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明細書 :磁性薄膜及びそれを用いた磁気抵抗効果素子並びに磁気デバイス

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第4061590号 (P4061590)
公開番号 特開2004-221526 (P2004-221526A)
登録日 平成20年1月11日(2008.1.11)
発行日 平成20年3月19日(2008.3.19)
公開日 平成16年8月5日(2004.8.5)
発明の名称または考案の名称 磁性薄膜及びそれを用いた磁気抵抗効果素子並びに磁気デバイス
国際特許分類 H01L  43/08        (2006.01)
G11B   5/39        (2006.01)
H01F  10/16        (2006.01)
H01F  10/32        (2006.01)
C22C  19/07        (2006.01)
FI H01L 43/08 M
H01L 43/08 Z
G11B 5/39
H01F 10/16
H01F 10/32
C22C 19/07 C
請求項の数または発明の数 24
全頁数 19
出願番号 特願2003-271628 (P2003-271628)
出願日 平成15年7月7日(2003.7.7)
優先権出願番号 2002378502
優先日 平成14年12月26日(2002.12.26)
優先権主張国 日本国(JP)
審査請求日 平成15年7月7日(2003.7.7)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】503360115
【氏名又は名称】独立行政法人科学技術振興機構
発明者または考案者 【氏名】猪俣 浩一郎
【氏名】手束 展規
個別代理人の代理人 【識別番号】100082876、【弁理士】、【氏名又は名称】平山 一幸
審査官 【審査官】川村 裕二
参考文献・文献 特開平08-250366(JP,A)
国際公開第02/069356(WO,A1)
特開平09-251621(JP,A)
特開2000-106462(JP,A)
調査した分野 H01L 43/08
H01L 29/82
G01R 33/09
G11B 5/39
H01F 10/08
H01F 10/16
H01F 10/32
C22C 19/07
特許請求の範囲 【請求項1】
基板と該基板上に形成されるCoFe Cr1-x Al薄膜と、を備え、
上記CoFe Cr1-x Al薄膜はB2またはA2構造の結晶構造を有し、かつ、0≦x≦1であることを特徴とする磁性薄膜。
【請求項2】
前記基板を加熱することなく前記CoFe Cr1-x Al薄膜が成膜されたことを特徴とする、請求項1に記載の磁性薄膜。
【請求項3】
前記基板が、熱酸化Si,ガラス,MgO単結晶,GaAs単結晶,Al 単結晶の何れか一つであることを特徴とする、請求項1又は2に記載の磁性薄膜。
【請求項4】
前記基板と前記CoFe Cr1-x Al薄膜の間にAl,Cu,Cr,Fe,Nb,Ni,Ta,NiFeのうちの少なくとも一つから成るバッファー層が配設されていることを特徴とする、請求項1~3の何れかに記載の磁性薄膜。
【請求項5】
基板上に複数の強磁性層を有するトンネル磁気抵抗効果素子において、少なくとも一方の強磁性層が、B2またはA2構造の結晶構造を有するCoFe Cr1-x Al(ここで、0≦x≦1)磁性薄膜でなることを特徴とする、トンネル磁気抵抗効果素子。
【請求項6】
前記強磁性層が、固定層とフリー層とで成り、該フリー層がB2またはA2構造の結晶構造の何れか一つの構造を有するCoFe Cr1-x Al(ここで、0≦x≦1)磁性薄膜でなることを特徴とする、請求項に記載のトンネル磁気抵抗効果素子。
【請求項7】
前記基板を加熱することなく前記CoFe Cr1-x Al薄膜が成膜されたことを特徴とする、請求項5又は6に記載のトンネル磁気抵抗効果素子。
【請求項8】
前記基板と前記CoFe Cr1-x Al薄膜(ここで、0≦x≦1)との間にAl,Cu,Cr,Fe,Nb,Ni,Ta,NiFeのうちの少なくとも一つから成るバッファー層が配設されていることを特徴とする、請求項5~7の何れかに記載のトンネル磁気抵抗効果素子。
【請求項9】
前記基板が、熱酸化Si,ガラス,MgO単結晶,GaAs単結晶,Al 単結晶の何れか一つであることを特徴とする、請求項5~8の何れかに記載のトンネル磁気抵抗効果素子。
【請求項10】
基板上に複数の強磁性層を有する巨大磁気抵抗効果素子において、少なくとも一方の強磁性層が、B2,またはA2構造の結晶構造を有するCoFe Cr1-x Al(ここで、0≦x≦1)磁性薄膜で成り、膜面垂直方向に電流が流れる構造としたことを特徴とする、巨大磁気抵抗効果素子。
【請求項11】
前記強磁性層が、固定層とフリー層とで成り、該フリー層がB2またはA2構造の結晶構造を有するCoFe Cr1-x Al(ここで、0≦x≦1)磁性薄膜でなることを特徴とする、請求項10に記載の巨大磁気抵抗効果素子。
【請求項12】
前記基板を加熱することなく前記CoFe Cr1-x Al薄膜が成膜されたことを特徴とする、請求項10または11に記載の巨大磁気抵抗効果素子。
【請求項13】
前記基板と前記Co Fe Cr1-xAl(ここで、0≦x≦1)薄膜との間にAl,Cu,Cr,Fe,Nb,Ni,Ta,NiFeのうちの少なくとも一つから成るバッファー層が配設されていることを特徴とする、請求項10~12の何れかに記載の巨大磁気抵抗効果素子。
【請求項14】
前記基板が、熱酸化Si,ガラス,MgO単結晶,GaAs単結晶,Al 単結晶の何れか一つであることを特徴とする、請求項10~13の何れかに記載の巨大磁気抵抗効果素子。
【請求項15】
B2またはA2構造の結晶の何れか一つの構造を有するCoFe Cr1-x Al(ここで、0≦x≦1)磁性薄膜が基板上に形成されてなることを特徴とする、磁気デバイス。
【請求項16】
フリー層が前記CoFe Cr1-x Al(ここで、0≦x≦1)磁性薄膜で成るトンネル磁気抵抗効果素子または巨大磁気抵抗効果素子を用いたことを特徴とする、請求項15に記載の磁気デバイス。
【請求項17】
前記基板を加熱することなく作製されたトンネル磁気抵抗効果素子または巨大磁気抵抗効果素子を用いたことを特徴とする、請求項15または16に記載の磁気デバイス。
【請求項18】
前記基板と前記CoFe Cr1-x Al(ここで、0≦x≦1)薄膜との間にAl,Cu,Cr,Fe,Nb,Ni,Ta,NiFeのうちの少なくとも一つから成るバッファー層が配設されたトンネル磁気抵抗効果素子または巨大磁気抵抗効果素子を用いたことを特徴とする、請求項15~17の何れかに記載の磁気デバイス。
【請求項19】
前記基板が、熱酸化Si,ガラス,MgO単結晶,GaAs単結晶,Al 単結晶の何れか一つであるトンネル磁気抵抗効果素子または巨大磁気抵抗効果素子を用いたことを特徴とする、請求項15~18の何れかに記載の磁気デバイス。
