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明細書 :画像作成方法及びプログラム及び記録媒体、画像作成装置、斜面ベクトル図

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第4276473号 (P4276473)
公開番号 特開2004-362087 (P2004-362087A)
登録日 平成21年3月13日(2009.3.13)
発行日 平成21年6月10日(2009.6.10)
公開日 平成16年12月24日(2004.12.24)
発明の名称または考案の名称 画像作成方法及びプログラム及び記録媒体、画像作成装置、斜面ベクトル図
国際特許分類 G06T  17/50        (2006.01)
G06T   1/00        (2006.01)
G06T  17/40        (2006.01)
G09B  29/00        (2006.01)
FI G06T 17/50
G06T 1/00 510
G06T 17/40 F
G09B 29/00 A
請求項の数または発明の数 11
全頁数 27
出願番号 特願2003-157490 (P2003-157490)
出願日 平成15年6月3日(2003.6.3)
審査請求日 平成18年4月11日(2006.4.11)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】503360115
【氏名又は名称】独立行政法人科学技術振興機構
発明者または考案者 【氏名】中村 貴子
個別代理人の代理人 【識別番号】100107010、【弁理士】、【氏名又は名称】橋爪 健
審査官 【審査官】千葉 久博
参考文献・文献 特開2000-310544(JP,A)
特開2000-099758(JP,A)
特開平10-049699(JP,A)
特開平07-249114(JP,A)
特開平07-021413(JP,A)
特開平06-111027(JP,A)
特開昭61-148576(JP,A)
調査した分野 G06T 17/50
G06T 1/00,11/60,17/40
G06T 15/00
G06F 17/50
G09B 23/00-29/14
A63F 9/24,13/00-13/12
特許請求の範囲 【請求項1】
特徴的地形抽出のための画像作成方法であって、
主制御部は、地図上の格子点の位置を識別する位置識別子に対応して格子点における標高値を記憶した標高モデルファイルを参照して、各格子点の位置識別子に基づき、該当する格子点の位置識別子における標高値と、該格子点の周りの複数の格子点の位置識別子における標高値を読み取り、これら標高値に基づき該格子点における斜面の傾斜方向θと傾斜角φを表す斜面ベクトルデータを求めるステップと、
主制御部は、傾斜角の最大値及び/又は最小値を入力するステップと、
主制御部は、入力部又は記憶部から明度値Iを入力するステップと、
主制御部は、求められた斜面ベクトルデータ及び明度値Iに基づき、以下の式により、色相H、彩度S及び明度Iを求めるステップと、
H=θ
S=tan((90-φ)/2)
I=I+(1-I)S (0≦I≦1.0)
主制御部は、求められた彩度Sを入力された最大値及び/又は最小値により値域幅を伸張して変換するステップと、
主制御部は、入力部により、(a)傾斜ベクトル図、(b)傾斜方位図、(c)傾斜量図の形成処理のうち、いずれかを選択するステップと、
(a)傾斜ベクトル図の形成処理が選択された場合、
主制御部は、求められた色相H、彩度S及び明度Iに基づき、HSI円錐カラーモデルからRGBカラーモデルに変換するステップと、
主制御部は、変換されたRGBカラーモデルの各原色を表す色画像データを、位置識別子に対応して色画像ファイルに記憶するステップと、
主制御部は、色画像ファイルから各位置識別子に基づいて色画像データを読み取り、該色画像データを地図上の位置識別子が示す格子点に対応させることにより斜面ベクトル図を作成し、表示部に表示又は出力部に出力するステップと、
を含み、

(b)傾斜方位図の形成処理が選択された場合
主制御部は、各位置識別子に基づき斜面ベクトルデータ中の傾斜方向θを読み取り、該傾斜方向θに基づきHSI円錐カラーモデルの断面図又はRGBカラーモデルの断面図の外周近傍の色に対応する色画像データを求め、位置識別子に対応して色画像ファイルに記憶するステップと、
主制御部は、該色画像データを用いることにより傾斜方位図を作成し、表示部に表示又は出力部に出力ステップと
を含み、
(c)傾斜量図の形成処理が選択された場合、
主制御部は、各位置識別子に基づき斜面ベクトルデータ中の傾斜角φを読み取り、該傾斜角φに基づき濃淡に対応する色画像データを求め、位置識別子に対応して色画像ファイルに記憶するステップと、
主制御部は該色画像データを用いることにより傾斜量図を表示部に表示又は出力部に出力するステップと、
を含む
画像作成方法。
【請求項2】
主制御部は、さらに、色画像ファイルから読み取った色画像データに基づき、立体視対の画像データを求め、位置識別子に対応して該画像データを立体視画像ファイルに記憶し、該画像データにより立体視対の斜面ベクトル図を作成し、表示部に表示又は出力部に出力する請求項1に記載の画像作成方法。
【請求項3】
前記斜面ベクトルデータを求めるステップは、周りの格子点の標高値から近似平面を求め該近似平面の法線ベクトルの傾斜方向θ及び傾斜角φを求める請求項1に記載の画像作成方法。
【請求項4】
主制御部は、傾斜方向θ及び傾斜角φに基づき斜面ベクトルの彩度色相円への投影点を求め、その投影点の色に従い格子点の色画像データを求める請求項1に記載の画像作成方法。
【請求項5】
主制御部は、各格子点の斜面ベクトルデータに基づき、傾斜角の最大値及び/又は最小値を算出し、算出された最大値及び/又は最小値を使用する指示を入力する、又は、最大値及び/又は最小値を入力するステップと、
主制御部は、求められた彩度Sを算出された最大値及び/又は最小値により値域幅を伸張して変換するステップと
をさらに含む請求項1に記載の画像作成方法。
【請求項6】
主制御部は、使用する色相及び/又は色相の変化幅を調整するステップをさらに含む請求項1に記載の画像作成方法。
【請求項7】
特徴的地形抽出のための画像作成プログラムであって、
主制御部は、地図上の格子点の位置を識別する位置識別子に対応して格子点における標高値を記憶した標高モデルファイルを参照して、各格子点の位置識別子に基づき、該当する格子点の位置識別子における標高値と、該格子点の周りの複数の格子点の位置識別子における標高値を読み取り、これら標高値に基づき該格子点における斜面の傾斜方向θと傾斜角φを表す斜面ベクトルデータを求めるステップと、
