し、大腸菌に感染させてファージを増やした後に、ファージ粒子を精製しファージDNAを得る。ファージDNAの精製は、CsClステップワイズ密度勾配を用いた超遠心法によって行うことができる。

【23】
(2-2)得られるファージDNA の構造決定
精製したファージDNAから、制限酵素でインサートを切り出し、精製する。これをプラスミドベクターにサブクローニング後、DNAシークエンスを行った。その結果、配列表の配列番号記載のアミノ酸配列を有するcDNAが得られた。これを解析した結果、クローニングした陽性プラークのcDNAは、エポキシド水解酵素の全長を含んでいることが判明した本cDNAは、全長1332bpからなり、アミノ酸数は、開始メチオニンからの全体で341 塩基であった。

【24】
次に、上記によって得たダイズ種子由来のエポキシド水解酵素の全長を含むcDNA配列をもとに、配列表の配列番号4記載のアミノ酸配列を有するダイズ種子由来のエポキシド水解酵素をコードする遺伝子の解明を、以下の手順によって行った。

【25】
(3)完全長のダイズ種子由来のエポキシド水解酵素遺伝子のクローニングおよび配列解明
配列表の配列番号3記載のcDNAをラベルしたものをプローブとして用い、市販のダイズ遺伝子ライブラリー(STRATAGENE社)からスクリーニングを行い、完全長のダイズ種子由来のエポキシド水解酵素遺伝子をクローニングする。クローニングは、先述のプラークハイブリダイゼーションにより、陽性を示すファージを選択することにより達成できる。なお、本発明者らが用いた市販のダイズ遺伝子ライブラリーは、発芽したダイズより核DNA を抽出・精製し、制限酵素Mbo Iにより部分分解し、これをファージベクターに組み込んだものである。

【26】
ファージを精製後、プラスミドベクターにサブクローニングして、前記の(2-2)と同様の方法でDNA シークエンスを行った。その結果得られたものが、ダイズ種子由来のエポキシド水解酵素遺伝子の塩基配列およびアミノ酸配列である(配列表の配列番号参照)。

【27】
該配列の全長は1933bpで(配列表の配列番号参照)、2つのイントロンにより3つのエクソンに分断されている。各イントロンの塩基数は、第1イントロンよりそれぞれ168bp、148bpであった(配列表の配列番号参照)。

【28】
次に、請求項記載の本発明と、請求項記載の本発明とを併せて説明する。請求項記載の本発明は、プライマーとして配列表の配列番号1および2記載のオリゴヌクレオチドを、鋳型としてダイズ種子由来のエポキシド水解酵素cDNAを用いたポリメラーゼ連鎖反応により増幅されたDNA産物を、発現用プラスミドにサブクローニングすることによって得られるプラスミドベクターである。請求項記載の本発明は、請求項記載のプラスミドベクターを保有する形質転換体(FERM BP‐6624)である。すなわち、請求項および記載の本発明は、ダイズ種子由来のエポキシド水解酵素の発現系を提供するものである。

【29】
請求項記載の本発明のプラスミドベクターおよび請求項記載の形質転換体は、以下の操作により作出される。
(4)プラスミドベクターおよび形質転換体の作出
(4-1)PCR による配列表の配列番号3記載のcDNAの塩基配列の増幅
まず、配列表の配列番号3記載のcDNAの塩基配列と、精製したエポキシド水解酵素についてイオンスプレーマススペクトロメトリーを行った結果を基にして、制限酵素Nde Iサイトを5'末端に含む32mer(N-末端側)のオリゴヌクレオチドプライマーとEco RIサイトを5'末端に含む34mer(C-末端側)のオリゴヌクレオチドプライマー(配列表の配列番号1および2参照)を合成する。なお、ここで挙げた制限酵素は、後述の発現ベクターと対応していれば、特に限定されるものではない。

【30】
これらのプライマーを用いて配列表の配列番号3記載のダイズ種子由来エポキシド水解酵素cDNAを鋳型としてPCR を行った。PCR の条件は特に限定されず、例えば後述の実施例に示した条件で行うことができる。