【請求項20】
B2またはA2構造の結晶構造を有するCoFe Cr1-x Al(ここで、0≦x≦1)磁性薄膜が基板上に形成されてなることを特徴とする、磁気ヘッド及び磁気記録装置。
【請求項21】
フリー層が前記CoFe Cr1-x Al(ここで、0≦x≦1)磁性薄膜で成るトンネル磁気抵抗効果素子または巨大磁気抵抗効果素子を用いたことを特徴とする、請求項20に記載の磁気ヘッド及び磁気記録装置。
【請求項22】
前記基板を加熱することなく作製されたトンネル磁気抵抗効果素子または巨大磁気抵抗効果素子を用いたことを特徴とする、請求項20または21に記載の磁気ヘッド及び磁気記録装置。
【請求項23】
前記基板と前記CoFe Cr1-x Al(ここで、0≦x≦1)薄膜との間にAl,Cu,Cr,Fe,Nb,Ni,Ta,NiFeのうちの少なくとも一つから成るバッファー層が配設されたトンネル磁気抵抗効果素子または巨大磁気抵抗効果素子を用いたことを特徴とする、請求項20~22の何れかに記載の磁気ヘッド及び磁気記録装置。
【請求項24】
前記基板が、熱酸化Si,ガラス,MgO単結晶,GaAs単結晶,Al 単結晶の何れか一つであるトンネル磁気抵抗効果素子または巨大磁気抵抗効果素子を用いたことを特徴とする、請求項20~23の何れかに記載の磁気ヘッド及び磁気記録装置。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、スピン分極率の大きい磁性薄膜及びそれを用いた磁気抵抗効果素子並びに磁気デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、強磁性層/非磁性金属層の多層膜からなる巨大磁気抵抗(GMR)効果素子、及び強磁性層/絶縁体層/強磁性層からなるトンネル磁気抵抗効果素子や強磁性スピントンネル接合(MTJ)素子が、新しい磁界センサーや不揮発性ランダムアクセス磁気メモリ(MRAM)素子として注目されている。
巨大磁気抵抗効果素子には、膜面内に電流を流すタイプのCIP(Current In Plane)構造の巨大磁気抵抗効果素子と、膜面垂直方向に電流を流すタイプのCPP(Current Perpendicular to the Plane)構造の巨大磁気抵抗効果素子が知られている。巨大磁気抵抗効果素子の原理は磁性層と非磁性層の界面におけるスピン依存散乱にあり、一般に、CPP構造の巨大磁気抵抗効果素子の方がCIP構造の巨大磁気抵抗効果素子よりもGMRが大きい。
【0003】
このような巨大磁気抵抗効果素子素子は、強磁性層の一方に反強磁性層を近接させて強磁性層のスピンを固定させるスピンバルブ型が用いられている。CPP構造のスピンバルブ型巨大磁気抵抗効果素子の場合、反強磁性層の電気抵抗率が200μΩ・cm程度とGMR膜に比べて2 桁程度大きいため、GMR効果が薄められ、スピンバルブ型のCPP構造の巨大磁気抵抗効果素子の磁気抵抗の値は1%以下と小さい。そのため、CIP構造の巨大磁気抵抗効果素子はすでにハードデイスクの再生ヘッドに実用化されているものの、CPP構造の巨大磁気抵抗効果素子はまだ実用にいたっていない。
【0004】
一方、トンネル磁気抵抗効果素子やMTJでは、外部磁界によって2つの強磁性層の磁化を互いに平行あるいは反平行に制御することにより,膜面垂直方向のトンネル電流の大きさが互いに異なる、いわゆるトンネル磁気抵抗(TMR)効果が室温で得られる(非特許文献1参照)。このTMRは、用いる強磁性体と絶縁体との界面におけるスピン分極率Pに依存し、二つの強磁性体のスピン分極率をそれぞれP1 ,P2 とすると、一般に下記(1)式で与えられることが知られている。
【0005】
TMR=2P1 2 /(1-P1 2 ) (1)
ここで、強磁性体のスピン分極率Pは0<P≦1の値をとる。
【0006】
現在、得られている室温における最大のTMRはP~0.5のCoFe合金を用いた場合の約50パーセントである。
【0007】
TMR素子は現在、ハードデイスク用磁気ヘッド及び不揮発性ランダムアクセス磁気メモリ(MRAM)への応用が期待されている。MRAMでは、MTJ素子をマトリックス状に配置し、別に設けた配線に電流を流して磁界を印加することで、各MTJ素子を構成する二つの磁性層を互いに平行、反平行に制御することにより、“1”,“0”を記録させる。読み出しは、TMR効果を利用して行う。しかし、MRAMでは高密度化のために素子サイズを小さくすると、素子のバラツキに伴うノイズが増大し、TMRの値が現状では不足するという問題がある。したがって、より大きなTMRを示す素子の開発が必要である。
【0008】
上記(1)式からわかるように、P=1の磁性体を用いると無限に大きなTMRが期待される。P=1の磁性体はハーフメタルと呼ばれる。
これまで、バンド構造計算によって、Fe3 4 ,CrO2 ,(La-Sr)MnO3 ,Th2 MnO7 ,Sr2 FeMoO6 などの酸化物、NiMnSbなどのハーフホイスラー合金、及びCo2 MnGe,Co2 MnSi,Co2 CrAlなどのL21 構造をもつフルホイスラー合金などがハーフメタルとして知られている。例えば、Co2 MnGeなどの従来のL21 構造を有するフルホイスラー合金は基板を200℃程度に加熱し、さらに、その膜厚を通常25nm以上にして作製できることが報告されている(非特許文献2参照)。
【0009】
最近、ハーメタルのCo2 CrAlの構成元素であるCrの一部をFeで置換したCo2 Fe0.4 Cr0.6 Alも、バンド構造の理論計算によれば、L21 型のハーフメタルであることが報告された(非特許文献3参照)。しかし、その薄膜及びトンネル接合は作製されていない。したがって、従来のL21 型化合物と同様に、この薄膜がハーフメタル特性や大きなTMR特性を示すか否かは、実験的には全くわかっていない。
【0010】

【非特許文献1】T. Miyazaki and N. Tezuka, "Spin polarized tunneling in ferromagnet/insulator/ferromagnet junctions", 1995, J. Magn. Magn. Mater, L39, p.1231
【非特許文献2】T. Ambrose, J. J. Crebs and G. A. Prinz, "Magnetic properties of single crystal C2MnGe Heusler alloy films" , 2000, Appl. Phys. Lett.,Vol.87, p.5463
【非特許文献3】T. Block, C. Felser, and J. Windeln, "Spin Polarized Tunneling at Room Temperature in a Heusler Compound-a non-oxide Materials with a Large Negative Magnetoresistance Effect in Low Magnetic Fields", April 28, 2002, Intermag Digest, EE01
