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明細書 :ブタ由来インターロイキン-18に対するモノクローナル抗体

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第3230220号 (P3230220)
公開番号 特開2001-103967 (P2001-103967A)
登録日 平成13年9月14日(2001.9.14)
発行日 平成13年11月19日(2001.11.19)
公開日 平成13年4月17日(2001.4.17)
発明の名称または考案の名称 ブタ由来インターロイキン-18に対するモノクローナル抗体
国際特許分類 C12N 15/02      
C07K 16/24      
C12N  5/10      
C12P 21/08      
G01N 33/53      
G01N 33/577     
FI C07K 16/24
C12P 21/08
G01N 33/53
G01N 33/577
C12N 15/00
請求項の数または発明の数 6
全頁数 14
出願番号 特願平11-287367 (P1999-287367)
出願日 平成11年10月7日(1999.10.7)
審査請求日 平成11年10月7日(1999.10.7)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】501203344
【氏名又は名称】独立行政法人 農業技術研究機構
【識別番号】599140851
【氏名又は名称】宗田 吉広
【識別番号】597169306
【氏名又は名称】森 康行
【識別番号】597169292
【氏名又は名称】下地 善弘
【識別番号】597169328
【氏名又は名称】新井 啓五
発明者または考案者 【氏名】宗田 吉広
【氏名】森 康行
【氏名】下地 善弘
【氏名】新井 啓五
個別代理人の代理人 【識別番号】100091096、【弁理士】、【氏名又は名称】平木 祐輔 (外1名)
審査官 【審査官】光本 美奈子
参考文献・文献 Journal of Immunological Methods,1997年,第206巻,p.107-113
日本獣医学会講演要旨集、1998年、第126巻、p.152
調査した分野 C12N 15/00 - 15/90
C07K 16/24
C12P 21/08
特許請求の範囲 【請求項1】
ブタ由来インターロイキン-18に特異的に反応し、ヒト由来インターロイキン-18との交差反応性を示さないことを特徴とするモノクローナル抗体。

【請求項2】
受託番号がFERM P-17527、FERM P-17528、FERM P-17529のいずれかであるハイブリドーマより産生される、請求項1記載のモノクローナル抗体。

【請求項3】
請求項1記載のモノクローナル抗体を産生するハイブリドーマ。

【請求項4】
前記ハイブリドーマの受託番号がFERM P-17527、FERM P-17528、FERM P-17529のいずれかである、請求項3記載のハイブリドーマ。

【請求項5】
請求項1または2記載のモノクローナル抗体を利用してブタ由来インターロイキン-18を精製することを特徴とする、ブタ由来インターロイキン-18の精製方法。

【請求項6】
請求項1または2記載のモノクローナル抗体を利用してブタ由来インターロイキン-18を検出することを特徴とする、ブタ由来インターロイキン-18の検出方法。
発明の詳細な説明 【発明の詳細な説明】

【01】

【発明の属する技術分野】本発明は、ブタ由来インターロイキン-18に特異的に反応するモノクローナル抗体、該モノクローナル抗体を産生するハイブリドーマ、並びに該モノクローナル抗体を利用したブタ由来インターロイキン-18の精製方法及び検出方法に関する。

【02】

【従来の技術】インターロイキン-18(以下、「IL-18」という)は、主に活性化マクロファージから産生され、T細胞やNK細胞からのインターフェロンガンマ(IFN-γ)の産生を誘導するサイトカインで(H.Okamura et al., Nature,378,88-91,1995)、その免疫担当細胞からのIFN-γの産生を誘導する生理活性を利用して、IFN-γ誘導剤、抗ウイルス剤、抗菌剤、抗腫瘍剤、免疫調節剤等の多様な臨床応用が期待されている。これまでに、マウス(H.Okamura et al., Nature.,378,88-91,1995)、ヒト(S.Ushio et al., J.immunol.,156,4274-4279)、ラット(B.Conti et al., J.Biol.Chem.,272,2035-2037)及びイヌ(F.Okano et al.,J.interferon cytokine Res.,19, 27-32)について、それらのIL-18遺伝子の塩基配列が報告されているが、家畜における報告はほとんどなく、家畜へのIL-18の利用が妨げられている。

【03】
最近、本発明者らにより、ブタにおけるIL-18遺伝子の全塩基配列及びアミノ酸配列を明らかにされたが(Genbank公開データAB01003)、ブタIL-18遺伝子を用いて活性の確認された組み換え蛋白質(組換えIL-18)の作製に成功した例はない。その理由は、ブタIL-18は、生体内で活性のない前駆体が変換酵素(IL-beta converting enzyme、別名caspase-1)の作用により切断(ブタIL-18のアミノ酸配列の35-36のAsp-Tyr間でcaspase-1により切断)されて初めて活性を持つという特徴を有しているため、他のサイトカインが保有するシグナルペプチドを有していないことにある。すなわち、ブタIL-18はシグナルペプチドを有していないため、細胞外へ活性型のブタIL-18を分泌させることは、大腸菌及びバキュロウイルスのいずれの発現系においても困難である。そこで、本発明者らは、大腸菌発現系において、変性剤による処理を行なって菌体成分とともにブタIL-18を抽出した後、ブタIL-18に付加しておいたHisタグによるアフィニティー精製によりブタIL-18を精製し、活性再生を行なったが、やはり活性型のブタIL-18を得ることは困難であった。また、本発明者らは、バキュロウイルス発現系において、前駆体型のブタIL-18は非常によく分泌されるが、活性型のIL-18は培養上清中に微量しか分泌されないことを確認している。

【04】
このような状況の下、ブタIL-18、特に活性型のブタIL-18の検出・精製・中和等の手法を確立することが望まれているが、ブタIL-18に特異的に反応するモノクローナル抗体が樹立されていない現状においては、それらの手法を確立することは困難である。そこで、ブタIL-18に特異的に反応するモノクローナル抗体を樹立し、ブタIL-18の検出・精製等の手法を確立することが切望されている。

【05】

【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、ブタIL-18に特異的に反応するモノクローナル抗体、該モノクローナル抗体を産生するハイブリドーマ、並びに該モノクローナル抗体を利用したブタIL-18の精製方法及び免疫学的な検出方法を提供することにある。

【06】

【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、ブタIL-18を抗原として用いて、ブタIL-18に特異的に反応するモノクローナル抗体を作出することに成功した。さらに、本発明者らは、該モノクローナル抗体を利用して、ブタIL-18と夾雑物質とを含む混合物からブタIL-18を高純度かつ効率的に精製することに成功するとともに、該モノクローナル抗体を利用して、被検試料中のブタIL-18を定性的または定量的に検出することに成功した。以上の知見に基づいて本発明は完成されるに至った。