【31】
(4-2)プラスミドベクターおよび形質転換体の作出
(4-1)で得られたバンドを、TAベクター[pCR2.1](Invitrogen社製) にサブクローニング後、(2-2)と同様の方法でDNA シークエンスを行い、PCRで増幅した発現用cDNAは、変異が入っていないことを確認する。その上で、先のPCRプライマーそれぞれに含まれる制限酵素Nde IとEco RIを用いて、クローニングしたTAベクターからインサートを切り出し、精製後に、発現用のプラスミドであるpRSET ベクター(Invitrogen社製)のNde I サイトとEcoRIサイトの間にサブクローニングする。こうして得られるプラスミドが、請求項記載の本発明のプラスミドである。

【32】
この請求項記載の本発明のプラスミドを、発現用大腸菌、例えば大腸菌BL21(DE3)(Novagen社製) に形質転換して得られるのが、請求項記載の本発明の形質転換体である。形質転換は、塩化カルシウム法(Cohen, S. N., Chang, A. C. Y. and Hsu, L., Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 69: 2110-2114, 1972)、エレクトロポレーション法(三浦 謹一郎ら編、新基礎生化学実験法、遺伝子工学、1988、丸善株式会社)等の通常用いられる方法で行うことができる。形質転換した大腸菌は、工業技術院生命工学工業研究所に寄託されており、その受託番号は、FERM BP-6624である。

【33】
この請求項記載の本発明の形質転換体である大腸菌を培養し、該大腸菌の有するアミノ酸配列を特定し、あるいは酵素の比活性を測定することにより、配列表の配列番号4記載の遺伝子の発現を確認することができる。従来、ダイズ種子を含む植物由来のエポキシド水解酵素で、高活性を発現することを明らかにした例はない。このような高活性な植物由来のエポキシド水解酵素についての大腸菌における大量発現系は、該酵素遺伝子の機能の簡便な評価に有用である。

【34】

【実施例】試験例1(ダイズ種子由来エポキシド水解酵素cDNAの作製および塩基配列決定)
[1.cDNAライブラリーの作成]
開花後18日目のダイズ種子より、Fukazawa,C.et al.,Journal of Biological Chemistry, 200, 6234-6239 (1985)の方法に従い、SDS-フェノール法を用いて全RNA を抽出し、poly(A)+RNA を調製した。poly(A)+RNA2.5μgを、ガブラー-ホフマン(Gubler-Hoffmann)法の原理に基づいたcDNA 合成キット(アマシャム-ファルマシア社製)を用い、[α-32P]-dCTPを加えて合成をモニターしながら2本鎖DNAを合成した。

【35】
1nmolのEco RI-Not I-Bam HIアダプター(宝酒造社製)を、ニッポンジーン社製ライゲーションパックでライゲーションした。このcDNAを、Fukazawa,C.et al.,Journal of Biological Chemistry, 200, 6234-6239 (1985)の方法に従い、ポリアクリルアミドゲル電気泳動法により、500bp以上の長さのものをゲルから切り出して集めるとともに、過剰なアダプターを除去した。アダプターには、5'位にリン酸基がないので、T4ヌクレオチドキナーゼ(ニッポンジーン社製)を用いてリン酸基を導入した。

【36】
その後、Eco RIで切断し、脱リン酸化してあるλgt10ファージベクターアーム(宝酒造社製)に、上記と同様に、ニッポンジーン社製ライゲーションパックでライゲーションし、in vitroパッケージングキット(アマシャム-ファルマシア社製)でλファージにパッケージングを行った。このようにして、開花後18日目のダイズ登熟種子cDNAライブラリーを作製した。