主制御部は、傾斜角の最大値及び/又は最小値を入力するステップと、
主制御部は、入力部又は記憶部から明度値Iを入力するステップと、
主制御部は、求められた斜面ベクトルデータ及び明度値Iに基づき、以下の式により、色相H、彩度S及び明度Iを求めるステップと、
H=θ
S=tan((90-φ)/2)
I=I+(1-I)S (0≦I≦1.0)
主制御部は、求められた彩度Sを入力された最大値及び/又は最小値により値域幅を伸張して変換するステップと、
主制御部は、入力部により、(a)傾斜ベクトル図、(b)傾斜方位図、(c)傾斜量図の形成処理のうち、いずれかを選択するステップと、
(a)傾斜ベクトル図の形成処理が選択された場合、
主制御部は、求められた色相H、彩度S及び明度Iに基づき、HSI円錐カラーモデルからRGBカラーモデルに変換するステップと、
主制御部は、変換されたRGBカラーモデルの各原色を表す色画像データを、位置識別子に対応して色画像ファイルに記憶するステップと、
主制御部は、色画像ファイルから各位置識別子に基づいて色画像データを読み取り、該色画像データを地図上の位置識別子が示す格子点に対応させることにより斜面ベクトル図を作成し、表示部に表示又は出力部に出力するステップと、
を含み、

(b)傾斜方位図の形成処理が選択された場合
主制御部は、各位置識別子に基づき斜面ベクトルデータ中の傾斜方向θを読み取り、該傾斜方向θに基づきHSI円錐カラーモデルの断面図又はRGBカラーモデルの断面図の外周近傍の色に対応する色画像データを求め、位置識別子に対応して色画像ファイルに記憶するステップと、
主制御部は、該色画像データを用いることにより傾斜方位図を作成し、表示部に表示又は出力部に出力ステップと
を含み、
(c)傾斜量図の形成処理が選択された場合、
主制御部は、各位置識別子に基づき斜面ベクトルデータ中の傾斜角φを読み取り、該傾斜角φに基づき濃淡に対応する色画像データを求め、位置識別子に対応して色画像ファイルに記憶するステップと、
主制御部は該色画像データを用いることにより傾斜量図を表示部に表示又は出力部に出力するステップと、
を含む、
前記ステップをコンピュータに実行させるため画像作成プログラム。
【請求項8】
特徴的地形抽出のための画像作成プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体であって、
主制御部は、地図上の格子点の位置を識別する位置識別子に対応して格子点における標高値を記憶した標高モデルファイルを参照して、各格子点の位置識別子に基づき、該当する格子点の位置識別子における標高値と、該格子点の周りの複数の格子点の位置識別子における標高値を読み取り、これら標高値に基づき該格子点における斜面の傾斜方向θと傾斜角φを表す斜面ベクトルデータを求めるステップと、
主制御部は、傾斜角の最大値及び/又は最小値を入力するステップと、
主制御部は、入力部又は記憶部から明度値Iを入力するステップと、
主制御部は、求められた斜面ベクトルデータ及び明度値Iに基づき、以下の式により、色相H、彩度S及び明度Iを求めるステップと、
H=θ
S=tan((90-φ)/2)
I=I+(1-I)S (0≦I≦1.0)
主制御部は、求められた彩度Sを入力された最大値及び/又は最小値により値域幅を伸張して変換するステップと、
主制御部は、入力部により、(a)傾斜ベクトル図、(b)傾斜方位図、(c)傾斜量図の形成処理のうち、いずれかを選択するステップと、
(a)傾斜ベクトル図の形成処理が選択された場合、
主制御部は、求められた色相H、彩度S及び明度Iに基づき、HSI円錐カラーモデルからRGBカラーモデルに変換するステップと、
主制御部は、変換されたRGBカラーモデルの各原色を表す色画像データを、位置識別子に対応して色画像ファイルに記憶するステップと、
主制御部は、色画像ファイルから各位置識別子に基づいて色画像データを読み取り、該色画像データを地図上の位置識別子が示す格子点に対応させることにより斜面ベクトル図を作成し、表示部に表示又は出力部に出力するステップと、
を含み、

(b)傾斜方位図の形成処理が選択された場合
主制御部は、各位置識別子に基づき斜面ベクトルデータ中の傾斜方向θを読み取り、該傾斜方向θに基づきHSI円錐カラーモデルの断面図又はRGBカラーモデルの断面図の外周近傍の色に対応する色画像データを求め、位置識別子に対応して色画像ファイルに記憶するステップと、
主制御部は、該色画像データを用いることにより傾斜方位図を作成し、表示部に表示又は出力部に出力ステップと
を含み、
(c)傾斜量図の形成処理が選択された場合、
主制御部は、各位置識別子に基づき斜面ベクトルデータ中の傾斜角φを読み取り、該傾斜角φに基づき濃淡に対応する色画像データを求め、位置識別子に対応して色画像ファイルに記憶するステップと、
主制御部は該色画像データを用いることにより傾斜量図を表示部に表示又は出力部に出力するステップと、
を含む、
前記ステップをコンピュータに実行させるため画像作成プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【請求項9】
地図上の格子点の位置を識別する位置識別子に対応して格子点における標高値を記憶した標高モデルファイルと、
格子点の位置識別子に対応して格子点におけるRGBカラーモデルの各原色の値を表す色画像データを記憶した色画像ファイルと、
各々の前記ファイルをアクセスし、斜面ベクトル図を作成し、表示部に表示又は出力部に出力するための主制御部と、
を備えた特徴的地形抽出のための画像作成装置であって、
主制御部は、地図上の格子点の位置を識別する位置識別子に対応して格子点における標高値を記憶した標高モデルファイルを参照して、各格子点の位置識別子に基づき、該当する格子点の位置識別子における標高値と、該格子点の周りの複数の格子点の位置識別子における標高値を読み取り、これら標高値に基づき該格子点における斜面の傾斜方向θと傾斜角φを表す斜面ベクトルデータを求め、
主制御部は、傾斜角の最大値及び/又は最小値を入力し、
主制御部は、入力部又は記憶部から明度値Iを入力し、
主制御部は、求められた斜面ベクトルデータ及び明度値Iに基づき、以下の式により、色相H、彩度S及び明度Iを求め、
H=θ
S=tan((90-φ)/2)
I=I+(1-I)S (0≦I≦1.0)
主制御部は、求められた彩度Sを入力された最大値及び/又は最小値により値域幅を伸張して変換し、
主制御部は、入力部により、(a)傾斜ベクトル図、(b)傾斜方位図、(c)傾斜量図の形成処理のうち、いずれかを選択し、
(a)傾斜ベクトル図の形成処理が選択された場合、
主制御部は、求められた色相H、彩度S及び明度Iに基づき、HSI円錐カラーモデルからRGBカラーモデルに変換し、