【08】

【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明する。
1.本発明のモノクローナル抗体
本発明のモノクローナル抗体は、ブタ由来インターロイキン-18(以下、「ブタIL-18」という)に特異的に反応し得るすべてのモノクローナル抗体を包含し、由来動物、作出方法、イムノグロブリンクラス等は特に限定されない。本発明のモノクローナル抗体としては、ブタ由来インターロイキン-18に特異的に反応し、かつヒト由来インターロイキン-18、マウス由来インターロイキン-18、ブタ由来インターロイキン-1β、ブタ由来インターロイキン-8、ブタ由来インターロイキン-12及びブタ由来インターフェロンγに反応しないモノクローナル抗体を好ましいものとして例示でき、その中でも、特に、受託番号がFERM P-17527、FERM P-17528、FERM P-17529、FERM P-17530及びFERM P-17531であるハイブリドーマが産生するモノクローナル抗体を好ましいものとして例示できる。

【09】
2.本発明のモノクローナル抗体の作出
本発明のモノクローナル抗体の作出方法は、特に限定されず、その作出方法は公知の方法(例えば、岩崎辰夫ら著、『単クローン抗体-ハイブリドーマとELISA』、1983年、講談社サイエンティフィック発行)に従えばよい。本発明のモノクローナル抗体は、例えば、次の各工程により作出することができる。
(1)抗原の調製
(2)免疫及び抗体産生細胞の採取
(3)細胞融合
(4)ハイブリドーマの選択及びクローニング
(5)モノクローナル抗体の採取
以下、各工程について説明する。

【10】
(1)抗原の調製
抗原とするブタIL-18の調製は、特定の方法には限定されないが、ブタIL-18をコードするDNAを利用して抗原とするブタIL-18を調製するのが好ましい。ブタIL-18のアミノ酸配列は配列番号2に示す通りであり、ブタIL-18をコードするDNAとしては、例えば、配列番号1に記載の塩基配列からなるDNAを利用できる。ブタIL-18をコードするDNAは、常法に従って化学合成することができる。また、ブタIL-18をコードするDNAは、ブタから採取した肺胞マクロファージをリポ多糖(LPS)で刺激した後、該ブタ肺胞マクロファージからmRNAを抽出し、該mRNAを鋳型としたRT-PCR法により増幅することもできる。この際、RT-PCR法は常法に従って行なうことができ、プライマーは配列番号1に記載の塩基配列に基づいて設計することができる。プライマーセットとしては、例えば、配列番号3及び4記載の塩基配列からなるプライマーセット、並びに配列番号5及び6記載の塩基配列からなるプライマーセットを使用できる。

【11】
ブタIL-18をコードするDNAからのブタIL-18の調製は、例えば、ブタIL-18をコードするDNAを含む組換えべクターを作製し、該べクターにより適当な宿主細胞を形質転換し、該形質転換体を適当な培地で培養して得られる培養物を精製することにより行うことができる。組換えべクター及び宿主細胞としては、特に限定されず公知のいかなるものを使用してもよいが、特に、組換えバキュロウイルス及び昆虫細胞(例えば、Sf21AE細胞、Tn5細胞)を使用するのが好ましい。形質転換体の培養及び培養物の精製は、常法に従って行うことができる。抗原とするブタIL-18は、形質転換体の培養物から精製したブタIL-18を使用してもよいし、形質転換体の培養物を未精製のまま使用してもよい。また、ブタIL-18の抗原性フラグメントの精製タンパク質又は部分精製タンパク質を抗原として使用してもよい。

【12】
(2)免疫及び抗体産生細胞の採取
上記のようにして得られたブタIL-18を免疫原として、アジュバンドとともに哺乳類、鳥類等に投与する。ここで、アジュバンドとしては、フロイント完全アジュバンド、フロイント不完全アジュバンド、BCG、ハンターズ、タイターマック、キーホールリンペットヘモシアニン含有オイル等を例示でき、これらを単独で使用してもよいし、これらの2種以上を混合して使用してもよい。

【13】
哺乳類としては、ウマ、サル、イヌ、ブタ、ヤギ、ヒツジ、ウサギ、モルモット、ハムスター、ラット、マウス等を使用でき、鳥類としては、ハト、ニワトリ等を使用できるが、特にマウス、ラット等を使用するのが好ましい。投与の方法としては、公知の何れの方法を使用してもよく、例えば、静脈内投与、皮下投与又は腹腔内投与を使用できる。抗原の免疫量は1回にマウス1匹当たり、通常10~1000μg、好ましくは100μgである。免疫の間隔は、通常1~3週、好ましくは2週であり、免疫の回数は、通常1~3回、好ましくは2回である。最終免疫日から2~5日後、好ましくは3日後に、抗体産生細胞を採集する。採取する抗体産生細胞としては、リンパ節細胞、脾臓細胞等が挙げられるが、好ましくは脾臓細胞である。

【14】
(3)細胞融合
抗体産生細胞と細胞融合させるミエローマ細胞としては、マウス、ラット、ヒト等の種々の動物に由来し、当業者が一般に入手可能である株化細胞を使用できる。使用する細胞株としては、薬剤抵抗性を有し、未融合の状態では選択培地(例えば HAT培地)で生存できず、抗体産生細胞と融合した状態でのみ選択培地で生存できる性質を有するものが好ましい。一般的には、8‐アザグアニン耐性株を使用できる。この細胞株は、ヒポキサンチン-グアニンホスフォリボシルトランスフェラーゼを欠損し(HGPRT-)、HAT培地で生育できない。

【15】
このようなミエローマ細胞としては、P3X63Ag8U1、P3-X63Ag8、P3/NS1/1-Ag4-1、P3X63Ag8.653、Sp2/O-Ag14、Sp2/O/FO-2等のマウスミエローマ細胞株、210.RCY.Ag1.2.3等のラットミエローマ細胞株、SKO-007等のヒトミエローマ細胞株等を使用できる。細胞融合は、例えば、ミエローマ細胞と抗体産生細胞とを混合比1:5~1:10の割合で、RPMI1640培地等の培地中で融合促進剤存在下、室温で2~5分間細胞同士を接触させることによって行うことができる。この際、融合促進剤としては、平均分子量1000~5000のポリエチレングリコール、ポリビニールアルコール等を使用できる。また、センダイウイルス等の融合ウイルスを使用してもよい。