【37】
[2.ダイズ種子由来エポキシド水解酵素のアミノ酸配列決定およびプローブの作製]
開花後18日目のダイズ種子を粉砕し、酢酸緩衝液を加えてエポキシド水解酵素を含む可溶性画分を抽出、透析した後、疎水クロマト(カラム:ブチルトーヨーパール 5cm×90cm、東ソー社製)、次いでゲルろ過(カラム:セファクリルS-200 2.6cm×180cm、アマシャム-ファルマシア社製)にかけることにより、ほぼ精製されたエポキシド水解酵素を得た。このダイズ種子由来のエポキシド水解酵素のN-末端は、ブロックされていた。そこで、内部のアミノ酸配列を決定するために、Arahira M. and Fukazawa C.,Plant Molecular Biology ,25,597-605 (1994)の方法に従い、V8プロテアーゼ(宝酒造社製)およびリジルエンドペプチダーゼ(和光純薬社製)により、エポキシド水解酵素を分解した。

【38】
分解後、それぞれのサンプルを逆相カラム(東ソー社製、Silica ODS 120T 4.6mm ×150mm)を接続した高速液体クロマトグラフィー(島津社製LC-6AD)を用いて0.1%TFA -0.1%TFA/60%アセトニトリルの直線密度勾配をかけた溶媒系で分画した。得られたペプチドを気相式アミノ酸シークエンサー(パーキンエルマー社製、477A型)で決定し、内部のアミノ酸配列とした。これらのアミノ酸配列のうち、プローブとして適する配列を検討し、23merの縮重のあるオリゴヌクレオチドを合成した(配列表の配列番号参照)。

【39】
[3.ダイズ種子由来のエポキシド水解酵素cDNA のクローニング]
[2]で得られたオリゴヌクレオチドを、[ γ-32P ]-ATP で、Fukazawa,C .et al.,Journal of Biological Chemistry, 200, 6234-6239 (1985)の方法に従い、ラベルした。
これをプローブとして、[1]で作製した開花後18日目の大豆の登熟種子ライブラリーから、Arahira M. and Fukazawa C.,Plant Molecular Biology, 25, 597-605 (1994)の方法に従って、プラークハイブリダイゼーションを実施した。その結果、100 万プラークから1個の陽性クローンが分離できた。

【40】
この陽性プラークを純化し、大腸菌に感染させてファージを増やした後に、ファージ粒子を、CsClステップワイズ密度勾配を用いた超遠心法により精製し、ファージDNAを得た。精製したファージDNAから、Bam HIでインサートを切り出し、アガロースゲルから精製した後に、pUC19プラスミドベクターのBam HIサイトにサブクローニングした。クローン化した大腸菌から、プラスミドDNAを常法(Maniatis T.et al.,“Molecular cloning" Cold Spring Harber Labo. (1982))に従い、調製した。

【41】
調製したプラスミドについて、島津社製、DNAシークエンサーDSQ1000 を用いた蛍光オートシークエンスを行った。解析の結果、クローニングした陽性プラークのcDNAは、エポキシド水解酵素の全長を含んでおり、配列表の配列番号に示す塩基配列およびアミノ酸配列を有していた。本cDNAの全長は、1332bp、うち、22bpがpoly Aであった。アミノ酸数は、開始メチオニンからの全体で341塩基、イオンスプレーマススペクトロメトリーで得られた分子量(36171Da)の結果から、315残基のアミノ酸から成っていると推測された。

【42】
試験例2(ダイズ種子由来のエポキシド水解酵素遺伝子のクローニング)
[1.エポキシド水解酵素遺伝子のクローニング]
実施例1で得られたcDNAを、[ α-32P]-dCTPを用いて、Arahira M. and Fukazawa C.,Plant Molecular Biology ,25,597-605 (1994)の方法に従ってラベルし、プローブとして用いた。市販のダイズ遺伝子ライブラリー(STRATAGENE社)から、上記プローブを用いてエポキシド水解酵素遺伝子を、試験例1の[3]と同様の方法を用いてスクリーニングし、約20万プラークから1個の陽性プラークを得て、ファージDNA を精製した。なお、使用した市販ライブラリーは、発芽したダイズより核DNA を抽出・精製し、制限酵素Mbo Iにより部分分解し、これをファージベクターに組み込んだものである。

