TOP > 国内特許検索 > 遺伝子導入法 > 明細書

明細書 :遺伝子導入法

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第3151657号 (P3151657)
公開番号 特開平10-262666 (P1998-262666A)
登録日 平成13年1月26日(2001.1.26)
発行日 平成13年4月3日(2001.4.3)
公開日 平成10年10月6日(1998.10.6)
発明の名称または考案の名称 遺伝子導入法
国際特許分類 C12N 15/09      
A01H  1/00      
C12N  5/10      
C12R  1:91      
FI C12N 15/00 A
A01H 1/00
C12N 5/00
請求項の数または発明の数 7
全頁数 6
出願番号 特願平09-093202 (P1997-093202)
出願日 平成9年3月26日(1997.3.26)
新規性喪失の例外の表示 特許法第30条第1項適用申請有り 平成8年9月28日に東北大学川内北キャンパスにおいて開催された日本育種学会第90回講演会において文書をもって発表
審査請求日 平成10年1月27日(1998.1.27)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】591127076
【氏名又は名称】農林水産省農業生物資源研究所長
発明者または考案者 【氏名】小沢 憲二郎
【氏名】大川 安信
【氏名】石毛 光雄
個別代理人の代理人 【識別番号】100102978、【弁理士】、【氏名又は名称】清水 初志
審査官 【審査官】鵜飼 健
参考文献・文献 Mol.Gen.Genet.201(1985)p.513-518
魚住武司他1名著「植物工学」丸善株式会社、平5-1-31 第109頁
調査した分野 C12N 15/09
特許請求の範囲 【請求項1】
長鎖DNAをプロトプラストに導入する方法であって、(a)プロトプラスト懸濁液、ポリエチレングリコールおよび長鎖DNAを、長鎖DNAの終濃度が50μg/ml以上になるように混合する工程、(b)プロトプラストを収穫し、洗浄し、培地中で培養する工程、(c)形質転換細胞を選抜する工程、を含む方法。

【請求項2】
長鎖DNAをプロトプラストに導入する方法であって、(a)プロトプラスト懸濁液、ポリエチレングリコールおよび長鎖DNAを、長鎖DNAの終濃度が100μg/ml以上になるように混合する工程、(b)プロトプラストを収穫し、洗浄し、培地中で培養する工程、(c)形質転換細胞を選抜する工程、を含む方法。

【請求項3】
プロトプラストを収穫し、洗浄し、培地中で培養する工程におけるプロトプラストの洗浄において、静置および/または緩やかな撹拌により沈殿したDNAを溶解させプロトプラストを懸濁させることを特徴とする、請求項1または2に記載の方法。

【請求項4】
長鎖DNAが100kb以上のDNAである、請求項1~3のいずれかに記載の方法。

【請求項5】
プロトプラストが単子葉植物由来である、請求項1~3のいずれかに記載の方法。

【請求項6】
単子葉植物がイネ科植物である、請求項5に記載の方法。

【請求項7】
イネ科植物がイネである、請求項6に記載の方法。
発明の詳細な説明 【発明の詳細な説明】

【0001】

【発明の属する技術分野】本発明は遺伝子工学の分野、特に植物細胞への遺伝子の導入法に関する。

【0002】

【従来の技術】細胞内に外来遺伝子を導入する技術、即ち、形質転換技術は、導入遺伝子の機能の解析、組み換えタンパク質の生産、遺伝子治療、有用形質転換植物の作出などに用いられる遺伝子工学分野における基本的な技術である。

【0003】
植物細胞の形質転換技術としてこれまでに、電気パルスによりDNAを導入する電気的穿孔法, 植物腫瘍を引き起こす土壌細菌であるアグロバクテリウムによる感染を利用するアグロバクテリウム法、DNAを吸着させた弾丸を細胞に撃ち込むマイクトプロジェックタイルボンバードメント法、融合剤であるポリエチレングリコールをDNAに結合させエンドサイトーシス様過程(推定)によりDNAを細胞内に取り込ませるポリエチレングリコール法などが開発されてきた。