主制御部は、変換されたRGBカラーモデルの各原色を表す色画像データを、位置識別子に対応して色画像ファイルに記憶し、
主制御部は、色画像ファイルから各位置識別子に基づいて色画像データを読み取り、該色画像データを地図上の位置識別子が示す格子点に対応させることにより斜面ベクトル図を作成し、表示部に表示又は出力部に出力すること、
を含み、
(b)傾斜方位図の形成処理が選択された場合
主制御部は、各位置識別子に基づき斜面ベクトルデータ中の傾斜方向θを読み取り、該傾斜方向θに基づきHSI円錐カラーモデルの断面図又はRGBカラーモデルの断面図の外周近傍の色に対応する色画像データを求め、位置識別子に対応して色画像ファイルに記憶し、
主制御部は、該色画像データを用いることにより傾斜方位図を作成し、表示部に表示又は出力部に出力すること、
を含み、
(c)傾斜量図の形成処理が選択された場合、
主制御部は、各位置識別子に基づき斜面ベクトルデータ中の傾斜角φを読み取り、該傾斜角φに基づき濃淡に対応する色画像データを求め、位置識別子に対応して色画像ファイルに記憶し、
主制御部は該色画像データを用いることにより傾斜量図を表示部に表示又は出力部に出力すること、
を含む、
画像作成装置。
【請求項10】
予め定められた明度IにおけるHSI円錐カラーモデルの断面図における点により、色相Hで斜面の傾斜方向を表し、彩度Sで斜面の傾斜角を表した特徴的地形抽出のための斜面ベクトル図であって、前記斜面ベクトル図は、
主制御部により、地図上の格子点の位置を識別する位置識別子に対応して格子点における標高値を記憶した標高モデルファイルを参照して、各格子点の位置識別子に基づき、該当する格子点の位置識別子における標高値と、該格子点の周りの複数の格子点の位置識別子における標高値を読み取り、これら標高値に基づき該格子点における斜面の傾斜方向θと傾斜角φを表す斜面ベクトルデータを求め、
主制御部により、傾斜角の最大値及び/又は最小値を入力し、
主制御部により、入力部又は記憶部から明度値Iを入力し、
主制御部により、求められた斜面ベクトルデータ及び明度値Iに基づき、以下の式により、色相H、彩度S及び明度Iを求め、
H=θ
S=tan((90-φ)/2)
I=I+(1-I)S (0≦I≦1.0)
主制御部により、求められた彩度Sを入力された最大値及び/又は最小値により値域幅を伸張して変換し、
主制御部により、入力部により、(a)傾斜ベクトル図、(b)傾斜方位図、(c)傾斜量図の形成処理のうち、いずれかを選択し、
(a)傾斜ベクトル図の形成処理が選択された場合、
主制御部により、求められた色相H、彩度S及び明度Iに基づき、HSI円錐カラーモデルからRGBカラーモデルに変換し、
主制御部により、変換されたRGBカラーモデルの各原色を表す色画像データを、位置識別子に対応して色画像ファイルに記憶し、
主制御部により、色画像ファイルから各位置識別子に基づいて色画像データを読み取り、該色画像データを地図上の位置識別子が示す格子点に対応させることにより斜面ベクトル図を作成し、表示部に表示又は出力部に出力すること、
を含み、
(b)傾斜方位図の形成処理が選択された場合
主制御部により、各位置識別子に基づき斜面ベクトルデータ中の傾斜方向θを読み取り、該傾斜方向θに基づきHSI円錐カラーモデルの断面図又はRGBカラーモデルの断面図の外周近傍の色に対応する色画像データを求め、位置識別子に対応して色画像ファイルに記憶し、
主制御部により、該色画像データを用いることにより傾斜方位図を作成し、表示部に表示又は出力部に出力すること、
を含み、
(c)傾斜量図の形成処理が選択された場合、
主制御部により、各位置識別子に基づき斜面ベクトルデータ中の傾斜角φを読み取り、該傾斜角φに基づき濃淡に対応する色画像データを求め、位置識別子に対応して色画像ファイルに記憶し、
主制御部は該色画像データを用いることにより傾斜量図を表示部に表示又は出力部に出力すること、を含む、
ことにより作成された前記斜面ベクトル図。
【請求項11】
立体視対の画像を含む請求項10に記載の斜面ベクトル図。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像作成装置、画像作成方法及びプログラム及び記録媒体、斜面ベクトル図に係り、特に、特徴的地形抽出のための斜面ベクトルのカラー表示を可能とし、また、その立体視を可能とする画像作成装置、画像作成方法及びプログラム及び記録媒体、斜面ベクトル図に関する。
【0002】
【従来の技術】
地形図から断裂帯や環状構造などを抽出する(例えば、非特許文献1及び2)とき,地表面の傾斜は重要な情報を提供する。線形構造をはじめとする特徴的地形を把握するために標高図を眺めることや空中写真を立体視することは、以前から知られている有効な手段である。最近では、コンピュータの発達に伴ってデジタル標高モデル(DEM:Digital Elevation Model)の整備が進み、それらを用いた地形解析(例えば、非特許文献3、4参照)も活発に行われている。それは、地形情報がアナログからデジタルに変化したことにより、地形の変化量の数値解析や、空間情報の表示システムであるGIS(Geographic Information System)を利用した解析結果の管理・表示が容易に行えるようになったからである。
【0003】
ところで、一般的な色は、光の3原色である赤(R)、緑(G)、青(B)と、それらの補色であるシアン(C)、マゼンダ(M)、黄(Y)、および、黒(K)、白(W)の6点を頂点とするRGB立方体内の一点として表される。今、黒Kと白Wを結ぶ直線をI軸として、この立方体のR、Y、G、C、B、Mを、白Wを含みI軸に直交する平面に投影すると、正六角形ができる。この正六角形を円に変換し、その円を底面とし、黒Kを頂点とした円錐をHSI円錐カラーモデルという。HSI円錐カラーモデルは、色相H、彩度S、明度Iで色を表現する。他の表現によると円錐側面の表面の色を底面に投影することでHSI円錐カラーモデルの各明度Iにおける色相H及び彩度Sの色の断面図が得られる。
【0004】
【非特許文献1】
羽坂・渡辺・池田(1991)地形数値データを基にしたリニアメントの抽出-2万5千分の1地形図「余市岳」での応用例-,地質調査所月報,vol.42,no.1,pp.11-17.
【非特許文献2】
田中・幾志・熊谷(1985)三宅島の傾斜分布図.国立防災科学技術センター研究速報,vol.69,pp.17-27.
【非特許文献3】
岩橋(1992)ディジタルフィルタを用いた数値地形モデルの地形解析,情報地質,vol.3,no.1,pp.31-37.
【非特許文献4】
神谷・黒木・田中(2000)傾斜量図を用いた地形・地質の判読,情報地質、vol.11,no.1,pp.11-24.
