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明細書 :触媒およびその製造方法

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第3926762号 (P3926762)
公開番号 特開2004-300395 (P2004-300395A)
登録日 平成19年3月9日(2007.3.9)
発行日 平成19年6月6日(2007.6.6)
公開日 平成16年10月28日(2004.10.28)
発明の名称または考案の名称 触媒およびその製造方法
国際特許分類 C08F   4/54        (2006.01)
C08F   4/08        (2006.01)
C08F   4/10        (2006.01)
C08F  20/00        (2006.01)
FI C08F 4/54
C08F 4/08
C08F 4/10
C08F 20/00 510
請求項の数または発明の数 8
全頁数 49
出願番号 特願2003-098403 (P2003-098403)
出願日 平成15年4月1日(2003.4.1)
審査請求日 平成17年2月14日(2005.2.14)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】503360115
【氏名又は名称】独立行政法人科学技術振興機構
発明者または考案者 【氏名】中野 環
個別代理人の代理人 【識別番号】110000338、【氏名又は名称】特許業務法人原謙三国際特許事務所
【識別番号】100080034、【弁理士】、【氏名又は名称】原 謙三
【識別番号】100113701、【弁理士】、【氏名又は名称】木島 隆一
【識別番号】100116241、【弁理士】、【氏名又は名称】金子 一郎
審査官 【審査官】鈴木 亨
参考文献・文献 特開平01-193312(JP,A)
特開平10-316709(JP,A)
特開平08-225603(JP,A)
特開平07-242712(JP,A)
特表平05-507506(JP,A)
英国特許出願公開第1553264(GB,A)
調査した分野 C08F 4/00- 4/58
C08F 4/72- 4/82
特許請求の範囲 【請求項1】
モノマーの重合を開始させる触媒の製造方法であって、一般式(20)
【化1】
JP0003926762B2_000065t.gif
{式中、Rは、芳香族基が置換した、脂肪族飽和炭化水素から水素原子1個を除いた残りの原子団、H(水素原子)、芳香族基、CN(イソシアノ基)、アシル基、アルキル基、あるいは脂肪族不飽和炭化水素から水素原子1個を除いた残りの原子団を示し、R11~R4は、それぞれ、水素原子、芳香族基、アルキル基、あるいは、アシル基(-C(O)R51)、アルコキシル基(-OR52)、アルキルチオ基(-SR53)、ジアルキルアミノ基(-NR542)を示し16~R19は、それぞれ、水素原子、芳香族基、アルキル基、アシル基(-C(O)R61)、アルコキシル基(-OR62)、アルキルチオ基(-SR63)、あるいは、ジアルキルアミノ基(-NR642)を示し、R61~R64は、それぞれ、炭素数1~50のアルキル基を示し、R51~R54は、それぞれ、炭素数1~50のアルキル基を示す
で表される芳香族化合物;一般式(15)
【化2】
JP0003926762B2_000066t.gif
{式中、Rは、芳香族基が置換した、脂肪族飽和炭化水素から水素原子1個を除いた残りの原子団、H(水素原子)、芳香族基、CN(イソシアノ基)、アシル基、アルキル基、あるいは脂肪族不飽和炭化水素から水素原子1個を除いた残りの原子団を示し、R11~R3は、それぞれ、水素原子、芳香族基、アルキル基、あるいは、アシル基(-C(O)R51)、アルコキシル基(-OR52)、アルキルチオ基(-SR53)、ジアルキルアミノ基(-NR542)を示し、R21~R25は、それぞれ、水素原子、芳香族基、アルキル基、アシル基(-C(O)R71)、アルコキシル基(-OR72)、アルキルチオ基(-SR73)、あるいは、ジアルキルアミノ基(-NR742)を示し、R71~R74は、それぞれ、炭素数1~50のアルキル基を示し、R51~R54は、それぞれ、炭素数1~50のアルキル基を示す
で表される芳香族化合物;および一般式(16)
【化3】
JP0003926762B2_000067t.gif
{式中、Rは、芳香族基が置換した、脂肪族飽和炭化水素から水素原子1個を除いた残りの原子団、H(水素原子)、芳香族基、CN(イソシアノ基)、アシル基、アルキル基、あるいは脂肪族不飽和炭化水素から水素原子1個を除いた残りの原子団を示し、R26~R29は、それぞれ、水素原子、芳香族基、アルキル基、アシル基(-C(O)R81)、アルコキシル基(-OR82)、アルキルチオ基(-SR83)、あるいは、ジアルキルアミノ基(-NR842)を示し、R81~R84は、それぞれ、炭素数1~50のアルキル基を示す}
で表される化合物;
からなる群より選ばれる第1化合物と、一般式(4)または一般式(5)
OM………(4)
4’OMOR4’’………(5)
{式中、R,R4’,R4’’は、それぞれ、芳香族基が置換した、脂肪族飽和炭化水素から水素原子1個を除いた残りの原子団、脂肪族不飽和炭化水素から水素原子1個を除いた残りの原子団、芳香族基、アルキル基、またはアシル基を示し、M,Mは、それぞれ、アルカリ金属、アルカリ土類金属を示す}
で表される金属アルコキシドとを反応させることによって触媒を得ることを特徴とする触媒の製造方法。
【請求項2】
上記第1化合物として、化学式(6)
【化4】
JP0003926762B2_000068t.gif
で表されるフルオレンを用いることを特徴とする請求項1に記載の触媒の製造方法。
【請求項3】
金属アルコキシドとして、t-ブトキシカリウムを用いることを特徴とする請求項1または2に記載の触媒の製造方法。
【請求項4】
モノマーの重合を開始させる触媒であって、一般式(20)
【化5】
JP0003926762B2_000069t.gif
{式中、Rは、芳香族基が置換した、脂肪族飽和炭化水素から水素原子1個を除いた残りの原子団、H(水素原子)、芳香族基、CN(イソシアノ基)、アシル基、アルキル基、あるいは脂肪族不飽和炭化水素から水素原子1個を除いた残りの原子団を示し、R11~R4は、それぞれ、水素原子、芳香族基、アルキル基、あるいは、アシル基(-C(O)R51)、アルコキシル基(-OR52)、アルキルチオ基(-SR53)、ジアルキルアミノ基(-NR542)を示し16~R19は、それぞれ、水素原子、芳香族基、アルキル基、アシル基(-C(O)R61)、アルコキシル基(-OR62)、アルキルチオ基(-SR63)、あるいは、ジアルキルアミノ基(-NR642)を示し、R61~R64は、それぞれ、炭素数1~50のアルキル基を示し、R51~R54は、それぞれ、炭素数1~50のアルキル基を示す
で表される芳香族化合物;一般式(15)
【化6】
JP0003926762B2_000070t.gif
{式中、Rは、芳香族基が置換した、脂肪族飽和炭化水素から水素原子1個を除いた残りの原子団、H(水素原子)、芳香族基、CN(イソシアノ基)、アシル基、アルキル基、あるいは脂肪族不飽和炭化水素から水素原子1個を除いた残りの原子団を示し、R11~R3は、それぞれ、水素原子、芳香族基、アルキル基、あるいは、アシル基(-C(O)R51)、アルコキシル基(-OR52)、アルキルチオ基(-SR53)、ジアルキルアミノ基(-NR542)を示し、R21~R25は、それぞれ、水素原子、芳香族基、アルキル基、アシル基(-C(O)R71)、アルコキシル基(-OR72)、アルキルチオ基(-SR73)、あるいは、ジアルキルアミノ基(-NR742)を示し、R71~R74は、それぞれ、炭素数1~50のアルキル基を示し、R51~R54は、それぞれ、炭素数1~50のアルキル基を示す
で表される芳香族化合物;および一般式(16)
【化7】
JP0003926762B2_000071t.gif
{式中、Rは、芳香族基が置換した、脂肪族飽和炭化水素から水素原子1個を除いた残りの原子団、H(水素原子)、芳香族基、CN(イソシアノ基)、アシル基、アルキル基、あるいは脂肪族不飽和炭化水素から水素原子1個を除いた残りの原子団を示し、R26~R29は、それぞれ、水素原子、芳香族基、アルキル基、アシル基(-C(O)R81)、アルコキシル基(-OR82)、アルキルチオ基(-SR83)、あるいは、ジアルキルアミノ基(-NR842)を示し、R81~R84は、それぞれ、炭素数1~50のアルキル基を示す}
で表される化合物;
からなる群より選ばれる第1化合物と、一般式(4)または一般式(5)
OM………(4)
4’OMOR4’’………(5)
{式中、R,R4’,R4’’は、それぞれ、芳香族基が置換した、脂肪族飽和炭化水素から水素原子1個を除いた残りの原子団、脂肪族不飽和炭化水素から水素原子1個を除いた残りの原子団、芳香族基、アルキル基、またはアシル基を示し、M,Mは、それぞれ、アルカリ金属、アルカリ土類金属を示す}
で表される金属アルコキシドとの反応によって得られることを特徴とする触媒。
【請求項5】
モノマーの重合を開始させる触媒であって、
一般式(20’)一般式(20’’)、一般式(15’)、一般式(15’’)、一般式(16’)、および一般式(16’’)
【化8】
JP0003926762B2_000072t.gif
{式中、Rは、芳香族基が置換した、脂肪族飽和炭化水素から水素原子1個を除いた残りの原子団、H(水素原子)、芳香族基、CN(イソシアノ基)、アシル基、アルキル基、あるいは脂肪族不飽和炭化水素から水素原子1個を除いた残りの原子団を示し、R11~R4は、それぞれ、水素原子、芳香族基、アルキル基、あるいは、アシル基(-C(O)R51)、アルコキシル基(-OR52)、アルキルチオ基(-SR53)、ジアルキルアミノ基(-NR542)を示し16~R19は、それぞれ、水素原子、芳香族基、アルキル基、アシル基(-C(O)R61)、アルコキシル基(-OR62)、アルキルチオ基(-SR63)、あるいは、ジアルキルアミノ基(-NR642)を示し、R61~R64は、それぞれ、炭素数1~50のアルキル基を示し、51~R54は、それぞれ、炭素数1~50のアルキル基を示し、4’は、芳香族基が置換した、脂肪族飽和炭化水素から水素原子1個を除いた残りの原子団、脂肪族不飽和炭化水素から水素原子1個を除いた残りの原子団、芳香族基、アルキル基、またはアシル基を示し、M,Mは、それぞれ、アルカリ金属、アルカリ土類金属を示す}
【化9】
JP0003926762B2_000073t.gif