【0004】
しかし、上記の方法では25kb以上の巨大DNAを細胞内に導入することが不可能であり(CAROL M.et al. Proc.Natl.Acad.Sci.USA 93 p9975(1996))、例えば、RFLP(restriction fragment length polymorphis)マーカー利用により作られた遺伝子地図を用いたマップベースの遺伝子の単離やクローニングなどに上記の形質転換法を適用することは困難であった。

【0005】
このため長鎖DNAを細胞内へ導入するために上記の形質転換法の改良などが行われ、近年になりアグロバクテリウム法およびマイクトプロジェックタイル法について植物細胞への長鎖DNAの導入について成功例が報告された(CAROL M.et al. Proc.Natl.Acad.Sci.USA 93 9975~9979(1996)、Joyce M.et al.Plant Cell Reports.14 299~304(1995))。

【0006】
しかしながら、アグロバクテリウム法には、導入する外来遺伝子を挿入するベクター系が限定されており、また適用できない植物種があるという問題点があり、一方、マイクトプロジェックタイル法には装置が高額でありまた導入効率が低いという問題点があった。

【0007】
なお、純化したDNAさえあれば簡便に行うことができ、しかも特に適用可能な植物種に制限のないという特徴を有し、利用頻度が高いポリエチレングリコール法については長鎖DNAの導入についての報告例は皆無である。

【0008】

【発明が解決しようとする課題】本発明は、長鎖DNAを植物細胞内に導入することが可能であり、適用可能な植物の範囲が広く、かつ簡便な遺伝子導入法を提供することを課題とする。

【0009】

【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究を行った結果、ポリエチレングリコール法において、ポリエチレングリコールと反応させるDNA濃度を高めることにより、長鎖DNAを高効率で植物細胞内に導入しうることを見出し、本発明を完成するに至った。

【0010】
即ち、本発明は、長鎖DNAを植物細胞内に導入することが可能なポリエチレングリコール法に関し、具体的には、(1) 長鎖DNAをプロトプラストに導入する方法であって、(a)プロトプラスト懸濁液、ポリエチレングリコールおよび長鎖DNAを、長鎖DNAの終濃度が50μg/ml以上になるように混合する工程、(b)プロトプラストを収穫し、洗浄し、培地中で培養する工程、(c)形質転換細胞を選抜する工程、を含む方法、(2) 長鎖DNAをプロトプラストに導入する方法であって、(a)プロトプラスト懸濁液、ポリエチレングリコールおよび長鎖DNAを、長鎖DNAの終濃度が100μg/ml以上になるように混合する工程、(b)プロトプラストを収穫し、洗浄し、培地中で培養する工程、(c)形質転換細胞を選抜する工程、を含む方法、(3) プロトプラストを収穫し、洗浄し、培地中で培養する工程におけるプロトプラストの洗浄において、静置および/または緩やかな撹拌により沈殿したDNAを溶解させプロトプラストを懸濁させることを特徴とする、(1)または(2)に記載の方法、(4) 長鎖DNAが100kb以上のDNAである、(1)~(3)のいずれかに記載の方法、(5) プロトプラストが単子葉植物由来である、(1)~(3)のいずれかに記載の方法、(6) 単子葉植物がイネ科植物である、(5)に記載の方法、(7) イネ科植物がイネである、(6)に記載の方法、に関する。

【0011】
なお、本発明において「長鎖DNA」とは、30kb以上のDNAを指す。また、「洗浄」とは、等張液または培地によるプロトプラストの洗浄を指す。さらに「緩やかな撹拌」とは、プロトプラストが破壊されない程度の撹拌を指す。