【16】
(4)ハイブリドーマの選択、スクリーニング及びクローニング
細胞融合後、ハイブリドーマを選択する。ハイブリドーマの選択方法は、通常の方法に従えばよく、特に限定されない。ハイブリドーマの選択は、例えば、ハイブリドーマを選択培地(例えばHAT培地)で培養することにより行なうことができる。この際の培養は、常法に従えばよく、特に限定されない。通常は37℃で7~14日間培養すればよい。目的のモノクローナル抗体を産生するハイブリドーマのスクリーニングは、例えば、ブタIL-18を抗原としてコートしたプレートを用いた酵素抗体法によって行なうことができる。目的のハイブリドーマをクローニングする方法は、通常の方法に従えば良く、特に限定されない。ハイブリドーマのクローニングは、例えば、限界希釈法、軟寒天法、フィブリンゲル法、蛍光励起セルソーター法等により行なうことができる。

【17】
(5)モノクローナル抗体の採取
取得したハイブリドーマからモノクローナル抗体を採取する方法としては、通常の細胞培養法や腹水形成法等を用いることができる。細胞培養法においては、例えば、ハイブリドーマを仔ブタ血清含有RPMI1640培地、MEM培地、E-RDF培地又は無血清培地等の動物細胞培地中で、通常の培養条件(例えば、37℃、5%C02 濃度)で3~7日間培養し、その培養上清から目的とするモノクローナル抗体を取得できる。腹水形成法においては、例えば、ミエローマ細胞由来の哺乳動物と同種の動物の腹腔内にプリスタン(2,6,10,14‐テトラメチルペンタデカン)等の鉱物油を投与し、その後、ハイブリドーマ1×106~1×107個、好ましくは2×106個を腹腔内に投与する。投与した哺乳動物を1~3週間、好ましくは2週間、飼育した後、腹水又は血清を採取することにより目的とするモノクローナル抗体を取得できる。

【18】
上記抗体の採取方法において、抗体の精製が必要とされる場合には、硫酸塩分析法、DEAE-セルロース等の陰イオン交換体を利用するイオン交換クロマトグラフィー、プロテインAセファロース等を用いるアフィニティークロマトグラフィー、分子量や構造によってふるい分ける分子ふるいクロマトグラフィー等の公知の方法を適宜に選択し、これらを単独で又は組み合わせて使用することにより精製を行うことができる。抗体の精製には、市販のキット(例えば、HitrapTM rProtein A column, Amersham Pharmacia Biotech社製)を使用すると便利である。採取したモノクローナル抗体が目的とするモノクローナル抗体であることの確認は、例えばブタIL-18に対するウェスタンブロット法により行なうことができる。

【19】
3.本発明のモノクローナル抗体の使用
本発明のモノクローナル抗体は、例えば、ブタIL-18を含む試料からのブタIL-18の精製、試料中に含まれるブタIL-18の検出等に使用できる。ブタIL-18を含む試料からのブタIL-18の精製は、例えば、本発明のモノクローナル抗体を固定化したカラム(例えば、HiTrapR NHS-activated column(ファルマシア社製))を用いたアフィニティークロマトグラフィーによって行うことができる。この際使用するブタIL-18を含む試料は特に限定されず、いかなる試料を使用してもよい。

【20】
試料中に含まれるブタIL-18の検出は、例えば、本発明のモノクローナル抗体を利用したウェスタンブロッティング、エンザイムイムノアッセイ、免疫組織化学染色等によって行なうことができる。なお、「ブタIL-18の検出」には、ブタIL-18の定性的検出及び定量的検出の両者が含まれる。

【21】
本発明のモノクローナル抗体を利用したウェスタンブロッティングは、例えば、次のようにして行なうことができる。被検試料を例えばSDS-ポリアクリルアミド電気泳動により分離した後、電気的にPVDF膜等に転写する。洗浄及びブロッキング後、標識した本発明のモノクローナル抗体を反応させる(例えば、37℃で1時間)。次いで、免疫反応により生じた抗原抗体複合体を、標識を指標として検出する。これにより、被検試料中のブタIL-18定性的に検出することができる。この際、標識としては、例えば、酵素、蛍光色素、ビオチン等を使用することができる。酵素としては、例えば、西洋ワサビペルオキシダーゼ、β-ガラクトシダーゼ、アルカリホスファターゼ等が挙げられ、蛍光色素としては、例えば、フルオレセインイソチオシアネート(FITC)、テトラメチルローダミンイソチオシアネート(TRITC)等が挙げられる。抗原抗体複合体の検出は、標識の種類に応じて、常法に従って行うことができる。例えば、標識として酵素を使用する場合には、酵素の基質を加え、反応産物による発色や反応前後の吸光度の変化に基づいて抗原抗体複合体を検出することができる。また、標識として蛍光色素を使用する場合には、蛍光顕微鏡等により蛍光を観察することによって抗原抗体複合体を検出することができる。また、標識としてビオチンを使用する場合には、酵素標識アビジンを加え、次いで酵素の基質を加えて、反応産物による発色や反応前後の吸光度の変化に基づいて抗原抗体複合体を検出することができる。

【22】
本発明のモノクローナル抗体を利用したエンザイムイムノアッセイは、例えば、次のようにして行なうことができる。本発明のモノクローナル抗体を至適濃度に希釈して固相(例えば、市販のELISA用プレート)に固定化した後、洗浄及びブロッキングする。次いで、固相に被検試料を加えて反応させ、被検試料中のブタIL-18と本発明のモノクローナル抗体とを反応させる(例えば、37℃で1時間)。次いで、免疫反応によって生じた抗原抗体複合体に、標識した本発明のモノクローナル抗体(固相に固定化したものとは別のモノクローナル抗体であるのが好ましい)を反応させ、標識を指標として抗原抗体複合体を検出する。これにより、被検試料中のブタIL-18を定量的に検出することができる。標識としては、上記の酵素、蛍光色素、ビオチン等を使用でき、標識を指標とした抗原抗体複合体の検出は、標識の種類に応じて上記と同様に行なうことができる。

【23】
本発明のモノクローナル抗体を利用した免疫組織化学染色は、例えば、次のようにして行なうことができる。LPSを投与したブタの各臓器を採取し、公知の方法(例えば、「病理組織標本の作り方(第6版)」、医学書院、慶応義塾大学医学部病理学教室編、p27-41(1986))によりパラフィン包埋組織切片を作製する。そして、該組織切片上に本発明のモノクローナル抗体を感作させた後、市販の免疫組織化学染色キット(例えば、ニチレイ社製シンプルステイン)を用いてブタIL-18を検出する。これにより、ブタIL-18を組織切片(組織標本)上で検出することができる。