{式中、Rは、芳香族基が置換した、脂肪族飽和炭化水素から水素原子1個を除いた残りの原子団、H(水素原子)、芳香族基、CN(イソシアノ基)、アシル基、アルキル基、あるいは脂肪族不飽和炭化水素から水素原子1個を除いた残りの原子団を示し、R11~R3は、それぞれ、水素原子、芳香族基、アルキル基、あるいは、アシル基(-C(O)R51)、アルコキシル基(-OR52)、アルキルチオ基(-SR53)、ジアルキルアミノ基(-NR542)を示し、R21~R25は、それぞれ、水素原子、芳香族基、アルキル基、アシル基(-C(O)R71)、アルコキシル基(-OR72)、アルキルチオ基(-SR73)、あるいは、ジアルキルアミノ基(-NR742)を示し、R71~R74は、それぞれ、炭素数1~50のアルキル基を示し、51~R54は、それぞれ、炭素数1~50のアルキル基を示し、4’は、芳香族基が置換した、脂肪族飽和炭化水素から水素原子1個を除いた残りの原子団、脂肪族不飽和炭化水素から水素原子1個を除いた残りの原子団、芳香族基、アルキル基、またはアシル基を示し、M,Mは、それぞれ、アルカリ金属、アルカリ土類金属を示す}
【化10】
JP0003926762B2_000074t.gif
{式中、Rは、芳香族基が置換した、脂肪族飽和炭化水素から水素原子1個を除いた残りの原子団、H(水素原子)、芳香族基、CN(イソシアノ基)、アシル基、アルキル基、あるいは脂肪族不飽和炭化水素から水素原子1個を除いた残りの原子団を示し、R26~R29は、それぞれ、水素原子、芳香族基、アルキル基、アシル基(-C(O)R81)、アルコキシル基(-OR82)、アルキルチオ基(-SR83)、あるいは、ジアルキルアミノ基(-NR842)を示し、R81~R84は、それぞれ、炭素数1~50のアルキル基を示し、R4’は、芳香族基が置換した、脂肪族飽和炭化水素から水素原子1個を除いた残りの原子団、脂肪族不飽和炭化水素から水素原子1個を除いた残りの原子団、芳香族基、アルキル基、またはアシル基を示し、M,Mは、それぞれ、アルカリ金属、アルカリ土類金属を示す}
で表される化合物からなる群より選ばれる第2化合物と、一般式(11)
OH………(11)
{式中、Rは、芳香族基が置換した、脂肪族飽和炭化水素から水素原子1個を除いた残りの原子団、脂肪族不飽和炭化水素から水素原子1個を除いた残りの原子団、芳香族基、アルキル基、またはアシル基を示す}
で表されるアルコールとの反応によって得られることを特徴とする触媒。
【請求項6】
上記第2化合物が、一般式(7’)または一般式(8’)
【化11】
JP0003926762B2_000075t.gif
{式中、R4’は、芳香族基が置換した、脂肪族飽和炭化水素から水素原子1個を除いた残りの原子団、脂肪族不飽和炭化水素から水素原子1個を除いた残りの原子団、芳香族基、アルキル基、またはアシル基を示し、M,Mは、それぞれ、アルカリ金属、アルカリ土類金属を示す}
で表される化合物であることを特徴とする請求項5に記載の触媒。
【請求項7】
上記第1化合物が、化学式(6)
【化12】
JP0003926762B2_000076t.gif
で表されるフルオレンであることを特徴とする請求項4に記載の触媒。
【請求項8】
請求項4~7の何れか1項に記載の触媒を用いてモノマーの重合を行うことを特徴とするリビング重合方法。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する分野】
本発明は、モノマーの重合を開始させる触媒およびその製造方法、ならびにこの触媒を用いたリビング重合方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
高分子材料は、多種多様な製品の材料として重要であり、近年では、種々の製品の高性能・高機能化に伴い、高分子材料に要求される性能等も多様化している。高分子材料の合成方法の一つであるリビング重合方法は、高分子材料の多様化に対応する有用な高分子合成方法である。
【0003】
リビング重合方法とは、重合反応中・後に、重合体生長末端が失活していない重合方法であり、重合終了後、別のモノマーを添加し、重合を継続することによって、ブロックポリマー(例えば、スチレン-ブタジエン-スチレン系などのABA型トリブロックポリマー等)が得られる等、種々の利点がある。
【0004】
メタクリル酸メチル(MMA)等のアクリル系モノマーのリビング重合方法では、例えば、非特許文献1に開示されているように、炭素アニオンであるフルオレニルリチウムが、モノマーの重合を開始させる触媒(開始剤)として用いられている。非特許文献1に開示のフルオレニルリチウムの合成方法を、式(I)に示す。
【0005】
【数1】
JP0003926762B2_000002t.gif
【0006】
(式中、Buはブチル基を示す)
例えば、フルオレニルカリウムも、リビング重合方法において重合を開始させる触媒として用いられている。フルオレニルカリウムの合成方法は、例えば、非特許文献2および3に開示されている。非特許文献2,3に開示の合成方法を、それぞれ、式(II),(III)に示す。
【0007】
【数2】
JP0003926762B2_000003t.gif
【0008】
{式中、Phはフェニル基を示す}
【0009】
【数3】
JP0003926762B2_000004t.gif
【0010】
ここで、従来のリビング重合方法において使用されている触媒の合成方法をまとめれば、式(IV)~式(VII)に示す通りである。
【0011】
【数4】
JP0003926762B2_000005t.gif
【0012】
{式中、R101,R201,Rは、それぞれ、炭化水素基を示し、Arは芳香族基を示し、Mはアルカリ金属を示す。(なお、RMは、金属単体を原料として合成される;式(VII)を参照)}
【0013】
【数5】
JP0003926762B2_000006t.gif
【0014】
(式中、R111,R211は、それぞれ、炭化水素基を示し、Arは芳香族基を示し、Mはアルカリ金属を示す)
【0015】
【数6】
JP0003926762B2_000007t.gif
【0016】
(式中、R301は炭化水素基を示し、Arは芳香族基を示し、Mはアルカリ金属を示す)
X+2M → RM+MX………(VII)
(式中、Rは炭化水素基を示し、Mはアルカリ金属を示し、Xはハロゲン原子を示す。)
【0017】
【非特許文献1】
かさ高いアルキルリチウムによるシンジオタクチックポリメタクリル酸メチルの合成 曹 俊奎、岡本 佳男、畑田 耕一、高分子論文集、Vol.43, No.12, pp. 857-861 (Dec., 1986)
【0018】
【非特許文献2】
M. Goodman, U. Arnon, J. Am. Chem. Soc., vol. 86, p. 3384 (1964)
【0019】
【非特許文献3】
T. Ellingsen, J. Smid, J. Phys. Chem., Vol. 73, p. 2717 (1969)
【0020】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、式(I)~(VI)に示す触媒の合成方法において使用される金属単体は、空気中の水はもちろん、窒素、二酸化炭素などとも容易に、しかも激しく反応する。従って、上記従来の方法で触媒を合成する際には、特殊な装置を用いなければならず、これが触媒の製造コストを低下させる上で障害となっている。
【0021】
本発明は、上記従来の問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、モノマーの重合を開始させる触媒を、特殊な装置を用いずに製造する方法や、これによって得られる触媒、またこの触媒を用いたリビング重合方法や、これによって得られるポリマーを提供することにある。
【0022】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、例えばフルオレン等のアリールアルカンと、t-ブトキシカリウム等の金属アルコキシドとの反応によって、メタクリル酸メチル等のモノマーの重合を開始させる触媒を得ることができることや、この触媒を用いることで、トリブロックポリマーの合成を2段階操作で行えること等を見出し、本発明を完成するに至った。
【0023】
本発明にかかる触媒の製造方法は、モノマーの重合を開始させる触媒の製造方法であって、一般式(20)
【0024】
【化13】
JP0003926762B2_000008t.gif
【0025】
{式中、Rは、芳香族基が置換した、脂肪族飽和炭化水素から水素原子1個を除いた残りの原子団、H(水素原子)、芳香族基、CN(イソシアノ基)、アシル基、アルキル基、あるいは脂肪族不飽和炭化水素から水素原子1個を除いた残りの原子団を示し、R11~R4は、それぞれ、水素原子、芳香族基、アルキル基、あるいは、アシル基(-C(O)R51)、アルコキシル基(-OR52)、アルキルチオ基(-SR53)、ジアルキルアミノ基(-NR542)を示し16~R19は、それぞれ、水素原子、芳香族基、アルキル基、アシル基(-C(O)R61)、アルコキシル基(-OR62)、アルキルチオ基(-SR63)、あるいは、ジアルキルアミノ基(-NR642)を示し、R61~R64は、それぞれ、炭素数1~50のアルキル基を示し、R51~R54は、それぞれ、炭素数1~50のアルキル基を示す
で表される芳香族化合物;一般式(15)
【0026】
【化14】
JP0003926762B2_000009t.gif
【0027】
{式中、Rは、芳香族基が置換した、脂肪族飽和炭化水素から水素原子1個を除いた残りの原子団、H(水素原子)、芳香族基、CN(イソシアノ基)、アシル基、アルキル基、あるいは脂肪族不飽和炭化水素から水素原子1個を除いた残りの原子団を示し、R11~R3は、それぞれ、水素原子、芳香族基、アルキル基、あるいは、アシル基(-C(O)R51)、アルコキシル基(-OR52)、アルキルチオ基(-SR53)、ジアルキルアミノ基(-NR542)を示し、R21~R25は、それぞれ、水素原子、芳香族基、アルキル基、アシル基(-C(O)R71)、アルコキシル基(-OR72)、アルキルチオ基(-SR73)、あるいは、ジアルキルアミノ基(-NR742)を示し、R71~R74は、それぞれ、炭素数1~50のアルキル基を示し、R51~R54は、それぞれ、炭素数1~50のアルキル基を示す
で表される芳香族化合物;および一般式(16)
【0028】
【化15】
JP0003926762B2_000010t.gif
【0029】
{式中、Rは、芳香族基が置換した、脂肪族飽和炭化水素から水素原子1個を除いた残りの原子団、H(水素原子)、芳香族基、CN(イソシアノ基)、アシル基、アルキル基、あるいは脂肪族不飽和炭化水素から水素原子1個を除いた残りの原子団を示し、R26~R29は、それぞれ、水素原子、芳香族基、アルキル基、アシル基(-C(O)R81)、アルコキシル基(-OR82)、アルキルチオ基(-SR83)、あるいは、ジアルキルアミノ基(-NR842)を示し、R81~R84は、それぞれ、炭素数1~50のアルキル基を示す}