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
従来のハードデイスクの再生ヘッドに実用化されているCIP構造の巨大磁気抵抗効果素子においては、高記録密度に向け微細化が進められているが、素子の微細化に伴い信号電圧の不足が予測されており、CIP構造の巨大磁気抵抗効果素子の代わりにCPP構造の巨大磁気抵抗効果素子の高性能化が要求されているが、未だ実現されていない。
【0012】
上記のハーフメタルのCo2 CrAlを除き、ハーフメタル薄膜が作製されているが、基板を300℃以上に加熱するか、または室温で成膜後300℃以上の温度で熱処理することが必要である。しかし、これまでに作製された薄膜がハーフメタルであったという報告はない。そして、これらのハーフメタルを用いたトンネル接合素子の作製も一部試みられているが、いずれも室温のTMRは期待に反して小さく、Fe3 4 を用いた場合の精々10数%が最大であった。
このように、従来のハーフメタル薄膜はその構造を得るために基板加熱や熱処理を必要としており、それによって表面のラフネスが増大したり、または酸化したりすることも大きなTMRが得られない原因の一つと考えられている。
一方、薄膜ではバルク材料と異なり、表面においてはハーフメタル特性を示さない可能性があること、また、ハーフメタル特性は組成や原子配列の規則度に敏感であり、特にトンネル接合では、その界面においてハーフメタルの電子状態を得るのが困難であることも、大きなTMRが得られない原因と推定される。
以上のことから、ハーフメタル薄膜の作製が実際には非常に困難で、各種の磁気抵抗効果素子に使用できる良好なハーフメタル薄膜が得られていないという課題がある。
【0013】
バンド構造の理論計算でハーフメタルであることが予測されている、Co2 CrAlやCo2 Fe0.4 Cr0.6 Al薄膜及びこの薄膜を用いたトンネル接合は、作製されていないという課題がある。
一般に磁性薄膜材料においては、薄膜とバルク材料では特に表面で電子状態が異なる。このため、バルク材料においてはハーフメタルであっても、薄膜においてハーフメタルになるという保証はない。ましてや、バンド構造の理論計算でハーフメタルであることが示されても、実際に薄膜でハーフメタルが得られる保証はない。それは、これまで理論的に示された上記の種々のハーフメタルが実験的に得られていないことが物語っている。
したがって、従来のフルホイスラー合金であるL21 型化合物と同様に、Co2 CrAlおよびCo2 Fe0.4 Cr0.6 Al薄膜が実験的にハーフメタル特性や大きなTMR特性を示すか否かは全くわかっていない。
【0014】
従来、理論的にハーフメタルであることが指摘されている材料は上記のように数多くあるが、いずれも作製された薄膜は室温でハーフメタル特性を示していない。そのため、ハーフメタルであれば期待されるような、室温でのCPP構造の巨大磁気抵抗効果素子による大きなGMRやMTJ素子からの大きなTMRは得られていないという課題がある。
【0015】
本発明は、上記課題に鑑み、スピン分極率の大きい磁性薄膜及びそれを用いた磁気抵抗効果素子並びに磁気デバイスを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明者らは、Co2 Fex Cr1-x Al(0≦x≦1)薄膜を作製した結果、この膜は室温で強磁性であり、かつ、基板を加熱することなくL21 ,B2,A2構造の何れか一つの構造を作製できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0017】
上記目的を達成するため、本発明の磁性薄膜は、基板上に形成されるCo2 Fex Cr1-x Al薄膜を備え、Co2 Fex Cr1-x Al薄膜B2またはA2構造の結晶構造の何れか一つの構造を有し、かつ、0≦x≦1であることを特徴とする。
上記構成において、Co2 Fex Cr1-x Al薄膜は基板を加熱することなく成膜され得る。上記基板は、熱酸化Si,ガラス,MgO単結晶,GaAs単結晶,Al2 3 単結晶の何れか一つであればよい。また、基板とCo2 Fex Cr1-x Al薄膜の間にAl,Cu,Cr,Fe,Nb,Ni,Ta,NiFeのうちの少なくとも一つから成るバッファー層が配設されていてもよい。
【0018】
この構成によれば、室温において、強磁性であり、スピン分極率の大きいCo2 Fex Cr1-x Al(ここで、0≦x≦1)磁性薄膜を得ることができる。
【0019】
また、本発明のトンネル磁気抵抗効果素子は、基板上に複数の強磁性層を有し、少なくとも一方の強磁性層がB2またはA2構造の結晶構造を有するCo2 Fex Cr1-x Al(ここで、0≦x≦1)磁性薄膜で成ることを特徴とする。
前記強磁性層は、固定層とフリー層とで成り、フリー層B2またはA2構造の結晶構造を有するCo2 Fex Cr1-x Al(ここで、0≦x≦1)磁性薄膜でなることが好ましい。また、Co2 Fex Cr1-x Al薄膜は基板を加熱することによらずに成膜することができる。この場合、基板としては、熱酸化Si,ガラス,MgO単結晶,GaAs単結晶,Al2 3 単結晶の何れか一つであればよい。また、基板とCo2 Fex Cr1-x Al薄膜の間にAl,Cu,Cr,Fe,Nb,Ni,Ta,NiFeのうちの少なくとも一つから成るバッファー層が配設されていてもよい。
【0020】
上記構成によれば、室温において、低外部磁界でTMRの大きいトンネル磁気抵抗効果素子を得ることができる。
【0021】
また、本発明の巨大磁気抵抗効果素子は、基板上に複数の強磁性層を有し、少なくとも一方の強磁性層がB2またはA2構造の結晶構造を有するCo2 Fex Cr1-x Al(ここで、0≦x≦1)磁性薄膜で成り、膜面垂直方向に電流が流れる構造としたことを特徴とする。
前記強磁性層は、固定層とフリー層とで成り、フリー層B2またはA2構造の結晶構造を有するCo2 Fex Cr1-x Al(ここで、0≦x≦1)磁性薄膜でなることが好ましい。上記Co2 Fex Cr1-x Al薄膜は、基板を加熱することなしに成膜することができる。基板とCo2 Fex Cr1-x Al薄膜の間にAl,Cu,Cr,Fe,Nb,Ni,Ta,NiFeのうちの少なくとも一つから成るバッファー層を配設するようにしてもよい。基板としては、熱酸化Si,ガラス,MgO単結晶,GaAs単結晶,Al2 3 単結晶の何れか一つであればよい。
【0022】
上記構成によれば、室温において、低外部磁界でGMRの大きい巨大磁気抵抗効果素子を得ることができる。
【0023】
また、本発明の磁気デバイスはB2またはA2構造の結晶構造を有するCo2 Fex Cr1-x Al(ここで、0≦x≦1)磁性薄膜が基板上に形成されて成ることを特徴とする。この場合、フリー層が上記Co2 Fex Cr1-x Al(ここで、0≦x≦1)磁性薄膜から成るトンネル磁気抵抗効果素子または巨大磁気抵抗効果素子を用いればよい。
好ましくは、トンネル磁気抵抗効果素子または巨大磁気抵抗効果素子が基板を加熱することなく作製されている。