【24】
本発明のモノクローナル抗体を利用すれば、ブタIL-18と夾雑物とを含む混合物(例えば、大腸菌溶解物、哺乳動物細胞又は昆虫細胞発現系における培養上清)から、ブタIL-18を簡便かつ高純度で精製することができる。また、本発明のモノクローナル抗体を利用すれば、被検試料中のブタIL-18が微量であっても、精度よくブタIL-18を検出することができる。

【25】

【実施例】以下、実施例により、本発明について具体的に説明する。ただし、これらの実施例により本発明の範囲が限定されるものではない。
〔実施例1〕ブタIL-18に特異的に反応するモノクローナル抗体の作出
(1)ブタIL-18をコードするcDNAの調製
正常なブタから肺胞マクロファージ(AMφ)を採取し、リポポリサッカライド(LPS)により刺激した。すなわち、正常なブタの肺を無菌的に取り出し、肺内をHank's balanced salt solution(Sigma社製)で洗浄することにより得られる肺胞洗浄液500mlを採取した。この肺胞洗浄液を1000rpmで10分間遠心し、ブタAMφを回収した。回収したAMφを10% FCS、2mM L-グルタミン、1mM ピルビン酸ナトリウム、50U/ml ペニシリン、50μg/ml ストレプトマイシン、50μM β-メルカプトエタノールを含むRPMI1640培地(Sigma社製)に細胞濃度1×106 cells/mlとなるように再浮遊させ、10μg/mlのLPSを加えて、37℃、5%炭酸ガス下で24時間培養した。培養後、公知の方法(P.Chomczynski and N.Sacci, Analytical Biochem., 162,156-159,1987)によりTotal-RNAを精製した。このTotal-RNAの1μgを鋳型として、宝酒造社製の市販されているキット(Takara RNA PCR kit Ver2.1)により、添付のプロトコールに従ってcDNAを合成した。

【26】
(2)ブタIL-18タンパク質抗原の調製
大腸菌での活性型ブタIL-18の発現
Perkinermer社製のPCR reaction tubeに、10×PCRバッファー10μl、25mM dNTPミックス10μl、5 U/μlのEx Taq DNAポリメラーゼ1μl、上記(1)で得られたcDNA 1μl、ブタIL-18をコードするDNAの塩基配列(配列番号1)に基づいて化学合成したプライマー(センスプライマー:5'-gatcggatcctactttggcaag-3'(配列番号3)及びアンチセンスプライマー:5'-ctagctgcagcccagaaagttc-3'(配列番号4))を加え、滅菌蒸留水で100μlとした。

【27】
なお、センスプライマー(配列番号3)の塩基配列中、5'末端側の「gatc」は制限酵素処理を効率よく行なうための付加配列、下線部の「ggatcc」は制限酵素BamHIの認識配列、「tactttggcaag」はブタIL-18遺伝子(配列番号1)の106~117番目と同一の塩基配列である。また、アンチセンスプライマー(配列番号4)の塩基配列中、5'末端側の「ctag」は制限酵素処理を効率よく行なうための付加配列、下線部の「ctgcag」は制限酵素PstIの認識配列、「cccagaaagttc」はブタIL-18遺伝子(配列番号1)の600~611番目と相補的な塩基配列である。

【28】
常法によりこの混合物を94℃で30秒間、50℃で30秒間、72℃で45秒間のサイクルを30回繰り返し、PCR反応させ、PCR産物を得た。このPCR産物とQIAGEN社製プラスミドベクターpQE30とを制限酵素BamHI及びPstIでそれぞれ消化し、当分野において公知の方法によってライゲーション及び大腸菌JM109株へのトランスフォーメーションを行い形質転換体を得た。この形質転換体を、100μg/ml アンピシリンを含むLB培地に接種して37℃で18時間培養した後、プラスミドDNA(pQE30-IL-18)をWizardR Plus Midipreps DNAPurification System(Promega社製)で精製し、組み込まれたPCR産物の塩基配列をThermo Sequenase fluorescent labelled primer cycle sequencing kit(Amersham Pharmacia Biotech社製)により決定した。これにより、PCR産物にブタIL-18をコードするDNA領域が含まれていることが確認された。

【29】
この形質転換体を37℃で18時間培養し、PBSで洗浄後、1% Triton-Xを含むPBSに浮遊させ、超音波破砕後、遠心分離により菌体破砕物を採取した。この菌体破砕物を8M 尿素、0.5M NaClを含む0.05M Tris-HCl(pH7.5)中に室温で1時間かけて溶解した後、ファルマシア社製Hi-TrapR Chelating Columnに負荷し、添付のプロトコールに従って、組換えブタIL-18タンパク質を精製し、PBSに対して透析した。なお、この精製組換えブタIL-18タンパク質を、実施例1(3)において免疫原として使用するとともに、実施例3のエンザイムイムノアッセイにおいて使用した。

【30】
バキュロウイルス昆虫細胞系での前駆体型ブタIL-18の発現
Perkinermer社製のPCR reaction tubeに、10×PCRバッファー10μl、25mM dNTPミックス10μl、5 U/μlのEx Taq DNAポリメラーゼ1μl、上記(1)で得られたcDNA 1μl、ブタIL-18をコードするDNAの塩基配列(配列番号1)に基づいて化学合成したプライマー(センスプライマー:5'-gatcagatctatggctgctgaaccggaagac-3'(配列番号5)及びアンチセンスプライマー:5'-ctaggaattcctagttcttgttttgaacagt-3'(配列番号6))を加え、滅菌蒸留水で100μlとした。

【31】
常法によりこの混合物を94℃で30秒間、55℃で30秒間、72℃で60秒間のサイクルを30回繰り返し、PCR反応させ、PCR産物を得た。なお、センスプライマー(配列番号5)の塩基配列中、5'末端側の「gatc」は制限酵素処理を効率よく行なうための付加配列、下線部の「agatct」は制限酵素BalIIの認識配列、「atggctgctgaaccggaagac」はブタIL-18遺伝子(配列番号1)の1~21番目と同一の塩基配列である。また、アンチセンスプライマー(配列番号6)の塩基配列中、5'末端側の「ctag」は制限酵素処理を効率よく行なうための付加配列、下線部の「gaattc」は制限酵素EcoRIの認識配列、「ctagttcttgttttgaacagt」はブタIL-18遺伝子(配列番号1)の559~579番目と相補的な塩基配列である。

【32】
このPCR産物とPharmingen社製プラスミドベクターpVL1392とを制限酵素BglII及びEcoRIでそれぞれ消化し、当分野において公知の方法によってライゲーション及び大腸菌DH5α株へのトランスフォーメーションを行い形質転換体を得た。この形質転換体を、100μg/ml アンピシリンを含むLB培地に接種して37℃で18時間培養した後、プラスミドDNA(pVL1392-IL-18)をWizardR Plus Midipreps DNA Purification System(Promega社製)で精製し、組み込まれたPCR産物の塩基配列をThermo Sequenase fluorescent labelled primer cycle sequencing kit(Amersham Pharmacia Biotech社製)により決定した。これにより、PCR産物にブタIL-18をコードするDNA領域が含まれていることが確認された。