で表される化合物;
からなる群より選ばれる第1化合物と、一般式(4)または一般式(5)
OM………(4)
4’OMOR4’’………(5)
{式中、R,R4’,R4’’は、それぞれ、芳香族基が置換した、脂肪族飽和炭化水素から水素原子1個を除いた残りの原子団、脂肪族不飽和炭化水素から水素原子1個を除いた残りの原子団、芳香族基、アルキル基、またはアシル基を示し、M,Mは、それぞれ、アルカリ金属、アルカリ土類金属を示す}
で表される金属アルコキシドとを反応させることによって触媒を得ることを特徴としている。
【0030】
上記の構成によれば、水や窒素、二酸化炭素に対して不活性な金属アルコキシドを用いて触媒を得ることができるので、特殊な装置を用いて触媒を製造する必要がなくなる。これにより、触媒の製造コストを下げることができる。また、第1化合物と金属アルコキシドとを反応させるだけなので、容易な操作で触媒を得ることができる。
【0031】
また、本発明にかかる触媒の製造方法は、上記第1化合物として、化学式(6)
【0032】
【化16】
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【0033】
で表されるフルオレンを用いることを特徴としている。
【0034】
また本発明にかかる触媒の製造方法は、金属アルコキシドとして、t-ブトキシカリウムを用いることを特徴としている。
【0035】
フルオレンは、発光効率が高い蛍光物質である。そこで第1化合物としてフルオレンを用いれば、得られる触媒に発光特性を付与することができる。
【0036】
また、金属アルコキシドとして、t-ブトキシカリウムを用いれば、第1化合物と金属アルコキシドとの反応を効率よく行うことができる。
【0037】
本発明にかかる触媒は、モノマーの重合を開始させる触媒であって、一般式(20)
【0038】
【化17】
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【0039】
{式中、Rは、芳香族基が置換した、脂肪族飽和炭化水素から水素原子1個を除いた残りの原子団、H(水素原子)、芳香族基、CN(イソシアノ基)、アシル基、アルキル基、あるいは脂肪族不飽和炭化水素から水素原子1個を除いた残りの原子団を示し、R11~R4は、それぞれ、水素原子、芳香族基、アルキル基、あるいは、アシル基(-C(O)R51)、アルコキシル基(-OR52)、アルキルチオ基(-SR53)、ジアルキルアミノ基(-NR542)を示し16~R19は、それぞれ、水素原子、芳香族基、アルキル基、アシル基(-C(O)R61)、アルコキシル基(-OR62)、アルキルチオ基(-SR63)、あるいは、ジアルキルアミノ基(-NR642)を示し、R61~R64は、それぞれ、炭素数1~50のアルキル基を示し、R51~R54は、それぞれ、炭素数1~50のアルキル基を示す
で表される芳香族化合物;一般式(15)
【0040】
【化18】
JP0003926762B2_000013t.gif
【0041】
{式中、Rは、芳香族基が置換した、脂肪族飽和炭化水素から水素原子1個を除いた残りの原子団、H(水素原子)、芳香族基、CN(イソシアノ基)、アシル基、アルキル基、あるいは脂肪族不飽和炭化水素から水素原子1個を除いた残りの原子団を示し、R11~R3は、それぞれ、水素原子、芳香族基、アルキル基、あるいは、アシル基(-C(O)R51)、アルコキシル基(-OR52)、アルキルチオ基(-SR53)、ジアルキルアミノ基(-NR542)を示し、R21~R25は、それぞれ、水素原子、芳香族基、アルキル基、アシル基(-C(O)R71)、アルコキシル基(-OR72)、アルキルチオ基(-SR73)、あるいは、ジアルキルアミノ基(-NR742)を示し、R71~R74は、それぞれ、炭素数1~50のアルキル基を示し、R51~R54は、それぞれ、炭素数1~50のアルキル基を示す
で表される芳香族化合物;および一般式(16)
【0042】
【化19】
JP0003926762B2_000014t.gif
【0043】
{式中、Rは、芳香族基が置換した、脂肪族飽和炭化水素から水素原子1個を除いた残りの原子団、H(水素原子)、芳香族基、CN(イソシアノ基)、アシル基、アルキル基、あるいは脂肪族不飽和炭化水素から水素原子1個を除いた残りの原子団を示し、R26~R29は、それぞれ、水素原子、芳香族基、アルキル基、アシル基(-C(O)R81)、アルコキシル基(-OR82)、アルキルチオ基(-SR83)、あるいは、ジアルキルアミノ基(-NR842)を示し、R81~R84は、それぞれ、炭素数1~50のアルキル基を示す}
で表される化合物;
からなる群より選ばれる第1化合物と、一般式(4)または一般式(5)
OM………(4)
4’OMOR4’’………(5)
{式中、R,R4’,R4’’は、それぞれ、芳香族基が置換した、脂肪族飽和炭化水素から水素原子1個を除いた残りの原子団、脂肪族不飽和炭化水素から水素原子1個を除いた残りの原子団、芳香族基、アルキル基、またはアシル基を示し、M,Mは、それぞれ、アルカリ金属、アルカリ土類金属を示す}
で表される金属アルコキシドとの反応によって得られることを特徴としている。
【0044】
本発明にかかる触媒では、上記第1化合物が、化学式(6)
【0045】
【化20】
JP0003926762B2_000015t.gif
【0046】
で表されるフルオレンであることが好ましい。
【0047】
本発明にかかる触媒は、モノマーの重合を開始させる触媒であって、
一般式(20’)一般式(20’’)、一般式(15’)、一般式(15’’)、一般式(16’)、および一般式(16’’)
【0048】
【化21】
JP0003926762B2_000016t.gif
【0049】
{式中、Rは、芳香族基が置換した、脂肪族飽和炭化水素から水素原子1個を除いた残りの原子団、H(水素原子)、芳香族基、CN(イソシアノ基)、アシル基、アルキル基、あるいは脂肪族不飽和炭化水素から水素原子1個を除いた残りの原子団を示し、R11~R4は、それぞれ、水素原子、芳香族基、アルキル基、あるいは、アシル基(-C(O)R51)、アルコキシル基(-OR52)、アルキルチオ基(-SR53)、ジアルキルアミノ基(-NR542)を示し16~R19は、それぞれ、水素原子、芳香族基、アルキル基、アシル基(-C(O)R61)、アルコキシル基(-OR62)、アルキルチオ基(-SR63)、あるいは、ジアルキルアミノ基(-NR642)を示し、R61~R64は、それぞれ、炭素数1~50のアルキル基を示し、51~R54は、それぞれ、炭素数1~50のアルキル基を示し、4’は、芳香族基が置換した、脂肪族飽和炭化水素から水素原子1個を除いた残りの原子団、脂肪族不飽和炭化水素から水素原子1個を除いた残りの原子団、芳香族基、アルキル基、またはアシル基を示し、M,Mは、それぞれ、アルカリ金属、アルカリ土類金属を示す}
【0050】
【化22】
JP0003926762B2_000017t.gif
【0051】
{式中、Rは、芳香族基が置換した、脂肪族飽和炭化水素から水素原子1個を除いた残りの原子団、H(水素原子)、芳香族基、CN(イソシアノ基)、アシル基、アルキル基、あるいは脂肪族不飽和炭化水素から水素原子1個を除いた残りの原子団を示し、R11~R3は、それぞれ、水素原子、芳香族基、アルキル基、あるいは、アシル基(-C(O)R51)、アルコキシル基(-OR52)、アルキルチオ基(-SR53)、ジアルキルアミノ基(-NR542)を示し、R21~R25は、それぞれ、水素原子、芳香族基、アルキル基、アシル基(-C(O)R71)、アルコキシル基(-OR72)、アルキルチオ基(-SR73)、あるいは、ジアルキルアミノ基(-NR742)を示し、R71~R74は、それぞれ、炭素数1~50のアルキル基を示し、51~R54は、それぞれ、炭素数1~50のアルキル基を示し、4’は、芳香族基が置換した、脂肪族飽和炭化水素から水素原子1個を除いた残りの原子団、脂肪族不飽和炭化水素から水素原子1個を除いた残りの原子団、芳香族基、アルキル基、またはアシル基を示し、M,Mは、それぞれ、アルカリ金属、アルカリ土類金属を示す}
【0052】
【化23】
JP0003926762B2_000018t.gif
【0053】
{式中、Rは、芳香族基が置換した、脂肪族飽和炭化水素から水素原子1個を除いた残りの原子団、H(水素原子)、芳香族基、CN(イソシアノ基)、アシル基、アルキル基、あるいは脂肪族不飽和炭化水素から水素原子1個を除いた残りの原子団を示し、R26~R29は、それぞれ、水素原子、芳香族基、アルキル基、アシル基(-C(O)R81)、アルコキシル基(-OR82)、アルキルチオ基(-SR83)、あるいは、ジアルキルアミノ基(-NR842)を示し、R81~R84は、それぞれ、炭素数1~50のアルキル基を示し、R4’は、芳香族基が置換した、脂肪族飽和炭化水素から水素原子1個を除いた残りの原子団、脂肪族不飽和炭化水素から水素原子1個を除いた残りの原子団、芳香族基、アルキル基、またはアシル基を示し、M,Mは、それぞれ、アルカリ金属、アルカリ土類金属を示す}
で表される化合物からなる群より選ばれる第2化合物と、一般式(11)
OH………(11)
{式中、Rは、芳香族基が置換した、脂肪族飽和炭化水素から水素原子1個を除いた残りの原子団、脂肪族不飽和炭化水素から水素原子1個を除いた残りの原子団、芳香族基、アルキル基、またはアシル基を示す}
で表されるアルコールとの反応によって得られることを特徴としている。
【0054】
本発明にかかる触媒では、上記第2化合物が、一般式(7’)または一般式(8’)
【0055】
【化24】
JP0003926762B2_000019t.gif
【0056】
{式中、R4’は、芳香族基が置換した、脂肪族飽和炭化水素から水素原子1個を除いた残りの原子団、脂肪族不飽和炭化水素から水素原子1個を除いた残りの原子団、芳香族基、アルキル基、またはアシル基を示し、M,Mは、それぞれ、アルカリ金属、アルカリ土類金属を示す}
で表される化合物であることが好ましい。
【0057】
本発明にかかる触媒は、従来、リビング重合において使用される純粋な炭素アニオンからなる触媒とは異なる重合活性を示す。
【0058】
本発明にかかるリビング重合方法は、上記触媒を用いてモノマーの重合を行うことを特徴としている。
【0059】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の一形態について、以下に説明する。
【0060】
本実施の形態では、まず、モノマーの重合を開始させる触媒の製造方法を提供する。
【0061】