また、基板とCo2 Fex Cr1-x Al(ここで、0≦x≦1)薄膜との間にAl,Cu,Cr,Fe,Nb,Ni,Ta,NiFeのうちの少なくとも一つから成るバッファー層が配設されたトンネル磁気抵抗効果素子または巨大磁気抵抗効果素子を用いることができる。前記基板が熱酸化Si,ガラス,MgO単結晶,GaAs単結晶,Al2 3 単結晶の何れか一つとしたトンネル磁気抵抗効果素子または巨大磁気抵抗効果素子を用いることができる。
【0024】
上記構成によれば、室温において、低外部磁界でTMRやGMRの大きい磁気抵抗効果素子を用いた磁気デバイスを得ることができる。
【0025】
また、本発明の磁気ヘッド及び磁気記録装置はB2またはA2構造の結晶構造を有するCo2 Fex Cr1-x Al(ここで、0≦x≦1)磁性薄膜が基板上に形成されて成ることを特徴とする。
上記構成において、好ましくは、フリー層が前記Co2 Fex Cr1-x Al(ここで、0≦x≦1)磁性薄膜であるトンネル磁気抵抗効果素子または巨大磁気抵抗効果素子を用いる。基板を加熱することなく作製されたトンネル磁気抵抗効果素子または巨大磁気抵抗効果素子を用いてもよい。
また、基板とCo2 Fex Cr1-x Al(ここで、0≦x≦1)薄膜との間にAl,Cu,Cr,Fe,Nb,Ni,Ta,NiFeのうちの少なくとも一つから成るバッファー層が配設されたトンネル磁気抵抗効果素子または巨大磁気抵抗効果素子を用いてもよい。また、基板が、熱酸化Si,ガラス,MgO単結晶,GaAs単結晶,Al2 3 単結晶の何れか一つであるトンネル磁気抵抗効果素子または巨大磁気抵抗効果素子を用いることもできる。
【0026】
上記構成によれば、室温において、低外部磁界でTMRやGMRの大きい磁気抵抗効果素子を用いることで、大容量、かつ、高速な磁気ヘッド及び磁気記録装置を得ることができる。
【発明の効果】
【0027】
本発明によれば、L21 ,B2,A2構造の何れか一つの構造を有するCo2 Fex Cr1-x Al(ここで、0≦x≦1)を用いた磁性薄膜は、室温において、加熱せずに作製することができる。さらに、強磁性特性を示し、スピン分極率が大きい。
【0028】
また、本発明のL21 ,B2,A2構造の何れか一つの構造を有するCo2 Fex Cr1-x Al(ここで、0≦x≦1)磁性薄膜を用いた巨大磁気抵抗効果素子によれば、室温において、低外部磁界で非常に大きなGMRを得ることができる。また、トンネル磁気抵抗効果素子によっても、同様に、非常に大きなTMRを得ることができる。
【0029】
さらに、本発明のL21 ,B2,A2構造の何れか一つの構造を有するCo2 Fex Cr1-x Al(ここで、0≦x≦1)磁性薄膜を用いた各種の磁気抵抗効果素子を、超ギガビット大容量と高速の磁気ヘッドや不揮発性で高速動作するMRAMをはじめ種々の磁気装置へ応用することにより、新規な磁気装置が実現できる。この場合、飽和磁化が小さいためスピン注入による磁化反転磁場が小さくなり、低消費電力で磁化反転を実現できるほか、半導体への効率的なスピン注入が可能になり、スピンFETが開発される可能性があるなど、広くスピンエレクトロニクス分野を拓くキー材料として利用することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
以下、図面に示した実施形態に基づいて本発明を詳細に説明する。各図において同一又は対応する部材には同一符号を用いる。
始めに本発明の磁性薄膜の第1の実施形態を示す。
図1は、本発明に係る第1の実施形態による磁性薄膜の断面図である。図1に示すように、本発明の磁性薄膜1は、基板2上に、室温においてCo2 Fex Cr1-x Al薄膜3を配設している。ここで、0≦x≦1である。Co2 Fex Cr1-x Al薄膜3は、室温で強磁性であり、電気抵抗率が190μΩ・cm程度であり、かつ、基板を加熱することなくL21 ,B2,A2構造の何れか一つの構造を有している。
さらに、上記Co2 Fex Cr1-x Al薄膜3を配設した基板を加熱することで、スピン分極率の大きいL21 構造のCo2 Fex Cr1-x Al薄膜3が得られやすい。ここで、基板2上のCo2 Fex Cr1-x Al薄膜3の膜厚は、1nm以上1μm以下であればよい。
【0031】
図2は、本発明に係る第1の実施形態による磁性薄膜の変形例の断面図である。図2に示すように、本発明の磁性薄膜5は、図1の磁性薄膜1の構造において、さらに、基板2とCo2 Fex Cr1-x Al(ここで、0≦x≦1)薄膜3との間にバッファー層4が挿入されている。バッファー層4を挿入することで、基板1上のCo2 Fex Cr1-x Al(ここで、0≦x≦1)薄膜3の結晶性をさらによくすることができる。
【0032】
上記磁性薄膜1,5に用いる基板2は、熱酸化Si、ガラスなどの多結晶、MgO、Al2 3 、GaAsなどの単結晶を用いることができる。また、バッファー層4としては、Al,Cu,Cr,Fe,Nb,Ni,Ta,NiFeなどを用いることができる。
上記Co2 Fex Cr1-x Al(ここで、0≦x≦1)薄膜3の膜厚は、1nm以上で1μm以下であればよい。この膜厚が1nm未満では実質的に後述するL21 ,B2,A2構造の何れか一つの構造を得るのが困難になり、そして、この膜厚が1μmを超えるとスピンデバイスとしての応用が困難になり好ましくない。
【0033】
次に、上記構成の第1の実施形態に用いる磁性薄膜の作用を説明する。
図3は、本発明の第1の実施形態の磁性薄膜に用いるCo2 Fex Cr1-x Al(ここで、0≦x≦1)の構造を模式的に説明する図である。図に示す構造は、bcc(体心立方格子)の慣用的単位胞の8倍(格子定数で2倍)の構造を示している。
Co2 Fex Cr1-x AlのL21 構造においては、図3のIの位置にFeとCrが組成比としてFex Cr1-x (ここで、0≦x≦1)となるように配置され、IIの位置にAl、III とIVの位置にCoが配置される。
また、Co2 Fex Cr1-x AlのB2構造においては、図3のIの位置とIIの位置に、FeとCrとAlが不規則に配列される構造となる。この際、FeとCrの組成比は、Fex Cr1-x (ここで、0≦x≦1)となるように配置される。
さらに、Co2 Fex Cr1-x AlのA2構造においては、Co,Fe,CrおよびAlが不規則に置換した構造となる。この際、FeとCrの組成比は、Fex Cr1-x (ここで、0≦x≦1)となるように配置される。
【0034】
次に、上記構成の第1の実施形態に用いる磁性薄膜1,5の磁気的性質を説明する。
上記構成のCo2 Fex Cr1-x Al(ここで、0≦x≦1)薄膜3は、室温で強磁性であり、かつ、基板を加熱することなくL21 ,B2,A2構造の何れか一つの構造のCo2 Fex Cr1-x Al薄膜が得られる。
さらに、上記構成のCo2 Fex Cr1-x Al薄膜3(ここで、0≦x≦1)は膜厚が数nm程度の非常に薄い膜においてもL21 ,B2,A2構造の何れか一つの構造が得られる。