【33】
この組換えプラスミドDNA 1μgとBaculoGoldTM Linearized Baculovirus DNA(Pharmingen社製)0.25μgとを、市販の昆虫細胞培養用培地Sf900II(GiBco BRL社製)100μl中で混和して溶液Aを調製した。別に、Sf900II(GiBco BRL社製)100μlとLipofectin(GiBco BRL社製)10μlとを混和して溶液Bを調製した。溶液Aと溶液Bとを混和した後、室温で15分間静置し、あらかじめ1×106個のSf21細胞を培養しておいた25cm2フラスコに加えて、27℃で5時間培養した。上清を捨て、5mlのSf900IIを加えて、さらに4日間27℃で培養し、上清を回収した。

【34】
この培養上清には組換えウイルスが含まれているので、組換えウイルスを既知の方法(M.Brown and P. Faulkner, J.Gen. Virol., 36, 361-364)によりプラーククローニングし、精製組換えウイルスを得た。精製組換えウイルスを、あらかじめ市販の昆虫細胞培養用培地Express Five(GiBco BRL社製)中で5×106個のTn5細胞を培養しておいた75cm2フラスコに、細胞1個あたり10個の組換えウイルスが感染するように加えて、27℃で4日間培養し、培養上清中に分泌された組換えブタIL-18を回収した。なお、この組換えブタIL-18を、実施例1(3)のELISAにおいて使用するとともに、実施例2のウェスタンブロッティングにおいて使用した。

【35】
バキュロウイルス昆虫細胞系での活性型ブタIL-18の発現
Perkinermer社製のPCR reaction tubeに、10×PCRバッファー 10μl、25mM dNTPミックス 10μl、100μg/ml BSA 10μl、5 U/μlのアンプリTaq DNAポリメラーゼ1μl、上記で調製したプラスミドDNA(pVL1392-IL-18)1μl、ブタIL-18をコードするDNAの塩基配列(配列番号1)に基づいて化学合成したプライマー(センスプライマー:5'-gatcggatcctactttggcaag-3'(配列番号3)及びアンチセンスプライマー:5'-ctagctgcagcccagaaagttc-3'(配列番号4))を加え、滅菌蒸留水で100μlとした。

【36】
常法によりこの混合物を94℃で30秒間、50℃で30秒間、72℃で45秒間のサイクルを30回繰り返し、PCR反応させ、PCR産物を得た。このPCR産物とPharmingen社製プラスミドベクターpAcGP67Bとを制限酵素BamHI及びPstIでそれぞれ消化し、当分野において公知の方法によってライゲーション及び大腸菌DH5α株へのトランスフォーメーションを行い形質転換体を得た。

【37】
この形質転換体を、100μg/ml アンピシリンを含むLB培地に接種して37℃で18時間培養した後、プラスミドDNA(pAcGP67B-IL-18)をWizardR Plus MidiprepsDNA Purification System(Promega社製)で精製し、組み込まれたPCR産物の塩基配列をThermo Sequenase fluorescent labelled primer cycle sequencing kit(Amersham pharmacia biotech社製)により決定した。これにより、PCR産物にブタIL-18をコードするDNA領域が含まれていることが確認された。上記と同様の方法により、昆虫細胞へのコトランスフェクションによる組換えバキュロウイルスの作製、プラーククローニング、昆虫細胞への感染による組換え蛋白の発現を行った。なお、この組換えタンパク質を、実施例4のイムノアフィニティークロマトグラフィーにおいて使用した。

【38】
(3)抗ブタIL-18モノクローナル抗体産生ハイブリドーマの作出
上記(2)で調製した組換えブタIL-18タンパクの濃度を約100μg/mlに調製した後、等量のフロイント完全アジュバントと混合し、BALB/Cマウスの腹腔内に1ml投与した。初回免疫後、2週間目に再び、等量のフロイント不完全アジュバントと混合してBALB/Cマウスの腹腔内に1ml追加免疫した。さらに、その2週間後に再び、PBSで100μg/mlに調整した抗原1mlを静脈内投与し、最終免疫した。その3日後に脾臓を摘出し、脾臓細胞とP3-X63-Ag8-U1細胞とをポリエチレングリコール法により細胞融合させた。

【39】
細胞を洗浄後、HAT培地に再浮遊し、96穴マイクロプレートに1ウェルあたり0.2mlずつ分注し、37℃、5%炭酸ガス下で2週間培養した。増殖陽性ウェルから培養上清を回収し、上記(1)で調製したブタIL-18を抗原としたELISAにより、抗体産生ハイブリドーマをスクリーニングし、ブタIL-18に特異的に反応するハイブリドーマを選択した。さらに、これらの陽性ハイブリドーマを、当分野において公知の方法により限外希釈を繰り返してクローニングし、ブタIL-18に特異的に反応するモノクローナル抗体を産生する13種類のハイブリドーマクローンを得た。

【40】
以下では、得られた13種類のハイブリドーマクローンをそれぞれ「Anti-Po-IL-18-22B」、「Anti-Po-IL-18-31C」、「Anti-Po-IL-18-53B」、「Anti-Po-IL-18-2A7」、「Anti-Po-IL-18-2C4」、「Anti-Po-IL-18-5A11」、「Anti-Po-IL-18-5C5」、「Anti-Po-IL-18-5F6」、「Anti-Po-IL-18-7G8」、「Anti-Po-IL-18-8G12」、「Anti-Po-IL-18-9H6」、「Anti-Po-IL-18-11H5」及び「Anti-Po-IL-18-12C12」と呼び、各ハイブリドーマクローンが産生するモノクローナル抗体をそれぞれ「2-2-B」、「3-1-C」、「5-3-B」、「2-A-7」、「2-C-4」、「5-A-11」、「5-C-5」、「5-F-6」、「7-G-8」、「8-G-12」、「9-H-6」、「11-H-5」及び「12-C-12」と呼ぶ。

【41】
なお、ハイブリドーマクローンAnti-Po-IL-18-22B、Anti-Po-IL-18-5C5、Anti-Po-IL-18-7G8、Anti-Po-IL-18-9H6及びAnti-Po-IL-18-12C12は、それぞれFERMP-17527、FERM P-17528、FERM P-17529、FERM P-17530及びFERM P-17531として工業技術院生命工学工業技術研究所に寄託されている(寄託日:平成11年8月25日)。以下の表1には、各モノクローナル抗体のサブクラスを示す。なお、モノクローナル抗体のサブクラスは常法により分析した。