この製造方法とは、具体的には、一般式(1)~一般式(3)
【0062】
【化25】
JP0003926762B2_000020t.gif
【0063】
{式中、Rは、アルキル基、芳香族基、またはアシル基を示し、R,Rは、それぞれ、H(水素原子)、芳香族基、CN(イソシアノ基)、アシル基、アルキル基、あるいはヘテロ原子および/若しくは芳香族基が置換した、脂肪族飽和炭化水素から水素原子1個を除いた残りの原子団、脂肪族不飽和炭化水素から水素原子1個を除いた残りの原子団を示し、また、R,R,および炭素原子(C)で環状構造を形成していてもよい}
からなる群より選ばれる第1化合物と、一般式(4)または一般式(5)
OM………(4)
4’OMOR4’’………(5)
{式中、R,R4’,R4’’は、それぞれ、ヘテロ原子および/若しくは芳香族基が置換した、脂肪族飽和炭化水素から水素原子1個を除いた残りの原子団、脂肪族不飽和炭化水素から水素原子1個を除いた残りの原子団、芳香族基、アルキル基、またはアシル基を示し、M,Mは、それぞれ、アルカリ金属、アルカリ土類金属を示す}
で表される金属アルコキシドとを反応させることによって触媒を得ることを特徴としている。
【0064】
また、本実施の形態にかかる触媒の製造方法は、一般式(1)で表される第1化合物として、化学式(6)
【0065】
【化26】
JP0003926762B2_000021t.gif
【0066】
で表されるフルオレンを用いることを特徴としている。
【0067】
また実施の形態にかかる触媒の製造方法は、金属アルコキシドとして、t-ブトキシカリウムを用いることを特徴としている。
【0068】
一般式(1)~(3)からなる群より選ばれる第1化合物と、一般式(4)または(5)で表される金属アルコキシドとの反応によって、一般式(7)~一般式(10)
【0069】
【化27】
JP0003926762B2_000022t.gif
【0070】
{式中、Rは、アルキル基、芳香族基、またはアシル基を示し、R,Rは、それぞれ、H(水素原子)、芳香族基、CN(イソシアノ基)、アシル基、アルキル基、あるいはヘテロ原子および/若しくは芳香族基が置換した、脂肪族飽和炭化水素から水素原子1個を除いた残りの原子団、脂肪族不飽和炭化水素から水素原子1個を除いた残りの原子団を示し、Rは、ヘテロ原子および/若しくは芳香族基が置換した、脂肪族飽和炭化水素から水素原子1個を除いた残りの原子団、脂肪族不飽和炭化水素から水素原子1個を除いた残りの原子団、芳香族基、アルキル基、またはアシル基を示し、また、R,R,および炭素原子(C)で環状構造を形成していてもよく、M,Mは、それぞれ、アルカリ金属、アルカリ土類金属を示す}
からなる群より選ばれる第2化合物と、一般式(11)
OH………(11)
{式中、Rは、ヘテロ原子および/若しくは芳香族基が置換した、脂肪族飽和炭化水素から水素原子1個を除いた残りの原子団、脂肪族不飽和炭化水素から水素原子1個を除いた残りの原子団、芳香族基、アルキル基、またはアシル基を示す}
で表されるアルコールが反応生成物として得られる。
【0071】
本実施の形態にかかる第1化合物と金属アルコキシドとの反応は、化学平衡である。従って、第1化合物と金属アルコキシドとの反応によって、実際には、第1化合物、金属アルコキシド、第2化合物、およびアルコールを含む平衡混合物が得られる。この平衡混合物は、モノマーの重合を開始させる触媒としての機能を有している。
【0072】
そこで、本実施の形態では新規な触媒を提供する。この触媒とは、具体的には、モノマーの重合を開始させる触媒であって、一般式(1)~一般式(3)
【0073】
【化28】
JP0003926762B2_000023t.gif
【0074】
{式中、Rは、アルキル基、芳香族基、またはアシル基を示し、R,Rは、それぞれ、H(水素原子)、芳香族基、CN(イソシアノ基)、アシル基、アルキル基、あるいはヘテロ原子および/若しくは芳香族基が置換した、脂肪族飽和炭化水素から水素原子1個を除いた残りの原子団、脂肪族不飽和炭化水素から水素原子1個を除いた残りの原子団を示し、また、R,R,および炭素原子(C)で環状構造を形成していてもよい}
からなる群より選ばれる第1化合物と、一般式(4)または(5)
OM………(4)
4’OMOR4’’………(5)
{式中、R,R4’,R4’’は、それぞれ、ヘテロ原子および/若しくは芳香族基が置換した、脂肪族飽和炭化水素から水素原子1個を除いた残りの原子団、脂肪族不飽和炭化水素から水素原子1個を除いた残りの原子団、芳香族基、アルキル基、またはアシル基を示し、M,Mは、それぞれ、アルカリ金属、アルカリ土類金属を示す}
で表される金属アルコキシドとの反応によって得られることを特徴としている。
【0075】
また本発明にかかる触媒は、一般式(7)~一般式(10)
【0076】
【化29】
JP0003926762B2_000024t.gif
【0077】
{式中、Rは、アルキル基、芳香族基、またはアシル基を示し、R,Rは、それぞれ、H(水素原子)、芳香族基、CN(イソシアノ基)、アシル基、アルキル基、あるいはヘテロ原子および/若しくは芳香族基が置換した、脂肪族飽和炭化水素から水素原子1個を除いた残りの原子団、脂肪族不飽和炭化水素から水素原子1個を除いた残りの原子団を示し、R4’は、ヘテロ原子および/若しくは芳香族基が置換した、脂肪族飽和炭化水素から水素原子1個を除いた残りの原子団、脂肪族不飽和炭化水素から水素原子1個を除いた残りの原子団、芳香族基、アルキル基、またはアシル基を示し、また、R,R,および炭素原子(C)で環状構造を形成していてもよく、M,Mは、それぞれ、アルカリ金属、アルカリ土類金属を示す}
からなる群より選ばれる第2化合物と、一般式(11)
OH………(11)
{式中、Rは、ヘテロ原子および/若しくは芳香族基が置換した、脂肪族飽和炭化水素から水素原子1個を除いた残りの原子団、脂肪族不飽和炭化水素から水素原子1個を除いた残りの原子団、芳香族基、アルキル基、またはアシル基を示す}
で表されるアルコールとの反応によって得られることを特徴としている。
【0078】
また、本実施の形態では、上記第1化合物と金属アルコキシドとの反応、あるいは、上記第2化合物とアルコールとの反応によって得られる平衡混合物を触媒として用いることで、モノマーの重合を行うことを特徴としている。
【0079】
例えば、本実施の形態にかかる触媒を用いれば、0℃でも好適にリビング重合を行うことができる。また、本発明にかかる触媒を用いることで、分子量分布の狭いポリマーを得ることができる。
【0080】
また、本実施の形態にかかる触媒を用いてリビング重合を行うことで得られる単独ポリマーは、ポリマー鎖の末端ではなく、ポリマー鎖の途中に触媒残基を2つ有する。従って、本発明にかかる触媒を用いるとともに、例えば、最初にBモノマーを仕込み、次にAモノマーを仕込めば、ABA型の3元構造を有するトリブロックポリマーを2段階の操作で合成することができる。
【0081】
本実施の形態にかかるポリマーは、上記のリビング重合方法によって得られることを特徴としている。
【0082】
上記の構成によれば、狭い分子量分布を有するポリマーを提供することができる。
【0083】
本発明にかかる触媒の製造方法は、出発原料として、上記一般式(1)~一般式(3)からなる群より選ばれる第1化合物と、上記一般式(4)または(5)で表される金属アルコキシドを用いる構成である。
【0084】
上記一般式(1)~(3)において、R,Rでそれぞれ示される芳香族基とは、具体的には、例えば、フェニル基(-C)、ナフチル基(-C10)、トリル基(-CH)、およびキシル基(-(CH)等、ベンゼン環を1個ないし2個有する官能基である。
【0085】
上記一般式(1)~(3)において、R~Rで示されるアルキル基とは、具体的には、炭素数1~50のアルキル基であり、直鎖状でも分岐していてもよい。
【0086】
上記アルキル基は、さらに、二重結合や三重結合の不飽和結合を有していてもよい。この際、二重結合や三重結合の数は特に限定されるものではない。
【0087】
また、このアルキル基は、さらに、ヘテロ原子(すなわち、酸素原子(O)、窒素原子(N)、硫黄原子(S)、リン原子(P)のいずれか)を有していてもよい。また、このアルキル基は、さらに、フェニル基等の芳香族基を有していてもよい。
【0088】
一般式(1)~一般式(3)において、芳香族基とは、一般式(13)
【0089】
【化30】
JP0003926762B2_000025t.gif
【0090】
{式中、R11~R15は、それぞれ、水素原子、芳香族基、アルキル基、あるいは、アシル基(-C(O)R51)、アルコキシル基(-OR52)、アルキルチオ基(-SR53)、ジアルキルアミノ基(-NR542)を示し、R51~R54は、それぞれ、炭素数1~50のアルキル基を示す}
で表される官能基を示す。
【0091】
また上記一般式(1)~一般式(3)におけるアシル基とは、具体的には、一般式(12)
COR………(12)(式中、Rは、炭素数1~50の直鎖状または分岐したアルキル基を示す)で表されるものである。
【0092】
また、本実施の形態にかかる第1化合物は、一般式(1)で表されるR,R,およびC(炭素原子)で環状構造を形成していてもよい。このような環状構造を有する第1化合物として、具体的には、例えば、一般式(14)
【0093】
【化31】
JP0003926762B2_000026t.gif
【0094】
{式中、Rは、H(水素原子)、芳香族基、CN(イソシアノ基)、アシル基、アルキル基、ヘテロ原子および/若しくは芳香族基が置換した、脂肪族飽和炭化水素から水素原子1個を除いた残りの原子団、あるいは脂肪族不飽和炭化水素から水素原子1個を除いた残りの原子団を示し、R11~R4は、それぞれ、水素原子、芳香族基、アルキル基、あるいは、アシル基(-C(O)R51)、アルコキシル基(-OR52)、アルキルチオ基(-SR53)、ジアルキルアミノ基(-NR542)を示し、R15はアルキレン基であり、R16~R19は、それぞれ、水素原子、芳香族基、アルキル基、アシル基(-C(O)R61)、アルコキシル基(-OR62)、アルキルチオ基(-SR63)、あるいは、ジアルキルアミノ基(-NR642)を示し、R61~R64は、それぞれ、炭素数1~50のアルキル基を示す}で表される芳香族化合物;一般式(15)
【0095】
【化32】
JP0003926762B2_000027t.gif
【0096】