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
一般に、地形を表現する図面には、標高図又は陰影図の他に、傾斜方位図や傾斜量図がある。
傾斜方位図には、傾斜方向のみが表示されている。傾斜量図には、地形の傾斜量のみが表示されている。標高図や陰影図を参考に傾斜方位図を見ると、斜面の連続性の抽出に有効であり、谷線・尾根線を含む線形構造がよく分かる。しかし、平野と山地の区分が不明瞭で、また斜面の凹凸も不明瞭な場合がある。傾斜量図は、平野と山地が明瞭に区分されており、また、谷線・尾根線を含む線形構造や段丘崖も明瞭に認識できる。ただ、山地では、地形の起伏が不明瞭な場合がある。
【0006】
本発明は、以上の点に鑑み、谷線・尾根線を含む線形構造が明瞭で、山地、平野、段丘崖の区分も可能であり、地形の違いが明瞭に識別できる画像を作成することを目的とする。また、本発明は、作成された斜面ベクトル図により、傾斜方位図と傾斜量図の長所を合わせもち、地形の起伏も表現することを目的とする。
【0007】
また、一般に、地図上のある点付近の地表面の傾きは、その面に垂直で上向きの3次元単位ベクトル、すなわち法線ベクトルで表現できる。このベクトルをここでは斜面ベクトルと呼ぶ。斜面ベクトルはウルフ網上の1点で表わされる。そこで、この円錐の底面をウルフ網と一致させることで、ウルフ網上の1点として与えられる斜面ベクトルを色で表わすことができる。
【0008】
なお、図17に、ウルフ網の説明図を示す。一般に、ウルフ網は、地球の南極に視点をおき、北半球の経線と緯線を投影すると図(a)が得られる。また、赤道上に視点をおき、それを極とする子午面に視点と反対側の経線と緯線を投影すると図(b)が得られる。これらをそれぞれ赤道面投影と子午面投影のステレオ網(stereonet)あるいはウルフ網(Wulff net)という。ウルフ網は等角網(equal angle net)ともいわれる。これは、ウルフ網上では、球面上の角度が保たれていることによる。本実施の形態では、特に、赤道面投影のウルフ網が用いられる。
【0009】
ウルフ網とHSI円錐カラーモデルの底面を対応させて斜面ベクトルを色で表し、これを地図として表現すると、傾斜方向、傾斜量、地形の変化を同時に表現できる。この図を斜面ベクトル図と名づけた。
本発明は、この斜面ベクトルの色を地図上に表示することにより、傾斜方向と傾斜量の空間分布を同時に表現することを目的とする。さらに、本発明は、このようにして作成した斜面ベクトル図を、地形が立体視できる立体視対として表現することにより、断層帯などの特徴的地形をより容易に抽出できる斜面ベクトル図を形成することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の第1の解決手段によると、画像作成方法、以下の各ステップをコンピュータに実行させるため画像作成プログラム及びそのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体であって、
主制御部は、地図上の格子点の位置を識別する位置識別子に対応して格子点における標高値を記憶した標高モデルファイルを参照して、各格子点の位置識別子に基づき、該当する格子点の位置識別子における標高値と、該格子点の周りの複数の格子点の位置識別子における標高値を読み取り、これら標高値に基づき該格子点における斜面の傾斜方向θと傾斜角φを表す斜面ベクトルデータを求めるステップと、
主制御部は、傾斜角の最大値及び/又は最小値を入力するステップと、
主制御部は、入力部又は記憶部から明度値Iを入力するステップと、
主制御部は、求められた斜面ベクトルデータ及び明度値Iに基づき、以下の式により、色相H、彩度S及び明度Iを求めるステップと、
H=θ
S=tan((90-φ)/2)
I=I+(1-I)S (0≦I≦1.0)
主制御部は、求められた彩度Sを入力された最大値及び/又は最小値により値域幅を伸張して変換するステップと、
主制御部は、入力部により、(a)傾斜ベクトル図、(b)傾斜方位図、(c)傾斜量図の形成処理のうち、いずれかを選択するステップと、
(a)傾斜ベクトル図の形成処理が選択された場合、
主制御部は、求められた色相H、彩度S及び明度Iに基づき、HSI円錐カラーモデルからRGBカラーモデルに変換するステップと、
主制御部は、変換されたRGBカラーモデルの各原色を表す色画像データを、位置識別子に対応して色画像ファイルに記憶するステップと、
主制御部は、色画像ファイルから各位置識別子に基づいて色画像データを読み取り、該色画像データを地図上の位置識別子が示す格子点に対応させることにより斜面ベクトル図を作成し、表示部に表示又は出力部に出力するステップと、
を含み、

(b)傾斜方位図の形成処理が選択された場合
主制御部は、各位置識別子に基づき斜面ベクトルデータ中の傾斜方向θを読み取り、該傾斜方向θに基づきHSI円錐カラーモデルの断面図又はRGBカラーモデルの断面図の外周近傍の色に対応する色画像データを求め、位置識別子に対応して色画像ファイルに記憶するステップと、
主制御部は、該色画像データを用いることにより傾斜方位図を作成し、表示部に表示又は出力部に出力ステップと
を含み、
(c)傾斜量図の形成処理が選択された場合、
主制御部は、各位置識別子に基づき斜面ベクトルデータ中の傾斜角φを読み取り、該傾斜角φに基づき濃淡に対応する色画像データを求め、位置識別子に対応して色画像ファイルに記憶するステップと、
主制御部は該色画像データを用いることにより傾斜量図を表示部に表示又は出力部に出力するステップと、
を含む
画像作成方法、これら各ステップをコンピュータに実行させるため画像作成プログラム及びそのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体が提供される。
【0011】
本発明の第2の解決手段によると、
地図上の格子点の位置を識別する位置識別子に対応して格子点における標高値を記憶した標高モデルファイルと、
格子点の位置識別子に対応して格子点におけるRGBカラーモデルの各原色の値を表す色画像データを記憶した色画像ファイルと、
各々の前記ファイルをアクセスし、斜面ベクトル図を作成し、表示部に表示又は出力部に出力するための主制御部と、
を備えた特徴的地形抽出のための画像作成装置であって、
主制御部は、地図上の格子点の位置を識別する位置識別子に対応して格子点における標高値を記憶した標高モデルファイルを参照して、各格子点の位置識別子に基づき、該当する格子点の位置識別子における標高値と、該格子点の周りの複数の格子点の位置識別子における標高値を読み取り、これら標高値に基づき該格子点における斜面の傾斜方向θと傾斜角φを表す斜面ベクトルデータを求め、
主制御部は、傾斜角の最大値及び/又は最小値を入力し、
主制御部は、入力部又は記憶部から明度値Iを入力し、
主制御部は、求められた斜面ベクトルデータ及び明度値Iに基づき、以下の式により、色相H、彩度S及び明度Iを求め、
H=θ
S=tan((90-φ)/2)
I=I+(1-I)S (0≦I≦1.0)
主制御部は、求められた彩度Sを入力された最大値及び/又は最小値により値域幅を伸張して変換し、
主制御部は、入力部により、(a)傾斜ベクトル図、(b)傾斜方位図、(c)傾斜量図の形成処理のうち、いずれかを選択し、
(a)傾斜ベクトル図の形成処理が選択された場合、
主制御部は、求められた色相H、彩度S及び明度Iに基づき、HSI円錐カラーモデルからRGBカラーモデルに変換し、
主制御部は、変換されたRGBカラーモデルの各原色を表す色画像データを、位置識別子に対応して色画像ファイルに記憶し、