【42】

【表1】
JP0003230220B2_000002t.gif【0043】各ハイブリドーマを、あらかじめ0.5mlのフロイント不完全アジュバントを腹腔内投与しておいた6週齢のBALB/Cマウスの腹腔内に2×106個/匹で投与し、約10日間飼育した。その後、腹水を採取し、PBSで2倍希釈した後、15000rpmで5分間遠心分離して、上清を採取し、0.45μmのミリポアフィルターを通過させた後、最終濃度0.5Mになるように塩化ナトリウムを添加し、HitrapTM rProtein A column(Amersham Pharmacia Biotech社製)に負荷した。添付のプロトコールに従って操作し、各種の精製抗ブタIL-18モノクローナル抗体を得た。これらのモノクローナル抗体の一部は、EZ-LinkTM Sulfo-NHS-LC-Biotin(Pierce社製)を用いて、添付のプロトコールに従ってビオチン化した。

【44】
〔実施例2〕ウェスタンブロッティングによるブタIL-18の検出
実施例1(2)で調製した前駆体型ブタIL-18を含む培養上清10μlとSDS-ポリアクリルアミド電気泳動用バッファー10μlを混和して、95℃で5分間処理した後、100Vで90分間のSDS-ポリアクリルアミド電気泳動を行った。常法に従って、PVDF膜へ転写した後、膜を3%スキムミルクと0.05%Tween20を加えたTris-buffered saline(3%SM-TBS-tween20)中で室温で1時間浸漬してブロッキングを行い、実施例1(3)で得られたビオチン化モノクローナル抗体1μg/mlを含む1%SM-TBS-tween20液中に37℃で1時間浸漬した。膜を1%SM-TBS-tween20で洗浄して、過剰の抗体を除いた後、HRP-streptoavidin(Zymed社製)を1%SM-TBSで1000倍に希釈した溶液中に室温で1時間浸漬して反応させ、0.01M Tris-HCl(pH7.4)で洗浄後、0.01%過酸化水素水と25μg/ml O-dianisidineを含む0.01MTris-HCl(pH7.4)に浸漬して発色させた。

【45】
結果を図1に示す。図1中、(A)はSDS-PAGE後にクーマシーブリリアントブルー(CBB)染色した結果を示し、(B)はウェスタンブロッティングによる分析結果を示す。(A)において、「M」は分子量マーカーを表し、レーン1は前駆体型ブタIL-18を含む培養上清の電気泳動結果を表す。また、(B)において、「M」は分子量マーカーを表し、レーン1~13はそれぞれモノクローナル抗体2-2-B、3-1-C、5-3-B、2-A-7、2-C-4、5-A-11、5-C-5、5-F-6、7-G-8、8-G-12、9-H-6、11-H-5及び12-C-12を用いた結果を表し、レーン14は抗ブタインターロイキン-8モノクローナル抗体を用いた結果を表し、レーン15はP3U1細胞ミエローマタンパク質を用いた結果を表す。なお、図1中の矢印は前駆体型ブタIL-18の位置を示す。図1に示すように、実施例1(3)で作製したモノクローナル抗体は、いずれもブタIL-18と特異的に反応した。これにより、ブタIL-18に特異的に反応するモノクローナル抗体を利用すれば、ブタIL-18を高感度に検出することができることが明らかとなった。

【46】
〔実施例3〕エンザイムイムノアッセイによるブタIL-18の検出
実施例1(3)で得られたモノクローナル抗体7-G-8を10μg/mlになるように0.05M炭酸バッファー(pH9.6)に溶解し、96穴Maxisorp plate(Nunc社製)の各ウェルに100μlずつ分注し、4℃で1晩静置した。プレートを0.05%Tween20を含むPBSで洗浄後、ブロッキングバッファー(0.8%NaCl、0.01M Na2HPO4<HAN>・</HAN>2H2O、0.02% KH2PO4、0.02% KCl、0.5% BSA、pH 7.4)を各ウェルに100μlずつ分注して、室温で1時間静置し、ブロッキングを行った。プレートを0.05%Tween20を含むPBSで洗浄後、実施例1(2)で得られた精製ブタIL-18を希釈バッファー(0.8% NaCl、0.01M Na2HPO4<HAN>・</HAN>2H2O、0.02% KH2PO4、0.02% KCl、0.5% BSA、0.1% Tween20、pH 7.4)で至適濃度(2000pg/ml、1000pg/ml、500pg/ml、250pg/ml、125pg/ml、62.5pg/ml、31.3pg/ml、15.6pg/ml、0pg/ml)に希釈して、各ウェルに100μlずつ分注して、37℃で1時間静置した。

【47】
プレートを0.05%Tween20を含むPBSで洗浄後、ビオチンで標識したモノクローナル抗体5-C-5を150ng/mlになるように上記希釈バッファーに溶解し、各ウェルに100μlずつ分注して、37℃で1時間静置した。プレートを0.05%Tween20を含むPBSで洗浄後、HRP-streptoavidin(Biosource社製)を上記希釈バッファーで2500倍に希釈し、各ウェルに100μlずつ分注して、室温で1時間静置した。プレートを0.05%Tween20を含むPBSで洗浄後、ペルオキシダーゼの活性をTMBZを基質として波長450nmにおける吸光度として測定した。結果を以下の表2に示す。

【48】

【表2】
JP0003230220B2_000003t.gif【0049】表2に示すように、約20~2000pg/mlの範囲のブタIL-18を精度よく定量できた。これにより、ブタIL-18に特異的に反応するモノクローナル抗体を利用すれば、ブタIL-18を精度よく定量できることが明らかとなった。

【50】
〔実施例4〕イムノアフィニティークロマトグラフィーによるブタIL-18の精製
(1)精製したモノクローナル抗体2-2-Bを市販のHiTrapR NHS-activated column(Pharmacia Biotech社製)に、添付のプロトコールに従って結合させ、100mMTris-HCl (pH8.0)で洗浄後、実施例1(2)で調製したブタ活性型IL-18を含む昆虫細胞の培養上清500mlを供与した。100mM Tris-HCl(pH8.0)で洗浄後、0.5M NaClを含む100mM Glycine-HCl(pH2.7)で溶出し、1M Tris-HCl(pH9.0)でpHを中性付近に戻した。溶出画分を実施例2に示す方法で、SDS-ポリアクリルアミド電気泳動及びウェスタンブロッティングにより分析したところ(図2)、純度約85%のブタIL-18が50μg得られた。