{式中、Rは、H(水素原子)、芳香族基、CN(イソシアノ基)、アシル基、アルキル基、ヘテロ原子および/若しくは芳香族基が置換した、脂肪族飽和炭化水素から水素原子1個を除いた残りの原子団、あるいは脂肪族不飽和炭化水素から水素原子1個を除いた残りの原子団を示し、R11~R3は、それぞれ、水素原子、芳香族基、アルキル基、あるいは、アシル基(-C(O)R51)、アルコキシル基(-OR52)、アルキルチオ基(-SR53)、ジアルキルアミノ基(-NR542)を示し、R21~R25は、それぞれ、水素原子、芳香族基、アルキル基、アシル基(-C(O)R71)、アルコキシル基(-OR72)、アルキルチオ基(-SR73)、あるいは、ジアルキルアミノ基(-NR742)を示し、R71~R74は、それぞれ、炭素数1~50のアルキル基を示す}
で表される芳香族化合物;および一般式(16)
【0097】
【化33】
JP0003926762B2_000028t.gif
【0098】
{式中、Rは、H(水素原子)、芳香族基、CN(イソシアノ基)、アシル基、アルキル基、ヘテロ原子および/若しくは芳香族基が置換した、脂肪族飽和炭化水素から水素原子1個を除いた残りの原子団、あるいは脂肪族不飽和炭化水素から水素原子1個を除いた残りの原子団を示し、R26~R29は、それぞれ、水素原子、芳香族基、アルキル基、アシル基(-C(O)R81)、アルコキシル基(-OR82)、アルキルチオ基(-SR83)、あるいは、ジアルキルアミノ基(-NR842)を示し、R81~R84は、それぞれ、炭素数1~50のアルキル基を示す}
で表される芳香族化合物等;が挙げられる。
【0099】
なお、上記一般式(13)~(16)において、R11~R19,R21~R29で示される芳香族基とは、具体的には、たとえば、フェニル基、ナフチル基、トリル基、およびキシル基等の、ベンゼン環を1個ないし2個有する官能基である。
【0100】
また、上記一般式(13)~(16)において、R11~R19,R21~R29で示されるアルキル基とは、具体的には、炭素数1~50のアルキル基であり、直鎖状でも分岐していてもよい。
【0101】
さらにこのアルキル基は、二重結合や三重結合の不飽和結合を有していてもよい。この際、二重結合や三重結合の数は特に限定されるものではない。
【0102】
また、アルキル基は、さらに、ヘテロ原子を有していてもよい。また、このアルキル基は、さらに、フェニル基等の芳香族基を有していてもよい。
【0103】
本実施の形態において、一般式(1)で表される第1化合物として、例えば、ジフェニルメタン、トルエン、および、フルオレン等が挙げられる。本実施の形態では、一般式(1)で表される第1化合物として、化学式(6)
【0104】
【化34】
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【0105】
で表されるフルオレンを用いることが好ましい。
【0106】
フルオレンは、発光効率が高い蛍光物質である。そこで、第1化合物としてフルオレンを用いれば、得られるリビング重合触媒に発光特性を付与することができる。
【0107】
本実施の形態において、一般式(4)で示される金属アルコキシドにおいて、Mで示されるアルカリ金属とは、具体的には、リチウム(Li)、ナトリウム(Na)、カリウム(K)、ルビジウム(Rb)、セシウム(Cs)である。本実施の形態において、一般式(4)で示される金属アルコキシドを用いる場合には、Mをカリウムとすることが好ましい。
【0108】
また、一般式(5)で示される金属アルコキシドにおいて、Mで示されるアルカリ土類金属は、具体的には、ベリリウム(Be)、マグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、ストロンチウム(Sr)、バリウム(Ba)である。
【0109】
また、一般式(4),(5)中、R,R4’,R4’’で示す芳香族基とは、具体的には、フェニル基、ナフチル基、トリル基、およびキシル基等、ベンゼン環を1個ないし2個有する官能基である。また、R,R4’,R4’’で示すアルキル基とは、具体的には、炭素数1~50のアルキル基である。このアルキル基は、直鎖状でも分岐していてもよい。また、このアルキル基は、二重結合や三重結合の不飽和結合を有していてもよく、これら二重結合、三重結合の数は特に限定されるものではない。また、このアルキル基は、さらに、ヘテロ原子を有していてもよい。また、このアルキル基は、さらに、フェニル基等の芳香族基を有していてもよい。
【0110】
一般式(4)または(5)で示される金属アルコキシドにおいて、R,R4’,R4’’で示される官能基が、t-ブチル基であることが好ましい。これにより、第1化合物と金属アルコキシドとの反応を効率よく行うことができる。従って、本実施の形態では、金属アルコキシドとして、t-ブトキシカリウムを用いることが最も好ましい。
【0111】
本実施形態では、一般式(1)~(3)からなる群より選ばれる第1化合物、および、一般式(4)または(5)で表される金属アルコキシドを溶媒中に加え、これらを反応させる。
【0112】
上記溶媒としては、THF(テトラヒドロフラン)、DMF(N,N-ジメチルホルムアミド)、DMSO(ジメチルスルホキシド)等のプロトン性ではない極性溶剤(この溶剤を、以下、「極性溶剤」という);エーテル等の無極性溶剤に極性溶剤を混ぜてなる溶剤;極性溶剤に、極性配位子(NNN’N’テトラメチルエチレンジアミン、マイナススパルテイン(ジアミン等)を加えてなる溶剤;等を用いればよい。
【0113】
このとき、一般式(1)~一般式(3)からなる群より選ばれる第1化合物1モルに対して、一般式(4)または(5)で表される金属アルコキシドを、0.1モル~1モルの範囲内で用いることが好ましい。用いる金属アルコキシドの濃度が上記の好ましい範囲を下回ると、重合活性が低下してしまう。また、金属アルコキシドの濃度が上記の好ましい範囲を上回ると、過剰の金属アルコキシドが重合を開始してしまうため重合の制御が困難になってしまう。
【0114】
また、第1化合物と金属アルコキシドとを反応させるときの温度は、-20℃~200℃の範囲内とすることが好ましく、-5℃~60℃の範囲内とすることがより好ましい。反応温度が上記好ましい範囲を下回ると、反応が充分進行しない。また、反応温度が上記の好ましい範囲を上回ると、第1化合物あるいは金属アルコキシドの分解など副反応が生じる可能性がある。
【0115】
ここで、一般式(1)で表される第1化合物と、一般式(4)で表される金属アルコキシドとの反応を、式(i)に示す。
【0116】
【数7】
JP0003926762B2_000030t.gif
【0117】
また、一般式(1)で表される第1化合物と、一般式(5)で表される金属アルコキシドとの反応を、式(ii)に示す。
【0118】
【数8】
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【0119】
また、一般式(2)で表される第1化合物と、一般式(4)で表される金属アルコキシドとの反応を、式(iii)に示す。
【0120】
【数9】
JP0003926762B2_000032t.gif
【0121】
また、一般式(3)で表される第1化合物と、一般式(4)で表される金属アルコキシドとの反応を、式(iv)に示す。
【0122】
【数10】
JP0003926762B2_000033t.gif
【0123】
式(i), (ii), (iii)および(iv)の反応によって、それぞれ、一般式(7)~一般式(10)
【0124】
【化35】
JP0003926762B2_000034t.gif
【0125】
{式中、Rは、アルキル基、芳香族基、またはアシル基を示し、R,Rは、それぞれ、H、芳香族基、CN(イソシアノ基)、アシル基、アルキル基、あるいはヘテロ原子および/若しくは芳香族基が置換した、脂肪族飽和炭化水素から水素原子1個を除いた残りの原子団、脂肪族不飽和炭化水素から水素原子1個を除いた残りの原子団を示し、R4’は、ヘテロ原子および/若しくは芳香族基が置換した、脂肪族飽和炭化水素から水素原子1個を除いた残りの原子団、脂肪族不飽和炭化水素から水素原子1個を除いた残りの原子団、芳香族基、アルキル基、またはアシル基を示し、また、R,R,および炭素原子(C)で環状構造を形成していてもよく、M,Mは、それぞれ、アルカリ金属、アルカリ土類金属を示す}
からなる群より選ばれる第2化合物と、一般式(11)
OH………(11)(ただし、式(ii)の場合は、R4’’OH)
{式中、R,R4’’は、ヘテロ原子および/若しくは芳香族基が置換した、脂肪族飽和炭化水素から水素原子1個を除いた残りの原子団、脂肪族不飽和炭化水素から水素原子1個を除いた残りの原子団、芳香族基、アルキル基、またはアシル基を示す}
で表されるアルコールが反応生成物として得られる。
【0126】
本実施の形態にかかる、第1化合物と金属アルコキシドとの反応は、化学平衡である。従って、この反応によって、実際には、一般式(1)~(3)からなる群より選ばれる第1化合物、一般式(4)または(5)で表される金属アルコキシド、一般式(7)~(10)からなる群より選ばれる第2化合物、および一般式(11)で表されるアルコールを含む平衡混合物が得られる。この平衡混合物は、リビング重合方法において、モノマーの重合を開始させる触媒となる。
【0127】
本実施の形態にかかる方法によれば、特殊な装置を用いずにリビング重合に用いられる触媒を得ることができるので、触媒の製造コストを低くすることができる。また、アリールアルカンと金属アルコキシドとを反応させるだけなので、容易な操作で触媒を得ることができる。
【0128】
本実施の形態では、第1化合物と金属アルコキシドとの反応によって得られる平衡混合物を、例えば、以下(A)~(N)に示すモノマーのリビング重合の際に、重合を開始する触媒をして用いることができる。
【0129】
一般式(A)
【0130】
【化36】
JP0003926762B2_000035t.gif
【0131】
{式中、Rは、水素原子、またはメチル基(-CH)を示し、RA1は、芳香族基、アルキル基、ヘテロ原子および/若しくは芳香族基が置換した、脂肪族飽和炭化水素から水素原子1個を除いた残りの原子団、脂肪族不飽和炭化水素から水素原子1個を除いた残りの原子団、アシル基(-C(O)RA2)、アルコキシ基(-ORA3)、アルキルチオ基(-SRA4)、ジアルキルアミノ基(-NRA52)を示し、RA2~RA5は、それぞれ、炭素数1~50のアルキル基を示す}
で表される、メタクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エステル等のエステル基含有モノマー;
一般式(B)
【0132】
【化37】
JP0003926762B2_000036t.gif
【0133】
{式中、Rは、水素原子、またはメチル基を示し、RB1は、芳香族基、アルキル基、ヘテロ原子および/若しくは芳香族基が置換した、脂肪族飽和炭化水素から水素原子1個を除いた残りの原子団、脂肪族不飽和炭化水素から水素原子1個を除いた残りの原子団、アシル基(-C(O)RB2)、アルコキシル基(-ORB3)、アルキルチオ基(-SRB4)、ジアルキルアミノ基(-NRB52)を示し、RB2~RB5は、それぞれ、炭素数1~50のアルキル基を示す}