【43】
本陽性ファージDNAは、約12kbpのインサートが含まれていた。これを制限酵素Sal Iで切り出し、アガロースゲルで精製の後に、pUC19 プラスミドベクターにサブクローニングした。その後に、試験例1の[3]に記載した方法でDNAシークエンスを行った。解析の結果、クローニングした遺伝子の配列は、配列表の配列番号に示す塩基配列およびアミノ酸配列を有していた。該配列の全長は1933bpで、2つのイントロンにより3つのエクソンに分断されていた。各イントロンの塩基数は、第1イントロンよりそれぞれ168bp、148bpであった(配列表の配列番号参照)。得られたダイズエポキシド水解酵素の遺伝子の塩基配列は、データベースでの検索の結果、アラビドプシス、ポテトで判明しているcDNAの塩基配列とも異なる遺伝子配列であった。

【44】
実施例(ダイズ種子由来のエポキシド水解酵素の大腸菌による発現)
[1.エポキシド水解酵素cDNAのPCR による増幅]
まず、イオンスプレーマススペクトロメトリーで得られたエポキシド水解酵素の分子量から推定したタンパク質のN -末端側と、エポキシド水解酵素cDNAのストップコドン側(エポキシド水解酵素タンパク質のC-末端側)とで、大腸菌での発現プラスミドの構築に必要な制限酵素サイトを5' 側に含むプライマーをそれぞれ作製し(配列表の配列番号参照)、試験例1でクローニングしたダイズ種子由来のエポキシド水解酵素cDNAを鋳型としてPCR を行った。

【45】
PCRの条件は、以下のとおりである。まず、Taq ポリメラーゼは、TaKaRa ExTaq(宝酒造社製)を1 反応あたり2.5U用いた。また、プライマーは、終濃度0.4μM、dNTPmix は0.2mM、鋳型となるエポキシド水解酵素cDNAフラグメントは約10ng使用した。遺伝子増幅装置は、TaKaRa PCR Thermal Cycler 480(宝酒造社製)を用い、変性温度95℃、30秒、アニーリング温度56℃、30秒、伸張反応72℃、1分30秒、35サイクルの条件で行った。

【46】
その結果、得られたバンドをTAベクター[PCR2.1](Invitrogen社製)にサブクローニングした。その後に、試験例1[3]に記載した方法でDNAシークエンスを行った。解析の結果、PCR による変異は認められなかった。

【47】
[2.プラスミドベクターおよび形質転換体の作製]
次に、それぞれのプライマーに含まれている制限酵素Nde IとEco RIとで、クローニングしたTAベクターからインサートを切り出し、アガロースゲルでDNAフラグメント精製した後に、発現用のプラスミドであるpRSETベクター(Invitrogen社製)のNde IサイトとEco RIサイトの間にサブクローニングした。

【48】
インサートであるエポキシド水解酵素cDNAフラグメントとpRSETベクターとの接続部のDNAシークエンスが正確かどうかを調べるために、発現プラスミドを保持していても、タンパク質が発現しない大腸菌であるJM109株に形質転換した。これは、もしも発現したタンパク質が大腸菌にとって毒性のあるタンパク質であった場合に、発現プラスミドのわずかな発現によって大腸菌がダメージを受け、DNAの抽出等に支障をきたす可能性があるためである。

【49】
試験例1[3]に記載した方法でDNAシークエンスを行った。解析の結果、接続部は正確であった。
この発現プラスミドを発現用大腸菌BL21(DE3)に形質転換した。このようにして形質転換された大腸菌は、工業技術院生命工学工業技術研究所に寄託されており、その受託番号はFERM BP-6624である。

【50】
実施例2(形質転換体からのエポキシド水解酵素の発現)
次に、この発現プラスミドを発現用大腸菌BL21(DE3)に形質転換し、エポキシド水解酵素の発現を試みた。単一コロニーを先ず、2mlLB-アンピシリン(濃度50μg/ml)培地に植菌し、37℃で一晩200r.p.m.で振盪培養し、これを前培養とした。