【0012】

【発明の実施の形態】本発明は、長鎖DNAを植物細胞内に導入することが可能なポリエチレングリコール法に関する。

【0013】
本発明の方法においては、まず、プロトプラスト懸濁液、ポリエチレングリコールおよび長鎖DNAの混合を行う。混合に用いるプロトプラスト懸濁液におけるプロトプラスト濃度は、通常、終濃度で106~2x107/ml程度である。プロトプラストは、植物細胞から単離することが可能である。単離法としては、例えば、イネ科植物であればFujimuraらの方法などが挙げられる(Fujimura, T., Sakurai,M., Akagi, H., Negishi, T and Hirose, A. (1985) Regeneration of rice plants from protoplasts. Plant Tissue Culture Lett. 2 :74~75.,Lorz, H.,Gobel, E., Brown, P. (1988) Advances in tissue culture and progress towards genetic transformation of cereals. Plant breeding 100 :1~25)。なお、本発明においては、遺伝子導入が可能な植物種に特に制限はない。また、混合に用いるポリエチレングリコール濃度は、通常、終濃度で10~30%程度である。混合に用いる長鎖DNA濃度は、プロトプラストの由来する植物細胞の種類により変動しうるが、通常、終濃度で50μg/ml以上であり、好ましくは80μg/ml以上であり、さらに好ましくは100μg/ml以上である。一般的なポリエチレングリコール法においては、通常、5~20μg/mlであるが、本発明の方法では上記のように高濃度のDNAを混合することを特徴とする。長鎖DNAの形態には特に制限はなく、直鎖上DNAの他、環状DNAなどを用いることが可能である。また、DNAの導入にベクターを用いる場合にも、適用可能なベクターには特に制限はない。

【0014】
混合後の反応は、通常、20℃程度で、5~15分程度行う。この反応過程において、ポリエチレングリコールと長鎖DNAとが吸着し、プロトプラストに作用する。なお、長鎖DNAを用いた場合には、この反応過程において、ポリエチレングリコールと長鎖DNAとの沈殿(以下、「ポリエチレングリコール沈殿」と称する)が生じ、プロトプラストの凝集が起こりうる。特に、100kbに近い長鎖DNAを用いた場合には、起こりやすい。

【0015】
本発明の方法においては、次いで、プロトプラストを収穫し、洗浄し、培地中で培養を行う。プロトプラストの収穫は、通常、遠心により行うか、または静置により沈降したプロトプラストの上清を除去することにより行う。洗浄は、通常は、マンニトール溶液などの等張液、次いで培地を用いて行う。洗浄は、必要に応じて、繰り返し行う。なお、DNAのポリエチレングリコール沈殿が生じプロトプラストが凝集している場合には、上記洗浄液に対する速やかな懸濁は困難である。この場合には、プロトプラストの破壊を防止するために、静置および/または緩やかな撹拌により沈殿したDNAを溶解させプロトプラストを懸濁させることが好ましい。洗浄後のプロトプラストの培養は、プロトプラストの由来となる植物細胞の種類により異なる。例えば、イネであれば、N6培地で7~10日程度培養する(Fujimura, T., Sakuraiunc, M., Akagi, H., Negishi, T and Hirose, A.(1985) Regeneration of rice plants from protoplasts. Plant Tissue Culture Lett. 2 :74~75)。

【0016】
本発明の方法においては、次いで、形質転換細胞の選抜を行う。選抜は、通常、ハイグロマイシンやビアラホスなどにより行う(Tada, Y., Sakamoto, M. andFujimura, T. (1990) Efficient gene introductioninto rice by electroporation and analysis of transgenic plants: use of electroporation buffer lacking chloride ions. Theor. Appl. Genet. 80 :475~480, Rao, K.V., Rathore, K.,Hodges, T.K. (1995) Physical, chemical and physiological parameters for electroporation-mediated gene delivery into rice protoplasts Transgenic Research 4: 361~368)。

【0017】
選抜した形質転換細胞は、必要に応じて再分化させ、トランスジェニック植物を作製することも可能である。再分化の方法は、植物細胞の種類により異なるが、例えば、イネであれば、Tukaharaらの方法により行うことが可能であり、トウモロコシであればDuncanらの方法で行うことが可能である(Tsukahara, M. andHirisawa, T. (1992) Characterization of factors affecting plantlet regeneration from rice (Oryza sativa L.) callus. Bot. Mag. Tokyo 105:227~233.,Duncan D.R., Williams M.E., Zehr, B.E. Widholm J.M. (1985) The production of callus capable of plant regeneration from immatute embryos of numerous Zea mays genetypes Planta 165: 322~332)。