で表される、イソプロペニルケトン、ビニルケトン等のケトン基含有モノマー;
一般式(C)
【0134】
【化38】
JP0003926762B2_000037t.gif
【0135】
{式中、Rは、水素原子、または、メチル基を示す}
で表されるニトロ基含有ビニルモノマー;
一般式(D)
【0136】
【化39】
JP0003926762B2_000038t.gif
【0137】
{式中、RD1,RD2は、それぞれ、アルキル基、ヘテロ原子および/若しくは芳香族基が置換した、脂肪族飽和炭化水素から水素原子1個を除いた残りの原子団、脂肪族不飽和炭化水素から水素原子1個を除いた残りの原子団、アシル基、(-C(O)RD3)、アルコキシル基(-ORD4)、アルキルチオ基(-SRD5)、ジアルキルアミノ基(-NRD62)を示し、RD3~RD6は、炭素数1~50のアルキル基を示す}
で表されるジオキシカルボニル基含有ビニルモノマー;
一般式(E)
【0138】
【化40】
JP0003926762B2_000039t.gif
【0139】
{式中、RE1は、水素原子、メチル基、イソシアノ基(-CN)、またはエステル基(-COORE2)を示し、RE2は、炭素数1~50のアルキル基を示す}
で表されるイソシアノ基含有ビニルモノマー;
一般式(F)
【0140】
【化41】
JP0003926762B2_000040t.gif
【0141】
{式中、Rは、水素原子、またはメチル基を示し、RF1,RF2は、それぞれ、芳香族基、アルキル基、ヘテロ原子および/若しくは芳香族基が置換した、脂肪族飽和炭化水素から水素原子1個を除いた残りの原子団、脂肪族不飽和炭化水素から水素原子1個を除いた残りの原子団、アシル基(-C(O)RF3)、アルコキシル基(-ORF4)、アルキルチオ基(-SRF5)、ジアルキルアミノ基(-NRF62)を示し、RF3~RF6は、炭素数1~50のアルキル基を示す}
で表されるジアルキルアミノ基含有ビニルモノマー;
一般式(G)
【0142】
【化42】
JP0003926762B2_000041t.gif
【0143】
{式中RG1,RG2は、それぞれ、芳香族基、アルキル基、ヘテロ原子および/若しくは芳香族基が置換した、脂肪族飽和炭化水素から水素原子1個を除いた残りの原子団、脂肪族不飽和炭化水素から水素原子1個を除いた残りの原子団、アシル基(-C(O)RG3)、アルコキシル基(-ORG4)、アルキルチオ基(-SRG5)、ジアルキルアミノ基(-NRG62)を示し、RG3~RG6は、それぞれ、炭素数1~50のアルキル基を示す}
で表されるジエンモノマー;
一般式(H)
H1N=C=O ………(H)
{式中、RH1は、芳香族基、アルキル基、または、ヘテロ原子および/若しくは芳香族基が置換した、脂肪族飽和炭化水素から水素原子1個を除いた残りの原子団、脂肪族不飽和炭化水素から水素原子1個を除いた残りの原子団}
で表されるイソシアナート;
一般式(I)
【0144】
【化43】
JP0003926762B2_000042t.gif
【0145】
{式中、RI1~RI4は、それぞれ、水素原子、芳香族基、アルキル基、ヘテロ原子および/若しくは芳香族基が置換した、脂肪族飽和炭化水素から水素原子1個を除いた残りの原子団、脂肪族不飽和炭化水素から水素原子1個を除いた残りの原子団、アシル基(-C(O)RI5)、アルコキシル基(-ORI6)、アルキルチオ基(-SRI7)、ジアルキルアミノ基(-NR2I8)を示し、RI5~RI8は、炭素数1~50のアルキル基を示し、Xは酸素原子(O)、または硫黄原子(S)を示す}
で表される三員環構造を有する環状エーテル;
一般式(J)
【0146】
【化44】
JP0003926762B2_000043t.gif
【0147】
{式中、RJ1~RJ6は、それぞれ、水素原子、芳香族基、アルキル基、ヘテロ原子および/若しくは芳香族基が置換した、脂肪族飽和炭化水素から水素原子1個を除いた残りの原子団、脂肪族不飽和炭化水素から水素原子1個を除いた残りの原子団、アシル基(-C(O)RJ7)、アルコキシル基(-ORJ8)、アルキルチオ基(-SRJ9)、ジアルキルアミノ基(-NR2J10)を示し、RJ7~RJ10は、それぞれ、炭素数1~50のアルキル基を示し、Xは酸素原子、または硫黄原子を示す}
で表される四員環構造を有する環状エーテル;
一般式(K)
【0148】
【化45】
JP0003926762B2_000044t.gif
【0149】
{式中、RK1~RK8は、それぞれ、水素原子、芳香族炭化水素基、アルキル基、ヘテロ原子および/若しくは芳香族基が置換した、脂肪族飽和炭化水素から水素原子1個を除いた残りの原子団、脂肪族不飽和炭化水素から水素原子1個を除いた残りの原子団、アシル基(-C(O)RK9)、アルコキシル基(-ORK10)、アルキルチオ基(-SRK11)、ジアルキルアミノ基(-NR2K12)を示し、RK9~RK12は、それぞれ、炭素数1~50のアルキル基を示し、Xは、酸素原子、または硫黄原子を示す}
で表される五員環構造を有する環状エーテル;
一般式(L)
【0150】
【化46】
JP0003926762B2_000045t.gif
【0151】
{式中、RL1~RL6は、それぞれ、水素原子、芳香族基、アルキル基、ヘテロ原子および/若しくは芳香族基が置換した、脂肪族飽和炭化水素から水素原子1個を除いた残りの原子団、脂肪族不飽和炭化水素から水素原子1個を除いた残りの原子団、アシル基(-C(O)RL7)、アルコキシル基(-ORL8)、アルキルチオ基(-SRL9)、ジアルキルアミノ基(-NR2L10)を示し、RL7~RL10は、それぞれ、炭素数1~50のアルキル基を示す}
で表される環状シロキサン;
一般式(M)
【0152】
【化47】
JP0003926762B2_000046t.gif
【0153】
{式中、RM1,RM2は、それぞれ、水素原子、芳香族基、アルキル基、ヘテロ原子および/若しくは芳香族基が置換した、脂肪族飽和炭化水素から水素原子1個を除いた残りの原子団、脂肪族不飽和炭化水素から水素原子1個を除いた残りの原子団、アシル基(-C(O)RM3)、アルコキシル基(-ORM4)、アルキルチオ基(-SRM5)、ジアルキルアミノ基(-NR2M6)を示し、RM3~RM6は、それぞれ、炭素数1~50のアルキル基を示し、nは2~18の整数を示す}
で表される環状ラクトン;
一般式(N)
【0154】
【化48】
JP0003926762B2_000047t.gif
【0155】
{式中、RN1,RN2は、それぞれ、水素原子、芳香族基、アルキル基、ヘテロ原子および/若しくは芳香族基が置換した、脂肪族飽和炭化水素から水素原子1個を除いた残りの原子団、脂肪族不飽和炭化水素から水素原子1個を除いた残りの原子団、アシル基(-C(O)RN3)、アルコキシル基(-ORN4)、アルキルチオ基(-SRN5)、ジアルキルアミノ基(-NRN62)を示し、RN3~RN6、およびRは、それぞれ、炭素数1~50のアルキル基を示す}
で表される環状ラクタム;等が挙げられる。
【0156】
なお、一般式(A)におけるRA1;一般式(B)におけるRB1;一般式(D)におけるRD1,RD2;一般式(F)におけるRF1,RF2;一般式(G)におけるRG1,RG2;一般式(I)におけるRI1~RI4;一般式(J)におけるRJ1~RJ6;一般式(K)におけるRK1~RK8;一般式(L)におけるRL1~RL6;一般式(M)におけるRM1,RM2;一般式(N)におけるRN1,RN2;で示されるアルキル基とは、具体的には、炭素数1~50のアルキル基であり、直鎖状でも分岐していてもよい。
【0157】
さらにこのアルキル基は、二重結合や三重結合の不飽和結合を有していてもよく、また、不飽和結合の数は特に限定されるものではない。
【0158】
また、このアルキル基は、さらに、ヘテロ原子を有していてもよい。また、このアルキル基は、さらにフェニル基、ナフチル基、トリル基、およびキシル基等の芳香族基を有していてもよい。
【0159】
本実施の形態では、上述した、一般式(1)~(3)からなる群より選ばれる第1化合物、一般式(4)または(5)で表される金属アルコキシド、一般式(7)~(10)からなる群より選ばれる第2化合物、および一般式(11)で表されるアルコールを含む平衡混合物1モルに対して、モノマーを、1モル~10000モルの範囲内で用いることが好ましい。
【0160】
モノマーの濃度が、上記好ましい範囲を下回ると、モノマーの重合が効率よく行われなくなる虞がある。なお、モノマーの濃度が上記好ましい範囲を上回る場合には、特に問題は生じない。
【0161】
また、本実施の形態では、平衡混合物に含まれる第1化合物1モルに対して、金属アルコキシドが0.01モル~100モル、第2化合物が0.01モル~100モルの範囲内で含まれていることが好ましい。
【0162】
本実施の形態にかかる平衡混合物を触媒として用いれば、0℃や室温でも、モノマーの重合反応を効率よく行うことができる。
【0163】
本実施の形態において、重合反応を行う時間は、特に限定されるものではないが、重合によって得られるポリマーの収率を上げるためには、反応時間を1時間~30時間の範囲内として行うことが好ましい。
【0164】
本実施の形態にかかる平衡混合物を触媒として用いて重合することによって得られるポリマーは、触媒の残基を、ポリマー鎖の末端ではなく、ポリマー鎖の途中に2本有している。
【0165】
従って、例えばABA型のトリブロックポリマーを得るためには、通常では、1段階目にBモノマーを仕込み、2段階目にAモノマー、そして3段階目にBモノマーを仕込まなければならないが、本発明にかかる平衡混合物を触媒として用いれば、1段階目にBモノマーを仕込み、2段階目にAモノマーを仕込めば、ABAトリブロックポリマーを得ることができる。
【0166】
また、通常のリビング重合では、重合温度を上昇させることで、得られるポリマーの分子量分布は広くなるが、本発明にかかる触媒を用いて重合を行えば、重合温度を上昇させることで、ポリマーの分子量分布を狭くすることができる。
【0167】
なお、上述したように、本実施の形態にかかる第1化合物と金属アルコキシドとの反応は、式(i)~式(iv)に示したように、化学平衡である。従って、一般式(7)~(10)からなる群より選ばれる第2化合物と、一般式(11)で表されるアルコールとを反応させることによって、一般式(1)~(3)からなる群より選ばれる第1化合物、一般式(4)または(5)で表される金属アルコキシド、一般式(7)~(10)からなる群より選ばれる第2化合物、および一般式(11)で表されるアルコールを含む平衡混合物を得て、これを重合の際に用いる触媒としてもよい。本実施の形態にかかる平衡混合物を、リビング重合の際にモノマーの重合を開始させる触媒として用いることで、分子量分布の広いポリマーを提供することができる。