主制御部は、色画像ファイルから各位置識別子に基づいて色画像データを読み取り、該色画像データを地図上の位置識別子が示す格子点に対応させることにより斜面ベクトル図を作成し、表示部に表示又は出力部に出力すること、
を含み、
(b)傾斜方位図の形成処理が選択された場合
主制御部は、各位置識別子に基づき斜面ベクトルデータ中の傾斜方向θを読み取り、該傾斜方向θに基づきHSI円錐カラーモデルの断面図又はRGBカラーモデルの断面図の外周近傍の色に対応する色画像データを求め、位置識別子に対応して色画像ファイルに記憶し、
主制御部は、該色画像データを用いることにより傾斜方位図を作成し、表示部に表示又は出力部に出力すること、
を含み、
(c)傾斜量図の形成処理が選択された場合、
主制御部は、各位置識別子に基づき斜面ベクトルデータ中の傾斜角φを読み取り、該傾斜角φに基づき濃淡に対応する色画像データを求め、位置識別子に対応して色画像ファイルに記憶し、
主制御部は該色画像データを用いることにより傾斜量図を表示部に表示又は出力部に出力すること、
を含む、
画像作成装置が提供される。
【0012】
本発明の第3の解決手段によると、
予め定められた明度IにおけるHSI円錐カラーモデルの断面図における点により、色相Hで斜面の傾斜方向を表し、彩度Sで斜面の傾斜角を表した特徴的地形抽出のための斜面ベクトル図であって、前記斜面ベクトル図は、
主制御部により、地図上の格子点の位置を識別する位置識別子に対応して格子点における標高値を記憶した標高モデルファイルを参照して、各格子点の位置識別子に基づき、該当する格子点の位置識別子における標高値と、該格子点の周りの複数の格子点の位置識別子における標高値を読み取り、これら標高値に基づき該格子点における斜面の傾斜方向θと傾斜角φを表す斜面ベクトルデータを求め、
主制御部により、傾斜角の最大値及び/又は最小値を入力し、
主制御部により、入力部又は記憶部から明度値Iを入力し、
主制御部により、求められた斜面ベクトルデータ及び明度値Iに基づき、以下の式により、色相H、彩度S及び明度Iを求め、
H=θ
S=tan((90-φ)/2)
I=I+(1-I)S (0≦I≦1.0)
主制御部により、求められた彩度Sを入力された最大値及び/又は最小値により値域幅を伸張して変換し、
主制御部により、入力部により、(a)傾斜ベクトル図、(b)傾斜方位図、(c)傾斜量図の形成処理のうち、いずれかを選択し、
(a)傾斜ベクトル図の形成処理が選択された場合、
主制御部により、求められた色相H、彩度S及び明度Iに基づき、HSI円錐カラーモデルからRGBカラーモデルに変換し、
主制御部により、変換されたRGBカラーモデルの各原色を表す色画像データを、位置識別子に対応して色画像ファイルに記憶し、
主制御部により、色画像ファイルから各位置識別子に基づいて色画像データを読み取り、該色画像データを地図上の位置識別子が示す格子点に対応させることにより斜面ベクトル図を作成し、表示部に表示又は出力部に出力すること、
を含み、
(b)傾斜方位図の形成処理が選択された場合
主制御部により、各位置識別子に基づき斜面ベクトルデータ中の傾斜方向θを読み取り、該傾斜方向θに基づきHSI円錐カラーモデルの断面図又はRGBカラーモデルの断面図の外周近傍の色に対応する色画像データを求め、位置識別子に対応して色画像ファイルに記憶し、
主制御部により、該色画像データを用いることにより傾斜方位図を作成し、表示部に表示又は出力部に出力すること、
を含み、
(c)傾斜量図の形成処理が選択された場合、
主制御部により、各位置識別子に基づき斜面ベクトルデータ中の傾斜角φを読み取り、該傾斜角φに基づき濃淡に対応する色画像データを求め、位置識別子に対応して色画像ファイルに記憶し、
主制御部は該色画像データを用いることにより傾斜量図を表示部に表示又は出力部に出力すること、を含む、
ことにより作成された前記斜面ベクトル図が提供される。
【0013】
【発明の実施の形態】
1.序論
(1)使用データ
斜面ベクトル図がさまざまな特徴的地形の抽出に有効であることを示すために、以下では、一例として、1997年に国土地理院から刊行された茨城県筑波山周辺の50mDEMを用いて、標高図、陰影図、傾斜方位図、傾斜量図、斜面ベクトル図、斜面ベクトル図の立体視対を作成した。また、特に断裂系と環状構造に対する斜面ベクトル図と斜面ベクトル図の立体視対の効果を検証するために、大分県豊肥地域の万年山周辺と、青森県と秋田県の県境に位置する十和田湖周辺の傾斜量図と斜面ベクトル図の立体視対も作成した。筑波山周辺は、平野と山地が比較的明瞭に分かれた地形を示す。豊肥地域は日本最大の活火山地帯であり、火山地形と東西に走る大小規模の正断層が発達している。十和田湖はカルデラであり、環状構造の例として選んだ。
これらの使用データは一例を示すものであり、これに限られず、様々な地図上の位置とその標記を示すデータを用いることができる。
【0014】
(2)斜面ベクトル図の作成方法
(斜面ベクトル)
50mDEMから斜面ベクトルを算出した。筑波山周辺のDEMの格子点間隔は、東西(緯線)方向が約56.0m、南北(経線)方向が約46.3mである。斜面ベクトルの傾斜方向と傾斜角は、対象とする格子点を中心とする9個の格子点に近似平面を当てはめ、その法線から求めた。
直交座標系で求めた法線ベクトルの傾斜方向(θ)と傾斜角(φ)は次式で与えられる。
【0015】
【数1】
JP0004276473B2_000002t.gifここで、aとbは近似平面z=ax+by+cの係数である。
【0016】
(斜面ベクトルのステレオ投影とHSI色空間)
斜面ベクトルの空間分布を地形図上に表現するために、色相(H:Hue)、彩度(S:Saturation)、明度(I:Intensity)の3成分で構成されるHSI円錐カラーモデルを利用した。
図1に、斜面ベクトルのステレオ投影点とHSI円錐カラーモデルの対応関係の説明図を示す。この図では、傾斜量と傾斜方向を示すベクトルのステレオ投影点P’とHSI双円錐カラーモデルの関係(R:赤、Y:黄、G:緑、C:シアン、B:青、M:マゼンダ、W:白、Bl:黒、P:ベクトルと半球面の交点、H:色相(0≦H≦2π)、S:彩度(0≦S≦1)、I:明度(0≦I≦1)、φ:傾斜角、θ:傾斜方向、Rの方向が東(E))が示される。ウルフ網とHSI円錐カラーモデルの底面を対応させたとき、斜面ベクトル(θ,φ)のステレオ投影点とHS面の座標(H,S)は次のように対応する。
【0017】
【数2】
JP0004276473B2_000003t.gifこの場合、HSI空間ではI=1.0である。この明度Iを、
【0018】
【数3】
JP0004276473B2_000004t.gifとすることもできる。ここで、Iは円錐の頂点の明度である。適当なIを与えると、傾斜角度が明度でも表現される。Iは図が見やすくなるように任意に決めればよい。
【0019】
図2に、HSI円錐カラーモデルで着色されたウルフ網の図を示す。左から、円錐カラーモデルの明度がI=1.0、0.5、0.0であり、経線と緯線の間隔はそれぞれ30°である。
ところで、実際に斜面ベクトルの傾き角が0°に近くなることはほとんどないので、(2)式だとHSI円錐カラーモデルの底面を有効に使えない場合がある。そこで、φに最大傾斜を与えるφminを代入し、Sの最大輝度Ssteepestを、
【0020】
【数4】
JP0004276473B2_000005t.gifとすると、HSI円錐カラーモデルの底面で高輝度の部分を一層有効に使うことができる。また、φに最小傾斜を与えるφmaxを代入し、Sの最小輝度Sgentle
【0021】
【数5】