【0018】
以下、本発明を実施例によりさらに具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に制限されるものではない。

【0019】

【実施例】
[実施例1] 用いた植物とカルスの誘導
日本晴れの完熟種子を滅菌後、N6寒天培地(1mg/lの2,4-D、10 mMのプロリン、300mg/lのカゼイン加水分解物、30g/lの蔗糖、3g/lのゲランガム)に置床した。置床後、3週間目のカルスを液体のN6培地(1mg/lの2,4-D、10 mMのプロリン、300mg/lのカゼイン加水分解物、30g/lの蔗糖)に移植した。1週間の液体培養後、MS培地(1mg/lの2,4-D、60g/lの蔗糖)に移植した。培養後4日目のカルスをプロトプラスト単離の材料とした。

【0020】
[実施例2] プラスミドの単離
常法(Ausubel, F. M., Brent, R., Kingston, R. E., Moore, D. D., Seidman, J. G.,Smith, J. A. and Struhl, K. ed. (1994) Current Protocols in Molecular Biology. Current Protocols : Greene Publishing Associates and Wiley-Interscience.JA)に従い、バクテリアのハイグロマイシン抵抗性遺伝子を持つ「pucHPT」(Tada, Y., Sakamoto, M. and Fujimura, T. (1990) Efficient gene introductioninto rice by electroporation and analysis of transgenicplants: use of electroporation buffer lacking chloride ions. Theor. Appl. Genet. 80 :475~480)及びヒトの約90kbの遺伝子を持つ「PAC」(ヒト遺伝子が導入された「PAC」を「PAC2」と称する。図1(K. Ashworth, M. Alegria-Hartman, M. Burgin, L. Devlin, A. V. Carrano & M. A. Batzer (1995) Assemblyof high-resolution bacterial artificial chromosome, P1-derived artificial chromosome, and cosmid contigs.L.Anal Biochem 224:564~571))をアルカリSDS法で抽出、超遠心後、形質転換に用いた。

【0021】
[実施例3] プロトプラストの単離とポリエチレングリコールによる形質転換
Tadaらの方法(Tada, Y., Sakamoto, M. and Fujimura, T. (1990) Efficientgene introduction into rice by electroporation and analysis of transgenic plants: use of electroporation buffer lacking chloride ions. Theor. Appl. Genet. 80 :475~480)を用い、プロトプラストを単離後、プロトプラストを0.5%の塩化カルシウムを含む0.4Mマンニトール液中に細胞密度2x107で懸濁した。「pucHPT」20μg/ml、「PAC2」100μg/mlになるようにDNAを加え、細胞密度1x107にし、1mlづつ遠心管に分注した。Dattaらの報告(Datta, S.K., Peterhans, A., Datta, K., Potrykus, I. (1990) Genetically engineered fertile indica-rice recovered from protoplasts)に従って作成した40%ポリエチレングリコール液(PEG6000)を1ml加え緩やかに混合した。DNAがポリエチレングリコール沈殿し、プロトプラストとDNA凝集が生じた後、10分間静置した。400rpmで3分遠心後、上澄をすて0.4Mマンニトール溶液を9ml加え1~2回混合した。30分の静置後、同じ操作を繰り返した。さらに30分の静置後、400rpmで遠心し上澄を捨てた後、R2培地(2mg/lの2,4-D、0.4Mの蔗糖)を9ml加え、緩やかに混合した後1時間静置した。この操作をもう一度繰り返し、プロトプラストの凝集がなくなったことを確認後、藤村らの方法(Fujimura, T., Sakurai, M., Akagi, H., Negishi, T and Hirose, A. (1985) Regeneration of rice plants from protoplasts.Plant Tissue Culture Lett. 2 :74~75)に従いプロトプラストを培養した。