【0168】
【実施例】
以下、実施例により、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれにより何ら限定されるものではない。
【0169】
〔実施例1〕
反応はすべてフレームドライした後、乾燥窒素で置換し、三方コックで封じたガラスアンプル中で行った。t-ブトキシカリウム(175.8mg,1.57ミリモル)を15分間真空下で乾燥の後、真空蒸留したTHF6mLに溶解した。t-ブトキシカリウムに含まれる不純物である水酸化カリウム(KOH)が不溶部として観測された。
【0170】
上澄み部分を酸塩基滴定し、濃度を決定した。フルオレン(174.5mg,1.05ミリモル)を15分間真空下で乾燥の後、真空蒸留したTHF6mLに溶解した。
【0171】
t-ブトキシカリウム溶液(上澄み部分のみ)とフルオレンを、t-ブトキシカリウムとフルオレンのモル比が、[t-ブトキシカリウム]:[フルオレン]=1:1.05になるように混合し、t-ブトキシカリウム/フルオレン溶液(以下、「t-BuOK/Fl溶液」という)を調整した。そして酸塩基滴定により、t-BuOK/Fl溶液の濃度を決定した(0.1モル)。
【0172】
次に、t-BuOK/Fl溶液1ML(0.1ミリモル)を真空蒸留したTHF6mLで薄めた後、-78℃に冷却し、これにモノマーとして、メタクリル酸メチル(MMA)(0.5g,5ミリモル)を加え、重合を開始した。
【0173】
メタクリル酸メチルを入れ始めてから24時間後に、1.0Nの塩酸-メタノール0.1mLを加えて重合反応を停止した。そして反応混合物から溶媒を除去し、残渣のうちベンゼン可溶部を凍結乾燥して、ポリメタクリル酸メチルを得た(収率>99%)。
【0174】
〔実施例2〕
t-BuOK/Fl溶液1ML(0.1ミリモル)を真空蒸留したTHF6mLで薄めた後、0℃に冷却した以外は、実施例1と同様にして、ポリメタクリル酸メチルを得た。得られたポリメタクリル酸メチルのH-NMRスペクトルを図1に示す。
【0175】
〔比較例1〕
重合反応を開始させる触媒としてフルオレニルリチウムを用い、メタクリル酸メチルの重合を行うことでポリメタクリル酸メチルを得た。得られたポリメタクリル酸メチルのH-NMRスペクトルを図2に示す。
【0176】
図1と図2とを比較すると、図2では、化学シフト3.76ppmの位置に、化学式(17)
【0177】
【化49】
JP0003926762B2_000048t.gif
【0178】
で表されるプロトン(H)を示すピークが観測されるのに対し、図1では、化学シフト3.76ppmでのピークは観測されていない。この結果より、比較例1で得られるポリメタクリル酸メチルは、一般式(18)
【0179】
【化50】
JP0003926762B2_000049t.gif
【0180】
(式中、nは任意の整数を示す)
で表される構造であるのに対し、実施例1によって得られるポリメタクリル酸メチルは、一般式(19)
【0181】
【化51】
JP0003926762B2_000050t.gif
【0182】
(式中、nは任意の整数を示す)
で表されるように、両方にポリマー鎖が延びている構造であることがわかる。
【0183】
〔実施例2〕
メタクリル酸メチルの濃度[M](モル)、および、実施例1で調整したt-BuOK/Fl溶液の濃度[I](モル)を、それぞれ、表1の(1)~(4)に示すように異ならせ、それぞれの場合ついて、t-BuOK/Fl溶液にメタクリル酸メチルを加え、-78℃で76時間、重合を行ったときに得られたポリメタクリル酸メチルの収率、数平均分子数(Mn)、分子量分布(Mw/Mn)、ポリマーの立体構造のイソタクチック三連子の割合(I)/ヘテロタクチック三連子の割合(H)/シンジオタクチック三連子の割合(S)を求めた。その結果を表1に示す。なお、イソタクチック三連子(I)、ヘテロタクチック三連子(H)、シンジオタクチック三連子(S)の構造は、それぞれ、式(I),(H),(S)に示す通りである。
【0184】
【化52】
JP0003926762B2_000051t.gif
【0185】
【表1】
JP0003926762B2_000052t.gif
【0186】
表1より、本実施例で得られるポリメタクリル酸メチルの分子量分布は、通常のリビング重合における分子量分布に比べて大きいことがわかる。
【0187】
〔実施例3〕
t-ブチルメタクリル酸メチル(t-BuMA)の濃度[M](モル)、実施例1で調整したt-BuOK/Fl溶液の濃度[I](モル)、重合時間、および重合温度を、表1の(5)~(9)に示すように異ならせ、それぞれの場合について、t-BuOK/Fl溶液にt-ブチルメタクリル酸メチルを加え、重合を行うことでポリt-ブチルメタクリル酸メチルを得た。得られたポリt-ブチルメタクリル酸メチルの収率、数平均分子数(Mn)、分子量分布(Mw/Mn)を、表2に示す。
【0188】
【表2】
JP0003926762B2_000053t.gif
【0189】
表2より、本実施例によれば、重合温度が0℃のときに、ポリt-ブチルメタクリル酸メチルの収率が99%を上回ることがわかる。
【0190】
〔実施例4〕
メタクリル酸メチルの濃度[M](モル)、実施例1で調整したt-BuOK/Fl溶液の濃度[I](モル)、重合温度、および重合時間を、表3の(10)~(14)に示すように異ならせ、t-BuOK/Fl溶液にメタクリル酸メチルを加え、重合を行うことでポリメタクリル酸メチルを得た。得られたポリメタクリル酸メチルの収率、数平均分子数(Mn)、分子量分布(Mw/Mn)を、表3に示す。
【0191】
【表3】
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【0192】
表3より、本実施例によれば、重合反応が室温でも、ポリメタクリル酸メチルを高収率で得ることができることがわかる。また、通常のリビング重合では、重合反応時の温度を上昇させることで分子量分布は広くなるが、本実施例によれば、表3に示すように、重合温度の上昇によって、分子量分布(Mw/Mn)が狭くなることがわかる。
【0193】
〔実施例5〕
実施例1で調整したt-BuOK/Fl溶液の、THF-d中でのH-NMRスペクトルを測定した。その結果を図3に示す。図3に示すように、フルオレンとt-BuOKとの反応によって得られる炭素アニオン含有化合物(図中A)の水素原子を示すスペクトル(図中A)、フルオレンの水素原子を示すスペクトル(図中B)、t-ブタノール(t-BuOH)および、t-ブトキシカリウム(t-BuOK)を示すスペクトル(図中C)が観測された。
【0194】
〔実施例6〕
メタクリル酸メチルを1モルに対して、実施例1で調整したt-BuOK/Fl溶液を1モル用いて、メタクリル酸メチルの重合を12分~20分間行った。このときのGPC(GPC:gel permeation chromatography)を図4中、矢印Aで示す。これにより得られたポリメタクリル酸メチルの数平均分子量は3650、分子量分布は1.82だった。
【0195】
メタクリル酸メチルの重合後、さらにメタクリル酸メチルを加え、12分~20分間、重合を行った。このときのGPCを図4中、矢印Bで示す。これにより得られたポリメタクリル酸メチルの数平均分子量は5900、分子量分布は1.62だった。この結果より、実施例1で調整したt-BuOK/Fl溶液を用いてリビング重合が可能であることがわかる。
【0196】
〔実施例7〕
メタクリル酸メチル1モルに対して、実施例1で調整したt-BuOK/Fl溶液を1モル用いて、メタクリル酸メチルの重合を12分~20分間行った。このときのGPCを図5中、矢印Cで示す。これにより得られたポリメタクリル酸メチルの数平均分子量は4400、分子量分布は、1.56だった。
【0197】
メタクリル酸メチルの重合後、t-ブチルメタクリル酸メチルを加え、12分~20分間、重合を行った。このときのGPCを図5中、矢印Dで示す。これにより得られたt-ブチルメタクリル酸メチル-ポリメタクリル酸メチル-t-ブチルメタクリル酸メチルの重合体の数平均分子量は18900、分子量分布は、1.19だった。図5の結果より、実施例1で調整したt-BuOK/Fl溶液を用いてトリブロック重合体が得られることがわかる。
【0198】
【発明の効果】
本発明にかかる触媒の製造方法は、以上のように、一般式(20)
【0199】
【化53】
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【0200】
{式中、Rは、芳香族基が置換した、脂肪族飽和炭化水素から水素原子1個を除いた残りの原子団、H(水素原子)、芳香族基、CN(イソシアノ基)、アシル基、アルキル基、あるいは脂肪族不飽和炭化水素から水素原子1個を除いた残りの原子団を示し、R11~R4は、それぞれ、水素原子、芳香族基、アルキル基、あるいは、アシル基(-C(O)R51)、アルコキシル基(-OR52)、アルキルチオ基(-SR53)、ジアルキルアミノ基(-NR542)を示し16~R19は、それぞれ、水素原子、芳香族基、アルキル基、アシル基(-C(O)R61)、アルコキシル基(-OR62)、アルキルチオ基(-SR63)、あるいは、ジアルキルアミノ基(-NR642)を示し、R61~R64は、それぞれ、炭素数1~50のアルキル基を示し、R51~R54は、それぞれ、炭素数1~50のアルキル基を示す
で表される芳香族化合物;一般式(15)
【0201】
【化54】
JP0003926762B2_000056t.gif
【0202】
{式中、Rは、芳香族基が置換した、脂肪族飽和炭化水素から水素原子1個を除いた残りの原子団、H(水素原子)、芳香族基、CN(イソシアノ基)、アシル基、アルキル基、あるいは脂肪族不飽和炭化水素から水素原子1個を除いた残りの原子団を示し、R11~R3は、それぞれ、水素原子、芳香族基、アルキル基、あるいは、アシル基(-C(O)R51)、アルコキシル基(-OR52)、アルキルチオ基(-SR53)、ジアルキルアミノ基(-NR542)を示し、R21~R25は、それぞれ、水素原子、芳香族基、アルキル基、アシル基(-C(O)R71)、アルコキシル基(-OR72)、アルキルチオ基(-SR73)、あるいは、ジアルキルアミノ基(-NR742)を示し、R71~R74は、それぞれ、炭素数1~50のアルキル基を示し、R51~R54は、それぞれ、炭素数1~50のアルキル基を示す
で表される芳香族化合物;および一般式(16)
【0203】
【化55】
JP0003926762B2_000057t.gif
【0204】