JP0004276473B2_000006t.gifとして、これを用いてもよい。さらに、これら両方の値を用いて傾斜角の値域幅を求めることができる。例えば、通常は0≦S≦1であるが、このスケール幅を0≦S≦Ssteepest、Sgentle≦S≦Ssteepest又はSgentle≦S≦1で示す範囲を0≦S≦1で示す広範囲に変換するようにすればよい。
【0022】
以上のように、斜面ベクトル図では、斜面ベクトルの色相Hで斜面の傾斜方向を表し、彩度Sで斜面の傾斜角を表すことができる。図2に示すように、予め定められた明度IにおけるHSI円錐カラーモデルの断面図(ウルフ網と重なる彩度最大色相円)を使用して、図1に示すように、斜面ベクトルと彩度最大色相円を含む球面との交点Pを、彩度最大色相円内にステレオ投影した投影点P’の位置の色により、斜面の傾斜方向及び傾斜角が表現される。すなわち、この例では、地図上の格子点における斜面が急勾配になるにつれて、彩度Sが大きくなり(1に近づき)濃い色で表現され、一方、斜面が平坦になるにつれて、彩度Sが小さくなり(0に近づき)薄い色で表現される(なお、濃淡が逆でもよい)。地図上の格子点における斜面の方向は、色相Hを使用して、図2に示すような円のように、R:赤、Y:黄、G:緑、C:シアン、B:青、M:マゼンダ、にそれぞれ対応して東西南北が示される。本実施の形態では、一例として、東(E)方向に傾いている斜面を赤(R)で表し、西(W)方向に傾いている斜面をシアン(C)で表し、北(N)方向に傾いている斜面を緑(G)と黄(Y)の中間の色で表し、南(S)方向に傾いている斜面を青(B)とマゼンダ(M)の中間の色で表している。なお、後述の図14及びその説明箇所を参照すると、傾斜方向及び傾斜角の色画像との対応の一例が示されている。また、色の傾斜角との対応及び傾斜方向との対応は、この例に限らず適宜定めることができる。
【0023】
(3)立体視対の作成
斜面ベクトルを表現する図で、さらに、同時に地形の起伏を表現したい場合、斜面ベクトル図と地形の起伏情報との重ね合わせが必要である。地形の起伏は、しばしば陰影図として表示される。そこで、斜面ベクトルはHS面で表し、Iを陰影図に利用することが可能である。しかし、この場合、当然のことながら、明度の変化として斜面ベクトル図を表現することはできない。この欠点を除くために、斜面ベクトルを示す色で地表面を着色し、この地形の立体視対を作成した。これを斜面ベクトル図の立体視対と呼ぶ。立体視対は、左目で見た像と、右目で見た像の2枚の画像からなる。この対画像をそれぞれの目で見ることにより、脳内で3次元像が認識される。
【0024】
2.ハードウェア
図3は、本実施の形態に関するハードウェアの構成図である。
このハードウェアは、中央処理装置(CPU)である主制御部1、入力部2、出力部3、表示部4、記憶部5及び入出力制御部6を備える。
【0025】
主制御部1は、解析プログラム55及び画像表示用プログラム56等の各種プログラムを記憶部5からロードして、適宜の処理を実行する。入力部2は、例えば、設定、指示、条件等の画像形成に必要な各種データ等を入力するための入力手段であり、キーボード、マウス、ポインティングディバイス等の適宜の装置が用いられる。出力部3は、カラープリンタ、又は、各種記憶媒体、他の装置、ネットワーク等にデータを出力する出力装置である。表示部4は、例えば、RGB画像や立体画像等を画面に表示するためのカラーディスプレイ装置である。記憶部5は、ハードディスク等の適宜のメモリデバイスであり、標高モデルファイル51、斜面ベクトルファイル52、RGB画像ファイル53、立体視画像ファイル54、解析プログラム55、画像表示用プログラム56を含む。記憶部5には、初期設定、パラメータ等の各種データや、画像形成の最終結果や中間結果等のデータが記憶される。入出力制御部6は、主制御部1と、入力部2、出力部3、表示部4及び記憶部との間のデータの送受信を制御する。入出力制御部6は、バス、スター等の適宜のネットワークで構成することもできる。
【0026】
図4に、標高モデルファイル51の説明図を示す。標高モデルファイル51は、地図上の格子点の位置を識別する位置識別子(位置ID)に対応して格子点における標高値を記憶する。
図5に、斜面ベクトルファイル52の説明図を示す。斜面ベクトルファイル52は、各格子点の位置識別子に対応して格子点における斜面の傾斜方向θと傾斜角φを表す斜面ベクトルデータを記憶する。
図6に、RGB色画像ファイル53の説明図を示す。RGB色画像ファイル53は、各格子点の位置識別子に対応して格子点におけるRGBカラーモデルの各原色の値を表す色画像データを記憶する。
図7に、立体視画像ファイル54の説明図を示す。立体視画像ファイル54は、各格子点の位置識別子に対応して、左画像及び右画像を含む立体視対の画像データを記憶する。
なお、各データファイルでは、位置識別子は、シーケンス番号を用いているが、これに限らず、2次元マトリクス等の適宜位置を識別する番号・記号を用いることができる。
【0027】
3.ソフトウェア
図8に、画像形成のためのフローチャートを示す。
まず、主制御部1は、入力ファイル及び出力ファイルを特定し、標高モデルファイル51を参照して、各格子点の位置識別子における標高値と、その格子点の周りの複数の格子点の位置識別子における標高値を読み取り、入力する(S101)。主制御部は、これら標高値等のデータに基づき各位置識別子における格子点の斜面の傾斜方向θ及び傾斜角φを含む斜面ベクトルデータを求め、そのデータを位置識別子に対応して斜面ベクトルファイル52に記憶する(S103)。斜面ベクトルデータを求めるには、例えば、前述のように、周りの格子点の標高値から近似平面を求め法線ベクトルの傾斜方向θ及び傾斜角φを求めればよい。
【0028】
まず、主制御部1は、斜面ベクトルファイル52を参照して、傾斜角の最大値及び/又は最小値を算出し、表示部4にそれを表示する(S105)。これにより、操作者はこれら最大値及び/又は最小値が適当なS(彩度)で斜面ベクトル図が表示できる値かどうかを確認することができる。ここで、操作者は、入力部2により傾斜角の値域幅を入力する(S107)。ここで、値域幅として、算出された最大値及び/又は最小値が適当であれば、エンター等によりそれを使用する指示を入力し、変更する場合は最大値及び/又は最小値を入力する。つぎに、主制御部1は、入力部2又は記憶部5から、明度値I等の予め定められた値を入力する(S108)。
【0029】
つぎに、主制御部1は、求められた斜面ベクトルデータに基づき、色相H、彩度S及び明度Iを求める(S109)。ここで、色相H、彩度S及び明度Iを求めるためには、例えば、前述「1.序論」で説明したように、上述のH、S、I式により各値を求めることができる。さらに、主制御部1は、前述のように、求められた彩度Sを入力された最大値及び/又は最小値により値域幅を伸張して変換することもできる。
【0030】
なお、ステップS105、又は、ステップS105とS107の両方を省略して、傾斜角の値域幅として予め記憶部5に定められたデフォルト値を用いることで、ステップS109における傾斜角の値域幅による修正を省略しても良い。
【0031】
さらに、色相Hも、使用する色相とその変化幅を調整できる。図18に、色相の変化幅の調整についての説明図を示す。図(a)のように、通常、R、G、Bがそれぞれ120度間隔であるが、例えば、図(b)のように、その間隔を90度・90度・180度としたり、図(c)のように、90度・180度・90度とすることができる。さらに、R、G、Bのみを用いて、Y,C,Mを用いないようにしても良い。主制御部1は、入力部2又は記憶部5からこれらの設定を行うことができ、その設定に応じて変化幅を調整する計算を実行する。