ここで、Co2 Fex Cr1-x Al(ここで、0≦x≦1)薄膜のB2構造は、従来得られていない特異な物質である。B2構造は、L21 構造と類似しているが、異なるのはL21 構造では、Cr(Fe)とAl原子が規則的に配置しているのに対し、B2構造は、不規則に配列していることである。また、A2構造は、Co,Fe,CrおよびAlが不規則に置換した構造となる。これらの違いはX線回折で測定することができる。
上記Co2 Fex Cr1-x Al薄膜3の組成xにおいて、0≦x≦0.8の範囲内では、特に、基板を加熱することなくL21 ,B2の何れか一つの構造を得ることができる。また、0.8≦x≦1.0では、A2構造が得られる。
また、組成xにおいて、0≦x≦1の範囲内で、加熱した基板上のCo2 Fex Cr1-x Al薄膜の成膜や、基板を加熱することなく成膜した後の熱処理などにより、L21 またはB2構造が得られる。
【0035】
上記構成の磁性薄膜1,5がハーフメタルであることを実験的に明らかにすることは難しいが、定性的にはトンネル接合を有するトンネル磁気抵抗効果素子を作製し、それが100%を超えるような非常に大きなTMRを示す場合にはハーフメタル的と考えることができる。
絶縁膜の片側に本発明のCo2 Fex Cr1-x Al(0≦x≦1)薄膜3を強磁性層として用い、絶縁膜の他方の強磁性層にスピン分極率が0.5のCoFe合金を用いてトンネル磁気抵抗効果素子を作製した結果、100%を超える大きなTMRを得た。
【0036】
これは(1)式から考えて、Co2 Fex Cr1-x Al(0≦x≦1)薄膜3が、P=0.7以上のスピン分極率をもつことを示している。このような大きなTMRを得ることができたのは、Co2 Fex Cr1-x Al(0≦x≦1)薄膜3が大きなスピン分極率を有していることのほかに、室温でL21 ,B2,A2構造の何れか一つの構造が得られるという発見にある。これにより、本発明の磁性薄膜1,5によれば、基板を加熱する必要がなく、Co2 Fex Cr1-x Al(0≦x≦1)薄膜3が1nm以上の厚みで強磁性特性を得ることができる。これは、表面が酸化したり表面粗さが増大したりすることがなく、トンネル接合の界面をクリーンでかつシャープに作製することができたことにより、大きなスピン分極率とトンネル磁気抵抗効果素子において大きなTMRを得ることができるものと推察される。
【0037】
次に、本発明の磁性薄膜を用いた磁気抵抗効果素子に係る第2の実施形態を示す。
図4は、本発明に係る第2の実施形態による磁性薄膜を用いた磁気抵抗効果素子の断面を示す図である。図4はトンネル磁気抵抗効果素子の場合を示している。この図に示すように、トンネル磁気抵抗効果素子10は、例えば、基板2上にCo2 Fex Cr1-x Al(0≦x≦1)薄膜3が配設され、トンネル層となる絶縁層11,強磁性層12,反強磁性層13が順次積層された構造を有している。
【0038】
ここで、反強磁性層13は、強磁性層12のスピンを固着させる、所謂、スピンバブル型の構造のために用いている。この構造においては、Co2 Fex Cr1-x Al(0≦x≦1)薄膜3をフリー層、強磁性層12をピン層と呼ぶ。また、強磁性層12は、単層構造と複数の層構造のいずれでもよい。
絶縁層13にはAl2 3 やAlの酸化物であるAlOx を、強磁性層14にはCoFe,NiFe、あるいは、CoFeとNiFeとの複合膜などを、反強磁性層13にはIrMnなどを用いることができる。
さらに、本発明のトンネル磁気抵抗効果素子10の反強磁性層13の上には、さらに保護膜となる非磁性の電極層14を堆積させることが好ましい。
【0039】
図5は、本発明に係る第2の実施形態による磁性薄膜を用いた磁気抵抗効果素子の変形例の断面を示す図である。本発明の磁性薄膜を用いた磁気抵抗効果素子であるトンネル磁気抵抗効果素子15は、基板2上にバッファー層4とCo2 Fex Cr1-x Al(0≦x≦1)薄膜3が配設され、トンネル層となる絶縁層11と、磁性薄膜12と、反強磁性層13と、保護膜となる非磁性の電極層14が順次積層された構造を有している。図5が図4の構造と異なるのは、図4の構造に、さらに、バッファー層4が配設された点である。他の構造は図4と同じである。
【0040】
図6は、本発明に係る第2の実施形態による磁性薄膜を用いた磁気抵抗効果素子の変形例の断面を示す図である。本発明の磁性薄膜を用いた磁気抵抗効果素子であるトンネル磁気抵抗効果素子20は、基板2上にバッファー層4とCo2 Fex Cr1-x Al(0≦x≦1)薄膜3が配設され、トンネル層となる絶縁層11と、Co2 Fex Cr1-x Al(0≦x≦1)薄膜16と、反強磁性層13と、保護膜となる非磁性の電極層14が順次積層された構造を有している。図6が図5の構造と異なるのは、図4のピン層となる強磁性層12も、本発明の磁性薄膜であるCo2 Fex Cr1-x Al(0≦x≦1)薄膜16を用いた点である。他の構造は図5と同じである。
トンネル磁気抵抗効果素子10,15,20に電圧を加える場合は、Co2 Fex Cr1-x Al(0≦x≦1)薄膜3またはバッファー層4と電極層14との間に印加される。また、外部磁界は、膜面内に平行に印加される。バッファー層4から電極層14への電流は、膜面垂直方向に電流を流すCPP構造により流すことができる。
【0041】
ここで、上記トンネル磁気抵抗効果素子10,15,20に用いる基板2は、熱酸化Si、ガラスなどの多結晶、MgO、Al2 3 、GaAsなどの単結晶であってよい。
また、バッファー層4として、Al,Cu,Cr,Fe,Nb,Ni,Ta,NiFeなどを用いることができる。
上記Co2 Fex Cr1-x Al(0≦x≦1)薄膜3の膜厚は1nm以上で1μm以下であればよい。この膜厚が1nm未満では実質的にL21 ,B2,A2構造の何れか一つの構造を得るのが困難になり、そして、この膜厚が1μmを超えるとトンネル磁気抵抗効果素子としての応用が困難になり好ましくない。上記構成の本発明のトンネル磁気抵抗効果素子10,15,20は、スパッタ法、蒸着法、レーザアブレーション法、MBE法などの通常の薄膜成膜法と、所定の形状の電極などを形成するためのマスク工程などを用いて製造することができる。
【0042】
つぎに、本発明の磁性薄膜を用いた磁気抵抗効果素子であるトンネル磁気抵抗効果素子の10及び15の動作について説明する。
本発明の磁性薄膜を用いた磁気抵抗効果素子10,15は、二つの強磁性層3,12を用い、一方には反強磁性層13が近接し、近接した強磁性層12(ピン層)のスピンを固着させるスピンバルブ型を用いているので、外部磁界が印加されたときには、他方の強磁性層であるフリー層であるCo2 Fex Cr1-x Al(0≦x≦1)薄膜3のスピンのみが反転される。
これにより、スピンバルブ効果により強磁性層12の磁化は、反強磁性層13との交換相互作用によってスピンが1方向に固定されるので、フリー層であるCo2 Fex Cr1-x Al(0≦x≦1)薄膜3のスピンの平行、反平行が容易に得られ、また、強磁性層がCo2 Fex Cr1-x Al(0≦x≦1)薄膜3であるためにスピン分極率が大きいことから、本発明のトンネル磁気抵抗効果素子の10,15のTMRは非常に大きくなる。