【51】
5Lの三角フラスコに1Lの上記培地に入れて前培養した菌液を1ml植菌し、OD600nm が約0.6となるまで、37℃、200r.p.m. で培養した。OD600nm が約0.6に到達したときに、isopropyl β-D-thiogalactopyranoside (IPTG) を終濃度1mMになるように添加し、さらに、3時間上記条件で培養した。培養終了後、遠心して集菌し、100mMNaCl、1mMEDTAを含んだ200mM酢酸緩衝液、pH5.0で菌体を洗浄後、同緩衝液で懸濁し、超音波処理により菌体を破砕して上清を得た。

【52】
得られた上清を55℃、10分間加熱処理をして、大腸菌由来のタンパク質の大部分を変性させて、遠心により除去した。得られた上清タンパク質の大部分は、発現したエポキシド水解酵素であるが、さらに精製を試みた。

【53】
上清をゲルろ過カラムSephacryl S-200 (2.6 ×90cm)(アマシャム-ファルマシア社製)に供して分画した。得られた画分は、SDS-PAGE上で単一バンドであった。本タンパク質のN- 末端シークエンスを試験例1[2]と同様に気相式アミノ酸シークエンサー(パーキンエルマー社製、477A型)で決定した結果、エポキシド水解酵素であることが確認された。

【54】
得られたダイズ種子由来エポキシド水解酵素は、SDS‐PAGE上で33キロダルトン(単一バンド)、スチレンオキサイドに対する比活性 1.36U/mg(1U=1μmol/min )であった。上記のごとく、精製した酵素は高い酵素活性を有しており、有害なエポキシドを加水分解して無害化する優れた能力を有することが明らかとなった。

【55】

【発明の効果】請求項1および記載の本発明によれば、ダイズ種子由来のエポキシド水解酵素をコードするcDNAを有するプラスミドベクターおよびそれを保有する形質転換体提供される。この形質転換体は、該エポキシド水解酵素をコードする遺伝子の機能を簡便に評価するための微生物における発現系として有効に利用することができる。また、この発現系を用いることにより、重要な生体防御機能を果たすエポキシド水解酵素を容易に開発することができ、食用植物への応用が期待される。
【配列表】
SEQUENCE LISTING
<110> Director of National Food Research Institute, Ministry of Agricult
ure, Forestry and Fisheries
<120> cDNA and genomic sequence of epoxide hydrolase and its assay metho
d
<130> P101011K
<160> 5

<210> 1
<211> 32
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Designed nucleotide based on epoxide hydrolase cDNA sequence.
<400> 1
atatacatat ggagcaaata aagcacagaa ca 32

<210> 2
<211> 34
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Designed nucleotide based on epoxide hydrolase cDNA sequence.
<400> 2
ggttgaattc gtttttggac aagatcagaa cttc 34<210> 3
<211> 1332
<212> DNA
<213> Glycine max
<220>
<221> CDS
<222> (73)...(1098)