【0032】
つぎに、入力部2により画像形成処理を選択する(S111)。画像形成処理には、例えば、(a)傾斜ベクトル図、(b)傾斜方位図、(c)傾斜量図の形成処理が含まれる。
ステップS111で「(a)傾斜ベクトル図作成」が選択された場合、主制御部1は、求められた色相、彩度及び明度に基づき、HSI円錐カラーモデルからRGBカラーモデルに変換することにより斜面ベクトル図を作成する(S113)。主制御部1は、変換されたRGBカラーモデルの各色に対応する色画像データを位置識別子に対応して色画像ファイル53に記憶する(S115)。
【0033】
さらに、主制御部1は、色画像ファイル52から読み取った色画像データに基づき、立体視対の画像データを求め位置識別子に対応して立体視画像ファイル54に記憶し、該画像データを表示部4に表示又は出力部3に出力するようにしてもよい(S117)。なお、ステップS117の処理は、省略することもできる。
【0034】
主制御部1は、色画像ファイル53から各位置識別子に対応した色画像データを読み取り、該色画像データを地図上の位置識別子が示す格子点に貼り付ける等により対応させることで斜面ベクトル図を作成し、表示部4に表示及び/又は出力部3に出力する(S119)。ここで、ステップS117を実行した際は、立体視画像ファイル54から各位置識別子に対応した主体部画像データを読み取り、同様に立体視対の斜面ベクトル図を作成し、表示部4に表示及び/又は出力部3に出力する。
【0035】
一方、ステップS111で「(b)傾斜方位図作成」が選択された場合、主制御部1は、位置識別子に対応して斜面ベクトルデータ中の傾斜方向θを読み取り、傾斜方向θに基づきHSI円錐カラーモデルの断面図又はRGBカラーモデルの断面図の外周近傍の色に対応する色画像データを求める(S121)。その後ステップS115以降の処理により、同様に、色画像データを位置識別子に対応して色画像ファイル53に記憶し、必要に応じて立体視画像を作成し、得られた傾斜方位図を表示部4に表示又は出力部3に出力する。
【0036】
また、ステップS111で「(c)傾斜量図作成」が選択された場合、主制御部1は、位置識別子に対応して斜面ベクトルデータ中の傾斜角φを読み取り、傾斜角φに基づき濃淡に対応する色画像データを求める(S123)。その後ステップS115以降の処理により、同様に、色画像データを位置識別子に対応して色画像ファイル53に記憶し、必要に応じて立体視画像を作成し、得られた傾斜量図を表示部4に表示又は出力部3に出力する。このとき、同時に使用した円形カラーチャートも出力できる。
なお、他の画像形成処理をさらに選択する場合、ステップS111に戻りその後処理を繰り返しても良い。また、(a)傾斜ベクトル図、(b)傾斜方位図、(c)傾斜量図の各色画像データをそれぞれ別個のファイルに記憶するようにしても良い。さらに、各ステップにおける所定ファイルへのデータの記憶を適宜行ったり、逆に、それを省略するようにしてもよい。
【0037】
(HSI-RGB変換)
以下に、ステップS113の斜面ベクトル図作成におけるHSI-RGB変換について詳述する。
実際に画像に着色する際には、最小二乗近似平面のベクトルから求めたHSI(H=φ、S=θ)の値をRGB値に変換しなければならない。HSI-RGB変換式を以下に示す。図1に示すとおり、H(φ)=0は、直交座標系のx軸方向と、HIS双円錐カラーモデルのR軸方向と一致する。また、使用するカラーモデルはIの値によって決まる。
【0038】
【数6】
JP0004276473B2_000007t.gif
【0039】
【数7】
JP0004276473B2_000008t.gif(0.0≦r、g、b≦1.0、0≦H≦2π、0.0≦S≦1.0、0.0≦I≦1.0とする)
【0040】
(立体視画像の作成)
以下に、ステップS117における立体視画像の作成処理について説明する。傾斜量と傾斜方位を同時に表現する画像に正確な地形の起伏を合わせて表現したい場合、さらにそれらの情報との重ねあわせが必要である。地形の起伏に関しては陰影図が有効であるが、色で情報を表現した合成画像に、さらに影を重ねると合成画像の情報が隠されてしまい全体として意味をなさない画像になってしまう。そこで、作成した合成画像を立体視することで、ここに挙げる地形特性のすべてを表現する。
【0041】
図9に、立体視対の作成方法の説明図を示す。立体視対の作成とは、両眼視差を考慮した画像を2枚作成することである。つまり、右目で見た像と、左目で見た像を一枚の画像から幾何学的に作成し、それぞれの画像をそれぞれの側の目で見ることにより、脳内で立体画像が合成される。
対象とする画像上の1点、Im(x,y,z)を、視点Er(右眼)、El(左眼)の位置から見たときの投影面(P)上の各点をPr、Plとし、そのときのx座標をXr、Xl、y座標をYとする、両眼の位置はz軸をはさんで左右各30mmの等間隔、x軸に水平とする。また明視距離(xyz座標の原点0から視点の中心Eまでの垂直距離0E)は300mmとする。Pr、Pl、Yの座標をそれぞれ以下のように求める。
【0042】
【数8】
JP0004276473B2_000009t.gif
【0043】
【数9】
JP0004276473B2_000010t.gif
【0044】
【数10】
JP0004276473B2_000011t.gif
【0045】
4.結果と考察
図10に、筑波山周辺の地形解析図(東西約22.4km、南北約18.5km)を示す。図中、a:標高図、b:陰影図、c:傾斜方位図、d:傾斜量図、e:斜面ベクトル図、が示される。
また、図11に、筑波山周辺の立体視図(東西約22.4km、南北約18.5km)を示す。
傾斜方位図は、傾斜方向(θ)に円形カラーチャートのS=1.0のときの色を割り当てて表示してある。傾斜量図は、傾斜角(φ)が0°を白、90°を黒とする255~0の濃淡値に変換して表示してある。これらの図の斜面ベクトル図は、図1に示すI=1.0のときの円形カラーチャートで表現してある。斜面ベクトルの立体視対(図11)を立体視すると、傾斜方向、傾斜量、標高の空間的変化を1枚の地図で容易に認識することができる。
【0046】
まず、筑波山周辺の傾斜方位図および傾斜量図と斜面ベクトル図とを比較する。傾斜方位図には、傾斜方向のみが表示されている。傾斜量図には、地形の傾斜量のみが表示されている。標高図や陰影図を参考に傾斜方位図を見ると、斜面の連続性の抽出に有効であり、谷線・尾根線を含む線形構造がよく分かる。しかし、平野と山地の区分が不明瞭で、また斜面の凹凸も不明瞭である。傾斜量図は平野と山地が明瞭に区分されている。また、谷線・尾根線を含む線形構造や段丘崖も明瞭に認識できる。ただ、山地では、地形の起伏が不明瞭である。対して、斜面ベクトル図を見ると、谷線・尾根線を含む線形構造が明瞭で、山地、平野、段丘崖の区分も可能であり、地形の違いが明瞭に識別できる。これらのことから、斜面ベクトル図は、傾斜方位図と傾斜量図の長所を合わせもつ上に、地形の起伏も表現していることがわかる。
【0047】
次に、標高図および陰影図を斜面ベクトル図と比較する。標高図は、地形の外観を見るためには一般的なものであるが、標高図から特徴的な地形を判読するためにはある程度の熟練を要する。また、標高図から特徴的地形を定量的に抽出することはさらに難しい。陰影図は、影を付けることで地形の凹凸が立体的に見えるという点で、線形構造の抽出や地形の外観把握に優れている。しかし、光の照射方向に平行する線形構造が捉えられないことや、陰になる部分の地形が不明瞭であるという欠点がある。このため線形構造や地形の変化を方向に関係なく抽出するためには、複数の方向からの光源を想定した多くの画像を見なければならない。その点、斜面ベクトル図は1枚の図で線形構造などの特徴的地形や地形の変化を表現している上に、定量的に扱うことも可能である。また、斜面ベクトル図はカラー図であるため、人間の直感的な認識を助け、見落としが少なくなることが期待できる。