【0022】
10日目にナース細胞(Ozawa, K., Komamine, A. (1996) High-frequency somatic embryogenesis from small suspension-cultured clusters of cells of aninterspecific hybrid of Oryza. Plant Cell,Tissue and Organ Culture 46:157~159 )を培地ごと取り除き、ハイグロマイシンを50mg/lで含むN6培地(1mg/lの2,4-D、0.2Mの蔗糖)を加え、ハイグロマイシン抵抗性カルスを選抜した。10日後に増殖した細胞塊をN6培地(1mg/lの2,4-D、10 mMのプロリン、300mg/lのカゼイン加水分解物、30g/lの蔗糖、3g/lのゲランガム、50mg/lのハイグロマイシン)に移した。なお、形質転換実験は3回繰り返し、通常の形質転換効率でハイグロマシン抵抗性カルスが誘導された。

【0023】
10日後、増殖したカルスを塚原らの方法(Tsukahara, M. and Hirisawa, T. (1992) Characterization of factors affecting plantlet regeneration from rice (Oryza sativa L.) callus. Bot. Mag. Tokyo 105:227~233)に従い、再分化培地に地床し、植物体を再分化させた。

【0024】
[実施例4] 導入遺伝子の確認
文献「plant molecular biology manual」に従い、形質転換植物体のゲノムDNAを抽出し、制限酵素EcoR1で分解した後、電気泳動を行った。文献「current protocoles in molecular biology」に従い、導入した「PAC2」をプローブとしてサザンハイブリダイゼーションを行った。

【0025】
なお、3回の実験においてそれぞれ12個体の再分化植物を選抜し、導入遺伝子の解析を行った。各実験で得られたハイグロマイシン抵抗性植物12個体中、それぞれ8個体、7個体、7個体で「PAC2」由来のヒトDNAのバンドが確認された。図2に8個体が検出された実験におけるサザンハイブリダイゼーションの結果を示す。レーン1、2、4、6、7、8、9、12にバンドが確認された。図2中の「PAC EcoRI」はEcoRI処理した「PAC2」を示し、「PAC Not1」はNot1処理した「PAC2」を示し、「Con」は「pucHPT」のみを導入した形質転換体を示す。また、レーン1~12は「pucHPT」および「PAC2」を導入した形質転換体を示す。

【0026】
また、上記実験において28kbのバンドが検出された個体につき長鎖DNA断片を検出するためにパルスフィールド電気泳動を行った。この結果、パルスフィールド電気泳動で60kbの「PAC2」由来のDNAのバンドが確認できた個体はそれぞれ2個体、3個体、2個体であった。図3に、上記3回のサザンハイブリダイゼーション実験において28kbのバンドが検出された個体を7個体選抜してパルスフィールド電気泳動を行った結果を示した。図3中の「N」はNot1処理した個体を示し、「No」は制限酵素処理していない個体を示す。また、「C」は「pucHPT」のみを導入した形質転換体を示し、「R1」~「R7」は「pucHPT」および「PAC2」が導入された形質転換体を示す。なお、60kbのバンドの確認できた個体の幾つかでは30kb、18kbのバンドも確認できた。これらの結果から、「PAC2」の全長が植物体に導入されたことが判明した。

【0027】
なお、遺伝子導入に用いる「PAC2」の濃度は、50μg/ml以上であれば形質転換体が得られた。しかし、50μg/mlより高濃度の「PAC2」(例えば、80μg/ml、100μg/ml)を用いた場合には、より高い遺伝子導入効率が得られた。

【0028】

【発明の効果】本発明により、長鎖DNAを植物細胞内に導入可能なポリエチレングリコール法が提供された。本発明のポリエチレングリコール法によれば、純化した長鎖DNAがあれば用いるプラスミドによる制限もなく、簡便かつ高効率に植物細胞に長鎖DNAを導入することが可能である。また、適用可能な植物種に特に制限はなく、広範囲の植物細胞に長鎖DNAを導入することが可能である。
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2