【51】
図2中、(A)はSDS-PAGE後にCBB染色した結果を示し、(B)はウェスタンブロッティングによる分析結果を示し、(C)はデンシトメーターによる分析結果を示す。(A)において、「M」は分子量マーカーを表し、レーン1は野生株バキュロウイルス感染昆虫細胞培養上清の電気泳動結果を表し、レーン2は活性型ブタIL-18組換えバキュロウイルス感染昆虫細胞培養上清の電気泳動結果を表し、レーン3は抗ブタインターロイキン-18モノクローナル抗体結合カラム溶出画分の電気泳動結果を表す。また、(B)において、レーン1は野生株バキュロウイルス感染昆虫細胞培養上清を用いた結果を表し、レーン2は活性型ブタIL-18組換えバキュロウイルス感染昆虫細胞培養上清を用いた結果を表し、レーン3は抗ブタインターロイキン-18モノクローナル抗体結合カラム溶出画分を用いた結果を表す。なお、図2中の矢印はブタ活性型IL-18の位置を示す。

【52】
図2に示すように、ブタIL-18に特異的に反応するモノクローナル抗体を利用すれば、ブタIL-18を簡便かつ高純度で精製できることが明らかとなった。
(2)上記(1)で精製したブタIL-18の生物活性の検定は、公知の方法(S.Ushio et al., J.Immunol., 156, 4274-4279)に従って行った。すなわち、健康なブタの末梢血20mlから、公知の方法(J.Coligan et al., Current Protocols inImmunology, 7.1.2-7.1.5)に従ってFicoll-Hypaque(Pharmacia Biotech社製)を用いて単核球を分離・回収した。回収した単核球を10% FCS、2mM L-グルタミン、1mM ピルビン酸ナトリウム、50U/ml ペニシリン、50μg/ml ストレプトマイシン、50μM β-メルカプトエタノールを含むRPMI1640培地(Sigma社製)に細胞濃度2×106cells/mlとなるように再浮遊させ、0.1μg/mlの抗ブタCD3抗体(VMRD社製)及び0.5μg/mlのConcanavalin A(Sigma社製)の存在下、並びに抗ブタCD3抗体(VMRD社製)及びConcanavalin Aの不存在下において、各種濃度(3000ng/ml、1500ng/ml、750ng/ml、375ng/ml、187.5ng/ml、93.8ng/ml、46.9ng/ml、23.4ng/ml、11.7ng/ml、5.9ng/ml、2.8ng/ml、0ng/ml)の精製ブタIL-18を加えて、37℃で24時間培養し、培養上清中のブタインターフェロンガンマの濃度をブタインターフェロンガンマELISAキット(Biosource International 社製)を用いて測定した。

【53】
結果を図3に示す。図3に示すように、精製された活性型ブタIL-18は、抗ブタCD3抗体及びConcanavalin Aの存在下では、ブタ末梢血単核球からのインターフェロンガンマの産生を用量依存的に誘導した。一方、精製された活性型ブタIL-18は、抗ブタCD3抗体及びConcanavalin Aの不存在下では、ブタ末梢血単核球からのインターフェロンガンマの産生を誘導しなかった。この結果から、精製された活性型ブタIL-18が、実際にIL-18活性を有していることが判明した。

【54】
〔実施例5〕免疫組織化学染色によるブタIL-18の検出
組織切片上での免疫組織化学染色によるブタIL-18の検出を以下のように行なった。0.3mg/kg体重のLPSを投与してエンドトキシンショックを起こさせたブタから肝臓を採取し、公知の方法(「病理組織標本の作り方(第6版)」、医学書院、慶応義塾大学医学部病理学教室編、p27-41(1986))によりホルマリン固定及びパラフィン包埋・薄切を行ない、組織標本を作製した。この組織標本に抗原賦活化処理として、0.1% トリプシン処理を39℃で1時間行なった後、実施例1(3)で得られたモノクローナル抗体9-H-6又は12-C-12を100μg/mlで、4℃、20時間感作させ、市販のキット(ニチレイ社製シンプルステイン)を用いてプロトコールに従って発色させた。

【55】
一方、対照として、生理食塩水のみを投与したブタから肝臓を採取し、上記と同様に免疫組織化学染色を行なった。結果を図4に示す。図4中、(A)はLPS投与のブタの肝臓を用いた場合の結果を示し、(B)は生理食塩水のみを投与したブタの肝臓を用いた場合の結果を示す。この結果から、本発明のモノクローナル抗体を用いた免疫組織化学染色によって、ブタIL-18を組織標本上で高感度に検出できることが明らかとなった。

【56】
〔実施例6〕モノクローナル抗体の他のブタサイトカイン及びヒト・マウスIL-18との交差反応性
実施例3に示したモノクローナル抗体7-G-8及び5-C-5を用いたサンドウィッチエンザイムイムノアッセイを行ない、モノクローナル抗体の交差反応性を検討した。エンザイムイムノアッセイでは、実施例1(2)で得られた精製ブタインターロイキン-18、ブタインターロイキン-1β(Biosource社製)、ブタインターロイキン-8(Biosource社製)、ブタインターロイキン-12(Endogen社製)、ブタインターフェロンγ、ヒトインターロイキン-18(MBL社製)及びマウスインターロイキン-18(MBL社製)を各1ng/ml(1000pg/ml)となるように希釈バッファーで希釈して用いた。結果を以下の表3に示す。なお、表3に示す吸光度(O.D.)は、4回の実験で得られた平均値±標準偏差である。

【57】

【表3】
JP0003230220B2_000004t.gif【0058】表3に示すように、モノクローナル抗体7-G-8及び5-C-5を用いたサンドウィッチエンザイムイムノアッセイでは、ブタインターロイキン-18は検出できたが、ブタインターロイキン-1β、ブタインターロイキン-8、ブタインターロイキン-12、ブタインターフェロンγ、ヒトインターロイキン-18及びマウスインターロイキン-18は検出できなかった。この結果から、実施例1(3)で得られたモノクローナル抗体は、ブタインターロイキン-1β、ブタインターロイキン-8、ブタインターロイキン-12、ブタインターフェロンγ、ヒトインターロイキン-18及びマウスインターロイキン-18とは交差反応せず、ブタインターロイキン-18に特異的に反応することが確認された。