{式中、Rは、芳香族基が置換した、脂肪族飽和炭化水素から水素原子1個を除いた残りの原子団、H(水素原子)、芳香族基、CN(イソシアノ基)、アシル基、アルキル基、あるいは脂肪族不飽和炭化水素から水素原子1個を除いた残りの原子団を示し、R26~R29は、それぞれ、水素原子、芳香族基、アルキル基、アシル基(-C(O)R81)、アルコキシル基(-OR82)、アルキルチオ基(-SR83)、あるいは、ジアルキルアミノ基(-NR842)を示し、R81~R84は、それぞれ、炭素数1~50のアルキル基を示す}
で表される化合物;
からなる群より選ばれる第1化合物と、一般式(4)または一般式(5)
OM………(4)
4’OMOR4’’………(5)
{式中、R,R4’,R4’’は、それぞれ、芳香族基が置換した、脂肪族飽和炭化水素から水素原子1個を除いた残りの原子団、脂肪族不飽和炭化水素から水素原子1個を除いた残りの原子団、芳香族基、アルキル基、またはアシル基を示し、M,Mは、それぞれ、アルカリ金属、アルカリ土類金属を示す}
で表される金属アルコキシドとを反応させることによって触媒を得る構成である。
【0205】
それゆえ、特殊な装置を用いて触媒を製造する必要がないので、触媒の製造コストを下げることができるとともに、容易な操作で、触媒を得ることができるという効果を奏する。
【0206】
また本発明にかかる触媒の製造方法は、以上のように、上記第1化合物として、化学式(6)
【0207】
【化56】
JP0003926762B2_000058t.gif
【0208】
で表されるフルオレンを用いる構成である。
【0209】
それゆえ、得られる触媒に発光特性を付与することができるという効果を奏する。
【0210】
また本発明にかかる触媒の製造方法は、金属アルコキシドとして、t-ブトキシカリウムを用いる構成である。
【0211】
それゆえ、t-ブトキシカリウムを用いることで、第1化合物と金属アルコキシドとの反応を効率よく行うことができるという効果を奏する。
【0212】
本発明にかかる触媒は、モノマーの重合を開始させる触媒であって、一般式(20)
【0213】
【化57】
JP0003926762B2_000059t.gif
【0214】
{式中、Rは、芳香族基が置換した、脂肪族飽和炭化水素から水素原子1個を除いた残りの原子団、H(水素原子)、芳香族基、CN(イソシアノ基)、アシル基、アルキル基、あるいは脂肪族不飽和炭化水素から水素原子1個を除いた残りの原子団を示し、R11~R4は、それぞれ、水素原子、芳香族基、アルキル基、あるいは、アシル基(-C(O)R51)、アルコキシル基(-OR52)、アルキルチオ基(-SR53)、ジアルキルアミノ基(-NR542)を示し16~R19は、それぞれ、水素原子、芳香族基、アルキル基、アシル基(-C(O)R61)、アルコキシル基(-OR62)、アルキルチオ基(-SR63)、あるいは、ジアルキルアミノ基(-NR642)を示し、R61~R64は、それぞれ、炭素数1~50のアルキル基を示し、R51~R54は、それぞれ、炭素数1~50のアルキル基を示す
で表される芳香族化合物;一般式(15)
【0215】
【化58】
JP0003926762B2_000060t.gif
【0216】
{式中、Rは、芳香族基が置換した、脂肪族飽和炭化水素から水素原子1個を除いた残りの原子団、H(水素原子)、芳香族基、CN(イソシアノ基)、アシル基、アルキル基、あるいは脂肪族不飽和炭化水素から水素原子1個を除いた残りの原子団を示し、R11~R3は、それぞれ、水素原子、芳香族基、アルキル基、あるいは、アシル基(-C(O)R51)、アルコキシル基(-OR52)、アルキルチオ基(-SR53)、ジアルキルアミノ基(-NR542)を示し、R21~R25は、それぞれ、水素原子、芳香族基、アルキル基、アシル基(-C(O)R71)、アルコキシル基(-OR72)、アルキルチオ基(-SR73)、あるいは、ジアルキルアミノ基(-NR742)を示し、R71~R74は、それぞれ、炭素数1~50のアルキル基を示し、R51~R54は、それぞれ、炭素数1~50のアルキル基を示す
で表される芳香族化合物;および一般式(16)
【0217】
【化59】
JP0003926762B2_000061t.gif
【0218】
{式中、Rは、芳香族基が置換した、脂肪族飽和炭化水素から水素原子1個を除いた残りの原子団、H(水素原子)、芳香族基、CN(イソシアノ基)、アシル基、アルキル基、あるいは脂肪族不飽和炭化水素から水素原子1個を除いた残りの原子団を示し、R26~R29は、それぞれ、水素原子、芳香族基、アルキル基、アシル基(-C(O)R81)、アルコキシル基(-OR82)、アルキルチオ基(-SR83)、あるいは、ジアルキルアミノ基(-NR842)を示し、R81~R84は、それぞれ、炭素数1~50のアルキル基を示す}
で表される化合物;
からなる群より選ばれる第1化合物と、一般式(4)または一般式(5)
OM………(4)
4’OMOR4’’………(5)
{式中、R,R4’,R4’’は、それぞれ、芳香族基が置換した、脂肪族飽和炭化水素から水素原子1個を除いた残りの原子団、脂肪族不飽和炭化水素から水素原子1個を除いた残りの原子団、芳香族基、アルキル基、またはアシル基を示し、M,Mは、それぞれ、アルカリ金属、アルカリ土類金属を示す}
で表される金属アルコキシドとの反応によって得られる構成である。
【0219】
また、本発明にかかる触媒は、モノマーの重合を開始させる触媒であって、一般式(20’)一般式(20’’)、一般式(15’)、一般式(15’’)、一般式(16’)、および一般式(16’’)
【0220】
【化60】
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【0221】
{式中、Rは、芳香族基が置換した、脂肪族飽和炭化水素から水素原子1個を除いた残りの原子団、H(水素原子)、芳香族基、CN(イソシアノ基)、アシル基、アルキル基、あるいは脂肪族不飽和炭化水素から水素原子1個を除いた残りの原子団を示し、R11~R4は、それぞれ、水素原子、芳香族基、アルキル基、あるいは、アシル基(-C(O)R51)、アルコキシル基(-OR52)、アルキルチオ基(-SR53)、ジアルキルアミノ基(-NR542)を示し16~R19は、それぞれ、水素原子、芳香族基、アルキル基、アシル基(-C(O)R61)、アルコキシル基(-OR62)、アルキルチオ基(-SR63)、あるいは、ジアルキルアミノ基(-NR642)を示し、R61~R64は、それぞれ、炭素数1~50のアルキル基を示し、51~R54は、それぞれ、炭素数1~50のアルキル基を示し、4’は、芳香族基が置換した、脂肪族飽和炭化水素から水素原子1個を除いた残りの原子団、脂肪族不飽和炭化水素から水素原子1個を除いた残りの原子団、芳香族基、アルキル基、またはアシル基を示し、M,Mは、それぞれ、アルカリ金属、アルカリ土類金属を示す}
【0222】
【化61】
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【0223】
{式中、Rは、芳香族基が置換した、脂肪族飽和炭化水素から水素原子1個を除いた残りの原子団、H(水素原子)、芳香族基、CN(イソシアノ基)、アシル基、アルキル基、あるいは脂肪族不飽和炭化水素から水素原子1個を除いた残りの原子団を示し、R11~R3は、それぞれ、水素原子、芳香族基、アルキル基、あるいは、アシル基(-C(O)R51)、アルコキシル基(-OR52)、アルキルチオ基(-SR53)、ジアルキルアミノ基(-NR542)を示し、R21~R25は、それぞれ、水素原子、芳香族基、アルキル基、アシル基(-C(O)R71)、アルコキシル基(-OR72)、アルキルチオ基(-SR73)、あるいは、ジアルキルアミノ基(-NR742)を示し、R71~R74は、それぞれ、炭素数1~50のアルキル基を示し、51~R54は、それぞれ、炭素数1~50のアルキル基を示し、4’は、芳香族基が置換した、脂肪族飽和炭化水素から水素原子1個を除いた残りの原子団、脂肪族不飽和炭化水素から水素原子1個を除いた残りの原子団、芳香族基、アルキル基、またはアシル基を示し、M,Mは、それぞれ、アルカリ金属、アルカリ土類金属を示す}
【0224】
【化62】
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【0225】
{式中、Rは、芳香族基が置換した、脂肪族飽和炭化水素から水素原子1個を除いた残りの原子団、H(水素原子)、芳香族基、CN(イソシアノ基)、アシル基、アルキル基、あるいは脂肪族不飽和炭化水素から水素原子1個を除いた残りの原子団を示し、R26~R29は、それぞれ、水素原子、芳香族基、アルキル基、アシル基(-C(O)R81)、アルコキシル基(-OR82)、アルキルチオ基(-SR83)、あるいは、ジアルキルアミノ基(-NR842)を示し、R81~R84は、それぞれ、炭素数1~50のアルキル基を示し、R4’は、芳香族基が置換した、脂肪族飽和炭化水素から水素原子1個を除いた残りの原子団、脂肪族不飽和炭化水素から水素原子1個を除いた残りの原子団、芳香族基、アルキル基、またはアシル基を示し、M,Mは、それぞれ、アルカリ金属、アルカリ土類金属を示す}
で表される化合物からなる群より選ばれる第2化合物と、一般式(11)
OH………(11)
{式中、Rは、芳香族基が置換した、脂肪族飽和炭化水素から水素原子1個を除いた残りの原子団、脂肪族不飽和炭化水素から水素原子1個を除いた残りの原子団、芳香族基、アルキル基、またはアシル基を示す}
で表されるアルコールとの反応によって得られる構成である。
【0226】
それゆえ、純粋な炭素アニオンからなる触媒とは異なる重合活性を示す触媒を提供することができるという効果を奏する。
【0227】
本発明にかかるリビング重合方法は、以上のように、上記触媒を用いてモノマーの重合を行う構成である。
【0228】
それゆえ、トリブロックポリマーを2段階操作で合成することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例1において得られるポリメタクリル酸メチルのH-NMRを示す図である。
【図2】 比較例1において得られるポリメタクリル酸メチルのH-NMRを示す図である。
【図3】 実施例1で調整したt-BuOK/Fl溶液の、THF-d中でのH-NMRスペクトルを示す図である。
【図4】 実施例6において得られるポリメタクリル酸メチルの重合体の、重合時間に対するGPCを示す図である。
【図5】 実施例7において得られるポリメタクリル酸メチル、および、t-ブチルメタクリル酸メチル-ポリメタクリル酸メチル-t-ブチルメタクリル酸メチルの、重合時間に対するGPCを示す図である。
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4