<400> 3
gaggagccta cggtttggca ttgagtgtga aacaggctaa taaatgtgag tggttcaccg 60
ccgcaacttc ca atg tgc gag cac tta ctc gtc tca ctg tct tgc tat att 111
Met Cys Glu His Leu Leu Val Ser Leu Ser Cys Tyr Ile
5 10
tgg gtg aga aca cag agg ata gtg gag ttc aac gag atg gag caa ata 159
Trp Val Arg Thr Gln Arg Ile Val Glu Phe Asn Glu Met Glu Gln Ile
15 20 25
aag cac aga aca gtt gaa gtg aat ggc ata aaa atg cat gtt gca gag 207
Lys His Arg Thr Val Glu Val Asn Gly Ile Lys Met His Val Ala Glu
30 35 40 45
aaa gga gag ggt cca gtg gtg ttg ttc ctc cac ggc ttc cct gag ctc 255
Lys Gly Glu Gly Pro Val Val Leu Phe Leu His Gly Phe Pro Glu Leu
50 55 60
tgg tac tca tgg cgc cat cag att ctc tct ctc agc tcc ctc ggc tac 303
Trp Tyr Ser Trp Arg His Gln Ile Leu Ser Leu Ser Ser Leu Gly Tyr
65 70 75
cgc gcc gtc gct ccc gat ctc cgt ggc tac ggt gac acc gag gca cca 351
Arg Ala Val Ala Pro Asp Leu Arg Gly Tyr Gly Asp Thr Glu Ala Pro
80 85 90
cct tca atc agc agc tac aac tgc ttc cac ata gtg ggt gat ctc gtt 399
Pro Ser Ile Ser Ser Tyr Asn Cys Phe His Ile Val Gly Asp Leu Val
95 100 105
gcg ctt att gac tct ctg ggt gtc caa caa gtg ttc ctt gtg gct cat 447
Ala Leu Ile Asp Ser Leu Gly Val Gln Gln Val Phe Leu Val Ala His
110 115 120 125
gac tgg gga gcc atc ata ggt tgg tat cta tgc atg ttt cgc cct gac 495
Asp Trp Gly Ala Ile Ile Gly Trp Tyr Leu Cys Met Phe Arg Pro Asp
130 135 140
aaa gtt aag gcc tat gtc tgc ctc agt gtc cct ctc ctc cgc aga gac 543
Lys Val Lys Ala Tyr Val Cys Leu Ser Val Pro Leu Leu Arg Arg Asp
145 150 155
cca aac atc aga acg gtg gat ggc atg cgt gct ttg tat gga gac gac 591
Pro Asn Ile Arg Thr Val Asp Gly Met Arg Ala Leu Tyr Gly Asp Asp
160 165 170
tac tat gtc tgc aga ttt cag aaa cca ggg gaa atg gag gct cag atg 639
Tyr Tyr Val Cys Arg Phe Gln Lys Pro Gly Glu Met Glu Ala Gln Met
175 180 185
gct gaa gtt ggc act gag tat gtt ctc aaa aac atc ctt aca act cgc 687
Ala Glu Val Gly Thr Glu Tyr Val Leu Lys Asn Ile Leu Thr Thr Arg
190 195 200 205
aat cct ggt cct cca att ctt ccc aag gga agg ttt caa ttc aat cca 735
Asn Pro Gly Pro Pro Ile Leu Pro Lys Gly Arg Phe Gln Phe Asn Pro
210 215 220
gaa atg ccc aac acc ttg ccc tct tgg ctc aca gaa gaa gat ctc gcc 783
Glu Met Pro Asn Thr Leu Pro Ser Trp Leu Thr Glu Glu Asp Leu Ala
225 230 235
tat tat gtc tcc aaa ttt gag aaa acc gga ttc act gga ccc ttg aac 831
Tyr Tyr Val Ser Lys Phe Glu Lys Thr Gly Phe Thr Gly Pro Leu Asn
240 245 250
tac tac aga aat ttc aac tta aat tgg gag ttg acg gca cca tgg aca 879
Tyr Tyr Arg Asn Phe Asn Leu Asn Trp Glu Leu Thr Ala Pro Trp Thr
255 260 265
gga ggg caa atc aag gtg ccc gta aaa tac ata aca ggt gag ttg gac 927
Gly Gly Gln Ile Lys Val Pro Val Lys Tyr Ile Thr Gly Glu Leu Asp