この際、フリー層であるCo2 Fex Cr1-x Al(0≦x≦1)薄膜3の磁化が小さいため、反磁界が小さくそれだけ小さな磁界で磁化反転を起こすことができる。
これにより、本発明のトンネル磁気抵抗効果素子10,15は、MRAMなど低電力での磁化反転を必要とする磁気デバイスに好適である。
【0043】
次に、本発明の磁性薄膜を用いた磁気抵抗効果素子であるトンネル磁気抵抗効果素子の20の動作について説明する。
トンネル磁気抵抗効果素子20は、さらに、ピン層の強磁性層16もフリー層である強磁性のCo2 Fex Cr1-x Al(0≦x≦1)薄膜3と同じCo2 Fex Cr1-x Al(0≦x≦1)を用いているので、上記(1)式の分母がより小さくなり、さらに、本発明のトンネル磁気抵抗効果素子のTMRは大きくなる。これにより、本発明のトンネル磁気抵抗効果素子20は、MRAMなど低電力での磁化反転を必要とする磁気デバイスに好適である。
【0044】
次に、本発明の磁性薄膜を用いた磁気抵抗効果素子に係る第3の実施形態を示す。
図7は、本発明に係る第3の実施形態による磁性薄膜を用いた磁気抵抗効果素子の断面を示す図である。本発明の磁性薄膜を用いた磁気抵抗効果素子は、巨大磁気抵抗効果素子の場合を示している。図に示すように、巨大磁気抵抗効果素子30は、基板2上に、バッファー層4と強磁性体となる本発明のCo2 Fex Cr1-x Al(0≦x≦1)薄膜3が配設され、非磁性金属層21と強磁性層22と保護膜となる非磁性の電極層14とが順次積層された構造を有している。
ここで、巨大磁気抵抗効果素子のバッファー層4と電極層14との間に電圧が印加される。また、外部磁界は、膜面内に平行に印加される。バッファー層4から電極層14への電流は、膜面垂直方向に電流を流すタイプであるCPP構造により流すことができる。
【0045】
図8は、本発明に係る第3の実施形態による磁性薄膜を用いた磁気抵抗効果素子の変形例の断面を示す図である。本発明の巨大磁気抵抗効果素子35が、図7の巨大磁気抵抗効果素子30と異なるのは、強磁性層22と電極層14との間に反強磁性層13を設け、スピンバルブ型の巨大磁気抵抗効果素子とした点である。他の構造は、図7と同じであるので説明は省略する。
反強磁性層13は、近接したピン層となる強磁性層22のスピンを固着させる働きをする。ここで、巨大磁気抵抗効果素子30,35のバッファー層4と電極層14との間に電圧が印加される。また、外部磁界は、膜面内に平行に印加される。バッファー層4から電極層14への電流は、膜面垂直方向に電流を流すタイプであるCPP構造により流すことができる。
【0046】
上記巨大磁気抵抗効果素子30,35の基板2は、熱酸化Si、ガラスなどの多結晶、さらに、MgO,Al2 3 ,GaAsなどの単結晶を用いることができる。また、バッファー層4として、Al,Cu,Cr,Fe,Nb,Ni,Ta,NiFeなどを用いることができる。非磁性金属層21としては、Cu,Alなどを用いることができる。また、強磁性層22としてはCoFe,NiFe,Co2 Fex Cr1-x Al(0≦x≦1)薄膜などの何れか一つか、またはこれらの材料からなる複合膜を用いることができる。そして、反強磁性層13にはIrMnなどを用いることができる。
上記Co2 Fex Cr1-x Al(0≦x≦1)薄膜3の膜厚は、1nm以上で1μm以下であればよい。この膜厚が1nm未満では実質的にL21 ,B2,A2構造の何れか一つの構造を得るのが困難になり、そして、この膜厚が1μmを超えると巨大磁気抵抗効果素子としての応用が困難になり好ましくない。
上記構成の本発明の巨大磁気抵抗効果素子30,35は、スパッタ法、蒸着法、レーザアブレーション法、MBE法などの通常の薄膜成膜法と、所定の形状の電極などを形成するためのマスク工程などを用いて製造することができる。
【0047】
本発明の磁性薄膜を用いた磁気抵抗効果素子である巨大磁気抵抗効果素子30は、強磁性層であるCo2 Fex Cr1-x Al(0≦x≦0.6)薄膜3のスピン分極率が大きいことから、スピン依存散乱が大きく、大きな磁気抵抗、即ち、GMRが得られる。
【0048】
次に、磁性薄膜を用いた磁気抵抗効果素子であるスピンバルブ型の巨大磁気抵抗効果素子35の場合には、ピン層である強磁性層22のスピンは反強磁性層13により固定されており、外部磁界を印加するこことで、フリー層であるCo2 Fex Cr1-x Al(0≦x≦1)薄膜3のスピンが外部磁界により平行と反平行の状態になる。上記Co2 Fex Cr1-x Al(0≦x≦1)薄膜3はスピン分極率が大きいためスピン依存散乱が大きく、かつ、抵抗が大きいため反強磁性層13によるGMRの低下を抑制できる。
【0049】
次に、本発明の磁性薄膜による磁気抵抗効果素子を用いた磁気装置に係る第4の実施形態を示す。
図1~図8に示すように、本発明の磁性薄膜を用いた各種の磁気抵抗効果素子は、室温において、低磁界でTMR、または、GMRが非常に大きくなる。
図9は、本発明の磁性薄膜を用いた磁気抵抗効果素子であるトンネル磁気抵抗効果素子や巨大磁気抵抗効果素子に外部磁界を印加したときの抵抗を模式的に説明する図である。図の横軸は、本発明の磁性薄膜を用いた磁気抵抗効果素子に印加される外部磁界で、縦軸が抵抗である。ここで、本発明の磁性薄膜を用いた磁気抵抗効果素子は、巨大磁気抵抗効果やトンネル磁気抵抗効果を得るための必要な電圧が、十分に印加されている。
【0050】
図示するように、本発明の磁性薄膜を用いた磁気抵抗効果素子の抵抗は、外部磁界により大きな変化を示す。外部磁界を領域(I)より印加し、外部磁界を減少させ、零として、さらに外部磁界を反転して増大させると、領域(II)から領域(III)において最小の抵抗から最大の抵抗に変化する。ここで、領域(II)の外部磁界をH1 とする。
【0051】
さらに、外部磁界を増加させると、領域(III)から領域(IV)を経て領域(V)までの抵抗変化が得られる。これにより、本発明の磁性薄膜を用いた磁気抵抗効果素子は、領域(I)と、領域(V)の外部磁界において、強磁性層22とフリー層であるCo2 Fex Cr1-x Al(0≦x≦1)薄膜3のスピンが平行となり、領域(III)ではそれらが反平行の状態となる。
【0052】
ここで、磁気抵抗変化率は、外部磁界を印加したとき、下記(2)式で表され、この値が大きいほど磁気抵抗変化率としては望ましい。
磁気抵抗変化率=(最大の抵抗-最小の抵抗)/最小の抵抗(%) (2)
これにより、本発明の磁性薄膜を用いた磁気抵抗効果素子は、図9に示すように、磁界が零からH1 より極く僅かに大きい磁界、即ち低い磁界を加えることで、大きな磁気抵抗変化率が得られる。
【0053】
図9で説明したように、本発明の磁性薄膜を用いた磁気抵抗効果素子は、室温において、低磁界で大きなTMRまたはGMRを示すので、磁気抵抗センサとして用いれば、感度の高い磁気素子を得ることができる。