【59】

【発明の効果】本発明により、ブタIL-18に特異的に反応するモノクローナル抗体及び該モノクローナル抗体を産生するハイブリドーマが提供される。本発明のモノクローナル抗体を利用したウェスタンブロット及びELISA等の方法により、ブタIL-18の検出、精製、定量等が可能となる。従って、本発明のモノクローナル抗体は、ブタにおける様々な疾患におけるIL-18の関与を研究する上で極めて有用である。本発明のモノクローナル抗体は、例えば、遺伝子工学的手法を用いて作製したブタ組み換えIL-18蛋白質の検出や大量精製に利用できる。また、本発明のモノクローナル抗体を利用すれば、組織切片上でのブタIL-18の抗体による検出が可能となり、種々のブタの病態における本サイトカインの役割が明らかとなる。さらに、精製されたブタIL-18及び中和抗体を利用してブタIL-18の関与する種々の疾病や病態の制御や治療あるいはブタの種々の病原体に対する生体防御能を増強することが可能となる。

【60】

【配列表】
SEQUENCE LISTING
<110> Director General of National Institute of Animal Health
<120> Monoclonal antibody directed to Porcine IL-18
<130> P99-0413
<160> 6
<210> 1
<211> 665
<212> DNA
<213> Sus scrofa
<400> 1
atg gct gct gaa ccg gaa gac aat tgc atc agc ttt gtg gaa atg aag 48
Met Ala Ala Glu Pro Glu Asp Asn Cys Ile Ser Phe Val Glu Met Lys
1 5 10 15
ttt att aac aat aca ctt tac ttt gta gct gaa aac gat gaa gac ctg 96
Phe Ile Asn Asn Thr Leu Tyr Phe Val Ala Glu Asn Asp Glu Asp Leu
20 25 30
gaa tcg gat tac ttt ggc aag ctt gaa cct aaa ctc tca atc ata cga 144
Glu Ser Asp Tyr Phe Gly Lys Leu Glu Pro Lys Leu Ser Ile Ile Arg
35 40 45
aat ctg aac gac caa gtc ctt ttc att aac cag gga cat caa gcc gtg 192
Asn Leu Asn Asp Gln Val Leu Phe Ile Asn Gln Gly His Gln Ala Val
50 55 60
ttt gag gat atg cct gat tct gac tgt tca gat aat gca cct cag acc 240
Phe Glu Asp Met Pro Asp Ser Asp Cys Ser Asp Asn Ala Pro Gln Thr
65 70 75 80
gta ttt att ata tat atg tat aaa gat agc ctc act aga ggt ctg gca 288
Val Phe Ile Ile Tyr Met Tyr Lys Asp Ser Leu Thr Arg Gly Leu Ala
85 90 95
gta acc atc tct gtg cag tgt aag aaa atg tct act ctc tcc tgt aag 336
Val Thr Ile Ser Val Gln Cys Lys Lys Met Ser Thr Leu Ser Cys Lys
100 105 110
aac aaa act ctt tcc ttt aag gaa atg agt cct cct gat aat att gat 384
Asn Lys Thr Leu Ser Phe Lys Glu Met Ser Pro Pro Asp Asn Ile Asp
115 120 125
gat gaa gga aat gac atc ata ttc ttt cag aga agt gtt cct gga cat 432
Asp Glu Gly Asn Asp Ile Ile Phe Phe Gln Arg Ser Val Pro Gly His
130 135 140
gat gat aag ata cag ttt gag tct tca ttg tac aaa gga tac ttt cta 480
Asp Asp Lys Ile Gln Phe Glu Ser Ser Leu Tyr Lys Gly Tyr Phe Leu
145 150 155 160
gct tgt aaa aaa gag aac gac ctt ttc aaa ctc att ttg aaa gaa aag 528
Ala Cys Lys Lys Glu Asn Asp Leu Phe Lys Leu Ile Leu Lys Glu Lys
165 170 175
gat gaa tgt gga gat aaa tct ata atg ttc act gtt caa aac aag aac 576
Asp Glu Cys Gly Asp Lys Ser Ile Met Phe Thr Val Gln Asn Lys Asn
180 185 190
tag atattaaaac tgcatggttt gaactttctg ggtttttttc ctttcagaaa 629
ggttatatga gtttgaatct atagatataa tgagga 665
<210> 2
<211> 192
<212> PRT
<213> Sus scrofa
<400> 2
Met Ala Ala Glu Pro Glu Asp Asn Cys Ile Ser Phe Val Glu Met Lys
1 5 10 15
Phe Ile Asn Asn Thr Leu Tyr Phe Val Ala Glu Asn Asp Glu Asp Leu
20 25 30
Glu Ser Asp Tyr Phe Gly Lys Leu Glu Pro Lys Leu Ser Ile Ile Arg
35 40 45
Asn Leu Asn Asp Gln Val Leu Phe Ile Asn Gln Gly His Gln Ala Val
50 55 60
Phe Glu Asp Met Pro Asp Ser Asp Cys Ser Asp Asn Ala Pro Gln Thr
65 70 75 80
Val Phe Ile Ile Tyr Met Tyr Lys Asp Ser Leu Thr Arg Gly Leu Ala
85 90 95
Val Thr Ile Ser Val Gln Cys Lys Lys Met Ser Thr Leu Ser Cys Lys
100 105 110
Asn Lys Thr Leu Ser Phe Lys Glu Met Ser Pro Pro Asp Asn Ile Asp
115 120 125
Asp Glu Gly Asn Asp Ile Ile Phe Phe Gln Arg Ser Val Pro Gly His
130 135 140
Asp Asp Lys Ile Gln Phe Glu Ser Ser Leu Tyr Lys Gly Tyr Phe Leu
145 150 155 160
Ala Cys Lys Lys Glu Asn Asp Leu Phe Lys Leu Ile Leu Lys Glu Lys
165 170 175
Asp Glu Cys Gly Asp Lys Ser Ile Met Phe Thr Val Gln Asn Lys Asn
180 185 190
<210> 3
<211> 22
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> sense primer for PCR
<400> 3
gatcggatcc tactttggca ag 22
<210> 4
<211> 22
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> antisense primer for PCR
<400> 4
ctagctgcag cccagaaagt tc 22
<210> 5
<211> 31
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> sense primer for PCR
<400> 5
gatcagatct atggctgctg aaccggaaga c 31
<210> 6
<211> 31
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> antisense primer for PCR
<400> 6
ctaggaattc ctagttcttg ttttgaacag t

【7】
すなわち、本発明は以下の発明を包含する。
(1)ブタ由来インターロイキン-18に特異的に反応するモノクローナル抗体。
(2)前記(1)記載のモノクローナル抗体を産生するハイブリドーマ。
(3)前記(1)記載のモノクローナル抗体を利用してブタ由来インターロイキン-18を精製することを特徴とする、ブタ由来インターロイキン-18の精製方法。
(4)前記(1)記載のモノクローナル抗体を利用してブタ由来インターロイキン-18を検出することを特徴とする、ブタ由来インターロイキン-18の検出方法。
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3