270 275 280 285
atg gta tac aac tcg ctg aac ttg aag gag tat atc cac ggc gga ggg 975
Met Val Tyr Asn Ser Leu Asn Leu Lys Glu Tyr Ile His Gly Gly Gly
290 295 300
ttc aag caa gat gtg cca aat tta gaa caa gtg att gtg cag aaa gga 1023
Phe Lys Gln Asp Val Pro Asn Leu Glu Gln Val Ile Val Gln Lys Gly
305 310 315
gtg gct cac ttc aat aat caa gaa gca gca gag gaa atc gat aat tac 1071
Val Ala His Phe Asn Asn Gln Glu Ala Ala Glu Glu Ile Asp Asn Tyr
320 325 330
ata tac gat ttt atc aac aag ttc tga tcttgtccaa aaacgaattc 1118
Ile Tyr Asp Phe Ile Asn Lys Phe Stop
335 340
aaccagatat aaagtcgcag ctgaagtgaa agggtgttat aattgcgctt ttgttttgat 1178
atttaaggta tcgagatctt ttttatgggc aggattcatc aactgcagaa aacctccata 1238
ccatcaacct tcctatgctt gtttgtatta attaactgat aataatactg tatggtttgg 1298
tacttgctaa ataaaaaaaa aaaaaaaaaa aaaa 1332
<210> 4
<211> 1933
<212> DNA
<213> Glycine max
<220>
<221> CDS
<222> (271) ...(810), (979)...(1217), (1367)...(1613)
<400> 4
aatgaaacat ttttattttt tctaatttat ctttaactca tatacaggga agtgaaaaaa 60
ataagaaata aatatataaa tgagtgaaaa tataattaat atgaaaaata agagatatat 120
taggaaatgc atataatgat tttcgtgaaa tgtaaaatat taaatttcct ttttaatatt 180
aaaacggcag gttagctcga ggagcctacg gtttggcatt gagtgtgaaa caggctaata 240
aatgtgagtg gttcaccgcc gcaacttcca atg tgc gag cac tta ctc gtc tca 294
Met Cys Glu His Leu Leu Val Ser
5
ctg tct tgc tat att tgg gtg aga aca cag agg ata gtg gag ttc aac 342
Leu Ser Cys Tyr Ile Trp Val Arg Thr Gln Arg Ile Val Glu Phe Asn
10 15 20
gag atg gag caa ata aag cac aga aca gtt gaa gtg aat ggc ata aaa 390
Glu Met Glu Gln Ile Lys His Arg Thr Val Glu Val Asn Gly Ile Lys
25 30 35 40
atg cat gtt gca gag aaa gga gag ggt cca gtg gtg ttg ttc ctc cac 438
Met His Val Ala Glu Lys Gly Glu Gly Pro Val Val Leu Phe Leu His
45 50 55
ggc ttc cct gag ctc tgg tac tca tgg cgc cat cag att ctc tct ctc 486
Gly Phe Pro Glu Leu Trp Tyr Ser Trp Arg His Gln Ile Leu Ser Leu
60 65 70
agc tcc ctc ggc tac cgc gcc gtc gct ccc gat ctc cgt ggc tac ggt 534
Ser Ser Leu Gly Tyr Arg Ala Val Ala Pro Asp Leu Arg Gly Tyr Gly
75 80 85
gac acc gaa gca cca cct tca atc agc agc tac aac tgc ttc cac ata 582
Asp Thr Glu Ala Pro Pro Ser Ile Ser Ser Tyr Asn Cys Phe His Ile
90 95 100
gtg ggt gat ctc gtt gcg ctt att gac tct ctg ggt gtc caa caa gtg 630
Val Gly Asp Leu Val Ala Leu Ile Asp Ser Leu Gly Val Gln Gln Val
105 110 115 120
ttc ctt gtg gct cat gac tgg gga gcc atc ata ggt tgg tat cta tgc 678
Phe Leu Val Ala His Asp Trp Gly Ala Ile Ile Gly Trp Tyr Leu Cys
125 130 135
atg ttt cgc cct gac aaa gtt aag gcc tat gtc tgc ctc agt gtc cct 726
Met Phe Arg Pro Asp Lys Val Lys Ala Tyr Val Cys Leu Ser Val Pro
140 145 150