また、本発明の磁性薄膜を用いた磁気抵抗効果素子は、室温において、低磁界で大きなTMRまたはGMRを示すので、感度の高い読み出し用の磁気ヘッド及びこれらの磁気ヘッドを用いた各種の磁気記録装置を構成することができる。
また、本発明の磁性薄膜を用いた磁気抵抗効果素子である、例えば、MTJ素子をマトリックス状に配置し、別に設けた配線に電流を流して外部磁界を印加する。このMTJ素子を構成するフリー層の強磁性体の磁化を、外部磁界により互いに平行と反平行に制御することにより、“1”、“0”を記録させる。
さらに、読み出しはTMR効果を利用して行うことなどにより、MRAMなどの磁気装置を構成することができる。
また、本発明の磁気抵抗効果素子であるCPP構造のGMR素子においては、GMRが大きいので、ハードディスク駆動装置(HDD)やMRAMなどの磁気装置の大容量化ができる。
【実施例1】
【0054】
以下、本発明の実施例について説明する。
高周波スパッタ装置を用いて熱酸化Si基板2上に、厚さ100nmのCo2 Fex Cr1-x Al薄膜3を基板温度を変えて作製した。
図10は、Co2 Fe0.5 Cr0.5 Al薄膜3のX線回折を測定した結果を示す図である。図の横軸は回折角2θ(度)であり、縦軸は回折X線の強度をLog(対数)目盛りで示している。なお、図に示す下向きの矢印(↓)は、Co2 Fe0.5 Cr0.5 Al薄膜3の結晶の各面からの回折強度を表わしている。図10に示すように、基板を加熱しない状態で結晶化しており、その回折像の解析から格子定数a=5.72ÅのB2構造であることがわかった。また、基板を室温から550℃まで加熱しても回折像は、あまり変化せず、熱的に安定であることが分かった。
【0055】
一方、基板2の上に、CrやFeなどの適当なバッファ層4を用いてCo2 Fex Cr1-x Al薄膜(ここで、0≦x≦1)3を作製したり、または、Co2 Fex Cr1-x Al(ここで、0≦x≦1)薄膜3のCrに対するFe置換量を少なくすると、2θ=27度近傍に(111)面の回折X線のピークが確認された。これは、Co2 Fex Cr1-x Al(ここで、0≦x≦1)薄膜3がL21 構造であることを示している。
【0056】
次に、図10に示したCo2 Fe0.5 Cr0.5 Al薄膜3の磁気特性を説明する。
図11はCo2 Fe0.5 Cr0.5 Al薄膜3の室温における磁化特性を示す図である。図の横軸は磁界H(Oe)であり、縦軸は磁化(emu/cm3 )である。図示するように、Co2 Fe0.5 Cr0.5 Al薄膜3はヒステリシスを示し強磁性体である。図から、飽和磁化が約300emu/cm3 と、保磁力が5エルステッド(Oe)であることが分かった。
【0057】
また、同じCo2 Fe0.5 Cr0.5 Al薄膜3を用いた磁性薄膜1,5を、基板2の温度を変えて作製したが、400℃まで飽和磁化及び保磁力はほとんど変わらなかった。このことから、室温ですでに結晶性の良いB2構造のCo2 Fe0.5 Cr0.5 Al薄膜3が得られることを示唆している。さらに、室温において、Co2 Fe0.5 Cr0.5 Al薄膜3の電気抵抗率を測定した結果、電気抵抗率は約190μΩ・cmであった。この値は、反強磁性体InMnの200μΩ・cmと同等である。
【0058】
同様にして、Co2 Fex Cr1-x Al(ここで、0≦x≦1)薄膜3において、x=0,0.4,0.6,1.0とした組成のCo2 Fex Cr1-x Al薄膜3を室温で作製した。このようにして作製したCo2 Fex Cr1-x Al薄膜3をX線回折で評価したところ、得られた膜はいずれもL21 ,B2,A2構造の何れか一つの構造を示した。さらに、Co2 Fex Cr1-x Al薄膜3の電気抵抗率は、組成xの増大とともに減少する傾向にあり、x=1.0のとき約100μΩ・cmであった。
【実施例2】
【0059】
図5に示すスピンバルブ型のトンネル磁気抵抗効果素子15を室温で作製した。熱酸化Si基板2上に、高周波スパッタ装置とメタルマスクを用いて、Crをバッファー層4として、Cr(5nm)/Co2 Fe0.4 Cr0.6 Al(10nm)/AlOx (1.2nm)/CoFe(5nm)/NiFe(5nm)/IrMn(10nm)/Cr(5nm)を順に積層して、トンネル磁気抵抗効果素子15を製作した。括弧内の数字はそれぞれの膜厚である。
Crはバッファー層4、Co2 Fe0.4 Cr0.6 Al薄膜3は強磁性のフリー層、AlOx はトンネル絶縁層11、CoFe及びNiFeは強磁性層12のピン層で複合膜からなる強磁性体、IrMnは反強磁性層13であり、CoFe/NiFeの強磁性層12のスピンを固定する役割をしている。そして、反強磁性層13であるIrMn上のCrは、保護膜14である。なお、成膜時に100Oeの磁界を印加して膜面内に一軸異方性を導入した。
【0060】
このトンネル磁気抵抗効果素子15に外部磁界を印加して、室温で磁気抵抗を測定した。図12は、トンネル磁気抵抗効果素子15の抵抗の磁場依存性を示す図である。図の横軸は外部磁界H(Oe)であり、縦軸は抵抗(Ω)である。これから、TMRは107%と求まった。本発明のトンネル磁気抵抗効果素子15により得られたTMRは、従来のトンネル磁気抵抗効果素子のTMRが最大50%程度であることを考慮すると非常に大きく、Co2 Fe0.4 Cr0.6 Al薄膜のスピン分極率が約0.7と高いことが分かった。
【実施例3】
【0061】
バッファー層4として20nmのFeを用い、かつ、Co2 Fe0.6 Cr0.4 Al薄膜3を用いたこと以外は、実施例2と同様のスピンバルブ型トンネル磁気抵抗効果素子15を作製した。このトンネル磁気抵抗効果素子15に外部磁界を印加して室温で磁気抵抗を測定した。その結果92%のTMRが得られた。これから、Co2 Fe0.6 Cr0.4 Al薄膜のスピン分極率が高いことが分かった。
【実施例4】
【0062】
バッファー層4を用いないで、実施例3と同様にして、スピンバルブ型トンネル磁気抵抗効果素子10を作製した。この場合のCo2 Fe0.4 Cr0.6 Al磁性薄膜はB2構造であった。このトンネル磁気抵抗効果素子10に外部磁界を印加して、室温で磁気抵抗を測定した。
図13はトンネル磁気抵抗効果素子10の磁気抵抗の磁場依存性を示す図である。図の横軸は外部磁界H(Oe)、左縦軸は抵抗(Ω)、右縦軸は測定した抵抗から計算したTMR(%)である。図の実線と点線は、外部磁界をスイープさせたときの抵抗値を示している。
これから、室温で約11%のTMRが得られた。さらに、77Kの温度では32%のTMRが得られた。この場合のCo2 Fe0.4 Cr0.6 Al磁性薄膜3の構造はB2構造であり、さらに、バッファー層4を使用していないにもかかわらず、このような比較的大きなTMRが室温で得られたことから、Co2 Fe0.4 Cr0.6 Al磁性薄膜がB2構造においても大きなスピン分極率を有していることが分かった。
【実施例5】
【0063】