【0048】
斜面ベクトル図は、単独で傾斜方向、傾斜量、地形の変化などを表現することが可能で、線形構造などの特徴的地形の抽出に適していることがわかった。しかし、正確に地形の変化を認識するためには、円形カラーチャートの色相と傾斜方向の対応付けを参照する必要がある。この煩雑さを防ぐために、斜面ベクトルに対応する色がつけられた地形を想定して、これを立体視することにした。これにより、地形の変化がより容易に認識できる(図11)。
【0049】
斜面ベクトル図が線形構造の抽出に適していることを確かめるために、以下に例を示す。
図12に、大分県万年山周辺の地形解析図(東西約23.3km、南北約18.5km)を示す。図中、a:陰影図(光源:北)b:陰影図(光源:南東)c:傾斜方位図d:傾斜量図e:斜面ベクトル図、がそれぞれ示される。
図13に、大分県万年山周辺の斜面ベクトルの地形立体視図(東西約23.3km、南北約18.5km)を示す。
【0050】
まず、図12の斜面ベクトル図を見ると、万年山の西~南西部(区域A)と北東部(区域B)において、ほぼ東西に走る線構造(青)が見られる。これら東西に走る線構造は、南~南西向きの幅の狭い急峻な斜面の連続であり、本地域に多数発達している東西に走る正断層(町田・太田・河名・森脇・長岡(2001)日本の地形7九州・南西諸島)に対比される。また、南北に走る線構造(赤)が青で示す線構造と交差している。これらの赤で示された線構造は東向きの幅の狭い急斜面の連続である。このことは、図13の立体視対を用いて立体視して見るとさらに明瞭に認識できる。これらの線構造は、立体視からわかる地形の特徴からも、断裂構造を捉えている可能性が高い。また、区域Aでは、東西方向の線構造である青い線が南北性の赤の線構造を連続的に分断しているようにも見える。
【0051】
次に、図12の陰影図と斜面ベクトル図を比較する。陰影図(図12のaとb)を見ると、光源が北側にある場合は、区域A、区域Bに見られる東西方向の線形構造が鮮明に認識できるが、光源が南東側にある場合はかなり不鮮明である。対して、斜面ベクトル図ではさまざまな方向の線形構造が色相の違う線で全て同時に表現されている。さらに、斜面ベクトル図を、傾斜方位図および傾斜量図と比較すると、傾斜方位図は、傾斜方向の連続性の抽出には適しているが、傾斜角が急峻な部分のみを抽出することは不可能であり、抽出される断層の幅が実際より広くなる。一方、傾斜量図では、さまざまな方向性を持つ斜面が混在している場合、傾斜方向の識別ができず線形構造の連続性を追いにくい。
【0052】
図14に、傾斜方位図・傾斜量図・斜面ベクトル図における地形断面と表示色の関係図を示す。断層の抽出で斜面ベクトル図が傾斜方位図や傾斜量図より優れているのは、この図を見れば明らかである。例えば、両側が同程度の傾きをもつ谷の断面の場合、傾斜方位図(a)では、傾斜方向のみによって色分けされ、同じ傾斜方向を持つ斜面は同じ色相と彩度で表現されるため(この例では、図中左側が赤、右側が青)、抽出された線構造の幅が広くなる。傾斜量図(b)でも谷線の両側の斜面が同じ色相と彩度で表現されるため(この例では、図中上側が淡く、下側が濃い。)、抽出された線構造の幅が広くなる。これに対し、斜面ベクトル図(傾斜ベクトル図)(c)では、傾斜角が大きい部分は彩度が高く(この例では、図中上側が淡く、下側が濃い。)、傾斜方向が色相で区別されるため(この例では、図中左側が赤、右側が青)、推定される断層の幅がシャープになる。また、環状構造の抽出にも斜面ベクトル図は有効である。
【0053】
図15に、十和田湖周辺の傾斜量図(左)と傾斜ベクトル図(右)(東西約21.2km、南北約18.5km)を示す。
図16に、十和田湖周辺の立体視対の図(東西約21.2km、南北約27.8km)を示す。
図15の傾斜量図と斜面ベクトル図を比較すると、傾斜量図は環状構造を形成している急峻な傾斜面の連続をよく表現している。しかし、環状構造の内側が陥没しているか隆起しているかの判断は難しい。斜面ベクトル図でも、傾斜の急峻な部分は彩度が大きいため環状構造は抽出される。さらに、斜面ベクトル図では、傾斜の方向がわかるので、陥没構造と隆起構造の識別が可能となる。また、斜面ベクトル図を立体視することで陥没構造と隆起構造をより容易に認識できる。
【0054】
5.付記
本発明の画像作成方法又は画像作成装置・システムは、その各手順をコンピュータに実行させるための画像作成プログラム、画像作成プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体、画像作成プログラムを含みコンピュータの内部メモリにロード可能なプログラム製品、そのプログラムを含むサーバ等のコンピュータ、等により提供されることができる。
【0055】
【発明の効果】
本発明によると、以上のように、谷線・尾根線を含む線形構造が明瞭で、山地、平野、段丘崖の区分も可能であり、地形の違いが明瞭に識別できる画像を作成することができる。また、本発明によると、作成された斜面ベクトル図により、傾斜方位図と傾斜量図の長所を合わせもち、地形の起伏も表現することができる。
【0056】
また、本発明によると、斜面ベクトルの色を地図上に表示することにより、傾斜方向と傾斜量の空間分布を同時に表現することができる。さらに、このようにして作成した斜面ベクトル図を、地形が立体視できる立体視対として表現することにより、断層帯などの特徴的地形をより容易に抽出できる斜面ベクトル図を形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】斜面ベクトルのステレオ投影点とHSI円錐カラーモデルの対応関係の説明図。
【図2】Iが1.0、0.5、0.0のときのウルフ網の図。
【図3】本実施の形態に関するハードウェアの構成図。
【図4】標高モデルファイル51の説明図。
【図5】斜面ベクトルファイル52の説明図。
【図6】RGB色画像ファイル53の説明図。
【図7】立体視画像ファイル54の説明図。
【図8】画像形成のためのフローチャート。
【図9】立体視対の作成方法の説明図。
【図10】筑波山周辺の標高図、陰影図、傾斜方位図、傾斜量図、斜面ベクトル図。
【図11】筑波山周辺の立体視対の図。
【図12】大分県万年山周辺の陰影図、傾斜方位図、傾斜量図、斜面ベクトル図。
【図13】大分県万年山周辺の立体視対の図。
【図14】傾斜方位図・傾斜量図・斜面ベクトル図における地形断面と表示色の関係図。
【図15】十和田湖周辺の傾斜量図と斜面ベクトル図。
【図16】和田湖周辺の立体視対の図。
【図17】ウルフ網の説明図。
【図18】色相の変化幅の調整についての説明図。
【符号の説明】
1 主制御部(CPU)
2 入力部
3 表示部
4 出力部
5 記憶部
6 入出力制御部
51 標高モデルファイル
52 斜面ベクトルファイル
53 RGB色画像ファイル
54 立体視画像ファイル
55 解析プログラム
56 画像表示用プログラム
図面
【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図13】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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