ctc ctc cgc aga gac cca aac atc aga acg gtg gat ggc atg cgt gct 774
Leu Leu Arg Arg Asp Pro Asn Ile Arg Thr Val Asp Gly Met Arg Ala
155 160 165
ttg tat gga gac gac tac tat gtc tgc aga ttt cag gtttattaat 820
Leu Tyr Gly Asp Asp Tyr Tyr Val Cys Arg Phe Gln
170 175 180
taattctctc attttgctta tttttatccc acccttgttt ttctttctct ttctaattaa 880
ctttgcacga aatttaattt gtttctgtga aatggggtcg gaagattgta gtaccagatg 940
cgaattattg tttttaaacc gtgtgtgtgt aactgcag aaa cca ggg gaa atg gag 996
Lys Pro Gly Glu Met Glu
185
gct cag atg gct gaa gtt ggc act gag tat gtt ctc gaa aac atc ctt 1044
Ala Gln Met Ala Glu Val Gly Thr Glu Tyr Val Leu Glu Asn Ile Leu
190 195 200
aca act cgc aat cct ggt cct cca att ctt ccc aag gga agg ttt caa 1092
Thr Thr Arg Asn Pro Gly Pro Pro Ile Leu Pro Lys Gly Arg Phe Gln
205 210 215
ttc aat cca gaa atg ccc aac acc ttg ccc tct tgg ctc aca gaa gaa 1140
Phe Asn Pro Glu Met Pro Asn Thr Leu Pro Ser Trp Leu Thr Glu Glu
220 225 230
gat ctc gcc tat tat gtc tcc aaa ttt gag aaa acc gga ttc act gga 1188
Asp Leu Ala Tyr Tyr Val Ser Lys Phe Glu Lys Thr Gly Phe Thr Gly
235 240 245 250
ccc ttg aac tac tac aga aat ttc aac tt gtaatttctt gattctccgt 1237
Pro Leu Asn Tyr Tyr Arg Asn Phe Asn Leu
255 260
atttgcccgg gataattgtt ttccactgct ctaagttaat gtttctttct tgggaaaata 1297
tttgttcaac atgacgggat cccaataaaa aaagaccatt aattaattaa ttattgtatg 1357
tatttgcag a aat tgg gag ttg acg gca cca tgg aca gga ggg caa atc 1406
Asn Trp Glu Leu Thr Ala Pro Trp Thr Gly Gly Gln Ile
265 270
aag gtg ccc gta aaa tac ata aca ggt gag ttg gac atg gta tac aac 1454
Lys Val Pro Val Lys Tyr Ile Thr Gly Glu Leu Asp Met Val Tyr Asn
275 280 285
tcg ctg aac ttg aag gag tat atc cac ggc gga ggg ttc aag caa gat 1502
Ser Leu Asn Leu Lys Glu Tyr Ile His Gly Gly Gly Phe Lys Gln Asp
290 295 300 305
gtg cca aat tta gaa caa gtg att gtg cag aaa gga gtg gct cac ttc 1550
Val Pro Asn Leu Glu Gln Val Ile Val Gln Lys Gly Val Ala His Phe
310 315 320
aat aat caa gaa gca gca gag gaa atc gat aat tac ata tac gat ttt 1598
Asn Asn Gln Glu Ala Ala Glu Glu Ile Asp Asn Tyr Ile Tyr Asp Phe
325 330 335
atc aac aag ttc tga tcttgtccaa aaacgaattc aaccagatat aaagtcgcag 1653
Ile Asn Lys Phe Stop
340
ctgaagtgaa agggtgttat aattgcgctt ttgttttgat atttaaggta tcgagatctt 1713
ttttatgggc aggattcatc aactgcagaa aacctccata ccatcaacct tcctatgctt 1773
gtttgtatta attaactgat aataatactg tatggtttgg tacttgctaa ataaacttag 1833
tcttgtcatg caaatggtat atcttaaaaa atgttttgaa atatgtgtat Ttggaactaa 1893
gcttcaatgc gtgtgtgtat atctcgacat aatctcgtag 1933
<210> 5
<211> 23
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Designed nucleotide based on epoxide hydrolase amino acid sequence
.
<400> 5
ggcatytcng grttraaytg raa 23