バッファー層4を用いないで、実施例3と同様にして、Co2 FeAl磁性薄膜3を用いたスピンバルブ型トンネル磁気抵抗効果素子10を作製した。この場合のCo2 FeAl磁性薄膜3はA2構造であった。このトンネル磁気抵抗効果素子10に外部磁界を印加して、室温および5Kの低温で磁気抵抗を測定した。その結果、室温で8%、低温で42%の大きなTMRが得られた。これは、A2構造のCo2 FeAl磁性薄膜においても大きなスピン分極率をもつことを示唆している。
【実施例6】
【0064】
バッファー層4を用いないで、熱酸化Si基板上に保磁力差型のトンネル磁気抵抗効果素子であるCo2 FeAl(10nm)/AlOx (1.4nm)/CoFe(3nm)/Ta(10nm)を室温で製作した。ここで、括弧内の数字はそれぞれの膜厚である。上記保磁力差型のトンネル磁気抵抗効果素子とは、強磁性体であるCo2 FeAlとCoFeとの保磁力の違いを利用したトンネル磁気抵抗効果素子である。この保磁力差型のトンネル磁気抵抗効果素子のTMRは、スピンバルブ型のトンネル磁気抵抗効果素子と同様に、磁化が互いに平行または反平行かによって磁気抵抗に違いが現れる。
製作した保磁力差型のトンネル磁気抵抗効果素子により得られたTMRの値は、室温で8%であり、5Kの低温で42%であった。なお、このように基板を加熱しないで熱酸化Si基板上に作製したときのCo2 FeAl薄膜3の結晶構造はA2構造であった。
【0065】
次に、このトンネル磁気抵抗効果素子を真空中において各種温度で熱処理し、それぞれのTMR特性を測定した。その結果、300℃で1時間熱処理したときのTMRは、室温で28%であり、5Kの低温で55%となり、室温で製作したときのTMRよりも非常に増大した。このときのCo2 FeAl薄膜の結晶構造をX線回折で測定したところ、その結晶構造はL21 構造であった。
したがって、上記熱処理によるTMRの向上は、Co2 FeAl薄膜の結晶構造がA2構造からL21 構造に変化したためであり、L21 構造のスピン分極率がA2構造のそれよりも大きいことを示唆している。
【実施例7】
【0066】
基板4としてGaAsを用いたこと以外は、実施例2と同様にしてスピンバルブ型トンネル磁気抵抗効果素子10を作製した。この場合のCo2 Fe0.4 Cr0.6 Al磁性薄膜3はL21 構造であった。このトンネル磁気抵抗効果素子10に外部磁界を印加して、室温で磁気抵抗を測定した。その結果、室温で125%の大きいTMRが得られ、L21 構造のCo2 Fe0.4 Cr0.6 Al磁性薄膜のスピン分極率は非常に大きいことが示唆された。
【実施例8】
【0067】
図8に示すスピンバルブ型の巨大磁気抵抗効果素子35を室温で作製した。高周波スパッタ装置とメタルマスクを用いて、熱酸化Si基板2上に、Al(100nm)/Co2 Fe0.5 Cr0.5 Al(5nm)/Cu(6nm)/Co2 Fe0.5 Cr0.5 Al(5nm)/NiFe(5nm)/IrMn(10nm)/Al(100nm)を順に堆積させて、スピンバルブ型の巨大磁気抵抗効果素子の多層膜構造を作製した。括弧内の数字はそれぞれの膜厚である。
【0068】
ここで、Alはバッファー層4、Co2 Fe0.5 Cr0.5 Alはフリー層となる薄膜3、Cuは巨大磁気抵抗効果を発現するための非磁性金属層21である。Co2 Fe0.5 Cr0.5 Al(5nm)及びNiFe(5nm)の2層構造はピン層となる強磁性層22である。IrMnは反強磁性層13であり、ピン層となる強磁性層22のスピンを固定する役割をしている。最上層のAl層は電極14である。なお、成膜時に100Oeの磁界を印加して膜面内に一軸異方性を導入した。この堆積した多層膜を、電子線リソグラフィとArイオンミリング装置を用いて微細加工し、0.5μm×1μmの巨大磁気抵抗効果素子35を作製した。
【0069】
この素子の上下の電極4,14間に電圧を印加して、膜面垂直方向に電流を流し、外部磁界を印加して室温で磁気抵抗を測定した。これにより、約8%の磁気抵抗が得られた。この値は、従来のスピンバルブ型のCPP構造の巨大磁気抵抗効果素子の磁気抵抗が1%未満であるのに対して、8倍の非常に大きな値であった。
これにより、本発明のCPP構造の巨大磁気抵抗効果素子のGMRが、従来のスピンバルブ型CPP構造の巨大磁気抵抗効果素子のGMRに比較して非常に大きくなるのは、Co2 Fe0.5 Cr0.5 Al薄膜3のスピン分極率が高いことに起因していることが分かった。
さらに、このように大きなGMRが得られる理由は上述したように、ピン層及びフリー層に用いたCo2 Fe0.5 Cr0.5 Al薄膜の抵抗率が、IrMnを用いた反強磁性層13の抵抗率と同等であることも寄与していることが分かった。
【産業上の利用可能性】
【0070】
以上のように、本発明に係る磁性薄膜及びそれを用いた磁気抵抗効果素子並びに磁気デバイスは、室温において、低磁界で大きなTMRとGMRが得られるので、磁界検出、磁界の反転の検出の必要な各種電子機器、各種産業機器用の磁界検出装置として、さらに、医療用電子機器の磁界検出装置などに用いるのに適している。
【図面の簡単な説明】
【0071】
【図1】本発明に係る第1の実施形態による磁性薄膜の断面図である。
【図2】本発明に係る第1の実施形態による磁性薄膜の変形例の断面図である。
【図3】本発明に係る第1の実施形態による磁性薄膜に用いるCo2 Fex Cr1-x Alの構造を模式的に説明する図である。
【図4】本発明に係る第2の実施形態による磁性薄膜を用いた磁気抵抗効果素子の断面を示す図である。
【図5】本発明に係る第2の実施形態による磁性薄膜を用いた磁気抵抗効果素子の変形例の断面を示す図である。
【図6】本発明に係る第2の実施形態による磁性薄膜を用いた磁気抵抗効果素子の変形例の断面を示す図である。
【図7】本発明に係る第3の実施形態による磁性薄膜を用いた磁気抵抗効果素子の断面を示す図である。
【図8】本発明に係る第3の実施形態による磁性薄膜を用いた磁気抵抗効果素子の変形例の断面を示す図である。
【図9】本発明の磁性薄膜を用いた磁気抵抗効果素子に外部磁界を印加したときの抵抗を模式的に説明する図である。
【図10】Co2 Fe0.5 Cr0.5 Al薄膜のX線回折を測定した結果を示す図である。
【図11】Co2 Fe0.5 Cr0.5 Al薄膜の室温における磁化特性を示す図である。
【図12】図5に示すトンネル磁気抵抗効果素子の抵抗の磁場依存性を示す図である。
【図13】図4に示すトンネル磁気抵抗効果素子の抵抗の磁場依存性を示す図である。
【符号の説明】
【0072】
1,5: 磁性薄膜
2: 基板
3,16: Co2 Fex Cr1-x Al薄膜
4: バッファー層
10,15,20: トンネル磁気抵抗効果素子
11: 絶縁層
12,22: 強磁性層
13: 反強磁性層
14: 電極層
21: 非磁性金属層
30,35: 巨大磁気抵抗効果素子
図面
【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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